説明

ランプ装置

【課題】 放電発光管に熱的に接続されている伝熱材と口金との熱的接続及び固定を簡単に行うことができるランプ装置を提供する。
【解決手段】 ランプ装置1は、最冷点部10を有する細管部4を備えた放電発光管8と、放電発光管8を保持する放電発光管保持手段としてのインナーケース6と、一端側でインナーケース6を支持し、他端側で電源に接続されるE26口金2と連結され、放電発光管8を点灯するための点灯回路を収納する点灯回路収納カバー3とを具備するものであって、細管部4の最冷点部10と口金2とを熱的に接続する伝熱材としての銅製金具5を備える。口金2側の銅製金具5は、点灯回路収納カバー3と口金2との間に挟まれて固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、放電発光管及びそれを点灯するための点灯回路を備えたランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー等を目的として、インバータ式点灯回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプ等のランプ装置が多く使用されるようになってきた。一般的に、この種の電球形蛍光ランプの点灯時における放電発光管の輻射熱は、直線形・丸形の蛍光ランプの輻射熱よりも高い。そのため、蛍光ランプの発光に不可欠な水銀の供給形態を両ランプで変えているのが現状である。すなわち、低輻射熱の直線形・丸形の蛍光ランプの場合は、純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入しているため、低温で放電発光管内の水銀蒸気圧が最適になり、始動時から安定点灯時まで一定の十分な光出力が得られる。これに対し、高輻射熱の電球形蛍光ランプの場合は、純水銀よりも高温で放電発光管内の水銀蒸気圧が最適になる水銀アマルガムを封入しているため、安定点灯時には十分な光出力が得られるが、始動時の低温時には十分な光出力が得られない。
【0003】
高輻射熱である電球形蛍光ランプにおいても始動時から十分な光出力を得るためには、直線形・丸形の蛍光ランプと同様に純水銀または純水銀にほぼ等しい特性を持つ水銀アマルガムを封入するうえ、放電発光管の輻射熱を外部に放出して、放電発光管内の水銀が集まる最冷点温度を直線形・丸形の蛍光ランプに近づける必要がある。
【0004】
この種のランプ装置は、例えば特許文献1に記載されている。この技術は、点灯中のランプ装置の放電発光管と口金を熱伝導材で熱的に接続することでランプ装置の放電発光管の熱を熱伝導材と口金を介して、電源口金ソケットに放熱することにより、放電発光管の最冷点温度を下げて始動時と安定点灯時に十分に光出力を得ようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−11957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放電発光管に熱的に接続されている熱伝導材(伝熱材)と口金との熱的接続及び固定手段は、はんだ付けや溶接によると組立工程が複雑になるため、簡単な構造での固定手段の実現が望まれている。
【0007】
従って本発明の目的は、放電発光管に熱的に接続されている伝熱材と口金との熱的接続及び固定を簡単に行うことができるランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下のランプ装置を提供する。
(1)最冷点部を有する細管部を備えた放電発光管と、前記放電発光管を保持する放電発光管保持手段と、一端側で前記放電発光管保持手段を支持し、他端側で電源に接続される口金と連結され、前記放電発光管を点灯するための点灯回路を収納する点灯回路収納カバーとを具備するランプ装置であって、前記細管部の最冷点部と前記口金とを熱的に接続する伝熱材を備え、前記口金側の伝熱材が前記点灯回路収納カバーと前記口金との間に挟まれて固定されたことを特徴とするランプ装置。
(2)前記伝熱材の固定が、かしめによる固定であることを特徴とする上記(1)記載のランプ装置。
(3)前記点灯回路収納カバーが、前記伝熱材を通す開口部を有することを特徴とする上記(1)または(2)記載のランプ装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放電発光管に熱的に接続されている伝熱材と口金との熱的接続及び固定を簡単に行うことができるランプ装置を提供することができる。これにより、始動時から安定点灯時まで十分な光出力を有するランプ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明の一実施例に係るランプ装置を示す斜視図、(b)は(a)中の口金を点灯回路収納カバーに連結したときのA部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るランプ装置の実施例を蛍光ランプの場合を例にとって図面にしたがって説明する。図1(a)は本発明の一実施例に係るランプ装置を示す斜視図、(b)は(a)中の口金を点灯回路収納カバーに連結したときのA部の断面図である。図において、参照符号1はランプ装置、2は例えばE26口金、3は点灯回路収納カバー、4は放電発光管の最冷点部を有する細管部、5は銅製金具(伝熱材)、6はインナーケース(放電発光管保持手段)、7はガラスグローブ等のグローブ、8は内面に蛍光体が塗布された放電発光管、9は点灯回路収納カバーに設けられたスリット(開口部)、10は放電発光管の最冷点部である。
【0012】
ランプ装置1は、図1(a)に示すように、最冷点部10を有する細管部4を備えた放電発光管8と、放電発光管8を保持する放電発光管保持手段としてのインナーケース6と、一端側でインナーケース6を支持し、他端側で電源に接続されるE26口金2と連結され、放電発光管8を点灯するための点灯回路(図示せず)を収納する点灯回路収納カバー3とを具備するものであって、細管部4の最冷点部10と口金2とを熱的に接続する伝熱材としての銅製金具5を備える。本図では分かり易くするため口金2と点灯回路収納カバー3とを分離して示している。細管部4側の銅製金具5は、細管部4の最冷点部10を含む箇所の周囲に巻かれており、これにより熱的接続を良好にする。また、口金2側の銅製金具5は、点灯回路収納カバー3と口金2との間に挟まれて固定される。この挟み込み固定により、はんだ付けや溶接などを行うことなく、伝熱材と口金との熱的接続及び固定を簡単構造で実現することができる。なお、本実施例では、伝熱材として銅製金具5を用いたが、これに限定されることはなく、その他の金属金具あるいは別の熱伝導部材を用いてもよい。
【0013】
点灯回路収納カバー3は、図1(b)に示すように、口金側に位置する板状の銅製金具5を通す開口部としてスリット9を有する。スリット9を点灯回路収納カバー3のE26口金2側に設けることにより、銅製金具5を実質的にランプ装置の外部に露出しないように配置することができる。また、スリット9に銅製金具5の一端を通し、点灯回路収納カバー3の口金取り付け部で点灯回路収納カバー3とE26口金2との間に銅製金具5を挟み込む構成としたことにより、点灯回路収納カバー3の一部が断熱材として機能することとなるため、点灯回路(図示せず)の発熱による輻射熱の銅製金具5への伝達効率を低減することができる。本実施例では、点灯回路収納カバー3の開口部は長方形のスリット9としたが、形状はこれに限定されず、銅製金具5等の伝熱材の断面形状に合わせて形成することができる。
【0014】
また、銅製金具5はE26口金2と熱的に接続されるものであり、本実施例では点灯回路収納カバー3とE26口金2との間に銅製金具5を挟んで固定している。この場合、さらにE26口金2の外表面から銅製金具5と点灯回路収納カバー3をかしめることにより、口金2と点灯回路収納カバー3と銅製金具5との熱的接続および固定をより確実にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明はランプ装置に係り、放電発光管に熱的に接続されている伝熱材と口金との熱的接続及び固定を簡単に行うことができるランプ装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0016】
1 ランプ装置
2 E26口金
3 点灯回路収納カバー
4 最冷点部を有する細管部
5 銅製金具(伝熱材)
6 インナーケース(放電発光管保持手段)
7 ガラスグローブ
8 放電発光管
9 点灯回路収納カバーに設けられたスリット
10 放電発光管の最冷点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最冷点部を有する細管部を備えた放電発光管と、前記放電発光管を保持する放電発光管保持手段と、一端側で前記放電発光管保持手段を支持し、他端側で電源に接続される口金と連結され、前記放電発光管を点灯するための点灯回路を収納する点灯回路収納カバーとを具備するランプ装置であって、前記細管部の最冷点部と前記口金とを熱的に接続する伝熱材を備え、前記口金側の伝熱材が前記点灯回路収納カバーと前記口金との間に挟まれて固定されたことを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記伝熱材の固定が、かしめによる固定であることを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
前記点灯回路収納カバーが、前記伝熱材を通す開口部を有することを特徴とする請求項1または2記載のランプ装置。

【図1】
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