説明

リフレ用具。

【課題】リフレクソロジーの実施に際して、その用具を身体に装着した本人、或いはこれを見て施術する施術者が、手指の感触だけで常に正確に特定部位の刺激を継続することができるようにしてリフレクソロジーの効果を高めることができるようにすること。
【解決手段】各種の反射区(1)を区画する夫々の区画境界部(2)を備え、前記区画境界部(2)が、手指の触覚によって認識できる形状に構成され、且つ、前記区画境界部(2)には、当該反射区を示す表示部(3)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の一部に装着して用いるリフレ用具に関する。
【背景技術】
【0002】
リフレとは、リフレクソロジーの略称、即ち、身体の特定部位に手で刺激を与えることで、対応する身体部位(各種器官など)の機能改善、或いはリフレッシュを成すことの意である。
一般に知られている身体部位の特定点であるツボ刺激の指圧とは異なり、身体部位(手、足など)の特定の面を対象としている。従って、現在のところ施術に関する法律的な問題は別として、学術的には区別されるものである。
【0003】
リフレクソロジーが対象とする身体部位としては、足(裏面)、手(表裏)が主であるが、腕、脚、その他の部位についても存在する。
リフレクソロジーは、通常専門家が施術することになるが、上述したように、点であるツボとは異なり、比較的大きな面が対象であるので、一般人であっても容易に実施可能である。
従って、専門家でも一般人でも、施術で必要なものは、特定の身体部位がどの身体部位(内臓などの諸器官或いは身体部位)に対応するかということが分かる図解書があればよいことになる。
【0004】
リフレクソロジーの実施用具としては、例えば、
【特許文献1】特開2004−358157、及び
【特許文献2】特開2006−102422、
が提案されている。これは、足の裏の反射区に対する加圧を行うための工夫である。
こうした用具は、ツボ刺激の用具と類似している。例えば、ツボ刺激としては次のものが挙げられる。
【特許文献3】特開平10−113376、
【特許文献4】特開2002−52062、
【特許文献5】特開2002−159558、
【特許文献6】登録実用新案第31174420号。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したリフレクソロジーの実施用具としては、反応区を表示する表示部が備えられていないか、備えられていても、例えば、施術中に、当該表示部は手指で隠れることになるので、当該反応区を刺激し続けているかどうかの確認を行い難いものである。同様に、ツボ刺激では、点として存在するツボ刺激部(例えば、小さな突起)に、対応部位を表示することは実質的に不可能であり、その周辺に表示を行うようにしたものも存在するが、やはり、当該表示部は手指で隠れることになるので、当該部位を刺激し続けているのかどうか、施術中に確認することが難しいのである。
【0006】
上述のリフレクソロジーにしても、指圧にしても、当該部位を正確に刺激することは極めて重要であり、単に身体部位の全体を指圧、摩擦するのであれば、誰もが成し得るものであり、刺激部位と非刺激部位との相対的な差による有効な刺激を得るには、むやみにずれない正確な指圧乃至摩擦が必要である。
要するに、指圧、リフレクソロジーの何れの場合であっても、施術が本人でない場合(専門家など)は、比較的正確に同じ部位を刺激することは容易であるが、本人である場合には当該部位(例えば足の裏の特定箇所、或いは手であっても隣接して異なる身体部位に対応する)を正確に刺激し続けていることを確認することは難しいものであった。
【0007】
即ち、手指の位置が少しずれると、点刺激のツボでなくても、所定の面であるリフレクソロジーであっても、刺激対象(対象器官など)が異なることになるものであるから、正確に特定部位(器官)を刺激し続けることは難いものである。このことは、本人でなく施術者が行う場合であっても、患者と対話する等の間に刺激部位から目を離すと、当該部位を刺激し続けていることの確認がとれず、ずれて対象部位が移動して全くことなる部位(器官など)を刺激することになるという虞がある。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑み、リフレクソロジーの実施に際して、その用具を身体の一部に装着した本人、或いはこれを見て施術する施術者が、手指の感触だけで常に正確に特定部位の刺激を継続することができるようにしてリフレクソロジーの効果を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるリフレ用具は、上記目的を達成するために、身体の一部に装着するリフレ用具であって、
用具本体(10)を、手指の接触が身体に伝わる程度の薄い素材で構成し、
前記用具本体(10)は、各種の反射区(1)を区画する夫々の区画境界部(2)を備え、
前記区画境界部(2)が、手指の触覚によって認識できる形状に構成され、且つ、
前記区画境界部(2)には、当該反射区を示す表示部(3)が設けられている、という手段を講じたものである。
【0008】
本発明において、リフレ用具とは、手袋、靴下(足袋)、Tシャツ等、アームカバー(前腕、上腕)など、身体の一部に装着できるもの全てを含むものであり、その薄い素材としては、合成樹脂フィルム、紙、布等、適宜の素材で構成され得る。例えば、手袋であれば、外科手術に用いるようなラテックス手袋、高分子合成ゴム手袋をベースとしたのもの等で構成され得る。
以下の実施例では、足裏、腕、肩、首、胸部、腹部、背中、腰、大腿、脚等に存在する複数の反射区については、それ自体公知であるので、図示、説明を省く。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リフレクソロジーの実施に際して、その用具を身体の一部に装着した本人、或いはこれを見て施術する施術者が、人間の持つ手指の触覚(ミクロンオーダー)を有効に利用して、手指の感触でもって区画境界部を認識できるので、手指の動作を簡単に修正でき、目視しなくても常に正確に特定部位のみに刺激を与え続けることができる。従って、本人であれば、一度、その表示部を確認し、一旦手指を当てた後は、テレビを見ながらでも正確な部位の刺激を続けることができ、また、施術者であれば、患者と対話しながらでも特定の当該反応区を刺激し続けることができて、リフレクソロジーの効果を高めることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は次のように実施されるのが好ましい。
先ず、前記区画境界部(2)は、凹部(2A)で構成されているのが好ましい。
このように、区画境界部(2)を凹部(2A)で構成すると、例えば、その両側部位よりも凹んだ形状であるから、刺激を与えるために手指を動かしているときに、その凹部(2A)を、優れた指の触覚で感知することができて、そこから食み出るのを自制し、或いは修正することができ、当該反応区を刺激し続けることが可能である。こうした凹部(2A)は、合成樹脂フィルムなどの素材を用いる場合には、その厚みを変化させることで構成してもよく、紙を素材とする場合には、エンボス(加圧)により窪みを形成し、布であれば、織り目を変化させることで達成できる。
【0011】
また、前記区画境界部(2)は、凸部(2B)で構成されているのが好ましい。
こうした凸部(2B)は、上記の形態を逆であるところから、同様に、指の触覚で認識可能であり、その実施は、合成樹脂フィルム、紙などの素材を用いる場合には、その厚みを厚く変化させることで構成してもよく、或いは、コルゲイト(波形)させて形成してもよく、布であれば、織り目を厚く変化させることで達成できる。
【0012】
更に、前記区画境界部(2)は、ミシン目のスリット(2C)で構成されているのが好ましい。
こうしたミシン目のスリット(2C)は、平坦な素材面に斬り込みがなされるものであるから、同様に、指の触覚で認識可能であり、その実施は、合成樹脂フィルム、紙などの素材を用いる場合には、そこに飛び飛びの斬り込みを入れることで可能であり、布であれば、織り目に飛びを入れると達成できる。
また、前記表示部(3)には、文字、数字、記号、或いはこれらの併記がなされているのが好ましい。このような表示部であれば、文字表記ではそのまま目視確認が可能であるし、他の場合でも対比表を準備すれば確認が容易である。
【実施例】
【0013】
本発明にかかるリフレ用具の好適実施例を図面に基づいて以下詳述する。
図1及び図2に示すのは、身体に装着するリフレ用具、ここでは右手用の手袋10Aであって、その正面図(手の平側)及び背面図(手の甲側)であり、高分子合成ゴムによって薄く構成されたものである。左手については、発明の説明としては重複するので、その説明を省略する。また、リフレ用具としては、他に足への装着として靴下乃至足袋、身体への装着としてTシャツ等でも実施できる。
図1及び図2に示すように、手袋10Aには、その用具本体10には、各種の反射区1を区画する夫々の区画境界部2が備えられており、前記区画境界部2は、手指の触覚によって認識できる形状に構成されている。
【0014】
この実施例では、前記区画境界部2は、高分子合成ゴムの厚みを増加した凸部2B、即ち凸条(実施例では連続しているが、連続したものでなくてもよい)で、略ループ状に構成されている。図3は、前記凸部2Bを表すための要部の図1におけるA−A矢視断面図である。
こうした凸部2Bは、僅かな高さであれば(1mm以下)、一般人でもミクロンオーダーの識別能力を持つ指の感覚で十分に認識可能である。この区画境界部2には、当該反射区を示す表示部3が設けられている。具体的には、区画境界部2で区画された部位(内部)である。尚、前記凸条は、肉厚の変化でなく、山形を形成する皺状体でもって構成されてもよい。
【0015】
前記表示部3は、当該部位を刺激すると、身体のどの部位に影響があるかという対応関係を示すもので、ここでは、その身体部位を文字(図中表示:ここでは肝臓のみ示す:数字13と併記)で表記している。勿論、文字でなく、実施例でしめすように数字1〜14、16〜20、22、23、25〜27(図1参照)及び8、28〜35(図2参照)を用い、これに対応する一覧表を別途準備しておいて、対比して用いるのがよい。或いは、記号等の略式表示を行い、同様に、別途対応表を作成しておいて、そちらを参照するようにしてもよい(慣れれば暗記できる)。視力低下をしている老人であれば、こうした小さな文字表示を確認出来難い虞があるが、そうした場合には、別途、大きく描いた手の図解書を準備して対応させて利用するようにすればよい。
【0016】
図示するように、区画境界部2は、一部重複する部位が存在し、これに伴い前記表示部3も重複する部分が存在するが(僅かである)、こうした部分については、別途手の図解書などで予備知識を得ておくようにする。
参考までに、右手に対応する主要な身体部位の箇所について、上述した数字が何処に対応するのか、参考までに次に列挙する。尚、上述した理由で、右手は説明省略する。
尚、次に用いる数字は、引き出し線を用いた部材番号とは明確に区別できるものであるので、一部、同じ数字を用いて表している。1・・・脳、2・・・脳下垂体、3・・・洞、4・・・首/喉、5・・・副甲状腺、6・・・目、7・・・耳、8・・・肩、9・・・甲状腺、10・・・肺、11・・・ソーラープレクサス、12・・・胃、13・・・肝臓(図示では文字併記)、14・・・腎臓、16・・・膵臓、17・・・尿管、18・・・膀胱、19・・・回盲弁、20・・・上行結腸、22・・・横行結腸、23・・・小腸、25・・・リンパ/卵管/精管、26・・・子宮/前立腺、27・・・卵巣/精巣、28・・・リンパ、29・・・胸、30・・・膝/肘、31・・・頚椎、32・・・胸椎、33・・・腰、34・・・腰椎、35・・・仙骨/尾骨。
【0017】
上記構造の手袋10Aを左手に装着し、治療を対象とする、手の平側の特定の表示部3、例えば、肝臓を認識して、そこに右手の親指を当て、手の甲側に四指を回して挟持、加圧する。
この際、親指によって表示部3の「肝臓」の表示が見えなくなるが、この表示部3は、区画境界部2によって区画されているので、後は、指の触覚でもって、当該部位から食み出ることなく、加圧治療を続けることがきる。
従って、本人であれば、テレビを見ながらでも、新聞を読みながらでも、正確に同じ部位の加圧を続けることが可能であり、施術者であれば、患者と対話して手から目を離しても、指の触覚に注意さえ向けていれば、ずれることなく正確に同じ部位の加圧を続けることができる。
【0018】
一部変形例
実施に際しては、断面図である図4に示すように、前記区画境界部2を、凹部2Aで構成してもよい。この場合、手袋10Aの素材がフィルム、紙等であれば、素材の厚み変更、エンボスなどの加圧変形によって構成できる。
また、図5、図6の正面図、断面図で示すように、前記区画境界部2は、ミシン目のスリット2Cで構成されていてもよい。図は、胃の13の部位のみ示す。
こうしたスリット2Cであっても、指の触覚による識別力は発揮できるので、ずれることなく同一の区画境界部2を加圧、摩擦することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明にかかるリフレ用具は、施術者が本人であっても、他人であっても、目視確認を必要とすることなく、指の触覚だけで正確に同一箇所の治療を続けることができるので、一般人でも、専門家でも簡単に実施可能であり、手、足に限らず、身体各部の用具を準備して実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の正面図(手の平側)である。
【図2】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の背面図(手の甲側)である。
【図3】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の図1のA−A矢視断面図である。
【図4】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の一部変形例を示す要部の断面図である。
【図5】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の一部変形例を示す正面図である。
【図6】本発明にかかるリフレ用具の一例の右手袋の一部変形例を示す図5のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1:反射区
2:区画境界部
2A:凹部
2B:凸部
2C:スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の一部に装着するリフレ用具であって、
用具本体(10)を、手指の接触が身体に伝わる程度の薄い素材で構成し、
前記用具本体(10)は、各種の反射区(1)を区画する夫々の区画境界部(2)を備え、
前記区画境界部(2)が、手指の触覚によって認識できる形状に構成され、且つ、
前記区画境界部(2)には、当該反射区(1)を示す表示部(3)が設けられている、
ことを特徴とするリフレ用具。
【請求項2】
前記区画境界部(2)は、凹部(2A)で構成されている、ことを特徴とする請求項1のリフレ用具。
【請求項3】
前記区画境界部(2)は、凸部(2B)で構成されている、ことを特徴とする請求項1のリフレ用具。
【請求項4】
前記区画境界部(2)は、ミシン目のスリット(2C)で構成されている、ことを特徴とする請求項1のリフレ用具。
【請求項5】
前記表示部(3)には、文字、数字、記号、或いはこれらの併記がなされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のリフレ用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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