説明

リフトロック式双輪キャスター

【課題】コストを削減すると共に、レバー4の操作性を向上させる。
【解決手段】レバー4の左フランジ部4aをキャスター本体1の左側面1cの左側に配置し、右フランジ部4bを右側面1dの右側に配置し、車軸11を左フランジ部4aの車軸収容穴4a1、キャスター本体1の車軸収容穴1aおよび右フランジ部4bの車軸収容穴4b1に挿入し、ストッパ7の突出時に、左フランジ部4aの高カム部4a2がストッパ7の左側壁部7cの上側表面7c2の高カム当接部7c2aに当接すると共に、右フランジ部4bの高カム部4b2が右側壁部7dの上側表面7d2の高カム当接部7d2aに当接し、ストッパ7の格納時に、左フランジ部4aの低カム部4a3が上側表面7c2の低カム当接部7c2bに当接すると共に、右フランジ部4bの低カム部4b3が上側表面7d2の低カム当接部7d2bに当接するリフトロック式双輪キャスター30。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフトロック式双輪キャスターに関し、特には、リフトロック式双輪キャスター全体のコストを削減することができると共に、レバーの操作性を向上させることができるリフトロック式双輪キャスターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉛直方向に延びている旋回軸に対してキャスター本体が旋回できるように、旋回軸がキャスター本体の旋回軸収容穴に装着され、レバーがロック位置に配置される時に、ストッパの接地部が左車輪および右車輪の最下点よりも下側に突出せしめられている突出位置にストッパが配置され、レバーがアンロック位置に配置される時に、ストッパの接地部が左車輪および右車輪の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパが配置されるように構成されたリフトロック式双輪キャスターが知られている。この種のリフトロック式双輪キャスターの例としては、例えば特開2000−85307号公報に記載されたものがある。
【0003】
特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーのロック用ハンドル部が押動されると、レバーの回転軸を中心にレバーが回転せしめられ、レバーがロック位置に配置される。それにより、レバーとストッパとの間に配置された操作力伝達部材としての3個のボールが、レバーによって押動される。その結果、3個のボールによってストッパが押し下げられ、ストッパの接地部が左車輪および右車輪の最下点よりも下側に突出せしめられる。
【0004】
一方、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーのアンロック用ハンドル部が押動されると、レバーの回転軸を中心にレバーが逆向き回転せしめられ、レバーがアンロック位置に配置される。その結果、ストッパの接地部が左車輪および右車輪の最下点よりも上側に格納せしめられている格納位置までストッパが圧縮コイルバネによって戻される。それに伴って、操作力伝達部材としての3個のボールもレバーの側に押し戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−85307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーがキャスター本体の左側面と右側面との間に配置されている。そのため、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーとストッパとを直接当接させることができず、それゆえ、上述したように、操作力伝達部材としての3個のボールがレバーとストッパとの間に介在せしめられている。
【0007】
そのため、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、操作力伝達部材としての3個のボールがレバーとストッパとの間に介在せしめられている分だけ、レバーをアンロック位置からロック位置に移動させることによりストッパを格納位置から突出位置に移動させる時に、操作力の伝達ロスが生じてしまう。その結果、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーをアンロック位置からロック位置に移動させる時に大きい操作力が必要になってしまう。
【0008】
また、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、操作力伝達部材として3個のボールが用いられるのに伴って、部品数が増加してしまい、リフトロック式双輪キャスター全体が重量化してしまい、組立作業が複雑になってしまう。その結果、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、リフトロック式双輪キャスター全体のコストが嵩んでしまう。
【0009】
更に、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーの回転軸が、車軸あるいは旋回軸とは別個に設けられると共に、車軸とレバーのロック用ハンドル部とのほぼ中間点に配置されている。つまり、レバーの回転軸(支点)とレバーのロック用ハンドル部(力点)との間隔が比較的小さい値に設定されている。
【0010】
そのため、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーの回転軸が車軸あるいは旋回軸とは別個に設けられるのに伴って、部品数が増加してしまい、リフトロック式双輪キャスター全体が重量化してしまい、組立作業が複雑になってしまう。その結果、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、リフトロック式双輪キャスター全体のコストが嵩んでしまう。
【0011】
また、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターでは、レバーの回転軸(支点)とレバーのロック用ハンドル部(力点)との間隔が比較的小さい値に設定されるのに伴って、レバーをアンロック位置からロック位置に移動させる時に大きい操作力が必要になってしまう。
【0012】
前記問題点に鑑み、本発明は、リフトロック式双輪キャスター全体のコストを削減することができると共に、レバーの操作性を向上させることができるリフトロック式双輪キャスターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着し、レバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)が押動されることによってレバー(4)がロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも下側に突出せしめられている突出位置にストッパ(7)が配置され、レバー(4)のアンロック用ハンドル部(4c2)が押動されることによってレバー(4)がアンロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ(7)が配置されるように構成したリフトロック式双輪キャスター(30)において、キャスター本体(1)の左側面(1c)と左車輪(12−1)との間に配置される左フランジ部(4a)と、キャスター本体(1)の右側面(1d)と右車輪(12−2)との間に配置される右フランジ部(4b)と、左フランジ部(4a)と右フランジ部(4b)とを橋絡する中央部(4c)とをレバー(4)に設け、鉛直方向に延びている係合溝(1c2)をキャスター本体(1)の左側面(1c)に形成すると共に、鉛直方向に延びている係合溝(1d2)をキャスター本体(1)の右側面(1d)に形成し、
キャスター本体(1)の左側面(1c)の係合溝(1c2)と係合する係合突起(7c1a)をストッパ(7)の左側壁部(7c)の内側表面(7c1)に形成すると共に、キャスター本体(1)の右側面(1d)の係合溝(1d2)と係合する係合突起(7d1a)をストッパ(7)の右側壁部(7d)の内側表面(7d1)に形成し、ストッパ(7)の左側壁部(7c)と右側壁部(7d)とを底部(7b)によって橋絡し、ストッパ(7)の底部(7b)から鉛直方向上向きに延びている柱状凸部(7b1)を設け、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)を収容するための収容穴(1f1)をキャスター本体(1)の底面(1f)に形成し、ストッパ(7)が格納位置に位置するようにストッパ(7)を鉛直方向上向きに付勢する圧縮コイルバネ(9)と、圧縮コイルバネ(9)の下端部(9b)に当接するバネ座部材(8)とをストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の周りに配置し、圧縮コイルバネ(9)の上端部(9a)と当接するねじ頭(10b)を有するねじ(10)を、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の上端部にねじ止めし、バネ座部材(8)をキャスター本体(1)の底面(1f)の収容穴(1f1)の入口部分に装着し、レバー(4)の左フランジ部(4a)をキャスター本体(1)の左側面(1c)の左側に配置すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)をキャスター本体(1)の右側面(1d)の右側に配置し、水平方向に延びている車軸(11)をレバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)、キャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)およびレバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)に挿入することにより、レバー(4)が車軸(11)を中心に回転できるようにし、左車輪(12−1)を車軸(11)の左端部(11d)に取り付け、右車輪(12−2)を車軸(11)の右端部(11e)に取り付け、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に当接することにより、ストッパ(7)が突出位置に配置され、レバー(4)がアンロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の低カム部(4a3)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の低カム当接部(7c2b)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の低カム部(4b3)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の低カム当接部(7d2b)に当接することにより、ストッパ(7)が格納位置に配置されることを特徴とするリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と嵌合する嵌合部(11b)とによって隙間嵌めを構成し、レバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と嵌合する嵌合部(11c)とによって隙間嵌めを構成したことを特徴とする請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と概略相補形状の収容凹部(7c2a1)をストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に形成し、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と概略相補形状の収容凹部(7d2a1)をストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に形成し、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と、ストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)とが嵌合せしめられ、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と、ストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)とが嵌合せしめられることを特徴とする請求項2に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)を、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置し、レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)を、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置したことを特徴とする請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、車軸(11)の左端部(11d)の係合部(11d2)が左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)を乗り越えるように、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)に対して車軸(11)の左端部(11d)を圧入することによって左車輪(12−1)を車軸(11)の左端部(11d)に取り付けると、車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の嵌合部(12−1a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と係合部(11d2)との間の環状溝(11d3)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)とによって隙間嵌めが構成され、それにより、左車輪(12−1)が車軸(11)の左端部(11d)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)が左車輪(12−1)から抜けなくなり、車軸(11)の右端部(11e)の係合部(11e2)が右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)を乗り越えるように、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)に対して車軸(11)の右端部(11e)を圧入することによって右車輪(12−2)を車軸(11)の右端部(11e)に取り付けると、車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の嵌合部(12−2a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と係合部(11e2)との間の環状溝(11e3)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)とによって隙間嵌めが構成され、それにより、右車輪(12−2)が車軸(11)の右端部(11e)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)が右車輪(12−2)から抜けなくなることを特徴とする請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)とローレットパーツ(2)とによって旋回軸(20)を構成し、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着すると、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成され、それにより、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなることを特徴とする請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)をスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着し、スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)がローレットパーツ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有するローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に対して、ローレットパーツ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)をローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に装着すると、スリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)がローレットパーツ(2)から抜けなくなり、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)をローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入すると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とを螺合させ、一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とをボルト(3)に対して回転させることにより、ボルト(3)の鉛直方向位置を変更することを特徴とする請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めをボルト(3)の雄ねじ部(3b)とローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)とによって構成したことを特徴とする請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【0021】
請求項9に記載の発明によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めをボルト(3)の雄ねじ部(3b)とスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成したことを特徴とする請求項8に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)が提供される。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着されている。
【0023】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)が押動されることによってレバー(4)がロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも下側に突出せしめられている突出位置にストッパ(7)が配置される。
【0024】
また、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)のアンロック用ハンドル部(4c2)が押動されることによってレバー(4)がアンロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ(7)が配置される。
【0025】
詳細には、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、キャスター本体(1)の左側面(1c)と左車輪(12−1)との間に配置される左フランジ部(4a)と、キャスター本体(1)の右側面(1d)と右車輪(12−2)との間に配置される右フランジ部(4b)と、左フランジ部(4a)と右フランジ部(4b)とを橋絡する中央部(4c)とがレバー(4)に設けられている。
【0026】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、鉛直方向に延びている係合溝(1c2)がキャスター本体(1)の左側面(1c)に形成されている。また、鉛直方向に延びている係合溝(1d2)がキャスター本体(1)の右側面(1d)に形成されている。更に、キャスター本体(1)の左側面(1c)の係合溝(1c2)と係合する係合突起(7c1a)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の内側表面(7c1)に形成されている。また、キャスター本体(1)の右側面(1d)の係合溝(1d2)と係合する係合突起(7d1a)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の内側表面(7d1)に形成されている。
【0027】
また、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、ストッパ(7)の左側壁部(7c)と右側壁部(7d)とが底部(7b)によって橋絡されている。更に、ストッパ(7)の底部(7b)から鉛直方向上向きに延びている柱状凸部(7b1)が設けられている。また、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)を収容するための収容穴(1f1)がキャスター本体(1)の底面(1f)に形成されている。
【0028】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、ストッパ(7)が格納位置に位置するようにストッパ(7)を鉛直方向上向きに付勢する圧縮コイルバネ(9)と、圧縮コイルバネ(9)の下端部(9b)に当接するバネ座部材(8)とが、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の周りに配置されている。また、圧縮コイルバネ(9)の上端部(9a)と当接するねじ頭(10b)を有するねじ(10)が、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の上端部にねじ止めされている。更に、バネ座部材(8)がキャスター本体(1)の底面(1f)の収容穴(1f1)の入口部分に装着されている。
【0029】
また、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)の左フランジ部(4a)がキャスター本体(1)の左側面(1c)の左側に配置されている。更に、レバー(4)の右フランジ部(4b)がキャスター本体(1)の右側面(1d)の右側に配置されている。また、水平方向に延びている車軸(11)をレバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)、キャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)およびレバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)に挿入することにより、レバー(4)が車軸(11)を中心に回転可能に構成されている。更に、左車輪(12−1)が車軸(11)の左端部(11d)に取り付けられている。また、右車輪(12−2)が車軸(11)の右端部(11e)に取り付けられている。
【0030】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に当接することにより、ストッパ(7)が突出位置に配置される。
【0031】
また、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がアンロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の低カム部(4a3)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の低カム当接部(7c2b)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の低カム部(4b3)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の低カム当接部(7d2b)に当接することにより、ストッパ(7)が格納位置に配置される。
【0032】
換言すれば、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバーがキャスター本体の左側面と右側面との間に配置されている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターとは異なり、レバー(4)の左フランジ部(4a)がキャスター本体(1)の左側面(1c)の左側に配置されると共に、レバー(4)の左フランジ部(4b)がキャスター本体(1)の右側面(1d)の右側に配置されている。
【0033】
そのため、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバー(4)の左フランジ部(4a)とストッパ(7)の左側壁部(7c)とを直接当接させることができると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)とストッパ(7)の右側壁部(7d)とを直接当接させることができる。
【0034】
その結果、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバーとストッパとの間に操作力伝達部材として3個のボールが介在せしめられている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、レバー(4)をアンロック位置からロック位置に移動させることによりストッパ(7)を格納位置から突出位置に移動させる時の操作力の伝達ロスを小さくすることができる。
【0035】
また、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバーとストッパとの間に3個のボールが介在せしめられている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、部品数を削減することができると共に、リフトロック式双輪キャスター(30)全体を軽量化することができ、更に、組立作業をシンプルにすることができる。
【0036】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)が車軸(11)を中心に回転できるように構成されている。つまり、レバー(4)の回転軸が車軸(11)によって構成されている。
【0037】
そのため、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバーの回転軸が車軸とは別個に設けられている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、部品数を削減することができると共に、リフトロック式双輪キャスター(30)全体を軽量化することができ、更に、組立作業をシンプルにすることができる。
【0038】
更に、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバーの回転軸が車軸とレバーのロック用ハンドル部とのほぼ中間点に配置されている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、レバー(4)の回転軸(支点)としての車軸(11)とレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)(力点)との間隔を増大させることができる。
【0039】
その結果、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、レバー(4)をアンロック位置からロック位置に移動させるのに要する操作力を軽減することができる。
【0040】
すなわち、請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバーとストッパとの間に3個のボールが介在せしめられており、レバーの回転軸が車軸とレバーのロック用ハンドル部とのほぼ中間点に配置されている特開2000−85307号公報に記載されたリフトロック式双輪キャスターよりも、リフトロック式双輪キャスター(30)全体のコストを削減することができると共に、レバー(4)の操作性を向上させることができる。
【0041】
請求項2に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と嵌合する嵌合部(11b)とによって隙間嵌めが構成されている。更に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と嵌合する嵌合部(11c)とによって隙間嵌めが構成されている。
【0042】
そのため、請求項2に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と車軸(11)の嵌合部(11b)との間の摺動抵抗が殆ど無い状態であって、レバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と車軸(11)の嵌合部(11c)との間の摺動抵抗が殆ど無い状態で、レバー(4)が車軸(11)を中心に回転することができる。
【0043】
更に、請求項2に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバー(4)の回転軸として車軸(11)が用いられるのに伴って、車軸(11)、あるいは、車軸(11)の左端部(11d)に取り付けられた左車輪(12−1)の走行性能、または、車軸(11)の右端部(11e)に取り付けられた右車輪(12−2)の走行性能に悪影響が及んでしまうおそれを低減することができる。
【0044】
請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と概略相補形状の収容凹部(7c2a1)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に形成されている。また、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と概略相補形状の収容凹部(7d2a1)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に形成されている。
【0045】
更に、請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と、ストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)とが嵌合せしめられ、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と、ストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)とが嵌合せしめられる。
【0046】
そのため、請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバー(4)がロック位置に配置されるのに伴ってストッパ(7)が突出位置に位置したことを、クリック感によってユーザーに感じさせることができる。
【0047】
更に、請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と、ストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)とが嵌合せしめられず、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と、ストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)とが嵌合せしめられない場合よりも、何らかの衝撃によってユーザーの意図に反してレバー(4)がロック位置からアンロック位置に戻ってしまうおそれを低減することができる。
【0048】
請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)が、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置されている。
【0049】
更に、請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)が、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置されている。
【0050】
つまり、請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに、左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)が、ストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)から力を受けている。
【0051】
更に、請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに、右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)が、ストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)から力を受けている。
【0052】
そのため、請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、何らかの衝撃によってユーザーの意図に反してレバー(4)がロック位置からアンロック位置に戻ってしまうおそれを低減することができる。
【0053】
請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、車軸(11)の左端部(11d)の係合部(11d2)が左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)を乗り越えるように、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)に対して車軸(11)の左端部(11d)を圧入することによって左車輪(12−1)が車軸(11)の左端部(11d)に取り付けられると、車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の嵌合部(12−1a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と係合部(11d2)との間の環状溝(11d3)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)とによって隙間嵌めが構成される。
【0054】
それにより、請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、左車輪(12−1)が車軸(11)の左端部(11d)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)が左車輪(12−1)から抜けなくなる。
【0055】
更に、請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、車軸(11)の右端部(11e)の係合部(11e2)が右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)を乗り越えるように、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)に対して車軸(11)の右端部(11e)を圧入することによって右車輪(12−2)が車軸(11)の右端部(11e)に取り付けられると、車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の嵌合部(12−2a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と係合部(11e2)との間の環状溝(11e3)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)とによって隙間嵌めが構成される。
【0056】
それにより、請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、右車輪(12−2)が車軸(11)の右端部(11e)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)が右車輪(12−2)から抜けなくなる。
【0057】
そのため、請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、車軸(11)と左車輪(12−1)と右車輪(12−2)とが一体的に回転せしめられる場合よりも、レバー(4)の回転軸として車軸(11)が用いられるのに伴って、左車輪(12−1)または右車輪(12−2)の走行性能に悪影響が及んでしまうおそれを低減することができる。
【0058】
請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)とローレットパーツ(2)とによって旋回軸(20)が構成されている。
【0059】
詳細には、請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着されると、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成される。
【0060】
それにより、請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなる。
【0061】
そのため、請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、キャスター本体(1)に対するスリーブパーツ(5)の取り付けおよび固定を容易に行うことができる。
【0062】
請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)がスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着される。
【0063】
更に、請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)がローレットパーツ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有するローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に対して、ローレットパーツ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)がローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に装着されると、スリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)がローレットパーツ(2)から抜けなくなる。
【0064】
そのため、請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、接着、ねじ止めなどを用いることなく、スリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とを容易に一体化させることができる。
【0065】
また、請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)がローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入されると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とが螺合せしめられる。更に、一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とをボルト(3)に対して回転させることにより、ボルト(3)の鉛直方向位置が変更される。
【0066】
そのため、請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、ボルト(3)の鉛直方向位置を変更することにより、リフトロック式双輪キャスター(30)が取り付けられている被装着体の高さを調整することができる。
【0067】
請求項8に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)とによって構成されている。
【0068】
請求項9に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)では、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めが、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成されている。
【0069】
そのため、請求項8及び9に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)によれば、スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りするのに伴って、ボルト(3)の鉛直方向位置が変化してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30を示した図である。
【図2】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30を示した図である。
【図3】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の分解斜視図である。
【図4】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。
【図6】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。
【図7】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。
【図8】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。
【図9】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。
【図10】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。
【図11】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するバネ座部材8の部品図である。
【図12】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成する左車輪12−1(右車輪12−2)の部品図である。
【図13】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成する車軸11の部品図である。
【図14】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するスリーブパーツ5の部品図である。
【図15】第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するローレットパーツ2の部品図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本発明のリフトロック式双輪キャスターの第1の実施形態について説明する。図1〜図4は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30を示した図である。詳細には、図1(A)はリフトロック式双輪キャスター30の平面図である。図1(B)はリフトロック式双輪キャスター30の左側面図である。図1(C)はリフトロック式双輪キャスター30の底面図である。図2(A)はリフトロック式双輪キャスター30の正面図(リフトロック式双輪キャスター30の走行時に走行方向前側からリフトロック式双輪キャスター30を見た図)である。図2(B)は図2(A)のA−A線に沿った断面図である。図2(C)は左車輪12−1を透視して見たリフトロック式双輪キャスター30の左側面図である。
【0072】
詳細には、図1(A)、図1(B)、図1(C)、図2(A)および図2(B)はストッパ7が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納せしめらた格納位置に配置され、左車輪12−1および右車輪12−2によってリフトロック式双輪キャスター30が走行可能な状態を示している。一方、図2(C)はストッパ7が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも下側に突出せしめらた突出位置に配置され、左車輪12−1および右車輪12−2によってリフトロック式双輪キャスター30が走行することができない状態を示している。
【0073】
図3および図4は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の分解斜視図である。図5および図6は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するキャスター本体1の部品図である。詳細には、図5(A)はキャスター本体1の平面図、図5(B)はキャスター本体1の左側面図、図5(C)はキャスター本体1の正面図(リフトロック式双輪キャスター30の走行時に走行方向前側からキャスター本体1を見た図)、図5(D)はキャスター本体1の底面図である。図6(A)はキャスター本体1の左側面図、図6(B)はキャスター本体1の後側面図、図6(C)は図5(A)のB−B線に沿った断面図である。
【0074】
図7および図8は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するストッパ7の部品図である。詳細には、図7(A)はストッパ7の右側面図、図7(B)はストッパ7の平面図、図7(C)はストッパ7の左側面図、図7(D)はストッパ7の後側面図、図7(E)はストッパ7の底面図、図8(A)はストッパ7の斜視図、図8(B)は図7(B)のC−C線に沿った断面図である。
【0075】
図9および図10は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するレバー4の部品図である。詳細には、図9(A)はレバー4の右側面図、図9(B)はレバー4の正面図、図9(C)はレバー4の左側面図、図9(D)は図9(C)のE−E線に沿った断面図、図10(A)は図9(A)のD−D線に沿った断面図、図10(B)はレバー4の斜視図である。
【0076】
図11は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するバネ座部材8の部品図である。詳細には、図11(A)はバネ座部材8の平面図、図11(B)はバネ座部材8の正面図、図11(C)はバネ座部材8の左側面図、図11(D)はバネ座部材8の斜視図である。
【0077】
図12は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成する左車輪12−1(右車輪12−2)の部品図である。詳細には、図12(A)は左車輪12−1の左側面図(右車輪12−2の右側面図)である。図12(B)は左車輪12−1の正面図(リフトロック式双輪キャスター30の走行時に走行方向前側から左車輪12−1を見た図)(右車輪12−2の後側面図(リフトロック式双輪キャスター30の走行時に走行方向後側から右車輪12−2を見た図))である。図12(C)は図12(A)のF−F線に沿った断面図、図12(D)は左車輪12−1の斜視図(右車輪12−2の斜視図)である。
【0078】
図13は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成する車軸11の部品図である。詳細には、図13(A)は車軸11の正面図、図13(B)は車軸11の右側面図である。図14は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するスリーブパーツ5の部品図である。詳細には、図14(A)はスリーブパーツ5の平面図、図14(B)はスリーブパーツ5の正面図、図14(C)はスリーブパーツ5の斜視図、図14(D)は図14(B)のG−G線に沿った断面図である。
【0079】
図15は第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の一部を構成するローレットパーツ2の部品図である。詳細には、図15(A)はローレットパーツ2の正面図、図15(B)はローレットパーツ2の底面図、図15(C)は図15(B)のH−H線に沿った断面図、図15(D)はローレットパーツ2の斜視図である。
【0080】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)、図3および図4に示すように、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたスリーブパーツ5と、例えば金属製のナット6と、例えば金属製のボルト3と、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたローレットパーツ2とによって、旋回軸ユニット20が構成されている。
【0081】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図2(B)、図3および図4に示すように、旋回軸ユニット20が、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたキャスター本体1の旋回軸収容穴1b(図5および図6参照)に装着される。詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)の係合部5a2(図14参照)がキャスター本体1の旋回軸収容穴1bの環状突起1b2(図6(C)参照)を乗り越えるように、キャスター本体1の旋回軸収容穴1bに対してスリーブパーツ5の旋回軸部5aが圧入され、スリーブパーツ5の旋回軸部5aがキャスター本体1の旋回軸収容穴1bに装着される。
【0082】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)の嵌合部5a1(図14参照)と、キャスター本体1の旋回軸収容穴1b(図6(C)参照)の嵌合部1b1(図6(C)参照)とによって隙間嵌めが構成される。更に、スリーブパーツ5の旋回軸部5aの嵌合部5a1と係合部5a2(図14参照)との間の環状溝5a3(図14参照)と、キャスター本体1の旋回軸収容穴1bの環状突起1b2(図6(C)参照)とによって隙間嵌めが構成される。
【0083】
そのため、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、鉛直方向(図2(B)の上下方向)に延びているスリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)に対してキャスター本体1が旋回可能に構成される。更に、スリーブパーツ5の旋回軸部5aがキャスター本体1から抜けなくなる。
【0084】
また、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図5および図6に示すように、鉛直方向に延びている係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)がキャスター本体1の左側面1cに形成されている。更に、鉛直方向に延びている係合溝1d2(図5(D)および図6(A))がキャスター本体1の右側面1dに形成されている。
【0085】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の左側面1c(図5および図6参照)の係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)と係合する係合突起7c1a(図7(B)および図8(A)参照)が、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7および図8参照)の内側表面7c1(図7(B)参照)に形成されている。また、キャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)の係合溝1d2(図5(D)および図6(A)参照)と係合する係合突起7d1a(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)が、ストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の内側表面7d1(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)に形成されている。
【0086】
また、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図8(A)に示すように、ストッパ7の左側壁部7cと右側壁部7dとが、底部7bによって橋絡されている。更に、図8(A)および図8(B)に示すように、ストッパ7の底部7bから鉛直方向上向き(図8(B)の上向き)に延びている柱状凸部7b1が設けられている。
【0087】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図5(D)および図6(C)に示すように、ストッパ7(図7および図8参照)の柱状凸部7b1(図7および図8参照)を収容するための収容穴1f1が、キャスター本体1の底面1fに形成されている。
【0088】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図3に示すように、ストッパ7が格納位置に位置するようにストッパ7を鉛直方向上向き(図3の上向き)に付勢する圧縮コイルバネ9と、圧縮コイルバネ9の下端部9bに当接する上側表面8c(図11参照)を有する例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたバネ座部材8とが、ストッパ7の柱状凸部7b1(図7および図8参照)の周りに配置される。更に、圧縮コイルバネ9の上端部9aと当接するねじ頭10bを有する例えば金属製のねじ10が、ストッパ7の柱状凸部7b1の上端部にねじ止めされる。詳細には、ねじ10の雄ねじ部10aと、ストッパ7の柱状凸部7b1のねじ収容穴7b1b(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とが螺合せしめられる。
【0089】
次いで、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図3に示すように、バネ座部材8が、キャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図5(D)および図6(C)参照)の入口部分に装着される。
【0090】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、バネ座部材8の外側表面8a(図11参照)の係合突起8a2(図11参照)がキャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図5(D)および図6(C)参照)の入口部分の嵌合部1f2(図6(C)参照)を乗り越えるように、キャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分に対してバネ座部材8が圧入され、バネ座部材8がキャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分に装着される。
【0091】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8の外側表面8a(図11参照)の嵌合部8a1(図11参照)と、キャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図6(C)参照)の入口部分の嵌合部1f2(図6(C)参照)とが嵌合せしめられる。更に、バネ座部材8の外側表面8aの係合突起8a2(図11参照)と、キャスター本体1の底面1fの収容穴1f1の入口部分の係合溝1f3(図6(C)参照)とが嵌合せしめられる。
【0092】
そのため、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8がキャスター本体1の底面1f(図5および図6参照)の収容穴1f1(図6(C)参照)の入口部分から抜けなくなる。その結果、圧縮コイルバネ9によってストッパ7が鉛直方向上向き(図2(B)の上向き)に付勢され、図2(B)に示す状態では、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1(図2(A)参照)および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ7が配置されている。
【0093】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、バネ座部材8の内側表面8b(図11参照)と、ストッパ7の柱状凸部7b1(図7および図8参照)の外側表面7b1a(図7および図8参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の前側面1e(図5(B)、図5(D)および図6(C)参照)と、ストッパ7の前側壁部7e(図7および図8参照)の内側表面7e1(図7(B)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0094】
また、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の左側面1c(図5および図6参照)の凸状面1c1(図5(B)および図5(D)参照)と、ストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の内側表面7c1(図7(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の左側面1cの係合溝1c2(図5(B)および図5(D)参照)と、ストッパ7の左側壁部7cの内側表面7c1の係合突起7c1a(図7(B)および図8(A)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0095】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、キャスター本体1(図5および図6参照)の右側面1d(図5および図6参照)の凸状面1d1(図5(D)および図6(A)参照)と、ストッパ7(図7および図8参照)の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の内側表面7d1(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。更に、キャスター本体1の右側面1dの係合溝1d2(図5(D)および図6(A)参照)と、ストッパ7の右側壁部7dの内側表面7d1の係合突起7d1a(図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)とによって、隙間嵌め(滑り嵌め)が構成されている。
【0096】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、ストッパ7(図7および図8参照)がキャスター本体1(図5および図6参照)に対して鉛直方向(図2(B)の上下方向)に円滑にスライドすることができる。
【0097】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図3に示すように、キャスター本体1の左側面1c(図5および図6参照)と左車輪12−1との間に配置される左フランジ部4a(図9および図10参照)と、キャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)と右車輪12−2との間に配置される右フランジ部4b(図9および図10参照)と、左フランジ部4aと右フランジ部4bとを橋絡する中央部4c(図9および図10参照)とが、例えばPAのような樹脂材料などによって形成されたレバー4に設けられている。
【0098】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図3に示すように、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)がキャスター本体1の左側面1c(図5および図6参照)の左側(図3の左側)に配置されると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)がキャスター本体1の右側面1d(図5および図6参照)の右側(図3の右側)に配置される。次いで、水平方向に延びている例えば金属製の車軸11が、レバー4の左フランジ部4aの車軸収容穴4a1(図9(C)、図9(D)および図10(B)参照)、キャスター本体1の車軸収容穴1a(図5(B)、図6(A)および図6(B)参照)およびレバー4の右フランジ部4bの車軸収容穴4b1(図9(D)、図10(A)および図10(B)参照)に挿入される。
【0099】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の左フランジ部4a(図9および図10参照)の車軸収容穴4a1(図9(C)、図9(D)および図10(B)参照)と、車軸11(図13参照)の外周面うち、レバー4の左フランジ部4aの車軸収容穴4a1と嵌合する嵌合部11b(図13参照)とによって隙間嵌めが構成されている。更に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の車軸収容穴4b1(図9(D)、図10(A)および図10(B)参照)と、車軸11の外周面うち、レバー4の右フランジ部4bの車軸収容穴4b1と嵌合する嵌合部11c(図13参照)とによって隙間嵌めが構成されている。その結果、レバー4が車軸11を中心に回転可能に構成されている。
【0100】
次いで、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図3に示すように、左車輪12−1が車軸11の左端部11d(図13参照)に取り付けられると共に、右車輪12−2が車軸11の右端部11e(図13参照)に取り付けられる。詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図4に示すように、左ホイールカバー13−1が左車輪12−1に取り付けられると共に、右ホイールカバー13−2が右車輪12−2に取り付けられる。
【0101】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図4に示すように、左車輪12−1と左ホイールカバー13−1とが別個に設けられ、右車輪12−2と右ホイールカバー13−2とが別個に設けられているが、第2の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、代わりに、左ホイールカバー13−1を省略すると共に、右ホイールカバー13−2を省略することも可能である。あるいは、第3の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、代わりに、左車輪12−1と左ホイールカバー13−1とを一部材として形成すると共に、右車輪12−2と右ホイールカバー13−2とを一部材として形成することも可能である。
【0102】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図12および図13に示すように、車軸11の左端部11dの係合部11d2が左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの環状突起12−1a2を乗り越えるように、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aに対して車軸11の左端部11dが圧入され、左車輪12−1が車軸11の左端部11dに取り付けられる。
【0103】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図12および図13に示すように、車軸11の左端部11dの嵌合部11d1と、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの嵌合部12−1a1とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸11の左端部11dの嵌合部11d1と係合部11d2との間の環状溝11d3と、左車輪12−1の車軸収容穴12−1aの環状突起12−1a2とによって隙間嵌めが構成される。
【0104】
そのため、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図12および図13に示すように、左車輪12−1が車軸11の左端部11dに対して回転可能に構成されると共に、車軸11の左端部11dが左車輪12−1から抜けなくなる。
【0105】
同様に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図12および図13に示すように、車軸11の右端部11eの係合部11e2が右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの環状突起12−2a2を乗り越えるように、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aに対して車軸11の右端部11eが圧入され、右車輪12−2が車軸11の右端部11eに取り付けられる。
【0106】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図12および図13に示すように、車軸11の右端部11eの嵌合部11e1と、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの嵌合部12−2a1とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸11の右端部11eの嵌合部11e1と係合部11e2との間の環状溝11e3と、右車輪12−2の車軸収容穴12−2aの環状突起12−2a2とによって隙間嵌めが構成される。
【0107】
そのため、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図12および図13に示すように、右車輪12−2が車軸11の右端部11eに対して回転可能に構成されると共に、車軸11の右端部11eが右車輪12−2から抜けなくなる。
【0108】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4のロック用ハンドル部4c1が図2(C)の下向きに押動される(押し下げられる)ことによってレバー4がロック位置に配置される時に、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1(図2(A)および図2(B)参照)および右車輪12−2(図2(B)参照)の最下点よりも下側(図2(C)の下側)に突出せしめられている突出位置にストッパ7が配置される。
【0109】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接すると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)がストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に当接する。その結果、図2(C)に示すように、ストッパ7が突出位置に配置される。
【0110】
更に詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と概略相補形状の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)が、ストッパ7(図7および図8参照)の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に形成されている。
【0111】
同様に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、レバー4(図9および図10参照)の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と概略相補形状の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)が、ストッパ7(図7および図8参照)の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に形成されている。
【0112】
そのため、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と、ストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)とが嵌合せしめられると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と、ストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)とが嵌合せしめられる。
【0113】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)と嵌合せしめられるストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)が、車軸11の中心軸線を含む鉛直面VSを隔ててレバー4のロック用ハンドル部4c1(図9および図10参照)の反対側(図2(C)の右側)に配置されている。
【0114】
つまり、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに(図2(C)の反時計回りにレバー4を回転させる向きに)、左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)の先端部4a2a(図9(C)および図10(B)参照)が、ストッパ7の左側壁部7c(図7および図8参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の収容凹部7c2a1(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)から力を受けている。
【0115】
同様に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)と嵌合せしめられるストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)が、車軸11の中心軸線を含む鉛直面VSを隔ててレバー4のロック用ハンドル部4c1(図9および図10参照)の反対側(図2(C)の右側)に配置されている。
【0116】
つまり、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(C)に示すように、レバー4がロック位置に配置される時に、レバー4をアンロック位置に戻す側とは反対側の向きに(図2(C)の反時計回りにレバー4を回転させる向きに)、右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)の先端部4b2a(図10(A)参照)が、ストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)の収容凹部7d2a1(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)から力を受けている。
【0117】
一方、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図1、図2(A)および図2(B)に示すように、レバー4のアンロック用ハンドル部4c2(図9および図10参照)が押動される(押し上げられる)ことによってレバー4がアンロック位置に配置される時に、ストッパ7の接地部7a(図7および図8参照)が左車輪12−1および右車輪12−2の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ7が配置される。
【0118】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図1、図2(A)および図2(B)に示すように、レバー4がアンロック位置に配置されると、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の高カム部4a2(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の高カム当接部7c2a(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接しなくなると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10参照)の高カム部4b2(図10(A)参照)がストッパ7の右側壁部7d(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の高カム当接部7d2a(図7(A)、図7(B)および図8(A)参照)に当接しなくなる。
【0119】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、ストッパ7が圧縮コイルバネ9によって格納位置の側(図2(B)の上側)に戻され、レバー4の左フランジ部4a(図9および図10参照)の低カム部4a3(図9(C)および図10(B)参照)がストッパ7の左側壁部7c(図7および図8参照)の上側表面7c2(図7(B)、図7(C)、図7(D)および図8(A)参照)の低カム当接部7c2b(図7(B)、図7(C)および図8(A)参照)に当接すると共に、レバー4の右フランジ部4b(図9および図10)の低カム部4b3(図10(A)参照))がストッパ7の右側壁部7d(図7および図8参照)の上側表面7d2(図7(A)、図7(B)、図7(D)および図8(B)参照)の低カム当接部7d2b(図7(A)、図7(B)、図8(A)および図8(B)参照)に当接する。それにより、図2(A)および図2(B)に示すように、ストッパ7が格納位置に配置されると共に、図1(B)および図2(B)に示すように、レバー4がアンロック位置に配置される。
【0120】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図4に示すように、ナット6の外側表面6bと、ナット6の外側表面6bと概略相補形状のスリーブパーツ5の上部5b(図14参照)のナット収容穴5b1(図14参照)とを嵌合させることにより、ナット6がスリーブパーツ5に対して回転できないように、ナット6がスリーブパーツ5の上部5bのナット収容穴5b1に装着される。更に、スリーブパーツ5の上部5bの係合突起5b2(図14参照)がローレットパーツ2の収容穴2b(図15参照)の係合突起2b1(図15参照)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有するローレットパーツ2の収容穴2bに対して、ローレットパーツ2の収容穴2bと概略相補形状のスリーブパーツ5の上部5bを圧入することにより、スリーブパーツ5の上部5bがローレットパーツ2の収容穴2bに装着される。
【0121】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とが一体化せしめられてキャスター本体1に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ5の上部5b(図14参照)がローレットパーツ2から抜けなくなる。
【0122】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30の組立時には、図4に示すように、ボルト3の雄ねじ部3bがローレットパーツ2のボルト収容穴2c(図15参照)に挿入されると共に、ボルト3の雄ねじ部3bとナット6の雌ねじ部6aとが螺合せしめられる。
【0123】
その結果、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とをボルト3に対して回転させることにより、ボルト3の鉛直方向(図2(B)の上下方向)位置を変更することができる。
【0124】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30は、例えば家具などのような被装着体(図示せず)の底面(図示せず)に対して取り付けられる。詳細には、被装着体の底面に形成された雌ねじ部(図示せず)と、ボルト3(図4参照)の雄ねじ部3a(図4参照)とを螺合させることにより、リフトロック式双輪キャスター30が被装着体の底面に取り付けられる。
【0125】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とをボルト3に対して回転させ、ボルト3の鉛直方向(図2(B)の上下方向)位置を変更することにより、床面に対する被装着体の高さを調整することができる。
【0126】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、上述したように、被装着体(図示せず)の底面(図示せず)に形成された雌ねじ部(図示せず)と、ボルト3(図4参照)の雄ねじ部3a(図4参照)とを螺合させることにより、リフトロック式双輪キャスター30が被装着体の底面に取り付けられるが、第4の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、代わりに、ボルト3の雄ねじ部3aを省略すると共に、ボルト3の中間部3cを板状に構成し、被装着体の底面とボルト3の中間部3cとを接合することにより、リフトロック式双輪キャスター30を被装着体の底面に取り付けることも可能である。
【0127】
第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、床面に対する被装着体の高さをリフトロック式双輪キャスター30によって調整できるようにするために、図2(B)および図4に示すように、スリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とボルト3とによって旋回軸ユニット20が構成されているが、第5の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、高さ調整機能を省略し、単一の部材によって旋回軸(ユニット)20を構成することも可能である。
【0128】
詳細には、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時に、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とがキャスター本体1と共にボルト3に対して連れ回りしてしまうのを防止するために、ボルト3の雄ねじ部3b(図4参照)とローレットパーツ2のボルト収容穴2c(図15参照)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0129】
更に、第1の実施形態のリフトロック式双輪キャスター30では、図2(B)に示すように、スリーブパーツ5に対するキャスター本体1の旋回時に、一体化せしめられているスリーブパーツ5とナット6とローレットパーツ2とがキャスター本体1と共にボルト3に対して連れ回りしてしまうのを防止するために、ボルト3の雄ねじ部3b(図4参照)とスリーブパーツ5の旋回軸部5a(図14参照)のボルト収容穴5a4(図14参照)とによって締まり嵌めが構成されている。
【0130】
第6の実施形態では、上述した第1から第5の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 キャスター本体
1a 車軸収容穴
1b 旋回軸収容穴
1b1 嵌合部
1b2 環状突起
1c 左側面
1c1 凸状面
1c2 係合溝
1d 右側面
1d1 凸状面
1d2 係合溝
1e 前側面
1f 底面
1f1 収容穴
1f2 嵌合部
1f3 係合溝
2 ローレットパーツ(高さ調整つまみ)
2a つまみ部(ローレット部)
2b 収容穴
2b1 係合突起
2c ボルト収容穴
3 ボルト
3a 雄ねじ部
3b 雄ねじ部
3c 中間部
4 レバー
4a 左フランジ部
4a1 車軸収容穴
4a2 高カム部
4a2a 先端部
4a3 低カム部
4b 右フランジ部
4b1 車軸収容穴
4b2 高カム部
4b2a 先端部
4b3 低カム部
4c 中央部
4c1 ロック用ハンドル部
4c2 アンロック用ハンドル部
5 スリーブパーツ
5a 旋回軸部
5a1 嵌合部
5a2 係合部
5a3 環状溝
5a4 ボルト収容穴
5b 上部
5b1 ナット収容穴
5b2 係合突起
6 ナット
6a 雌ねじ部
6b 外側表面
7 ストッパ
7a 接地部
7b 底部
7b1 柱状凸部
7b1a 外側表面
7b1b ねじ収容穴
7c 左側壁部
7c1 内側表面
7c1a 係合突起
7c2 上側表面
7c2a 高カム当接部
7c2a1 収容凹部
7c2b 低カム当接部
7d 右側壁部
7d1 内側表面
7d1a 係合突起
7d2 上側表面
7d2a 高カム当接部
7d2a1 収容凹部
7d2b 低カム当接部
7e 前側壁部
7e1 内側表面
8 バネ座部材
8a 外側表面
8a1 嵌合部
8a2 係合突起
8b 内側表面
8c 上側表面
9 圧縮コイルバネ
9a 上端部
9b 下端部
10 ねじ
10a 雄ねじ部
10b ねじ頭
11 車軸
11a 嵌合部
11b 嵌合部
11c 嵌合部
11d 左端部
11d1 嵌合部
11d2 係合部
11d3 環状溝
11e 右端部
11e1 嵌合部
11e2 係合部
11e3 環状溝
12−1 左車輪
12−1a 車軸収容穴
12−1a1 嵌合部
12−1a2 環状突起
12−2 右車輪
12−2a 車軸収容穴
12−2a1 嵌合部
12−2a2 環状突起
20 旋回軸ユニット
30 リフトロック式双輪キャスター
VS 鉛直面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に延びている旋回軸(20)に対してキャスター本体(1)が旋回できるように、旋回軸(20)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着し、
レバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)が押動されることによってレバー(4)がロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも下側に突出せしめられている突出位置にストッパ(7)が配置され、
レバー(4)のアンロック用ハンドル部(4c2)が押動されることによってレバー(4)がアンロック位置に配置される時に、ストッパ(7)の接地部(7a)が左車輪(12−1)および右車輪(12−2)の最下点よりも上側に格納されている格納位置にストッパ(7)が配置されるように構成したリフトロック式双輪キャスター(30)において、
キャスター本体(1)の左側面(1c)と左車輪(12−1)との間に配置される左フランジ部(4a)と、キャスター本体(1)の右側面(1d)と右車輪(12−2)との間に配置される右フランジ部(4b)と、左フランジ部(4a)と右フランジ部(4b)とを橋絡する中央部(4c)とをレバー(4)に設け、
鉛直方向に延びている係合溝(1c2)をキャスター本体(1)の左側面(1c)に形成すると共に、鉛直方向に延びている係合溝(1d2)をキャスター本体(1)の右側面(1d)に形成し、
キャスター本体(1)の左側面(1c)の係合溝(1c2)と係合する係合突起(7c1a)をストッパ(7)の左側壁部(7c)の内側表面(7c1)に形成すると共に、キャスター本体(1)の右側面(1d)の係合溝(1d2)と係合する係合突起(7d1a)をストッパ(7)の右側壁部(7d)の内側表面(7d1)に形成し、
ストッパ(7)の左側壁部(7c)と右側壁部(7d)とを底部(7b)によって橋絡し、
ストッパ(7)の底部(7b)から鉛直方向上向きに延びている柱状凸部(7b1)を設け、
ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)を収容するための収容穴(1f1)をキャスター本体(1)の底面(1f)に形成し、
ストッパ(7)が格納位置に位置するようにストッパ(7)を鉛直方向上向きに付勢する圧縮コイルバネ(9)と、圧縮コイルバネ(9)の下端部(9b)に当接するバネ座部材(8)とをストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の周りに配置し、
圧縮コイルバネ(9)の上端部(9a)と当接するねじ頭(10b)を有するねじ(10)を、ストッパ(7)の柱状凸部(7b1)の上端部にねじ止めし、
バネ座部材(8)をキャスター本体(1)の底面(1f)の収容穴(1f1)の入口部分に装着し、
レバー(4)の左フランジ部(4a)をキャスター本体(1)の左側面(1c)の左側に配置すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)をキャスター本体(1)の右側面(1d)の右側に配置し、
水平方向に延びている車軸(11)をレバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)、キャスター本体(1)の車軸収容穴(1a)およびレバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)に挿入することにより、レバー(4)が車軸(11)を中心に回転できるようにし、
左車輪(12−1)を車軸(11)の左端部(11d)に取り付け、
右車輪(12−2)を車軸(11)の右端部(11e)に取り付け、
レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に当接することにより、ストッパ(7)が突出位置に配置され、
レバー(4)がアンロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の低カム部(4a3)がストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の低カム当接部(7c2b)に当接すると共に、レバー(4)の右フランジ部(4b)の低カム部(4b3)がストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の低カム当接部(7d2b)に当接することにより、ストッパ(7)が格納位置に配置されることを特徴とするリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項2】
レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4a)の車軸収容穴(4a1)と嵌合する嵌合部(11b)とによって隙間嵌めを構成し、
レバー(4)の右フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と、車軸(11)の外周面うち、レバー(4)の左フランジ部(4b)の車軸収容穴(4b1)と嵌合する嵌合部(11c)とによって隙間嵌めを構成したことを特徴とする請求項1に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項3】
レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と概略相補形状の収容凹部(7c2a1)をストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)に形成し、
レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と概略相補形状の収容凹部(7d2a1)をストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)に形成し、
レバー(4)がロック位置に配置される時に、レバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と、ストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)とが嵌合せしめられ、レバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と、ストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)とが嵌合せしめられることを特徴とする請求項2に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項4】
レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の左フランジ部(4a)の高カム部(4a2)の先端部(4a2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の左側壁部(7c)の上側表面(7c2)の高カム当接部(7c2a)の収容凹部(7c2a1)を、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置し、
レバー(4)がロック位置に配置される時にレバー(4)の右フランジ部(4b)の高カム部(4b2)の先端部(4b2a)と嵌合せしめられるストッパ(7)の右側壁部(7d)の上側表面(7d2)の高カム当接部(7d2a)の収容凹部(7d2a1)を、車軸(11)の中心軸線を含む鉛直面(VS)を隔ててレバー(4)のロック用ハンドル部(4c1)の反対側に配置したことを特徴とする請求項3に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項5】
車軸(11)の左端部(11d)の係合部(11d2)が左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)を乗り越えるように、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)に対して車軸(11)の左端部(11d)を圧入することによって左車輪(12−1)を車軸(11)の左端部(11d)に取り付けると、
車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の嵌合部(12−1a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)の嵌合部(11d1)と係合部(11d2)との間の環状溝(11d3)と、左車輪(12−1)の車軸収容穴(12−1a)の環状突起(12−1a2)とによって隙間嵌めが構成され、
それにより、左車輪(12−1)が車軸(11)の左端部(11d)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の左端部(11d)が左車輪(12−1)から抜けなくなり、
車軸(11)の右端部(11e)の係合部(11e2)が右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)を乗り越えるように、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)に対して車軸(11)の右端部(11e)を圧入することによって右車輪(12−2)を車軸(11)の右端部(11e)に取り付けると、
車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の嵌合部(12−2a1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)の嵌合部(11e1)と係合部(11e2)との間の環状溝(11e3)と、右車輪(12−2)の車軸収容穴(12−2a)の環状突起(12−2a2)とによって隙間嵌めが構成され、
それにより、右車輪(12−2)が車軸(11)の右端部(11e)に対して回転可能に構成されると共に、車軸(11)の右端部(11e)が右車輪(12−2)から抜けなくなることを特徴とする請求項4に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項6】
スリーブパーツ(5)とナット(6)とボルト(3)とローレットパーツ(2)とによって旋回軸(20)を構成し、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の係合部(5a2)がキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)を乗り越えるように、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に対してスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)を圧入することによってスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)をキャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の嵌合部(1b1)とによって隙間嵌めが構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)の嵌合部(5a1)と係合部(5a2)との間の環状溝(5a3)と、キャスター本体(1)の旋回軸収容穴(1b)の環状突起(1b2)とによって隙間嵌めが構成され、
それにより、キャスター本体(1)がスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)に対して旋回可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)がキャスター本体(1)から抜けなくなることを特徴とする請求項5に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項7】
ナット(6)の外側表面(6b)と、ナット(6)の外側表面(6b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)とを嵌合させることにより、ナット(6)がスリーブパーツ(5)に対して回転できないように、ナット(6)をスリーブパーツ(5)の上部(5b)のナット収容穴(5b1)に装着し、
スリーブパーツ(5)の上部(5b)の係合突起(5b2)がローレットパーツ(2)の収容穴(2b)の係合突起(2b1)を乗り越えるように、概略六角形の水平断面形状を有するローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に対して、ローレットパーツ(2)の収容穴(2b)と概略相補形状のスリーブパーツ(5)の上部(5b)を圧入することにより、スリーブパーツ(5)の上部(5b)をローレットパーツ(2)の収容穴(2b)に装着すると、
スリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とが一体化せしめられてキャスター本体(1)に対して回転可能に構成されると共に、スリーブパーツ(5)の上部(5b)がローレットパーツ(2)から抜けなくなり、
ボルト(3)の雄ねじ部(3b)をローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)に挿入すると共に、ボルト(3)の雄ねじ部(3b)とナット(6)の雌ねじ部(6a)とを螺合させ、
一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とをボルト(3)に対して回転させることにより、ボルト(3)の鉛直方向位置を変更することを特徴とする請求項6に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項8】
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めをボルト(3)の雄ねじ部(3b)とローレットパーツ(2)のボルト収容穴(2c)とによって構成したことを特徴とする請求項7に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。
【請求項9】
スリーブパーツ(5)に対するキャスター本体(1)の旋回時に一体化せしめられているスリーブパーツ(5)とナット(6)とローレットパーツ(2)とがキャスター本体(1)と共に連れ回りしてしまうのを防止するための締まり嵌めをボルト(3)の雄ねじ部(3b)とスリーブパーツ(5)の旋回軸部(5a)のボルト収容穴(5a4)とによって構成したことを特徴とする請求項8に記載のリフトロック式双輪キャスター(30)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−184567(P2010−184567A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29404(P2009−29404)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(591220665)株式会社石黒製作所 (18)