説明

ミシン用照明装置

【目的】ミシンの機枠から出し入れ自在で、照明を使用しないときには、機枠内に収納することによってミシン作業の邪魔になることがなく、且つその出入れの機構も簡単にすることができるミシン用照明装置とすること。
【構成】ミシンのアーム機枠部8に設けられて所定位置を照明する照明手段1と、該照明手段1を支持する照明支持手段2と、該照明支持手段2を前記アーム機枠部8に内蔵する位置と該アーム機枠部8から突出する位置とに亘って移動させるための移動案内手段Aと、前記照明手段1を点灯するための点灯手段7とを備えること。照明支持手段2をアーム機枠部8内に内蔵する位置からアーム機枠部8外に突出した状態としたり、又はアーム機枠部8が突出した状態からアーム機枠部8内に内蔵した状態にすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンの機枠から出し入れ自在で、照明を使用しないときには、機枠内に収納することによってミシン作業の邪魔になることがなく、且つその出入れの機構も簡単にすることができるミシン用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ミシンに装着されている照明装置は、種々のものが市場に出回っており、たとえば、ミシン本体のアーム先端部分にランプが組み込まれたものがある。この場合、照射される方向は、あらかじめ決まっており、照射された箇所以外の照射ができない。これに対して、特許文献1に開示されているように、ミシン本体から外部に装着するタイプが存在する。これによれば、照射する範囲はある程度自由に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−329237号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、以上のような利点を有するが、しかしながら、以下に述べるように解決されない点も存在する。すなわち、照明装置が外付けタイプのために、常時ミシンのアーム外部に突出しており、ミシンの作業範囲を狭くし、作業効率を低下させることも有り得る。本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、ミシンの機枠から出し入れ自在で、照明を使用しないときには、機枠内に収納することによってミシン作業の邪魔になることがなく、且つその出入れ機構を簡単にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ミシンのアーム機枠部に設けられて所定位置を照明する照明手段と、該照明手段を支持する照明支持手段と、該照明支持手段を前記アーム機枠部に内蔵する位置と該アーム機枠部から突出する位置とに亘って移動させるための移動案内手段と、前記照明手段を点灯するための点灯手段とを備えてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0006】
請求項2の発明を、請求項1において、前記照明支持手段が前記アーム機枠部に内蔵する位置から所定量移動したことを検出する検出手段が具備され、該検出手段による検出結果に基づいて前記点灯手段が作動されてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記照明支持手段は、腕状支持部と、前記照明手段が内装された照明ケースとからなり、前記移動案内手段はガイド部と該ガイド部に沿って移動する移動部とからなり、該移動部は前記腕状支持部に設けられてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0007】
請求項4の発明を、請求項3において、前記照明ケースには前記照明手段の投光角度を変化させると共にその位置を保持する照明範囲変換手段が具備されてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記照明支持手段の照明ケースの外側面は、前記アーム機枠部の表面形状の一部分を構成する形状として形成されてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。
【0008】
請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記照明支持手段を前記アーム機枠部に内蔵された位置で前記照明支持手段を保持するための保持手段が具備されてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記照明手段はLEDとしてなるミシン用照明装置としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、照明手段を支持するための照明支持手段をアーム機枠部箇所に内蔵する位置と、アーム機枠部外に突出する位置に移動させるようにしたことで、針下の範囲以外の広い範囲の縫製作業面及び被縫製布を照明することができる。また不使用時にはアーム機枠部内に収納するようにしたので、着脱装置のように紛失してしまうことがなく、長期に亘り、安定的に使用することができる。
【0010】
請求項2の発明では、照明支持手段が前記アーム機枠部に内蔵する位置から所定量移動したことを検出する検出手段が具備され、該検出手段による検出結果に基づいて前記点灯手段が作動される構成としたことにより、照明支持手段をアーム機枠部から適当に引き出すと同時に照明手段が点灯することになり、照明手段を点灯させる動作を省略でき、作業効率を向上させることができる。
【0011】
また、その反対に照明支持手段をアーム機枠部内に収納するのみで、照明手段が自動的に消灯し、照明手段の消し忘れを防止できる。また、アーム機枠部に、照明手段を点灯及び消灯するためのスイッチを設ける必要がなく、ゆえに誤操作を防止すると共にミシンの外観を良好にすることができる。
【0012】
請求項3の発明では、照明支持手段は、腕状支持部と、前記照明手段が内装された照明ケースとからなり、前記移動案内手段はガイド部と該ガイド部に沿って移動する移動部とからなり、該移動部は前記腕状支持部に設けられる構成としたことで、照明支持手段と移動案内手段とは、構造が簡単で、照明支持手段をアーム機枠部から引き出したり、収納する動作が円滑に行われるものである。
【0013】
請求項4の発明では、照明ケースには前記照明手段の投光角度を変化させると共にその位置を保持する照明範囲変換手段が具備された構成としたので、照明手段の照射の範囲がより一層拡がり、作業性を向上させることができる。請求項5の発明では、照明支持手段の照明ケースの外側面は、アーム機枠部の表面形状の一部分を構成する形状として形成された構成としたので、アーム機枠部に照明支持手段を収納した(又は内蔵した)状態で、照明支持手段は、アーム機枠部に対して何ら違和感のない良好な外観にすることができ、アーム機枠部から突出する部位がなくなり、ミシン自体の収納性も良好となる。
【0014】
請求項6の発明では、照明支持手段をアーム機枠部に内蔵された位置で照明支持手段を保持するための保持手段が具備された構成としたので、照明支持手段をアーム機枠部に内蔵した状態を安定させることができる。請求項7の発明では、照明手段はLEDとしたので、照明における省電力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は照明支持手段がアーム機枠部に内蔵された状態における構成を示す要部正面図、(B)は照明支持手段がアーム機枠部から突出した状態を示す要部正面図、(C)は(A)のY1−Y1矢視拡大断面図、(D)は(C)の一部省略したY2矢視図、(E)は移動案内手段の別のタイプの要部断面図である。
【図2】(A)は本発明の照明装置が具備されたミシンの側面を示す略示図、(B)は(A)のY3矢視正面拡大図である。
【図3】(A)は本発明における照明支持手段と検出手段及び点灯手段における作動を示すものであって照明支持手段が所定領域内に位置する状態を示す一部切除した要部の拡大側面図、(B)は照明支持手段が所定領域を離脱した状態を示す一部切除した要部の拡大側面図、(C)は照明支持手段が所定領域を離脱すると共に点灯手段が作動して点灯手段が点灯される状態を示す要部側面図である。
【図4】(A)は照明支持手段がアーム機枠部に内蔵された状態の要部斜視図、(B)は照明支持手段がアーム機枠部から突出した要部斜視図である。
【図5】(A)は照明支持手段の要部斜視図、(B)は照明支持手段の腕状支持部に対して揺動照明ケースが揺動する状態を示す要部正面図、(C)は(A)のY4−Y4矢視断面図、(D)は(C)の(イ)部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、図1に示すように、主に、照明手段1と、照明支持手段2、移動案内手段Aと、保持手段5と、検出手段6と、点灯手段7とから構成される。そして、これら手段は、ミシンのアーム機枠部8の先端部分に装着される(図2参照)。照明手段1は、所定位置を照明するものであり、LEDランプ,電球が使用される。特にLEDランプは、小型且つ省エネの点から好適である。また、小型の蛍光ランプの使用も可能である。照射される所定位置とは、針板上等の作業が集中的に行われる場所のことである〔図2(B)参照〕。
【0017】
照明支持手段2は、腕状支持部21と照明ケース22とから構成される〔図1(A),(B)参照〕。腕状支持部21は、合成樹脂による樹脂成形部21aと金属板部21bによる成形部とから構成され、樹脂成形部21aが金属板部21bにて補強された構造となっている〔図1(C)参照〕。また、照明支持手段2は、他のタイプとして、全体が金属板部21bのみで構成されることもある〔図1(E)参照〕。
【0018】
腕状支持部21は、アーム機枠部8の先端寄りの箇所で、該アーム機枠部8の内部と外部とを後述する移動案内手段Aによって出入自在となるように構成されている。照明支持手段2の腕状支持部21には、つまみ部21cが形成され、該つまみ部21cによって、照明支持手段2の出し入れを行うものである。アーム機枠部8の先端側寄りの部分とは、針棒等が装着されている部分である〔図2(A)参照〕。
【0019】
照明ケース22は、略直方体(又は四角柱)形状の筐体として形成され、前記腕状支持部21の長手方向先端に装着されている〔図1(B),図4,図5(A)等参照〕。照明ケース22は、その内部に前記照明手段1が装着され、下面側22cに投光用開口22dが形成され、照明手段1は、照明ケース22の投光用開口から略下方に向かって投光する。アーム機枠部8には、その頂部において前記腕状支持部21が配置されるための溝状部81が形成され〔図4(A)参照〕、アーム機枠部8の側面には、照明ケース22が収納される窪み部82が形成されている〔図4(B)参照〕。
【0020】
照明ケース22の外側面22a及び頂面22bは、アーム機枠部8の先端寄りの部分における外側表面の一部分を構成している。すなわち、腕状支持部21をアーム機枠部8に内蔵させた状態,つまり収納された状態で〔図1(A),図4(A)参照〕、照明ケース22の外側面がアーム機枠部8の外側表面と同一の表面形状を構成するようになっている。換言するならば、アーム機枠部8の一部が切除され、この切除された形状部分がそのまま照明ケース22の外側面22aと頂面22bとして使用される。
【0021】
そのために、照明ケース22の外側面22aと頂面22bとは、アーム機枠部8の外側表面と同様に化粧仕上げが施される。そして、照明支持手段2をアーム機枠部8に内蔵させた状態,つまり収納された状態では、アーム機枠部8の前記窪み部82に照明ケース22が収納され、該照明ケース22の外側面22aと頂面22bがアーム機枠部8の外側表面と同一表面となり、照明ケース22がアーム機枠部8の外側表面から突出しない整然且つすっきりとした外観にすることができる〔図4(A)参照〕。
【0022】
また、照明ケース22の内部には、前記照明手段1を固定し、前記腕状支持部21と連結させる照明ベース24が内装されている〔図5(C),(D)参照〕。該照明ベース24は、ランプベース部24aと連結部24bとからなる。ランプベース部24aは、電球,LED基板等の照明手段1を装着する部位である。連結部24bは、腕状支持部21と連結する部位である。
【0023】
腕状支持部21と照明ケース22とは連結される。この連結構造には、照明範囲変換手段23が具備され、照明ケース22は垂直面上を揺動すると共に、所望の角度θ〔図5(B)参照〕にてその位置を維持するように固定されるようになっている。照明範囲変換手段23は、具体的には、ビス23aと弾性部材23bが使用される〔図5(C),(D)参照〕。
【0024】
そして、腕状支持部21の金属板部21bの先端部位が、前記照明ベース部24の連結に略挟持される状態で配置される〔図5(C),(D)参照〕。そして、ビス23aにて照明ケース22が揺動自在に連結され、弾性部材23bにて腕状支持部21と照明ケース22との間に弾発力を生じさせ、所望の位置における停止状態を維持させるものである。弾性部材23bは、具体的にはスプリング座金等のバネ材が使用される。スプリング座金とした弾性部材23bは、前記ビス32aと共に使用される。照明範囲変換手段23によって、照明ケース22は揺動且つ固定され、照明手段1の投光方向を自由に変化させて、作業に適した照明にすることができる。
【0025】
次に、移動案内手段Aは、前記照明支持手段2を、腕状支持部21が機枠から出入移動するための、ガイドの役目をなす。そして、移動案内手段Aによって、照明支持手段2(腕状支持部21と照明ケース22)は、アーム機枠部8の内部に内蔵された状態と、アーム機枠部8の外部に突出された状態にすることができる。
【0026】
移動案内手段Aは、ガイド部3と移動部4とから構成される(図1参照)。ガイド部3は、ガイドベース31と案内レール32とから構成される。ガイドベース31は、金属板材から形成され、機枠内部にビス等の固着具によって固着される。該ガイドベース31には、案内レール32が形成される。
【0027】
該案内レール32は、前記照明支持手段2が機枠から所定の範囲内で移動して出入できるように案内をするものである。移動部4は、案内レール32に従って移動自在に構成されたものである。そして、移動部4は、前記照明支持手段2の腕状支持部21の長手方向端部に連結されている〔図1(A),(B),図3(A),(B)参照〕。
【0028】
移動案内手段Aの具体的な構成は、まず前記案内レール32は、ガイドベース31に略水平方向に沿って長孔形状に形成されたものである。ガイドベース31及び案内レール32の長手方向が、アーム機枠部8の長手方向に対して直交するように設置される。また、ガイドベース31は垂直状に設置される。また、案内レール32では、照明支持手段2がアーム機枠部8から出入する側を手前側32fと称し、この手前側と反対となる側を奥側32rと称する〔図1(A),(B)参照〕。また、手前側32fは、通常、ミシンの作業者側となる。
【0029】
移動部4は、移動ベース板41と案内部材42とからなる。移動ベース板41は、前記腕状支持部21側に設けられるものであって、具体的には、腕状支持部21を構成する金属成形部と一体的に形成されている。移動ベース板41には、案内部材42が2個装着されている。
【0030】
案内部材42は、ガイドピン42aとガイドローラ42bと押え片42cとから構成される。ガイドローラ42bは、前記長孔形状とした案内レール32内に回動自在に配置される。また、押え片42cは、円板状をなし、長孔形状とした案内レール32の上下方向の幅寸法よりも大きく形成されている。
【0031】
そして、移動ベース板41にガイドピン42aが固着され、該ガイドピン42aにガイドローラ42bと押え片42cが装着される。移動ベース板41は、ガイドベース31に隣接配置され、ガイドピン42aを長孔形状の案内レール32に挿入させると共に該ガイドピン42aにガイドローラ42bが回動自在に装着され、さらに前記押え片42cがガイドピン42aに装着される〔図1(C)乃至(E)参照〕。
【0032】
該押え片42cは、回動自在に留め輪等の固着具にて固定される。移動ベース板41には、2個の案内部材42が適宜の間隔をおいて装着されている。移動部4は、ガイド部3の長孔状の案内レール32の長手方向に沿って手前側32f及び奥側32rとの間を往復移動することにより、移動部4と共に照明支持手段2も移動する。そして、照明支持手段2がアーム機枠部8の内部に内蔵される状態と、機枠の外部に突出される状態にすることができる。
【0033】
次に、保持手段5が移動案内手段Aに設けられている。保持手段5は、照明支持手段2を前記アーム機枠部8に内蔵する位置で停止する状態を保持するものである。保持手段5の具体的な構成は、前記照明支持手段2の腕状支持部21に爪部51が設けられ、移動案内手段Aのガイドベース31に前記爪部51が嵌合する凹部52が形成されている。前記爪部51は、腕状支持部21の軸方向奥側に装着され、前記凹部52は、ガイドベース31の奥側上端に切欠き形状に形成されている。
【0034】
爪部51は、取付片51aから爪片51bが形成され、取付片51aが腕状支持部21にビス等の固着具にて固着され、爪片51bは片持梁状の弾性材として、常時、凹部52に嵌合するように弾性付勢されている。そして、照明支持手段2の腕状支持部21がアーム機枠部8に完全に内蔵される位置で、爪部51の爪片51bが凹部52に嵌合し、腕状支持部21が停止する状態を保持することができる。また、前記凹部52は、ガイドベース31の手前側にも形成され、前記照明支持手段2の腕状支持部21がアーム機枠部8から完全に突出した状態で停止する状態を保持する。
【0035】
次に、検出手段6及び点灯手段7について述べる。検出手段6は、点灯手段7と共に設けて、相互に連携させることにより、照明支持手段2をアーム機枠部8から引き出し始めると共に照明手段1を点灯させる構成にできる。検出手段6は、照明支持手段2が前記アーム機枠部8に内蔵する位置から所定量移動したことを検出する役目をなし、さらに該検出手段6による検出結果に基づいて点灯手段7が作動し、照明手段1を点灯させる。
【0036】
検出手段6は、具体的には、レバー状の部材であり、案内レール32の奥側32r寄りの位置で、且つ案内レール32の下方側なる位置に装着される。検出手段6は、検出レバー片61と、作動レバー片62とからなり、これらによってレバー状の検出手段6は略L字形状に形成される。
【0037】
そして、レバー形状の検出手段6は、枢支部63を介して、揺動自在となるようにガイドベース31に装着される。また、該枢支部63箇所には、捩りコイルバネ64が装着され、検出レバー片61が起立する方向に弾性付勢力がかかっている。実際には、作動レバー片62側にストッパが設けられているので、検出レバー片61は傾斜状を維持する。検出レバー片61は、直線軸状に形成されている。
【0038】
点灯手段7は、具体的には、スイッチ器具(或いは電鍵)であり、さらに具体的にはマイクロスイッチである。このスイッチでは、スイッチ本体71にスイッチレバー72が装着され、スイッチレバー72の揺動にてオン(On)及びオフ(Off)が設定される。点灯手段7は、案内レール32の奥側32r寄りで、且つ前記検出手段6の下方側に位置してガイドベース31に固着される。点灯手段7のスイッチレバー72は、前記検出手段6の作動レバー片62の動作によって、揺動し、オン(On)及びオフ(Off)に電気制御される。
【0039】
次に、前述した照明手段1と、照明支持手段2と、移動案内手段Aと、検出手段6と、点灯手段7によって、本発明における、動作の説明を図3に基づいてする。また、以下の説明において、「所定領域L」という文言が使用されているが、これは案内レール32の奥側32r任意の距離だけ離れた範囲であり、さらに具体的には、照明支持手段2がアーム機枠部8から引き出されて、照明手段1による点灯が有効に作用し始めるまでの範囲のことである。
【0040】
前記検出手段6の検出レバー片61は、前記照明支持手段2がアーム機枠部8に完全内蔵された状態、すなわち前記照明支持手段2と共に移動案内手段Aの移動部4が案内レール32の奥側32r寄りの所定領域L内に位置しているときに、移動部4の一部によって押圧されるようになっている〔図3(A)参照〕。具体的には、前記移動部4のガイドピン42aと、検出レバー片61とが当接し、ガイドピン42aが検出レバー片61に当接して押し倒して、水平状態にしている。
【0041】
そして、レバーとした検出手段6の作動レバー片62は、スイッチとした点灯手段7のスイッチレバー72に当接するが移動案内手段Aの移動部4が所定領域L内に位置している状態では、検出レバー片61は、ガイドピン42aによって水平状となるように押し倒され、作動レバー片62はスイッチレバー72を押圧することなく、非作動状態であり、点灯手段7はオフ(Off)状態となる。すなわち、照明手段1は点灯していない。
【0042】
次に、前記検出手段6の検出レバー片61が前記照明支持手段2がアーム機枠部8から引き出されて、L+ΔLの距離を移動して、アーム機枠部8からの突出状態となり始めると〔図3(B)参照〕、前記移動案内手段Aの移動部4は、案内レール32の奥側32r寄りの所定領域Lから離脱する。すると、前記移動部4のガイドピン42aも検出レバー片61から離れ、非当接状態となる。
【0043】
そして、検出手段6の作動レバー片62は、捩りコイルバネ64の弾性付勢力によって揺動し、点灯手段7のスイッチレバー72を押圧する。これによって、点灯手段7は、オン(On)状態となる。すなわち、照明手段1を点灯させる〔図3(C)参照〕。このように、照明支持手段2がアーム機枠部8から、所定領域Lを超えて引き出されると、移動案内手段Aの移動部4が所定領域Lから離脱したことを検出手段6が検知し、点灯手段7が作動してオン(On)となり照明手段1が点灯する。
【0044】
点灯された照明手段1は、照明ケース22を照明範囲変換手段23によって、照明角度θを変換し、作業し易い状態にすることができる〔図5(B)参照〕。また、アーム機枠部8から引き出された照明支持手段2をアーム機枠部8内に戻す行程で、移動案内手段Aの移動部4が所定領域L内に入り始めると、これを検出手段6が検知し、照明点灯手段7がオフ(Off)となり、照明手段1が消灯する。
【0045】
このように、本発明では、照明支持手段2をアーム機枠部8内に内蔵する第1の位置(内蔵された状態)からアーム機枠部8外に突出する第2の位置(突出した状態)に亘って動作させるステップと、照明支持手段2をアーム機枠部8外に突出する第2の位置(突出した状態)からアーム機枠部8内に内蔵し保持される第1の位置(内蔵された状態)に収納させるステッブによる操作にて、簡単にミシンの作業における照明を行ったり、その照明を終了することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…照明手段、2…照明支持手段、21…腕状支持部、23…照明範囲変換手段、
3…ガイド部、32…案内レール、4…移動部、A…移動案内手段、5…保持手段、
6…検出手段、7…点灯手段、8…アーム機枠部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンのアーム機枠部に設けられて所定位置を照明する照明手段と、該照明手段を支持する照明支持手段と、該照明支持手段を前記アーム機枠部に内蔵する位置と該アーム機枠部から突出する位置とに亘って移動させるための移動案内手段と、前記照明手段を点灯するための点灯手段とを備えてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項2】
請求項1において、前記照明支持手段が前記アーム機枠部に内蔵する位置から所定量移動したことを検出する検出手段が具備され、該検出手段による検出結果に基づいて前記点灯手段が作動されてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記照明支持手段は、腕状支持部と、前記照明手段が内装された照明ケースとからなり、前記移動案内手段はガイド部と該ガイド部に沿って移動する移動部とからなり、該移動部は前記腕状支持部に設けられてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項4】
請求項3において、前記照明ケースには前記照明手段の投光角度を変化させると共にその位置を保持する照明範囲変換手段が具備されてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記照明支持手段の照明ケースの外側面は、前記アーム機枠部の表面形状の一部分を構成する形状として形成されてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項6】
請求項1,2,3,4又は5のいずれか1項の記載において、前記照明支持手段を前記アーム機枠部に内蔵された位置で前記照明支持手段を保持するための保持手段が具備されてなることを特徴とするミシン用照明装置。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記照明手段はLEDとしてなることを特徴とするミシン用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−51982(P2013−51982A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190017(P2011−190017)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】