説明

メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤

【課題】β−ラクタム系抗生物質の失活を抑制し、抗菌活性を回復させる薬剤となるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤の提供。
【解決手段】下記一般式(I)の構造を有するマレイン酸誘導体はメタロ−β−ラクタマーゼ阻害活性を有する。この一般式(I)の化合物をβ−ラクタム系抗生物質と併用することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌に対するβ−ラクタム系抗生物質の抗菌活性を回復させることが可能となる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を含有してなるメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤:
【化1】

(式中、
はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−複素環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)。
【請求項2】
がC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、フェネチル基、−C0−1アルキレン−複素環(ここで、複素環はテトラヒドロピラン、ピリジン、またはピペリジンを表す。)、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
がC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、フェネチル基、−C0−1アルキレン−複素環(複素環はテトラヒドロピラン、ピリジン、またはピペリジンを表す。)、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す、請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤。
【請求項3】
が、
2−6アルキル基、
3−7環状アルキル基(ここで、該環は水酸基で置換されていてもよく、またアリールと縮合していてもよい)、
ヒドロキシメチル基、
−C1−3アルキレン−フェニル基
(ここで、該フェニル基は、
水酸基、
1−6アルキル基、
ヒドロキシメチル基、
基−COOM(Mは水素原子または医薬的に許容されるカチオンを表す)、
基−CO−NR2223(ここで、R22およびR23は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−6アルキル基(このアルキル基はさらにアミノカルボニル基で置換されていてもよい)を表すか、またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素原子または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくは、モルホニル基、ピペラジル基、またはピペリジル基を表す)を表してもよい(このヘテロ環は、水酸基またはC1−6アルカノイルオキシ基で置換されてもよい))、
基−O−R24(ここで、R24は、C1−6アルキル基(このアルキル基は−COOM(Mは水素原子、C1−6アルキル基または医薬的に許容されるカチオンを表す)、アミノカルボニル基、アミノ基、グアニジノ基、または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の不飽和へテロ環を表す)、または
窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくはピロリジン)を表す)
で置換されていてもよい。)
−C0−1アルキレン−複素環(ここで、この複素環は、窒素原子または酸素原子を1個含んでなる5〜6員の飽和または不飽和ヘテロ環であり、この環は水酸基で置換されていてもよい)、
−O−C1−6アルキル基、または
−S−C1−6アルキル基を表し、
が、
1−6アルキル基、
3−7環状アルキル基(ここで、該環は水酸基で置換されていてもよく、またアリールと縮合していてもよい)、
ヒドロキシメチル基、
−C1−3アルキレン−フェニル基
(ここで、該フェニル基は、
水酸基、
1−6アルキル基、
ヒドロキシメチル基、
基−COOM(Mは水素原子または医薬的に許容されるカチオンを表す)、
基−CO−NR2223(ここで、R22およびR23は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−6アルキル基(このアルキル基はさらにアミノカルボニル基で置換されていてもよい)を表すか、またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素原子または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくは、モルホニル基、ピペラジル基、またはピペリジル基を表す)を表してもよい(このヘテロ環は、水酸基またはC1−6アルカノイルオキシ基で置換されてもよい))、
基−O−R24(ここで、R24は、C1−6アルキル基(このアルキル基は−COOM(Mは水素原子、C1−6アルキル基または医薬的に許容されるカチオンを表す)、アミノカルボニル基、アミノ基、グアニジノ基、または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の不飽和へテロ環を表す)、または
窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくはピロリジン)を表す)
で置換されていてもよい。)
−C0−1アルキレン−複素環(ここで、この複素環は、窒素原子または酸素原子を1個含んでなる5〜6員の飽和または不飽和ヘテロ環であり、この環は水酸基で置換されていてもよい)、
−O−C1−6アルキル基、または
−S−C1−6アルキル基、
を表す、請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤。
【請求項4】
が、
2−6アルキル基、
3−7環状アルキル基(ここで、該環は水酸基で置換されていてもよく、またアリールと縮合していてもよい)、
ヒドロキシメチル基、
−C1−3アルキレン−フェニル基
(ここで、該フェニル基は、
水酸基、
1−6アルキル基、
ヒドロキシメチル基、
基−COOM(Mは水素原子または医薬的に許容されるカチオンを表す)、
基−CO−NR2223(ここで、R22およびR23は、同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1−6アルキル基(このアルキル基はさらにアミノカルボニル基で置換されていてもよい)を表すか、またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素原子または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくは、モルホニル基、ピペラジル基、またはピペリジル基を表す)を表してもよい(このヘテロ環は、水酸基またはC1−6アルカノイルオキシ基で置換されてもよい))、
基−O−R24(ここで、R24は、C1−6アルキル基(このアルキル基は−COOM(Mは水素原子、C1−6アルキル基または医薬的に許容されるカチオンを表す)、アミノカルボニル基、アミノ基、グアニジノ基、または窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の不飽和へテロ環を表す)、または
窒素原子を1〜2個含んでなる5または6員の飽和ヘテロ環(好ましくはピロリジン)を表す)
で置換されていてもよい。)
−C0−1アルキレン−複素環(ここで、この複素環は、窒素原子または酸素原子を1個含んでなる5〜6員の飽和または不飽和ヘテロ環であり、この環は水酸基で置換されていてもよい)、
−O−C1−6アルキル基、または
−S−C1−6アルキル基を表し、
が、
1−6アルキル基、
3−7環状アルキル基(ここで、該環は水酸基で置換されていてもよく、またアリールと縮合していてもよい)、または
1−2アルキレン−フェニル基、
を表す、請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤。
【請求項5】
およびRがC2−4アルキル基を表す、請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤。
【請求項6】
請求項1において定義された一般式(I)の化合物と、医薬的に許容される担体とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤として用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
β−ラクタム系抗生物質と同時にまたは逐次的に投与されて用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
デヒドロペプチダーゼ阻害剤および/または一般式(I)の化合物以外のβ−ラクタマーゼ阻害剤と同時または逐次的に投与されて用いられる、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記β−ラクタム系抗生物質がカルバペネム系抗生物質である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤と、β−ラクタム系抗生物質と、場合によって医薬的に許容される担体とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項12】
抗菌剤として用いられる、請求項6〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
細菌感染の治療方法であって、β−ラクタム系抗生物質と請求項1に記載のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤とを併用して投与することを含んでなる、方法。
【請求項14】
前記β−ラクタム系抗生物質がカルバペネム系抗生物質である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
下記一般式(II)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【化2】

(式中、
はC2−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
はC1−6アルキル基、またはC3−7環状アルキル基を表し、これらはいずれも置換基を有していてもよく、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)
【請求項16】
下記一般式(III)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【化3】

(式中、
はエチル基を表し、
はC1−3鎖状アルキル基を表し、二つのMは、は同一または異なっていてもよく、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表す。)
【請求項17】
下記一般式(IV)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【化4】

(式中、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−Cアルキレン−A環、−O−C1−6アルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、いずれも置換基を有していてもよく、
は−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−A環、−O−C1−6のアルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、いずれも置換基を有していてもよく、
A環は窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1〜4個含む、5〜10員の単環または二環性複素環を表し、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオン、または医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表すが、
ただし、RがC1−6アルキル基の場合Rはジヒドロフランを表さない。)
【請求項18】
A環が、テトラヒドロフラン、フラン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、アゼチジン、チアゾリン、キヌクリジン、トリアジン、イソベンゾフラン、インドール、インドリジン、クロメン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、プリン、プテリジンである請求項17に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項19】
下記一般式(V)で表される化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【化5】

(式中、
はC1−6アルキル基、C3−7環状アルキル基、−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−B環、−O−C1−6アルキル基、または、−S−C1−6アルキル基を表し、いずれも置換基を有していてもよく、
10は−C1−3アルキレン−フェニル基、−C0−1アルキレン−B環、−O−C1−6のアルキル基、または−S−C1−6アルキル基を表し、いずれも置換基を有していてもよく、
B環はピリジン、ピペリジン、またはテトラヒドロピランを表し、
二つのMは、同一または異なっていてもよく、水素原子、医薬的に許容されるカチオンまたは医薬的に許容される生体内で加水分解されうる基を表すが、
ただしRおよびR10がピリジニウムを表す場合は除く。)
【請求項20】
前記医薬的に許容されるカチオンが、金属カチオンまたはアンモニウムカチオンである、請求項15〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
細菌感染症の予防または治療のための、請求項1〜5または請求項15〜20のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2013−32361(P2013−32361A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203316(P2012−203316)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【分割の表示】特願2007−303447(P2007−303447)の分割
【原出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000006091)Meiji Seikaファルマ株式会社 (180)
【Fターム(参考)】