説明

リニアモータおよびそれを備えたテーブル送り装置

【課題】 電機子コアのピッチずれを発生させることなく、コギング推力の発生を極力低減させると共に、モータの発生損失を増大させることなく冷却性能を向上させ、モータ電機子体格の増大を抑制できるリニアモータ及びそれを備えたテーブル送り装置を提供する。
【解決手段】 界磁ヨーク1a上に複数の永久磁石1bを配置した界磁極1と、該界磁極1間に配置した電機子2と、を備え、前記電機子2は、電機子巻線4を収納してなるコアブロック3を直線方向に複数個並べたリニアモータにおいて、コアブロック3の積層方向となる上下両端には、一方に複数のコアブロック毎を個別に固定するように該コアブロックと同個数に分割した複数の第1コア取付板5aを設け、他方に前記複数のコアブロック全体を一体に固定するよう、該コアブロックを複数連結した全体の長さと同じ長さを有してなる第2コア取付板5bを設け、ボルトネジ30により固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体関連装置や工作機の位置決め用の送り装置などに利用される、高精度なリニアモータに関し、特にその電機子の取付構造および冷却構造に特徴を有したリニアモータおよびそれを備えたテーブル送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来技術を示す磁気吸引力相殺型のリニアモータの正断面図である。図8は、図7を矢視B方向から見たリニアモータ電機子の側面図であって、該側面図の一部をA−A線に沿って破断すると共に、コア取付板と電機子取付板との結合部の構成および両部材に設けた2段冷却通路の構成を中心に示したものである。図9は、図7を矢視B方向から見たリニアモータの側面図であって、コア取付板とコアブロックとの両方をボルトネジで固定する構成を中心に透視したものである。なお、従来例では、界磁極を電機子の両側に配置してなる磁束貫通形構造を構成する、可動コイル型リニアモータの例を用いて説明する。
図7において、1は界磁極、2は電機子である。
界磁極1は、平板状の磁性体からなり、互いに間隔を置いて対向配置した2つの界磁ヨーク1aと、界磁ヨーク1aに沿って並べられた交互に磁極が異なる複数の永久磁石1bより構成されている。
電機子2は、永久磁石1bと磁気的空隙を介して対向して設けられ、電磁鋼板より略I字状に打ち抜き、両側面にスロット3aと凹凸状の係合部3bを形成してなる複数の電機子鉄板を鉛直方向に積層したコアブロック3と、前記コアブロック3のスロット3aにコイルを整列巻きにより収納してなる電機子巻線4を備えると共に、前記コアブロック3を直線方向に複数個並べて、該コアブロック3の係合部3bを互いに係合して図示しない樹脂モールドによる一体構成される。
また、電機子2を構成するコアブロック3の積層方向となる上下両端には、該コアブロックを固定するためのコア取付板10、10´が設けられ、コア取付板10の上部には、図示しないテーブルを取り付けるための電機子取付板20が設けられている。コアブロック3は、コア取付板10、10´の間に挟んでボルトネジ30により固定し、樹脂モールドによって一体化したものとなっている。電機子2は、コアブロック3を構成する積層鋼板の枚数を増減して積み厚を変更したり、コアブロック3の個数を増減することで、リニアモータの発生推力を自由に設計するようにしている。
【0003】
さらに、コア取付板10と電機子取付板20との両方には、電機子2に発生する熱を効率的に放熱させて冷却し、高精度の位置決め制御特性が得られるよう、冷却通路を設置する冷却構造が採用されている。具体的には、図7および図8に示すように、11はコア取付板冷却通路、11aはコア取付板冷却通路の入口、11bはコア取付板冷却通路の出口、21は電機子取付板の冷却通路、21aは電機子取付板冷却通路の入口、21bは電機子取付板冷却通路の出口、31は電機子取付板を固定するボルトネジ、33はコア取付板冷却通路出口11bと電機子取付板冷却通路入口21aを結合するジョイントである。
このような構成において、リニアモータの電機子巻線4に通電すると、この電機子巻線4と永久磁石1bの磁束の電磁作用により、コアブロック3を取付けた電機子2が直線方向に移動する。この際、コア取付板10内部に設けたコア取付板冷却通路11に冷媒を流すと、ジョイント33を介して電機子取付板20へ冷媒を戻すことにより、電機子の発熱は冷媒により熱交換されて除去される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−27927号公報
【特許文献2】特開2000‐217334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では以下の問題があった。
(1)上述したように、電機子のコアブロックは電磁鋼板を複数枚積層するによって構成されるが、積層電磁鋼板は厚みのバラツキがあると、構成された電機子コアブロックは高さ方向に高低バラツキを生じる。該電機子の高さ方向の上下両端からコアブロックを挟んで固定する上下のコア取付板は、それぞれ一体ものであるため、高低バラツキがある複数の電機子コアブロックをネジで全数均一に固定することは困難である。また、電機子をモールド樹脂で注型する際に、注型樹脂の圧力や、温度変化で起きた応力などの外力を受けて、コア取付板との隙間があるコアブロックは、倒れや、位置ずれなどを発生する。いわゆるコアブロックのピッチずれが発生し、コギング推力や推力リップルの原因となり、ひいてはリニアモータを組み込んだ工作機械や半導体装置などのコンタリング性能、あるいは位置決め性能を劣化させる原因となり、大きな問題となっていた。
(2)また、コア取付板と電機子取付板に設けた冷却通路は、コア取付板と電機子取付板にそれぞれ設けた貫通穴に金属(銅製など)の冷却管を通して設置する構成であるため、貫通穴と金属冷却管との間に、隙間が存在することで冷却性能が悪くさせているという問題があった。
(3)また、コア取付板と電機子取付板と共に冷却通路(2段冷却通路)を設置するので、コア取付板と電機子取付板の厚さが必要することで電機子の高さ寸法を増大させることとなった。
(4)またさらに、コア取付板冷却通路出口と電機子取付板冷却通路入口を結合するために、連結部品となるジョイントが存在することで電機子の長さ寸法を増大させることとなった。つまり、電機子コイルの有効寸法が小さくなるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたであり、電機子コアのピッチずれを発生させることなく、コギング推力の発生を極力低減させると共に、モータの発生損失を増大させることなく冷却性能を向上させ、モータ電機子体格の増大を抑制することができる高精度なリニアモータおよびそれを備えたテーブル送り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、請求項1に記載のリニアモータに関わる発明は、平板状の2列からなる界磁ヨーク上に交互に磁極が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに直線状に並べて配置した界磁極と、前記永磁石の磁石列と磁気的空隙を介して対向するように前記界磁極間に配置した電機子と、を備え、前記電機子は、電磁鋼板より略I字状に打ち抜き、両側面にスロットと凹凸状の係合部を形成してなる複数の電機子鉄板を積層したコアブロックと、前記コアブロックのスロットにコイルを整列巻きにより収納してなる電機子巻線を備えると共に、前記コアブロックを直線方向に複数個並べて、該コアブロックの係合部を互いに係合して構成してあり、前記界磁極と前記電機子の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁極と前記電機子を相対的に走行するようにしたリニアモータにおいて、前記コアブロックの積層方向となる上下両端には、一方に前記複数のコアブロック毎を個別に固定するように、該コアブロックと同個数に分割してなる複数の第1コア取付板を設けると共に、他方に前記複数のコアブロック全体を一体に固定するように、少なくとも該コアブロックを複数連結した全体の長さと同じ長さを有してなる第2コア取付板を設けてあり、前記第1コア取付板側から前記第2コア取付板に向かって、該コアブロック毎をボルトネジによりねじ込んで固定し、樹脂モールドによって一体構成したことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のリニアモータにおいて、前記第1コア取付板および前記第2コア取付板における該コアブロックと対向する面との反対側にそれぞれ第1電機子取付板、第2電機子取付板を設けてあり、前記第1コア取付板と前記第1電機子取付板との間および前記第2コア取付板と前記第2電機子取付板との間にそれぞれ冷却通路を設けたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のリニアモータにおいて、前記冷却通路は、前記各々の電機子取付板側に穿設された溝と、前記溝に埋設された金属製の冷却管より構成すると共に、走行方向に連続的に折り返されて配置されたことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータにおいて、前記第1電機子取付板と前記第2電機子取付板の何れか一方が、外部のテーブルに取り付けるための固定ベースとして兼用としたものであることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載のリニアモータを用いて、テーブルの位置決め送りを行うテーブル送り装置としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電機子の分割されたコアブロック毎を正規な位置で固定することで、電機子コア間のピッチずれを極力低減できて、リニアモータのコギング推力を最小にできる。
これにより、コンタリング性能の高く、高精度加工ができる工作機械、高速に微小位置決めを行なえ、高スループットの半導体製造装置にも適用可能なリニアモータを提供できるといった大きな効果がある。
また、本発明によれば、コア取付板と電機子取付板との界面のみに冷却管を設置されたため、コア取付板と電機子取付板の厚さ寸法が低減することが可能であり、従来技術の連結部品(ジョイント)も不要となり、モータ電機子体格の増大を抑制することができるといった効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。なお、本発明の構成要素が従来技術と同じものについては同一符号を付してその説明を省略し、異なる点について説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の第1実施例を示す磁気吸引力相殺型のリニアモータの正断面図である。
図2は、図1を矢視B方向から見たリニアモータ電機子の側面図であって、該側面図の一部をA−A線に沿って破断すると共に、コア取付板と電機子取付板との結合部の構成および該電機子取付板に設けた2段冷却通路の構成を中心に示したものである。図3は、図1を矢視C方向から見たリニアモータの平面図であって、該平面図の一部を破断すると共に、コア取付板とコアブロックとの結合部の構成を中心に示したものである。図4は、図3を矢視D方向から見たリニアモータの側面図であって、コア取付板とコアブロックとの両方をボルトネジで固定する構成を中心に透視したものである。
図1〜図4において、5aは第1コア取付板、5bは第2コア取付板、6aは第1電機子取付板、6bは第2電機子取付板、7は冷却通路、7aは溝、7bは冷却管、30はボルトネジ、31、32はボルトネジである。
また、本発明の第1実施例が従来技術と異なる点は、コアブロック3の積層方向となる上下両端には、一方に複数のコアブロック毎を個別に固定するように、該コアブロックと同個数に分割してなる複数の第1コア取付け板5aを設けると共に、他方に前記複数のコアブロック全体を一体に固定するように、少なくとも該コアブロックを複数連結した全体の長さと同じ長さを有してなる第2コア取付板5bを設けてあり、第1コア取付板5a側から第2コア取付板5bに向かって、該コアブロック毎をボルトネジ30によりねじ込んで固定し、樹脂モールドによって一体構成した点である。
【0009】
次に、リニアモータの動作について説明する。
図3において、電機子巻線4に通電すると、この電機子巻線4に発生する磁束が電機子のコアブロック3の圧延ロール方向に沿って流れ、永久磁石1bを通って界磁ヨーク1aより隣の永久磁石1b´からコアブロック3に流れる。この電機子巻線4より発生してコアブロック3に流れた磁束と永久磁石の磁束との電磁作用により、コアブロック3に取付けた図示しない移動子を直線方向に移動する。
この際、図2の本発明のリニアモータにおいては、正規な決めた位置での分割コア固定ができることにより、モールド注型による電機子コアの倒れや、位置ずれがなくなり、その結果、リニアモータのコギング推力の発生が抑制され、推力リップルを最小にできる。
【0010】
本発明の第1実施例は、コアブロック3の上下両端に一方に、複数のコアブロック毎を個別に固定する複数の第1コア取付板5aを設け、他方に該複数のコアブロック全体を一体に固定する第2コア固定板を設け、ボルトネジ30を両コア固定板にねじ込んで固定することにより、分割コア毎を正規な位置で固定する構成にしたので、従来生じていた電機子コア間のピッチずれを極力低減でき、リニアモータのコギング推力を最小限に抑えることができる。
以上から、コンタリング性能が高く、高精度加工ができる工作機械、高速に微小位置決めを行なえ、高スループットの半導体製造装置にも適用可能なリニアモータを提供できるといった大きな効果がある。
【実施例2】
【0011】
図5は、本発明の第2実施例を示すリニアモータの冷却通路の断面図であって、図1のE部を拡大した図に相当する。
図6は、図2のX−X線及びY−Y線に沿う冷却通路の連続的に折り返された形状を示す平断面図である。
第2実施例の特徴は、以下のとおりである。
第1コア取付板5aおよび第2コア取付板5bにおけるコアブロック3と対向する面との反対側にそれぞれ第1電機子取付板6a、第2電機子取付板6bを設けてあり、第1電機子取付板6aにおける第1コア取付板5a側の近傍および第2電機子取付板6bにおける第2コア取付板5b側の近傍にそれぞれ冷却通路7を設けた点である。
また、冷却通路7は、各々の電機子取付板6a、6bに穿設された溝7aと、溝7aに埋設された金属製の冷却管7bより構成すると共に、走行方向に連続的に折り返されて配置されたものである。なお、冷却管7bは予めプレース加工によって製作されている。
さらに、第1電機子取付板6aおよび第2電機子取付板6bの何れか一方は、外部のテーブルに取り付けるための固定ベースとして兼用したものとなっている。
【0012】
次に、リニアモータの冷却構造に関わる動作について説明する。
図1、2、5、6において、電機子取付板におけるコア取付板近傍に金属製冷却管を設け、金属製冷却管を電機子取付板とコア取付板との間でボルトネジ締結により密着させると、予めプレース加工によって製作された金属製冷却管の断面は、コア取付板と接触した部分が扁平に変形される。このような状態の下で、発熱源の電機子巻線を巻装してなる電機子コアブロックとコア取付板との接触面が増加するため、コアブロックとコア取付板と電機子取付板との間の熱抵抗が小さくなる。その結果、電機子の上下端部の電機子取付板に冷却通路を配置して冷媒を流すと、冷却通路を流れる冷媒により電機子巻線の発熱が熱交換され、冷却性能が向上する。
【0013】
本発明の第2実施例は、電機子取付板におけるコア取付板近傍に金属製冷却管を設け、金属製冷却管を電機子取付板とコア取付板との間でボルトネジ締結により密着させた構成にしたので、電機子コアブロックとコア取付板との間の接触面の増加により、各部材間の熱抵抗が小さくなり、電機子取付板に流れる冷媒により電機子巻線の発熱を効率良く熱交換することができ、冷却性能を向上することができる。
また、本冷却構造は、実質的にはコア取付板と電機子取付板との界面のみに冷却管を設置する構成のため、コア取付板と電機子取付板の厚さ寸法を低減することが可能であり、省スペース化を図ることができる。
また、本実施例は、電機子取付板に設けた冷却管が走行方向に連続的に折り返される構成のため、従来技術のごとく、コア取付板および電機子取付板の各々に冷却通路を設置することなく、2段冷却通路を連結するための連結部品(ジョイント)も不要となり、モータ電機子体格の増大を抑制することができる。
さらに、第1電機子取付板と第2電機子取付板の何れか一方を、外部のテーブルを取り付ける固定ベースとして兼用させる構成にしたので、リニアモータを外部機械装置に取り付けるための自由度が増し、省スペース化を図ることができる。
またさらに、本発明の実例の電機子コアブロックは、走行方向に複数個、連結配置する構成にすることで、ストロークの長い電機子を実現することが可能となり、特に樹脂モールド型の寸法に限られた電機子コアブロックを製作する際に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
以上述べたように、電機子コアのピッチずれを発生させることなく、コギング推力の発生を極力低減させると共に、モータの発生損失を増大させることなく冷却性能を向上させ、モータ電機子体格の増大を抑制することができる高精度なリニアモータおよびそれを備えたテーブル送り装置を提供できるため、高精度加工ができる工作機械のテーブル、高速での微小位置決めや一定送り速度を要する半導体製造装置、液晶検査装置等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施例を示す磁気吸引力相殺型のリニアモータの正断面図である。
【図2】図1を矢視B方向から見たリニアモータ電機子の側面図であって、該側面図の一部をA−A線に沿って破断すると共に、コア取付板と電機子取付板との結合部の構成および該電機子取付板に設けた2段冷却通路の構成を中心に示したものである。
【図3】図1を矢視C方向から見たリニアモータの平面図であって、該平面図の一部を破断すると共に、コア取付板とコアブロックとの結合部の構成を中心に示したものである。
【図4】図3を矢視D方向から見たリニアモータの側面図であって、コア取付板とコアブロックとの両方をボルトネジで固定する構成を中心に透視したものである。
【図5】本発明の第2実施例を示すリニアモータの冷却通路の断面図であって、図1のE部を拡大した図に相当する。
【図6】図2のX−X線及びY−Y線に沿う冷却通路の連続的に折り返された形状を示す平断面図である。
【図7】従来技術を示す磁気吸引力相殺型のリニアモータの正断面図である。
【図8】図7を矢視B方向から見たリニアモータ電機子の側面図であって、該側面図の一部をA−A線に沿って破断すると共に、コア取付板と電機子取付板との結合部の構成および両部材に設けた2段冷却通路の構成を中心に示したものである。
【図9】図7を矢視B方向から見たリニアモータの側面図であって、コア取付板とコアブロックとの両方をボルトネジで固定する構成を中心に透視したものである。
【符号の説明】
【0016】
1 界磁極
1a 界磁ヨーク
1b 永久磁石
2 電機子
3 コアブロック
3a スロット
3b 係合部
4 電機子巻線
5a 第1コア取付板
5b 第2コア取付板
6a 第1電機子取付板
6b 第2電機子取付板
7 冷却通路
7a 溝
7b 冷却管
30 ボルトネジ
31、32 ボルトネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の2列からなる界磁ヨーク上に交互に磁極が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに直線状に並べて配置した界磁極と、
前記永磁石の磁石列と磁気的空隙を介して対向するように前記界磁極間に配置した電機子と、を備え、
前記電機子は、電磁鋼板より略I字状に打ち抜き、両側面にスロットと凹凸状の係合部を形成してなる複数の電機子鉄板を積層したコアブロックと、前記コアブロックのスロットにコイルを整列巻きにより収納してなる電機子巻線を備えると共に、前記コアブロックを直線方向に複数個並べて、該コアブロックの係合部を互いに係合して構成してあり、
前記界磁極と前記電機子の何れか一方を固定子に、他方を可動子として、前記界磁極と前記電機子を相対的に走行するようにしたリニアモータにおいて、
前記コアブロックの積層方向となる上下両端には、一方に前記複数のコアブロック毎を個別に固定するように、該コアブロックと同個数に分割してなる複数の第1コア取付板を設けると共に、他方に前記複数のコアブロック全体を一体に固定するように、少なくとも該コアブロックを複数連結した全体の長さと同じ長さを有してなる第2コア取付板を設けてあり、
前記第1コア取付板側から前記第2コア取付板に向かって、該コアブロック毎をボルトネジによりねじ込んで固定し、樹脂モールドによって一体構成したことを特徴とするリニアモータ。
【請求項2】
前記第1コア取付板および前記第2コア取付板における該コアブロックと対向する面との反対側にそれぞれ第1電機子取付板、第2電機子取付板を設けてあり、
前記第1電機子取付板における前記第1コア取付板側の近傍および前記第2電機子取付板における前記第2コア取付板側の近傍にそれぞれ冷却通路を設けたことを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
【請求項3】
前記冷却通路は、前記各々の電機子取付板側に穿設された溝と、前記溝に埋設された金属製の冷却管より構成すると共に、走行方向に連続的に折り返されて配置されたことを特徴とする請求項2記載のリニアモータ。
【請求項4】
前記第1電機子取付板と前記第2電機子取付板の何れか一方が、外部のテーブルに取り付けるための固定ベースとして兼用としたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のリニアモータを用いて、テーブルの位置決め送りを行うことを特徴とするテーブル送り装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−159740(P2009−159740A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335661(P2007−335661)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】