説明

モーアコレクタ

【課題】 車体前部に装着のモアデッキで刈取られる芝草を、後方に装着のコレクタへブロワ搬送して吹込集草する芝草の収容形態では、ブロワ風圧が抵抗を受け易いこと等によって、コレクタの供給口部において搬入芝草が停滞し易く、コレクタ内部の芝草詰込状態を高くでき難く、集草作業能率が悪い。
【解決手段】 モアデッキ1部で刈取られる芝草をシュート2を経て搬送しながら収容すると共に、この収容芝草が満杯になる毎に排出ドア3を開きながらダンプ排出するように構成するコレクタ4を、所定量の芝草を収容する毎に、前記排出ドア3を閉めた状態でダンプ回動する構成として、このコレクタ4内部の収容芝草を揺込圧縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モーアデッキから刈取搬送される芝草を収容しながら、満杯になる毎に一定箇所にまとめてダンプ排出させるモーアコレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
モーアのコレクタを、芝草刈取姿勢にあるときは、前下り傾斜の姿勢とし、ダンプ排出姿勢に上昇するときは、後下り傾斜の姿勢として、芝草収容を行い易くすると共に、ダンプ排出を行い易くする技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−130799号公報(第1頁、図4)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車体前部に装着のモーアデッキで刈取られる芝草を、後方に装着のコレクタへブロワ搬送して吹込集草する芝草の収容形態では、ブロワ風圧が抵抗を受け易いこと等によって、コレクタの供給口部において搬入芝草が停滞し易く、コレクタ内部の芝草詰込状態を高くでき難く、集草作業能率が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、モーアデッキ1部で刈取られる芝草をシュート2を経て搬送しながら収容すると共に、この収容芝草が満杯になる毎に排出ドア3を開きながらダンプ排出するように構成するコレクタ4を、所定量の芝草を収容する毎に、前記排出ドア3を閉めた状態でダンプ回動する構成として、このコレクタ4内部の収容芝草を揺込圧縮することを特徴とするモーアコレクタの構成とする。
【0006】
刈取作業時に、前側のモーアデッキ1部で刈取られた芝草は、シュート2を経て車体後側に装着のコレクタ4に搬送収容される。このコレクタ4の芝草収容量が所定量に達すると、コレクタ4が排出ドア3を閉鎖した状態で、ダンプシリンダが作動してダンプ回動される。このコレクタ4のダンプ回動によって収容された芝草をこのコレクタ4の奥側底部に揺込んで圧縮する。このダンプ回動による芝草の揺込作用が行われると、コレクタ4が芝草収容位置へ復起回動されて、再度モーアデッキ1側からの芝草搬入を行わせる。このときコレクタ4の入口部側には収容芝草のない状態にあって、芝草の搬送収容を円滑に行わせることができる。このようにして、ダンプ回動によって芝草を揺込んだコレクタ4が、継続芝草収容によって満杯になると、排出ドアを開きながらダンプ排出されて、これまで収容した芝草をダンプ位置に排出することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記コレクタ4の揺込作動は、車体5の走行停止、モーアデッキ1部における刈取伝動停止、又はコレクタ4の収容センサ6の芝草収容検出によって自動的に開始する。
【0008】
前記のようなコレクタ4のダンプ回動による揺込作動は、車体5の刈取走行を停止する走行停止や、前記モーアデッキ1部の刈取伝動停止、又は、コレクタ4の芝草収容量を検出する芝草収容検出等によって、自動的に作動させて、操作性を簡易化することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記コレクタ4の揺込作動は、複数回繰返可能に構成する。
前記のようなダンプ回動によるコレクタ4の揺込作動は、収容センサ6による芝草の所定量の収容検出毎により繰返し行われるが、この揺込作動の複数回にわたる繰返揺込作動によってコレクタ4が満杯になったときは、排出ドア3を開きながらダンプ排出する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、刈取芝草の搬送を受けて収容するコレクタ4が実質的に満杯になるまでの収容途中で、ダンプ回動で収容芝草を間歇的に揺込圧縮して詰込み、コレクタ4の収容量を増してダンプ排出を行わせることができ、作業能率を高くすることができる。ダンプ回動して揺込作動するときは、ダンプ排出時の排出ドア3を開かないで閉鎖状態として、同じダンプ回動によるため、このダンプのためのダンプシリンダ機構等を共用化して、構成、作動等を簡単化することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記コレクタ4のダンプ回動による揺込作動は、走行停止や、刈取伝動停止等によって連動して自動的に行われる形態では、芝草のシュート2からの搬入停止と同時に走行停止、又は刈取伝動停止が行われ、又、このダンプ回動による揺込作動を、収容センサ6による芝草収容検出にうよって行わせる形態では、このコレクタ4における芝草の収容状態に応じて自動的に行わせて、ともに、的確で、操作性のよい運転操作を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、コレクタ4が芝草収容で満杯になるまでの間の芝草収容中、は、収容センサ6が所定量の芝草収容状態を検出する毎に、排出ドア3を閉鎖した状態でダンプ回動してコレクタ4内の芝草を揺込む揺込作動を複数回繰返して、そして、このコレクタ4が芝草を十分に詰込んだ状態で、満杯状態になることによって、排出ドア3を開きながらダンプ排出作動を行わせることができる。このように一連の複数回の揺込作動と、この揺込後の満杯収容時のダンプ排出作動を、連続的に行わせて、コレクタ4の芝草収容、排出を能率的、効率的に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コレクタの作動状態を示す側面図。
【図2】コレクタダンプ制御のブロック図。
【図3】コレクタの集草、乃至揺込み作動状態を示す側面図。
【図4】コレクタの下降集草状態を示す側面図(A)、コレクタの昇降作動状態を示す側面図(B)。
【図5】コレクタの上昇位置におけるダンプ作動状態を示す側面図。
【図6】排出ドアの拡縮リンク部の斜視図。
【図7】その一部の分解斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面に基づいて、車体5は、前輪7と後輪8を有して、ボンネット9下に搭載のエンジン10によって伝動して駆動走行する四輪走行形態のトラクタとして、左右のフェンダ11間には運転席12を設け、ステップフロア13の前側のステアリングポスト14上にはステアリングハンドル15を設けて、乗用操向形態としている。上下方向のブレード軸の周りに回動駆動されて芝草を刈取るブレード配置するモーアデッキ1は、前記車体5の腹部に昇降リンク16を介して吊下げてリフトアーム17、リフトロット18等を介して、昇降可能に装着され、ミッドモーアを構成する。前記モーアデッキ1の前側部には入力軸19を設け、前記エンジン10から車体5前部のPTO軸20を経て連動して、前記ブレード軸を伝動回転する。
【0015】
前記車体5の後端部の着脱可能のヒッチフレーム21を設けて、このヒッチフレーム21に昇降、及びダンプ回動可能のコレクタ4を装着し、このコレクタ4の前側の供給口22と、前記モーアデッキ1の放出口23との間を、前記運転席12下方の左右後輪8間に設置のシュート2で連通して、このモーアデッキ1で刈取られる芝草を、放出口23から後方へ放出し、シュート2に案内させてコレクタ4の供給口22へ搬入供給させる。
【0016】
前記コレクタ4は、箱形に形成して、前面側に供給口22を形成して、前記シュート2の後端とをこの供給口22にのぞませて、搬入芝草を送込ませることができる。又、このコレクタ4の後面側には排出口24を設け、上面側には排気孔形成した上側壁25を設けている。
【0017】
この排出口24は、ダンプ排出時に収容芝草を排出して刈取地面等に排出落させることができる形態であり、この排出口24に対向して目抜板等からなる排出ドア3を開閉可能に構成する。前記上側壁25は、目抜板等からなる排気孔を形成する網を形成して、前記シュート2側から吹込まれる風圧を逃して、芝草をコレクタ4内部に補集する。これら排出口24に対向する排出ドア3と、これら排出ドア3や、上側壁25の外周部には、これらを覆う各排気カバー27、26を有して側面視倒L字形状に一体構成として、この排出ドア3は排出口24を開閉することができ、排気カバー27、26はこれら上側壁25や、排出ドア3の外周部を覆う。
【0018】
又、排出ドア3、及び排気口25は、共に目抜板等の網で構成しているが、これらの後側、乃至上側の外周部を適宜間隔の排風室39部を形成するように排気カバー27、26で覆って、上側の排気カバー26部から後側の排気カバー27部にわたる一連の側面視倒L字形状のトンネルカバーの形態としている。従って、これら排出口24や排気口25の外周を覆ったときは、これら排出口24の排出ドア3や、排気口25から排出される排気が、排気カバー26、及び27の内側の排風室39を案内されて、後下端部の排気口28から排風される。
【0019】
このようなコレクタ4は、前記ヒッチフレーム21に対して、上下一対の平行状のリフトリンク29を介して連結し、リフトシリンダ30の伸縮によって昇降することができる。又、前記排出ドア3は、排気カバー26の前端部を、コレクタ4の前上部に横方向のドアピン31周りに回動自在に枢着して、ダンプシリンダ32の伸出で上方へ回動して排出ドア3を開き、排気カバー26、27を上側へ浮上させることができる。
【0020】
このダンプシリンダ32は、前記リフトリンク29の先端部間に設けるリヤリンク33と、このリヤリンク33に対してダンプ軸34周りにダンプ回動可能に支持されるコレクタ4の後下端部との間に連結して、このダンプ32を伸張することによってコレクタ4のダンプ軸34周りに後下傾斜にダンプ回動し、ダンプシリンダ32を縮少することによって前下り傾斜に復帰回動するように構成している。
【0021】
前記リフトリンク29に対するコレクタ4の取付け支持は、下側のリフトリンク29の後端部と、リヤリンク33の下端部との連結軸部をダンプ軸34として、このダンプ軸34上にコレクタ4底後部を支持して取付け、前記ダンプシリンダ32の伸縮でこのダンプ軸34周りに前後回動させてダンプ回動させることができる。
【0022】
又、このコレクタ4の前記排出ドア3は、前記排気カバー26部とリヤリンク33部との間を連結して屈折伸縮する拡縮リンク35を有し、この拡縮リンク35の屈折ピン36部と、下側のリフトリンク29の先端部との間をワイヤー37で連結している。このコレクタ4をリフトシリンダ30により下降させた位置では、前記ダンプシリンダ32の伸縮によって排出ドア3の開、閉作動を行わせることができるが、リフトシリンダ30により上昇させた位置では、ダンプシリンダ32の伸張によってダンプ排出した状態のコレクタ4の排出ドア3が、この拡縮リンク35の拡縮によって開いた位置に維持されるもので、リフトダンプの形態とする。
【0023】
又、このコレクタ4の排出口24の下部には、この排出口24を閉鎖する排出ドア3の閉鎖位置をロックするロックフック38を設け、ワイヤー38aを介して操作する。即ち、該ワイヤー38aは、一端がロックフック38に連結され、他端が前記リフトリンク29の下側リンクに設けたブラケットに連結されており、リフトリンク29が下がった下降位置にあるときはワイヤー38aの引き作動が生じない(緩い)ため、ロックフック38の基部に巻掛けて設けたバネによって排出ドア3側のロックピン3aに係合しロック状態とする。一方リフトリンク29が上昇すると、ワイヤー38aは引かれてロックフック38の基部のバネに抗してロックフック38を基部回りに回動し、ロックピン3aからロックフック38が外れる関係に設けている。
【0024】
前記シュート2の後端底部に、コレクタ4に芝草が収容されたことを検出する収容センサ6を設ける。この収容センサ6はコレクタ4の供給口22部側に設けたり、その他の位置に設けることも可能である。又、この収容センサ6の他に、コレクタ4の芝草が満杯になったことを検出する満杯センサを設けることも可能である。又、収容センサ6によって一定回数のダンプ揺込作動を行わせることによって満杯になったものとして、コレクタ4のダンプ排出作動を行わせる形態とすることも可能である。
【0025】
前記リフトリンク29、及びリフトシリンダ30によるコレクタ4の昇降作動においては、上下のリフトリンク29の長さによって、供給口22をシュート2の後端部に連通させる下降位置では、コレクタ4を前下り傾斜の姿勢にして、シュート2からコレクタ4への芝草の搬入を行い易くし、又、高位置でダンプ排出作動を行わせるために、上昇位置では、コレクタ4を後下り傾斜の姿勢にするように構成している。
【0026】
前記コレクタ4のダンプ揺込作動、及びダンプ排出作動を行わせる制御装置として、コントローラ40の入力側にPTO入切センサ41、収容センサ6、満杯センサ42、コレクタ4の位置を検出するコレクタ位置センサ43等を配置し、出力側には、コレクタ4内の芝草圧縮状態を表示する圧縮モニタ44、満杯状態を表示する満杯モニタ45、ダンプシリンダ32の油圧回路46を切替制御するソレノイドバルブ47等を配置する。又、このソレノイドバルブ47は手動スイッチ48によって操作することもできる。
【0027】
前記PTO軸20の駆動連動系には、PTOクラッチ49を設けて、PTOレバー50の操作で入り、切りして、モーアデッキ1のブレードを駆動したり、回転停止することができる。
【0028】
ここに、モーアデッキ1部で刈取られる芝草をシュート2を経て搬送しながら収容すると共に、この収容芝草が満杯になる毎に排出ドア3を開きながらダンプ排出するように構成するコレクタ4を、所定量の芝草を収容する毎に、前記排出ドア3を閉めた状態でダンプ回動する構成として、このコレクタ4内部の収容芝草を揺込圧縮する構成とする。
【0029】
刈取作業時に、前側のモーアデッキ1部で刈取られた芝草は、シュート2を経て車体後側に装着のコレクタ4に搬送収容される。このコレクタ4の芝草収容量が所定量に達すると、コレクタ4が排出ドア3を閉鎖した状態で、ダンプシリンダが作動してダンプ回動される(図3)。このコレクタ4のダンプ回動によって収容された芝草をこのコレクタ4の奥側底部に揺込んで圧縮する。このダンプ回動による芝草の揺込作用が行われると、コレクタ4が芝草収容位置へ復帰回動されて、再度モーアデッキ1側からの芝草搬入を行わせる。このときコレクタ4の入口部側には収容芝草のない状態にあって、芝草の搬送収容を円滑に行わせることができる。このようにして、ダンプ回動によって芝草を揺込んだコレクタ4が、継続芝草収容によって満杯になると、排出ドアを開きながらダンプ排出されて、これまで収容した芝草をダンプ位置に排出することができる。
【0030】
芝刈作業時は、コレクタ4を下降して、供給口22をシュート2に接続させている。又、排出口24は排出ドア3で閉鎖されて、ロックフック38が係合されて、開かない状態にある。この状態でモーアデッキ1部で刈取られた芝草は、シュート2を通して供給口22から送込まれて、コレクタ4内に収容される。このコレクタ4の後部の開閉ドア3や、上部の上側壁25等の目抜網目部から吹出る排気は排気カバー26、27の排風室39内側を経て、後下端部の排気口28から排風される。芝草が所定量収容されると、供給口22近くにある収容センサ6の検出によって、この収容状態を知ることができる。そこで、運転者がPTOレバー50を操作してPTOクラッチ49を切りにして、刈取作業を一旦停止すると、これにもとづいてダンプシリンダ32がダンプ作動されて、リフトリンク29を下降位置に維持し、かつ排出ドア3を閉めた状態で、コレクタ4をダンプ軸34周りに後下り姿勢にダンプ回動させる。
【0031】
このダンプ回動によって内部の芝草を閉鎖状態にある排出ドア3側へ移動させて揺込むようにして詰込む。このコレクタ4の揺込作動によって供給口22付近の芝草は移動されてなくなり、この供給口22付近に芝草搬入のためのスペースを形成する。このようにして芝草を揺込んだコレクタ4はダンプシリンダ32の復動によって再び収容位置に戻されて、再度刈取作業を行って芝草の収容を行わせることができる。
【0032】
このようなダンプ揺込作動を一回、又は複数回にわたって繰返し行った後に、コレクタ4の芝草収容が満杯になったときは、刈取作用を一旦停止して、リフトシリンダ30によりリフトリンク29を図4(A)から同(B)の位置に上昇させて、コレクタ4を上昇位置にして、ダンプシリンダ32によりダンプ回動させる。排出ドア3を開きながらコレクタ4が後下り傾斜にダンプ回動されて、収容していた芝草を排出口24からダンプ排出させる。
【0033】
このとき、排出ドア3の開きは、リフトリンク29が上昇されることによって、ロックフック38が外されると共に、ワイヤー37によって拡縮リンク35が拡張されることによって自動的に開放されることとなる。又、この排出ドア3の閉鎖は、リフトリンク29の下降によって拡縮リンク35を屈折させることで縮少するため、排出口24を自動的に閉めると共に、ロックフック38を係合する。
【0034】
又、前記コレクタ4の揺込作動は、車体5の走行停止、モーアデッキ1部における刈取伝動停止、又は、コレクタ4の収容センサ6の芝草収容検出等によって自動的に開始する。
【0035】
前記のようなコレクタ4のダンプ回動による揺込作動は、車体5の刈取走行を停止する走行停止や、前記モーアデッキ1部の刈取伝動停止、又は、コレクタ4の芝草収容量を検出する芝草収容検出等によって、自動的に作動させて、操作性を簡易化することができる。
【0036】
又、前記コレクタ4の揺込作動は、複数回繰返可能に構成する。前記のようなダンプ回動によるコレクタ4の揺込作動は、収容センサ6による芝草の所定量の収容検出毎により繰返し行われるが、この揺込作動の複数回にわたる繰返揺込作動によってコレクタ4が満杯になったときは、排出ドア3の開きながらダンプ排出する。
【0037】
次に、主として、図6、図7に基づいて、前記コレクタ4のリフトダンプ機構について詳述すると、上下一対のリフトリンク29の後端に枢着のリヤリンク33が、コレクタ4の左右両側面に位置して、このコレクタ4底後部をダンプ軸34の周りにダンプ回動可能に支持している。ダンプシリンダ32は、前記リヤリンク33の上端部のピン55と、コレクタ4の底後端部のピン56との間にわたって連結している(図6)。又、前記拡縮リンク35は、前記リヤリンク33のピン55に連結する基部リンク57と、この基部リンク57の先端部に対して屈折ピン36の周りに屈折回動する端部リンク58と、これら量リンク57、58の屈折部を摺動自在に差込案内して引き方向のスプリング59及び前記ワイヤー37によってスライドするスライドソケット60と等によって構成する。この端部リンク58の先端部を前記開閉ドア3の側に枢着し、支持している。このスライドソケット60にはワイヤー37の先端部を連結するピン61を設け、前記端部リンク58との間にスプリング59をかけわたす。このスライドソケット60にはこのピン61を摺動自在に嵌合させる長穴62を形成している。
【0038】
このため、リフトリンク29、及びコレクタ4が下降位置にある時は、ワイヤー37が弛んで、スライドソケット60がスプリング59に引き下げられて、拡縮リンク35の屈折部である屈折ピン36部がこのスライドソケット60の下端部から外れて、これら端部リンク58、及びスライドソケット60が、この屈折ピン36の周りに回動して屈折自在の状態となり、開閉ドア3を閉鎖させることができる。又、リフトリンク29、及びコレクタ4が上昇位置にある時は、ワイヤー37によってスライドソケット60が下方へ引かれて、拡縮リンク35の屈折ピン36部をこのスライドソケット60内部に摺動案内して、屈折部を一直線状に拡張して、開閉ドア3を開放状態に維持する。
【符号の説明】
【0039】
1 モーアデッキ
2 シュート
3 排出ドア
4 コレクタ
5 車体
6 収容センサ
22 供給口
24 排出口
29 リフトリンク
30 リフトシリンダ
32 ダンプシリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーアデッキ(1)部で刈取られる芝草をシュート(2)を経て搬送しながら収容すると共に、この収容芝草が満杯になる毎に排出ドア(3)を開きながらダンプ排出するように構成するコレクタ(4)を、所定量の芝草を収容する毎に、前記排出ドア(3)を閉めた状態でダンプ回動する構成として、このコレクタ(4)内部の収容芝草を揺込圧縮することを特徴とするモーアコレクタ。
【請求項2】
前記コレクタ(4)の揺込作動は、車体(5)の走行停止、モーアデッキ(1)部における刈取伝動停止、又はコレクタ(4)の収容センサ(6)の芝草収容検出によって自動的に開始することを特徴とする請求項1に記載のモーアコレクタ。
【請求項3】
前記コレクタ(4)の揺込作動は、複数回繰返可能に構成したことを特徴とする請求項1、又は2に記載のモーアコレクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−110017(P2011−110017A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271932(P2009−271932)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】