説明

リアドア

【課題】フロントドアの閉止時におけるリアドアの開放を防止しつつ、フロントドアのインナパネルの塗膜を傷及び汚染から保護する。
【解決手段】リアドア20は、アウタパネル開口部27の内周縁に密着して嵌合する環状の嵌合部31と、嵌合部31の全周域から車幅方向外側に延びる周壁部33と、周壁部33の車幅方向外端を塞ぐ当接部32と、を一体的に有する袋形状の弾性体であり、アウタパネル開口部27から突出するレバー突出部85を車幅方向外側から覆うグロメット30を備える。グロメット30の内部空間34は、キャンセルレバー81の第1位置から前記第2位置までの回転に伴うレバー突出部85の移動を許容し、第1位置のレバー突出部85は、閉移動するフロントドア10に当接部32を介して押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のリアドアに関し、特に、車両前後に亘って広く形成されたドア開口をフロントドアとリアドアとによって観音開き状に開閉するセンターピラーレスの観音開きドア構造におけるリアドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−225562号公報には、車室両側の昇降用開口部が、前端部に設けられた開閉軸心を中心として後部が前方へ開くフロントドアと、後端部に設けられた開閉軸心を中心として前部が後方へ開くリヤドアとにより、開閉されるようになっている自動車が記載されている。リヤドアの前部上下には、該リヤドアを車体に固定するためのアッパラッチユニット及びロアラッチユニットが備えられていると共に、車体側には、これらのラッチユニットがそれぞれ係合するストライカが車体のルーフ部及びサイドシル部の所定位置に配設され、かつ、リヤドアの前端面には、ラッチユニットとストライカの係合を解除して該リヤドアを開放可能とするハンドル機構が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−225562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、いわゆる観音式ドアを有する車両のリアドアには、フロントドアの閉止時にリアドアが開放しないように、フロントドアの閉止時はリアドアのハンドル機構の操作を無効にするキャンセル機構を、リアドアのアウタパネルとインナパネルとによって区画される収容空間内に備えているものがある。このキャンセル機構には、リアドアのアウタパネルに形成された開口部から突出する先端部を有するキャンセルレバーを備え、このキャンセルレバーがフロントドアの閉止時に、フロントドアの内面に当接して押圧され、所定の回転位置に設定されることを契機として、リアドアのハンドル機構の操作を無効にするものがある。
【0005】
しかし、上記のようなキャンセル機構を特許文献1に記載されている自動車に搭載した場合、キャンセルレバーが所定の回転位置に設定されるとき、キャンセルレバーの先端部がフロントドアの内面を摺動するので、フロントドアの内面の塗膜が傷つき、また、変色などの塗膜汚染が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、フロントドアの閉止時におけるリアドアの開放を防止しつつ、フロントドアのインナパネルの塗膜を傷及び汚染から保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明のリアドアは、いわゆるセンターピラーレスの観音開きドア構造のリアドアであり、アウタパネル開口部と、キャンセル機構と、グロメットと、ラッチ機構と、を備える。
【0008】
センターピラーレス観音開きドア構造では、車体側部に形成されたドア開口の前側開口領域を開閉するフロントドアの前辺部は、ドア開口の車両前側で車体側に回転自在に連結される。ドア開口の後側開口領域を開閉するリアドアの後辺部は、ドア開口の車両後側で車体側に回転自在に連結される。ストライカは、後側開口領域で車体側に固定される。前側開口領域を閉止する前閉位置のフロントドアは、車幅方向外側への傾動によって、前側開口領域を車両後側から開放する後開き状に開移動する。後側開口領域を閉止する後閉位置のリアドアは、車幅方向外側への傾動によって、後側開口領域を車両前側から開放する前開き状に開移動する。
【0009】
また、本発明のリアドアは、アウタパネルと、アウタパネルとの間に収容空間を区画するインナパネルと、を有し、アウタパネルの前辺部は、フロントドアが前閉止位置に設定され且つリアドアが後閉止位置に設定された全閉状態で、フロントドアの後辺部の内側面部に車幅方向内側から対向する外側面部を有する。
【0010】
アウタパネル開口部は、アウタパネルの外側面部に形成される。キャンセル機構は、収容空間内の所定の回転軸を中心として第1位置と第2位置とを含む範囲を回転自在にリアドアに支持されるキャンセルレバーを有する。キャンセルレバーには、第1位置でアウタパネル開口部から車幅方向外側に突出する突出部が設けられ、第1位置のキャンセルレバーの突出部は、リアドアが後閉止位置に設定された状態で、開放されたフロントドアが前閉止位置に閉移動するときに、閉移動するフロントドアに押圧されてキャンセルレバーを第2位置まで回転させる。グロメットは、アウタパネル開口部の内縁に密着して嵌合する嵌合部と、嵌合部から車幅方向外側に延びる壁部と、壁部の車幅方向外端を塞ぐ当接部と、を有する弾性体であり、アウタパネル開口部から突出する突出部を車幅方向外側から覆う。ラッチ機構は、ストライカと係合して後閉止位置のリアドアの開放を規制するロック状態と、ストライカとの係合を解除してリアドアの開放を許容する開放許容状態と、に設定可能であり、キャンセルレバーが第2位置に設定されているときは、ロック状態に維持され、キャンセルレバーが第1位置に設定されているときは、ロック状態から開放許容状態への変更が許容される。
【0011】
また、グロメットの内部空間は、第1位置から第2位置までのキャンセルレバーの回転に伴う突出部の移動を許容し、第1位置のキャンセルレバーの突出部は、閉移動するフロントドアに当接部を介して押圧される。
【0012】
上記構成では、リアドアが後閉止位置に設定された状態で、開放されたフロントドアが前閉止位置に閉移動するとき、キャンセル機構の突出部が閉移動するフロントドアに押圧されてキャンセルレバーを第2位置まで回転させ、ラッチ機構はキャンセルレバーが第2位置に設定されているときは、ロック状態に維持されるので、フロントドアが前閉止位置に設定され且つリアドアが後閉止位置に設定された全閉状態においては、リアドアの開放を確実に規制することができる。
【0013】
また、第1位置のキャンセルレバーの突出部は、閉移動するフロントドアにグロメットの当接部を介して押圧され、フロントドアには直接当接して摺動しない。このため、フロントドアの塗膜の傷の発生や変色などの塗膜汚染の発生を防止することができる。
【0014】
また、グロメットが、アウタパネル開口部から突出するキャンセルレバーの突出部を覆うので、突出部を保護することができる。
【0015】
また、上記嵌合部は、環状に形成されてもよく、上記壁部は嵌合部の全周域から車幅方向外側に延び、蛇腹状に形成されてもよく、上記当接部は、壁部に比べて肉厚に形成されてもよい。また、上記グロメットは、嵌合部と壁部と突出部とを一体的に有する袋形状に形成されてもよい。
【0016】
上記構成では、アウタパネル開口部がグロメットによって閉塞されるので、アウタパネル内に雨水などが浸入することを防止することができる。また、フロントドアと当接する当接部の耐久性を向上させることができる。
【0017】
また、上記リアドアは、ハンドル部と、ハンドル部に連動する連動状態と連動しない非連動状態とに選択的に設定される伝達手段と、を有し、連動状態の伝達手段は、ハンドル部の操作に応じてラッチ機構の状態を切り替えるハンドル機構を備えてもよい。また、上記キャンセル機構は、キャンセルレバーが第2位置に設定されているときに伝達手段を非連動状態に維持する状態維持手段を有してもよい。
【0018】
上記構成では、キャンセルレバーが第2位置に設定されているとき、状態維持手段は、伝達手段を非連動状態に維持するので、上記全閉状態において、ハンドル部の操作の応じたラッチ機構の状態の切り替えを規制することができる。このため、上記ラッチ機構はロック状態に維持されるので、リアドアの開放を確実に規制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フロントドアの閉止時におけるリアドアの開放を防止しつつ、フロントドアのインナパネルの塗膜を傷及び汚染から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るリアドアを備えた車両を車幅方向外側から観た側面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図1のX−X矢視断面図であり、キャンセルレバーが第1位置にあるときの状態を示す。
【図4】図1のX−X矢視断面図であり、キャンセルレバーが第2位置にあるときの状態を示す。
【図5】図2のリアハンドル機構及びキャンセル機構を示す要部斜視図である。
【図6】図2のリアハンドル機構及びキャンセル機構の要部拡大側面図である。
【図7】図2のリアハンドル機構及びキャンセル機構の要部拡大側面図であり、(a)はキャンセルレバーが第1位置にあるときハンドル部が操作されたときの状態、(b)はキャンセルレバーが第2位置にあるときハンドル部が操作されたときの状態を示す。
【図8】図6のY−Y線断面図であり、キャンセルレバーが第1位置にあるときの状態を示す。
【図9】図6のY−Y線断面図であり、キャンセルレバーが第2位置にあるときの状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図中FRは車両前方を、UPは車両上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示している。
【0022】
本実施形態のリアドア20を有する車両1のドア構造は、いわゆるセンターピラーレスの観音開き(観音式)ドア構造であり、図1に示すように、車体側部には、上部をルーフ部2によって区画され、下部をサイドシル部3によって区画される乗降用のドア開口4が車両前後に亘って広く形成されている。ドア開口4の前側開口領域5を開閉するフロントドア10の前辺部は、ドア開口4の車両前側でフロントヒンジ11を介して車体側に回転自在に連結される。ドア開口4の後側開口領域6を開閉するリアドア20の後辺部は、ドア開口4の車両後側でリアヒンジ21を介して車体側に回転自在に連結される。前側開口領域5を閉止する前閉止位置のフロントドア10は、フロントヒンジ11を中心とした車幅方向外側への傾動によって、前側開口領域5を車両後側から開放する後開き状に開移動する。後側開口領域6を閉止する後閉止位置のリアドア20は、リアヒンジ21を中心とした車幅方向外側への傾動によって、後側開口領域6を車両前側から開放する前開き状に開移動する。
【0023】
図1に示すように、車体側には、上下一対のリアストライカ7がルーフ部2及びサイドシル部3に組み付けられている。
【0024】
図2に示すように、フロントドア10は、車幅方向外側のフロントドアアウタパネル12と車幅方向内側のフロントドアインナパネル13とを有する。フロントドアアウタパネル12とフロントドアインナパネル13とは、その周縁部分同士が接合され、接合されたパネル12,13は、内部に前側収容空間14を形成する。
【0025】
また、フロントドア10は、前側収容空間14に収容されたフロントラッチ機構15と、フロントハンドル機構16(図1参照)と、を有する。フロントラッチ機構15は、フロントドア10の後辺部の上下方向の略中央に設けられ、後述するリアドア20の前辺部の上下方向の略中央に設けられたフロントドアストライカ22と係合するフック部(図示省略)を有する。フロントドア10の後辺部のフロントラッチ機構15の設置箇所付近には、フロントドアストライカ22が挿通する挿通孔(図示省略)が形成されており、フロントラッチ機構15は、フロントドア10が開放位置から前閉止位置に閉移動したとき、挿通孔を挿通したフロントドアストライカ22とフック部とが係合してフロントドア10の開放を規制するロック状態に設定される。また、フロントラッチ機構15は、後述するフロントハンドル機構16によって、フロントドアストライカ22とフック部との係合を解除してフロントドア10の開放を許容する開放許容状態に設定される。
【0026】
フロントハンドル機構16は、フロントドアの上下方向の略中央に設けられ、フロントドアインナパネル13に設けられた開口部(図示省略)を介して、車室側に露出する内側フロントハンドルと、フロントドアアウタパネル12に設けられたフロントアウタ開口部17を介して車両外側に露出する外側フロントハンドル18と、を有する。また、フロントハンドル機構16は、フロントラッチ機構15と連結して、内側フロントハンドル及び外側フロントハンドル18の操作をフロントラッチ機構15に伝達するフロント伝達部(図示省略)を有する。内側フロントハンドル及び外側フロントハンドル18が乗員などに操作されると、フロント伝達部は、この操作をフロントラッチ機構15に伝達し、フロントラッチ機構15のフック部とフロントドアストライカ22との係合を解除して、フロントラッチ機構15をフロントドア10の開放を許容する開放許容状態に設定する。
【0027】
図2に示すように、リアドア20は、車幅方向外側のリアドアアウタパネル23と車幅方向内側のリアドアインナパネル24とを有する。リアドアアウタパネル23とリアドアインナパネル24とは、その周縁部分同士が接合され、接合されたパネル23,24は、内部に後側収容空間25を区画する。
【0028】
リアドア20の前辺部は、フロントドア10が前閉止位置に設定され且つリアドア20が後閉止位置に設定された全閉状態で、フロントドア10の後辺部の内側面部19に車幅方向内側から対向する外側面部26を有する。内側面部19は、フロントドアインナパネル13の後辺部分によって構成され、外側面部26は、リアドアアウタパネル23の前辺部分によって構成される。外側面部26の略中央には、車幅方向に貫通する側面視円形のアウタパネル開口部27(図1参照)が形成されている。アウタパネル開口部27は、グロメット30によって閉塞されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、グロメット30は、弾性部材、例えばゴムからなる成形品であり、アウタパネル開口部27の内周縁に密着して嵌合する環状の嵌合部31と、嵌合部31の全周域から車幅方向外側に延びる周壁部(壁部)33と、周壁部33の車幅方向外端を塞ぐ当接部32と、を一体的に有する袋形状に形成されている。グロメット30は、アウタパネル開口部27から突出するレバー突出部85を車幅方向外側から覆う。周壁部33は、蛇腹状に形成されており、グロメット30は、弾性変形して、車幅方向に伸縮自在となっている。当接部31及び嵌合部32は、周壁部33と比較して肉厚に形成されている。また、グロメット30の内部空間34は、後述するように第1位置から第2位置までのキャンセルレバー81の回転に伴うレバー突出部85の移動を許容する。すなわち、グロメット30は、レバー突出部85の移動時において、周壁部33がレバー突出部85と接触するなどしてレバー突出部85の移動を妨げないような広さの内部空間34を内部に形成する。なお、後述するように、グロメット30は、リアドアが後閉止位置に設定された状態で、開放されたフロントドア10が前閉止位置に閉移動するときに、閉移動するフロントドア10の内側面部19に当接部32が当接して押圧されることによって、弾性変形し車幅方向に収縮する。これに伴って内部空間34も変形するが、内部空間34は、この変形の過程において、レバー突出部85と接触するなどしてレバー突出部85の移動を妨げないような広さに常に形成される。
【0030】
また、図2に示すように、リアドア20の前辺部の上下方向の略中央には、前方へ延び、上述のようにフロントラッチ機構15のフック部と係合するフロントドアストライカ22が設けられている。
【0031】
また、リアドア20は、後側収容空間25に収容されたリアラッチ機構(ラッチ機構)40と、リアハンドル機構(ハンドル機構)50と、キャンセル機構80と、を有する。
【0032】
リアラッチ機構40は、図1に示すように、ルーフ部2に設けられたリアストライカ7と係合するアッパリアラッチ機構41と、サイドシル部3に設けられたリアストライカ7と係合するロアリアラッチ機構42と、を有する。各リアラッチ機構41,42は、リアストライカ7と係合するフック部(図示省略)を有する。リアドア20の前辺部の上部及び下部には、リアストライカ7が挿通する挿通孔(図示省略)が上下一対に形成されており、リアドア20が開放位置から後閉位置に閉移動すると、リアストライカ7が挿通孔を挿通し、フック部と係合して、各リアラッチ機構41,42はリアドア20の開放を規制するロック状態に設定される。また、各リアラッチ機構41,42は、図6に示すように、後述するリアハンドル機構50の第2回転体(伝達手段)70と連結するワイヤ43を有しており、第2回転体70の回転に応じて、アッパリアラッチ機構41のワイヤ43aが下方へ、ロアリアラッチ機構42のワイヤ43bが上方へ、同時に引っ張られることによって、リアドア20の開放を許容する開放許容状態に設定可能に構成されている。また、ラッチ機構40は、後述するキャンセルレバー81が第2位置に設定されているときは、ロック状態に維持され、キャンセルレバー81が第1位置に設定されているときは、ロック状態から開放許容状態への変更が許容される。
【0033】
図2及び図5に示すように、リアハンドル機構50及びキャンセル機構80は、リアドア20の前辺部の上下方向の略中央に設けられ、後側収容空間25の内側に配置されるブラケット90を介して、リアドア20に固定される。ブラケット90は、上下辺部にリアドアインナパネル24に後側収容空間25側から固定されるフランジ部91aが形成され、上下方向の断面が略ハット状に形成された第1ブラケット91と、第1ブラケット91に車幅方向外側から重なる第2ブラケット92と、第2ブラケット92の後辺部の上下方向の略中央から車幅方向外側に突出する第3ブラケット93と、を有する。
【0034】
リアハンドル機構50は、リアハンドル部51と、第1リンク52と、第1回転体60と、第2回転体70と、係合棒53(図8、図9参照)と、を有する。
【0035】
リアハンドル部51は、水平方向の断面が略半円状の樹脂製部材であり、後部に前方へ凹むグリップ部54と、車幅方向外側の上下辺部に一対の軸孔55と、を有する。軸孔55には、上下方向に延びて上下辺部が第1ブラケット91に支持された第1回転軸94が挿通している。リアハンドル部51は、第1回転軸94を介して、第1ブラケット91に回転自在に支持されている。グリップ部54は、リアドアインナパネル24の前辺部に形成された略矩形状のインナパネル開口部28(図2参照)から露出し、乗員又は車外の者が把持可能となっている。また、リアハンドル部51は、一端が第1ブラケット91に係止されたコイル状ばねである第1ばね95の他端を係止する係止部(図示省略)を有する。リアハンドル部51は、第1ばね95によって、図5の矢印a方向に付勢されている。
【0036】
第1回転体60は、図5〜図9に示すように、前後方向に延びる側面視略半円状の金属製の成形部品であり、略中央に軸孔61を有する。軸孔61には、第2ブラケット92に相対回転不能に支持されて車幅方向に延びる第2回転軸96が挿通され、第1回転体60は、第2ブラケット92に回転自在に支持される。第1回転体60の前部には、車幅方向内側に曲折して延びる前延設部62が設けられており、前延設部62の先端部は、前方に曲折し、第1リンク52の一端が挿通するリンク挿通孔63を有する。また、後下部には、下方に延びる係止部64が形成されている。係止部64には、コイル状ばねであって一端が第2ブラケット92に係止された第2ばね97の他端部が係止されている。第2ばね97は、例えば、後述するように第1回転体60が停止位置から図7(a)の矢印e方向に回転したとき、第1回転体60を停止位置に戻す付勢力を第1回転体60に付与する。また、上部の略中央には、略矩形状に切り欠けられた切欠部65(図6、図7(b)、図8、図9参照)が形成されている。
【0037】
第1リンク52は、一端がリアハンドル部51の車幅方向外側の略中央部に回転自在に支持され、他端が第1回転体60のリンク挿通孔63に挿通して回転自在に支持されている。
【0038】
第2回転体70は、前後方向に延びる側面視略半円状の金属製の成形部品であり、略中央に軸孔71を有する。軸孔71には、第2回転軸96が挿通され、第2回転体70は、第1回転体60の車幅方向外側で、第2ブラケット92に回転自在に支持される。第2回転体70の前部には、前方へ延びる前延設部72が設けられ、前延設部72の先端部には、ロアリアラッチ機構42のワイヤ43bを係止するワイヤ係止部73bが挿通する挿通孔72aが形成されている。後部には、後方へ延びる後延設部74が設けられ、後延設部74の後辺部には、アッパリアラッチ機構41のワイヤ43aを係止するワイヤ係止部73aが挿通する挿通孔74aが形成されている。後下部には、下方に延びる係止部75が形成されている。係止部75には、第2ばね97の他端部が係止されている。第2ばね97は、例えば、後述するように第2回転体70が停止位置から図7(a)の矢印e方向に回転したとき、第2回転体70を停止位置に戻す付勢力を第2回転体70に付与する。また、上部の略中央には、上方へ延設する上延設部76が設けられており、上延設部76には、車幅方向に貫通する長孔77が形成されている。
【0039】
係合棒53は、図8及び図9に示すように、後述する第2リンク(状態維持手段)82の先端部によって形成され、車幅方向に延びて、後述するキャンセルレバー81が第1位置にあるとき、第1回転体60の切欠部65と、第2回転体70の長孔77を挿通し、キャンセルレバー81が第2位置にあるときは長孔77のみに挿通し、切欠部65には挿通しない。
【0040】
キャンセル機構80は、図3〜図9に示すように、キャンセルレバー81と、第2リンク82と、ガイド部材83と、を有する。
【0041】
キャンセルレバー81は、金属製の成形部品であり、前後方向に延びる略板状のレバー基部84と、レバー基部84の前辺部から車幅方向外側へ延びるレバー突出部85と、を有する。レバー基部84の後辺部は、車幅方向外側に曲折し、前後方向に貫通する軸孔86を有する。レバー基部84の後辺部は係止部(図示省略)を有し、係止部には、コイル状ばねであって一端が第3ブラケット93に係止された第3ばね99の他端部が係止されている。レバー突出部85は、下側が膨出するアーチ状に形成され、先端部がアウタパネル開口部27を介して車幅方向外側へ突出する。レバー突出部85の先端部は、グロメット30の当接部32の車幅方向内側に当接する。軸孔86には、前後方向に延びて前後辺部が第3ブラケット93に支持された第3回転軸98が挿通しており、キャンセルレバー81は、第3回転軸98を介して、第3ブラケット93に回転自在に支持されている。また、キャンセルレバー81は、第3ばね99によって、図3の矢印b方向に付勢されている。図3に示すように、フロントドア10開放時のキャンセルレバー81は、第3ばね99の付勢力によって、レバー突出部85がアウタパネル開口部27を介して車幅方向外側へ突出する第1位置に設定される。一方、図4に示すように、全閉状態では、レバー突出部85の先端部が、グロメット30の当接部32を介して、フロントドア10の後辺部の内側面部19に当接し、第1回転から車幅方向内側に移動した第2位置に設定される。
【0042】
第2リンク82は、基端部がキャンセルレバー基部84の後辺部に回転自在に支持され、下方に延びる。第2リンク82の先端部は、車幅方向内側に曲折して、後述するガイド部材83の挿通孔83bを挿通し、車幅方向に略水平に延びる係合棒53を形成する。キャンセルレバー81が第1位置にあるとき(図3参照)、図5、図6及び図8に示すように、第2リンク82は下方位置に設定され、係合棒53が第1回転体60の切欠部65及び第2回転体70の長孔77を挿通する。キャンセルレバー81が第1位置から第2位置に回転すると、第2リンク82は、上方位置へ移動し、係合棒53が図9に示すように、長孔77のみを挿通し、切欠部65には挿通しない状態となる。キャンセルレバー81が第2位置にあるとき(図4)、第2リンク82は、上方位置に留まり、係合棒53が長孔77のみに挿通し、切欠部65には挿通しない状態を維持する。なお、キャンセルレバー81が第2位置から第1位置に回転すると第2リンク82は、下方位置に移動する。
【0043】
ガイド部材83は、略区形状に形成され、図8及び図9に示すように、第2回転体70の上延設部76に当接する当接面83aと、第2リンク82を挿通する挿通孔83bが形成されている。キャンセルレバー81が第1位置にあるとき、ガイド部材83は下方位置に設定されている。キャンセルレバー81が第1位置から第2位置に回転すると、当接面83aが上延設部76上を上方へ摺動してガイド部材83が上方に移動して、第2リンク82の移動方向を上方に規制する。
【0044】
次に、上記のように構成されたリアドア20の動作について説明する。まず、フロントドア10が開放している場合において、リアハンドル部51が乗員によって操作されたときのリアドア20の動作を説明する。なお、上述のように、フロントドア10開放時においては、キャンセルレバー81は、図3及び図5に示すように、第1位置に設定されている。したがって、上述のように、第2リンクが図5、図6及び図8に示すように下方位置に設定され、係合棒53が第1回転体60の切欠部65及び第2回転体70の長孔77に挿通している。
【0045】
乗員の操作によってリアハンドル部51が図5の矢印c方向に回転すると、第1リンク52は、図6の矢印d方向に移動し、第1リンク52の移動に伴って、図7(a)に示すように、第1回転体60が矢印e方向に回転する。このとき、係合棒53が第1回転体60の切欠部65及び第2回転体70の長孔77に挿通しているので、第1回転体60と第2回転体70とは係合棒53を介して係合する。このため、第2回転体70は、第1回転体60の回転に連動して同方向に回転する。すなわち、第1回転体60と第2回転体70が係合棒53を介して係合することによって、第2回転体70は第1リンク52及び第1回転体60を介してリアハンドル部51に連動する連動状態に設定される。第2回転体70の回転に伴って、前延設部72及び後延設部74がそれぞれ上下方向に移動し、リアラッチ機構40のワイヤ43を引っ張り、具体的には、前延設部72の上方への移動に伴いロアリアラッチ機構42のワイヤ43bを上方へ引っ張り、また、後延設部74の下方への移動に伴いアッパリアラッチ機構41のワイヤ43aを下方へ引っ張り、リアラッチ機構40をロック状態から開放許容状態に設定する。このように、乗員のリアハンドル部51に応じてリアラッチ機構40が開放許容状態に設定されるので、この後、リアドア20が開移動するように乗員がリアドア20に力を加えると、リアドア20は開移動する。
【0046】
次に、リアドア20が後閉止位置にある場合に、フロントドア10が前閉止位置に閉移動するときのリアドア20の動作について説明する。
【0047】
図4に示すように、フロントドア10が開放位置から前閉止位置に閉移動すると、フロントドア10の後辺部の内側面部19がグロメット30の当接部32と当接し、当接部32を介して、第1位置のキャンセルレバー81のレバー突出部85の先端部を車幅方向内側に押圧する。この押圧によって、レバー突出部85の先端部は、グロメット30を介して、内側面を下方へ摺動し、この摺動に伴って、キャンセルレバー81が、矢印f方向に回転し、第2位置まで回転移動する。また、グロメット30の当接部32が内側面部19に押圧されて、グロメット30は弾性変形して車幅方向に収縮する。
【0048】
図9に示すように、キャンセルレバー81の第1位置から第2位置への回転に伴って、第2リンク82は、ガイド部材83のガイドに従って、上方位置へ移動し、係合棒53は、長孔77のみに挿通し、切欠部65には挿通しない状態となる。したがって、後述するように第1回転体60が図7(b)の矢印e方向に回転しても、第1回転体60と第2回転体70とは係合棒53を介して第1回転体60と係合しないので、第1回転体60の回転に連動して第2回転体が回転しない状態、すなわち第2回転体70はリアハンドル部51に連動しない非連動状態に設定される。なお、上述のように、第2リンク82は、キャンセルレバー81が第2位置にあるとき、上方位置に留まり、係合棒53が長孔77のみに挿通し、切欠部65を挿通しない状態を維持するので、第2リンク82は、第2回転体70を非連動状態に維持する。
【0049】
フロントドア10のフロントラッチ機構15とフロントドアストライカ22とが係合してフロントドア10の開放が規制される。フロントドア10が前閉止位置に到達すると、フロントドア10が前閉止位置に設定され且つリアドア20が後閉止位置に設定された全閉状態となる。
【0050】
次に、全閉状態において、リアハンドル部51が乗員によって操作されたときの動作を説明する。なお、上述のように、全閉状態において、キャンセルレバー81は、図9に示すように、第2位置に設定されている。したがって、係合棒53は、第2回転体70の長孔77にのみ挿通しており、第1回転体60の切欠部65には挿通しておらず、第2回転体70は非連動状態に設定されている。
【0051】
乗員の操作によってリアハンドル部51が図1の矢印c方向に回転すると、第1リンク52は、図6の矢印d方向に移動し、第1リンク52の移動に伴って、第1回転体60は、図7(b)の矢印e方向に回転する。このとき、上述のように、係合棒53は、第2回転体70の長孔77にのみ挿通しており、第1回転体60の切欠部65には挿通していないので、第1回転体60と第2回転体70との係合せず、第2回転体70は第1回転体60に連動して回転しない。すなわち、第2回転体70はリアハンドル部51に連動しない。したがって、前延設部72及び後延設部74は移動をしないので、リアラッチ機構40はロック状態を維持する。このため、全閉状態のときは、乗員のリアハンドル部51の操作は、リアラッチ機構40に伝達されず、リアドア20が開移動するように乗員がリアドア20に力を加えても、リアドア20の閉止状態は維持される。
【0052】
次に、フロントドア10が前閉止位置から開移動するときのリアドア20の動作について説明する。
【0053】
図3に示すように、第2位置のキャンセルレバー81は、フロントドア10からの押圧から解放されて、第3ばね99の付勢力によって、図3の矢印b方向に回転し、第1位置に設定される。また、グロメット30がフロントドア10からの押圧から解放され、また、グロメット30の当接部32の車幅方向の内側がキャンセルレバー81のレバー突出部85の先端部によって内側から押圧されて、グロメット30は車幅方向に伸張する。
【0054】
キャンセルレバー81の第2位置から第1位置への回転に伴って、第2リンク82は、下方位置へ移動する。図8に示すように、下方位置の第2リンク82の係合棒53は、長孔77及び切欠部65に挿通する。
【0055】
本実施形態では、全閉状態においてリアハンドル機構50が操作された場合であっても、キャンセル機構80によって、ラッチ機構40がロック状態に維持されるので、リアドア20の開放(開移動)を確実に規制することができる。
【0056】
また、キャンセルレバー81が第1位置から第2位置に回転するとき、キャンセルレバー81のレバー突出部85の先端部は、フロントドア10の内側面部19に直接当接して摺動しないで、グロメット30を介して摺動する。このため、この摺動に伴うフロントドア10の内側面部19の塗膜の傷の発生や変色などの塗膜汚染の発生を防止することができる。したがって、フロントドア10の内側面部19の塗膜を傷及び汚染から保護することができる。
【0057】
また、アウタパネル開口部27がグロメット30によって閉塞される。このため、アウタパネル内に雨水などが浸入することを防止することができる。
【0058】
また、グロメット30が、アウタパネル開口部27から突出するキャンセルレバー81のレバー突出部85を覆うので、レバー突出部85を保護することができる。
【0059】
また、グロメット30の当接部32は、周壁部33に比べて肉厚に形成されているので、フロントドア10の内側面部19と当接する当接部32の耐久性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
【0061】
例えば、本実施形態では、第1回転体60と第2回転体70とを係合棒53を介して機械的に係合させ、また、係合を解除することで、第2回転体70とを連動状態及び非連動状態に設定する態様を説明したが、連動状態及び非連動状態の設定方法は、本態様に限定されない。例えば、CPU、RAM、ROMなどからなるリアラッチ解除ユニットと、リアハンドル部51の操作を検知するハンドル検知センサ、キャンセルレバー81の回転位置を検知するレバー検知センサ及び第2回転体70を回転させるモータを有し、ハンドル検知センサの検知結果に応じて、リアラッチ解除ユニットが、モータを駆動させ、第2回転体70を回転させて、リアラッチ機構40の状態を切り替える車両に本発明のリアドア20を採用した場合は、RAMにキャンセルレバー81が第1回転位置にあることをレバー検知センサが検知したときに、リアラッチ解除ユニットによってオンに設定される連動状態フラグ記憶領域を設け、リアハンドル部51が操作されたときに、リアラッチ解除ユニットは、連動状態フラグを参照し、オンの場合にモータを駆動させてもよい。すなわち、上記連動状態フラグによって第2回転体70の連動状態及び非連動状態を設定してもよい。
【0062】
すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、センターピラーレスの観音開きドア構造におけるリアドアに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1:車両
4:ドア開口
10:フロントドア
19:内側面部
20:リアドア
23:リアドアアウタパネル
25:後側収容空間
26:外側面部
27:アウタパネル開口部
30:グロメット
31:嵌合部
32:当接部
33:周壁部(壁部)
34:内部空間
40:リアラッチ機構(ラッチ機構)
50:リアハンドル機構(ハンドル機構)
70:第2回転体(伝達手段)
80:キャンセル機構
81:キャンセルレバー
82:第2リンク(状態維持手段)
84:レバー基部
85:レバー突出部(突出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部に形成されたドア開口の前側開口領域を開閉するフロントドアの前辺部を、前記ドア開口の車両前側で車体側に回転自在に連結し、前記ドア開口の後側開口領域を開閉するリアドアの後辺部を、前記ドア開口の車両後側で車体側に回転自在に連結し、前記後側開口領域でストライカを車体側に固定し、前記前側開口領域を閉止する前閉位置の前記フロントドアは、車幅方向外側への傾動によって、前記前側開口領域を車両後側から開放する後開き状に開移動し、前記後側開口領域を閉止する後閉位置の前記リアドアは、車幅方向外側への傾動によって、前記後側開口領域を車両前側から開放する前開き状に開移動し、前記リアドアは、アウタパネルと、前記アウタパネルとの間に収容空間を区画するインナパネルと、を有し、前記アウタパネルの前辺部は、前記フロントドアが前記前閉止位置に設定され且つ前記リアドアが前記後閉止位置に設定された全閉状態で、前記フロントドアの後辺部の内側面部に車幅方向内側から対向する外側面部を有する車両のドア構造の前記リアドアであって、
前記アウタパネルの前記外側面部に形成されたアウタパネル開口部と、
前記収容空間内の所定の回転軸を中心として第1位置と第2位置とを含む範囲を回転自在に前記リアドアに支持されるキャンセルレバーを有し、該キャンセルレバーは、前記第1位置で前記アウタパネル開口部から車幅方向外側に突出する突出部が設けられ、前記第1位置のキャンセルレバーの突出部は、前記リアドアが前記後閉止位置に設定された状態で、開放された前記フロントドアが前記前閉止位置に閉移動するときに、該閉移動するフロントドアに押圧されて前記キャンセルレバーを前記第2位置まで回転させるキャンセル機構と、
前記アウタパネル開口部の内縁に密着して嵌合する嵌合部と、該嵌合部から車幅方向外側に延びる壁部と、該壁部の車幅方向外端を塞ぐ当接部と、を有する弾性体であり、前記アウタパネル開口部から突出する突出部を車幅方向外側から覆うグロメットと、
前記ストライカと係合して前記後閉止位置のリアドアの開放を規制するロック状態と、前記ストライカとの係合を解除して前記リアドアの開放を許容する開放許容状態と、に設定可能であり、前記キャンセルレバーが前記第2位置に設定されているときは、前記ロック状態に維持され、前記キャンセルレバーが前記第1位置に設定されているときは、前記ロック状態から前記開放許容状態への変更が許容されるラッチ機構と、を備え、
前記グロメットの内部空間は、前記第1位置から前記第2位置までの前記キャンセルレバーの回転に伴う前記突出部の移動を許容し、
前記第1位置のキャンセルレバーの突出部は、前記閉移動するフロントドアに前記当接部を介して押圧される
ことを特徴とするリアドア。
【請求項2】
請求項1に記載のリアドアであって、
前記嵌合部は、環状に形成され、
前記壁部は、前記嵌合部の全周域から車幅方向外側に延び、蛇腹状に形成され、
前記当接部は、前記壁部に比べて肉厚に形成され、
前記グロメットは、前記嵌合部と前記壁部と前記突出部とを一体的に有する袋形状に形成されている
ことを特徴とするリアドア。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリアドアであって、
ハンドル部と、該ハンドル部に連動する連動状態と連動しない非連動状態とに選択的に設定される伝達手段と、を有し、前記連動状態の伝達手段は、前記ハンドル部の操作に応じて前記ラッチ機構の状態を切り替えるハンドル機構を備え、
前記キャンセル機構は、前記キャンセルレバーが前記第2位置に設定されているときに前記伝達手段を前記非連動状態に維持する状態維持手段と、を有する
ことを特徴とするリアドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−71480(P2013−71480A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209961(P2011−209961)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)