説明

メモリカード用アダプタ

【課題】メモリカードを携帯電話機に着脱する時のみならず、常にそれの存在を明らかにすると共に、それを携帯する時や収納しておく時など、それに損傷が起こらないようなメモリカード用アダプタを提供すること。
【解決手段】メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタに、これを貫通する窓を設け、この窓から収納室内に収納したメモリカードを望めるようにすると共に手指で該メモリカードをこの窓を通して移動自在に操作できるようにする。必要によって、このメディアアダプタを箱状のジャケットに収容する。メディアアダプタをジャケットに収容したとき、メディアアダプタのメモリカード収納口をジャケットの側壁が覆うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード用アダプタに関し、特に携帯電話に用いるメモリカードに使用するメモリカード用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、有線電話機と相まって、一般的な通信手段として多用されている。また、携帯電話機は、出現当初利用者間の単なる通信手段であったが、最近になって携帯電話機の性能が向上するに伴い、それの機能も飛躍的に伸び、単なる通信手段から小型携帯コンピュータの機能も備えている。
携帯電話機の機能が向上するに伴い、これに記憶させる情報も多くなり、また携帯電話機に書き込む情報や、これから取り出して記憶しておく情報も多くなり、携帯電話機に設けた小型のメモリでは、容量が不足する事態が発生している。このため最近の携帯電話機には、外部メモリとしてメモリカードを装着できるようにしたものが出回っているし、特許文献1に示すようなカバーも開発されている。メモリカードとしては、各種のサイズや形状のものが開発されて使用されているが、小型である携帯電話機にとっては、出来うる限り小型のメモリカードの使用が望ましい。メモリカードが小型になると、形状が小さくなるばかりではなく、その物理的強度も小さくなるし、収納時にメモリカードをどこに収納したかを見失うことも考えられる。
【特許文献1】特開2005−084703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メモリカードが小型となり、且つその物理的強度も低くなると、メモリカードを携帯電話機に着脱する時のみならず、それを携帯する時や収納しておく時など、常にそれを見失うことなく、またそれに損傷が起こらないよう注意を払う必要がある。
【0004】
本発明は、上述のような点を考慮したものであって、その目的は、メモリカードを携帯電話機に着脱する時のみならず、常にそれの存在を明らかにすると共に、またそれを携帯する時や収納しておく時など、常にそれに損傷が起こらないようなメモリカード用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のごとき本発明の目的を達成するために、本願の請求項1に記載の発明は、メモリカードを保護するメモリカード用アダプタにおいて、メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタと、該メディアアダプタを貫通し、外部から収納室内に収納したメモリカードを望めると共に手指で該メモリカードを外部から移動自在に操作できる窓と、を有することを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
本願の請求項2に記載の発明は、メモリカードを保護するメモリカード用アダプタにおいて、メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタと、該メディアアダプタを貫通し、外部から収納室内に収納したメモリカードを望めると共に手指で該メモリカードを外部から移動自在に操作できる窓と、該メディアアダプタを収納すると共に、該メディアアダプタが収納されたとき、該メディアアダプタのメモリカードが出入する口を側壁が塞ぐジャケットと、を有することを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
本願の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明に加えて、メディアアダプタ内に収納室を複数個設けたことを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
本願の請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明に加えて、メディアアダプタをジャケットに収納したとき、該メディアアダプタに設けたフランジがジャケットに設けた押し出し孔より突出し、外部より該フランジを押し圧出来ることを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
本願の請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明に加えて、メモリカード用アダプタのフランジから延びるストラップは、ジャケットの押し出し孔を挿通していることを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
本願の請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、メモリカード用アダプタを装身具として利用することを特徴とするメモリカード用アダプタを提供する。
【発明の効果】
【0006】
メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタに、これを貫通する窓を設け、この窓から収納室内に収納したメモリカードを望めるようにすると共に手指で該メモリカードをこの窓を通して移動自在に操作できるようにする。必要によって、このメディアアダプタを箱状のジャケットに収容する。メディアアダプタをジャケットに収容したときメディアアダプタのメモリカード収納口をジャケットの側壁が覆うようにしたので、メモリカードを機器に装着する際、メモリカードを損傷させることなく装着できるほか、その装着も楽になる。また、小さいメモリカードを持ち歩く際にも、鞘やジャケットがメモリカードを覆っているので、多少の外力がこれに加わっても、その外力は、メディアアダプタやジャケット等に吸収され、メモリカードを損傷することはない。またメモリカードがメディアアダプタに収納されているので、全体の形状も大型となり、それの存在を明らかにすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタに、これを貫通する窓を設け、この窓から収納室内に収納したメモリカードを望めるようにすると共に手指で該メモリカードをこの窓を通して移動自在に操作できるようにする。必要によって、このメディアアダプタを箱状のジャケットに収容する。メディアアダプタをジャケットに収容したとき、メディアアダプタのメモリカード収納口をジャケットの側壁が覆うようにする。
【実施例】
【0008】
次に本発明の一実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明を携帯電話機に適用した実施例を示す斜視図である。図において、1は携帯電話機である。携帯電話機1は、データを入力するキーボードや内部に制御部品を備えた回路基板、二次電池等を備えた本体部分2と、液晶表示体を備えた蓋部分3とを備え、蓋部分3は本体部分2に対して図に示されていない蝶番により開閉できるようになっている。本体部分2の側面には、メモリカードスロット4が形成されており、この部分に外部記憶装置となるメモリカード5が着脱自在に装着される。6は、このメモリカードを仮収納しておくメディアアダプタである。7は、このメディアアダプタ6を収納しておくジャケットである。なお、8は、メディアアダプタ6とジャケット7を首等から吊り下げるためのストラップである。
【0009】
メディアアダプタ6は、図2に示す通り、全体は、ABS樹脂等加工性に優れた合成樹脂からなり、箱状に成形されて、メモリカードの鞘を構成している。鞘となるメディアアダプタ6の側面は、メモリカードを出し入れする出入口9となっている。メディアアダプタ6の内部は、セパレータ10が設けられ、それにより収納室11、12が上下2段に形成されている。鞘となるメディアアダプタ6の上面には、窓13が開けられ、この窓13は、収納室11に達している。図2には明らかにしていないが、メディアアダプタ6の底面にも同じ窓が開けられており、この窓は、収納室12に達している。メディアアダプタ6の側壁には、ストラップ8を挿通するためのフランジ14が設けられており、このフランジ14にストラップ8が挿通されている。ジャケット7は、メディアアダプタ6と同様加工性に優れたABS樹脂等加工性に優れた合成樹脂から箱状に形成され、内部は中空で、メディアアダプタ6を収納する部屋15が形成されている。ジャケット7の後壁には、押し出し孔16が開けられており、フランジ14を通ったストラップ8は、部屋15内に挿通され、押し出し孔16から外に引き出されている。
【0010】
次に、本発明実施例の作用について述べる。
メディアアダプタ6にメモリカード5を収納する場合について述べる。図1において、メモリカード5を、メディアアダプタ6内に押し込んで、その端子部分が外部から見えないようにする。この状態からストラップ8を引くと、メディアアダプタ6は、ジャケット7の部屋15内に引き込まれる。このままストラップ8を引き続けるとメディアアダプタ6はすっぽりと部屋15内に引きずり込まれると共に、そのフランジ14は、ジャケット7の押し出し孔16に入り、メディアアダプタ6はジャケット7内に完全に収容される。なお、部屋15の内部にバネ部分を用意し、メディアアダプタ6がジャッケット7内に収容された時、このバネ部分がメディアアダプタ6を押さえつけて不要なメディアアダプタ6の飛び出しを防止すると良い。
ジャケット7からメディアアダプタ6を取り出す場合、押し出し孔16から覗いているフランジ14の頭部を親指等を使ってこれを部屋15方向に押し込む。この作用でメディアアダプタ6は、ジャケット7の部屋15から少し外に押し出されるが、この時、メディアアダプタ6の側縁を手指で摘んで外に引き出す。この場合、メディアアダプタ6の側縁に切り込み溝17を設けておき、この部分に手指の爪を立てると引き出しやすい。
ジャケット7から取り出したメディアアダプタ6の窓13に親指を挿入し、メモリカード5を押し出す。その後、突出したメモリカード5の端子部分を携帯電話機1のメモリカードスロット4に近づけると共にその先端をメモリカードスロットに挿入し、メディアアダプタ6のみを引き抜くと、メモリカード5は、メモリカードスロット4内に半分挿入された状態になる。更に手指を使用して、外部に突出しているメモリカード5を携帯電話機1内に完全に挿入する。
【0011】
携帯電話機1からメモリカード5を取り出す場合、まず、携帯電話機1に設けられたエジェクト釦を操作し、メモリカード5の一部をメモリカードスロット4から突出させる。そして、携帯電話機1から突出しているメモリカード5にメディアアダプタ6を望ませ、メモリカード5をメディアアダプタ6の明いている収納室11,又は12に誘う。すると、メモリカード5の先端縁がメディアアダプタ6の窓13から望めるようになる。この状態を手指で押さえて、メモリカード5とメディアアダプタ6とを固定させた状態で、メモリカード5をメディアアダプタ6ごと携帯電話機1から引き抜く。そして、手指で、メモリカード5をメディアアダプタ6の収納室11又は12内に完全に収納する。この後、この状態からストラップ8を引くと、メディアアダプタ6は、ジャケット7の部屋15内に引き込まれる。このままストラップ8を引き続けるとメディアアダプタ6はすっぽりと部屋15内に引きずり込まれると共に、そのフランジ14は、ジャケット7の押し出し孔16に入り、メディアアダプタ6はジャケット7内に完全に収容される。
【0012】
なお、上記実施例は、メディアアダプタ6にメモリカード5を収納する収納室を上下に2段設けたが、収納室を2段にすることはなく、1段のみでも良い。また、メモリカードを機器から外して持ち歩く際、これを収容したメディアアダプタ6をジャケット7に収容することなく、メディアアダプタ6のみを持ち歩くようにしても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0013】
以上本発明を携帯電話機に適用した場合に例を挙げて詳細に説明したが、本発明を携帯電話機のメモリカード用アダプタに適用したものに限らず、例えば、これを首から提げるアクセサリ用の首輪紐の先端に取り付けて、アクセサリとして利用することもできるし、キーホルダに結んでキーホルダのアクセサリとしても利用できる。
また、発明の適用範囲を携帯電話機に限ることはなく、パソコン、音響機器等他の機器にも適用の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明を携帯電話機に適用した実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、メディアアダプタの斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1・・・携帯電話機
2・・・本体部分
3・・・蓋部分
4・・・メモリカードスロット
5・・・メモリカード
6・・・メディアアダプタ
7・・・ジャケット
8・・・ストラップ
9・・・出入口
10・・・セパレータ
11・・・収納室
12・・・収納室
13・・・窓
14・・・フランジ
15・・・部屋
16・・・押し出し孔
17・・・切り込み溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードを保護するメモリカード用アダプタにおいて、
メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタと、
該メディアアダプタを貫通し、外部から収納室内に収納したメモリカードを望めると共に手指で該メモリカードを外部から移動自在に操作できる窓と、
を有することを特徴とするメモリカード用アダプタ。
【請求項2】
メモリカードを保護するメモリカード用アダプタにおいて、
メモリカードを出入自在に挿入できる収納室を持ちメモリカードを覆うメディアアダプタと、
該メディアアダプタを貫通し、外部から収納室内に収納したメモリカードを望めると共に手指で該メモリカードを外部から移動自在に操作できる窓と、
該メディアアダプタを収納すると共に、該メディアアダプタが収納されたとき、該メディアアダプタのメモリカードが出入する口を側壁が塞ぐジャケットと、
を有することを特徴とするメモリカード用アダプタ。
【請求項3】
メディアアダプタ内に収納室を複数個設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項4】
メディアアダプタをジャケットに収納したとき、該メディアアダプタに設けたフランジがジャケットに設けた押し出し孔より突出し、外部より該フランジを押し圧出来ることを特徴とする請求項2に記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項5】
メモリカード用アダプタのフランジから延びるストラップは、ジャケットの押し出し孔を挿通していることを特徴とする請求項2に記載のメモリカード用アダプタ。
【請求項6】
メモリカード用アダプタを装身具として利用することを特徴とする請求項1に記載のメモリカード用アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−11688(P2007−11688A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191647(P2005−191647)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000103493)オータックス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】