説明

ランプ装置

【課題】 着脱自在に組み合わせ可能なランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を提供する。
【解決手段】 本ランプ装置は、放電発光管11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3および放電発光管11を点灯するための点灯駆動回路5を有する回路部1とを着脱自在に備える。ランプ部2と回路部1とが、互いに嵌合する凸部13および凹部15をそれぞれ有する。取り付けの際には、ランプ部2を回路部1に押し込んで横回転の力を加えて回転したのち押し込みを開放して凸部13と凹部15とを嵌合させ、取り外しの際には、ランプ部2を回路部1に押し込んで取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち押し込みを開放して凸部13と凹部15との嵌合を解除するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光体及びそれを点灯するための例えばインバータ式点灯駆動回路を備え、着脱自在に組み合わせ可能なランプ部と回路部とを有するランプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー等を目的として、インバータ式点灯駆動回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプ等のランプ装置が多く使用されるようになってきた。
【0003】
この種の蛍光ランプは、例えば特許文献1に記載されている。このような、従来のインバータ式点灯駆動回路を内蔵した電球形やコンパクト形の蛍光ランプにあっては、放電発光管とインバータ式点灯駆動回路が一体化されている。そのため、寿命に至った放電発光管の交換については構造上考慮されておらず、インバータ式点灯駆動回路を内蔵した蛍光ランプ全体を交換するしかなかった。
【特許文献1】特開2002−15702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光ランプが寿命に至った場合、従来のように蛍光ランプ全体を交換するのではなく、放電発光管とインバータ式点灯駆動回路が着脱自在に組み合わされたランプ部及び回路部から成る蛍光ランプを作製し、ランプ寿命時にはランプ部だけを交換し回路部は再利用することが考えられる。このような構成によれば、近年の更なる省エネルギー、省資源化の要求に沿うものになると期待されるが、それにはランプ装置としての使い勝手の向上が欠かせない。その一つの手段として、ランプ装置におけるランプ部と回路部の円滑な着脱構造が必要である。
【0005】
従って本発明の目的は、着脱自在に組み合わせ可能なランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、発光体を有するランプ部と、電源に接続される口金および前記発光体を点灯するための点灯駆動回路を有する回路部とを着脱自在に備えたランプ装置であって、前記ランプ部と前記回路部とが互いに嵌合するランプ部側嵌合部材および回路部側嵌合部材をそれぞれ有し、取り付けの際には、前記ランプ部を前記回路部に押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記ランプ部を前記回路部に押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したランプ装置により達成される。
【0007】
ここで、前記ランプ部側嵌合部材および前記回路部側嵌合部材のうちの一方が凸部で他方が凹部であるように構成することができる。この場合、前記凸部および凹部が、前記取り付けの際、互いに接触し滑って縦方向の移動を補助する傾斜部をそれぞれ有することができる。また、前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合をロックするロック機構を有することができる。
【0008】
本発明に係るランプ体は、電源に接続される口金、発光体を点灯するための点灯駆動回路、およびランプ体と嵌合するための回路部側嵌合部材を有するランプ点灯回路装置に対して着脱自在に構成されたランプ体であって、発光体、および前記ランプ点灯回路装置と嵌合するためのランプ部側嵌合部材を有し、取り付けの際には、前記回路部に押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記回路部に押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したものである。
【0009】
本発明に係るランプ点灯回路装置は、発光体、およびランプ点灯回路装置と嵌合するためのランプ部側嵌合部材を有するランプ体に対して着脱自在に構成されたランプ点灯回路装置であって、電源に接続される口金、前記発光体を点灯するための点灯駆動回路、および前記ランプ体と嵌合するための回路部側嵌合部材を有し、取り付けの際には、前記ランプ体を押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記ランプ体を押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着脱自在に組み合わせ可能なランプ部と回路部の円滑な着脱構造を有するランプ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るランプ装置の実施例を蛍光ランプの場合を例にとって図面にしたがって説明する。図中に記載する参照符号は以下に説明する各実施例において全て共通符号とする。各図において、参照符号1は蛍光ランプの回路部(ランプ点灯回路装置)、2は蛍光ランプのランプ部(ランプ体)、3はE26口金、4はインバータ式点灯駆動回路収納カバー、5はインバータ式点灯駆動回路、6は接続ピンとインバータ式点灯駆動回路との導電接続金具(回路部導電部材)、7は接続ピン(ランプ部導電部材)、8は接続ピンと発光管電極部との接続リード線、9は発光管収納カバー、10はインナーケース(発光管保持部材)、11は放電発光管、12はガラスグローブ、13、14は発光管収納カバー9に形成された凸部(ランプ部側嵌合部材)、15、16は点灯駆動回路収納カバー4に形成された凹部(回路部側嵌合部材)、17は電源口金ソケット、18、19、19’は傾斜部、20は溝部、21、22は垂直面、23、24は傾斜角、25、26は角、30は突起部である。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わせ可能な回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図であり、(a)は取り外し状態、(b)は取り付け状態である。図示のように、本蛍光ランプは、放電発光管(発光体)11を有するランプ部2と、電源に接続される口金3および放電発光管11を点灯するためのインバータ式点灯駆動回路5を有する回路部1とを着脱自在に組み合わせたものである。
【0013】
ランプ部2は、放電発光管11を保持するインナーケース(発光体保持手段)10と、放電発光管11の電極に接続された接続ピン(ランプ部接続手段)7と、発光管収納カバー9と発光管収納カバー9に形成された凸部13(14)を備えた構造である。凸部13と14は同一構造であり実施例では発光管収納カバー9に2箇所形成しているが形成箇所は2箇所に限らない。
【0014】
回路部1は、接続ピン7に係合しインバータ式点灯駆動回路5に接続される導電接続金具(回路部接続手段)6と、点灯駆動回路5を収納する点灯駆動回路収納カバー4と、凸部13(14)に係合する点灯駆動回路収納カバー4に形成された凹部15(16)を備えた構造である。本実施例の導電接続金具6は、接続ピン7が挿入され接続ピン7と接触を保ちながらランプ部2の回転方向に移動可能な溝を有する。凹部15と16は同一構造であり実施例では点灯駆動回路収納カバー4に2箇所形成しているが形成箇所は2箇所に限らない。また本実施例とは逆に、凸部13(14)を回路部1に、凹部15(16)をランプ部2に設けるように構成してもよい。
【0015】
図2は、本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わせ可能な回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図であり、(a)は取り外し状態、(b)は取り付け状態である。本実施例は、導電接続金具6が、取り付けの際に接続ピン7に押されるが、反発力で接続ピン7を押し返して接触を保ちながらランプ部2の回転方向に移動可能なばね性のある部材からなる点で第1の実施例と異なるが、その他の点では第1の実施例と同様の構成である。
【0016】
図3は、回路部1とランプ部2の着脱の際の凸部13(14)の挙動を示す上方断面図である。図4は、凸部13(14)と凹部15(16)の拡大詳細図で、(a)は凸部13(14)の図1におけるA方向正面図、(b)は凹部15(16)の図1におけるA方向正面図である。図5は、回路部1とランプ部2の着脱の際の凸部13(14)と凹部15(16)の挙動を示す説明図で、(a)は取り付け時、(b)は取り外し時である。
【0017】
回路部1は電源に接続される片口金がE形口金である。このため、ランプ部2を握って蛍光ランプをE形である電源口金ソケット17から外す際、回路部1に取り付けられているランプ部2も連動して回路部から外れてしまう場合がある。そこで、凸部13(14)に係合する凹部15(16)には、凸部13(14)を係合すると同時に凸部13(14)をロックする機構を備えることが望ましい。
【0018】
すなわち、回路部1へのランプ部2の取り付けの際には、ランプ部2を回路部1に押し込んで(突き当ててもよい)(図5(a−1))、横回転の力を加えることで凸部13(14)は傾斜部18を凹部15(16)の突起部30の傾斜部19に接触させて傾斜部19を滑り上がり(図5(a−2))、すなわち傾斜部18、19が互いに接触し滑って縦方向(ランプ縦軸方向)の移動を補助し、同時に接続ピン7は導電接続金具6の溝に挿入され(図1)、あるいは、ばね性のある導電接続金具6を押し上げる(図2)。後者の場合、ばね性のある導電接続金具6は、凸部13(14)が凹部15(16)の溝部20に落とし込まれたときに(図5(a−3))、接続ピン7を介して凸部13(14)を溝部20に押し付けることにより嵌合状態となり、同時に凸部13(14)をロックした状態となる。このとき、凸部13(14)は凹部15(16)の2つの垂直面21、22に挟まれるため、ランプ部1に横回転を加えてもロックは解除できない。このように、ばね性を有する導電接続金具6の反発力により接続ピン7を介して凸部13(14)と凹部15(16)の嵌合をロックするロック機構を構成することができる。ロック機構は本実施例に限定されるものではなく、導電接続金具でなく別の部材を設けて凸部と凹部の嵌合をロックするようにしてもよい。
【0019】
回路部1からランプ部2の取り外しの際には(図5(b−1))、ランプ部2を回路部1の方向に押し込むことにより、凸部13(14)は凹部15(16)の2つの垂直面21、22より抜け出し(図5(b−2))、このとき取り付けの際にランプ部2に加えた横回転とは逆方向に力を加えることにより嵌合とロックが解除され(図5(b−3))、回路部2からランプ部2を引き抜くことで取り外しが完了する。
なお、傾斜部18、19、19’の傾斜角23、24は90°未満であることが望ましい。また、角25、26は90°であることが望ましい。
【0020】
このように、ランプ部と回路部との接続手段において、取り付けの際にはランプ部は回路部に押し込んで横回転の力を加えることで嵌合させ、取り外しの際は、ランプ部を回路部に押し込んだ後に取り付けの際の横回転と逆方向の力を前記ランプ部に加えることで嵌合を解除できる。
【0021】
なお、上記実施例では放電発光管を用いた蛍光ランプについて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、発光体として例えばHID管やLEDを用いたランプ装置にも適用することができる。また、ガラスグローブ12を設けないランプ装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明はランプ装置に係り、特に口金、発光体及びそれを点灯するための例えばインバータ式点灯駆動回路を備え、着脱自在に組み合わせ可能なランプ部と回路部とを有するランプ装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施例に係る着脱自在に組み合わせ可能な回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図であり、(a)は取り外し状態、(b)は取り付け状態である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る着脱自在に組み合わせ可能な回路部及びランプ部から成る蛍光ランプを示す図であり、(a)は取り外し状態、(b)は取り付け状態である。
【図3】本発明品の回路部1とランプ部2の着脱の際の凸部13(14)の挙動を示す上方断面図である。
【図4】凸部13(14)と凹部15(16)の拡大詳細図で、(a)は凸部13(14)の図1におけるA方向正面図、(b)は凹部15(16)の図1におけるA方向正面図である。
【図5】回路部1とランプ部2の着脱の際の凸部13(14)と凹部15(16)の挙動を示す説明図で、(a)は取り付け時、(b)は取り外し時である。
【符号の説明】
【0024】
1 本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプの回路部
2 本発明の第1の実施例に係る蛍光ランプのランプ部
3 E26口金
4 インバータ式点灯駆動回路収納カバー
5 インバータ式点灯駆動回路
6 導電接続金具(回路部接続手段)
7 接続ピン(ランプ部接続手段)
8 接続ピンと発光管電極部との接続リード線
9 発光管収納カバー
10 インナーケース(発光体保持手段)
11 放電発光管(発光体)
12 ガラスグローブ
13、14 発光管収納カバー9に形成された凸部
15、16 点灯駆動回路収納カバー4に形成された凹部
17 電源口金ソケット
18、19、19’ 傾斜部
20 溝部
21、22 垂直面
23、24 傾斜角
25、26 角
30 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体を有するランプ部と、電源に接続される口金および前記発光体を点灯するための点灯駆動回路を有する回路部とを着脱自在に備えたランプ装置であって、前記ランプ部と前記回路部とが互いに嵌合するランプ部側嵌合部材および回路部側嵌合部材をそれぞれ有し、取り付けの際には、前記ランプ部を前記回路部に押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記ランプ部を前記回路部に押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したことを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記ランプ部側嵌合部材および前記回路部側嵌合部材のうちの一方が凸部で他方が凹部であることを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
前記凸部および凹部が、前記取り付けの際、互いに接触し滑って縦方向の移動を補助する傾斜部をそれぞれ有することを特徴とする請求項2記載のランプ装置。
【請求項4】
前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合をロックするロック機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のランプ装置。
【請求項5】
電源に接続される口金、発光体を点灯するための点灯駆動回路、およびランプ体と嵌合するための回路部側嵌合部材を有するランプ点灯回路装置に対して着脱自在に構成されたランプ体であって、発光体、および前記ランプ点灯回路装置と嵌合するためのランプ部側嵌合部材を有し、取り付けの際には、前記回路部に押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記回路部に押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したことを特徴とするランプ体。
【請求項6】
発光体、およびランプ点灯回路装置と嵌合するためのランプ部側嵌合部材を有するランプ体に対して着脱自在に構成されたランプ点灯回路装置であって、電源に接続される口金、前記発光体を点灯するための点灯駆動回路、および前記ランプ体と嵌合するための回路部側嵌合部材を有し、取り付けの際には、前記ランプ体を押し込んで横回転の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材とを嵌合させ、取り外しの際には、前記ランプ体を押し込んで前記取り付けの際の横回転と逆方向の力を加えて回転したのち前記押し込みを開放して前記ランプ部側嵌合部材と前記回路部側嵌合部材との嵌合を解除するように構成したことを特徴とするランプ点灯回路装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−67419(P2010−67419A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231557(P2008−231557)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】