マスコット作製玩具及びマスコット作製キット
【課題】てるてるぼうず形のマスコットを簡便に作成可能な玩具を提供すること。
【解決手段】頭部Hを構成する芯材34と、芯材34を覆うように被せられる可撓性を有したシート体40と、芯材34の周囲に被せられたシート体40を芯材34の下端付近で絞るための紐状部材42と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットMを作成するための玩具1。設置面に設置可能な底面を有した台座部4と、台座部4から上方に向かって突出するように延びる支柱部5と、を備えた保持台3を備える。支柱部5が、上端側で、芯材34を着脱可能に保持する構成とされている。
【解決手段】頭部Hを構成する芯材34と、芯材34を覆うように被せられる可撓性を有したシート体40と、芯材34の周囲に被せられたシート体40を芯材34の下端付近で絞るための紐状部材42と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットMを作成するための玩具1。設置面に設置可能な底面を有した台座部4と、台座部4から上方に向かって突出するように延びる支柱部5と、を備えた保持台3を備える。支柱部5が、上端側で、芯材34を着脱可能に保持する構成とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部を構成する芯材と、芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、芯材の周囲に被せられたシート体を芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具、及び、マスコット作製キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小学生の間等では、持ち物につけたり、友達と交換したりするために、マスコットやぬいぐるみ等を手作りしていた。しかしながら、マスコットやぬいぐるみを作製するためには、布を裁断したり、針と糸を使用して縫ったりする等の煩雑な作業が必要である。
【0003】
そして、従来には、ぬいぐるみを簡便に作製するための玩具があった(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−34451公報
【特許文献2】特開2005−66131公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、てるてるぼうず形のマスコットを簡単に作製するための玩具は、従来には存在しなかった。そこで、本発明者は、てるてるぼうずの形に着目し、かわいらしいてるてるぼうず形のマスコットを、簡単に作製できるように、鋭意努力して、本願発明のマスコット作製玩具に至ったものである。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、てるてるぼうず形のマスコットを簡便に作製可能な玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマスコット作製玩具は、頭部を構成する芯材と、芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、芯材の周囲に被せられたシート体を芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具であって、
設置面に設置可能な底面を有した台座部と、台座部から上方に向かって突出するように延びる支柱部と、を備えた保持台を備え、
支柱部が、上端側で、芯材を着脱可能に保持する構成とされていることを特徴とする。
【0008】
本発明のマスコット作製玩具は、台座部から上方に向かって延びる支柱部を備え、支柱部が、上端側で、マスコットの頭部を構成する芯材を着脱可能に保持する構成であることから、支柱部の上端側に芯材を保持させた状態で、シート体を、芯材に被せ、芯材の下端付近でシート体を絞るように、紐状部材をシート体の周囲に巻き付けて両端側を相互に連結させ、シート体の下端側の領域で胴体を作製し、その後、芯材を支柱部から取り外せば、てるてるぼうず形のマスコットを作製することができる。すなわち、本発明のマスコット作製玩具は、支柱部に芯材を保持させておくことができることから、芯材の下端付近で、シート体の周囲に紐状部材を巻き付ける際に、芯材を手で持つ必要がなく、紐状部材のみを把持して作業すればよいことから、小学生でも、簡単に作業することができ、簡便に、てるてるぼうず形のマスコットを作製することができる。
【0009】
したがって、本発明のマスコット作製玩具では、てるてるぼうず形のマスコットを簡便に作製することができる。
【0010】
また、本発明のマスコット作製玩具において、支柱部の上端側に、芯材に形成される1つの凹部に挿入可能に、上方に突出する1つの突起部を、形成する構成とすれば、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける場合と比較して、芯材を支柱部にセットする際に、支柱部の突起部を視認しやすく、また、突起部の数が1つであることから、小学生の子供にも、芯材の支柱部へのセットが容易となって、好ましい。
【0011】
さらに、上記構成のマスコット作製玩具に、シート体を支柱部側に向かって移動させて縮径させるように、シート体における芯材の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材を、配設させる構成とすれば、シート体の下端側の領域を押え部材によって押えることにより、この下端側の領域が周囲に広がるのを抑制できることから、紐状部材のシート体周囲への巻き付け作業や、紐状部材の両端相互の連結作業が、容易となって、好ましい。
【0012】
さらにまた、上記構成のマスコット作製玩具において、押え部材を、
軸方向を支柱部に略沿わせるような略筒状としてシート体の外周側を覆い可能に構成される周壁と、周壁の上端側を塞ぐように配置されるとともにシート体を被せた状態の芯材を挿通可能な開口を有する構成の天井壁と、を有するカバー部と、
カバー部内における天井壁の下面近傍に配置される一対の挟持片部と、
を備える構成として、
各挟持片部を、
天井壁の下面側に隣接して配置されるとともに、略円弧状に湾曲して構成される押え片と、
押え片の元部側において、周壁の軸方向に沿って相互に重なるように配置されるとともに、周壁の軸方向に沿って配置される回動軸に軸支される軸支部と、
軸支部からカバー部外に突出するように延びる把持片と、
を備えて、
回動軸を中心として、先端を相互に離隔可能に回動可能とされるとともに、回動軸の周囲に配置される付勢手段により、先端相互を当接させるように付勢される構成として、
各押え片間の離隔距離を、先端相互を当接させた状態で、開口の幅寸法より小さくして、シート体の外周側を押え可能な寸法に設定され、把持片を把持して先端相互を離隔させた状態で、シート体を被せた状態の芯材を挿通可能な寸法に、設定した構成とすることが好ましい。
【0013】
上記構成のマスコット作製玩具では、押え部材が、シート体の外周側を覆うカバー部と、カバー部内に配置される一対の挟持片部と、を備えていることから、押え片の先端相互を離隔させるように把持片を把持した状態の押え部材を、シート体を被せた状態の芯材の上方から被せるようにして、押え片間にシート体を被せた状態の芯材を挿通させつつ、カバー部における天井壁の開口に芯材を挿通させて、押え部材を下降移動させれば、シート体の外周側を全周にわたってカバー部により囲むことができ、押え片間に、シート体全体を介在させることができる。そして、押え部材を保持台の周囲に配置させた後に、把持片を離せば、シート体における芯材の下端近傍の部位が、押え片によって挟持されて、絞られることとなる。そして、カバー部は、周壁の上端側を塞ぐような天井壁を有していることから、この天井壁に手の一部を載せるようにして、紐状部材をシート体周囲に巻き付けることができ、紐状部材のシート体周囲への巻き付け作業や、紐状部材の両端相互の連結作業が、一層容易となる。
【0014】
さらに、上記構成のマスコット作製玩具において、各押え片の内縁に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって形成する構成とすれば、シート体を押え片によって挟持させた際に、この凹凸に沿って皺を寄せるようにして、シート体における芯材の下端近傍の部位を絞ることができる。すなわち、上記構成のマスコット作製玩具では、把持片から手を離せば、2つの押え片によりシート体が挟持されることとなって、シート体における芯材の下端近傍の部位に、簡便に、略均等なギャザーを寄せることができることから、小学生の子供にも、マスコットの胴体をきれいに作製することができて、好ましい。
【0015】
本発明のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットとしては、
マスコット作製玩具と、芯材と、シート体と、紐状部材と、を備えるものを使用することができる。
【0016】
そして、マスコット作製キットとしては、具体的には、芯材を、芯材本体と、芯材本体の下端側から下方に突出するように形成されて、下方を開口させた略円筒状の首部と、を有し、首部の内周側を、凹部として、支柱部に形成される突起部を挿入可能な構成とし、
首部の下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部を、首部の周方向の全域にわたって、配置させる構成とすることが、好ましい。
【0017】
上記構成のマスコット作製キットを使用すれば、凹部に突起を挿入させるようにして支柱部にセットされた状態の芯材の周囲に、シート体を被せた後、周囲にシート体を介在させた状態の首部の周囲に、紐状部材を巻き付ければよいことから、紐状部材のシート体への巻き付け作業を安定して行なうことができる。また、首部の下端側には、外周側に向かって突出するフランジ部が、形成されていることから、作製したマスコットを使用する際等において、シート体の周囲に巻き付けられた紐状部材が芯材から離れるように大きく下方移動することを抑制でき、マスコットの形が崩れてしまうことも、防止できる。
【0018】
また、上記構成のマスコット作製キットにおいて、芯材において、支柱部に対して保持させた際における上端側に、シート体に形成される挿通孔に挿通可能な突出部を、配設させる構成とすれば、マスコットの作製時に、シート体が芯材に対して位置ずれすることを防止できて、好ましい。
【0019】
そして、この突出部を、開口を有したリング状とすれば、ボールチェーンや、携帯電話のストラップ用の金具等をこの突出部に取り付けることもでき、作製したマスコットを、かばんや携帯電話につけて楽しむこともできて、好ましい。
【0020】
さらにまた、上記構成のマスコット作製キットにおいて、芯材を、内部を中空として、開閉可能な構成とすれば、芯材の内部にチャーム等を入れることもできる。
【0021】
さらにまた、上記構成のマスコット作製キットにおいて、紐状部材を、紐状体と、紐状体の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板と、を備える構成とし、
紐状体を、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体と、紐本体の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起と、を有し、
止め板を、紐本体における係止突起近傍の両端側を、挿通可能な溝部を有し、溝部の周縁において、係止突起を係止可能な構成とすることが、好ましい。
【0022】
上記構成のマスコット作製キットでは、伸縮性を有した紐本体を、シート体の周囲に巻き付けつつ、紐本体の両端側を、それぞれ、止め板に形成される溝部に挿通させて、溝部の周縁に、紐本体の両端側に配置される係止突起を係止させることにより、紐状体の両端側を相互に連結させる構成であることから、紐状部材の両端相互を結ぶ必要がなく、紐状部材の両端相互の連結作業が容易である。また、上記構成のマスコット作製キットでは、マスコットの作製後に、一方の係止突起を把持するようにして、紐本体を、溝部に沿って挿入方向と逆方向に移動させれば、止め板から紐本体を取り外すことができ、この取り外し作業も容易である。そして、この紐状体と止め板とは繰り返し使用することができることから、マスコットを、例えばシート体や他の付属品を変更して、何度も作製して楽しむことができる。また、上記構成のマスコット作製キットでは、止め板に装飾を施したり、止め板自体を、マスコットを装飾する装飾体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態であるマスコット作製玩具の斜視図である。
【図2】図1のマスコット作製玩具の平面図である。
【図3】図2のIII−III部位の断面であり、併せて、保持台を押え部材に対して押し上げた後の状態も示す図である。
【図4】図2のIV−IV部位の断面であり、併せて、保持台を押え部材に対して押し上げた後の状態も示す図である。
【図5】図1のマスコット作製玩具の分解斜視図である。
【図6】図1のマスコット作製玩具における保持台の正面図である。
【図7】図1のマスコット作製玩具における押え部材の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII部位の断面図である。
【図9】図7のIX−IX部位の断面図である。
【図10】図7の押え部材において、先端相互を離隔させるように押え片を開いた状態を示す底面図である。
【図11】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製可能なマスコット作製キットを構成する部品を並べた図である。
【図12】マスコット作製キットにおける芯材の正面図である。
【図13】図12の芯材の縦断面図である。
【図14】マスコット作製キットのシート体において、裏側を表す底面図と、正面図と、A−A部分の断面図である。
【図15】マスコット作製キットにおいて、紐状部材を構成する止め板の平面図である。
【図16】図15の止め板の斜視図である。
【図17】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する工程を説明する図である。
【図18】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図17の後の工程を示す図である。
【図19】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図18の後の工程を示す図である。
【図20】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図19の後の工程を示す図である。
【図21】マスコット作製時において、保持台に支持された芯材に被せられたシート体の周囲に押え部材を配置させた状態の概略縦断面図である。
【図22】マスコット作製時において、保持台に支持された芯材に被せられたシート体の周囲に押え部材を配置させた状態の概略縦断面図である。
【図23】図22におけるXXIII−XXIII部位の概略断面図である。
【図24】実施形態のマスコット作製玩具を使用して作製したマスコットを前方側から見た斜視図である。
【図25】図24のマスコットを後方側から見た斜視図である。
【図26】図24のマスコットの概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態のマスコット作製玩具(以下、単に「作製玩具」と省略する)1は、てるてるぼうず形のマスコットMを作製するためのもので、図1〜5に示すように、保持台3と、押え部材12と、を備えて構成されている。実施形態の作製玩具1は、各部位を構成する基材を連結させるビス等の連結手段と、押え部材12に配置される付勢手段としての後述するねじりコイルばね20と、を除いては、全て合成樹脂製とされている。
【0025】
なお、実施形態では、特に断らない限り、上下、左右の方向を、作製玩具1を水平面に略平行な設置面Gに設置した状態での上下、左右の方向として、説明をし、前後の方向に関しては、作製されたマスコットMの顔F側を前方として、説明をする。
【0026】
なお、てるてるぼうずとは、通常、円形や正方形等のシート体の中央側の部位を、頭部を構成する球形等の立体形状の芯材に被せ、芯材の下端付近でシート体を紐等で縛ることにより、作製されるもので、てるてるぼうず形とは、頭部の下方に、シート体の外周縁側の部位から形成されて下方に向けて末広がり状に広がる略円錐体等の錐体状の胴体を、配置させたような形状のことである。なお、実施形態のマスコットMには、手足がないが、同様の構成の胴体からなるものであれば、手や足があるものも、てるてるぼうず形のマスコットに含めるものとする。
【0027】
保持台3は、図6に示すように、設置面Gに設置可能な台座部4と、台座部4から上方に向かって突出するように延びる支柱部5と、を備えている。台座部4は、略円板状とされるもので、実施形態の場合、図3,4に示すように、押え部材12における後述するカバー部13の周壁14に挿通可能に、外径寸法D1(図6参照)を、周壁14の内径寸法d1(図9参照)よりも若干小さく設定されている。
【0028】
支柱部5は、実施形態の場合、図5,6に示すように、略円柱状として、軸心を、台座部4の中心と略一致させるようにして、台座部4から上方に向かって突出するように、配設されている。支柱部5は、外径寸法D2(図6参照)を、周囲を部分的にタックが寄せられたシート体40に覆われた状態で、押え部材12のカバー部13に形成される開口16に挿通可能なように、開口16の内径寸法d2(図7参照)よりも、小さく設定されている。また、実施形態の場合、支柱部5の高さ寸法(台座部4からの突出量)は、後述する突起部7により保持させた芯材34の外周側を覆っているシート体40を、端縁を下方に向けるように絞った際に、シート体40の端縁を台座部4と接触させない程度の寸法に、設定されている(図21,22参照)。実施形態の場合、支柱部5は、上端5a側の領域を、上方に向かって縮径させるような略円錐台形状として、構成されている。この円錐台状部位6は、押え部材12を、後述する周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置させた際に、図3のA,図4のAに示すように、押え部材12のカバー部13(天井壁15)から上方に突出する部位である。
【0029】
円錐台状部位6の上面6aの略中央には、1つの略円柱状の突起部7が、軸心を、支柱部5の軸心(台座部4の中心)と略一致させるようにして、上方に向かって突出して形成されている。この突起部7は、円錐台状部位6の上面6aより小径とされるもので、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34に形成される凹部38に挿入されて、芯材34を保持させるための部位である。また、実施形態の支柱部5では、突起部7を凹部38に挿入させた状態で、芯材34における後述する首部37の下端面37bが、突起部7の周囲の円錐台状部位6の上面6aに、当接されることとなる(図21,22参照)。さらに、実施形態では、円錐台状部位6の上面6aの外径寸法は、図21,22に示すように、芯材34における首部37の下端側に形成されるフランジ部37aの外径寸法と、略同一として、構成されている。実施形態では、マスコットMの作製時に、紐状部材42(紐本体44)の首部37周囲への巻き付け作業を容易として、かつ、マスコットMにおける紐状部材42から下に延びる胴体Bの部位の外形をきれいな錐体状とできるように、支柱部5の上端5a側に、芯材34を保持させる突起部7に向かって縮径する円錐台状部位6を配置させている構成である。
【0030】
また、支柱部5において、円錐台状部位6の下方には、凹溝8が、形成されている(図6参照)。この凹溝8は、円錐台状部位6に隣接するように形成されるもので、支柱部5の外周面を、断面形状を略矩形状として、周方向の全周にわたって凹ませて形成されている。この凹溝8は、図3のA,図4のAに示すように、周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、押え部材12を保持台3の周囲に配置させた状態で、押え部材12における各挟持片部22の押え片23に対応した位置に配置されるもので、押え片23を挿入可能で、かつ、間にシート体40を介在させた状態で内部に押え片23を僅かに進入させることが可能なように、開口幅寸法W1(図6参照)を、押え片23の板厚t1(図9参照)より大きく設定されている。
【0031】
さらに、支柱部5の下端側であって、台座部4との境界部位にも、凹溝9が、形成されている(図6参照)。凹溝9は、台座部4に隣接して、支柱部5の外周面を、断面形状を略矩形状として、周方向の全周にわたって凹ませて形成されている。この凹溝9も、押え片23を挿入可能に、開口幅寸法W2を、押え片23の板厚t1より大きく設定されている。具体的には、この凹溝9は、凹み量を、凹溝8の凹み量と一致させて構成とされるとともに、開口幅寸法W2(図6参照)を、上述の凹溝8の開口幅寸法W1より小さくして、押え片23の板厚t1よりわずかに大きく、設定されている。
【0032】
また、実施形態の支柱部5では、これらの凹溝8,9が配置される領域の外径寸法D3(図6参照)は、押え部材12における閉じ状態の押え片23,23間の離隔距離T1(図7参照)より、僅かに小さく設定されている。すなわち、押え部材12における各挟持片部22は、これらの凹溝8,9に押え片23を進入させるような位置に配置される場合、押え片23,23の先端23a,23a相互を当接させた閉じ状態P1で、配置されることとなる(図2〜4参照)。なお、上側の凹溝8においては、マスコット作製時に、押え片23と凹溝8との間に、シート体40が介在されることから、シート体40を介在させた状態では、押え片23,23は、先端23a,23a相互を離隔させるような開き状態P2で、配置されることとなる(図21,22参照)。
【0033】
押え部材12は、カバー部13と、カバー部13内に配置される一対の挟持片部22,22と、挟持片部22,22を軸支する回動軸18と、回動軸18の外周側に配置される付勢手段としてのねじりコイルばね20と、を備えて構成されている。
【0034】
カバー部13は、軸方向を支柱部5の軸方向(上下方向)に略沿わせるような略筒状とされるもので、実施形態の場合、略円筒状の周壁14と、周壁14の上端側を塞ぐように配置される天井壁15と、を備えている。周壁14は、内径寸法d1(図9参照)を、保持台3における台座部4を挿通可能な寸法に設定されており、カバー部13は、台座部4の周囲において周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置される構成である(図3,4参照)。天井壁15は、図5,7に示すように、中央に、中心を支柱部5の軸心(保持台3の中心)と略一致させた略円形の開口16を、有している。換言すれば、天井壁15は、略円環状とされている。この開口16は、内径寸法d2(図7参照)を、保持台3に保持されてシート体40を被せられた状態の芯材34を挿通可能な寸法に、設定されている。そして、カバー部13は、保持台3の周囲に配置させた状態で、支柱部5における円錐台状部位6を、開口16から上方に突出させるような高さ寸法に、設定されている(図3のA,図4のA参照)。
【0035】
回動軸18は、実施形態の場合、軸方向を周壁14の軸方向(上下方向)に略沿わせるような略棒状として、図8に示すように、カバー部13の側方に配置される回動軸収納部19内に、配置されている。回動軸収納部19は、図5,7に示すように、外形形状を略半円柱状として、カバー部13から外方に突出するように形成されるもので、挟持片部22に形成される後述する把持片28を突出させるために、カバー部13から離れた先端側に形成される開口部19aを除いて、回動軸18の外周側を略全周にわたって覆っている。詳細に説明すれば、回動軸収納部19は、回動軸18の上方を覆う領域と、カバー部13の外方において回動軸18の側方を覆う領域と、を、カバー部13と一体的にカバー部13から連なるように構成し、回動軸18の下方を覆う領域と、回動軸18の側方における周壁14の軸心側を覆う領域と、を、カバー部13と別体の部材から構成している。そして、回動軸18は、上下両端側を、回動軸収納部19に連結させている。実施形態の場合、回動軸18は、回動軸収納部19において、回動軸18の上側を覆う領域から下方に延びるように、回動軸収納部19と一体的に形成されて、下端側を、回動軸収納部19において回動軸18の下側を覆う部材にビス止めされている。回動軸18の外周側には、両端を各把持片28に連結されるとともに、各把持片28を相互に離隔(押え片23の先端23a相互を当接)させるように付勢している付勢手段としてのねじりコイルばね20が、配設されている(図7,8参照)。
【0036】
一対の挟持片部22は、カバー部13内における天井壁15の下面近傍に配置されるもので、それぞれ、図7,8に示すように、天井壁15の下面側に隣接して配置される押え片23と、押え片23の元部23b側において回動軸18に軸支される軸支部26と、軸支部26から外方に突出するように延びる把持片28と、を備えて構成されている。この挟持片部22は、回動軸18の外周側に配置されるねじりコイルばね20により、押え片23の先端23a相互を当接させるような閉じ方向に付勢されて配置されるもので、通常状態では、押え片23の先端23a相互を当接させる閉じ状態P1として配置されるように構成されている。
【0037】
各押え片23は、図7に示すように、天井壁15の開口16の周縁に略沿うように、略半円弧状に湾曲した帯板状とされるもので、先端23a相互を当接させた閉じ状態P1において、内縁24を、全周にわたって天井壁15における開口16の周縁よりも内方に突出させるように、構成されている。各押え片23の内縁24は、実施形態の場合、略半楕円形状とされるとともに、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって、配置させている。具体的には、各押え片23の内縁24は、図7に示すように、略半楕円状の縁部を部分的に略半円弧状に切り欠く切欠部24aを、断続的に、配置させて、連続的な凹凸を有するように、構成されている。実施形態の場合、通常状態(閉じ状態P1)における各押え片23の離隔距離T1(内縁24相互の離隔距離、図7参照)は、天井壁15の開口16の内径寸法d2の1/2程度に設定されている。また、押え片23は、付勢手段としてのねじりコイルばね20を圧縮させつつ、把持片28の先端28aを相互に接近させれば、図10に示すように、それぞれ、外縁側をカバー部13における周壁14の内周面に当接させるまで、先端23a相互を離隔させるように開くことができる。そして、この開き状態P2では、各押え片23は、内縁24を部分的に僅かに、天井壁15の開口16の周縁より内側に突出させるのみである。すなわち、開き状態における各押え片23の離隔距離T2(図10参照)は、天井壁15の開口16の内径寸法d2と略同一であり、シート体40を被せられた状態の芯材34を挿通可能な寸法に設定されている。
【0038】
各軸支部26は、図7,8に示すように、各押え片23の元部23b側において、周壁14の軸方向(上下方向)に沿って相互に重なるように配置されて、それぞれ、回動軸18に軸支されている。詳細には、各軸支部26は、回動軸収納部19内に収納可能な平板状とされて、それぞれ、回動軸18を挿通可能な挿通孔26aを、備える構成とされている。実施形態の場合、各軸支部26は、回動軸収納部19の上端近傍において、上下で相互に重なるように、配置されている。
【0039】
各把持片28は、軸支部26から外方に突出しつつ下方に延びるように形成されるもので、図5に示すように、上下方向に略沿って配置される略長方形板状とされている。各把持片28は、先端28a相互を離隔させるように上方から見て略「ハ」字形状に、配置されている(図7参照)。そして、各把持片28には、上述したごとく、回動軸18の外周側に配置されるねじりコイルばね20の両端が連結されており、把持片28は、先端28aを相互に離隔させる方向(押え片23の先端23a相互を当接させる方向)側に、ねじりコイルばね20により付勢されている。
【0040】
実施形態の作製玩具1は、図3のB,図4のBに示すように、各押え片23を、支柱部5において下側に配置される凹溝9に進入させることにより、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、支柱部5をカバー部13の天井壁15から上方に大きく突出させた状態で固定することもできる。そして、この状態での作製玩具1を、作製したマスコットMを机等の上に飾る飾り台として、使用することもできる。詳細に説明すれば、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、押え部材12に対して固定させた状態の支柱部5の上端5a側の突起部7を、作製したマスコットMの芯材34の凹部38に挿入させれば、マスコットMを、カバー部13の上に立たせるようにして、支柱部5に対して保持させることができる(図20のB参照)。そして、実施形態の作製玩具1では、このような飾り台として使用することも考慮して、カバー部13の外表面に、装飾を設けている。具体的には、実施形態の場合、図5に示すように、カバー部13における天井壁15の上面に、略半球状の突起が、放射状に設けられ、周壁14の外表面に、略逆三角形状のレリーフが、連続的に、全周にわたって配置されている。
【0041】
次に、実施形態の作製玩具1を用いて、てるてるぼうず形のマスコットMを作製可能なマスコット作製キット(以下、単に「キット」と省略する)31について、説明をする。キット31は、作製玩具1と、図11に示すマスコット用素材33と、を備えて構成される。マスコット用素材33は、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34と、芯材34を覆うシート体40と、シート体40を絞るための紐状部材42と、芯材34内部に収納するチャーム52と、作製したマスコットMに被せる頭飾り54と、ボールチェーン53と、を備えて構成されている。なお、図11に示すマスコット用素材は、一例に過ぎず、マスコット用素材としては、構成する部材の組み合わせや数を適宜変更したものを使用することが可能である。
【0042】
芯材34は、透明な合成樹脂製とされるもので、実施形態の場合、図12,13に示すように、内部を中空とした略球形状とされるとともに、上下で二分割されて開閉可能なカプセル状として、構成されている。詳細には、芯材34は、略球形状の芯材本体35と、芯材本体35の下端側から下方に突出するように形成される首部37と、を備えている。芯材本体35は、上下で2分割可能に構成されるもので、相互に係合可能な上側部位35aと下側部位35bとから構成されている。
【0043】
上側部位35aの中央(芯材本体35における上端側)には、リング状の突出部36が、上方に突出するように、形成されている。実施形態の場合、この突出部36は、図13に示すように、上側部位35aと一体的に形成されて、長手方向を上下方向に略沿わせた略長方形板状の部材に、長手方向を上下方向に略沿わせた略長円状の前後に貫通する開口36aを配設させて、構成されている。
【0044】
首部37は、図12,13に示すように、下側部位35bの中央(芯材本体35における下端側)において、下側部位35bから下方に突出するように形成されるもので、下方を開口させた略円筒状とされるとともに、下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部37aを、周方向の全域にわたって配置させている。実施形態では、この首部37における内周側の領域が、作製玩具1における支柱部5の上端5a側に形成される突起部7を挿入させるための凹部38を構成することとなる。凹部38は、突起部7を挿入可能に、内径寸法d3(図13参照)を、突起部7の外径寸法D4(図6参照)より僅かに大きく設定されている。また、この凹部38は、内径寸法d3を、汎用の鉛筆の端部を挿入可能な寸法に、設定されている。さらに、この凹部38は、深さを、突起部7の突出量より大きくして、突起部7を内部に挿入させるようにして、芯材34を支柱部5に保持させた際に、首部37の下端面37bを、突起部7の周囲の円錐台状部位6の上面6aに、当接させるように、構成されている(図21,22参照)。
【0045】
シート体40(40A,40B)は、可撓性を有したシート材から構成されるもので、実施形態の場合、織布やフェルト地(不織布)等から構成されている。実施形態のマスコット用素材33には、図11に示すように、シート体40(40A,40B)は、2枚含まれている。各シート体40A,40Bは、図11,14に示すように、それぞれ、外形形状を略円形として、略中央となる位置に、芯材34に形成される突出部36を挿通可能に略長方形状に開口した挿通孔40aを、配設させている。詳細には、実施形態のシート体40(40A,40B)は、略円形として、周縁に、全周にわたって小径の略半円形状のフリンジを、配置させている。このシート体40は、中央側の領域によって、芯材34の周囲を全周にわたってくるみ、この中央側の領域により、マスコットMの頭部Hを構成し、芯材34の下端付近で紐状部材42によって絞られて、紐状部材42より下方に位置する外周側の領域により、マスコットMの胴体Bを構成することとなる。そして、実施形態の場合、シート体40(40A,40B)における中央付近には、マスコットMの顔Fを構成する目や口が、予め印刷されている(図11参照)。なお、シート体40を構成する素材は織布や不織布に限られるものではなく、編布等の布帛、あるいは、皮革、合成皮革、軟質合成樹脂製のシート等、可撓性を有したシート材から構成することもできる。
【0046】
また、シート体40の外表面には、温度変化により色相や色調を変化可能なサーモクロミック材料や、光照射により色相や色調を変化可能なフォトクロミック材料、蓄光性材料を塗布して装飾を施してもよい。あるいは、サーモクロミック材料や、フォトクロミック材料、蓄光性材料を含有させた糸を使用して織成された織布や編布等の布帛によって、シート体40を形成してもよい。
【0047】
サーモクロミック材料としては、液晶、Ag2HgI4、Cu2HgI4等、あるいは、電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物触媒と、の三成分を含む可逆熱変色性組成物を、使用することができる。
【0048】
電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物触媒と、の三成分を含む可逆熱変色性組成物としては、例えば、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載された加熱消色型の可逆熱変色性組成物や、特公昭51−44706号公報、特開平11−5973号公報、特開平11−129623号公報、特開2001−105732号公報、特開2003−253149号公報に記載された加熱発色型の可逆熱変色性組成物を例示することができる。
【0049】
また、可逆熱変色性組成物は、そのままの適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料として使用することが好ましく、マイクロカプセルに内包させて使用すれば、使用条件の変化による影響を受け難く、種々の使用条件においても、化学的や物理的な特性を安定させることができ、可逆熱変色性組成物を同一の組成に保つことができて、同一の作用効果を奏することができる。具体的には、マイクロカプセルに内包させる場合、マイクロカプセルとして、平均粒子径を、0.1〜50μmの範囲内、好ましくは0.5〜30μmの範囲内、より好ましくは1〜20μmの範囲内に、設定されたものを使用することが好ましい。このマイクロカプセルの粒子径及び粒度分布の測定は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置[(株)堀場製作所製;LA−300]を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を算出する。また、マイクロカプセル化の方法としては、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中に懸濁被覆法、スプレードライイング法等があり、用途に応じて適宜選択できる。さらにマイクロカプセルの表面に、目的に応じてさらに二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて使用することもできる。
【0050】
シート体に可逆熱変色性を付与する場合、一例として、下記に示す布帛を使用することができる。目付量120g/m2の白色T/Cブロード生地表面に、可逆熱変色性材料として、青色から無色に変色する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料(変色温度:30℃、平均粒子径:6μm)30部、アクリル系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散させたインキを用いて、120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行ない、乾燥、硬化させれば、可逆熱変色層を有した布帛を製造することができる。シート体として、このような布帛を使用すれば、25℃の室温下では、可逆熱変色層に含まれる可逆熱変色性材料が青色に発色するため、シート体が青色となり、35℃の室外では、可逆熱変色性材料が消色して、シート体が白色に変化することとなる。そして、再び25℃の環境下で使用すれば、再び可逆熱変色性材料が青色に発色して、シート体が青色に変化することとなり、色調の変化を楽しむことができる。
【0051】
また、シート体としては、上記と同様の白色の生地を用いて、使用者が、サーモクロミック材料を含有させたインキを収容した筆記具や、サーモクロミック材料を含有させたインキを収容したスタンプ、ステンシル等を使用して、自由に絵や記号等を描いて、楽しむような構成とすることも可能である。
【0052】
フォトクロミック材料としては、スピロピラン系誘導体、フルギド系誘導体、ジヒドロピレン系誘導体、インジゴ系誘導体、アジリジン、多環芳香族系誘導体、アゾベンゼン系誘導体、サリチリデンアニリン系誘導体、キサンテン系誘導体、スピロオキサジン系誘導体、ジアリールエテン系誘導体、ナフトピラン系誘導体、ナフトオキサジン系誘導体等のフォトクロミック化合物を、例示することができる。このようなフォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマーに溶解して用いることが好ましく、スチレン系オリゴマーとしては、重量平均分子量が200〜6000の範囲内、好ましくは200〜4000の範囲内のものを使用する。スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなるためであり、重量平均分子量が6000を超えると、光照射により色残りが発生し、また、発色濃度が低くなって、変色感度が鈍くなるためである。なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。また、スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体等を挙げることができる。
【0053】
蓄光性材料としては、CaS/Bi系、CaSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCds/Cu系、特開平7−11250号公報に開示されているSrAl2O4、Sr4Al14O25、或いは、CaAl2O4にユウロピウム、ジスプロシウム、サマリウム等を賦活剤として添加したもの、特開平10−168448号公報に開示されているSr(AlB)2O4;EuDy、Sr(AlB)3O6;EuDy、或いは、Sr(AlB)4O7;EuDy等を例示することができる。
【0054】
また、シート体は、水が付着することにより色変化するように構成してもよく、詳細には、外表面に低屈折率顔料とバインダー樹脂を含有させて、吸水状態と非吸水状態で透明性を異にする多孔質層を設けることもできる。多孔質層とは、低屈折顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸水状態とで透明性が異なる層である。
【0055】
低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等を挙げることができ、これらの低屈折率顔料を、1種又は2種以上を併用して使用することができる。これらの低屈折率顔料は、屈折率を1.4〜1.8の範囲に設定されており、吸水すると良好な透明性を示すものである。なお、上記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等を挙げることができる。
【0056】
低屈折率顔料は、バインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散された状態で、支持体(カバー体)に塗布された後、揮発分を乾燥させれば、多孔質層を形成することとなる。バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び、各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0057】
紐状部材42は、図11に示すように、紐状体43と、紐状体43の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板47と、を備えている。紐状体43は、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体44と、紐本体44の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起45,45と、を備えている。紐本体44としては、実施形態の場合、外表面を編地からなる伸縮自在の装飾布により覆われる汎用のゴム紐を、使用している。係止突起45は、実施形態の場合、球形状として、紐本体44の両端側に、それぞれ、連結されている。詳細には、係止突起45は、外径寸法を、紐本体44の両端側を止め板47の溝部48に挿通させて、溝部48における後述する横溝48bの両端周縁に、それぞれ、係止させた状態で、左右で連なって配置されるような寸法に、設定されている(図25参照)。
【0058】
止め板47は、実施形態の場合、図15,16に示すように、広がった天使の羽を模した形状を有する左右に幅広とされるもので、左右の中央付近に、紐本体44を挿通可能に止め板47を切り欠いて構成される溝部48を、備えている。溝部48は、紐本体44を上方から挿通可能に止め板47の上縁側における左右の略中央から下方に向かって延びる縦溝48aと、縦溝48aの下端側から左右に分岐するように左右両側に向かって延びる横溝48bと、を有し、横溝48bの両端側の周縁で、紐状体43の各係止突起45,45を係止させる構成である。すなわち、実施形態では、各係止突起45,45を先端側で係止させ、紐本体44における係止突起45近傍の両端を、それぞれ挿通可能とする二つのL字状若しくは逆L字状の溝が、縦溝48aを共用させるようにして、略逆T字形状の溝部48を、構成している。また、止め板47は、紐本体44の挿入作業を容易とし、かつ、芯材34の首部37の部位でくびれているマスコットMに沿わせやすいように、溝部48の周囲を囲んで、かつ、前方(芯材側)に向かって突出するようなリブ49を、左右の中央付近における上側の領域に、配設させている(図15,16参照)。
【0059】
チャーム52は、実施形態の場合、図11に示すように、様々な色の立体的なハート型とされている。このチャーム52は、色の持つ意味や効果を考慮して作製されたおまじないパーツであり、任意の数を、芯材34内に収納して、マスコットMを作製することができる。なお、チャーム52の外形形状は、勿論ハート型に限られるものではない。ボールチェーン53は、作製したマスコットMをかばん等に取り付ける際に使用するもので、芯材34の突出部36に形成される開口36aに挿通可能とされている。
【0060】
頭飾り54は、作製したマスコットMの頭部Hに載せて使用するもので、頭部Hに載置可能な略円板状とされて略中央に芯材34の突出部36を挿通可能な挿通孔55aを有する取付部55と、取付部55の周縁を全周にわたって囲む装飾部56と、を備えている。なお、実施形態の場合、頭飾り54の取付部55に形成される挿通孔55aは、突出部36を嵌合可能に、構成されている。実施形態のマスコット用素材33では、図10に示すように、頭飾り54として、王冠形の頭飾り54Aと、花冠形の頭飾り54Bと、リボン形の頭飾り54Cと、の3種類が、含まれている。なお、頭飾り54(54A,54B,54C)は、温度変化により色相や色調を変化可能なサーモクロミック材料や、光照射により色相や色調を変化可能なフォトクロミック材料から形成したり、表面に蓄光性材料を塗布してもよい。また、頭飾り54を、水の付着時に色変化するように構成してもよい。頭飾り54を構成するサーモクロミック材料やフォトクロミック材料、蓄光性材料等は、上述のシート体40に用いられるものと同様のものを使用することができる。
【0061】
次に、実施形態の作製玩具1を使用したマスコットMの作製について、説明をする。まず、図17のAに示すように、上側部位35aと下側部位35bとに分離させた状態の芯材本体35の下側部位35bを、首部37に形成される凹部38に、突起部7を挿入させるようにして、設置面Gに設置された状態の保持台3の支柱部5に保持させ、下側部位35bの中にチャーム52を入れる。次いで、上側部位35aを上方から被せて、下側部位35bに係合させて、芯材34を閉じ、突出部36を挿通孔40aに挿通させるようにして、芯材34に、シート体40を被せる(図17のB参照)。その後、把持片28を、先端28a相互を接近させるように把持して、押え片23,23を開かせた状態の押え部材12を、図18のAに示すように、シート体40の上方から、押え片23,23間と開口16とに、シート体40を被せられた状態の芯材34を挿通させつつ、押え部材12を、周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置させる(図18のB参照)。このとき、シート体40は、支柱部5側に向かって移動するように、押え部材12によって外周側を押えられて、縮径されている(図21,22参照)。また、このとき、押え片23と支柱部5における凹溝8との間には、部分的に皺のよったシート体40が介在されていることから、把持片28から手を離した状態では、押え片23,23は、先端23a,23a相互を離隔させるように開いた、開き状態P2で配置されることとなり、また、シート体40は、各押え片23の内縁24に形成される凹凸に沿って、皺を寄せるように絞られつつ、凹溝8内に進入した状態で、配置されることとなる(図22参照)。
【0062】
その後、図19のA,Bに示すように、紐状部材42における紐状体43を、シート体40を介在させた状態の首部37の周囲に巻き付け、紐本体44の両端側における係止突起45近傍の部位を、止め板47の溝部48に挿通させて、各係止突起45を、横溝48bの両端側の周縁に係止させれば、紐状体43の両端相互を止め板47によって連結させることができて、紐状部材42によって、シート体40を芯材34の下端付近となる首部37の部位で絞ることができ、マスコットMを作製することができる。
【0063】
次いで、図20のAに示すように、台座部4を、カバー部13の周壁14に挿通させるように、上方に押し上げれば、押え片23が、上昇移動する支柱部5によって相互に離隔されるように押し広げられることとなり、支柱部5とともに、作製されたマスコットMが、開口16を経て、上昇移動することとなる。そして、押え片23を、凹溝9に進入させるまで、保持台3を押し上げれば、図20のBに示すように、マスコットM全体を、開口16から上方に取り出すことができ、突起部7を凹部38から外すようにして、マスコットMを保持台3から取り外せば、マスコットMの完成である。
【0064】
このようにして作製したマスコットMは、図24〜26に示すように、挿通孔55aに突出部36を挿通させるようにして、頭部Hに頭飾り54を、取り付けてもよく、また、突出部36の開口36aに、ボールチェーン53を挿通させて、かばん等に取り付けて使用することもできる。さらに、首部37に形成される凹部38に、図26の二点鎖線に示すごとく、鉛筆PEを挿入させて、鉛筆PEに取り付けて楽しむこともできる。また、上述したごとく、押え片23を凹溝9周縁に係止させるようにして、支柱部5をカバー部13の天井壁15から大きく上方に突出させた状態の作製玩具1の突起部7を、首部37の凹部38に挿入させるようにして、マスコットMを、作製玩具1ごと、机等の上に飾って楽しむこともできる。
【0065】
また、マスコットMは、シート体40と頭飾り54との組み合わせパターンを変えることや、芯材34内のチャーム52を入れ替えることにより、何度も作製して楽しむことができる。
【0066】
そして、実施形態の作製玩具1は、台座部4から上方に向かって延びる支柱部5を備え、支柱部5が、上端5a側で、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34を着脱可能に保持する構成であることから、支柱部5の上端5a側に芯材34を保持させた状態で、シート体40を、芯材34に被せ、芯材34の下端付近でシート体40を絞るように、紐状部材42をシート体40の周囲に巻き付けて両端側を相互に連結させ、シート体40の下端側の領域で胴体Bを作製し、その後、芯材34を支柱部5から取り外せば、てるてるぼうず形のマスコットMを作製することができる。すなわち、実施形態の作製玩具1は、支柱部5に芯材34を保持させておくことができることから、芯材34の下端付近で、シート体40の周囲に紐状部材42を巻き付ける際に、芯材34を手で持つ必要がなく、紐状部材42のみを把持して作業すればよいことから、小学生でも、簡単に作業することができ、簡便に、てるてるぼうず形のマスコットMを作製することができる。
【0067】
したがって、実施形態の作製玩具1では、てるてるぼうず形のマスコットMを簡便に作製することができる。
【0068】
また、実施形態の作製玩具1では、支柱部5の上端5a側に、芯材34に形成される1つの凹部38に挿入可能に上方に突出する1つの突起部7を、配置させていることから、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける場合と比較して、芯材34を支柱部5にセットする際に、支柱部5の突起部7を視認しやすく、また、突起部7の数が1つであることから、小学生の子供にも、芯材34の支柱部5へのセットが容易である。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける構成としてもよく、また、これらの凹部と突起部とを複数個ずつ設ける構成としてもよい。
【0069】
さらに、実施形態の作製玩具1は、シート体40における芯材34の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材12を、備えていることから、マスコット作製時に、シート体40の下端側の領域(マスコットMの胴体Bを構成する領域)を押え部材12によって押えることにより、この下端側の領域が周囲に広がるのを抑制できて、紐状部材42のシート体40周囲への巻き付け作業や、紐状部材42の両端相互の連結作業が、容易となる。勿論、このような点を考慮しなければ、作製玩具を、押え部材を備えず、保持台のみから構成してもよい。
【0070】
さらにまた、実施形態の作製玩具1では、押え部材12が、シート体40の外周側を覆うカバー部13と、カバー部13内に配置される一対の挟持片部22と、を備えていることから、押え片23の先端23a相互を離隔させるように把持片28を把持した状態の押え部材12を、シート体40を被せた状態の芯材34の上方から被せるようにして、押え片23間にシート体40を被せた状態の芯材34を挿通させつつ、カバー部13における天井壁15の開口16に芯材34を挿通させて、押え部材12を下降移動させれば、シート体40の外周側を全周にわたってカバー部13により囲むことができ、押え片23間に、シート体40全体を介在させることができる。そして、押え部材12を保持台3の周囲に配置させた後に、把持片28を離せば、シート体40における芯材34の下端近傍の部位が、押え片23によって挟持されて、絞られることとなる。そして、カバー部13は、周壁14の上端側を塞ぐような天井壁15を有していることから、この天井壁15に手の一部を載せるようにして、紐状部材42をシート体40周囲に巻き付けることができ、紐状部材42のシート体40周囲への巻き付け作業や、紐状部材42の両端相互の連結作業が、一層容易となる。勿論、このような点を考慮しなければ、押え部材として、カバー部のみから構成されるもの、あるいは、回動軸により相互に回動可能に軸支される一対の挟持片部のみから構成されるものを、使用してもよい。また、押え部材をカバー部のみから構成する場合、天井壁を備えず、周壁のみからなるような構成のものを使用してもよい。
【0071】
特に、実施形態の作製玩具1では、保持台3における支柱部5に、上下に2つの凹溝8,9が、形成され、これらの凹溝8,9は、開口16から支柱部5の上端側を突出させるようにして、保持台3の周囲に押え部材12を配置させた状態で、押え部材12における押え片23,23を内部に進入させて、押え片23,23により周縁を係止可能な構成としている。そのため、実施形態の作製玩具1は、不使用時に、上側の凹溝8に各押え片23,23を進入させて、押え片23により凹溝8周縁を係止させつつ、開口16から支柱部5の上端側を突出させるようにして、保持台3の周囲に押え部材12を配置させておけば、押え部材12と保持台3とがばらばらにならず、また、作製玩具1をコンパクトに収納させておくことができる。また、下側の凹溝9に各押え片23,23を進入させて、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、支柱部5を、カバー部13の天井壁15(開口16)から上方に大きく突出させれば、作製したマスコットMを机の上等に飾る飾り台としても、使用することができる。
【0072】
さらに、実施形態の作製玩具1では、各押え片23の内縁24に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって形成していることから、シート体40を押え片23によって挟持させた際に、この凹凸に沿って皺を寄せるようにして、シート体40における芯材34の下端近傍の部位を絞ることができる。すなわち、実施形態の作製玩具1では、把持片28から手を離せば、2つの押え片23,23によりシート体40全体が挟持されることとなって、シート体40における芯材34の下端近傍の部位に、簡便に、略均等なギャザーを寄せることができることから、小学生の子供にも、マスコットMの胴体Bをきれいに作製することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、押え片の内縁は、凹凸を備えないなだらかな円弧状としてもよい。
【0073】
また、実施形態の作製玩具1を用いてマスコットMを作製するキット31を構成する芯材34は、芯材本体35と、芯材本体35の下端側から延びて下方を開口させた略円筒状の首部37と、を備えて、首部37の内周側を、凹部38として、支柱部5に形成される突起部7を挿入可能な構成としている。そのため、凹部38に突起部7を挿入させるようにして支柱部5にセットされた状態の芯材34の周囲に、シート体40を被せた後、周囲にシート体40を介在させた状態の首部37の周囲に、紐状部材42を巻き付ければよいことから、芯材が首部を備えない場合と比較して、紐状部材42のシート体40への巻き付け作業を安定して行なうことができる。また、首部37の下端側には、外周側に向かって突出するフランジ部37aが、形成されていることから、作製したマスコットMを使用する際等において、シート体40の周囲に巻き付けられた紐状部材42が芯材34から離れるように、大きく下方移動することを抑制でき、マスコットMの形が崩れてしまうことも、防止できる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材として、首部を備えず、突起部を挿入させる凹部を、外周面を凹ませるようにして、形成したものを、使用してもよい。
【0074】
また、実施形態のキット31では、芯材34に、シート体40に形成される挿通孔40aに挿通可能な突出部36を、配設させていることから、マスコットの作製時に、シート体40が芯材34に対して位置ずれすることを防止できる。また、実施形態では、この芯材34の突出部36を、開口36aを有したリング状としていることから、ボールチェーン53や、携帯電話のストラップ用の金具等をこの突出部36に取り付けることもでき、作製したマスコットMを、かばんや携帯電話につけて楽しむこともできる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材に突出部を設けなくともよい。また、突出部を設ける場合にも、ボールチェーン等を取り付けることを考慮しなければ、開口を備えない単なる装飾用の部材として、突出部を形成してもよい。
【0075】
さらにまた、実施形態のキット31では、芯材34を、内部を中空として、開閉可能な構成としていることから、芯材34の内部にチャーム52等を入れることもできる。実施形態のように、おまじないパーツであるチャーム52を入れてマスコットMを作製すれば、おまじない効果も期待できる。また、チャームに限らず、例えば、芯材内に、かわいらしい音の出る鈴等を入れることもできる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材として、中空であっても開閉できない構成のものや、あるいは、中実のものを使用してもよい。
【0076】
なお、実施形態では、芯材34は、略球形状とされているが、芯材の外形形状は、これに限られるものではなく、例えば、長円形状や、丸みを帯びた立方体上や角柱状、あるいは、角錐状等、任意の形とすることができる。また、実施形態では、芯材34は、透明な合成樹脂から構成されているが、勿論、不透明な合成樹脂から構成してもよい。また、シート体40も、実施形態では、円形として、周縁に、小径の半円形のフリンジを連続的に配置させているが、シート体の外形形状はこれに限られるものではなく、単なる円形や、多角形状等、任意の形にすることができ、また、周縁に様々なフリンジを連続的に配置させた構成のものも使用できる。さらに、実施形態では、シート体40に、予め、マスコットMの顔Fを構成する目や口が、予め印刷されているが、勿論、シート体に、目や口を印刷せず、作製者が好きな目や口を描けるようにしてもよい。
【0077】
さらにまた、実施形態のキット31では、紐状部材42が、伸縮性を有した紐本体44の両端側に係止突起45を配置させた紐状体43と、紐状体43の両端側を係止させる止め板47と、を備える構成とされており、伸縮性を有した紐本体44を、シート体40の周囲に巻き付けつつ、紐本体44の両端側を、それぞれ、止め板47に形成される溝部48に挿通させて、溝部48における横溝48bの両端側の周縁に、紐本体44の両端側に配置される係止突起45を係止させることにより、紐状体43の両端側を相互に連結させる構成であることから、紐状部材42の両端相互を結ぶ必要がなく、紐状部材42の両端相互の連結作業が容易である。また、実施形態のキット31では、マスコットの作製後に、一方の係止突起45を把持するようにして、紐本体44を、溝部48に沿って挿入方向と逆方向に移動させれば、止め板47から紐状体43を取り外すことができ、この取り外し作業も容易である。そして、この紐状体43と止め板47とは繰り返し使用することができることから、マスコットMを、例えばシート体や他の付属品を変更して、何度も作製して楽しむことができる。勿論、このような点を考慮しなければ、紐状部材として、単にゴム状弾性を有した紐や、ゴム状弾性を備えない天然繊維や合成繊維等からなる糸や紐等、あるいは、針金等の紐状の部材のみからなるものを使用してもよい。
【0078】
そして、実施形態のキット31では、紐状部材42が止め板47を使用する構成であることから、止め板47に装飾を施したり、止め板47自体を、マスコットMを装飾する装飾体とすることもできる。実施形態では、止め板47自体を、広がった天使の羽を模した形状として、マスコットMを装飾する装飾体としている。なお、止め板の外形形状は、実施形態に限られるものではなく、例えば、広がった蝶の羽等を模した形状や、結んだリボンを模した形状等としてもよい。勿論、止め板を、単なる楕円形状等として、模様等の装飾を施してもよい。さらに、紐状体の両端側に形成される係止突起の外形形状も、球形状に限らず、ハート型やダイヤ型等、任意の形にすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…マスコット作製玩具(作製玩具)、3…保持台、4…台座部、5…支柱部、5a…上端、7…突起部、12…押え部材、13…カバー部、14…周壁、15…天井壁、16…開口、18…回動軸、20…ねじりコイルばね(付勢手段)、22…挟持片部、23…押え片、23a…先端、23b…元部、24…内縁、26…軸支部、28…把持片、31…マスコット作製キット(キット)、34…芯材、35…芯材本体、36…突出部、37…首部、37a…フランジ部、38…凹部、40(40A,40B)…シート体、40a…挿通孔、42…紐状部材、43…紐状体、44…紐本体、45…係止突起、47…止め板、48…溝部、H…頭部、M…マスコット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部を構成する芯材と、芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、芯材の周囲に被せられたシート体を芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具、及び、マスコット作製キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小学生の間等では、持ち物につけたり、友達と交換したりするために、マスコットやぬいぐるみ等を手作りしていた。しかしながら、マスコットやぬいぐるみを作製するためには、布を裁断したり、針と糸を使用して縫ったりする等の煩雑な作業が必要である。
【0003】
そして、従来には、ぬいぐるみを簡便に作製するための玩具があった(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−34451公報
【特許文献2】特開2005−66131公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、てるてるぼうず形のマスコットを簡単に作製するための玩具は、従来には存在しなかった。そこで、本発明者は、てるてるぼうずの形に着目し、かわいらしいてるてるぼうず形のマスコットを、簡単に作製できるように、鋭意努力して、本願発明のマスコット作製玩具に至ったものである。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、てるてるぼうず形のマスコットを簡便に作製可能な玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマスコット作製玩具は、頭部を構成する芯材と、芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、芯材の周囲に被せられたシート体を芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具であって、
設置面に設置可能な底面を有した台座部と、台座部から上方に向かって突出するように延びる支柱部と、を備えた保持台を備え、
支柱部が、上端側で、芯材を着脱可能に保持する構成とされていることを特徴とする。
【0008】
本発明のマスコット作製玩具は、台座部から上方に向かって延びる支柱部を備え、支柱部が、上端側で、マスコットの頭部を構成する芯材を着脱可能に保持する構成であることから、支柱部の上端側に芯材を保持させた状態で、シート体を、芯材に被せ、芯材の下端付近でシート体を絞るように、紐状部材をシート体の周囲に巻き付けて両端側を相互に連結させ、シート体の下端側の領域で胴体を作製し、その後、芯材を支柱部から取り外せば、てるてるぼうず形のマスコットを作製することができる。すなわち、本発明のマスコット作製玩具は、支柱部に芯材を保持させておくことができることから、芯材の下端付近で、シート体の周囲に紐状部材を巻き付ける際に、芯材を手で持つ必要がなく、紐状部材のみを把持して作業すればよいことから、小学生でも、簡単に作業することができ、簡便に、てるてるぼうず形のマスコットを作製することができる。
【0009】
したがって、本発明のマスコット作製玩具では、てるてるぼうず形のマスコットを簡便に作製することができる。
【0010】
また、本発明のマスコット作製玩具において、支柱部の上端側に、芯材に形成される1つの凹部に挿入可能に、上方に突出する1つの突起部を、形成する構成とすれば、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける場合と比較して、芯材を支柱部にセットする際に、支柱部の突起部を視認しやすく、また、突起部の数が1つであることから、小学生の子供にも、芯材の支柱部へのセットが容易となって、好ましい。
【0011】
さらに、上記構成のマスコット作製玩具に、シート体を支柱部側に向かって移動させて縮径させるように、シート体における芯材の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材を、配設させる構成とすれば、シート体の下端側の領域を押え部材によって押えることにより、この下端側の領域が周囲に広がるのを抑制できることから、紐状部材のシート体周囲への巻き付け作業や、紐状部材の両端相互の連結作業が、容易となって、好ましい。
【0012】
さらにまた、上記構成のマスコット作製玩具において、押え部材を、
軸方向を支柱部に略沿わせるような略筒状としてシート体の外周側を覆い可能に構成される周壁と、周壁の上端側を塞ぐように配置されるとともにシート体を被せた状態の芯材を挿通可能な開口を有する構成の天井壁と、を有するカバー部と、
カバー部内における天井壁の下面近傍に配置される一対の挟持片部と、
を備える構成として、
各挟持片部を、
天井壁の下面側に隣接して配置されるとともに、略円弧状に湾曲して構成される押え片と、
押え片の元部側において、周壁の軸方向に沿って相互に重なるように配置されるとともに、周壁の軸方向に沿って配置される回動軸に軸支される軸支部と、
軸支部からカバー部外に突出するように延びる把持片と、
を備えて、
回動軸を中心として、先端を相互に離隔可能に回動可能とされるとともに、回動軸の周囲に配置される付勢手段により、先端相互を当接させるように付勢される構成として、
各押え片間の離隔距離を、先端相互を当接させた状態で、開口の幅寸法より小さくして、シート体の外周側を押え可能な寸法に設定され、把持片を把持して先端相互を離隔させた状態で、シート体を被せた状態の芯材を挿通可能な寸法に、設定した構成とすることが好ましい。
【0013】
上記構成のマスコット作製玩具では、押え部材が、シート体の外周側を覆うカバー部と、カバー部内に配置される一対の挟持片部と、を備えていることから、押え片の先端相互を離隔させるように把持片を把持した状態の押え部材を、シート体を被せた状態の芯材の上方から被せるようにして、押え片間にシート体を被せた状態の芯材を挿通させつつ、カバー部における天井壁の開口に芯材を挿通させて、押え部材を下降移動させれば、シート体の外周側を全周にわたってカバー部により囲むことができ、押え片間に、シート体全体を介在させることができる。そして、押え部材を保持台の周囲に配置させた後に、把持片を離せば、シート体における芯材の下端近傍の部位が、押え片によって挟持されて、絞られることとなる。そして、カバー部は、周壁の上端側を塞ぐような天井壁を有していることから、この天井壁に手の一部を載せるようにして、紐状部材をシート体周囲に巻き付けることができ、紐状部材のシート体周囲への巻き付け作業や、紐状部材の両端相互の連結作業が、一層容易となる。
【0014】
さらに、上記構成のマスコット作製玩具において、各押え片の内縁に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって形成する構成とすれば、シート体を押え片によって挟持させた際に、この凹凸に沿って皺を寄せるようにして、シート体における芯材の下端近傍の部位を絞ることができる。すなわち、上記構成のマスコット作製玩具では、把持片から手を離せば、2つの押え片によりシート体が挟持されることとなって、シート体における芯材の下端近傍の部位に、簡便に、略均等なギャザーを寄せることができることから、小学生の子供にも、マスコットの胴体をきれいに作製することができて、好ましい。
【0015】
本発明のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットとしては、
マスコット作製玩具と、芯材と、シート体と、紐状部材と、を備えるものを使用することができる。
【0016】
そして、マスコット作製キットとしては、具体的には、芯材を、芯材本体と、芯材本体の下端側から下方に突出するように形成されて、下方を開口させた略円筒状の首部と、を有し、首部の内周側を、凹部として、支柱部に形成される突起部を挿入可能な構成とし、
首部の下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部を、首部の周方向の全域にわたって、配置させる構成とすることが、好ましい。
【0017】
上記構成のマスコット作製キットを使用すれば、凹部に突起を挿入させるようにして支柱部にセットされた状態の芯材の周囲に、シート体を被せた後、周囲にシート体を介在させた状態の首部の周囲に、紐状部材を巻き付ければよいことから、紐状部材のシート体への巻き付け作業を安定して行なうことができる。また、首部の下端側には、外周側に向かって突出するフランジ部が、形成されていることから、作製したマスコットを使用する際等において、シート体の周囲に巻き付けられた紐状部材が芯材から離れるように大きく下方移動することを抑制でき、マスコットの形が崩れてしまうことも、防止できる。
【0018】
また、上記構成のマスコット作製キットにおいて、芯材において、支柱部に対して保持させた際における上端側に、シート体に形成される挿通孔に挿通可能な突出部を、配設させる構成とすれば、マスコットの作製時に、シート体が芯材に対して位置ずれすることを防止できて、好ましい。
【0019】
そして、この突出部を、開口を有したリング状とすれば、ボールチェーンや、携帯電話のストラップ用の金具等をこの突出部に取り付けることもでき、作製したマスコットを、かばんや携帯電話につけて楽しむこともできて、好ましい。
【0020】
さらにまた、上記構成のマスコット作製キットにおいて、芯材を、内部を中空として、開閉可能な構成とすれば、芯材の内部にチャーム等を入れることもできる。
【0021】
さらにまた、上記構成のマスコット作製キットにおいて、紐状部材を、紐状体と、紐状体の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板と、を備える構成とし、
紐状体を、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体と、紐本体の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起と、を有し、
止め板を、紐本体における係止突起近傍の両端側を、挿通可能な溝部を有し、溝部の周縁において、係止突起を係止可能な構成とすることが、好ましい。
【0022】
上記構成のマスコット作製キットでは、伸縮性を有した紐本体を、シート体の周囲に巻き付けつつ、紐本体の両端側を、それぞれ、止め板に形成される溝部に挿通させて、溝部の周縁に、紐本体の両端側に配置される係止突起を係止させることにより、紐状体の両端側を相互に連結させる構成であることから、紐状部材の両端相互を結ぶ必要がなく、紐状部材の両端相互の連結作業が容易である。また、上記構成のマスコット作製キットでは、マスコットの作製後に、一方の係止突起を把持するようにして、紐本体を、溝部に沿って挿入方向と逆方向に移動させれば、止め板から紐本体を取り外すことができ、この取り外し作業も容易である。そして、この紐状体と止め板とは繰り返し使用することができることから、マスコットを、例えばシート体や他の付属品を変更して、何度も作製して楽しむことができる。また、上記構成のマスコット作製キットでは、止め板に装飾を施したり、止め板自体を、マスコットを装飾する装飾体とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態であるマスコット作製玩具の斜視図である。
【図2】図1のマスコット作製玩具の平面図である。
【図3】図2のIII−III部位の断面であり、併せて、保持台を押え部材に対して押し上げた後の状態も示す図である。
【図4】図2のIV−IV部位の断面であり、併せて、保持台を押え部材に対して押し上げた後の状態も示す図である。
【図5】図1のマスコット作製玩具の分解斜視図である。
【図6】図1のマスコット作製玩具における保持台の正面図である。
【図7】図1のマスコット作製玩具における押え部材の平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII部位の断面図である。
【図9】図7のIX−IX部位の断面図である。
【図10】図7の押え部材において、先端相互を離隔させるように押え片を開いた状態を示す底面図である。
【図11】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製可能なマスコット作製キットを構成する部品を並べた図である。
【図12】マスコット作製キットにおける芯材の正面図である。
【図13】図12の芯材の縦断面図である。
【図14】マスコット作製キットのシート体において、裏側を表す底面図と、正面図と、A−A部分の断面図である。
【図15】マスコット作製キットにおいて、紐状部材を構成する止め板の平面図である。
【図16】図15の止め板の斜視図である。
【図17】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する工程を説明する図である。
【図18】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図17の後の工程を示す図である。
【図19】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図18の後の工程を示す図である。
【図20】実施形態のマスコット作製玩具を使用してマスコットを作製する過程を説明する図であり、図19の後の工程を示す図である。
【図21】マスコット作製時において、保持台に支持された芯材に被せられたシート体の周囲に押え部材を配置させた状態の概略縦断面図である。
【図22】マスコット作製時において、保持台に支持された芯材に被せられたシート体の周囲に押え部材を配置させた状態の概略縦断面図である。
【図23】図22におけるXXIII−XXIII部位の概略断面図である。
【図24】実施形態のマスコット作製玩具を使用して作製したマスコットを前方側から見た斜視図である。
【図25】図24のマスコットを後方側から見た斜視図である。
【図26】図24のマスコットの概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態のマスコット作製玩具(以下、単に「作製玩具」と省略する)1は、てるてるぼうず形のマスコットMを作製するためのもので、図1〜5に示すように、保持台3と、押え部材12と、を備えて構成されている。実施形態の作製玩具1は、各部位を構成する基材を連結させるビス等の連結手段と、押え部材12に配置される付勢手段としての後述するねじりコイルばね20と、を除いては、全て合成樹脂製とされている。
【0025】
なお、実施形態では、特に断らない限り、上下、左右の方向を、作製玩具1を水平面に略平行な設置面Gに設置した状態での上下、左右の方向として、説明をし、前後の方向に関しては、作製されたマスコットMの顔F側を前方として、説明をする。
【0026】
なお、てるてるぼうずとは、通常、円形や正方形等のシート体の中央側の部位を、頭部を構成する球形等の立体形状の芯材に被せ、芯材の下端付近でシート体を紐等で縛ることにより、作製されるもので、てるてるぼうず形とは、頭部の下方に、シート体の外周縁側の部位から形成されて下方に向けて末広がり状に広がる略円錐体等の錐体状の胴体を、配置させたような形状のことである。なお、実施形態のマスコットMには、手足がないが、同様の構成の胴体からなるものであれば、手や足があるものも、てるてるぼうず形のマスコットに含めるものとする。
【0027】
保持台3は、図6に示すように、設置面Gに設置可能な台座部4と、台座部4から上方に向かって突出するように延びる支柱部5と、を備えている。台座部4は、略円板状とされるもので、実施形態の場合、図3,4に示すように、押え部材12における後述するカバー部13の周壁14に挿通可能に、外径寸法D1(図6参照)を、周壁14の内径寸法d1(図9参照)よりも若干小さく設定されている。
【0028】
支柱部5は、実施形態の場合、図5,6に示すように、略円柱状として、軸心を、台座部4の中心と略一致させるようにして、台座部4から上方に向かって突出するように、配設されている。支柱部5は、外径寸法D2(図6参照)を、周囲を部分的にタックが寄せられたシート体40に覆われた状態で、押え部材12のカバー部13に形成される開口16に挿通可能なように、開口16の内径寸法d2(図7参照)よりも、小さく設定されている。また、実施形態の場合、支柱部5の高さ寸法(台座部4からの突出量)は、後述する突起部7により保持させた芯材34の外周側を覆っているシート体40を、端縁を下方に向けるように絞った際に、シート体40の端縁を台座部4と接触させない程度の寸法に、設定されている(図21,22参照)。実施形態の場合、支柱部5は、上端5a側の領域を、上方に向かって縮径させるような略円錐台形状として、構成されている。この円錐台状部位6は、押え部材12を、後述する周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置させた際に、図3のA,図4のAに示すように、押え部材12のカバー部13(天井壁15)から上方に突出する部位である。
【0029】
円錐台状部位6の上面6aの略中央には、1つの略円柱状の突起部7が、軸心を、支柱部5の軸心(台座部4の中心)と略一致させるようにして、上方に向かって突出して形成されている。この突起部7は、円錐台状部位6の上面6aより小径とされるもので、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34に形成される凹部38に挿入されて、芯材34を保持させるための部位である。また、実施形態の支柱部5では、突起部7を凹部38に挿入させた状態で、芯材34における後述する首部37の下端面37bが、突起部7の周囲の円錐台状部位6の上面6aに、当接されることとなる(図21,22参照)。さらに、実施形態では、円錐台状部位6の上面6aの外径寸法は、図21,22に示すように、芯材34における首部37の下端側に形成されるフランジ部37aの外径寸法と、略同一として、構成されている。実施形態では、マスコットMの作製時に、紐状部材42(紐本体44)の首部37周囲への巻き付け作業を容易として、かつ、マスコットMにおける紐状部材42から下に延びる胴体Bの部位の外形をきれいな錐体状とできるように、支柱部5の上端5a側に、芯材34を保持させる突起部7に向かって縮径する円錐台状部位6を配置させている構成である。
【0030】
また、支柱部5において、円錐台状部位6の下方には、凹溝8が、形成されている(図6参照)。この凹溝8は、円錐台状部位6に隣接するように形成されるもので、支柱部5の外周面を、断面形状を略矩形状として、周方向の全周にわたって凹ませて形成されている。この凹溝8は、図3のA,図4のAに示すように、周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、押え部材12を保持台3の周囲に配置させた状態で、押え部材12における各挟持片部22の押え片23に対応した位置に配置されるもので、押え片23を挿入可能で、かつ、間にシート体40を介在させた状態で内部に押え片23を僅かに進入させることが可能なように、開口幅寸法W1(図6参照)を、押え片23の板厚t1(図9参照)より大きく設定されている。
【0031】
さらに、支柱部5の下端側であって、台座部4との境界部位にも、凹溝9が、形成されている(図6参照)。凹溝9は、台座部4に隣接して、支柱部5の外周面を、断面形状を略矩形状として、周方向の全周にわたって凹ませて形成されている。この凹溝9も、押え片23を挿入可能に、開口幅寸法W2を、押え片23の板厚t1より大きく設定されている。具体的には、この凹溝9は、凹み量を、凹溝8の凹み量と一致させて構成とされるとともに、開口幅寸法W2(図6参照)を、上述の凹溝8の開口幅寸法W1より小さくして、押え片23の板厚t1よりわずかに大きく、設定されている。
【0032】
また、実施形態の支柱部5では、これらの凹溝8,9が配置される領域の外径寸法D3(図6参照)は、押え部材12における閉じ状態の押え片23,23間の離隔距離T1(図7参照)より、僅かに小さく設定されている。すなわち、押え部材12における各挟持片部22は、これらの凹溝8,9に押え片23を進入させるような位置に配置される場合、押え片23,23の先端23a,23a相互を当接させた閉じ状態P1で、配置されることとなる(図2〜4参照)。なお、上側の凹溝8においては、マスコット作製時に、押え片23と凹溝8との間に、シート体40が介在されることから、シート体40を介在させた状態では、押え片23,23は、先端23a,23a相互を離隔させるような開き状態P2で、配置されることとなる(図21,22参照)。
【0033】
押え部材12は、カバー部13と、カバー部13内に配置される一対の挟持片部22,22と、挟持片部22,22を軸支する回動軸18と、回動軸18の外周側に配置される付勢手段としてのねじりコイルばね20と、を備えて構成されている。
【0034】
カバー部13は、軸方向を支柱部5の軸方向(上下方向)に略沿わせるような略筒状とされるもので、実施形態の場合、略円筒状の周壁14と、周壁14の上端側を塞ぐように配置される天井壁15と、を備えている。周壁14は、内径寸法d1(図9参照)を、保持台3における台座部4を挿通可能な寸法に設定されており、カバー部13は、台座部4の周囲において周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置される構成である(図3,4参照)。天井壁15は、図5,7に示すように、中央に、中心を支柱部5の軸心(保持台3の中心)と略一致させた略円形の開口16を、有している。換言すれば、天井壁15は、略円環状とされている。この開口16は、内径寸法d2(図7参照)を、保持台3に保持されてシート体40を被せられた状態の芯材34を挿通可能な寸法に、設定されている。そして、カバー部13は、保持台3の周囲に配置させた状態で、支柱部5における円錐台状部位6を、開口16から上方に突出させるような高さ寸法に、設定されている(図3のA,図4のA参照)。
【0035】
回動軸18は、実施形態の場合、軸方向を周壁14の軸方向(上下方向)に略沿わせるような略棒状として、図8に示すように、カバー部13の側方に配置される回動軸収納部19内に、配置されている。回動軸収納部19は、図5,7に示すように、外形形状を略半円柱状として、カバー部13から外方に突出するように形成されるもので、挟持片部22に形成される後述する把持片28を突出させるために、カバー部13から離れた先端側に形成される開口部19aを除いて、回動軸18の外周側を略全周にわたって覆っている。詳細に説明すれば、回動軸収納部19は、回動軸18の上方を覆う領域と、カバー部13の外方において回動軸18の側方を覆う領域と、を、カバー部13と一体的にカバー部13から連なるように構成し、回動軸18の下方を覆う領域と、回動軸18の側方における周壁14の軸心側を覆う領域と、を、カバー部13と別体の部材から構成している。そして、回動軸18は、上下両端側を、回動軸収納部19に連結させている。実施形態の場合、回動軸18は、回動軸収納部19において、回動軸18の上側を覆う領域から下方に延びるように、回動軸収納部19と一体的に形成されて、下端側を、回動軸収納部19において回動軸18の下側を覆う部材にビス止めされている。回動軸18の外周側には、両端を各把持片28に連結されるとともに、各把持片28を相互に離隔(押え片23の先端23a相互を当接)させるように付勢している付勢手段としてのねじりコイルばね20が、配設されている(図7,8参照)。
【0036】
一対の挟持片部22は、カバー部13内における天井壁15の下面近傍に配置されるもので、それぞれ、図7,8に示すように、天井壁15の下面側に隣接して配置される押え片23と、押え片23の元部23b側において回動軸18に軸支される軸支部26と、軸支部26から外方に突出するように延びる把持片28と、を備えて構成されている。この挟持片部22は、回動軸18の外周側に配置されるねじりコイルばね20により、押え片23の先端23a相互を当接させるような閉じ方向に付勢されて配置されるもので、通常状態では、押え片23の先端23a相互を当接させる閉じ状態P1として配置されるように構成されている。
【0037】
各押え片23は、図7に示すように、天井壁15の開口16の周縁に略沿うように、略半円弧状に湾曲した帯板状とされるもので、先端23a相互を当接させた閉じ状態P1において、内縁24を、全周にわたって天井壁15における開口16の周縁よりも内方に突出させるように、構成されている。各押え片23の内縁24は、実施形態の場合、略半楕円形状とされるとともに、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって、配置させている。具体的には、各押え片23の内縁24は、図7に示すように、略半楕円状の縁部を部分的に略半円弧状に切り欠く切欠部24aを、断続的に、配置させて、連続的な凹凸を有するように、構成されている。実施形態の場合、通常状態(閉じ状態P1)における各押え片23の離隔距離T1(内縁24相互の離隔距離、図7参照)は、天井壁15の開口16の内径寸法d2の1/2程度に設定されている。また、押え片23は、付勢手段としてのねじりコイルばね20を圧縮させつつ、把持片28の先端28aを相互に接近させれば、図10に示すように、それぞれ、外縁側をカバー部13における周壁14の内周面に当接させるまで、先端23a相互を離隔させるように開くことができる。そして、この開き状態P2では、各押え片23は、内縁24を部分的に僅かに、天井壁15の開口16の周縁より内側に突出させるのみである。すなわち、開き状態における各押え片23の離隔距離T2(図10参照)は、天井壁15の開口16の内径寸法d2と略同一であり、シート体40を被せられた状態の芯材34を挿通可能な寸法に設定されている。
【0038】
各軸支部26は、図7,8に示すように、各押え片23の元部23b側において、周壁14の軸方向(上下方向)に沿って相互に重なるように配置されて、それぞれ、回動軸18に軸支されている。詳細には、各軸支部26は、回動軸収納部19内に収納可能な平板状とされて、それぞれ、回動軸18を挿通可能な挿通孔26aを、備える構成とされている。実施形態の場合、各軸支部26は、回動軸収納部19の上端近傍において、上下で相互に重なるように、配置されている。
【0039】
各把持片28は、軸支部26から外方に突出しつつ下方に延びるように形成されるもので、図5に示すように、上下方向に略沿って配置される略長方形板状とされている。各把持片28は、先端28a相互を離隔させるように上方から見て略「ハ」字形状に、配置されている(図7参照)。そして、各把持片28には、上述したごとく、回動軸18の外周側に配置されるねじりコイルばね20の両端が連結されており、把持片28は、先端28aを相互に離隔させる方向(押え片23の先端23a相互を当接させる方向)側に、ねじりコイルばね20により付勢されている。
【0040】
実施形態の作製玩具1は、図3のB,図4のBに示すように、各押え片23を、支柱部5において下側に配置される凹溝9に進入させることにより、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、支柱部5をカバー部13の天井壁15から上方に大きく突出させた状態で固定することもできる。そして、この状態での作製玩具1を、作製したマスコットMを机等の上に飾る飾り台として、使用することもできる。詳細に説明すれば、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、押え部材12に対して固定させた状態の支柱部5の上端5a側の突起部7を、作製したマスコットMの芯材34の凹部38に挿入させれば、マスコットMを、カバー部13の上に立たせるようにして、支柱部5に対して保持させることができる(図20のB参照)。そして、実施形態の作製玩具1では、このような飾り台として使用することも考慮して、カバー部13の外表面に、装飾を設けている。具体的には、実施形態の場合、図5に示すように、カバー部13における天井壁15の上面に、略半球状の突起が、放射状に設けられ、周壁14の外表面に、略逆三角形状のレリーフが、連続的に、全周にわたって配置されている。
【0041】
次に、実施形態の作製玩具1を用いて、てるてるぼうず形のマスコットMを作製可能なマスコット作製キット(以下、単に「キット」と省略する)31について、説明をする。キット31は、作製玩具1と、図11に示すマスコット用素材33と、を備えて構成される。マスコット用素材33は、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34と、芯材34を覆うシート体40と、シート体40を絞るための紐状部材42と、芯材34内部に収納するチャーム52と、作製したマスコットMに被せる頭飾り54と、ボールチェーン53と、を備えて構成されている。なお、図11に示すマスコット用素材は、一例に過ぎず、マスコット用素材としては、構成する部材の組み合わせや数を適宜変更したものを使用することが可能である。
【0042】
芯材34は、透明な合成樹脂製とされるもので、実施形態の場合、図12,13に示すように、内部を中空とした略球形状とされるとともに、上下で二分割されて開閉可能なカプセル状として、構成されている。詳細には、芯材34は、略球形状の芯材本体35と、芯材本体35の下端側から下方に突出するように形成される首部37と、を備えている。芯材本体35は、上下で2分割可能に構成されるもので、相互に係合可能な上側部位35aと下側部位35bとから構成されている。
【0043】
上側部位35aの中央(芯材本体35における上端側)には、リング状の突出部36が、上方に突出するように、形成されている。実施形態の場合、この突出部36は、図13に示すように、上側部位35aと一体的に形成されて、長手方向を上下方向に略沿わせた略長方形板状の部材に、長手方向を上下方向に略沿わせた略長円状の前後に貫通する開口36aを配設させて、構成されている。
【0044】
首部37は、図12,13に示すように、下側部位35bの中央(芯材本体35における下端側)において、下側部位35bから下方に突出するように形成されるもので、下方を開口させた略円筒状とされるとともに、下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部37aを、周方向の全域にわたって配置させている。実施形態では、この首部37における内周側の領域が、作製玩具1における支柱部5の上端5a側に形成される突起部7を挿入させるための凹部38を構成することとなる。凹部38は、突起部7を挿入可能に、内径寸法d3(図13参照)を、突起部7の外径寸法D4(図6参照)より僅かに大きく設定されている。また、この凹部38は、内径寸法d3を、汎用の鉛筆の端部を挿入可能な寸法に、設定されている。さらに、この凹部38は、深さを、突起部7の突出量より大きくして、突起部7を内部に挿入させるようにして、芯材34を支柱部5に保持させた際に、首部37の下端面37bを、突起部7の周囲の円錐台状部位6の上面6aに、当接させるように、構成されている(図21,22参照)。
【0045】
シート体40(40A,40B)は、可撓性を有したシート材から構成されるもので、実施形態の場合、織布やフェルト地(不織布)等から構成されている。実施形態のマスコット用素材33には、図11に示すように、シート体40(40A,40B)は、2枚含まれている。各シート体40A,40Bは、図11,14に示すように、それぞれ、外形形状を略円形として、略中央となる位置に、芯材34に形成される突出部36を挿通可能に略長方形状に開口した挿通孔40aを、配設させている。詳細には、実施形態のシート体40(40A,40B)は、略円形として、周縁に、全周にわたって小径の略半円形状のフリンジを、配置させている。このシート体40は、中央側の領域によって、芯材34の周囲を全周にわたってくるみ、この中央側の領域により、マスコットMの頭部Hを構成し、芯材34の下端付近で紐状部材42によって絞られて、紐状部材42より下方に位置する外周側の領域により、マスコットMの胴体Bを構成することとなる。そして、実施形態の場合、シート体40(40A,40B)における中央付近には、マスコットMの顔Fを構成する目や口が、予め印刷されている(図11参照)。なお、シート体40を構成する素材は織布や不織布に限られるものではなく、編布等の布帛、あるいは、皮革、合成皮革、軟質合成樹脂製のシート等、可撓性を有したシート材から構成することもできる。
【0046】
また、シート体40の外表面には、温度変化により色相や色調を変化可能なサーモクロミック材料や、光照射により色相や色調を変化可能なフォトクロミック材料、蓄光性材料を塗布して装飾を施してもよい。あるいは、サーモクロミック材料や、フォトクロミック材料、蓄光性材料を含有させた糸を使用して織成された織布や編布等の布帛によって、シート体40を形成してもよい。
【0047】
サーモクロミック材料としては、液晶、Ag2HgI4、Cu2HgI4等、あるいは、電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物触媒と、の三成分を含む可逆熱変色性組成物を、使用することができる。
【0048】
電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物触媒と、の三成分を含む可逆熱変色性組成物としては、例えば、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載された加熱消色型の可逆熱変色性組成物や、特公昭51−44706号公報、特開平11−5973号公報、特開平11−129623号公報、特開2001−105732号公報、特開2003−253149号公報に記載された加熱発色型の可逆熱変色性組成物を例示することができる。
【0049】
また、可逆熱変色性組成物は、そのままの適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料として使用することが好ましく、マイクロカプセルに内包させて使用すれば、使用条件の変化による影響を受け難く、種々の使用条件においても、化学的や物理的な特性を安定させることができ、可逆熱変色性組成物を同一の組成に保つことができて、同一の作用効果を奏することができる。具体的には、マイクロカプセルに内包させる場合、マイクロカプセルとして、平均粒子径を、0.1〜50μmの範囲内、好ましくは0.5〜30μmの範囲内、より好ましくは1〜20μmの範囲内に、設定されたものを使用することが好ましい。このマイクロカプセルの粒子径及び粒度分布の測定は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置[(株)堀場製作所製;LA−300]を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を算出する。また、マイクロカプセル化の方法としては、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中に懸濁被覆法、スプレードライイング法等があり、用途に応じて適宜選択できる。さらにマイクロカプセルの表面に、目的に応じてさらに二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて使用することもできる。
【0050】
シート体に可逆熱変色性を付与する場合、一例として、下記に示す布帛を使用することができる。目付量120g/m2の白色T/Cブロード生地表面に、可逆熱変色性材料として、青色から無色に変色する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料(変色温度:30℃、平均粒子径:6μm)30部、アクリル系エマルジョン樹脂50部、増粘剤2部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.5部、架橋剤5部を均一に分散させたインキを用いて、120メッシュのスクリーン版にてベタ印刷を行ない、乾燥、硬化させれば、可逆熱変色層を有した布帛を製造することができる。シート体として、このような布帛を使用すれば、25℃の室温下では、可逆熱変色層に含まれる可逆熱変色性材料が青色に発色するため、シート体が青色となり、35℃の室外では、可逆熱変色性材料が消色して、シート体が白色に変化することとなる。そして、再び25℃の環境下で使用すれば、再び可逆熱変色性材料が青色に発色して、シート体が青色に変化することとなり、色調の変化を楽しむことができる。
【0051】
また、シート体としては、上記と同様の白色の生地を用いて、使用者が、サーモクロミック材料を含有させたインキを収容した筆記具や、サーモクロミック材料を含有させたインキを収容したスタンプ、ステンシル等を使用して、自由に絵や記号等を描いて、楽しむような構成とすることも可能である。
【0052】
フォトクロミック材料としては、スピロピラン系誘導体、フルギド系誘導体、ジヒドロピレン系誘導体、インジゴ系誘導体、アジリジン、多環芳香族系誘導体、アゾベンゼン系誘導体、サリチリデンアニリン系誘導体、キサンテン系誘導体、スピロオキサジン系誘導体、ジアリールエテン系誘導体、ナフトピラン系誘導体、ナフトオキサジン系誘導体等のフォトクロミック化合物を、例示することができる。このようなフォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマーに溶解して用いることが好ましく、スチレン系オリゴマーとしては、重量平均分子量が200〜6000の範囲内、好ましくは200〜4000の範囲内のものを使用する。スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなるためであり、重量平均分子量が6000を超えると、光照射により色残りが発生し、また、発色濃度が低くなって、変色感度が鈍くなるためである。なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。また、スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体等を挙げることができる。
【0053】
蓄光性材料としては、CaS/Bi系、CaSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCds/Cu系、特開平7−11250号公報に開示されているSrAl2O4、Sr4Al14O25、或いは、CaAl2O4にユウロピウム、ジスプロシウム、サマリウム等を賦活剤として添加したもの、特開平10−168448号公報に開示されているSr(AlB)2O4;EuDy、Sr(AlB)3O6;EuDy、或いは、Sr(AlB)4O7;EuDy等を例示することができる。
【0054】
また、シート体は、水が付着することにより色変化するように構成してもよく、詳細には、外表面に低屈折率顔料とバインダー樹脂を含有させて、吸水状態と非吸水状態で透明性を異にする多孔質層を設けることもできる。多孔質層とは、低屈折顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸水状態とで透明性が異なる層である。
【0055】
低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等を挙げることができ、これらの低屈折率顔料を、1種又は2種以上を併用して使用することができる。これらの低屈折率顔料は、屈折率を1.4〜1.8の範囲に設定されており、吸水すると良好な透明性を示すものである。なお、上記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等を挙げることができる。
【0056】
低屈折率顔料は、バインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散された状態で、支持体(カバー体)に塗布された後、揮発分を乾燥させれば、多孔質層を形成することとなる。バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び、各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0057】
紐状部材42は、図11に示すように、紐状体43と、紐状体43の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板47と、を備えている。紐状体43は、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体44と、紐本体44の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起45,45と、を備えている。紐本体44としては、実施形態の場合、外表面を編地からなる伸縮自在の装飾布により覆われる汎用のゴム紐を、使用している。係止突起45は、実施形態の場合、球形状として、紐本体44の両端側に、それぞれ、連結されている。詳細には、係止突起45は、外径寸法を、紐本体44の両端側を止め板47の溝部48に挿通させて、溝部48における後述する横溝48bの両端周縁に、それぞれ、係止させた状態で、左右で連なって配置されるような寸法に、設定されている(図25参照)。
【0058】
止め板47は、実施形態の場合、図15,16に示すように、広がった天使の羽を模した形状を有する左右に幅広とされるもので、左右の中央付近に、紐本体44を挿通可能に止め板47を切り欠いて構成される溝部48を、備えている。溝部48は、紐本体44を上方から挿通可能に止め板47の上縁側における左右の略中央から下方に向かって延びる縦溝48aと、縦溝48aの下端側から左右に分岐するように左右両側に向かって延びる横溝48bと、を有し、横溝48bの両端側の周縁で、紐状体43の各係止突起45,45を係止させる構成である。すなわち、実施形態では、各係止突起45,45を先端側で係止させ、紐本体44における係止突起45近傍の両端を、それぞれ挿通可能とする二つのL字状若しくは逆L字状の溝が、縦溝48aを共用させるようにして、略逆T字形状の溝部48を、構成している。また、止め板47は、紐本体44の挿入作業を容易とし、かつ、芯材34の首部37の部位でくびれているマスコットMに沿わせやすいように、溝部48の周囲を囲んで、かつ、前方(芯材側)に向かって突出するようなリブ49を、左右の中央付近における上側の領域に、配設させている(図15,16参照)。
【0059】
チャーム52は、実施形態の場合、図11に示すように、様々な色の立体的なハート型とされている。このチャーム52は、色の持つ意味や効果を考慮して作製されたおまじないパーツであり、任意の数を、芯材34内に収納して、マスコットMを作製することができる。なお、チャーム52の外形形状は、勿論ハート型に限られるものではない。ボールチェーン53は、作製したマスコットMをかばん等に取り付ける際に使用するもので、芯材34の突出部36に形成される開口36aに挿通可能とされている。
【0060】
頭飾り54は、作製したマスコットMの頭部Hに載せて使用するもので、頭部Hに載置可能な略円板状とされて略中央に芯材34の突出部36を挿通可能な挿通孔55aを有する取付部55と、取付部55の周縁を全周にわたって囲む装飾部56と、を備えている。なお、実施形態の場合、頭飾り54の取付部55に形成される挿通孔55aは、突出部36を嵌合可能に、構成されている。実施形態のマスコット用素材33では、図10に示すように、頭飾り54として、王冠形の頭飾り54Aと、花冠形の頭飾り54Bと、リボン形の頭飾り54Cと、の3種類が、含まれている。なお、頭飾り54(54A,54B,54C)は、温度変化により色相や色調を変化可能なサーモクロミック材料や、光照射により色相や色調を変化可能なフォトクロミック材料から形成したり、表面に蓄光性材料を塗布してもよい。また、頭飾り54を、水の付着時に色変化するように構成してもよい。頭飾り54を構成するサーモクロミック材料やフォトクロミック材料、蓄光性材料等は、上述のシート体40に用いられるものと同様のものを使用することができる。
【0061】
次に、実施形態の作製玩具1を使用したマスコットMの作製について、説明をする。まず、図17のAに示すように、上側部位35aと下側部位35bとに分離させた状態の芯材本体35の下側部位35bを、首部37に形成される凹部38に、突起部7を挿入させるようにして、設置面Gに設置された状態の保持台3の支柱部5に保持させ、下側部位35bの中にチャーム52を入れる。次いで、上側部位35aを上方から被せて、下側部位35bに係合させて、芯材34を閉じ、突出部36を挿通孔40aに挿通させるようにして、芯材34に、シート体40を被せる(図17のB参照)。その後、把持片28を、先端28a相互を接近させるように把持して、押え片23,23を開かせた状態の押え部材12を、図18のAに示すように、シート体40の上方から、押え片23,23間と開口16とに、シート体40を被せられた状態の芯材34を挿通させつつ、押え部材12を、周壁14の下端14aを設置面Gに当接させるようにして、保持台3の周囲に配置させる(図18のB参照)。このとき、シート体40は、支柱部5側に向かって移動するように、押え部材12によって外周側を押えられて、縮径されている(図21,22参照)。また、このとき、押え片23と支柱部5における凹溝8との間には、部分的に皺のよったシート体40が介在されていることから、把持片28から手を離した状態では、押え片23,23は、先端23a,23a相互を離隔させるように開いた、開き状態P2で配置されることとなり、また、シート体40は、各押え片23の内縁24に形成される凹凸に沿って、皺を寄せるように絞られつつ、凹溝8内に進入した状態で、配置されることとなる(図22参照)。
【0062】
その後、図19のA,Bに示すように、紐状部材42における紐状体43を、シート体40を介在させた状態の首部37の周囲に巻き付け、紐本体44の両端側における係止突起45近傍の部位を、止め板47の溝部48に挿通させて、各係止突起45を、横溝48bの両端側の周縁に係止させれば、紐状体43の両端相互を止め板47によって連結させることができて、紐状部材42によって、シート体40を芯材34の下端付近となる首部37の部位で絞ることができ、マスコットMを作製することができる。
【0063】
次いで、図20のAに示すように、台座部4を、カバー部13の周壁14に挿通させるように、上方に押し上げれば、押え片23が、上昇移動する支柱部5によって相互に離隔されるように押し広げられることとなり、支柱部5とともに、作製されたマスコットMが、開口16を経て、上昇移動することとなる。そして、押え片23を、凹溝9に進入させるまで、保持台3を押し上げれば、図20のBに示すように、マスコットM全体を、開口16から上方に取り出すことができ、突起部7を凹部38から外すようにして、マスコットMを保持台3から取り外せば、マスコットMの完成である。
【0064】
このようにして作製したマスコットMは、図24〜26に示すように、挿通孔55aに突出部36を挿通させるようにして、頭部Hに頭飾り54を、取り付けてもよく、また、突出部36の開口36aに、ボールチェーン53を挿通させて、かばん等に取り付けて使用することもできる。さらに、首部37に形成される凹部38に、図26の二点鎖線に示すごとく、鉛筆PEを挿入させて、鉛筆PEに取り付けて楽しむこともできる。また、上述したごとく、押え片23を凹溝9周縁に係止させるようにして、支柱部5をカバー部13の天井壁15から大きく上方に突出させた状態の作製玩具1の突起部7を、首部37の凹部38に挿入させるようにして、マスコットMを、作製玩具1ごと、机等の上に飾って楽しむこともできる。
【0065】
また、マスコットMは、シート体40と頭飾り54との組み合わせパターンを変えることや、芯材34内のチャーム52を入れ替えることにより、何度も作製して楽しむことができる。
【0066】
そして、実施形態の作製玩具1は、台座部4から上方に向かって延びる支柱部5を備え、支柱部5が、上端5a側で、マスコットMの頭部Hを構成する芯材34を着脱可能に保持する構成であることから、支柱部5の上端5a側に芯材34を保持させた状態で、シート体40を、芯材34に被せ、芯材34の下端付近でシート体40を絞るように、紐状部材42をシート体40の周囲に巻き付けて両端側を相互に連結させ、シート体40の下端側の領域で胴体Bを作製し、その後、芯材34を支柱部5から取り外せば、てるてるぼうず形のマスコットMを作製することができる。すなわち、実施形態の作製玩具1は、支柱部5に芯材34を保持させておくことができることから、芯材34の下端付近で、シート体40の周囲に紐状部材42を巻き付ける際に、芯材34を手で持つ必要がなく、紐状部材42のみを把持して作業すればよいことから、小学生でも、簡単に作業することができ、簡便に、てるてるぼうず形のマスコットMを作製することができる。
【0067】
したがって、実施形態の作製玩具1では、てるてるぼうず形のマスコットMを簡便に作製することができる。
【0068】
また、実施形態の作製玩具1では、支柱部5の上端5a側に、芯材34に形成される1つの凹部38に挿入可能に上方に突出する1つの突起部7を、配置させていることから、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける場合と比較して、芯材34を支柱部5にセットする際に、支柱部5の突起部7を視認しやすく、また、突起部7の数が1つであることから、小学生の子供にも、芯材34の支柱部5へのセットが容易である。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材側に突起を設けて支柱部側に凹部を設ける構成としてもよく、また、これらの凹部と突起部とを複数個ずつ設ける構成としてもよい。
【0069】
さらに、実施形態の作製玩具1は、シート体40における芯材34の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材12を、備えていることから、マスコット作製時に、シート体40の下端側の領域(マスコットMの胴体Bを構成する領域)を押え部材12によって押えることにより、この下端側の領域が周囲に広がるのを抑制できて、紐状部材42のシート体40周囲への巻き付け作業や、紐状部材42の両端相互の連結作業が、容易となる。勿論、このような点を考慮しなければ、作製玩具を、押え部材を備えず、保持台のみから構成してもよい。
【0070】
さらにまた、実施形態の作製玩具1では、押え部材12が、シート体40の外周側を覆うカバー部13と、カバー部13内に配置される一対の挟持片部22と、を備えていることから、押え片23の先端23a相互を離隔させるように把持片28を把持した状態の押え部材12を、シート体40を被せた状態の芯材34の上方から被せるようにして、押え片23間にシート体40を被せた状態の芯材34を挿通させつつ、カバー部13における天井壁15の開口16に芯材34を挿通させて、押え部材12を下降移動させれば、シート体40の外周側を全周にわたってカバー部13により囲むことができ、押え片23間に、シート体40全体を介在させることができる。そして、押え部材12を保持台3の周囲に配置させた後に、把持片28を離せば、シート体40における芯材34の下端近傍の部位が、押え片23によって挟持されて、絞られることとなる。そして、カバー部13は、周壁14の上端側を塞ぐような天井壁15を有していることから、この天井壁15に手の一部を載せるようにして、紐状部材42をシート体40周囲に巻き付けることができ、紐状部材42のシート体40周囲への巻き付け作業や、紐状部材42の両端相互の連結作業が、一層容易となる。勿論、このような点を考慮しなければ、押え部材として、カバー部のみから構成されるもの、あるいは、回動軸により相互に回動可能に軸支される一対の挟持片部のみから構成されるものを、使用してもよい。また、押え部材をカバー部のみから構成する場合、天井壁を備えず、周壁のみからなるような構成のものを使用してもよい。
【0071】
特に、実施形態の作製玩具1では、保持台3における支柱部5に、上下に2つの凹溝8,9が、形成され、これらの凹溝8,9は、開口16から支柱部5の上端側を突出させるようにして、保持台3の周囲に押え部材12を配置させた状態で、押え部材12における押え片23,23を内部に進入させて、押え片23,23により周縁を係止可能な構成としている。そのため、実施形態の作製玩具1は、不使用時に、上側の凹溝8に各押え片23,23を進入させて、押え片23により凹溝8周縁を係止させつつ、開口16から支柱部5の上端側を突出させるようにして、保持台3の周囲に押え部材12を配置させておけば、押え部材12と保持台3とがばらばらにならず、また、作製玩具1をコンパクトに収納させておくことができる。また、下側の凹溝9に各押え片23,23を進入させて、押え片23により凹溝9周縁を係止させて、支柱部5を、カバー部13の天井壁15(開口16)から上方に大きく突出させれば、作製したマスコットMを机の上等に飾る飾り台としても、使用することができる。
【0072】
さらに、実施形態の作製玩具1では、各押え片23の内縁24に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸を、連続的に略全周にわたって形成していることから、シート体40を押え片23によって挟持させた際に、この凹凸に沿って皺を寄せるようにして、シート体40における芯材34の下端近傍の部位を絞ることができる。すなわち、実施形態の作製玩具1では、把持片28から手を離せば、2つの押え片23,23によりシート体40全体が挟持されることとなって、シート体40における芯材34の下端近傍の部位に、簡便に、略均等なギャザーを寄せることができることから、小学生の子供にも、マスコットMの胴体Bをきれいに作製することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、押え片の内縁は、凹凸を備えないなだらかな円弧状としてもよい。
【0073】
また、実施形態の作製玩具1を用いてマスコットMを作製するキット31を構成する芯材34は、芯材本体35と、芯材本体35の下端側から延びて下方を開口させた略円筒状の首部37と、を備えて、首部37の内周側を、凹部38として、支柱部5に形成される突起部7を挿入可能な構成としている。そのため、凹部38に突起部7を挿入させるようにして支柱部5にセットされた状態の芯材34の周囲に、シート体40を被せた後、周囲にシート体40を介在させた状態の首部37の周囲に、紐状部材42を巻き付ければよいことから、芯材が首部を備えない場合と比較して、紐状部材42のシート体40への巻き付け作業を安定して行なうことができる。また、首部37の下端側には、外周側に向かって突出するフランジ部37aが、形成されていることから、作製したマスコットMを使用する際等において、シート体40の周囲に巻き付けられた紐状部材42が芯材34から離れるように、大きく下方移動することを抑制でき、マスコットMの形が崩れてしまうことも、防止できる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材として、首部を備えず、突起部を挿入させる凹部を、外周面を凹ませるようにして、形成したものを、使用してもよい。
【0074】
また、実施形態のキット31では、芯材34に、シート体40に形成される挿通孔40aに挿通可能な突出部36を、配設させていることから、マスコットの作製時に、シート体40が芯材34に対して位置ずれすることを防止できる。また、実施形態では、この芯材34の突出部36を、開口36aを有したリング状としていることから、ボールチェーン53や、携帯電話のストラップ用の金具等をこの突出部36に取り付けることもでき、作製したマスコットMを、かばんや携帯電話につけて楽しむこともできる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材に突出部を設けなくともよい。また、突出部を設ける場合にも、ボールチェーン等を取り付けることを考慮しなければ、開口を備えない単なる装飾用の部材として、突出部を形成してもよい。
【0075】
さらにまた、実施形態のキット31では、芯材34を、内部を中空として、開閉可能な構成としていることから、芯材34の内部にチャーム52等を入れることもできる。実施形態のように、おまじないパーツであるチャーム52を入れてマスコットMを作製すれば、おまじない効果も期待できる。また、チャームに限らず、例えば、芯材内に、かわいらしい音の出る鈴等を入れることもできる。勿論、このような点を考慮しなければ、芯材として、中空であっても開閉できない構成のものや、あるいは、中実のものを使用してもよい。
【0076】
なお、実施形態では、芯材34は、略球形状とされているが、芯材の外形形状は、これに限られるものではなく、例えば、長円形状や、丸みを帯びた立方体上や角柱状、あるいは、角錐状等、任意の形とすることができる。また、実施形態では、芯材34は、透明な合成樹脂から構成されているが、勿論、不透明な合成樹脂から構成してもよい。また、シート体40も、実施形態では、円形として、周縁に、小径の半円形のフリンジを連続的に配置させているが、シート体の外形形状はこれに限られるものではなく、単なる円形や、多角形状等、任意の形にすることができ、また、周縁に様々なフリンジを連続的に配置させた構成のものも使用できる。さらに、実施形態では、シート体40に、予め、マスコットMの顔Fを構成する目や口が、予め印刷されているが、勿論、シート体に、目や口を印刷せず、作製者が好きな目や口を描けるようにしてもよい。
【0077】
さらにまた、実施形態のキット31では、紐状部材42が、伸縮性を有した紐本体44の両端側に係止突起45を配置させた紐状体43と、紐状体43の両端側を係止させる止め板47と、を備える構成とされており、伸縮性を有した紐本体44を、シート体40の周囲に巻き付けつつ、紐本体44の両端側を、それぞれ、止め板47に形成される溝部48に挿通させて、溝部48における横溝48bの両端側の周縁に、紐本体44の両端側に配置される係止突起45を係止させることにより、紐状体43の両端側を相互に連結させる構成であることから、紐状部材42の両端相互を結ぶ必要がなく、紐状部材42の両端相互の連結作業が容易である。また、実施形態のキット31では、マスコットの作製後に、一方の係止突起45を把持するようにして、紐本体44を、溝部48に沿って挿入方向と逆方向に移動させれば、止め板47から紐状体43を取り外すことができ、この取り外し作業も容易である。そして、この紐状体43と止め板47とは繰り返し使用することができることから、マスコットMを、例えばシート体や他の付属品を変更して、何度も作製して楽しむことができる。勿論、このような点を考慮しなければ、紐状部材として、単にゴム状弾性を有した紐や、ゴム状弾性を備えない天然繊維や合成繊維等からなる糸や紐等、あるいは、針金等の紐状の部材のみからなるものを使用してもよい。
【0078】
そして、実施形態のキット31では、紐状部材42が止め板47を使用する構成であることから、止め板47に装飾を施したり、止め板47自体を、マスコットMを装飾する装飾体とすることもできる。実施形態では、止め板47自体を、広がった天使の羽を模した形状として、マスコットMを装飾する装飾体としている。なお、止め板の外形形状は、実施形態に限られるものではなく、例えば、広がった蝶の羽等を模した形状や、結んだリボンを模した形状等としてもよい。勿論、止め板を、単なる楕円形状等として、模様等の装飾を施してもよい。さらに、紐状体の両端側に形成される係止突起の外形形状も、球形状に限らず、ハート型やダイヤ型等、任意の形にすることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…マスコット作製玩具(作製玩具)、3…保持台、4…台座部、5…支柱部、5a…上端、7…突起部、12…押え部材、13…カバー部、14…周壁、15…天井壁、16…開口、18…回動軸、20…ねじりコイルばね(付勢手段)、22…挟持片部、23…押え片、23a…先端、23b…元部、24…内縁、26…軸支部、28…把持片、31…マスコット作製キット(キット)、34…芯材、35…芯材本体、36…突出部、37…首部、37a…フランジ部、38…凹部、40(40A,40B)…シート体、40a…挿通孔、42…紐状部材、43…紐状体、44…紐本体、45…係止突起、47…止め板、48…溝部、H…頭部、M…マスコット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部を構成する芯材と、該芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、前記芯材の周囲に被せられたシート体を前記芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具であって、
設置面に設置可能な底面を有した台座部と、台座部から上方に向かって突出するように延びる支柱部と、を備えた保持台を備え、
該支柱部が、上端側で、前記芯材を着脱可能に保持する構成とされていることを特徴とするマスコット作製玩具。
【請求項2】
前記支柱部の上端側に、前記芯材に形成される1つの凹部に挿入可能に、上方に突出する1つの突起部が、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスコット作製玩具。
【請求項3】
前記マスコット作製玩具が、前記シート体を前記支柱部側に向かって移動させて縮径させるように、前記シート体における前記芯材の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材を、備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスコット作製玩具。
【請求項4】
前記押え部材が、
軸方向を前記支柱部に略沿わせるような略筒状として前記シート体の外周側を覆い可能に構成される周壁と、該周壁の上端側を塞ぐように配置されるとともに前記シート体を被せた状態の前記芯材を挿通可能な開口を有する構成の天井壁と、を有するカバー部と、
該カバー部内における前記天井壁の下面近傍に配置される一対の挟持片部と、
を備える構成とされて、
該各挟持片部が、
前記天井壁の下面側に隣接して配置されるとともに、略円弧状に湾曲して構成される押え片と、
該押え片の元部側において、前記周壁の軸方向に沿って相互に重なるように配置されるとともに、前記周壁の軸方向に沿って配置される回動軸に軸支される軸支部と、
該軸支部から前記カバー部外に突出するように延びる把持片と、
を備えて、
前記回動軸を中心として、先端を相互に離隔可能に回動可能とされるとともに、前記回動軸の周囲に配置される付勢手段により、先端相互を当接させるように付勢される構成とされ、
前記各押え片間の離隔距離が、先端相互を当接させた状態で、前記開口の幅寸法より小さくして、前記シート体の外周側を押え可能な寸法に設定され、前記把持片を把持して先端相互を離隔させた状態で、前記シート体を被せた状態の前記芯材を挿通可能な寸法に、設定されていることを特徴とする請求項3に記載のマスコット作製玩具。
【請求項5】
前記各押え片の内縁に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸が、連続的に略全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマスコット作製玩具。
【請求項6】
請求項1に記載のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットであって、
前記マスコット作製玩具と、前記芯材と、前記シート体と、前記紐状部材と、を備えていることを特徴とするマスコット作製キット。
【請求項7】
請求項2に記載のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットであって、
前記マスコット作製玩具と、前記芯材と、前記シート体と、前記紐状部材と、を備える構成とされ、
前記芯材が、芯材本体と、該芯材本体の下端側から下方に突出するように形成されて、下方を開口させた略円筒状の首部と、を有し、該首部の内周側を、前記凹部として、前記支柱部に形成される前記突起部を挿入可能な構成とされ、
前記首部の下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部が、前記首部の周方向の全域にわたって、形成されていることを特徴とするマスコット作製キット。
【請求項8】
前記芯材が、前記支柱部に対して保持させた際における上端側に、前記シート体に形成される挿通孔に挿通可能な突出部を、配設させていることを特徴とする請求項6または7に記載のマスコット作製キット。
【請求項9】
前記突出部が、開口を有したリング状とされていることを特徴とする請求項8に記載のマスコット作製キット。
【請求項10】
前記芯材が、内部を中空として、開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のマスコット作製キット。
【請求項11】
前記紐状部材が、紐状体と、該紐状体の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板と、を備える構成とされ、
前記紐状体が、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体と、該紐本体の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起と、を有し、
前記止め板が、前記紐本体における前記係止突起近傍の両端側を、挿通可能な溝部を有し、該溝部の周縁において、前記係止突起を係止可能に構成されていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載のマスコット作製キット。
【請求項1】
頭部を構成する芯材と、該芯材を覆うように被せられる可撓性を有したシート体と、前記芯材の周囲に被せられたシート体を前記芯材の下端付近で絞るための紐状部材と、を備えるてるてるぼうず形のマスコットを作製するための玩具であって、
設置面に設置可能な底面を有した台座部と、台座部から上方に向かって突出するように延びる支柱部と、を備えた保持台を備え、
該支柱部が、上端側で、前記芯材を着脱可能に保持する構成とされていることを特徴とするマスコット作製玩具。
【請求項2】
前記支柱部の上端側に、前記芯材に形成される1つの凹部に挿入可能に、上方に突出する1つの突起部が、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマスコット作製玩具。
【請求項3】
前記マスコット作製玩具が、前記シート体を前記支柱部側に向かって移動させて縮径させるように、前記シート体における前記芯材の下端側に位置する領域の外周側を押え可能な押え部材を、備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスコット作製玩具。
【請求項4】
前記押え部材が、
軸方向を前記支柱部に略沿わせるような略筒状として前記シート体の外周側を覆い可能に構成される周壁と、該周壁の上端側を塞ぐように配置されるとともに前記シート体を被せた状態の前記芯材を挿通可能な開口を有する構成の天井壁と、を有するカバー部と、
該カバー部内における前記天井壁の下面近傍に配置される一対の挟持片部と、
を備える構成とされて、
該各挟持片部が、
前記天井壁の下面側に隣接して配置されるとともに、略円弧状に湾曲して構成される押え片と、
該押え片の元部側において、前記周壁の軸方向に沿って相互に重なるように配置されるとともに、前記周壁の軸方向に沿って配置される回動軸に軸支される軸支部と、
該軸支部から前記カバー部外に突出するように延びる把持片と、
を備えて、
前記回動軸を中心として、先端を相互に離隔可能に回動可能とされるとともに、前記回動軸の周囲に配置される付勢手段により、先端相互を当接させるように付勢される構成とされ、
前記各押え片間の離隔距離が、先端相互を当接させた状態で、前記開口の幅寸法より小さくして、前記シート体の外周側を押え可能な寸法に設定され、前記把持片を把持して先端相互を離隔させた状態で、前記シート体を被せた状態の前記芯材を挿通可能な寸法に、設定されていることを特徴とする請求項3に記載のマスコット作製玩具。
【請求項5】
前記各押え片の内縁に、一部を部分的に内周側に向かって突出させるような凹凸が、連続的に略全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマスコット作製玩具。
【請求項6】
請求項1に記載のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットであって、
前記マスコット作製玩具と、前記芯材と、前記シート体と、前記紐状部材と、を備えていることを特徴とするマスコット作製キット。
【請求項7】
請求項2に記載のマスコット作製玩具を用いて、てるてるぼうず形のマスコットを作製可能なマスコット作製キットであって、
前記マスコット作製玩具と、前記芯材と、前記シート体と、前記紐状部材と、を備える構成とされ、
前記芯材が、芯材本体と、該芯材本体の下端側から下方に突出するように形成されて、下方を開口させた略円筒状の首部と、を有し、該首部の内周側を、前記凹部として、前記支柱部に形成される前記突起部を挿入可能な構成とされ、
前記首部の下端側に、外周側に向かって突出するフランジ部が、前記首部の周方向の全域にわたって、形成されていることを特徴とするマスコット作製キット。
【請求項8】
前記芯材が、前記支柱部に対して保持させた際における上端側に、前記シート体に形成される挿通孔に挿通可能な突出部を、配設させていることを特徴とする請求項6または7に記載のマスコット作製キット。
【請求項9】
前記突出部が、開口を有したリング状とされていることを特徴とする請求項8に記載のマスコット作製キット。
【請求項10】
前記芯材が、内部を中空として、開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載のマスコット作製キット。
【請求項11】
前記紐状部材が、紐状体と、該紐状体の両端側をそれぞれ係止可能とされる1枚の止め板と、を備える構成とされ、
前記紐状体が、ゴム状弾性を有して伸縮可能とされる紐本体と、該紐本体の両端側においてそれぞれ膨出するように配置される係止突起と、を有し、
前記止め板が、前記紐本体における前記係止突起近傍の両端側を、挿通可能な溝部を有し、該溝部の周縁において、前記係止突起を係止可能に構成されていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載のマスコット作製キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−85720(P2013−85720A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229236(P2011−229236)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】
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