説明

リズム変形装置及びリズム編集プログラム

【課題】音符・休符の長さを変更したり、新たな音符・休符を追加したりするために要する時間を大幅に短縮できるようにする。
【解決手段】 表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集手段とを設け、リズムの細分化・単純化、リズムの変形などの処理を直感的に操作できるようにして、修正に必要な時間を短縮できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リズム変形装置及びリズム編集プログラムに関し、特に、音符・休符の長さを変更したり、新たな音符・休符を追加したりするために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面の端縁に各種音楽記号のグラフィックパターンをアイコン内に表示しておき、このグラフィックパターンと同じ音楽記号をセレクトして楽譜を作成していく楽譜作成装置において、表示されている音楽記号情報を順次サーチし、これを楽譜の先頭から順番に整理して、演奏情報を作成し、これにより、楽譜を表示するだけでなく、表示した楽譜に応じた演奏を耳で聞くことができる楽譜情報表示装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、特許文献2においては、表示装置の画面上に五線譜を表示し、この五線譜上に所定の間隔のグリッド位置を表示し、このグリッド位置の任意の位置を指定することにより音符の発音タイミングを入力し、音符の音価は隣合う音符との間隔によって決定する楽譜入力装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、音楽リズムを自動的に音楽分析可能なリズム分析装置、及び音楽リズムを生成(compose)するリズム生成装置であり、パルススケールに基づいて得られたリズムに対して音符の挿入、削除を行ってリズムを変形するリズム変形装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−371989号公報
【特許文献2】特開平5−040472号公報
【特許文献3】特開平6−167977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の楽譜情報表示装置では、作成した楽譜の演奏を聞くことはできるが、音符や休符などの音楽記号は、まず音符や休符の種類(音価)を選択し、それから画面をクリックして1つずつ入力しなくてはならなかった。
【0007】
特許文献2に記載の楽譜入力装置では、あらかじめ音符の種類(音価)を決定しなくても音符の入力ができるという効果があるが、休符を入力することができなかった。また、この特許文献2に記載の楽譜入力装置は、新たに音符を入力することはできるが、既に入力された音符のリズムを変形するものではなかった。
【0008】
特許文献3に記載のリズム変形装置は、与えられたリズムを変形することはできるが、このリズムの変形は自動的に行われるものであり、ユーザの希望のリズムに変形できるものではなかった。
【0009】
本発明は前述の問題点に鑑み、音符・休符の長さを変更したり、新たな音符・休符を追加したりする編集作業を、直感的に短時間で行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のリズム変形装置は、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集機能を有するリズム変形装置であって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集手段とを有し、前記表示制御手段は、編集対象の楽譜の特徴点を表示する第1の表示部と、前記第3の表示領域に表示する編集後の楽譜の特徴点を表示する第2の表示部と、編集対象の楽譜の分解能を設定するためのメニューを前記第2の表示領域に表示し、前記楽譜編集手段は、前記第2の表示部に表示されている楽譜の特徴点が前記ユーザ操作手段により移動されると、その移動に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜のリズムを編集し、前記表示制御手段は前記楽譜編集手段により編集された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする。
【0011】
本発明のリズム編集装置は、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集機能を有するリズム編集装置であって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集手段とを有し、前記表示制御手段は、編集対象の楽譜の分解能を設定するメニューと、編集対象の楽譜の音符についてリズムの細分化・単純化を行うための音符用チェックボックスと、編集対象の楽譜の休符についてリズムの細分化・単純化を行うための休符用チェックボックスとを表示し、前記楽譜編集手段は、前記音符用チェックボックス及び休符用チェックボックスに入れられるチェックに応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集し、編集後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とする。
【0012】
本発明のリズム変形プログラムは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する工程をコンピュータに実行させるリズム編集プログラムであって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、前記ユーザ操作工程において設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集工程とを有し、前記表示制御工程においては、編集対象の楽譜の特徴点を表示する第1の表示部と、前記第3の表示領域に表示する編集後の楽譜の特徴点を表示する第2の表示部と、編集対象の楽譜の分解能を設定するためのメニューを前記第2の表示領域に表示し、前記楽譜編集工程においては、前記第2の表示部に表示されている楽譜の特徴点が前記ユーザ操作工程により移動されると、その移動に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜のリズムを編集し、前記表示制御工程においては前記楽譜編集工程において編集された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする。
本発明のリズム編集プログラムは、表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する工程をコンピュータに実行させるリズム編集プログラムであって、前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、前記ユーザ操作工程によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集工程とを有し、前記表示制御工程においては、編集対象の楽譜の分解能を設定するメニューと、編集対象の楽譜の音符についてリズムの細分化・単鈍化を行うための音符用チェックボックスと、編集対象の楽譜の休符についてリズムの細分化・単純化を行うための休符用チェックボックスとを表示し、前記楽譜編集工程においては、前記音符用チェックボックス及び休符用チェックボックスに入れられるチェックに応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集し、編集後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示画面に表示された特徴点やチェックボックスを操作するだけで、音符・休符の長さを変更したり、新たな音符・休符を追加したりすることができるとともに、リズムの細分化・単純化、リズムの変形などの処理を直感的に行うことが可能となり、修正にかかる時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、リズム変形装置全体構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、リズム変形装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、リズムの変形を行うときにディスプレイの表示画面に表示される表示例を示す図で、音符/休符を伸ばす機能がオフの時の表示例を示す図ある。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、音符/休符を伸ばす機能がオンの時の表示例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、リズム変形装置の処理手順の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、楽譜更新処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態を示し、ディスプレイの表示画面に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示し、作成される配列テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示し、リズム細分化・単純化、ダイアログボックス更新処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態を示し、楽譜更新処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のリズム変形装置100の全体構成例を示す図である。本実施形態のリズム変形装置100は、楽譜を表示、入力、編集、及び演奏可能であり、音楽記号リズム編集プログラムをインストールして、リズム変形装置として使用するためのパーソナルコンピュータ50を有している。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のリズム変形装置100は、パーソナルコンピュータ50の他に、ディスプレイ15、マウス22及びキーボード23等を備えている。マウス22は、後述するリズム編集画面における操作領域において、リズム編集を行う音楽記号の位置を指定する位置指定手段として用いる。
【0017】
図2は、本発明の実施形態のリズム変形装置100の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態のリズム変形装置100は、システムバス10を介して、CPU11、ROM12、RAM13、画像制御部14、I/Oインターフェース16、ハードディスクドライブ17等が接続されていて、システムバス10を介して、それぞれのデバイスに制御信号、データの入出力が行われる。
【0018】
CPU11は、ROM12或いはRAM13に格納されているプログラムに基づき、リズム変形装置100の全体制御を行う。また、予め設定された所定の周期でCPU11に割り込みをかけるタイマ回路を内蔵している。RAM13はプログラムエリアの他、画像データバッファ、ワークエリア等として使用される。
【0019】
I/Oインターフェース16を介してつながるCD−ROMドライブ20は、音楽記号入力用プログラムが格納されたCD−ROM21から、プログラムや画像データなどを読み出す。そのプログラムや画像データなどは、後述するハードディスクドライブ17に、格納され、またメインとなるプログラムはRAM13に格納され、CPU11により実行される。
【0020】
前述のように、ハードディスクドライブ17は、音楽記号入力用プログラム及び画像データ等を格納する。画像制御部14を介して接続されているディスプレイ15は、CPU11の制御に基づき、画像制御部14から出力される映像情報を表示画面15aに表示する。また、マウス22から入力された情報は、I/Oインターフェース16を経てCPU11に取り込まれる。キーボード23から入力された情報に関しても同様である。プリンタ24は、CPU11の制御に基づき、I/Oインターフェース16から出力される印字情報を印字する。
【0021】
図3及び図4は、リズムの変形を行うときにディスプレイ15の表示画面15aに表示される表示例を示す図であり、図3は音符/休符を伸ばす機能がオフの時の表示例を示し、図4は音符/休符を伸ばす機能がオンの時の表示例を示している。
【0022】
図3及び図4において、表示画面15aには3つの領域が表示されている。第1の表示領域310は、「元の楽譜」が表示されている。また、第2の表示領域320には、第1の表示領域310に表示された「元の楽譜」のリズムを変形するユーザ操作を行うための「ユーザインタフェース」画面が表示されている。さらに、第3の表示領域330には、第2の表示領域320に表示された「ユーザインタフェース」画面を操作して編集された「編集後の楽譜」が表示されている。
【0023】
本実施形態においては、第1の表示領域310に表示された楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、第3の表示領域330には、編集後の楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、「編集後の楽譜」を了解するための「OKボタン」、「編集後の楽譜」を破棄するための「キャンセルボタン」、操作方法を補助するための「ヘルプボタン」が第3の表示領域330に記載されている。
【0024】
また、第2の表示領域320には、「元の楽譜」の特徴点を表示するための第1のウインド321、「編集後の楽譜」の特徴点を表示するための第2のウインド322が表示されている。第1のウインド321及び第2のウインド322に四角で表示されている特徴点は、それぞれ楽譜の音符/休符の発音タイミング(オンタイム)を表している。更に、編集対象の楽譜の分解能を選択するためのプルダウンメニュー323、「音符/休符を伸ばす」機能を選択するためのチェックボックス324が表示されている。図3のチェックボックス324はチェックが無い(選択されていない)ので、「音符/休符を伸ばす」機能はオフである。それに対して、図4においては、チェックボックス324がチェックされている(選択されている)ので、「音符/休符を伸ばす」機能はオンとなっている。
【0025】
次に、図5のフローチャートを参照しながら本実施形態のリズム変形装置100の処理手順の一例を説明する。
処理が開始されると、先ず、ステップS51において、分解能が変更されたか否かが判断される。この判断は、プルダウンメニュー323の内容がユーザによって変更されたか否かに基いて行われる。図3及び図4の例では、プルダウンメニュー323には「16分音符」が選択されている。ステップS51の判断の結果、変更された場合にはステップS52に進む。ステップS52に進んだ場合には、リズム入力コントロール更新処理が行われる。具体的には、第1のウインド321と第2のウインド322に表示されている分解能を表す縦線の表示が更新される。その際、第2のウインド322の特徴点の位置は、分解能上の位置となるように修正されるようにしても良い。その後、ステップS53に進み、楽譜更新処理が行われる。
【0026】
一方、ステップS54に進んだ場合には、リズム入力コントロールの特徴点が移動されたか否かが判断される。この判断の結果、移動された場合にはステップS53に進み、前述した楽譜更新処理が行われる。図3の例では、第1のウインド321と第2のウインド322とから分かるように、第1の特徴点及び第3の特徴点が移動されているので、ステップS54からステップS53に進んで楽譜更新処理が行われ、その更新結果が第3の表示領域330に直ぐに表示される。
【0027】
一方、ステップS54の判断の結果、移動されなかった場合にはステップS55に進む。ステップS55においては、「音符/休符を伸ばす」のチェックボックス324が変更されたか否かを判断する。この判断の結果、変更された場合にはステップS53に進み、楽譜更新処理が行われる。また、変更されなかった場合には処理を終了する。
【0028】
前述のように、本実施形態においては、第2の表示領域320に表示された「ユーザインタフェース」画面をユーザが操作してリズムの変形操作が行われると、その操作結果に基いて直ぐに更新処理が行われ、更新処理された結果が第3の表示領域330に表示される。これにより、ユーザはリズムの変形、及びダイアログボックス更新処理を行った場合には、操作結果をリアルタイムに知ることができる。これにより、編集作業効率を大幅に向上させることができる。
【0029】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、ステップS53で行われる楽譜更新処理の詳細を説明する。最初に、図3に示したように、チェックボックス324の「音符/休符を伸ばす」のチェックボックスがオフの場合の処理手順について説明する。
まず、ステップS61においては、先頭の特徴点が右に動かされているか否かを判断する。この判断の結果、動かされている場合にはステップS62に進み、動かされていない場合にはステップS63に進む。図3の例では、先頭の特徴点が右に動かされているので、ステップS62に進む。
【0030】
ステップS62においては、先頭に休符を挿入する処理を行う。ここで挿入する休符は、プルダウンメニュー323で選択されている分解能が「16分音符」であるので、第3の表示領域330に示すように、「16分休符」が先頭に挿入される。その後、ステップS63に進む。
【0031】
ステップS63においては、次の特徴点までの間隔が狭くなったか否かを判断する。この判断の結果、間隔が狭くなった場合にはステップS64に進み、狭くなっていない場合にはステップS65に進む。図3の例の場合には、第1の特徴点と第3の特徴点が次の特徴点までの間隔が狭くなっているので、ステップS63からステップS64に進む。ステップS64においては、次の特徴点までの間隔に応じて音符/休符の長さを変更する。図3の例では、分解能が「16分音符」に設定されている状態において、第1の特徴点では、次の特徴点までの間隔が4個分から3個分に変更されているので、「4分音符」が「付点8分音符」に、第3の特徴点では、次の特徴点までの間隔が4個分から2個分に変更されているので、「4分音符」が「8分音符」に変更される。図3の第2の特徴点と第4の特徴点においては、次の特徴点までの間隔が狭くなっていないので、ステップS63からステップS65に進む。
【0032】
ステップS65においては、次の特徴点までの間隔が広くなったか否かを判断する。この判断の結果、広くなった場合にはステップS66に進み、広くなっていない場合にはステップS69に進む。ステップS69においては、全ての特徴点を処理したか否かを判断する。この判断の結果、処理していない場合にはステップS63に戻って前述した処理を行う。また処理した場合にはエンド処理を行う。図3の例の場合には、第2の特徴点と第3の特徴点との間隔が広くなっているので、ステップS65からステップS66に進む。
【0033】
ステップS66においては、「音符/休符を伸ばす」のチェックがオンか否かを判断する。この判断の結果、オンである場合にはステップS67に進み、オンでない場合にはステップS68に進む。図3の例では、「音符/休符を伸ばす」のチェックがオンではないので、ステップS66からステップS68に進む。
【0034】
ステップS68においては、休符を挿入する処理を行う。図3の例では、分解能が「16分音符」に設定されている状態において、特徴点が2個分だけ右方向に移動しているので、「8分休符」を挿入している。ステップS68における休符を挿入する処理が終ったらステップS69に進む。ステップS69においては、全ての特徴点を処理したか否かを判断する。この判断の結果、処理していない場合にはステップS63に戻って前述した処理を行う。また処理した場合にはエンド処理を行う。
【0035】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、ステップS53で行われる楽譜更新処理について、図4に示したように、チェックボックス324の「音符/休符を伸ばす」のチェックボックスがオンの場合の処理手順を説明する。
「音符/休符を伸ばす」のチェックボックスがオンの場合の処理手順において、ステップS61〜ステップS66までの処理内容は、図3を参照しながら説明した処理手順と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
ステップS66においては、「音符/休符を伸ばす」のチェックがオンか否かを判断する。この判断の結果、オンである場合にはステップS67に進み、オンでない場合にはステップS68に進む。図4の例では、「音符/休符を伸ばす」のチェックがオンであるので、ステップS66からステップS67に進む。
【0037】
ステップS67においては、「音符/休符の長さを伸ばす」処理を行う。図4の例では、分解能が「16分音符」に設定されている状態において、特徴点が2個分だけ右方向に移動しているので、「4分音符」を「付点4分音符」に変更する処理を行う。ステップS67またはステップS68の処理が終了したらステップS69に進む。ステップS69においては、全ての特徴点を処理したか否かを判断する。この判断の結果、処理していない場合にはステップS63に戻って前述した処理を行う。また、処理した場合にはエンド処理を行う。
【0038】
以上、説明したように、本実施形態においては、ダイアログボックスの特徴点を移動するだけでリズムの変形ができるので、従来の音符や休符1つ1つに対して音価を修正していたのに比べて、頭の中で音価を計算する必要がなく、しかも目で見える形でリズムが指定できるので直感的に操作でき、短時問でリズムの修正が可能である。そして、さらにこのリズム変形処理は、複数小節を一度に処理することもできるので、さらに大幅に時間短縮を図ることができる。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、図7〜図10を参照しながら第2の実施形態を説明する。
本実施形態においては、編集対象の楽譜のリズムを細分化したり、単純化したりするリズム編集処理について説明する。
【0040】
図7は、本実施形態のリズム編集処理を行う際に、ディスプレイ15の表示画面15aに表示される画面の一例を示す図である。
図7に示すように、本実施形態においても、第1の表示領域710、第2の表示領域720及び第3の表示領域730がディスプレイ15の表示画面15aに表示される。
【0041】
図7に示すように、第1の表示領域710は、「元の楽譜」が表示されている。また、第2の表示領域720には、第1の表示領域710に表示された「元の楽譜」のリズムを編集するユーザ操作を行うための「ユーザインタフェース」画面が表示されている。さらに、第3の表示領域730には、第2の表示領域720に表示されたユーザインタフェース」画面を操作して編集された「編集後の楽譜」が表示されている。
【0042】
本実施形態においては、第1の表示領域710に表示された楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、第3の表示領域730には、編集後の楽譜を試聴することができるようにするために、「試聴ボタン」が設けられている。また、「編集後の楽譜」を了解するための「OKボタン」、「編集後の楽譜」を破棄するための「キャンセルボタン」、操作方法を補助するための「ヘルプボタン」が第3の表示領域730に記載されている。
【0043】
第2の表示領域720には、編集対象の楽譜の分解能を選択するためのプルダウンメニュー723が表示されているおり、図7の例では分解能として「16分音符」が選択されている。また、楽譜の音符についてリズムの細分化・単純化を行うための音符用チェックボックス721、及び楽譜の休符についてリズムの細分化・単純化を行うための休符用チェックボックス722が表示されている。図7においては、プルダウンメニュー723で選択された分解能に対応させ、それぞれ16個のチェックボックスが表示されている。
【0044】
次に、本実施形態のリズム細分化・単純化、ダイアログボックス更新処理について、図8〜図10を参照しながら説明する。
図9のフローチャートに示すように、処理が開始されると、まず、ステップS91において、分解能が変更されたか否かを判断する。これは、プルダウンメニュー723で選択されている「16分音符」が変更されたか否かに基いて判断される。この判断の結果、変更されている場合にはステップS92に進み、変更されていない場合にステップS94に進む。
【0045】
ステップS92においては、変更された分解能に応じて音符/休符入力コントロール更新処理を行う。具体的には、音符用チェックボックス721及び休符用チェックボックス722の個数が分解能に応じて変更される。この際、チェックボックスのチェック状態は、なるべく以前のリズムが保持されるようにするのが望ましい。その後、ステップS93に進む。ステップS93において第2の表示領域720の表示内容の変更に基く楽譜更新処理が行われる。ステップS93において行われる楽譜変更処理の詳細については、図10のフローチャートを参照しながら後述する。
【0046】
一方、ステップS91の判断の結果、分解能が変更されていない場合にはステップS94に進み、音符用チェックボックス721または休符用チェックボックス722がクリックされたか否かを判断する。この判断の結果、クリックされた場合にはステップS93に進み、クリック内容に基く楽譜更新処理が行われる。クリックされていない場合にはエンド処理が行われる。
【0047】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、ステップS93で行われる楽譜更新処理について説明する。
処理が開始されると、まず、ステップS101において、音符・休符を全て削除する処理が行われる。すなわち、第3の表示領域730の楽譜から一度全ての音符・休符が削除される。その後、ステップS102に進み、音符用チェックボックス721及び休符用チェックボックス722において、チェックが入っている時間と「音符/休符」の別、及びゲートタイムの配列テーブルが作成される。作成される配列テーブルについては後述する。
【0048】
次に、ステップS103において、チェックが音符であるか否かを前記配列テーブルにより判断する。この判断の結果、チェックが音符でなかった場合にはステップS104に進み、音符であった場合にはステップS105に進む。ステップS104においては、休符を追加する処理を行う。この際、休符を追加する時間と休符の音価(長さ)は、前記配列テーブルの「時間」と「ゲートタイム」とにより決定する。その後、ステップS109に進む。
【0049】
ステップS103の判断の結果、ステップS105に進んだ場合には、直前の音符をサーチする。これは、追加する音符の音高を決定するためのものであり、具体的には、第1の表示領域710の楽譜を参照して、前記配列テーブルの「時間」から前方向に音符を検索する。次に、ステップS106において、音符が見つかったか否かを判断する。この判断の結果、見つからなかった場合にはステップS104に進み、前述した休符を追加する処理を行う。また、音符が見つかった場合にはステップS107に進む。
【0050】
ステップS107においては、音符を追加する処理を行う。追加する音符の音高はステップS105でサーチした音符の音高を用いる。サーチした音符が和音の場合は、和音として音符を追加する。音符の時間と音価(長さ)は、前記配列テーブルの「時間」と「ゲートタイム」とにより決定する。その後、ステップS108に進み、アーティキュレーション(articulation)を追加する処理を行う。すなわち、ステップS105でサーチした音符にアクセントなどのアーティキュレーション記号が付いている場合には、それと同じものを追加した音符にも追加する。同様に、ステップS105でサーチした音符に臨時記号が付いていた場合は、同じような臨時記号を追加し、符尾の向きなどもサーチした音符に揃える。
【0051】
次に、ステップS109において全てのチェックを処理したか否かを判断する。この判断の結果、処理していない場合にはステップS103に戻って前述した処理を行う。また、ステップS109の判断の結果、全てのチェックを処理した場合にはエンド処理を行う。
【0052】
図8に、ステップS102において作成される配列テーブルの一例を示す。
本実施形態においては、音符用チェックボックス721で、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「第6」、「第12」にチェックが入れられている。また、休符用チェックボックス722においては、「第5」にチェックが入れられており、チェックが入れられた個数は合計7個である。
【0053】
したがって、図8に示すように、配列テーブルは番号1〜番号7まで作成されている。図8において、「タイムベース=4分音符の長さ=480」であり、「時間」はチェックの小節の先頭からの時間、「ゲートタイム」は、次のチェックまでの時間を示している。ただし、最後は小節の終わりまでの時間である。また、ゲートタイム600の音符は存在しないので、第3の表示領域730に示すように、編集後の楽譜は、4分音符と16分音符のタイで追加している。
【0054】
以上、説明したように、本実施形態によれば、リズムの修正、音符の追加、削除といった処理がダイアログボックスのチェックボックスにチェックを入れるだけでできるので、従来の音特や休符を1つずつ追加していたのに比べて、頭の中で音価を計算する必要がなく、しかも目で見える形でリズムが指定できるので直感的に操作でき、短時問でリズムの修正、音符の追加、削除が可能である。そして、さらにこのリズム編集処理は、複数小節を一度に処理することもできるので、さらに大幅に時間短縮を図ることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 システムバス
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 画像制御部
15 ディスプレイ
15a 表示画面
16 I/Oインターフェース
17 ハードディスクドライブ
20 CD−ROMドライブ
21 CD−ROM
22 マウス
22a マウスのボタン
23 キーボード
24 プリンタ
50 パーソナルコンピュータ
100 リズム変形装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集機能を有するリズム変形装置であって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、
前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、
前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集手段とを有し、
前記表示制御手段は、編集対象の楽譜の特徴点を表示する第1の表示部と、前記第3の表示領域に表示する編集後の楽譜の特徴点を表示する第2の表示部と、編集対象の楽譜の分解能を設定するためのメニューを前記第2の表示領域に表示し、
前記楽譜編集手段は、前記第2の表示部に表示されている楽譜の特徴点が前記ユーザ操作手段により移動されると、その移動に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜のリズムを編集し、前記表示制御手段は前記楽譜編集手段により編集された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とするリズム変形装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、音符/休符を伸ばす機能を選択するためのチェックボックスを前記第2の表示領域に表示し、
前記第2の表示部に表示されている楽譜の特徴点が前記ユーザ操作手段により移動されて次の特徴点までの間隔が広くなった際に、前記チェックボックスがオンである場合には音符/休符の長さを変更し、前記チェックボックスがオフである場合には直後に休符を挿入することを特徴とする請求項1に記載のリズム変形装置。
【請求項3】
前記第1の表示領域及び第3の表示領域に試聴ボタンを設け、前記第1の表示領域に表示されている元の楽譜、及び前記第3の表示領域に表示されている編集後の楽譜を試聴できるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のリズム変形装置。
【請求項4】
前記楽譜の分解能を設定するためのメニューはプルダウンメニューであることを特徴とする請求項1に記載のリズム変形装置。
【請求項5】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集機能を有するリズム編集装置であって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御手段と、
前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作手段と、
前記ユーザ操作手段によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集手段とを有し、
前記表示制御手段は、編集対象の楽譜の分解能を設定するメニューと、編集対象の楽譜の音符についてリズムの細分化・単純化を行うための音符用チェックボックスと、編集対象の楽譜の休符についてリズムの細分化・単純化を行うための休符用チェックボックスとを表示し、
前記楽譜編集手段は、前記音符用チェックボックス及び休符用チェックボックスに入れられるチェックに応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集し、編集後の楽譜を前記第3の表示領域に表示することを特徴とするリズム編集装置。
【請求項6】
前記楽譜の分解能を設定するためのメニューはプルダウンメニューであることを特徴とする請求項5に記載のリズム編集装置。
【請求項7】
前記第1の表示領域及び第3の表示領域に試聴ボタンを設け、前記第1の表示領域に表示されている元の楽譜、及び前記第3の表示領域に表示されている編集後の楽譜を試聴できるようにしたことを特徴とする請求項5または6に記載のリズム編集装置。
【請求項8】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する工程をコンピュータに実行させるリズム変形プログラムであって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、
前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、
前記ユーザ操作工程において設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集工程とを有し、
前記表示制御工程においては、編集対象の楽譜の特徴点を表示する第1の表示部と、前記第3の表示領域に表示する編集後の楽譜の特徴点を表示する第2の表示部と、編集対象の楽譜の分解能を設定するためのメニューを前記第2の表示領域に表示し、
前記楽譜編集工程においては、前記第2の表示部に表示されている楽譜の特徴点が前記ユーザ操作工程により移動されると、その移動に応じて前記第1の表示部に表示されている編集対象の楽譜のリズムを編集し、前記表示制御工程においては前記楽譜編集工程において編集された後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とするリズム変形プログラム。
【請求項9】
表示装置の表示画面に表示された編集対象の楽譜のリズムを編集する工程をコンピュータに実行させるリズム編集プログラムであって、
前記編集対象の楽譜を第1の表示領域に表示し、前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集操作画面を第2の表示領域に表示し、編集後の楽譜を第3の表示領域に表示するよう前記表示装置を制御する表示制御工程と、
前記第2の表示領域に表示された楽譜編集操作画面に表示された楽譜のパラメータ情報を所定の値に設定するユーザ操作工程と、
前記ユーザ操作工程によって設定された楽譜のパラメータ情報に応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集する楽譜編集工程とを有し、
前記表示制御工程においては、編集対象の楽譜の分解能を設定するメニューと、編集対象の楽譜の音符についてリズムの細分化・単鈍化を行うための音符用チェックボックスと、編集対象の楽譜の休符についてリズムの細分化・単純化を行うための休符用チェックボックスとを表示し、前記楽譜編集工程においては、前記音符用チェックボックス及び休符用チェックボックスに入れられるチェックに応じて前記編集対象の楽譜のリズムを編集し、編集後の楽譜を前記第3の表示領域に表示するようコンピュータを制御することを特徴とするリズム編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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