説明

ラジウム岩盤ミスト浴装置

【課題】 本発明は、秋田県田沢湖町玉川温泉産の湯の花入りのラジウム平盤を利用した岩盤浴室を設けて、ラジウム含有温水を蒸気発生機によってラジウムスチームを発生させるラジウム岩盤ミスト浴装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置は、火山岩砕石を床材として布設し、該床材にラジウム平盤を床面積に対して適宜の割合で敷き、前記床材中に埋設された温水コイル1により床面暖房を行う岩盤浴室と、熱交換器4により上水道からの冷水を温水に熱交換すると共に前記熱交換器4内のラジウム鉱石によりラジウム放射能を含む温水に変換し、さらに前記熱交換器から供給された前記ラジウム放射能を含む温水をラジウム放射能含有スチームミストに変換して前記岩盤浴室内に噴出する蒸気発生機2とを設けてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、秋田県田沢湖町玉川温泉産出の北投石を利用してラジウム含有スチームを発生させるラジウム岩盤ミスト浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、秋田県田沢湖町玉川温泉は、地熱で温められた北投石を含む岩盤からのラジウム放射線が放出されており、その岩肌の上にゴザを敷いて横になる「岩盤浴」で全国的に有名であり、この岩盤浴に倣って自宅あるいは営業入浴施設、介護施設、美容施設等で実現する波動温熱浴用温熱盤が公知となっている(特許文献1を参照)。
また、同玉川温泉産の湯の花に含まれるラジウム放射能を利用した湯の花セラミックスも公知となっている(特許文献2を参照)。
なお、秋田県田沢湖町玉川温泉産出の北投石は、大正11年に天然記念物、昭和27年に特別天然記念物に指定されており、その採取が厳禁となっている。
【特許文献1】特開2004‐261547号公報
【特許文献2】特開2004‐307313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、秋田県田沢湖町玉川温泉産の湯の花入りのラジウム平盤を利用した岩盤浴室を設けて、秋田県田沢湖町玉川温泉産出の北投石を利用して温水にラジウム放射能を含有させ、このラジウム含有温水を蒸気発生機によってラジウムスチームを発生させるラジウム岩盤ミスト浴装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置は、火山岩砕石を床材として布設し、該床材にラジウム平盤を床面積に対して適宜の割合で敷き、前記床材中に埋設された温水コイルにより床面暖房を行う岩盤浴室と、上流側にラジウム鉱石の収納された熱交換器が設置され、該熱交換器内には前記床面暖房の温水コイルが配管され、前記熱交換器は上水道からの冷水を温水に熱交換すると共に前記熱交換器内のラジウム鉱石によりラジウム放射能を含む温水に変換し、さらに前記熱交換器から供給された前記ラジウム放射能を含む温水をラジウム放射能を含むスチームミストに変換して前記岩盤浴室内に噴出する蒸気発生機とを設けてなるものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置は、ラジウム平盤を利用した岩盤浴室を設けて、温水にラジウム放射能を含有させ、このラジウム含有温水を蒸気発生機によって岩盤浴室内にラジウムスチームを発生させるため、秋田県田沢湖町玉川温泉産出の北投石を最小限の量で最大の効果をあげることが出来る。
従来の蒸気発生機には冷水が送られるので熱効率が悪いが、本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置では、床面暖房用の熱交換器で温水化したラジウム水を蒸気発生機に送ることができるので、蒸気発生機の負担が少ない。
本発明の床面暖房を行う循環温水コイルでは、銅管で温水を循環させることにより、熱伝導がより強力になり、年間や地域の気温差に関係なく一定温度を保つ。
本発明は、多孔質の火山岩砕石を使用することにより、細かなミストが室内で流動し、床がほとんど濡れない。
本発明は、火山岩砕石と湯の花ラジウム平盤を敷き詰めることにより、ラジウム、イオウ、遠赤外線、ミネラル、マイナスイオン効果が期待できる。
従来の岩盤浴室では場所によって温度差が生じ易く、冬期は全体の温度が下がるが、本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置ではラジウムスチームにより、浴室内の温度と湿度を一定に保つことできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置の一実施例を図1に基づいて、以下に説明する。
本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置は、秋田県八幡平焼山砕石(以下、「火山岩砕石」という。)を床材として布設し、該床材中に埋設された温水コイル1により床面暖房を行う岩盤浴室と、該岩盤浴室にラジウムスチームを供給する蒸気発生機2とからなる。
前記岩盤浴室は、木造りにより周囲を形成された部屋空間を有し、床面には火山岩砕石を所定厚みで布設し、該火山岩砕石の表面上に銅管からなる温水コイル1を往復循環により床部全体が均一に加温されるように配管し、次に前記温水コイル1が完全に被覆される厚みで化粧砂利を布設する。
銅管からなる温水コイル1のピッチは100mm〜200mmの調整を可能とする。
なお、清潔を保つため、化粧砂利の下に耐熱性のメッシュネットを敷き、人毛等が火山岩砕石中に落ちて行かないようにすると共に、化粧砂利と砕石の混合を防ぎ、かつ火山岩砕石の盗難防止ともなる。
したがって、前記岩盤浴室の床部は、床表面側から前記化粧砂利、前記温水コイル1、前記火山岩砕石の順に3層構造になっており、前記温水コイル1に温水を循環させることにより前記化粧砂利を加温して床面暖房を行うことができる。
また、前記岩盤浴室の床部には、秋田県田沢湖町玉川温泉産の湯の花入りのラジウム平盤を床面積に対して適宜の割合で敷き、床面暖房の熱で前記ラジウム平盤からの微量のラジウム放射能を放出させるようにする。
なお、前記ラジウム平盤は、玉川温泉産の湯の花を硬化剤で矩形に固めたものであって、必要に応じて適宜の割合で敷くが、床面積に対して40%前後であれば十分である。
岩盤浴室の床部は施工段階から傾斜し、U字溝を設けているので、人体から排出される老廃物等が底に滞留せず、洗い流せる。
前記岩盤浴室の隣の機械室には石油燃焼式の温水ボイラー3を設置し、該温水ボイラー3から往路側の配管を介して後述する熱交換器4、循環ポンプ5を経て前記岩盤浴室の温水コイル1に温水を供給し、前記岩盤浴室の温水コイル1を温水が往復循環し、前記岩盤浴室の温水コイル1から復路側の配管を介して前記温水ボイラー3に温水を戻す温水循環回路が形成される。
なお、前記温水ボイラー3には、燃料となる石油を貯めておく油タンク6、前記温水ボイラー3に水を補給する上水道7がそれぞれ配管接続される。
【0007】
前記蒸気発生機2の上流側に北投石の収納された熱交換器4が設置され、該熱交換器4内には前記温水ボイラー3の温水コイル1が配管され、前記熱交換器4は上水道7からの冷水を温水に熱交換すると共に前記熱交換器4内の北投石によりラジウム放射能を含む温水(以下、「ラジウム温水」という。)に変換する。
なお、北投石は大正11年に天然記念物、昭和27年に特別天然記念物に指定されているので、大正11年以前に採取したものを使用するが、北投石に代えてラジウム鉱石を使用するのであれば同等の効果が得られる。
また、上水道7からの冷水は、塩素分や鉄分を除去する浄水器8、カルシウム分を除去する軟水器9を介して前記熱交換器4に供給される。
前記蒸気発生機2は、前記熱交換器4から供給されたラジウム温水をラジウム放射能を含むスチームミスト(以下、「ラジウムミスト」という。)に変換して前記岩盤浴室内に噴出する。
【0008】
次に、本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置への入浴動作について、以下に説明する。
温水ボイラー3を始動させ、該温水ボイラー3から往路側の配管を介して熱交換器4、循環ポンプ5、温水コイル1、復路側の配管を介して前記温水ボイラー3に戻る温水循環回路に温水を循環させる。
前記岩盤浴室内が温水コイル1の作用で暖まったら、前記熱交換器4から蒸気発生機2にラジウム温水を供給し、蒸気発生機2からラジウムミストを噴射させ、岩盤浴室内にラジウムミストを供給する。
前記岩盤浴室内は、岩盤浴室の床材とラジウムミストの温度差により、雲状態のラジウムミストが形成され、室内にて静かに雲状態で流動する。
また、前記岩盤浴室の床部には、床材として秋田県八幡平焼山砕石(火山岩砕石)を使用しているので、ミネラルとマイナスイオンが発生する。
前記岩盤浴室の入浴法は、最初にラジウム平盤上に20分間横たわって直接微量のラジウム放射能を浴び、その後、いす等に腰掛けて上方に位置する雲状態のラジウムミストを10分間吸入する。
次に、今度はラジウム平盤以外の場所に横たわり、500mlのラジウム水(ラジウム放射能を含んだ水)を飲みながら、全体で30〜40分間の入浴をする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のラジウム岩盤ミスト浴装置の説明図である。
【符号の説明】
【0010】
1 温水コイル
2 蒸気発生器
3 温水ボイラー
4 熱交換器
5 循環ポンプ
6 油タンク
7 上水道
8 浄水器
9 軟水器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火山岩砕石を床材として布設し、該床材にラジウム平盤を床面積に対して適宜の割合で敷き、前記床材中に埋設された温水コイルにより床面暖房を行う岩盤浴室と、上流側にラジウム鉱石の収納された熱交換器が設置され、該熱交換器内には前記床面暖房の温水コイルが配管され、前記熱交換器は上水道からの冷水を温水に熱交換すると共に前記熱交換器内のラジウム鉱石によりラジウム放射能を含む温水に変換し、さらに前記熱交換器から供給された前記ラジウム放射能を含む温水をラジウム放射能を含むスチームミストに変換して前記岩盤浴室内に噴出する蒸気発生機とを設けてなることを特徴とするラジウム岩盤ミスト浴装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
火山岩砕石を床材として布設し、該床材にラジウム平盤を床面積に対して適宜の割合で敷き、前記床材中に埋設された温水コイルにより床面暖房を行う岩盤浴室と、上流側にラジウム鉱石の収納された熱交換器が設置され、該熱交換器内には循環ポンプを介して前記床面暖房の温水コイルが配管され、前記熱交換器は上水道からの冷水を温水に変換すると共に前記熱交換器内のラジウム鉱石によりラジウム放射能を含む温水に変換し、さらに前記熱交換器から供給された前記ラジウム放射能を含む温水をラジウム放射能を含むスチームミストに変換して前記岩盤浴室内に噴出する蒸気発生機とを設けてなることを特徴とするラジウム岩盤ミスト浴装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−217932(P2006−217932A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31261(P2005−31261)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【特許番号】特許第3702288号(P3702288)
【特許公報発行日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(505049250)株式会社 東拓コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】