ユーザ管理システム
【課題】ユーザが自身のユーザ管理情報に適切にアクセスし得るとともに、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得るユーザ管理システムを提供する。
【解決手段】このユーザ管理システム2では、ユーザが所持する携帯電話機70に固有のICチップ識別情報を端末装置20によって読み取り、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、管理装置50は、ユーザが当該ICチップ識別情報と対応付けられてメモリ60に記憶されている貯玉情報にアクセスすることを許容する。従って、会員登録済みのユーザは、携帯電話機70を持参すれば、管理装置50で管理されている自身の貯玉情報に適切にアクセスすることができる。発行されるカードは、端末装置20に挿入されて使用されるカードであり、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。従って、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【解決手段】このユーザ管理システム2では、ユーザが所持する携帯電話機70に固有のICチップ識別情報を端末装置20によって読み取り、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、管理装置50は、ユーザが当該ICチップ識別情報と対応付けられてメモリ60に記憶されている貯玉情報にアクセスすることを許容する。従って、会員登録済みのユーザは、携帯電話機70を持参すれば、管理装置50で管理されている自身の貯玉情報に適切にアクセスすることができる。発行されるカードは、端末装置20に挿入されて使用されるカードであり、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。従って、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、遊技店を利用するユーザを管理するためのユーザ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、遊技店のユーザの中から会員を募り、会員登録を希望したユーザに対して会員カードを発行するとともに、その会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービス等が提供されている。
【0003】
このような会員サービスを提供する遊技店では、例えば、特許文献1に記載されるように、会員カードを読み取り可能な端末装置と、各会員の会員情報を管理する管理装置とを備える会員管理システムが導入されている。この会員管理システムでは、ユーザが、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申し込み用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、このユーザの個人情報を管理装置内のメモリに登録するとともに、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カードをユーザに発行する。遊技店には、遊技機毎に端末装置(台端末)が設置されている。端末装置には会員カードを挿入可能なカードスロットが設けられている。会員カードを取得したユーザは、会員カードをカードスロットに挿入して遊技を行い、その結果獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを利用して後日再度遊技(再プレイ)したり、景品に交換したりすることができる。管理装置は、ユーザの会員カードに記録された会員IDに、当該ユーザの貯玉・貯メダル情報を対応付けてメモリに記憶させる。ユーザは、会員カードを端末装置に挿入することにより、会員IDと対応付けられて管理装置に記憶されている貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができる。
【0004】
さらに、特許文献2に記載されるように、ユーザが所持する携帯電話機に内蔵されるICチップのICチップ識別情報を読み取り、そのICチップ識別情報とユーザの貯玉・貯メダル情報を対応付けて管理装置内のメモリに登録することによって会員登録を行う会員管理システムも知られている。特許文献2の会員管理システムでは、携帯電話機によって会員登録を済ませたユーザは、それ以後、自身の携帯電話機のICチップ識別情報を端末装置に読み取らせることにより、ICチップ識別情報と対応付けて管理装置に記憶されている貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【特許文献2】特開2008−188031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、会員登録済みのユーザが、会員カードを自宅に置き忘れる等して、会員カードを持参せずに遊技店に来店する場合がある。その場合、会員カードを持参しなかったユーザは、当該遊技店において会員登録を済ませているにもかかわらず、遊技店の管理装置で管理されている自身の貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができない場合がある。その場合、ユーザが自身の貯玉・貯メダル情報にアクセスするためには、当該遊技店の係員に会員カードを持参しなかった旨を伝えた上で面倒な手続きをとる必要がある場合もある。また、特許文献2の技術では、ユーザが自身の携帯電話機のICチップ識別情報を端末装置に読み取らせる場合、ユーザは携帯電話機を端末装置に対向させて保持させる必要がある。しかし、携帯電話機は様々な形状をしており、統一された形状の保持具を設けることは難しい。そのため、ユーザは、遊技中において、必要に応じて携帯電話機を端末装置に対向させて保持させる操作を毎回行わなければならず、操作の負担が大きい。
【0007】
本明細書では、ユーザが自身のユーザ管理情報に適切にアクセスし得るとともに、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得るユーザ管理システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、端末装置と管理装置とを備えるユーザ管理システムを開示する。管理装置は、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応付けられている遊技媒体数情報とを含むユーザ管理情報が記憶されているメモリを備える。端末装置は、ユーザが所持する携帯媒体からユーザ識別情報を読み取り、読み取ったユーザ識別情報を管理装置に供給する。管理装置は、端末装置から取得されたユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号を端末装置に供給する。端末装置は、管理装置から取得されたユーザ認証信号に従って、端末装置に挿入されて使用されるカードを発行するとともに、発行されたカードが有する特定のカード識別情報を管理装置に供給する。管理装置は、端末装置から取得された特定のカード識別情報を特定のユーザ管理情報と対応付けてメモリに記憶させるとともに、端末装置に特定のカード識別情報と一致するカード識別情報を有するカードが挿入されている場合に、ユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることを許容する。
【0009】
上記のユーザ管理システムでは、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報を読み取って、読み取ったユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容される。ここで、「ユーザが所持する携帯媒体」とは、例えば、運転免許証や各種会員証等の各種個人カード、携帯電話機等の各種携帯端末、ユーザの身体の一部等、ユーザが所持及び携帯し得る各種携帯媒体を含む。また、「ユーザ識別情報」とは、運転免許証に内蔵されているICチップのICチップ識別情報、携帯電話機に内蔵されているICチップのICチップ識別情報、ユーザの指紋や網膜といった生体情報等、そのユーザに固有の各種識別情報を含む。そのため、例えば、ユーザが、会員登録時に発行される会員カードを持参しなかった場合であっても、ユーザが所持する携帯媒体によって、ユーザは、管理装置で管理されている自身の特定のユーザ管理情報に適切にアクセスすることができる。また、発行されるカードが、端末装置に挿入されて使用されるカードであるため、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。そのため、遊技中に必要に応じてユーザが携帯電話機を端末装置に対向させなければならない構成と比較して、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【0010】
上記のユーザ管理システムでは、管理装置によってユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容された場合に、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置は、挿入されているカードを排出することなく回収することが好ましい。この構成によると、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置はカードを排出しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを排出する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0011】
管理装置は、特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合であって、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値以上である場合に、ユーザ認証信号を端末装置に供給することが好ましい。この構成によると、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置はカードを発行しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを発行する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0012】
管理装置は、特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号に加えて、さらに、特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を端末装置に供給してもよい。端末装置は、カードを発行するとともに、当該カードに管理装置から取得された特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を記録してもよい。この構成によると、特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報をカードに記録することができる。即ち、メモリに記憶されているデータのバックアップをカードに記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ユーザ管理システムの概要を示す。
【図2】端末装置のブロック図を示す。
【図3】メモリの記憶内容を示す。
【図4】カード発行処理のシーケンス図を示す。
【図5】カード発行処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図6】再プレイ処理のシーケンス図を示す。
【図7】再プレイ処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図8】カード排出処理のシーケンス図を示す。
【図9】カード排出処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図10】終了処理のシーケンス図を示す。
【図11】終了処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施例の主要な特徴を以下に列挙する。
(1)ユーザ識別情報は、ユーザが所持する携帯電話機に内蔵されているICチップのICチップ識別情報である。
(2)ユーザは、事前に会員登録を行う。遊技店は、会員登録を希望するユーザの携帯電話機に内蔵されるICチップのICチップ識別情報を含むユーザ管理情報を、事前に管理装置のメモリに登録する。
(3)管理装置は、ユーザ認証信号を端末装置に供給する場合に、ユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報から所定数を減算する。また、管理装置は、終了処理時に減算した所定数を遊技媒体数情報に加算する(還元する)。
(4)第1の実施例では、端末装置が発行するカードには何も記録されない。第2の実施例では、端末装置が発行するカードにはメモリ内に記憶されているユーザ管理情報が記録される。この場合、例えば、カードには、貯玉数情報、残金情報、持玉数情報のうち、少なくとも1種類を記録させることができる。
【実施例】
【0015】
(第1実施例)
(システムの概要)
図1に示す本実施例のユーザ管理システム2は、パチンコ店等の遊技店内に設置されるシステムであって、遊技店を利用するユーザを管理するためのシステムである。図1に示すように、本実施例のユーザ管理システム2は、遊技店内に多数設けられている遊技機10と、各遊技機10に対して設けられている端末装置20と、1台の管理装置50とを備えている。各端末装置20は、対応する各遊技機10と通信可能に接続されている。また、各端末装置20は、管理装置50と通信可能に接続されている。
【0016】
本実施例では、各遊技機10は、パチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機である。他の例では、各遊技機10はメダルを遊技媒体とするスロットマシンとすることもできる。
【0017】
各端末装置20は、図2に示すように、タッチパネル22と、読み取り部24と、制御部26と、カード処理部30と、紙幣処理部32と、玉貸し部34とを備えている。タッチパネル22は、様々な情報を表示するためのディスプレイと、ユーザがディスプレイに触れることによって様々な指示を端末装置20に入力できる操作部とを有している。読み取り部24は、ユーザが所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を読み取る。ユーザが所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72には、ICチップ72毎に異なる情報が記録されている。そのため、読み取り部24が読み取ったICチップ識別情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報として機能する。制御部26は、プログラム(図示省略)に従って様々な処理を実行する。カード処理部30は、カードの発行、排出、読み取り、回収等、カードに関係する各種処理を実行する。紙幣処理部32は、ユーザが投入した紙幣を受付けて各種処理を実行する。玉貸し部34は、ユーザの操作に従って、ユーザにパチンコ玉の貸し出しを行う。
【0018】
管理装置50は、図1に示すように、制御部52とメモリ60とを備える。制御部52は、図示しないプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ60は、ユーザに関する各種情報を記憶する。メモリ60の記憶内容は図3に示されている。
【0019】
図3に示すように、メモリ60は、複数のユーザ管理情報62〜68を記憶している。各組み合わせ情報62〜68は、ICチップ識別情報と、カード番号と、貯玉数と、残金と、デポジット数と、持玉数が対応付けられた情報である。ユーザ管理情報62〜68は、それぞれ、会員登録済みユーザに関する情報を示している。ICチップ識別情報(例えば「aaaa」)は、会員登録済みのユーザが所持する携帯電話機70(図2参照)に含まれるICチップ72のICチップ識別情報を示す。カード番号は、当該ユーザに対して発行されているカードの番号を示す。カードについては後で詳しく説明する。貯玉数は、当該ユーザが遊技店に預けているパチンコ玉(いわゆる貯玉)の数を示す。残金は、当該ユーザが遊技用のパチンコ玉の貸し出しのために投入した現金の残金を示す。デポジット数は、カード発行の際に貯玉数から差し引いた玉数である。デポジット数についても後で詳しく説明する。持玉数は、ユーザが遊技の結果獲得したパチンコ玉(いわゆる持玉)の数を示す。持玉は、ユーザが獲得したパチンコ玉であって、貯玉していないパチンコ玉と言い換えることもできる。メモリ60へのICチップ識別情報、カード番号、貯玉数、残金、デポジット数、持玉数等の各情報の記憶手順は後で説明する。
【0020】
(会員登録)
本実施例のユーザ管理システム2の端末装置20と管理装置50が実行する各種処理を説明する前に、ユーザが事前に行う会員登録について説明する。まず、ユーザは、遊技店の係員に対して必要事項を記入した所定の申し込み用紙を渡して会員登録を要求する。この場合、遊技店の係員は、このユーザの携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を任意の手段で読み取り、管理装置50のメモリ60に記憶させる。ICチップ識別情報がメモリ60に記憶されることにより、メモリ60内に、ICチップ識別情報と対応付けてカード番号と貯玉数と残金とデポジット数と持玉数とを記憶するための欄が設けられる。その結果、当該会員登録済みユーザに関する情報を示すユーザ管理情報62等がメモリ60内に記憶される。その後、当該ユーザが貯玉処理や玉貸し出し処理を行うと、上記のICチップ識別情報に対応付けられて貯玉数や残金が記憶される。また、後で説明するように、当該ユーザに対してカード(臨時会員カード(当日会員カード又は仮会員カード等と呼び換えてもよい))が発行されると(図4参照)、上記のICチップ識別情報に対応付けられてカード番号が記憶される。また、本実施例では、当該ユーザが遊技の結果獲得したパチンコ玉の数は、端末装置20から管理装置50に随時送信され、上記のICチップ識別情報に対応付けられて持玉数として随時記憶及び更新される。なお、本実施例では、遊技店は、ユーザが会員登録を行った際に、ユーザ固有の会員IDが記録された所定の会員カード(いわゆる正会員カード)をユーザに発行していない。
【0021】
ユーザは、上記の遊技店の係員に申し込む方法に代えて、端末装置20を操作して会員登録を行ってもよい。即ち、ユーザは、端末装置20のタッチパネル22を操作して必要情報を入力して所定の会員登録操作を行うとともに、自己の所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72を読み取り部24に読み取らせることができる。この場合、端末装置20は、ICチップ72から読み取られたICチップ識別情報を管理装置50に供給する。管理装置50は、端末装置20からICチップ識別情報を取得すると、上記と同様にそのICチップ識別情報をメモリ60に記憶させる。その結果、当該会員登録済みユーザに関する情報を示すユーザ管理情報62等がメモリ60内に記憶される。
【0022】
(端末装置20と管理装置50が実行する処理)
続いて、図4〜図11を参照して、端末装置20と管理装置50が実行する各処理の内容について説明する。
【0023】
(カード発行処理:図4)
まず、図4を参照して、会員登録済みのユーザに対してカードを発行するカード発行処理について説明する。なお、以下では、図3のユーザ管理情報62が示すユーザ(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザ)に対してカード発行処理を行う場合を例として説明する場合がある。まず、会員登録済みのユーザは、所望の端末装置20のタッチパネル22を操作して、所定のカード発行開始操作を行うことができる。次いで、ユーザは、タッチパネル22に表示される案内に従って、当該端末装置20の読み取り部24に自己が所持している携帯電話機70を対向させて保持することができる。ユーザが携帯電話機70を読み取り部24に対向させて保持すると、読み取り部24は、携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を読み取る(S10)。次いで、制御部26は、読み取られたICチップ識別情報を管理装置50に供給する(S11)。上記の例に照らすと、S10、S11では、読み取り部24は、ユーザの携帯電話機70に内蔵されているICチップのICチップ識別情報「aaaa」を読み取り、制御部26は、読み取られたICチップ識別情報「aaaa」を管理装置50に供給する。
【0024】
管理装置50の制御部52は、端末装置20からICチップ識別情報を取得すると、取得したICチップ識別情報とメモリ60の記憶内容とを照合し、取得したICチップ識別情報に一致するICチップ識別情報がメモリ60内に記憶されているのか否かを判断する(S12)。本実施例では、ユーザが会員登録を行っていれば、当該ユーザのICチップ識別情報がメモリ60内に記憶されているため、制御部52はS12でYESと判断する。上記の例に照らすと、取得されたICチップ識別情報「aaaa」と一致するICチップ識別情報「aaaa」が、メモリ60内のユーザ管理情報62に含まれている(図3参照)。そのため、制御部52はS12でYESと判断する。S12でYESの場合、S14に進む。一方、ユーザが会員登録をしていない場合、メモリ60内には当該ユーザのICチップ識別情報は記憶されていない。この場合、制御部52はS12でNOと判断する。S12でNOの場合、S24に進む。
【0025】
S14では、制御部52は、当該ICチップ識別情報に対応付けられている貯玉数(図3参照)が、所定のデポジット数以上であるのか否かを判断する。本実施例では、デポジット数は「500」である。S14でYESの場合、S16に進む。一方、S14でNOの場合、S24に進む。
【0026】
S16では、制御部52は、ユーザ認証信号を端末装置20に供給する。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数からデポジット数(500個)を減算するとともに、メモリ60にデポジット数「500」を記憶させる(S17)。上記の例に照らすと、制御部52は、図3に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」に対応する貯玉数を500個減算して「9500」とし、減算した500個をデポジット数としてメモリ60に記憶させる。一方、端末装置20のカード処理部30は、ユーザ認証信号を取得すると、カードを発行する(S18)。なお、本実施例では、カード処理部30は、発行するカードには何も記録しない。S18で発行されるカードは、予め端末装置20内にストックされている複数枚のカードのうちの一枚である。なお、S18の時点では、カード処理部30は、発行したカードを端末装置20の外に排出しない。次いで、カード処理部30は、S18で発行されたカードが有している固有のカード番号を読み取る。さらに、制御部26は、読み取られたカード番号を管理装置50に供給する(S20)。上記の例に照らすと、S20では、制御部26は、読み取られたカード番号「111」(図3参照)を管理装置50に供給する。
【0027】
制御部52は、端末装置20からカード番号を取得すると、そのカード番号を、上記のICチップ識別情報と対応付けてメモリ60に記憶する(S22)。上記の例に照らすと、S22では、制御部52は、ICチップ識別情報「aaaa」と対応付けてカード番号「111」をメモリ60に記憶させる(図3参照)。S22を終えると、カード発行処理が終了する。
【0028】
上記の通り、ユーザが会員登録をしていない場合(S12でNO)、及び、貯玉数がデポジット数(500個)より少ない場合(S14でNO)、S24では、制御部52は、NG信号を端末装置20に供給する。端末装置20の制御部26は、NG信号を取得すると、カードの発行に失敗した旨をタッチパネル22に表示する(S26)。なお、S26では、端末装置20の制御部26は、カードの発行に失敗した旨に加えて、カードの発行に失敗した理由(例えば、携帯電話機70のICチップ識別情報が認証されなかったことや、貯玉数がデポジット数の500個に満たないこと)をメッセージとして表示してもよい。この場合、上記S18〜S22の各処理は行われない。端末装置20は、ユーザに対してカードを発行しない。S26を終えると、カード発行処理が終了する。
【0029】
(カード発行処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図5)
上記のカード発行処理(図4)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図5を用いて更に詳しく説明する。図5では、上記図3のユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザに関する情報)を例として説明する。この例では、図5(a)に示すように、カード発行前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「10000」である。また、残金も「0」である。カード発行前であるため、カード番号は記憶されておらず、デポジット数及び持玉数も「0」である。この場合、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は500以上であるため、管理装置50の制御部52は、端末装置20にユーザ認証信号を供給する(図4のS14でYES、S16)。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数からデポジット数(500個)を減算するとともに、メモリ60にデポジット数「500」を記憶させる(S17)。その結果、図5(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「10000」から「9500」に減算される。また、デポジット数「500」が記憶される。また、ユーザ認証信号に従って端末装置20が発行したカードのカード番号「111」も記憶される(図4のS18、S20、S22)。
【0030】
(再プレイ処理:図6)
続いて、図6を参照して、カード発行済みのユーザが再プレイ操作を行った場合の処理(再プレイ処理)について説明する。ここで、「再プレイ」とは、ユーザが、自身の貯玉又は持玉のうちから一定数(本実施例では、一操作毎に100個ずつ)のパチンコ玉を引き落として遊技に利用することを言う。また、「再プレイ操作」とは、ユーザが再プレイを要求する際に行う操作を言う。なお、以下では、ユーザが自己の貯玉のうちから一定数のパチンコ玉を引き落として遊技に利用する場合の再プレイ処理(いわゆる貯玉再プレイ)について説明し、ユーザが自己の持玉のうちから一定数のパチンコ玉を引き落とす場合の再プレイ処理(いわゆる持玉払出)については詳しい説明を省略するものとする。この処理が行われるためには、前提条件として、ユーザに対してカードが発行され(図4参照)、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されていることが必要である。また、端末装置20に挿入されているカードのカード番号を、管理装置50が認識していることも必要である。なお、以下では、図3のユーザ管理情報62が示すユーザ(ICチップ識別情報「aaaa」)に対してカード発行処理(図4)が行われ、発行されたカード(カード番号「111」)がそのまま端末装置20内に残されている場合における再プレイ処理の例を説明する。
【0031】
端末装置20の制御部26は、ユーザが再プレイ操作を行うことを監視している(S30)。このとき、上記のカード発行処理(図4)によってカードの発行を受け、かつ、カードが認証されているユーザは、タッチパネル22を操作して所定の再プレイ操作(ここでは貯玉再プレイ操作)を行うことができる。再プレイ操作が行われると(S30でYES)、S32に進み、制御部26は、再プレイ信号を管理装置50に供給する。
【0032】
管理装置50の制御部52は、端末装置20から再プレイ信号を取得すると、ユーザの貯玉数が再プレイ数以上であるか否かを判断する(S34)。本実施例では、一回の再プレイ数は「100」である。具体的に言うと、S34では、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されている貯玉数が100個以上であるのか否かを判断する。上記の例に照らすと、カード番号「111」に対応する貯玉数は「9500」である(図3参照)。この場合、制御部52はS34でYESと判断する。S34でYESの場合、S36に進む。一方、S34でNOの場合、S35に進む。
【0033】
ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されている貯玉数が100個を下回る場合(S34でNO)、S35において、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されているデポジット数が100個以上であるのか否かを判断する。S35でYESの場合、S36に進む。一方、S35でもNOの場合、S40に進む。
【0034】
S36では、制御部52は、玉貸し信号を端末装置20に供給する。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数から再プレイ数(100個)を減算する(S34でYES、S37)。なお、上記のS35でYESと判断された場合には、S37では、ユーザのデポジット数から再プレイ数(100個)を減算する。なお、ユーザのデポジット数から再プレイ数を減算した結果、デポジット数が500を下回る場合には、制御部52は、ユーザのデポジット数が500を下回ることを示すメッセージを端末装置20のタッチパネル22に表示させ、ユーザにデポジット数を使いきることを薦めるようにしてもよい。端末装置20の玉貸し部34は、玉貸し信号を取得すると、再プレイ数(100個)のパチンコ玉を遊技機10に供給する玉貸し処理を実行する(S38)。S37、S38を終了すると、図5の再プレイ処理はS30に戻り、端末装置20の制御部26は、ユーザが再プレイ操作を行うことを再び監視する。
【0035】
ユーザの貯玉数が再プレイ数(100個)に満たず(S34でNO)、かつユーザのデポジット数が再プレイ数(100個)に満たない場合には(S35でNO)、S40において、制御部52は、NG信号を端末装置20に供給する。端末装置20の制御部26は、NG信号を取得すると、玉貸しが不可能であることをタッチパネル22に表示する(S42)。
【0036】
一方で制御部52は、S40でNG信号を端末装置20に供給すると、再プレイ処理を行ったユーザが残金を有しているか否かを判断する(S44)。具体的に言うと、S44では、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられた残金がメモリ60に記憶されているか否かを判断する。このとき、残金がメモリ60に記憶されている場合、制御部52はS44でYESと判断する。一方、残金が「0」である場合、制御部52はS44でNOと判断する。S44でYESの場合、S46に進む。一方、S44でNOの場合、S50に進む。
【0037】
S46では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S48)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示する。S46、S48を終えると、再プレイ処理が終了する。
【0038】
一方、ユーザが残金を有していない場合には(S44でNO)、S50において、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に供給する。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S54)。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S52)。この場合、制御部26は、上記S48の処理を実行しない。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S52、S54を終えると、再プレイ処理が終了する。
【0039】
(再プレイ処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図7)
上記の再プレイ処理(図6)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図7を用いて更に詳しく説明する。図7でも、図5と同様に、ユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。図7(a)に示すように、再プレイ前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「9500」である。また、ユーザの持玉数は「0」である。この例では、ユーザが再プレイ操作(貯玉再プレイ操作)を行うと、(図6のS30でYES)、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は100以上であるため、管理装置50の制御部52は、端末装置20に玉貸し信号を供給する(S34でYES、S36)次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数から再プレイ数(100個)を減算する(S37)。その結果、図7(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「9500」から「9400」に減算される。
【0040】
また、図7(c)に示すように、再プレイ前の時点で、ユーザの貯玉数が「0」になり、デポジット数が「500」となっている場合の例についても説明する。この場合、ユーザが再プレイ操作を行うと、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は100を下回っているが、デポジット数は100以上である(図6のS34でNO、S35でYES)。そのため、管理装置50の制御部52は、端末装置20に玉貸し信号を供給する(S36)。次いで、制御部52は、ユーザのデポジット数から再プレイ数(100個)を減算する(S37)。その結果、図7(d)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザのデポジット数は「500」から「400」に減算される。なお、ユーザのデポジット数が500を下回った場合、制御部52は、ユーザのデポジット数が500を下回ることを示すメッセージを端末装置20のタッチパネル22に表示させ、ユーザにデポジット数の残りのパチンコ玉を使いきることを薦めるようにしてもよい。さらに再プレイ処理を繰り返し、図7(e)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザのデポジット数が「0」になると、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数、デポジット数のいずれも100に満たなくなる(図6のS34でNO、S35でNO)。また、残金も「0」である(S44でNO)。その場合、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(S50)。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S54)。この場合、カードが回収される。
【0041】
(カード排出処理:図8)
続いて、図8を参照して、カード発行済みのユーザがカード排出操作を行った場合の処理(カード排出処理)について説明する。この処理が行われるためには、上記の再プレイ処理と同様に、前提条件として、ユーザに対してカードが発行され、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されていることが必要である。また、端末装置20に挿入されているカードのカード番号を、管理装置50が認識していることも必要である。なお、ここで、「カード排出操作」は、ユーザが遊技する遊技機10を変更する(いわゆる台移動)際にユーザが実行する操作を言う。
【0042】
端末装置20の制御部26は、ユーザがカード排出操作を行うことを監視している(S60)。このとき、ユーザは、タッチパネル22を操作して所定のカード排出操作を行うことができる。カード排出操作が行われると(S60でYES)、S61に進み、制御部26は、排出要求信号を管理装置50に供給する。
【0043】
管理装置50の制御部52は、排出要求信号を取得すると、ユーザのデポジット数が500であるのか否かを判断する(S63)。S63でYESの場合、S72に進む。一方、S63でNOの場合、S64に進む。なお、S63の時点で、ユーザの貯玉数が「0」であって、デポジット数が「500」を下回っている(例えば「400」)場合には、S62では、制御部52は、持玉数情報が示す持玉数を加算してデポジット数を「500」に到達させるものとする。持玉数を加算してもデポジット数が500に到達しない(下回る)場合、制御部52は、S63でNOと判断する。
【0044】
ユーザのデポジット数が500を下回る場合(S63でNO)、S64では、制御部52は、ユーザが残金を有しているか否かを判断する。判断の方法は上記の図6のS44と同様である。S64でYESの場合、S72に進む。一方、S64でNOの場合、S66に進む。
【0045】
ユーザが残金を有していない場合には(S64でNO)、S66において、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に対して供給する。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S70)。なお、S70では、制御部52は、ユーザのデポジット数が残っている場合(例えば「300」)、デポジット数を減算して「0」にし、減算した分のデポジット数を貯玉数に加算する。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S68)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S68、S70を終えると、カード排出処理が終了する。
【0046】
一方、S72では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S74)。なお、S64でYESと判断された場合には、S72では、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示してもよい。S72、S74を終えると、カード排出処理が終了する。なお、ユーザは、排出されたカードを再度端末装置20に挿入することにより、貯玉を利用する再プレイ処理(図6)と、持玉を利用する再プレイ処理(図示しない)のいずれも行うことができる。また、ユーザは、排出されたカードを遊技店の係員に渡して、持玉を景品と交換することもできる。
【0047】
(カード排出処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図9)
上記のカード排出処理(図8)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図9を用いて更に詳しく説明する。図9でも、図5、図7と同様に、ユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。この例では、図9(a)に示すように、カード排出操作前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」であり、デポジット数は「500」である。なお、この時点では、メモリ60内の持玉数は「5000」である。この例では、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)と、デポジット数が「500」であるため、制御部52は、図9(b)に示すように、ユーザの持玉数、貯玉数、デポジット数のいずれも変更させずに、端末装置20にカード排出信号を供給する(図8のS63でYES、S72)。
【0048】
また、図9(c)に示すように、カード排出操作前の時点で、ユーザの貯玉数は「0」であり、デポジット数が「100」であり、持玉数が「200」であり、残金が「0」である場合の例を説明する。この場合、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)、制御部52は、まず、持玉数「200」を、ユーザのデポジット数に加算する(S62)。その結果、図9(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数及び持玉数は「0」となり、デポジット数が「100」から「300」に増加する。しかし、この場合、デポジット数は「500」に満たない(図8のS63でNO)。残金も「0」である(S64でNO)。そのため、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(S66)。さらに、図9(e)に示すように、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(図8のS70)。また、制御部52は、残っているデポジット数「300」を減算して「0」にするとともに、減算したデポジット数「300」を貯玉数に加算する。この場合、カードは回収される。
【0049】
(終了処理:図10)
続いて、図10を参照して、カード発行済み(図4参照)のユーザが、持玉を貯玉して遊技を終了する場合の処理(終了処理)について説明する。この処理が行われるための前提条件も、ユーザに対してカードが発行され、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されて、管理装置50がカード番号を認識していることである。
【0050】
端末装置20の制御部26は、ユーザが終了操作を行うことを監視している(S90)。このとき、ユーザは、タッチパネル22を操作して所定の終了操作を行うことができる。終了操作が行われると(S90でYES)、S91に進み、制御部26は、終了信号を管理装置50に供給する。
【0051】
管理装置50の制御部52は、終了信号を取得すると、その時点のユーザの持玉数と、ユーザのデポジット数とを、ユーザの貯玉数に加算する(S92)。即ち、ユーザのデポジット数が残っていれば、カード発行時に貯玉数から減算されたデポジット数(500個)のパチンコ玉は、終了処理時に貯玉としてユーザに返還されることになる。次いで、S94では、制御部52は、ユーザが残金を有しているか否かを判断する。判断の方法は図6のS44と同様である。S94でYESの場合、S102に進む。一方、S94でNOの場合、S96に進む。
【0052】
S96では、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に対して供給する。次いで、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S100)。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S98)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S98、S100を終えると、終了処理が終了する。
【0053】
一方、S102では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S74)。なお、このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示する。S102、S104を終えると、終了処理が終了する。
【0054】
(終了処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図11)
上記の終了処理(図10)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図11を用いて更に詳しく説明する。図11でも、図5等と同様にユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。この例では、図11(a)に示すように、終了操作前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」であり、デポジット数は「500」である。なお、残金は「0」であり、持玉数が「5000」である。この例では、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)、制御部52は、持玉数及びデポジット数を、ユーザの貯玉数に加算する(S92)。その結果、図11(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」から「10000」に増加する。この場合、デポジット数は「0」になる。また、残金が「0」であるため、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(図8のS94でNO、S96)。次いで、図11(c)に示すように、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(図8のS100)。この場合、カードは回収される。
【0055】
(精算処理)
続いて、精算処理(図示しない)について説明する。ユーザは、排出されたカードを遊技店の係員に渡して、残金の精算を依頼することができる。遊技店の係員は、管理装置50を操作し、カード番号に対応付けられてメモリ60に記憶されている残金があることを確認し、残金がある場合、残金を精算する。遊技店の係員は、残金の精算が終了すると、カード番号と、カード番号に対応付けられて記憶されている残金をメモリ60から削除する。遊技店の係員は、カードをユーザに返却することなく回収する。
【0056】
(貯玉しなかった持玉の取扱い)
なお、上記のカード排出処理(図8)の結果、管理装置50によって持玉数がメモリ60に記憶された場合において、ユーザが持玉数を貯玉する処理(図10の終了処理)を行わずに帰宅した場合には、制御部52は、例えば、日付が変わる際(次の日の午前0時)や閉店処理の際に、メモリ60に記憶されている持玉数を当該ユーザの貯玉数に自動的に加算するとともに、持玉数を「0」にするものとする。
【0057】
(本実施例の効果)
以上、第1実施例のユーザ管理装置について詳しく説明した。このユーザ管理システム2では、ユーザが所持する携帯電話機70に固有のICチップ識別情報を端末装置20によって読み取り、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、管理装置50は、ユーザが当該ICチップ識別情報と対応付けられてメモリ60に記憶されている貯玉情報にアクセスすることを許容する(図5参照)。そのため、会員登録済みのユーザは、携帯電話機70を持参すれば、管理装置50で管理されている自身の貯玉情報に適切にアクセスすることができる。また、発行されるカードは、端末装置20に挿入されて使用されるカードであるため、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。そのため、遊技中に必要に応じてユーザが携帯電話機70を端末装置20に対向させなければならない構成と比較して、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【0058】
第1実施例のユーザ管理システムでは、端末装置20は、ユーザ認証信号を取得すると(図4のS16)、カードを発行し、カードに固有のカード番号を管理装置50に通知する(S18)。このとき、端末装置20は、カードに何も記録しない。従って、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリに記憶されている場合に、管理装置が所定のカード識別情報を割り付けるとともに、端末装置がそのカード識別情報をカードに記録してカードを発行する構成と比較して、端末装置と管理装置の両方の処理負担が少なく済む。
【0059】
第1実施例のユーザ管理システムでは、ユーザの貯玉数がデポジット数を下回る場合であって、ユーザに残金もない場合(図6のS63でNO及びS64でNO)には、端末装置20は、挿入されているユーザのカードを排出することなく回収する(S68)。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを端末装置から排出する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0060】
また、管理装置50は、端末装置20が読み取ったICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合であって(図4のS12でYES)、さらに、ICチップ識別情報と対応付けて記憶されている貯玉数がデポジット数以上である場合に(S14でYES)、ユーザ認証信号を端末装置20に供給する(S16)。この構成によると、ICチップ識別情報と対応付けて記憶されている貯玉数がデポジット数を下回る場合(S14でNO)には、端末装置20はカードを発行しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを発行する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0061】
また、管理装置50は、ユーザ認証信号を端末装置20に供給すると、ユーザの貯玉数からデポジット数を減算する(図4のS17)。さらに、終了処理時にデポジット数が残っていれば、カード発行時に貯玉数から減算されたデポジット数(500個)のパチンコ玉は、終了処理時にユーザに返還される(図10のS92)。そのため、仮に、ユーザがカードを自宅に持って帰ったり、紛失したりした場合であっても、遊技店がカード費用の損失を被ることがない。
【0062】
第1実施例のユーザ管理システムでは、終了処理や精算処理を終えると、カードが遊技店に回収される。即ち、上記の第1実施例で発行されるカードは、臨時会員カード(当日会員カード又は仮会員カードと呼び換えてもよい)である。従って、カードの発行枚数を限定することができる。カードの管理負担を少なくすることができる。
【0063】
(対応関係)
第1実施例と本発明との対応関係を説明しておく。携帯電話機70が「携帯媒体」の一例である。また、ICチップ識別情報が「ユーザ識別情報」の一例である。カード番号が「カード識別情報」の一例である。貯玉数が「遊技媒体数情報」の一例である。デポジット数(500個)が「所定値」の一例である。
【0064】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を、第1実施例と異なる点について説明する。第1実施例のユーザ管理システムでは、端末装置20は、ユーザ認証信号を取得すると(図4のS16)、カードを発行し、カードに固有のカード番号を管理装置50に供給する(S18、S20)。このとき、端末装置20は、カードに何も記録しない。これに代えて、第2実施例では、管理装置50は、端末装置20が読み取ったICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、ユーザ認証信号に加えて、当該ICチップ識別情報に対応付けられてメモリ60に記憶されているユーザ管理情報62等の一部又は全部の情報(以下では「ユーザ情報」と呼ぶ)を端末装置20に供給する。端末装置20は、ユーザ認証信号と、ユーザ情報を取得すると、カードを発行するとともに、当該カードに上記ユーザ情報を記録する。例えば、この実施例では、持玉数と残金の情報をカードに記録させ、貯玉数はカードに記録させないようにすることができる。
【0065】
本実施例の場合、例えば、持玉を利用した再プレイ処理によってメモリ60に記憶されている持玉数が減算される場合には、端末装置20は、カードに記録されている当該ユーザの持玉数を合わせて減算させる。メモリ60に記憶されている情報と、カードに記録されている情報とを一致させることができる。
【0066】
即ち、第2実施例によると、端末装置20は、管理装置50から取得したユーザ情報をカードに記録することができる。即ち、メモリ60に記憶されているデータのバックアップをカードに記録することができる。
【0067】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0068】
(変形例1) 上記の各実施例では、携帯電話機70に内蔵されているICチップに固有のICチップ識別情報を、ユーザ識別情報としている。これに代えて、ユーザ識別情報は、ユーザが所持している各種個人カード(例えば、運転免許証、電子マネーカード等)に内蔵されているICチップに含まれるICチップ識別情報であってもよい。また、ユーザの指紋や網膜等、ユーザに固有の生体情報であってもよい。ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報であれば、任意の携帯媒体の任意のユーザ情報を用いてもよい。
【0069】
(変形例2) 上記の各実施例では、端末装置20がカードを発行する場合、ユーザによってカード排出操作が行われない限り、カードは端末装置20に挿入されたままである(図4のS18)。これに代えて、端末装置20がカードを発行すると、端末装置20は、発行したカードを排出するようにしてもよい。その場合、ユーザは、排出されたカードを用いて再プレイ処理等を行う場合に、端末装置20に再度カードを挿入するようにしてもよい。この変形例も、「前記端末装置は、前記管理装置から取得された前記ユーザ認証信号に従って、前記端末装置に挿入されて使用されるカードを発行する」の一例である。
【0070】
(変形例3) 上記の各実施例では、遊技店は、ユーザが会員登録を行って、ICチップ識別情報を管理装置50のメモリ60に記憶する場合に、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カードをユーザに発行しない。これに代えて、遊技店は、ユーザが会員登録を行った際に、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カード(いわゆる正会員カード)をユーザに発行してもよい。その場合、管理装置50は、会員IDとユーザ管理情報とを対応付けてメモリ60に記憶する。また、この場合、ユーザは、端末装置20に会員カードを挿入すれば、図4に示すカード発行処理を行うことなく、自己の貯玉情報にアクセスすることができる。この変形例におけるメモリ60も「ユーザ管理情報が記憶されているメモリを備え」の一例である。
【0071】
(変形例4) 上記の各実施例では、デポジット数を500個、一回の再プレイ数を100個としているが、デポジット数、再プレイ数に相当するパチンコ玉の数は、上記数量に限らず、任意の数量とすることができる。
【0072】
(変形例5) 上記の各実施例では、カード排出処理(図8)において、管理装置50が端末装置20にカード排出信号又はカード回収信号を送信する。これに代えて、管理装置50は、ユーザのカード排出操作に対してのOK信号又はNG信号を端末装置20に送信するようにしてもよい。管理装置20は、OK信号を受信するとカードを排出し、一方、管理装置20は、NG信号を受信するとカードを回収するようにしてもよい。
【0073】
(変形例6) 上記の各実施例では、ユーザが端末装置20のタッチパネル22を操作して所定のカード発行処理を行った場合にカード発行処理(図4)を開始した。これに代えて、端末装置20がカード発行ボタンを有していてもよい。この場合、ユーザがカード発行ボタンを押した場合にカード発行処理が開始される。この構成によると、ユーザがカード発行処理をより簡単に開始することができる。
【0074】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
2:ユーザ管理システム
10:遊技機
20:端末装置
22:タッチパネル
24:読み取り部
30:カード処理部
32:紙幣処理部
34:玉貸し部
50:管理装置
52:制御部
60:メモリ
70:携帯電話機
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、遊技店を利用するユーザを管理するためのユーザ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、遊技店のユーザの中から会員を募り、会員登録を希望したユーザに対して会員カードを発行するとともに、その会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービス等が提供されている。
【0003】
このような会員サービスを提供する遊技店では、例えば、特許文献1に記載されるように、会員カードを読み取り可能な端末装置と、各会員の会員情報を管理する管理装置とを備える会員管理システムが導入されている。この会員管理システムでは、ユーザが、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申し込み用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、このユーザの個人情報を管理装置内のメモリに登録するとともに、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カードをユーザに発行する。遊技店には、遊技機毎に端末装置(台端末)が設置されている。端末装置には会員カードを挿入可能なカードスロットが設けられている。会員カードを取得したユーザは、会員カードをカードスロットに挿入して遊技を行い、その結果獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを利用して後日再度遊技(再プレイ)したり、景品に交換したりすることができる。管理装置は、ユーザの会員カードに記録された会員IDに、当該ユーザの貯玉・貯メダル情報を対応付けてメモリに記憶させる。ユーザは、会員カードを端末装置に挿入することにより、会員IDと対応付けられて管理装置に記憶されている貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができる。
【0004】
さらに、特許文献2に記載されるように、ユーザが所持する携帯電話機に内蔵されるICチップのICチップ識別情報を読み取り、そのICチップ識別情報とユーザの貯玉・貯メダル情報を対応付けて管理装置内のメモリに登録することによって会員登録を行う会員管理システムも知られている。特許文献2の会員管理システムでは、携帯電話機によって会員登録を済ませたユーザは、それ以後、自身の携帯電話機のICチップ識別情報を端末装置に読み取らせることにより、ICチップ識別情報と対応付けて管理装置に記憶されている貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【特許文献2】特開2008−188031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、会員登録済みのユーザが、会員カードを自宅に置き忘れる等して、会員カードを持参せずに遊技店に来店する場合がある。その場合、会員カードを持参しなかったユーザは、当該遊技店において会員登録を済ませているにもかかわらず、遊技店の管理装置で管理されている自身の貯玉・貯メダル情報にアクセスすることができない場合がある。その場合、ユーザが自身の貯玉・貯メダル情報にアクセスするためには、当該遊技店の係員に会員カードを持参しなかった旨を伝えた上で面倒な手続きをとる必要がある場合もある。また、特許文献2の技術では、ユーザが自身の携帯電話機のICチップ識別情報を端末装置に読み取らせる場合、ユーザは携帯電話機を端末装置に対向させて保持させる必要がある。しかし、携帯電話機は様々な形状をしており、統一された形状の保持具を設けることは難しい。そのため、ユーザは、遊技中において、必要に応じて携帯電話機を端末装置に対向させて保持させる操作を毎回行わなければならず、操作の負担が大きい。
【0007】
本明細書では、ユーザが自身のユーザ管理情報に適切にアクセスし得るとともに、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得るユーザ管理システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、端末装置と管理装置とを備えるユーザ管理システムを開示する。管理装置は、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応付けられている遊技媒体数情報とを含むユーザ管理情報が記憶されているメモリを備える。端末装置は、ユーザが所持する携帯媒体からユーザ識別情報を読み取り、読み取ったユーザ識別情報を管理装置に供給する。管理装置は、端末装置から取得されたユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号を端末装置に供給する。端末装置は、管理装置から取得されたユーザ認証信号に従って、端末装置に挿入されて使用されるカードを発行するとともに、発行されたカードが有する特定のカード識別情報を管理装置に供給する。管理装置は、端末装置から取得された特定のカード識別情報を特定のユーザ管理情報と対応付けてメモリに記憶させるとともに、端末装置に特定のカード識別情報と一致するカード識別情報を有するカードが挿入されている場合に、ユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることを許容する。
【0009】
上記のユーザ管理システムでは、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報を読み取って、読み取ったユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容される。ここで、「ユーザが所持する携帯媒体」とは、例えば、運転免許証や各種会員証等の各種個人カード、携帯電話機等の各種携帯端末、ユーザの身体の一部等、ユーザが所持及び携帯し得る各種携帯媒体を含む。また、「ユーザ識別情報」とは、運転免許証に内蔵されているICチップのICチップ識別情報、携帯電話機に内蔵されているICチップのICチップ識別情報、ユーザの指紋や網膜といった生体情報等、そのユーザに固有の各種識別情報を含む。そのため、例えば、ユーザが、会員登録時に発行される会員カードを持参しなかった場合であっても、ユーザが所持する携帯媒体によって、ユーザは、管理装置で管理されている自身の特定のユーザ管理情報に適切にアクセスすることができる。また、発行されるカードが、端末装置に挿入されて使用されるカードであるため、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。そのため、遊技中に必要に応じてユーザが携帯電話機を端末装置に対向させなければならない構成と比較して、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【0010】
上記のユーザ管理システムでは、管理装置によってユーザが特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容された場合に、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置は、挿入されているカードを排出することなく回収することが好ましい。この構成によると、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置はカードを排出しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを排出する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0011】
管理装置は、特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合であって、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値以上である場合に、ユーザ認証信号を端末装置に供給することが好ましい。この構成によると、特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数が示す値が所定値を下回る場合には、端末装置はカードを発行しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを発行する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0012】
管理装置は、特定のユーザ管理情報がメモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号に加えて、さらに、特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を端末装置に供給してもよい。端末装置は、カードを発行するとともに、当該カードに管理装置から取得された特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を記録してもよい。この構成によると、特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報をカードに記録することができる。即ち、メモリに記憶されているデータのバックアップをカードに記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ユーザ管理システムの概要を示す。
【図2】端末装置のブロック図を示す。
【図3】メモリの記憶内容を示す。
【図4】カード発行処理のシーケンス図を示す。
【図5】カード発行処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図6】再プレイ処理のシーケンス図を示す。
【図7】再プレイ処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図8】カード排出処理のシーケンス図を示す。
【図9】カード排出処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【図10】終了処理のシーケンス図を示す。
【図11】終了処理に伴うユーザ管理情報の変遷を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施例の主要な特徴を以下に列挙する。
(1)ユーザ識別情報は、ユーザが所持する携帯電話機に内蔵されているICチップのICチップ識別情報である。
(2)ユーザは、事前に会員登録を行う。遊技店は、会員登録を希望するユーザの携帯電話機に内蔵されるICチップのICチップ識別情報を含むユーザ管理情報を、事前に管理装置のメモリに登録する。
(3)管理装置は、ユーザ認証信号を端末装置に供給する場合に、ユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報から所定数を減算する。また、管理装置は、終了処理時に減算した所定数を遊技媒体数情報に加算する(還元する)。
(4)第1の実施例では、端末装置が発行するカードには何も記録されない。第2の実施例では、端末装置が発行するカードにはメモリ内に記憶されているユーザ管理情報が記録される。この場合、例えば、カードには、貯玉数情報、残金情報、持玉数情報のうち、少なくとも1種類を記録させることができる。
【実施例】
【0015】
(第1実施例)
(システムの概要)
図1に示す本実施例のユーザ管理システム2は、パチンコ店等の遊技店内に設置されるシステムであって、遊技店を利用するユーザを管理するためのシステムである。図1に示すように、本実施例のユーザ管理システム2は、遊技店内に多数設けられている遊技機10と、各遊技機10に対して設けられている端末装置20と、1台の管理装置50とを備えている。各端末装置20は、対応する各遊技機10と通信可能に接続されている。また、各端末装置20は、管理装置50と通信可能に接続されている。
【0016】
本実施例では、各遊技機10は、パチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機である。他の例では、各遊技機10はメダルを遊技媒体とするスロットマシンとすることもできる。
【0017】
各端末装置20は、図2に示すように、タッチパネル22と、読み取り部24と、制御部26と、カード処理部30と、紙幣処理部32と、玉貸し部34とを備えている。タッチパネル22は、様々な情報を表示するためのディスプレイと、ユーザがディスプレイに触れることによって様々な指示を端末装置20に入力できる操作部とを有している。読み取り部24は、ユーザが所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を読み取る。ユーザが所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72には、ICチップ72毎に異なる情報が記録されている。そのため、読み取り部24が読み取ったICチップ識別情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報として機能する。制御部26は、プログラム(図示省略)に従って様々な処理を実行する。カード処理部30は、カードの発行、排出、読み取り、回収等、カードに関係する各種処理を実行する。紙幣処理部32は、ユーザが投入した紙幣を受付けて各種処理を実行する。玉貸し部34は、ユーザの操作に従って、ユーザにパチンコ玉の貸し出しを行う。
【0018】
管理装置50は、図1に示すように、制御部52とメモリ60とを備える。制御部52は、図示しないプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ60は、ユーザに関する各種情報を記憶する。メモリ60の記憶内容は図3に示されている。
【0019】
図3に示すように、メモリ60は、複数のユーザ管理情報62〜68を記憶している。各組み合わせ情報62〜68は、ICチップ識別情報と、カード番号と、貯玉数と、残金と、デポジット数と、持玉数が対応付けられた情報である。ユーザ管理情報62〜68は、それぞれ、会員登録済みユーザに関する情報を示している。ICチップ識別情報(例えば「aaaa」)は、会員登録済みのユーザが所持する携帯電話機70(図2参照)に含まれるICチップ72のICチップ識別情報を示す。カード番号は、当該ユーザに対して発行されているカードの番号を示す。カードについては後で詳しく説明する。貯玉数は、当該ユーザが遊技店に預けているパチンコ玉(いわゆる貯玉)の数を示す。残金は、当該ユーザが遊技用のパチンコ玉の貸し出しのために投入した現金の残金を示す。デポジット数は、カード発行の際に貯玉数から差し引いた玉数である。デポジット数についても後で詳しく説明する。持玉数は、ユーザが遊技の結果獲得したパチンコ玉(いわゆる持玉)の数を示す。持玉は、ユーザが獲得したパチンコ玉であって、貯玉していないパチンコ玉と言い換えることもできる。メモリ60へのICチップ識別情報、カード番号、貯玉数、残金、デポジット数、持玉数等の各情報の記憶手順は後で説明する。
【0020】
(会員登録)
本実施例のユーザ管理システム2の端末装置20と管理装置50が実行する各種処理を説明する前に、ユーザが事前に行う会員登録について説明する。まず、ユーザは、遊技店の係員に対して必要事項を記入した所定の申し込み用紙を渡して会員登録を要求する。この場合、遊技店の係員は、このユーザの携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を任意の手段で読み取り、管理装置50のメモリ60に記憶させる。ICチップ識別情報がメモリ60に記憶されることにより、メモリ60内に、ICチップ識別情報と対応付けてカード番号と貯玉数と残金とデポジット数と持玉数とを記憶するための欄が設けられる。その結果、当該会員登録済みユーザに関する情報を示すユーザ管理情報62等がメモリ60内に記憶される。その後、当該ユーザが貯玉処理や玉貸し出し処理を行うと、上記のICチップ識別情報に対応付けられて貯玉数や残金が記憶される。また、後で説明するように、当該ユーザに対してカード(臨時会員カード(当日会員カード又は仮会員カード等と呼び換えてもよい))が発行されると(図4参照)、上記のICチップ識別情報に対応付けられてカード番号が記憶される。また、本実施例では、当該ユーザが遊技の結果獲得したパチンコ玉の数は、端末装置20から管理装置50に随時送信され、上記のICチップ識別情報に対応付けられて持玉数として随時記憶及び更新される。なお、本実施例では、遊技店は、ユーザが会員登録を行った際に、ユーザ固有の会員IDが記録された所定の会員カード(いわゆる正会員カード)をユーザに発行していない。
【0021】
ユーザは、上記の遊技店の係員に申し込む方法に代えて、端末装置20を操作して会員登録を行ってもよい。即ち、ユーザは、端末装置20のタッチパネル22を操作して必要情報を入力して所定の会員登録操作を行うとともに、自己の所持する携帯電話機70に内蔵されているICチップ72を読み取り部24に読み取らせることができる。この場合、端末装置20は、ICチップ72から読み取られたICチップ識別情報を管理装置50に供給する。管理装置50は、端末装置20からICチップ識別情報を取得すると、上記と同様にそのICチップ識別情報をメモリ60に記憶させる。その結果、当該会員登録済みユーザに関する情報を示すユーザ管理情報62等がメモリ60内に記憶される。
【0022】
(端末装置20と管理装置50が実行する処理)
続いて、図4〜図11を参照して、端末装置20と管理装置50が実行する各処理の内容について説明する。
【0023】
(カード発行処理:図4)
まず、図4を参照して、会員登録済みのユーザに対してカードを発行するカード発行処理について説明する。なお、以下では、図3のユーザ管理情報62が示すユーザ(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザ)に対してカード発行処理を行う場合を例として説明する場合がある。まず、会員登録済みのユーザは、所望の端末装置20のタッチパネル22を操作して、所定のカード発行開始操作を行うことができる。次いで、ユーザは、タッチパネル22に表示される案内に従って、当該端末装置20の読み取り部24に自己が所持している携帯電話機70を対向させて保持することができる。ユーザが携帯電話機70を読み取り部24に対向させて保持すると、読み取り部24は、携帯電話機70に内蔵されているICチップ72のICチップ識別情報を読み取る(S10)。次いで、制御部26は、読み取られたICチップ識別情報を管理装置50に供給する(S11)。上記の例に照らすと、S10、S11では、読み取り部24は、ユーザの携帯電話機70に内蔵されているICチップのICチップ識別情報「aaaa」を読み取り、制御部26は、読み取られたICチップ識別情報「aaaa」を管理装置50に供給する。
【0024】
管理装置50の制御部52は、端末装置20からICチップ識別情報を取得すると、取得したICチップ識別情報とメモリ60の記憶内容とを照合し、取得したICチップ識別情報に一致するICチップ識別情報がメモリ60内に記憶されているのか否かを判断する(S12)。本実施例では、ユーザが会員登録を行っていれば、当該ユーザのICチップ識別情報がメモリ60内に記憶されているため、制御部52はS12でYESと判断する。上記の例に照らすと、取得されたICチップ識別情報「aaaa」と一致するICチップ識別情報「aaaa」が、メモリ60内のユーザ管理情報62に含まれている(図3参照)。そのため、制御部52はS12でYESと判断する。S12でYESの場合、S14に進む。一方、ユーザが会員登録をしていない場合、メモリ60内には当該ユーザのICチップ識別情報は記憶されていない。この場合、制御部52はS12でNOと判断する。S12でNOの場合、S24に進む。
【0025】
S14では、制御部52は、当該ICチップ識別情報に対応付けられている貯玉数(図3参照)が、所定のデポジット数以上であるのか否かを判断する。本実施例では、デポジット数は「500」である。S14でYESの場合、S16に進む。一方、S14でNOの場合、S24に進む。
【0026】
S16では、制御部52は、ユーザ認証信号を端末装置20に供給する。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数からデポジット数(500個)を減算するとともに、メモリ60にデポジット数「500」を記憶させる(S17)。上記の例に照らすと、制御部52は、図3に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」に対応する貯玉数を500個減算して「9500」とし、減算した500個をデポジット数としてメモリ60に記憶させる。一方、端末装置20のカード処理部30は、ユーザ認証信号を取得すると、カードを発行する(S18)。なお、本実施例では、カード処理部30は、発行するカードには何も記録しない。S18で発行されるカードは、予め端末装置20内にストックされている複数枚のカードのうちの一枚である。なお、S18の時点では、カード処理部30は、発行したカードを端末装置20の外に排出しない。次いで、カード処理部30は、S18で発行されたカードが有している固有のカード番号を読み取る。さらに、制御部26は、読み取られたカード番号を管理装置50に供給する(S20)。上記の例に照らすと、S20では、制御部26は、読み取られたカード番号「111」(図3参照)を管理装置50に供給する。
【0027】
制御部52は、端末装置20からカード番号を取得すると、そのカード番号を、上記のICチップ識別情報と対応付けてメモリ60に記憶する(S22)。上記の例に照らすと、S22では、制御部52は、ICチップ識別情報「aaaa」と対応付けてカード番号「111」をメモリ60に記憶させる(図3参照)。S22を終えると、カード発行処理が終了する。
【0028】
上記の通り、ユーザが会員登録をしていない場合(S12でNO)、及び、貯玉数がデポジット数(500個)より少ない場合(S14でNO)、S24では、制御部52は、NG信号を端末装置20に供給する。端末装置20の制御部26は、NG信号を取得すると、カードの発行に失敗した旨をタッチパネル22に表示する(S26)。なお、S26では、端末装置20の制御部26は、カードの発行に失敗した旨に加えて、カードの発行に失敗した理由(例えば、携帯電話機70のICチップ識別情報が認証されなかったことや、貯玉数がデポジット数の500個に満たないこと)をメッセージとして表示してもよい。この場合、上記S18〜S22の各処理は行われない。端末装置20は、ユーザに対してカードを発行しない。S26を終えると、カード発行処理が終了する。
【0029】
(カード発行処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図5)
上記のカード発行処理(図4)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図5を用いて更に詳しく説明する。図5では、上記図3のユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザに関する情報)を例として説明する。この例では、図5(a)に示すように、カード発行前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「10000」である。また、残金も「0」である。カード発行前であるため、カード番号は記憶されておらず、デポジット数及び持玉数も「0」である。この場合、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は500以上であるため、管理装置50の制御部52は、端末装置20にユーザ認証信号を供給する(図4のS14でYES、S16)。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数からデポジット数(500個)を減算するとともに、メモリ60にデポジット数「500」を記憶させる(S17)。その結果、図5(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「10000」から「9500」に減算される。また、デポジット数「500」が記憶される。また、ユーザ認証信号に従って端末装置20が発行したカードのカード番号「111」も記憶される(図4のS18、S20、S22)。
【0030】
(再プレイ処理:図6)
続いて、図6を参照して、カード発行済みのユーザが再プレイ操作を行った場合の処理(再プレイ処理)について説明する。ここで、「再プレイ」とは、ユーザが、自身の貯玉又は持玉のうちから一定数(本実施例では、一操作毎に100個ずつ)のパチンコ玉を引き落として遊技に利用することを言う。また、「再プレイ操作」とは、ユーザが再プレイを要求する際に行う操作を言う。なお、以下では、ユーザが自己の貯玉のうちから一定数のパチンコ玉を引き落として遊技に利用する場合の再プレイ処理(いわゆる貯玉再プレイ)について説明し、ユーザが自己の持玉のうちから一定数のパチンコ玉を引き落とす場合の再プレイ処理(いわゆる持玉払出)については詳しい説明を省略するものとする。この処理が行われるためには、前提条件として、ユーザに対してカードが発行され(図4参照)、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されていることが必要である。また、端末装置20に挿入されているカードのカード番号を、管理装置50が認識していることも必要である。なお、以下では、図3のユーザ管理情報62が示すユーザ(ICチップ識別情報「aaaa」)に対してカード発行処理(図4)が行われ、発行されたカード(カード番号「111」)がそのまま端末装置20内に残されている場合における再プレイ処理の例を説明する。
【0031】
端末装置20の制御部26は、ユーザが再プレイ操作を行うことを監視している(S30)。このとき、上記のカード発行処理(図4)によってカードの発行を受け、かつ、カードが認証されているユーザは、タッチパネル22を操作して所定の再プレイ操作(ここでは貯玉再プレイ操作)を行うことができる。再プレイ操作が行われると(S30でYES)、S32に進み、制御部26は、再プレイ信号を管理装置50に供給する。
【0032】
管理装置50の制御部52は、端末装置20から再プレイ信号を取得すると、ユーザの貯玉数が再プレイ数以上であるか否かを判断する(S34)。本実施例では、一回の再プレイ数は「100」である。具体的に言うと、S34では、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されている貯玉数が100個以上であるのか否かを判断する。上記の例に照らすと、カード番号「111」に対応する貯玉数は「9500」である(図3参照)。この場合、制御部52はS34でYESと判断する。S34でYESの場合、S36に進む。一方、S34でNOの場合、S35に進む。
【0033】
ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されている貯玉数が100個を下回る場合(S34でNO)、S35において、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられて記憶されているデポジット数が100個以上であるのか否かを判断する。S35でYESの場合、S36に進む。一方、S35でもNOの場合、S40に進む。
【0034】
S36では、制御部52は、玉貸し信号を端末装置20に供給する。次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数から再プレイ数(100個)を減算する(S34でYES、S37)。なお、上記のS35でYESと判断された場合には、S37では、ユーザのデポジット数から再プレイ数(100個)を減算する。なお、ユーザのデポジット数から再プレイ数を減算した結果、デポジット数が500を下回る場合には、制御部52は、ユーザのデポジット数が500を下回ることを示すメッセージを端末装置20のタッチパネル22に表示させ、ユーザにデポジット数を使いきることを薦めるようにしてもよい。端末装置20の玉貸し部34は、玉貸し信号を取得すると、再プレイ数(100個)のパチンコ玉を遊技機10に供給する玉貸し処理を実行する(S38)。S37、S38を終了すると、図5の再プレイ処理はS30に戻り、端末装置20の制御部26は、ユーザが再プレイ操作を行うことを再び監視する。
【0035】
ユーザの貯玉数が再プレイ数(100個)に満たず(S34でNO)、かつユーザのデポジット数が再プレイ数(100個)に満たない場合には(S35でNO)、S40において、制御部52は、NG信号を端末装置20に供給する。端末装置20の制御部26は、NG信号を取得すると、玉貸しが不可能であることをタッチパネル22に表示する(S42)。
【0036】
一方で制御部52は、S40でNG信号を端末装置20に供給すると、再プレイ処理を行ったユーザが残金を有しているか否かを判断する(S44)。具体的に言うと、S44では、制御部52は、ユーザのカード番号に対応付けられた残金がメモリ60に記憶されているか否かを判断する。このとき、残金がメモリ60に記憶されている場合、制御部52はS44でYESと判断する。一方、残金が「0」である場合、制御部52はS44でNOと判断する。S44でYESの場合、S46に進む。一方、S44でNOの場合、S50に進む。
【0037】
S46では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S48)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示する。S46、S48を終えると、再プレイ処理が終了する。
【0038】
一方、ユーザが残金を有していない場合には(S44でNO)、S50において、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に供給する。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S54)。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S52)。この場合、制御部26は、上記S48の処理を実行しない。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S52、S54を終えると、再プレイ処理が終了する。
【0039】
(再プレイ処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図7)
上記の再プレイ処理(図6)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図7を用いて更に詳しく説明する。図7でも、図5と同様に、ユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。図7(a)に示すように、再プレイ前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「9500」である。また、ユーザの持玉数は「0」である。この例では、ユーザが再プレイ操作(貯玉再プレイ操作)を行うと、(図6のS30でYES)、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は100以上であるため、管理装置50の制御部52は、端末装置20に玉貸し信号を供給する(S34でYES、S36)次いで、制御部52は、ユーザの貯玉数から再プレイ数(100個)を減算する(S37)。その結果、図7(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「9500」から「9400」に減算される。
【0040】
また、図7(c)に示すように、再プレイ前の時点で、ユーザの貯玉数が「0」になり、デポジット数が「500」となっている場合の例についても説明する。この場合、ユーザが再プレイ操作を行うと、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は100を下回っているが、デポジット数は100以上である(図6のS34でNO、S35でYES)。そのため、管理装置50の制御部52は、端末装置20に玉貸し信号を供給する(S36)。次いで、制御部52は、ユーザのデポジット数から再プレイ数(100個)を減算する(S37)。その結果、図7(d)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザのデポジット数は「500」から「400」に減算される。なお、ユーザのデポジット数が500を下回った場合、制御部52は、ユーザのデポジット数が500を下回ることを示すメッセージを端末装置20のタッチパネル22に表示させ、ユーザにデポジット数の残りのパチンコ玉を使いきることを薦めるようにしてもよい。さらに再プレイ処理を繰り返し、図7(e)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザのデポジット数が「0」になると、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数、デポジット数のいずれも100に満たなくなる(図6のS34でNO、S35でNO)。また、残金も「0」である(S44でNO)。その場合、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(S50)。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S54)。この場合、カードが回収される。
【0041】
(カード排出処理:図8)
続いて、図8を参照して、カード発行済みのユーザがカード排出操作を行った場合の処理(カード排出処理)について説明する。この処理が行われるためには、上記の再プレイ処理と同様に、前提条件として、ユーザに対してカードが発行され、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されていることが必要である。また、端末装置20に挿入されているカードのカード番号を、管理装置50が認識していることも必要である。なお、ここで、「カード排出操作」は、ユーザが遊技する遊技機10を変更する(いわゆる台移動)際にユーザが実行する操作を言う。
【0042】
端末装置20の制御部26は、ユーザがカード排出操作を行うことを監視している(S60)。このとき、ユーザは、タッチパネル22を操作して所定のカード排出操作を行うことができる。カード排出操作が行われると(S60でYES)、S61に進み、制御部26は、排出要求信号を管理装置50に供給する。
【0043】
管理装置50の制御部52は、排出要求信号を取得すると、ユーザのデポジット数が500であるのか否かを判断する(S63)。S63でYESの場合、S72に進む。一方、S63でNOの場合、S64に進む。なお、S63の時点で、ユーザの貯玉数が「0」であって、デポジット数が「500」を下回っている(例えば「400」)場合には、S62では、制御部52は、持玉数情報が示す持玉数を加算してデポジット数を「500」に到達させるものとする。持玉数を加算してもデポジット数が500に到達しない(下回る)場合、制御部52は、S63でNOと判断する。
【0044】
ユーザのデポジット数が500を下回る場合(S63でNO)、S64では、制御部52は、ユーザが残金を有しているか否かを判断する。判断の方法は上記の図6のS44と同様である。S64でYESの場合、S72に進む。一方、S64でNOの場合、S66に進む。
【0045】
ユーザが残金を有していない場合には(S64でNO)、S66において、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に対して供給する。さらに、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S70)。なお、S70では、制御部52は、ユーザのデポジット数が残っている場合(例えば「300」)、デポジット数を減算して「0」にし、減算した分のデポジット数を貯玉数に加算する。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S68)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S68、S70を終えると、カード排出処理が終了する。
【0046】
一方、S72では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20内に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S74)。なお、S64でYESと判断された場合には、S72では、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示してもよい。S72、S74を終えると、カード排出処理が終了する。なお、ユーザは、排出されたカードを再度端末装置20に挿入することにより、貯玉を利用する再プレイ処理(図6)と、持玉を利用する再プレイ処理(図示しない)のいずれも行うことができる。また、ユーザは、排出されたカードを遊技店の係員に渡して、持玉を景品と交換することもできる。
【0047】
(カード排出処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図9)
上記のカード排出処理(図8)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図9を用いて更に詳しく説明する。図9でも、図5、図7と同様に、ユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。この例では、図9(a)に示すように、カード排出操作前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」であり、デポジット数は「500」である。なお、この時点では、メモリ60内の持玉数は「5000」である。この例では、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)と、デポジット数が「500」であるため、制御部52は、図9(b)に示すように、ユーザの持玉数、貯玉数、デポジット数のいずれも変更させずに、端末装置20にカード排出信号を供給する(図8のS63でYES、S72)。
【0048】
また、図9(c)に示すように、カード排出操作前の時点で、ユーザの貯玉数は「0」であり、デポジット数が「100」であり、持玉数が「200」であり、残金が「0」である場合の例を説明する。この場合、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)、制御部52は、まず、持玉数「200」を、ユーザのデポジット数に加算する(S62)。その結果、図9(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数及び持玉数は「0」となり、デポジット数が「100」から「300」に増加する。しかし、この場合、デポジット数は「500」に満たない(図8のS63でNO)。残金も「0」である(S64でNO)。そのため、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(S66)。さらに、図9(e)に示すように、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(図8のS70)。また、制御部52は、残っているデポジット数「300」を減算して「0」にするとともに、減算したデポジット数「300」を貯玉数に加算する。この場合、カードは回収される。
【0049】
(終了処理:図10)
続いて、図10を参照して、カード発行済み(図4参照)のユーザが、持玉を貯玉して遊技を終了する場合の処理(終了処理)について説明する。この処理が行われるための前提条件も、ユーザに対してカードが発行され、かつ、発行されたカードが端末装置20に挿入されて、管理装置50がカード番号を認識していることである。
【0050】
端末装置20の制御部26は、ユーザが終了操作を行うことを監視している(S90)。このとき、ユーザは、タッチパネル22を操作して所定の終了操作を行うことができる。終了操作が行われると(S90でYES)、S91に進み、制御部26は、終了信号を管理装置50に供給する。
【0051】
管理装置50の制御部52は、終了信号を取得すると、その時点のユーザの持玉数と、ユーザのデポジット数とを、ユーザの貯玉数に加算する(S92)。即ち、ユーザのデポジット数が残っていれば、カード発行時に貯玉数から減算されたデポジット数(500個)のパチンコ玉は、終了処理時に貯玉としてユーザに返還されることになる。次いで、S94では、制御部52は、ユーザが残金を有しているか否かを判断する。判断の方法は図6のS44と同様である。S94でYESの場合、S102に進む。一方、S94でNOの場合、S96に進む。
【0052】
S96では、制御部52は、カード回収信号を端末装置20に対して供給する。次いで、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(S100)。一方、端末装置20のカード処理部30は、カード回収信号を取得すると、端末装置20に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出することなく回収する(S98)。このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対してカードが回収されたことを示すメッセージを表示する。S98、S100を終えると、終了処理が終了する。
【0053】
一方、S102では、制御部52は、カード排出信号を端末装置20に供給する。端末装置20のカード処理部30は、カード排出信号を取得すると、端末装置20に現在挿入されている当該ユーザのカードを排出する(S74)。なお、このとき、制御部26は、タッチパネル22に、ユーザに対して残金の精算を促すためのメッセージを表示する。S102、S104を終えると、終了処理が終了する。
【0054】
(終了処理に伴うユーザ管理情報の変遷の例:図11)
上記の終了処理(図10)に伴うユーザ管理情報の変遷の一例を、図11を用いて更に詳しく説明する。図11でも、図5等と同様にユーザ管理情報62(ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの情報)を例として説明する。この例では、図11(a)に示すように、終了操作前の時点では、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」であり、デポジット数は「500」である。なお、残金は「0」であり、持玉数が「5000」である。この例では、ユーザがカード排出操作を行うと、(図8のS60でYES)、制御部52は、持玉数及びデポジット数を、ユーザの貯玉数に加算する(S92)。その結果、図11(b)に示すように、ICチップ識別情報「aaaa」のユーザの貯玉数は「4500」から「10000」に増加する。この場合、デポジット数は「0」になる。また、残金が「0」であるため、制御部52は、端末装置20にカード回収信号を供給する(図8のS94でNO、S96)。次いで、図11(c)に示すように、制御部52は、当該ユーザに対して発行されているカードのカード番号をメモリ60から削除する(図8のS100)。この場合、カードは回収される。
【0055】
(精算処理)
続いて、精算処理(図示しない)について説明する。ユーザは、排出されたカードを遊技店の係員に渡して、残金の精算を依頼することができる。遊技店の係員は、管理装置50を操作し、カード番号に対応付けられてメモリ60に記憶されている残金があることを確認し、残金がある場合、残金を精算する。遊技店の係員は、残金の精算が終了すると、カード番号と、カード番号に対応付けられて記憶されている残金をメモリ60から削除する。遊技店の係員は、カードをユーザに返却することなく回収する。
【0056】
(貯玉しなかった持玉の取扱い)
なお、上記のカード排出処理(図8)の結果、管理装置50によって持玉数がメモリ60に記憶された場合において、ユーザが持玉数を貯玉する処理(図10の終了処理)を行わずに帰宅した場合には、制御部52は、例えば、日付が変わる際(次の日の午前0時)や閉店処理の際に、メモリ60に記憶されている持玉数を当該ユーザの貯玉数に自動的に加算するとともに、持玉数を「0」にするものとする。
【0057】
(本実施例の効果)
以上、第1実施例のユーザ管理装置について詳しく説明した。このユーザ管理システム2では、ユーザが所持する携帯電話機70に固有のICチップ識別情報を端末装置20によって読み取り、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、管理装置50は、ユーザが当該ICチップ識別情報と対応付けられてメモリ60に記憶されている貯玉情報にアクセスすることを許容する(図5参照)。そのため、会員登録済みのユーザは、携帯電話機70を持参すれば、管理装置50で管理されている自身の貯玉情報に適切にアクセスすることができる。また、発行されるカードは、端末装置20に挿入されて使用されるカードであるため、遊技中にカードを挿入したままにしておくことができる。そのため、遊技中に必要に応じてユーザが携帯電話機70を端末装置20に対向させなければならない構成と比較して、遊技中のユーザの操作負担を軽減し得る。
【0058】
第1実施例のユーザ管理システムでは、端末装置20は、ユーザ認証信号を取得すると(図4のS16)、カードを発行し、カードに固有のカード番号を管理装置50に通知する(S18)。このとき、端末装置20は、カードに何も記録しない。従って、読み取られたICチップ識別情報と一致するICチップ識別情報がメモリに記憶されている場合に、管理装置が所定のカード識別情報を割り付けるとともに、端末装置がそのカード識別情報をカードに記録してカードを発行する構成と比較して、端末装置と管理装置の両方の処理負担が少なく済む。
【0059】
第1実施例のユーザ管理システムでは、ユーザの貯玉数がデポジット数を下回る場合であって、ユーザに残金もない場合(図6のS63でNO及びS64でNO)には、端末装置20は、挿入されているユーザのカードを排出することなく回収する(S68)。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを端末装置から排出する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0060】
また、管理装置50は、端末装置20が読み取ったICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合であって(図4のS12でYES)、さらに、ICチップ識別情報と対応付けて記憶されている貯玉数がデポジット数以上である場合に(S14でYES)、ユーザ認証信号を端末装置20に供給する(S16)。この構成によると、ICチップ識別情報と対応付けて記憶されている貯玉数がデポジット数を下回る場合(S14でNO)には、端末装置20はカードを発行しない。そのため、ユーザの求めに応じて毎回カードを発行する構成と比較して、カードの発行枚数が少なく済む。
【0061】
また、管理装置50は、ユーザ認証信号を端末装置20に供給すると、ユーザの貯玉数からデポジット数を減算する(図4のS17)。さらに、終了処理時にデポジット数が残っていれば、カード発行時に貯玉数から減算されたデポジット数(500個)のパチンコ玉は、終了処理時にユーザに返還される(図10のS92)。そのため、仮に、ユーザがカードを自宅に持って帰ったり、紛失したりした場合であっても、遊技店がカード費用の損失を被ることがない。
【0062】
第1実施例のユーザ管理システムでは、終了処理や精算処理を終えると、カードが遊技店に回収される。即ち、上記の第1実施例で発行されるカードは、臨時会員カード(当日会員カード又は仮会員カードと呼び換えてもよい)である。従って、カードの発行枚数を限定することができる。カードの管理負担を少なくすることができる。
【0063】
(対応関係)
第1実施例と本発明との対応関係を説明しておく。携帯電話機70が「携帯媒体」の一例である。また、ICチップ識別情報が「ユーザ識別情報」の一例である。カード番号が「カード識別情報」の一例である。貯玉数が「遊技媒体数情報」の一例である。デポジット数(500個)が「所定値」の一例である。
【0064】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を、第1実施例と異なる点について説明する。第1実施例のユーザ管理システムでは、端末装置20は、ユーザ認証信号を取得すると(図4のS16)、カードを発行し、カードに固有のカード番号を管理装置50に供給する(S18、S20)。このとき、端末装置20は、カードに何も記録しない。これに代えて、第2実施例では、管理装置50は、端末装置20が読み取ったICチップ識別情報がメモリ60に記憶されている場合に、ユーザ認証信号に加えて、当該ICチップ識別情報に対応付けられてメモリ60に記憶されているユーザ管理情報62等の一部又は全部の情報(以下では「ユーザ情報」と呼ぶ)を端末装置20に供給する。端末装置20は、ユーザ認証信号と、ユーザ情報を取得すると、カードを発行するとともに、当該カードに上記ユーザ情報を記録する。例えば、この実施例では、持玉数と残金の情報をカードに記録させ、貯玉数はカードに記録させないようにすることができる。
【0065】
本実施例の場合、例えば、持玉を利用した再プレイ処理によってメモリ60に記憶されている持玉数が減算される場合には、端末装置20は、カードに記録されている当該ユーザの持玉数を合わせて減算させる。メモリ60に記憶されている情報と、カードに記録されている情報とを一致させることができる。
【0066】
即ち、第2実施例によると、端末装置20は、管理装置50から取得したユーザ情報をカードに記録することができる。即ち、メモリ60に記憶されているデータのバックアップをカードに記録することができる。
【0067】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0068】
(変形例1) 上記の各実施例では、携帯電話機70に内蔵されているICチップに固有のICチップ識別情報を、ユーザ識別情報としている。これに代えて、ユーザ識別情報は、ユーザが所持している各種個人カード(例えば、運転免許証、電子マネーカード等)に内蔵されているICチップに含まれるICチップ識別情報であってもよい。また、ユーザの指紋や網膜等、ユーザに固有の生体情報であってもよい。ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報であれば、任意の携帯媒体の任意のユーザ情報を用いてもよい。
【0069】
(変形例2) 上記の各実施例では、端末装置20がカードを発行する場合、ユーザによってカード排出操作が行われない限り、カードは端末装置20に挿入されたままである(図4のS18)。これに代えて、端末装置20がカードを発行すると、端末装置20は、発行したカードを排出するようにしてもよい。その場合、ユーザは、排出されたカードを用いて再プレイ処理等を行う場合に、端末装置20に再度カードを挿入するようにしてもよい。この変形例も、「前記端末装置は、前記管理装置から取得された前記ユーザ認証信号に従って、前記端末装置に挿入されて使用されるカードを発行する」の一例である。
【0070】
(変形例3) 上記の各実施例では、遊技店は、ユーザが会員登録を行って、ICチップ識別情報を管理装置50のメモリ60に記憶する場合に、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カードをユーザに発行しない。これに代えて、遊技店は、ユーザが会員登録を行った際に、ユーザ固有の会員IDが記録された会員カード(いわゆる正会員カード)をユーザに発行してもよい。その場合、管理装置50は、会員IDとユーザ管理情報とを対応付けてメモリ60に記憶する。また、この場合、ユーザは、端末装置20に会員カードを挿入すれば、図4に示すカード発行処理を行うことなく、自己の貯玉情報にアクセスすることができる。この変形例におけるメモリ60も「ユーザ管理情報が記憶されているメモリを備え」の一例である。
【0071】
(変形例4) 上記の各実施例では、デポジット数を500個、一回の再プレイ数を100個としているが、デポジット数、再プレイ数に相当するパチンコ玉の数は、上記数量に限らず、任意の数量とすることができる。
【0072】
(変形例5) 上記の各実施例では、カード排出処理(図8)において、管理装置50が端末装置20にカード排出信号又はカード回収信号を送信する。これに代えて、管理装置50は、ユーザのカード排出操作に対してのOK信号又はNG信号を端末装置20に送信するようにしてもよい。管理装置20は、OK信号を受信するとカードを排出し、一方、管理装置20は、NG信号を受信するとカードを回収するようにしてもよい。
【0073】
(変形例6) 上記の各実施例では、ユーザが端末装置20のタッチパネル22を操作して所定のカード発行処理を行った場合にカード発行処理(図4)を開始した。これに代えて、端末装置20がカード発行ボタンを有していてもよい。この場合、ユーザがカード発行ボタンを押した場合にカード発行処理が開始される。この構成によると、ユーザがカード発行処理をより簡単に開始することができる。
【0074】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
2:ユーザ管理システム
10:遊技機
20:端末装置
22:タッチパネル
24:読み取り部
30:カード処理部
32:紙幣処理部
34:玉貸し部
50:管理装置
52:制御部
60:メモリ
70:携帯電話機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と管理装置とを備えるユーザ管理システムであって、
前記管理装置は、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応付けられている遊技媒体数情報とを含むユーザ管理情報が記憶されているメモリを備え、
前記端末装置は、ユーザが所持する携帯媒体からユーザ識別情報を読み取り、読み取った前記ユーザ識別情報を前記管理装置に供給し、
前記管理装置は、前記端末装置から取得された前記ユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号を前記端末装置に供給し、
前記端末装置は、前記管理装置から前記ユーザ認証信号を取得すると、前記端末装置に挿入されて使用されるカードを発行するとともに、発行された前記カードが有する特定のカード識別情報を管理装置に供給し、
前記管理装置は、前記端末装置から取得された前記特定のカード識別情報を前記特定のユーザ管理情報と対応付けて前記メモリに記憶させるとともに、前記端末装置に前記特定のカード識別情報と一致するカード識別情報を有するカードが挿入されている場合に、前記ユーザが前記特定のユーザ管理情報にアクセスすることを許容する、
ユーザ管理システム。
【請求項2】
前記管理装置によって前記ユーザが前記特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容された場合に、前記特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値を下回る場合には、
前記端末装置は、挿入されている前記カードを排出することなく回収する、
請求項1に記載のユーザ管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合であって、前記特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値以上である場合に、前記ユーザ認証信号を前記端末装置に供給する、
請求項1又は2に記載のユーザ管理装置。
【請求項4】
前記管理装置は、前記特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記ユーザ認証信号に加えて、さらに、前記特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を前記端末装置に供給し、
前記端末装置は、前記カードを発行するとともに、当該カードに前記管理装置から取得された前記特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を記録する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザ管理装置。
【請求項1】
端末装置と管理装置とを備えるユーザ管理システムであって、
前記管理装置は、ユーザが所持する携帯媒体に固有のユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応付けられている遊技媒体数情報とを含むユーザ管理情報が記憶されているメモリを備え、
前記端末装置は、ユーザが所持する携帯媒体からユーザ識別情報を読み取り、読み取った前記ユーザ識別情報を前記管理装置に供給し、
前記管理装置は、前記端末装置から取得された前記ユーザ識別情報と一致する特定のユーザ識別情報を含む特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合に、ユーザ認証信号を前記端末装置に供給し、
前記端末装置は、前記管理装置から前記ユーザ認証信号を取得すると、前記端末装置に挿入されて使用されるカードを発行するとともに、発行された前記カードが有する特定のカード識別情報を管理装置に供給し、
前記管理装置は、前記端末装置から取得された前記特定のカード識別情報を前記特定のユーザ管理情報と対応付けて前記メモリに記憶させるとともに、前記端末装置に前記特定のカード識別情報と一致するカード識別情報を有するカードが挿入されている場合に、前記ユーザが前記特定のユーザ管理情報にアクセスすることを許容する、
ユーザ管理システム。
【請求項2】
前記管理装置によって前記ユーザが前記特定のユーザ管理情報にアクセスすることが許容された場合に、前記特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値を下回る場合には、
前記端末装置は、挿入されている前記カードを排出することなく回収する、
請求項1に記載のユーザ管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合であって、前記特定のユーザ管理情報に含まれる遊技媒体数情報が示す値が所定値以上である場合に、前記ユーザ認証信号を前記端末装置に供給する、
請求項1又は2に記載のユーザ管理装置。
【請求項4】
前記管理装置は、前記特定のユーザ管理情報が前記メモリに記憶されている場合に、前記ユーザ認証信号に加えて、さらに、前記特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を前記端末装置に供給し、
前記端末装置は、前記カードを発行するとともに、当該カードに前記管理装置から取得された前記特定のユーザ管理情報の少なくとも一部の情報を記録する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のユーザ管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−235858(P2012−235858A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105919(P2011−105919)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】
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