マッサージ装置
【課題】好みに応じて利用者が受けるマッサージの強さを変えることができるようにしたマッサージ装置を提供することにある。
【解決手段】外装地によって被覆された本体と、本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニット17を往復駆動する第1の駆動源を具備し、ローラユニットは、保持体にローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸33と、ローラ軸の一端側に設けられローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源35と、ローラ軸の中央部分に設けられローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラ45を有する揉みマッサージ部41と、揉みマッサージ部の両側にローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラ81,82を有する一対の側部マッサージ部71を具備する。
【解決手段】外装地によって被覆された本体と、本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニット17を往復駆動する第1の駆動源を具備し、ローラユニットは、保持体にローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸33と、ローラ軸の一端側に設けられローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源35と、ローラ軸の中央部分に設けられローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラ45を有する揉みマッサージ部41と、揉みマッサージ部の両側にローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラ81,82を有する一対の側部マッサージ部71を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は上面に仰臥した利用者の背面をマッサージするためのマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージローラを所定方向に沿って往復駆動することで、そのマッサージローラによって利用者の背面をマッサージするマッサージ装置が知られている。この種のマッサージ装置においては、利用者が仰臥した状態で背面ほぼ全体に施療を受けることができるマットレスタイプと、着座した状態で背面の腰から上の部分に施療を受けることができる椅子式のものとが知られている。
【0003】
利用者の背面を全体にわたってマッサージすることができるマッサージ装置としては、仰臥した利用者の背面全体、つまり利用者の頚部の部分から脚の踵の部分までマッサージローラを備えたマッサージユニットを走行させることができる、マットレスタイプのマッサージ装置の方が椅子式のマッサージ装置よりもマッサージ効果が高いということが知られている。
【0004】
従来、上記マッサージユニットは、外装地で覆われたマッサージ装置の本体の上面を長手方向に沿って往復駆動可能に設けられている。このマッサージユニットは保持体を有し、この保持体には走行方向と交差する幅方向の中央部分に利用者の背面の脊柱の両側部分を押圧しながら揉む揉みローラと、この揉みローラの両側に利用者の背面の揉みローラによってマッサージされる部分よりも外側の部分をマッサージする側部ローラとが設けられている。
【0005】
具体的には、上記保持体には上記幅方向に沿ってローラ軸が設けられ、このローラ軸はその一端に設けられた駆動源によって回転駆動されるようになっている。上記ローラ軸には長手方向両端に上記揉みローラを有する一対のアーム体が偏心カム体を介して一端と他端とが接離する方向に揺動するよう所定間隔で設けられ、上記一対のアーム体の外側に上記側部ローラが上記ローラ軸に回転可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−299851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
利用者が身体の背面にマッサージを受ける場合、上記ローラユニットを本体の長手方向に対して往復動させながら背面の全体にマッサージを受ける場合や上記ローラユニットを本体の長手方向に対して往復動させながら、その往復動の途中や利用者が指定する部位などの所定の位置で上記マッサージユニットを停止させ、たとえば腰部や太腿部などの身体の特定の部位に他の部分よりも強いマッサージを受けるようにする場合などがある。
【0008】
身体の特定の部位に他の部分よりも強いマッサージを受ける場合、上記マッサージユニットの往復動を停止させ、上記ローラ軸を回転させれば、このローラ軸によって上記揉みローラを有する一対のアーム体が揺動するから、利用者は身体の特定の部位に他の部位よりも上記揉みローラによって十分なマッサージを受けることが可能となる。
【0009】
しかしながら、上記側部ローラは上記ローラ軸に回転可能に支持されているため、ローラ軸と一体的に回転しない。そのため、利用者は揉みローラによって十分なマッサージを受けることができても、側部ローラによってはマッサージを受けることができないということになる。
【0010】
つまり、利用者の背面の背骨の両側は上記揉みローラによってマッサージを受けることができるものの、揉みローラによってマッサージを受けることができる部分よりも外側の部分には十分な強さでマッサージを受けることができないということがあった。
【0011】
このことは、マッサージユニットを停止させたときだけでなく、本体の長手方向に沿って往復動させたときであって、上記側部ローラは本体を覆う外装地の内面との接触抵抗によって回転するだけであるから、上記側部ローラを強制的に回転駆動させる場合に比べて利用者に十分な強さのマッサージを行うことができないということがあった。
【0012】
この発明は、側部ローラを揉みローラとともにローラ軸と一体的に回転させることができるようにすることで、利用者は揉みローラによるマッサージ作用と同様、側部ローラによって十分な強さのマッサージを受けることができるようにしたマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、仰臥した利用者の背面をマッサージするマッサージ装置であって、
外装地によって被覆された本体と、
上記外装地の内側で、上記本体上にこの上記本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニットと、
このローラユニットを上記本体の長手方向に沿って往復駆動する第1の駆動源を具備し、
上記ローラユニットは、
保持体と、
この保持体に上記ローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸と、
上記ローラ軸の一端側に設けられ上記ローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源と、
上記ローラ軸の中央部分に設けられ上記ローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、
この揉みマッサージ部の両側に上記ローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラを有する一対の側部マッサージ部と
を具備したことを特徴とするマッサージ装置にある。
【0014】
上記一対の側部マッサージ部は、上記ローラ軸に対して一方向クラッチを介して設けられ上記ローラ軸が上記正転方向或いは逆転方向のどちらか一方に回転駆動されたときには上記ローラ軸と一体的に回転し、他方に回転駆動されたときには上記ローラ軸に対して空転することが好ましい。
【0015】
上記揉みマッサージ部は、
長手方向の両端部に回転可能に支持された上記揉みローラを有し、上記ローラ軸に偏心カム体を介して対向しかつ長手方向を上記ローラユニットの走行方向に沿わせて設けられていて、上記ローラ軸が回転駆動されたときに上記偏心カム体によって長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動される一対のアーム体と、
上記一対のアーム体が上記ローラ軸に対して上下方向に揺動する範囲を制限するストッパ手段と
を備えていることが好ましい。
【0016】
上記ローラ軸の他端側には、このローラ軸の回転角度を検出するセンサが設けられていて、上記第2の駆動源による上記ローラ軸の回転駆動を停止するときに、上記センサの検出に基いて上記一対のアーム体が平行となる揺動角度で上記ローラ軸を停止させることが好ましい。
【0017】
上記揉みローラは、上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることが好ましい。
【0018】
上記側部マッサージ部は、
上記ローラ軸に上記一方向クラッチを介して外嵌された中空軸と、
この中空軸の両端に平行に離間対向して設けられた一対の円盤と、
一対の円盤の周辺部に周方向に沿って所定間隔で回転可能に支持された上記側部ローラを有し、
上記側部ローラは上記円盤の周辺部に周方向に沿って交互に設けられた複数の樽型ローラと複数の鼓型ローラであることが好ましい。
【0019】
上記樽型ローラと鼓型ローラは、これらが上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることが好ましい。
【0020】
上記外装地には、仰臥した利用者の上半身を保持する保持部材が設けられていることが好ましい。
【0021】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記第2の駆動源の駆動を制御して上記ローラ軸を、上記側部マッサージ部が上記ローラ軸と一体的に回転する方向或いは空転する方向に選択的に駆動させることができる構成であることが好ましい。
【0022】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記揉みマッサージ部の一対のアーム体が平行となる角度で上記ローラ軸を停止させた状態で、上記第1の駆動源によって上記ローラユニットを上記本体の長手方向に沿って駆動させることができる構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、ローラユニットのローラ軸に、このローラ軸が回転することで揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、上記ローラ軸と一体的に回転する側部ローラを有する一対の側部マッサージ部を設けるようにした。
【0024】
そのため、上記ローラ軸を回転駆動させて上記揉みマッサージ部の揉みローラを揉み運動させると同時に、上記側部マッサージ部の側部ローラを上記ローラ軸と一体的に回転させることで、上記側部ローラによって利用者の、とくに脚部の背面側に対するマッサージ効果を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施の形態を示すマッサージ装置の外装地を除去した平面図。
【図2】同じく側面図。
【図3】マッサージ装置の斜視図。
【図4】マッサージ装置を2つに折り畳んだ状態の斜視図。
【図5】(a)はガイドレールの幅方向に沿う断面図、(b)は平面図、(c)は長手方向に沿う断面図。
【図6】マットレス装置に仰臥した利用者の上半身を保持部材によって保持した状態の側面図。
【図7】ローラユニットの平面図。
【図8】ローラユニットの下面図。
【図9】ローラユニットの一部断面した正面図。
【図10】ローラユニットの縦断面図。
【図11】ローラユニットの幅方向一端側のサイドフレームの内部を示す側面図。
【図12】規制体の規制板を示す正面図。
【図13】規制体と一体的に設けられた揉みマッサージ部のアーム体の正面図。
【図14】アーム体の第1の部材から第2の部材を取り除いて内部を示す正面図。
【図15】(a)〜(c)は一対のアーム体の動きを説明する図。
【図16】側部マッサージ部の一部断面した正面図。
【図17】(a)は樽型ローラの正面図、(b)は鼓型ローラの正面図。
【図18】(a)は一方向クラッチが噛み合った状態の説明図、(b)は一方向クラッチの噛み合いが解除された状態の説明図。
【図19】側部マッサージ部の樽型ローラと鼓型ローラが袋部材によって被覆された状態の正面図。
【図20】樽型ローラと鼓型ローラが袋部材によって被覆された側部マッサージ部の側面図。
【図21】マッサージ装置の制御系統図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1と図2に示すマットレスタイプのマッサージ装置は矩形平板状の本体1を備えている。この本体1は折り曲げ可能なシート状の合成樹脂によって形成されていて、長手方向中途部から2つに折り曲げることが可能となっている。
【0028】
本体1の上面の幅方向両端部には、ナイロン(商品名)やポリプロピレンなどの合成樹脂によって成形された一対のガイドレール4が平行に離間して敷設されている。このガイドレ−ル4は図5(a)〜(c)に示すように帯状の基部4aを有し、この基部4aの幅方向両端にはL字状の支持部4bが形成されている。上記基部4aの中途部の上下面にはそれぞれ一対のL字状片4cが対向して突設されている。それによって、上記基部4aの上下面にはそれぞれ通路4dが形成され、また上側の通路4dの側方は後述する車輪29の走行面4eとなっている。
【0029】
上記ガイドレ−ル4は複数の保持具4fによって上記本体1の上面にスライド可能に保持されている。つまり、保持具4fは図5(a)に示すようにほぼコ字状に形成されていて、中途部を本体1の下面に接合させるとともに、L字状に折曲された両端の係合部4gを上記本体1に形成された一対の通孔1aから本体1の上面側に突出させ、上記ガイドレール4の支持部4bに係合させている。それによって、上記ガイドレール4は上記本体1にスライド自在に保持されている。
【0030】
上記ガイドレ−ル4の中途部の1か所あるいは2か所には、図5(b)、(c)に示すようにガイドレ−ル4の基部4aを除く部分に所定の間隔で複数のスリット5が形成されている。そのため、ガイドレ−ル4はそのスリット5の部分から上記本体1とともに折り曲げることができるようになっている。
【0031】
図1に示すように、上記本体1の長手方向一端側の上面、つまりガイドレール4の一端側には駆動装置7が設けられている。この駆動装置7はケース8を有し、このケース8内には減速機とモータとが一体化された第1の駆動源9が設けられている。
【0032】
上記第1の駆動源9はケース8の両側に設けられた各一対の歯車11をそれぞれ逆方向に回転駆動するようになっている。各歯車11にはそれぞれ駆動プーリ12が一体的に設けられている。
【0033】
詳細は図示しないが、各一対の駆動プーリ12にはステンレス鋼などの金属帯からなる動力伝達条体としてのベルト13の両端部がそれぞれ巻回されている。上記ベルト13の中途部は図5(a)に示すように上記ガイドレール4の上側と下側の通路4dに挿通され、上側の通路4dから下側の通路4dに折り返す部分には上記ガイドレ−ル4の他端部に回転自在に設けられた図示しない従動ローラに係合されている。
【0034】
上記第1の駆動源9が作動して各一対の歯車11が逆方向に駆動されると、上記ベルトは一方の歯車11の駆動プ−リ12から繰り出され、他方の歯車11の駆動プ−リ12に巻き取られる。それによって、上記ベルト13は上記通路に沿って走行駆動される。
【0035】
上記ガイドレール4の他端側には肩揉みユニット14が設けられている。肩揉み・叩きユニット14は一対の肩揉み・叩きローラ15を有する。一対の肩揉み・叩きローラ15は上下方向に振動しながら、接離する方向に揺動駆動される。それによって、本体1上に仰臥した利用者の肩の部分を揉んだり、揉みながら叩くようになっている。
【0036】
上記本体1の上面にはガイドレール4に沿ってローラユニット17が走行可能に設けられている。このローラユニット17は上記ベルト13の上記ガイドレール4の上面側の通路4dに挿通された部分に連結されていて、上記ベルト13が上記第1の駆動源9によって走行駆動されることで、このベルト13と連動して上記本体1の長手方向に沿って往復駆動されるようになっている。
【0037】
上面に上記ローラユニット17が設けられた本体1は、図3と図4に示すように袋状に縫製された外装地19によって被覆されてマッサージ装置Mが構成されている。この外装地19の上記本体1の上面が和を被覆した部分は耐摩耗性を有する下地(図示せず)と、肌触りの良好な上地19aとの二重構造となっている。
【0038】
上記本体1の長手方向の他端側、つまり肩揉みユニット14が設けられた頭部側の部分には、図3に示すように上記下地と上地19aとの間に保持されて面状のヒータ21が設けられている。それによって、利用者がマッサージを受けるために、上記本体1の外装地19上に仰臥したとき、上記ヒータ21によって上半身を暖めながらマッサージを受けることができるようになっている。
【0039】
上記外装地19の頭部側にはヘッドレスト部22が設けられ、このヘッドレスト部22にはヘッドレストカバー23が着脱可能に設けられるようになっている。
【0040】
上記外装地19の上記ヘッドレスト部22には、それぞれ帯状布からなる第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの一端が縫着固定されて設けられている。第1の保持部材24aの他端の上面には第1の面状ファスナ25aが設けられ、第2の保持部材24bの他端の下面には第2の面状ファスナ25bが設けられている。
【0041】
図6に示すように、マッサージを受けるために利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥したとき、利用者Uは上記第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの他端側を脇の下を通して胸の上面に回し、上記第1の面状ファスナ25aと第2の面状ファスナ25bを連結することで、上半身を上記マッサージ装置Mに保持できるようになっている。
【0042】
それによって、上記ローラユニット17を往復走行させて利用者Uが背面にマッサージを受けるとき、利用者Uの身体が浮き上がるのを防止してマッサージ効果を高めることができるとともに、上記ローラユニット17の往復走行によって利用者Uの身体が外装地19上で上下方向にずれ動くのを防止するようになっている。
【0043】
さらに、上記マッサージ装置Mの頭部側の下面の幅方向両端部には帯状布からなる一対の固定部材26の一端が連結固定されている。これら固定部材26の他端には面状ファスナ26aがそれぞれ設けられている。
【0044】
上記マッサージ装置Mを図4に示すように2つに折りたたんだとき、固定部材26の他端に設けられた面状ファスナ26aは上記マッサージ装置Mの側部側の下面に設けられた図示しない面状ファスナに係着させることができるようになっている。それによって、マッサージ装置Mは2つに折り畳まれた状態で保持できるようになっている。
【0045】
つぎに、上記ローラユニット17について説明する。図7は上記ローラユニット17の平面図、図8は下面図、図9は正面図、図10は縦断面図、図11は右側面図である。上記ローラユニット17は左右一対のサイドフレーム27を有する。一対のサイドフレーム27は、下端部の幅方向両端部が一対の連結軸28によって連結されている。左右一対のサイドフレーム27と、これらを連結した連結軸28とで上記ローラユニット17の保持体30を構成している。
【0046】
上記連結軸28の両端部には上記一対のガイドレール4の走行面4eを転動する上記車輪29が回転可能に取付けられている。
【0047】
上記連結軸28の軸方向の中央部、つまりローラユニット17の幅方向の中央部には支持体31が幅方向両端部の下面に形成された一対の受け部31aを上記連結軸28に係合固定して設けられている。
【0048】
上記支持体31は側面形状がほぼ三角形状となっていて、その頂部には図10に示すように支持孔32が形成されている。この支持孔32にはローラ軸33の軸方向の中途部が回転可能に挿通支持されている。
【0049】
図10に示すように、上記ローラ軸33の一端部と他端部はそれぞれ上記一対のサイドフレーム27に形成された支持孔27aに回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の一方のサイドフレーム27内に突出した一端には歯車34が嵌合され、この歯車34は一方のサイドフレーム27内に設けられたパルスモータからなる第2の駆動源35(図7に破線で示す)の出力軸に設けられた歯車(ともに図示せず)に噛合している。それによって、上記ローラ軸33は上記第2の駆動源35によって回転駆動されるようになっている。
【0050】
図11に示すように、上記ローラ軸33の他端には細い帯状の検出部材36が径方向外方に突出して設けられている。この検出部材36は上記ローラ軸33とともに回転し、上記サイドフレーム27に設けられた光センサ37によって検出されるようになっている。
【0051】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転駆動を停止するとき、上記第2の駆動源35は停止信号を受けてから上記検出部材36が上記光センサ37によって検出された後、設定されたパルス数だけ上記ローラ軸33を回転させて停止させるようになっている。それによって、上記ローラ軸33を常に同じ回転角度で停止させることができるようになっている。
【0052】
上記ローラ軸33の上記支持体31の両側には一対の補助マッサージローラ38が回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の上記一対の補助マッサージローラ38の両側には揉みマッサージ部41が設けられている。
【0053】
上記揉みマッサージ部41は一対のアーム体42を有する。このアーム体42は、図10及び図13、図14に示すように周辺部全長にわたってフランジ43aが設けられた第1の部材43と、この第1の部材43のフランジ43a内に嵌め込まれて取付けられる第2の部材44を有する。
【0054】
上記第1の部材43の長手方向両端部の高さ方向上部には揉みローラ45が回転可能に支持されている。各揉みローラ45は、耐摩耗性を有するとともに、図7に示すように耐摩耗性を有して滑り易い布地で作られた袋部材46によって被覆されている。それによって、揉みローラ45が上記外装地19との摩擦によって早期に磨耗するのを防止している。
【0055】
図13は、上記アーム体42の第1の部材43に第2の部材44が取付けられた状態を示し、図14は第2の部材44が取り外された第1の部材43を示している。
【0056】
図14に示すように、上記第1の部材43の長手方向の中央部には矩形状の開口部47が開口形成されている。この開口部47の両側部と上下部にはそれぞれ凹部48が形成されている。上記第1の部材43の内面側には上下部及び両側部にそれぞれガイド片49を有するスライダ51が上記ガイド片49を上記凹部48にスライド可能に係合させて上記第2の部材44とで保持されている。
【0057】
上記スライダ51の中心部には嵌合孔52が形成されている。この嵌合孔52には偏心カム体53に設けられた偏心カム部54が回転可能に嵌挿されている。図9と図10に示すように、上記嵌合孔52に装着された上記偏心カム部54の端面には押え部材55がねじ止め固定されている。それによって、上記偏心カム体53が上記嵌合孔52から外れないようになっている。
【0058】
図10と図14に示すように、上記偏心カム体53には挿通孔56は形成され、この挿通孔56には上記ローラ軸33が挿通されている。ローラ軸33はキー57によって上記偏心カム体53と一体的に回転するよう連結されている。
【0059】
上記偏心カム部54は、図10に示すように上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、しかも所定の角度で傾斜して形成されている。
【0060】
上記支持体31の外側に設けられた一対のアーム体42は、上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対し、規制体61によって長手方向、つまり両端部が上下方向に揺動する角度が制限されるようになっている。
【0061】
上記規制体61は図9に示すように上記偏心カム体53の両側に設けられた一対の規制板62を有する。この規制板62は図12に示すように三角形状をなしていて、その頂部に形成された上部取付け孔63に上記ローラ軸33が回転可能に挿通されている。
【0062】
上記規制板62の下辺には3つの下部取付け孔64が一列に形成されている。上記偏心カム体53を挟んで対向する一対の規制板62の上記下辺の両端に位置する一対の下部取付け孔64間にはスリーブ65が設けられ、このスリーブ65は連結ねじ66によって一対の規制板62に取付け固定されている。
【0063】
図8と図9に示すように、上記支持体31側に位置する上記規制板62の下端の外面には、一方のスリーブ65と対応する位置と、上記規制板62の下辺の中途部に位置する下部取付け孔64の箇所に、それぞれストッパ67がねじ止め固定されている。
【0064】
各一対のストッパ67は上記支持体31の両側面の下端部に突設された係止部68を挟んで設けられている。上記ストッパ67と上記係止部68とでストッパ手段を構成している。
【0065】
一対の規制板62を所定間隔で連結した一対のスリーブ65のうちの一方は、図9と図14に示すように上記アーム体42の長手方向一端部の下部に形成された連結孔69に図9に示す球体軸受70を介して360度方向に揺動可能に連結されている。
【0066】
すなわち、上記アーム体42は上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対して上記規制体61と一体的に揺動するようになっている。
【0067】
そして、上記アーム体42の長手方向に沿う揺動は、上記規制体61の規制板62に設けられた一対のストッパ67が上記支持体30に設けられた係止部68に当たることで制限されるようになっている。
【0068】
したがって、上記アーム体42に設けられた一対の揉みローラ45が利用者Uの背面をマッサージしながら上記ローラユニット17によって走行駆動されるとき、利用者Uの背面の凹凸形状が大きくても、上記一対のストッパ67によって上記アーム体42が上下方向に大きく揺動するのが制限されるようになっている。
【0069】
一方、上記ローラ軸33が上記第2の駆動源35によって回転駆動されると、この回転に上記偏心カム体53が連動する。この偏心カム体53の偏心カム部54は上記アーム体42にスライド可能に保持されたスライダ51の嵌合孔52に回転可能に嵌合されている。上記偏心カム部54は上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、かつ所定の角度で傾斜している。
【0070】
そのため、上記ローラ軸33とともに上記偏心カム体53が回転すると、一対のアーム体42は上下方向に傾動しながら、図15(a)、(b)に示すように長手方向一端と他端とが交互に接離する方向に揺動運動する。それによって、一対のアーム体42の長手方向一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uは身体の背面に揉みに夜マッサージを受けることができるようになっている。
【0071】
なお、上記偏心カム体53の回転に応じて上記スライダ51が上記アーム体42の長手方向に沿ってスライドするため、上記アーム体42は長手方向に対して動くことなく揺動するようになっている。
【0072】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転を停止させるために停止操作をすると、上述したように光センサ37が上記ローラ軸33の端部に設けられた検出部材36を検出してから、所定パルス後に上記ローラ軸33を停止させる。それによって、一対のアーム体42は図15(c)に示すように平行な状態で停止するようになっている。
【0073】
上記ローラ軸33には、上記一対の揉みマッサージ部41の外側にそれぞれ側部マッサージ部71が設けられている。上記側部マッサージ部71は図16図17に示すように構成されている。すなわち、上記側部マッサージ部71は所定間隔で平行に離間対向した一対の円盤72を有する。一対の円盤72の中心部には中空軸73によって連結されている。この中空軸73には上記ローラ軸33が回転可能に挿通される。
【0074】
上記中空軸73の内周面の軸方向一端部には一方向クラッチ74が設けられている。この一方向クラッチ74は図18(a),(b)に示すように上記中空軸73の内周面に周方向に所定間隔で形成された凹部75を有する。この凹部75の周方向に沿う一端部は他の部分よりも上記凹部75を浅くするテーパ面76に形成されている。上記凹部75にはクラッチ軸77がばね78によって上記テーパ面76側に付勢されて設けられている。
【0075】
上記ローラ軸33が図18(a)に矢印Aで示す反時計方向(この方向を逆転方向とする。)に回転駆動されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力によって上記凹部75内を上記テーパ面76側に移動する。それによって、上記クラッチ軸77が上記ローラ軸33の外周面に圧接するから、上記中空軸73が上記ローラ軸33に結合される。つまり、一方向クラッチ74が噛み合うことになる。
【0076】
上記ローラ軸33が図18(b)に矢印Bで示す時計方向(この方向を正転方向とする。)に回転されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力に抗して上記凹部75内を上記テーパ面76から離れる方向に移動する。それによって、上記ローラ軸33の回転に対して上記中空軸73が回転しない状態となる。つまり、ローラ軸33に対して上記中空軸73が空回転する。
【0077】
図16に示すように、上記一対の円盤72の周辺部には複数の支軸79が周方向に所定間隔で回転可能に支持されている。複数の支軸79には、周方向に対して交互に側部ローラとしての樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが取付けられている。
【0078】
上記樽型ローラ81の頂部81aは対向する一対の円盤72間の中心部に位置し、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aは上記樽型ローラ81の頂部81aに対して軸方向にずれた位置にある。
【0079】
したがって、上記ローラユニット17が上記第1の駆動源9によって上記ガイドレール4に沿って走行駆動されると、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが利用者Uの背面、とくに大腿部から脹脛の部分である、脚部の背面をマッサージする。
【0080】
そのとき、脚部の背面は上記樽型ローラ81の1つの頂部81aと、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aとの、合計3つの頂部によって強くマッサージされる。そのため、従来のように単に樽型のローラによって脚部の背面をマッサージする場合に比べ、利用者Uの脚部に対するしマッサージ効果を高めることができる。
【0081】
なお、上記側部マッサージ部71の上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82は図19と図20に示すように耐摩耗性を有するとともに、滑り易い布地で形成された袋部材84によって被覆される。それによって、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82が早期に磨耗したり、上記外装地19が早期に損傷するのを防止するようになっている。
【0082】
図21は制御系統図を示す。同図中86は制御装置である。この制御装置86は図1に示すように上記本体1に設けられている。この制御装置86には操作部としてのリーモーとコントローラ87が接続されている。リーモーとコントローラ87は図3にも示されている。
【0083】
上記リーモーとコントローラ87には、詳細は図示しないが、マッサージ装置Mによる種々のマッサージのパターン、たとえば肩揉みローラ15、揉みマッサージ部41の揉みローラ45及び側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によるマッサージのパターンを設定できるようになっている。
【0084】
上記制御装置86は上記リーモーとコントローラ87からの操作信号に基いて上記第1の駆動源9、第2の駆動源35及びヒータ21の駆動を制御する。上記光センサ37の検出信号は上記制御装置86に出力され、それによって上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転が設定された角度で停止するよう制御される。つまり、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が平行になる位置で停止させられる。
【0085】
つぎに、上記構成のマッサージ装置Mの使用形態について説明する。
利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥して胸部を図6に示すように第1、第2の保持部材24a,24bによって保持したならば、利用者Uはリモートコントローラ87によって所望するマッサージコースを選択する。
【0086】
たとえば、ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、第2の駆動源35を作動させずにマッサージを受けることができる。その場合、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42は図15(c)に示すように平行な状態で停止しているから、一対のアーム体42の長手方向両端に設けられた揉みローラ45によって利用者は脊柱の両側にマッサージを受けることができる。
【0087】
このとき、側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82は回転しながら、利用者Uの背面の上記揉みローラ45によるマッサージの部位よりも外側の部分をマッサージすることになる。
【0088】
したがって、利用者Uは背面の広い範囲にわたってマッサージを受けることができ、しかも脚部においては樽型ローラ81の頂部81aと鼓型ローラ82の2つの頂部82aによって強いマッサージを受けることができる。
【0089】
上記ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、上記リモートコントローラ87の操作によって第2の駆動源35を作動させ、ローラ軸33を図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させる。
【0090】
それによって、上記揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動されるから、一対のアーム体42の長手方向の一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uの背面の脊柱の両側が揉みマッサージされながら、押圧マッサージされることになる。
【0091】
上記ローラ軸33を図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させると、側部マッサージ部71は一方向クラッチ74のクラッチ軸77とローラ軸33との噛み合いが外れるから、上記ローラ軸33に対して側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた一対の円盤72を連結した中空軸73が空回転する。
【0092】
それによって、側部マッサージ部71はローラ軸33によって回転駆動されることなく走行するから、この円盤72に設けられた樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが支軸79に対して回転しながら利用者Uの背面、とくに脚部の背面を強くマッサージすることになる。
【0093】
上記側部マッサージ部71によって脚部背面に強いマッサージを受けたい場合には、上記リモートコントローラ87の操作によって上記第1の駆動源9による上記ローラユニット17の走行駆動を所望する部位で停止させる。そして、その部位で上記ローラ軸33を図18(a)に矢印Aで示す反時計方向に回転させる。
【0094】
上記ローラ軸33が矢印A方向に回転すると、一方向クラッチ74のクラッチ軸77がローラ軸33に噛み合うから、ローラ軸33と一体的に樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた側部マッサージ部71が回転する。
【0095】
それによって、利用者Uは背面の所望する部位をローラ軸33とともに回転する側部マッサージ部71の各複数の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によってマッサージを受けることができるから、利用者Uは側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的回転させない場合に比べて強いマッサージを受けることができる。
【0096】
上記第1の駆動源9によって上記ローラユニット17を本体1の長手方向に対して往復動させながら、上記側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的に回転させるようにしてもよい。そうすれば、利用者Uは背面の全身にわたって揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71とによって十分に強いマッサージを受けることができる。
【0097】
しかも、側部マッサージ部71は側面形状がV字状の鼓型ローラ82を有することで、利用者Uの脚部が鼓型ローラ82のV字状の部分で支持され、左右方向にずれ難くなる。つまり、脚部が側部マッサージ部71の樽型ローラ81や鼓型ローラ82から外れ難いから、従来の椅子式やマットレスタイプのマッサージ装置に比べて脚部に対するマッサージ効果を向上させることができる。
【0098】
上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって利用者Uがマッサージを受ける場合、肩揉みユニット14の肩揉みローラ15を上記リモートコントローラ87の操作によって選択的に作動させることができる。
【0099】
このようにして利用者Uがマッサージを受ける際、利用者Uは上半身が第1、第2の保持部材24a,24bによって保持されている。そのため、利用者Uの背面が上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって押圧されても、身体がマッサージ装置Mの上面で浮き上がってマッサージ効果が低下したり、ローラユニット17の動きによって上下方向にずれ動くのが防止されるから、マッサージ効果を高めることができる。
【0100】
なお、上述した各種のマッサージのパタンーンは、上記リモートコントローラ87の操作によって自動或いは手動で行うことができる。
【0101】
上記揉みマッサージ部41の揉みローラ45と、上記側部マッサージ部71の樽型ローラ81及び鼓型ローラ82はそれぞれ耐摩耗性を有するとともに滑り易い布地で作られた袋部材46,84によって被覆されている。
【0102】
そのため、上記揉みローラ45、樽型ローラ81及び鼓型ローラ82は外装地19の内面との摺接によって早期に磨耗するのが防止されるばかりか、外装地19も早期に損傷するのが防止される。
【0103】
上記一実施の形態では、一対の側部ローラ部をローラ軸と一体的に回転させるため、ローラ軸と側部ローラ部の中空軸との間に一方向クラッチを設け、上記ローラ軸の回転方向に応じて上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしたが、たとえば上記中空軸を上記ローラ軸に対してキーによって回転不能に取付け、上記ローラ軸の回転方向に係わらず、上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…本体、4…ガイドレール、7…駆動装置、9…第1の駆動源、14…肩揉みユニット、17…ローラユニット、19…外装地、24a,24b…保持部材、27…サイドフレーム、28…連結軸、30…保持体、33…ローラ軸、35…第2の駆動源、37…光センサ、41…揉みマッサージ部、42…アーム体、46,84…袋部材、53…偏心カム体、71…側部マッサージ部、74…一方向クラッチ、81…樽型ローラ(側部ローラ)、82…鼓型ローラ、86…制御装置、87…リモートコントローラ(操作部)。
【技術分野】
【0001】
この発明は上面に仰臥した利用者の背面をマッサージするためのマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージローラを所定方向に沿って往復駆動することで、そのマッサージローラによって利用者の背面をマッサージするマッサージ装置が知られている。この種のマッサージ装置においては、利用者が仰臥した状態で背面ほぼ全体に施療を受けることができるマットレスタイプと、着座した状態で背面の腰から上の部分に施療を受けることができる椅子式のものとが知られている。
【0003】
利用者の背面を全体にわたってマッサージすることができるマッサージ装置としては、仰臥した利用者の背面全体、つまり利用者の頚部の部分から脚の踵の部分までマッサージローラを備えたマッサージユニットを走行させることができる、マットレスタイプのマッサージ装置の方が椅子式のマッサージ装置よりもマッサージ効果が高いということが知られている。
【0004】
従来、上記マッサージユニットは、外装地で覆われたマッサージ装置の本体の上面を長手方向に沿って往復駆動可能に設けられている。このマッサージユニットは保持体を有し、この保持体には走行方向と交差する幅方向の中央部分に利用者の背面の脊柱の両側部分を押圧しながら揉む揉みローラと、この揉みローラの両側に利用者の背面の揉みローラによってマッサージされる部分よりも外側の部分をマッサージする側部ローラとが設けられている。
【0005】
具体的には、上記保持体には上記幅方向に沿ってローラ軸が設けられ、このローラ軸はその一端に設けられた駆動源によって回転駆動されるようになっている。上記ローラ軸には長手方向両端に上記揉みローラを有する一対のアーム体が偏心カム体を介して一端と他端とが接離する方向に揺動するよう所定間隔で設けられ、上記一対のアーム体の外側に上記側部ローラが上記ローラ軸に回転可能に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−299851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
利用者が身体の背面にマッサージを受ける場合、上記ローラユニットを本体の長手方向に対して往復動させながら背面の全体にマッサージを受ける場合や上記ローラユニットを本体の長手方向に対して往復動させながら、その往復動の途中や利用者が指定する部位などの所定の位置で上記マッサージユニットを停止させ、たとえば腰部や太腿部などの身体の特定の部位に他の部分よりも強いマッサージを受けるようにする場合などがある。
【0008】
身体の特定の部位に他の部分よりも強いマッサージを受ける場合、上記マッサージユニットの往復動を停止させ、上記ローラ軸を回転させれば、このローラ軸によって上記揉みローラを有する一対のアーム体が揺動するから、利用者は身体の特定の部位に他の部位よりも上記揉みローラによって十分なマッサージを受けることが可能となる。
【0009】
しかしながら、上記側部ローラは上記ローラ軸に回転可能に支持されているため、ローラ軸と一体的に回転しない。そのため、利用者は揉みローラによって十分なマッサージを受けることができても、側部ローラによってはマッサージを受けることができないということになる。
【0010】
つまり、利用者の背面の背骨の両側は上記揉みローラによってマッサージを受けることができるものの、揉みローラによってマッサージを受けることができる部分よりも外側の部分には十分な強さでマッサージを受けることができないということがあった。
【0011】
このことは、マッサージユニットを停止させたときだけでなく、本体の長手方向に沿って往復動させたときであって、上記側部ローラは本体を覆う外装地の内面との接触抵抗によって回転するだけであるから、上記側部ローラを強制的に回転駆動させる場合に比べて利用者に十分な強さのマッサージを行うことができないということがあった。
【0012】
この発明は、側部ローラを揉みローラとともにローラ軸と一体的に回転させることができるようにすることで、利用者は揉みローラによるマッサージ作用と同様、側部ローラによって十分な強さのマッサージを受けることができるようにしたマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、仰臥した利用者の背面をマッサージするマッサージ装置であって、
外装地によって被覆された本体と、
上記外装地の内側で、上記本体上にこの上記本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニットと、
このローラユニットを上記本体の長手方向に沿って往復駆動する第1の駆動源を具備し、
上記ローラユニットは、
保持体と、
この保持体に上記ローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸と、
上記ローラ軸の一端側に設けられ上記ローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源と、
上記ローラ軸の中央部分に設けられ上記ローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、
この揉みマッサージ部の両側に上記ローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラを有する一対の側部マッサージ部と
を具備したことを特徴とするマッサージ装置にある。
【0014】
上記一対の側部マッサージ部は、上記ローラ軸に対して一方向クラッチを介して設けられ上記ローラ軸が上記正転方向或いは逆転方向のどちらか一方に回転駆動されたときには上記ローラ軸と一体的に回転し、他方に回転駆動されたときには上記ローラ軸に対して空転することが好ましい。
【0015】
上記揉みマッサージ部は、
長手方向の両端部に回転可能に支持された上記揉みローラを有し、上記ローラ軸に偏心カム体を介して対向しかつ長手方向を上記ローラユニットの走行方向に沿わせて設けられていて、上記ローラ軸が回転駆動されたときに上記偏心カム体によって長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動される一対のアーム体と、
上記一対のアーム体が上記ローラ軸に対して上下方向に揺動する範囲を制限するストッパ手段と
を備えていることが好ましい。
【0016】
上記ローラ軸の他端側には、このローラ軸の回転角度を検出するセンサが設けられていて、上記第2の駆動源による上記ローラ軸の回転駆動を停止するときに、上記センサの検出に基いて上記一対のアーム体が平行となる揺動角度で上記ローラ軸を停止させることが好ましい。
【0017】
上記揉みローラは、上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることが好ましい。
【0018】
上記側部マッサージ部は、
上記ローラ軸に上記一方向クラッチを介して外嵌された中空軸と、
この中空軸の両端に平行に離間対向して設けられた一対の円盤と、
一対の円盤の周辺部に周方向に沿って所定間隔で回転可能に支持された上記側部ローラを有し、
上記側部ローラは上記円盤の周辺部に周方向に沿って交互に設けられた複数の樽型ローラと複数の鼓型ローラであることが好ましい。
【0019】
上記樽型ローラと鼓型ローラは、これらが上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることが好ましい。
【0020】
上記外装地には、仰臥した利用者の上半身を保持する保持部材が設けられていることが好ましい。
【0021】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記第2の駆動源の駆動を制御して上記ローラ軸を、上記側部マッサージ部が上記ローラ軸と一体的に回転する方向或いは空転する方向に選択的に駆動させることができる構成であることが好ましい。
【0022】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記揉みマッサージ部の一対のアーム体が平行となる角度で上記ローラ軸を停止させた状態で、上記第1の駆動源によって上記ローラユニットを上記本体の長手方向に沿って駆動させることができる構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、ローラユニットのローラ軸に、このローラ軸が回転することで揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、上記ローラ軸と一体的に回転する側部ローラを有する一対の側部マッサージ部を設けるようにした。
【0024】
そのため、上記ローラ軸を回転駆動させて上記揉みマッサージ部の揉みローラを揉み運動させると同時に、上記側部マッサージ部の側部ローラを上記ローラ軸と一体的に回転させることで、上記側部ローラによって利用者の、とくに脚部の背面側に対するマッサージ効果を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施の形態を示すマッサージ装置の外装地を除去した平面図。
【図2】同じく側面図。
【図3】マッサージ装置の斜視図。
【図4】マッサージ装置を2つに折り畳んだ状態の斜視図。
【図5】(a)はガイドレールの幅方向に沿う断面図、(b)は平面図、(c)は長手方向に沿う断面図。
【図6】マットレス装置に仰臥した利用者の上半身を保持部材によって保持した状態の側面図。
【図7】ローラユニットの平面図。
【図8】ローラユニットの下面図。
【図9】ローラユニットの一部断面した正面図。
【図10】ローラユニットの縦断面図。
【図11】ローラユニットの幅方向一端側のサイドフレームの内部を示す側面図。
【図12】規制体の規制板を示す正面図。
【図13】規制体と一体的に設けられた揉みマッサージ部のアーム体の正面図。
【図14】アーム体の第1の部材から第2の部材を取り除いて内部を示す正面図。
【図15】(a)〜(c)は一対のアーム体の動きを説明する図。
【図16】側部マッサージ部の一部断面した正面図。
【図17】(a)は樽型ローラの正面図、(b)は鼓型ローラの正面図。
【図18】(a)は一方向クラッチが噛み合った状態の説明図、(b)は一方向クラッチの噛み合いが解除された状態の説明図。
【図19】側部マッサージ部の樽型ローラと鼓型ローラが袋部材によって被覆された状態の正面図。
【図20】樽型ローラと鼓型ローラが袋部材によって被覆された側部マッサージ部の側面図。
【図21】マッサージ装置の制御系統図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1と図2に示すマットレスタイプのマッサージ装置は矩形平板状の本体1を備えている。この本体1は折り曲げ可能なシート状の合成樹脂によって形成されていて、長手方向中途部から2つに折り曲げることが可能となっている。
【0028】
本体1の上面の幅方向両端部には、ナイロン(商品名)やポリプロピレンなどの合成樹脂によって成形された一対のガイドレール4が平行に離間して敷設されている。このガイドレ−ル4は図5(a)〜(c)に示すように帯状の基部4aを有し、この基部4aの幅方向両端にはL字状の支持部4bが形成されている。上記基部4aの中途部の上下面にはそれぞれ一対のL字状片4cが対向して突設されている。それによって、上記基部4aの上下面にはそれぞれ通路4dが形成され、また上側の通路4dの側方は後述する車輪29の走行面4eとなっている。
【0029】
上記ガイドレ−ル4は複数の保持具4fによって上記本体1の上面にスライド可能に保持されている。つまり、保持具4fは図5(a)に示すようにほぼコ字状に形成されていて、中途部を本体1の下面に接合させるとともに、L字状に折曲された両端の係合部4gを上記本体1に形成された一対の通孔1aから本体1の上面側に突出させ、上記ガイドレール4の支持部4bに係合させている。それによって、上記ガイドレール4は上記本体1にスライド自在に保持されている。
【0030】
上記ガイドレ−ル4の中途部の1か所あるいは2か所には、図5(b)、(c)に示すようにガイドレ−ル4の基部4aを除く部分に所定の間隔で複数のスリット5が形成されている。そのため、ガイドレ−ル4はそのスリット5の部分から上記本体1とともに折り曲げることができるようになっている。
【0031】
図1に示すように、上記本体1の長手方向一端側の上面、つまりガイドレール4の一端側には駆動装置7が設けられている。この駆動装置7はケース8を有し、このケース8内には減速機とモータとが一体化された第1の駆動源9が設けられている。
【0032】
上記第1の駆動源9はケース8の両側に設けられた各一対の歯車11をそれぞれ逆方向に回転駆動するようになっている。各歯車11にはそれぞれ駆動プーリ12が一体的に設けられている。
【0033】
詳細は図示しないが、各一対の駆動プーリ12にはステンレス鋼などの金属帯からなる動力伝達条体としてのベルト13の両端部がそれぞれ巻回されている。上記ベルト13の中途部は図5(a)に示すように上記ガイドレール4の上側と下側の通路4dに挿通され、上側の通路4dから下側の通路4dに折り返す部分には上記ガイドレ−ル4の他端部に回転自在に設けられた図示しない従動ローラに係合されている。
【0034】
上記第1の駆動源9が作動して各一対の歯車11が逆方向に駆動されると、上記ベルトは一方の歯車11の駆動プ−リ12から繰り出され、他方の歯車11の駆動プ−リ12に巻き取られる。それによって、上記ベルト13は上記通路に沿って走行駆動される。
【0035】
上記ガイドレール4の他端側には肩揉みユニット14が設けられている。肩揉み・叩きユニット14は一対の肩揉み・叩きローラ15を有する。一対の肩揉み・叩きローラ15は上下方向に振動しながら、接離する方向に揺動駆動される。それによって、本体1上に仰臥した利用者の肩の部分を揉んだり、揉みながら叩くようになっている。
【0036】
上記本体1の上面にはガイドレール4に沿ってローラユニット17が走行可能に設けられている。このローラユニット17は上記ベルト13の上記ガイドレール4の上面側の通路4dに挿通された部分に連結されていて、上記ベルト13が上記第1の駆動源9によって走行駆動されることで、このベルト13と連動して上記本体1の長手方向に沿って往復駆動されるようになっている。
【0037】
上面に上記ローラユニット17が設けられた本体1は、図3と図4に示すように袋状に縫製された外装地19によって被覆されてマッサージ装置Mが構成されている。この外装地19の上記本体1の上面が和を被覆した部分は耐摩耗性を有する下地(図示せず)と、肌触りの良好な上地19aとの二重構造となっている。
【0038】
上記本体1の長手方向の他端側、つまり肩揉みユニット14が設けられた頭部側の部分には、図3に示すように上記下地と上地19aとの間に保持されて面状のヒータ21が設けられている。それによって、利用者がマッサージを受けるために、上記本体1の外装地19上に仰臥したとき、上記ヒータ21によって上半身を暖めながらマッサージを受けることができるようになっている。
【0039】
上記外装地19の頭部側にはヘッドレスト部22が設けられ、このヘッドレスト部22にはヘッドレストカバー23が着脱可能に設けられるようになっている。
【0040】
上記外装地19の上記ヘッドレスト部22には、それぞれ帯状布からなる第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの一端が縫着固定されて設けられている。第1の保持部材24aの他端の上面には第1の面状ファスナ25aが設けられ、第2の保持部材24bの他端の下面には第2の面状ファスナ25bが設けられている。
【0041】
図6に示すように、マッサージを受けるために利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥したとき、利用者Uは上記第1の保持部材24aと第2の保持部材24bとの他端側を脇の下を通して胸の上面に回し、上記第1の面状ファスナ25aと第2の面状ファスナ25bを連結することで、上半身を上記マッサージ装置Mに保持できるようになっている。
【0042】
それによって、上記ローラユニット17を往復走行させて利用者Uが背面にマッサージを受けるとき、利用者Uの身体が浮き上がるのを防止してマッサージ効果を高めることができるとともに、上記ローラユニット17の往復走行によって利用者Uの身体が外装地19上で上下方向にずれ動くのを防止するようになっている。
【0043】
さらに、上記マッサージ装置Mの頭部側の下面の幅方向両端部には帯状布からなる一対の固定部材26の一端が連結固定されている。これら固定部材26の他端には面状ファスナ26aがそれぞれ設けられている。
【0044】
上記マッサージ装置Mを図4に示すように2つに折りたたんだとき、固定部材26の他端に設けられた面状ファスナ26aは上記マッサージ装置Mの側部側の下面に設けられた図示しない面状ファスナに係着させることができるようになっている。それによって、マッサージ装置Mは2つに折り畳まれた状態で保持できるようになっている。
【0045】
つぎに、上記ローラユニット17について説明する。図7は上記ローラユニット17の平面図、図8は下面図、図9は正面図、図10は縦断面図、図11は右側面図である。上記ローラユニット17は左右一対のサイドフレーム27を有する。一対のサイドフレーム27は、下端部の幅方向両端部が一対の連結軸28によって連結されている。左右一対のサイドフレーム27と、これらを連結した連結軸28とで上記ローラユニット17の保持体30を構成している。
【0046】
上記連結軸28の両端部には上記一対のガイドレール4の走行面4eを転動する上記車輪29が回転可能に取付けられている。
【0047】
上記連結軸28の軸方向の中央部、つまりローラユニット17の幅方向の中央部には支持体31が幅方向両端部の下面に形成された一対の受け部31aを上記連結軸28に係合固定して設けられている。
【0048】
上記支持体31は側面形状がほぼ三角形状となっていて、その頂部には図10に示すように支持孔32が形成されている。この支持孔32にはローラ軸33の軸方向の中途部が回転可能に挿通支持されている。
【0049】
図10に示すように、上記ローラ軸33の一端部と他端部はそれぞれ上記一対のサイドフレーム27に形成された支持孔27aに回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の一方のサイドフレーム27内に突出した一端には歯車34が嵌合され、この歯車34は一方のサイドフレーム27内に設けられたパルスモータからなる第2の駆動源35(図7に破線で示す)の出力軸に設けられた歯車(ともに図示せず)に噛合している。それによって、上記ローラ軸33は上記第2の駆動源35によって回転駆動されるようになっている。
【0050】
図11に示すように、上記ローラ軸33の他端には細い帯状の検出部材36が径方向外方に突出して設けられている。この検出部材36は上記ローラ軸33とともに回転し、上記サイドフレーム27に設けられた光センサ37によって検出されるようになっている。
【0051】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転駆動を停止するとき、上記第2の駆動源35は停止信号を受けてから上記検出部材36が上記光センサ37によって検出された後、設定されたパルス数だけ上記ローラ軸33を回転させて停止させるようになっている。それによって、上記ローラ軸33を常に同じ回転角度で停止させることができるようになっている。
【0052】
上記ローラ軸33の上記支持体31の両側には一対の補助マッサージローラ38が回転可能に支持されている。上記ローラ軸33の上記一対の補助マッサージローラ38の両側には揉みマッサージ部41が設けられている。
【0053】
上記揉みマッサージ部41は一対のアーム体42を有する。このアーム体42は、図10及び図13、図14に示すように周辺部全長にわたってフランジ43aが設けられた第1の部材43と、この第1の部材43のフランジ43a内に嵌め込まれて取付けられる第2の部材44を有する。
【0054】
上記第1の部材43の長手方向両端部の高さ方向上部には揉みローラ45が回転可能に支持されている。各揉みローラ45は、耐摩耗性を有するとともに、図7に示すように耐摩耗性を有して滑り易い布地で作られた袋部材46によって被覆されている。それによって、揉みローラ45が上記外装地19との摩擦によって早期に磨耗するのを防止している。
【0055】
図13は、上記アーム体42の第1の部材43に第2の部材44が取付けられた状態を示し、図14は第2の部材44が取り外された第1の部材43を示している。
【0056】
図14に示すように、上記第1の部材43の長手方向の中央部には矩形状の開口部47が開口形成されている。この開口部47の両側部と上下部にはそれぞれ凹部48が形成されている。上記第1の部材43の内面側には上下部及び両側部にそれぞれガイド片49を有するスライダ51が上記ガイド片49を上記凹部48にスライド可能に係合させて上記第2の部材44とで保持されている。
【0057】
上記スライダ51の中心部には嵌合孔52が形成されている。この嵌合孔52には偏心カム体53に設けられた偏心カム部54が回転可能に嵌挿されている。図9と図10に示すように、上記嵌合孔52に装着された上記偏心カム部54の端面には押え部材55がねじ止め固定されている。それによって、上記偏心カム体53が上記嵌合孔52から外れないようになっている。
【0058】
図10と図14に示すように、上記偏心カム体53には挿通孔56は形成され、この挿通孔56には上記ローラ軸33が挿通されている。ローラ軸33はキー57によって上記偏心カム体53と一体的に回転するよう連結されている。
【0059】
上記偏心カム部54は、図10に示すように上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、しかも所定の角度で傾斜して形成されている。
【0060】
上記支持体31の外側に設けられた一対のアーム体42は、上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対し、規制体61によって長手方向、つまり両端部が上下方向に揺動する角度が制限されるようになっている。
【0061】
上記規制体61は図9に示すように上記偏心カム体53の両側に設けられた一対の規制板62を有する。この規制板62は図12に示すように三角形状をなしていて、その頂部に形成された上部取付け孔63に上記ローラ軸33が回転可能に挿通されている。
【0062】
上記規制板62の下辺には3つの下部取付け孔64が一列に形成されている。上記偏心カム体53を挟んで対向する一対の規制板62の上記下辺の両端に位置する一対の下部取付け孔64間にはスリーブ65が設けられ、このスリーブ65は連結ねじ66によって一対の規制板62に取付け固定されている。
【0063】
図8と図9に示すように、上記支持体31側に位置する上記規制板62の下端の外面には、一方のスリーブ65と対応する位置と、上記規制板62の下辺の中途部に位置する下部取付け孔64の箇所に、それぞれストッパ67がねじ止め固定されている。
【0064】
各一対のストッパ67は上記支持体31の両側面の下端部に突設された係止部68を挟んで設けられている。上記ストッパ67と上記係止部68とでストッパ手段を構成している。
【0065】
一対の規制板62を所定間隔で連結した一対のスリーブ65のうちの一方は、図9と図14に示すように上記アーム体42の長手方向一端部の下部に形成された連結孔69に図9に示す球体軸受70を介して360度方向に揺動可能に連結されている。
【0066】
すなわち、上記アーム体42は上記ローラ軸33に取付けられた偏心カム体53に対して上記規制体61と一体的に揺動するようになっている。
【0067】
そして、上記アーム体42の長手方向に沿う揺動は、上記規制体61の規制板62に設けられた一対のストッパ67が上記支持体30に設けられた係止部68に当たることで制限されるようになっている。
【0068】
したがって、上記アーム体42に設けられた一対の揉みローラ45が利用者Uの背面をマッサージしながら上記ローラユニット17によって走行駆動されるとき、利用者Uの背面の凹凸形状が大きくても、上記一対のストッパ67によって上記アーム体42が上下方向に大きく揺動するのが制限されるようになっている。
【0069】
一方、上記ローラ軸33が上記第2の駆動源35によって回転駆動されると、この回転に上記偏心カム体53が連動する。この偏心カム体53の偏心カム部54は上記アーム体42にスライド可能に保持されたスライダ51の嵌合孔52に回転可能に嵌合されている。上記偏心カム部54は上記ローラ軸33の軸線に対して偏心し、かつ所定の角度で傾斜している。
【0070】
そのため、上記ローラ軸33とともに上記偏心カム体53が回転すると、一対のアーム体42は上下方向に傾動しながら、図15(a)、(b)に示すように長手方向一端と他端とが交互に接離する方向に揺動運動する。それによって、一対のアーム体42の長手方向一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uは身体の背面に揉みに夜マッサージを受けることができるようになっている。
【0071】
なお、上記偏心カム体53の回転に応じて上記スライダ51が上記アーム体42の長手方向に沿ってスライドするため、上記アーム体42は長手方向に対して動くことなく揺動するようになっている。
【0072】
上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転を停止させるために停止操作をすると、上述したように光センサ37が上記ローラ軸33の端部に設けられた検出部材36を検出してから、所定パルス後に上記ローラ軸33を停止させる。それによって、一対のアーム体42は図15(c)に示すように平行な状態で停止するようになっている。
【0073】
上記ローラ軸33には、上記一対の揉みマッサージ部41の外側にそれぞれ側部マッサージ部71が設けられている。上記側部マッサージ部71は図16図17に示すように構成されている。すなわち、上記側部マッサージ部71は所定間隔で平行に離間対向した一対の円盤72を有する。一対の円盤72の中心部には中空軸73によって連結されている。この中空軸73には上記ローラ軸33が回転可能に挿通される。
【0074】
上記中空軸73の内周面の軸方向一端部には一方向クラッチ74が設けられている。この一方向クラッチ74は図18(a),(b)に示すように上記中空軸73の内周面に周方向に所定間隔で形成された凹部75を有する。この凹部75の周方向に沿う一端部は他の部分よりも上記凹部75を浅くするテーパ面76に形成されている。上記凹部75にはクラッチ軸77がばね78によって上記テーパ面76側に付勢されて設けられている。
【0075】
上記ローラ軸33が図18(a)に矢印Aで示す反時計方向(この方向を逆転方向とする。)に回転駆動されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力によって上記凹部75内を上記テーパ面76側に移動する。それによって、上記クラッチ軸77が上記ローラ軸33の外周面に圧接するから、上記中空軸73が上記ローラ軸33に結合される。つまり、一方向クラッチ74が噛み合うことになる。
【0076】
上記ローラ軸33が図18(b)に矢印Bで示す時計方向(この方向を正転方向とする。)に回転されると、上記クラッチ軸77が上記ばね78の付勢力に抗して上記凹部75内を上記テーパ面76から離れる方向に移動する。それによって、上記ローラ軸33の回転に対して上記中空軸73が回転しない状態となる。つまり、ローラ軸33に対して上記中空軸73が空回転する。
【0077】
図16に示すように、上記一対の円盤72の周辺部には複数の支軸79が周方向に所定間隔で回転可能に支持されている。複数の支軸79には、周方向に対して交互に側部ローラとしての樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが取付けられている。
【0078】
上記樽型ローラ81の頂部81aは対向する一対の円盤72間の中心部に位置し、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aは上記樽型ローラ81の頂部81aに対して軸方向にずれた位置にある。
【0079】
したがって、上記ローラユニット17が上記第1の駆動源9によって上記ガイドレール4に沿って走行駆動されると、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが利用者Uの背面、とくに大腿部から脹脛の部分である、脚部の背面をマッサージする。
【0080】
そのとき、脚部の背面は上記樽型ローラ81の1つの頂部81aと、上記鼓型ローラ82の2つの頂部82aとの、合計3つの頂部によって強くマッサージされる。そのため、従来のように単に樽型のローラによって脚部の背面をマッサージする場合に比べ、利用者Uの脚部に対するしマッサージ効果を高めることができる。
【0081】
なお、上記側部マッサージ部71の上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82は図19と図20に示すように耐摩耗性を有するとともに、滑り易い布地で形成された袋部材84によって被覆される。それによって、上記樽型ローラ81と鼓型ローラ82が早期に磨耗したり、上記外装地19が早期に損傷するのを防止するようになっている。
【0082】
図21は制御系統図を示す。同図中86は制御装置である。この制御装置86は図1に示すように上記本体1に設けられている。この制御装置86には操作部としてのリーモーとコントローラ87が接続されている。リーモーとコントローラ87は図3にも示されている。
【0083】
上記リーモーとコントローラ87には、詳細は図示しないが、マッサージ装置Mによる種々のマッサージのパターン、たとえば肩揉みローラ15、揉みマッサージ部41の揉みローラ45及び側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によるマッサージのパターンを設定できるようになっている。
【0084】
上記制御装置86は上記リーモーとコントローラ87からの操作信号に基いて上記第1の駆動源9、第2の駆動源35及びヒータ21の駆動を制御する。上記光センサ37の検出信号は上記制御装置86に出力され、それによって上記第2の駆動源35による上記ローラ軸33の回転が設定された角度で停止するよう制御される。つまり、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が平行になる位置で停止させられる。
【0085】
つぎに、上記構成のマッサージ装置Mの使用形態について説明する。
利用者Uがマッサージ装置Mの上面に仰臥して胸部を図6に示すように第1、第2の保持部材24a,24bによって保持したならば、利用者Uはリモートコントローラ87によって所望するマッサージコースを選択する。
【0086】
たとえば、ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、第2の駆動源35を作動させずにマッサージを受けることができる。その場合、揉みマッサージ部41の一対のアーム体42は図15(c)に示すように平行な状態で停止しているから、一対のアーム体42の長手方向両端に設けられた揉みローラ45によって利用者は脊柱の両側にマッサージを受けることができる。
【0087】
このとき、側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82は回転しながら、利用者Uの背面の上記揉みローラ45によるマッサージの部位よりも外側の部分をマッサージすることになる。
【0088】
したがって、利用者Uは背面の広い範囲にわたってマッサージを受けることができ、しかも脚部においては樽型ローラ81の頂部81aと鼓型ローラ82の2つの頂部82aによって強いマッサージを受けることができる。
【0089】
上記ローラユニット17を走行させて全身にマッサージを受ける場合、上記リモートコントローラ87の操作によって第2の駆動源35を作動させ、ローラ軸33を図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させる。
【0090】
それによって、上記揉みマッサージ部41の一対のアーム体42が長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動されるから、一対のアーム体42の長手方向の一端と他端に設けられた揉みローラ45によって利用者Uの背面の脊柱の両側が揉みマッサージされながら、押圧マッサージされることになる。
【0091】
上記ローラ軸33を図18(b)に矢印Bで示す時計方向に回転させると、側部マッサージ部71は一方向クラッチ74のクラッチ軸77とローラ軸33との噛み合いが外れるから、上記ローラ軸33に対して側部マッサージ部71の樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた一対の円盤72を連結した中空軸73が空回転する。
【0092】
それによって、側部マッサージ部71はローラ軸33によって回転駆動されることなく走行するから、この円盤72に設けられた樽型ローラ81と鼓型ローラ82とが支軸79に対して回転しながら利用者Uの背面、とくに脚部の背面を強くマッサージすることになる。
【0093】
上記側部マッサージ部71によって脚部背面に強いマッサージを受けたい場合には、上記リモートコントローラ87の操作によって上記第1の駆動源9による上記ローラユニット17の走行駆動を所望する部位で停止させる。そして、その部位で上記ローラ軸33を図18(a)に矢印Aで示す反時計方向に回転させる。
【0094】
上記ローラ軸33が矢印A方向に回転すると、一方向クラッチ74のクラッチ軸77がローラ軸33に噛み合うから、ローラ軸33と一体的に樽型ローラ81と鼓型ローラ82が設けられた側部マッサージ部71が回転する。
【0095】
それによって、利用者Uは背面の所望する部位をローラ軸33とともに回転する側部マッサージ部71の各複数の樽型ローラ81と鼓型ローラ82によってマッサージを受けることができるから、利用者Uは側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的回転させない場合に比べて強いマッサージを受けることができる。
【0096】
上記第1の駆動源9によって上記ローラユニット17を本体1の長手方向に対して往復動させながら、上記側部マッサージ部71をローラ軸33によって強制的に回転させるようにしてもよい。そうすれば、利用者Uは背面の全身にわたって揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71とによって十分に強いマッサージを受けることができる。
【0097】
しかも、側部マッサージ部71は側面形状がV字状の鼓型ローラ82を有することで、利用者Uの脚部が鼓型ローラ82のV字状の部分で支持され、左右方向にずれ難くなる。つまり、脚部が側部マッサージ部71の樽型ローラ81や鼓型ローラ82から外れ難いから、従来の椅子式やマットレスタイプのマッサージ装置に比べて脚部に対するマッサージ効果を向上させることができる。
【0098】
上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって利用者Uがマッサージを受ける場合、肩揉みユニット14の肩揉みローラ15を上記リモートコントローラ87の操作によって選択的に作動させることができる。
【0099】
このようにして利用者Uがマッサージを受ける際、利用者Uは上半身が第1、第2の保持部材24a,24bによって保持されている。そのため、利用者Uの背面が上記揉みマッサージ部41と側部マッサージ部71によって押圧されても、身体がマッサージ装置Mの上面で浮き上がってマッサージ効果が低下したり、ローラユニット17の動きによって上下方向にずれ動くのが防止されるから、マッサージ効果を高めることができる。
【0100】
なお、上述した各種のマッサージのパタンーンは、上記リモートコントローラ87の操作によって自動或いは手動で行うことができる。
【0101】
上記揉みマッサージ部41の揉みローラ45と、上記側部マッサージ部71の樽型ローラ81及び鼓型ローラ82はそれぞれ耐摩耗性を有するとともに滑り易い布地で作られた袋部材46,84によって被覆されている。
【0102】
そのため、上記揉みローラ45、樽型ローラ81及び鼓型ローラ82は外装地19の内面との摺接によって早期に磨耗するのが防止されるばかりか、外装地19も早期に損傷するのが防止される。
【0103】
上記一実施の形態では、一対の側部ローラ部をローラ軸と一体的に回転させるため、ローラ軸と側部ローラ部の中空軸との間に一方向クラッチを設け、上記ローラ軸の回転方向に応じて上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしたが、たとえば上記中空軸を上記ローラ軸に対してキーによって回転不能に取付け、上記ローラ軸の回転方向に係わらず、上記側部ローラ部を上記ローラ軸と一体的に回転駆動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…本体、4…ガイドレール、7…駆動装置、9…第1の駆動源、14…肩揉みユニット、17…ローラユニット、19…外装地、24a,24b…保持部材、27…サイドフレーム、28…連結軸、30…保持体、33…ローラ軸、35…第2の駆動源、37…光センサ、41…揉みマッサージ部、42…アーム体、46,84…袋部材、53…偏心カム体、71…側部マッサージ部、74…一方向クラッチ、81…樽型ローラ(側部ローラ)、82…鼓型ローラ、86…制御装置、87…リモートコントローラ(操作部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仰臥した利用者の背面をマッサージするマッサージ装置であって、
外装地によって被覆された本体と、
上記外装地の内側で、上記本体上にこの上記本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニットと、
このローラユニットを上記本体の長手方向に沿って往復駆動する第1の駆動源を具備し、
上記ローラユニットは、
保持体と、
この保持体に上記ローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸と、
上記ローラ軸の一端側に設けられ上記ローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源と、
上記ローラ軸の中央部分に設けられ上記ローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、
この揉みマッサージ部の両側に上記ローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラを有する一対の側部マッサージ部と
を具備したことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
上記一対の側部マッサージ部は、上記ローラ軸に対して一方向クラッチを介して設けられ上記ローラ軸が上記正転方向或いは逆転方向のどちらか一方に回転駆動されたときには上記ローラ軸と一体的に回転し、他方に回転駆動されたときには上記ローラ軸に対して空転することを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項3】
上記揉みマッサージ部は、
長手方向の両端部に回転可能に支持された上記揉みローラを有し、上記ローラ軸に偏心カム体を介して対向しかつ長手方向を上記ローラユニットの走行方向に沿わせて設けられていて、上記ローラ軸が回転駆動されたときに上記偏心カム体によって長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動される一対のアーム体と、
上記一対のアーム体が上記ローラ軸に対して上下方向に揺動する範囲を制限するストッパ手段と
を備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項4】
上記ローラ軸の他端側には、このローラ軸の回転角度を検出するセンサが設けられていて、上記第2の駆動源による上記ローラ軸の回転駆動を停止するときに、上記センサの検出に基いて上記一対のアーム体が平行となる揺動角度で上記ローラ軸を停止させることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項5】
上記揉みローラは、上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項6】
上記側部マッサージ部は、
上記ローラ軸に上記一方向クラッチを介して外嵌された中空軸と、
この中空軸の両端に平行に離間対向して設けられた一対の円盤と、
一対の円盤の周辺部に周方向に沿って所定間隔で回転可能に支持された上記側部ローラを有し、
上記側部ローラは上記円盤の周辺部に周方向に沿って交互に設けられた複数の樽型ローラと複数の鼓型ローラであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項7】
上記樽型ローラと鼓型ローラは、これらが上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることを特徴とする請求項6記載のマッサージ装置。
【請求項8】
上記外装地には、仰臥した利用者の上半身を保持する保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項9】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記第2の駆動源の駆動を制御して上記ローラ軸を、上記側部マッサージ部が上記ローラ軸と一体的に回転する方向或いは空転する方向に選択的に駆動させることができる構成であることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項10】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記揉みマッサージ部の一対のアーム体が平行となる角度で上記ローラ軸を停止させた状態で、上記第1の駆動源によって上記ローラユニットを上記本体の長手方向に沿って駆動させることができる構成であることを特徴とする請求項5記載のマッサージ装置。
【請求項1】
仰臥した利用者の背面をマッサージするマッサージ装置であって、
外装地によって被覆された本体と、
上記外装地の内側で、上記本体上にこの上記本体の長手方向に沿って走行可能に設けられたローラユニットと、
このローラユニットを上記本体の長手方向に沿って往復駆動する第1の駆動源を具備し、
上記ローラユニットは、
保持体と、
この保持体に上記ローラユニットの走行方向と交差する方向に沿って回転可能に支持されたローラ軸と、
上記ローラ軸の一端側に設けられ上記ローラ軸を正転方向及び逆転方向に対して選択的に回転駆動する第2の駆動源と、
上記ローラ軸の中央部分に設けられ上記ローラ軸が回転駆動されることによって揉み運動する揉みローラを有する揉みマッサージ部と、
この揉みマッサージ部の両側に上記ローラ軸によって回転駆動可能に設けられた側部ローラを有する一対の側部マッサージ部と
を具備したことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
上記一対の側部マッサージ部は、上記ローラ軸に対して一方向クラッチを介して設けられ上記ローラ軸が上記正転方向或いは逆転方向のどちらか一方に回転駆動されたときには上記ローラ軸と一体的に回転し、他方に回転駆動されたときには上記ローラ軸に対して空転することを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項3】
上記揉みマッサージ部は、
長手方向の両端部に回転可能に支持された上記揉みローラを有し、上記ローラ軸に偏心カム体を介して対向しかつ長手方向を上記ローラユニットの走行方向に沿わせて設けられていて、上記ローラ軸が回転駆動されたときに上記偏心カム体によって長手方向の一端と他端とが交互に接離する方向に揺動駆動される一対のアーム体と、
上記一対のアーム体が上記ローラ軸に対して上下方向に揺動する範囲を制限するストッパ手段と
を備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項4】
上記ローラ軸の他端側には、このローラ軸の回転角度を検出するセンサが設けられていて、上記第2の駆動源による上記ローラ軸の回転駆動を停止するときに、上記センサの検出に基いて上記一対のアーム体が平行となる揺動角度で上記ローラ軸を停止させることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項5】
上記揉みローラは、上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることを特徴とする請求項3記載のマッサージ装置。
【請求項6】
上記側部マッサージ部は、
上記ローラ軸に上記一方向クラッチを介して外嵌された中空軸と、
この中空軸の両端に平行に離間対向して設けられた一対の円盤と、
一対の円盤の周辺部に周方向に沿って所定間隔で回転可能に支持された上記側部ローラを有し、
上記側部ローラは上記円盤の周辺部に周方向に沿って交互に設けられた複数の樽型ローラと複数の鼓型ローラであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項7】
上記樽型ローラと鼓型ローラは、これらが上記外装地の内面に直接摺接するのを防止するよう袋部材によって被覆されていることを特徴とする請求項6記載のマッサージ装置。
【請求項8】
上記外装地には、仰臥した利用者の上半身を保持する保持部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項9】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記第2の駆動源の駆動を制御して上記ローラ軸を、上記側部マッサージ部が上記ローラ軸と一体的に回転する方向或いは空転する方向に選択的に駆動させることができる構成であることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項10】
上記ローラユニットは操作部によって操作される制御装置によって駆動が制御されるようになっていて、
上記制御装置は、上記操作部の操作によって上記揉みマッサージ部の一対のアーム体が平行となる角度で上記ローラ軸を停止させた状態で、上記第1の駆動源によって上記ローラユニットを上記本体の長手方向に沿って駆動させることができる構成であることを特徴とする請求項5記載のマッサージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−90865(P2013−90865A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235844(P2011−235844)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
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