説明

リモコン装置

【課題】マクロ操作で遠隔操作するソース機器を簡便な操作で変更することができるリモコン装置を提供すること。
【解決手段】ソース機器を含む所定の複数の被遠隔操作機器をマクロ操作するための1又は複数の第1の入力手段と、ソース機器を選択するための複数の第2の入力手段と、被遠隔操作機器を遠隔操作するための複数のリモコンコードを記憶する記憶手段と、リモコンコードを外部に送信する送信手段と、第1の入力手段が操作された場合、複数の被遠隔操作機器を遠隔操作するためのリモコンコードを送信手段に出力し、送信手段に外部へ送信させる制御手段とを備え;第1の入力手段及び第2の入力手段が所定操作された場合、第1の入力手段によって遠隔操作されるソース機器が、操作された第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリモコン装置に関し、さらに詳しくは、1つのキー操作で1又は複数の被遠隔操作機器に対して複数の遠隔操作を行うマクロ操作可能なリモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
AVレシーバ、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、ディスプレイ等から構成されるAVシステムにおいて、リモコン装置によってシステムを構成するこれらの被遠隔操作機器を遠隔操作することができる。このようなリモコン装置のうち、マクロ操作機能を有するものが存在する。マクロ操作機能とは、リモコン装置において、1回(場合によっては2回等、僅かな回数)のキー操作により、被遠隔操作機器に対して所定の遠隔操作を行うことができる機能であり、ユーザが自分の好みの遠隔操作処理をリモコン装置に登録できるようになっている。このマクロ操作機能によって、例えば、(a)複数の被遠隔操作機器の電源を一斉にオンするオールオン操作、(b)複数の被遠隔操作機器の電源を一斉にオフにするオールオフ操作、(c)特定のソース、例えばDVD(Digital Versatile Disc)を視聴するために、AVレシーバ、DVDプレーヤー及びディスプレイの電源をオンし、AVレシーバの入力セレクタをDVDプレーヤーに切替えるとともに、DVDプレーヤーに再生動作させる等のマクロ操作を行うことができる。
【0003】
上記(c)のようなマクロ操作を行うためには、ユーザはリモコン装置のマクロ操作用のキーに対し、学習させたい一連の遠隔操作をマクロ操作として予め登録する必要がある。このとき、ユーザは学習させたいマクロ操作と同じ一連のキー操作を手作業で行わなければならないので、ユーザにとってマクロ操作の登録が非常に手間である。この問題を解決するため、製造時に、一般的によく使用されるマクロ操作が予め登録されているリモコン装置があるが、ユーザのAVシステムの使用環境は様々であり、予め登録されているマクロ操作がユーザにとって適したものでない場合、たとえ一部の遠隔操作を変更したいだけであっても、結局ユーザが学習させたいマクロ操作と同じ全てのキー操作を手作業で行わなければならいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−122779号
【特許文献1】特開2001−242995号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を簡便な操作で変更することができるリモコン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によるリモコン装置は、ソース機器を含む所定の複数の被遠隔操作機器をマクロ操作するための1又は複数の第1の入力手段と、該ソース機器を選択するための複数の第2の入力手段と、該被遠隔操作機器を遠隔操作するための複数のリモコンコードを記憶する記憶手段と、該リモコンコードを外部に送信する送信手段と、該第1の入力手段が操作された場合、該複数の被遠隔操作機器を遠隔操作するための該リモコンコードを該送信手段に出力し、該送信手段に外部へ送信させる制御手段とを備え;該第1の入力手段及び該第2の入力手段が所定操作された場合、該第1の入力手段によって遠隔操作される該ソース機器が、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される。
【0007】
ソース機器を含む複数の被遠隔操作機器をマクロ操作するための第1の入力手段とソース機器を選択するための第2の入力手段とが所定操作された場合、第1の入力手段によって遠隔操作されるソース機器が、操作された第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される。これにより、ユーザがマクロ操作で遠隔操作するソース機器だけを変更したい場合、簡便な操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、上記記憶手段が、上記第1の入力手段に対応付けられ、上記被遠隔操作機器を遠隔操作するための操作キーのキーコードを所定順に複数含むマクロ操作処理シーケンスをさらに記憶し;上記制御手段が、上記第1の入力手段が操作された場合、操作された該第1の入力手段に対応付けられる該マクロ操作処理シーケンスに含まれる該キーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理を実行し、該第1の入力手段及び上記第2の入力手段が所定操作された場合、該マクロ操作処理シーケンスにおける、上記ソース機器を遠隔操作するためのキーコードが、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器を遠隔操作するためのキーコードに変更される。
【0009】
第1の入力手段が操作されたとき、マクロ操作処理シーケンスに含まれるキーコード順に、そのキーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理が実行される。そして、第1の入力手段及び第2の入力手段が所定操作されたとき、マクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器を遠隔操作するためのキーコードが、操作された第2の入力手段によって選択されるソース機器を遠隔操作するためのキーコードに変更される。これにより、マクロ操作で遠隔操作するソース機器の変更は、マクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器を遠隔操作するためのキーコードを変更するだけでよい。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記第1の入力手段によるマクロ操作で電源がオンされる上記被遠隔操作機器の電源をオフするための第3の入力手段をさらに備え;上記制御手段が、該第3の入力手段が操作された場合、該第1の入力手段によるマクロ操作で電源がオンされる該被遠隔操作機器の電源をオフするための該リモコンコードを該送信手段に出力し、該送信手段に外部へ送信させ;該第1の入力手段又は該第3の入力手段と該第2の入力手段とが所定操作された場合、該第3の入力手段によって電源がオフされるソース機器が、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される。
【0011】
第1の入力手段又は第3の入力手段と第2の入力手段とが所定操作された場合、該第3の入力手段によって電源がオフされるソース機器が、操作された第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される。これにより、オールオフマクロ操作機能をさらに有するリモコン装置において、第1の入力手段又は第3の入力手段と第2の入力手段とが所定操作された場合、マクロ操作で遠隔操作するソース機器が変更されるとともに、オールオフ操作で電源をオフするソース機器も変更される。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記被遠隔操作機器としてAVアンプを含み、音声信号又は映像信号を入力するソース機器を切り替える入力セレクタを該AVアンプが有するAVシステムにおけるリモコン装置であって、上記第2の入力手段が、該AVアンプの入力セレクタを切り替えるための操作キーであり、該第2の入力手段によって選択されるソース機器が、該操作キーに対応付けられるソース機器である。
【0013】
変更するソース機器の選択にAVアンプの入力セレクタを切り替えるための操作キーを利用することで、専用の操作キーを別途備える必要がなく、ユーザはAVアンプの入力セレクタを切り替える操作と同じ感覚で、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リモコン装置は、ユーザがマクロ操作で遠隔操作するソース機器だけを変更したい場合、遠隔操作するソース機器を簡便な操作で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVシステムを示す概略構成図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるリモコン装置を示すブロック図である。
【図3】マクロ操作処理シーケンスを示す図である。
【図4】マクロ操作処理シーケンスの初期設定を示す図である。
【図5】マクロ操作処理を示すフロー図である。
【図6】マクロ操作内容変更処理を示すフロー図である。
【図7】変更後のマクロ操作処理シーケンスを示す図である。
【図8】本発明の別の好ましい実施形態によるリモコン装置を示すブロック図である。
【図9】オールオフ操作処理シーケンスを示す図である。
【図10】オールオフ操作処理シーケンスの初期設定を示す図である。
【図11】オールオフ操作処理を示すフロー図である。
【図12】本発明の別の好ましい実施形態におけるマクロ操作内容変更処理を示すフロー図である。
【図13】変更後のオールオフ操作処理シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態によるAVシステム1について、図を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を援用する。
【0017】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるAVシステム1の構成を示すブロック図である。AVシステム1は、リモコン装置10、AVレシーバ20、ディスプレイ装置30、ソース機器であるDVDプレーヤー40、ビデオデッキ50及びスピーカー60を備える。AVレシーバ20は、ディスプレイ装置30、DVDプレーヤー40、ビデオデッキ50及びスピーカー60と接続され、DVDプレーヤー40又はビデオデッキ50から入力される音声信号をスピーカー60へ、映像信号をディスプレイ装置30へ出力する。AVレシーバ20は、入力セレクタ(図示せず)を有し、入力セレクタの切り替えによりソース機器が切り替えられる。リモコン装置10は、AVレシーバ20、ディスプレイ装置30、DVDプレーヤー40及びビデオデッキ50を被遠隔操作機器とし、これらの被遠隔操作機器に対してリモコンコードを送信する遠隔操作処理を実行することで、被遠隔操作機器を遠隔操作することができる。本実施例におけるリモコン装置10は、マクロ操作機能を有し、1つのキー操作で1又は複数の被遠隔操作機器に対して一連の遠隔操作(マクロ操作)を行うことができ、ユーザの所定の操作によってマクロ操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。以下、当該リモコン装置10について図2〜図7を参照して詳細に説明する。
【0018】
図2は、リモコン装置10の構成を示すブロック図である。リモコン装置10は、操作入力部11、メモリ12、制御部13、送信部14及び表示部15を備える。メモリ12には、被遠隔操作機器を操作するための複数のリモコンコードが記憶されている。制御部13は、操作入力部11により入力されたユーザの動作指示操作に基づき、リモコン装置10の動作全体を制御したり、メモリ12からリモコンコードを読み出して送信部14に出力する。送信部14は、制御部13から入力されたリモコンコードを赤外線信号に変換して外部に送信する。表示部15は、例えば液晶パネルからなり、操作内容等を表示する。なお、表示部15をタッチパネルで形成することで、表示部15と操作部11とを統合することも可能である。また、リモコン装置10は、遠隔操作する被遠隔操作機器に応じて複数の遠隔操作モードを有する。本実施例では、リモコン装置10は、AVレシーバ20を遠隔操作するためのAVレシーバモード、ディスプレイ装置30を遠隔操作するためのディスプレイモード、DVDプレーヤー40を遠隔操作するためのDVDモード及びビデオデッキ50を遠隔操作するためのビデオモードの4つの遠隔操作モードを有する。
【0019】
操作入力部11は、操作キーとして、被遠隔操作機器の電源をオンするための電源オンキー111と、被遠隔操作機器の電源をオフするための電源オフキー112と、被遠隔操作機器に再生動作を開始させるための再生キー113と、遠隔操作モードを切り替えるためのモード切替キー114と、1つのキー操作で1又は複数の被遠隔操作機器に対して複数の遠隔操作を行うマクロ操作のためのマクロ操作キー115とを有する。
【0020】
本実施例において、操作入力部11はモード切替キー114として、リモコン装置10をAVレシーバモードに設定するためのAVレシーバモードキー114Aと、リモコン装置10をディスプレイモードに設定するためのディスプレイモードキー114Bと、リモコン装置10をDVDモードに設定するためのDVDモードキー114Cと、リモコン装置10をビデオモードに設定するためのビデオモードキー114Dとを有する。これらのモード切替キー114で設定されるリモコン装置10の遠隔操作モードに応じて、電源オンキー111、電源オフキー112及び再生キー113によって遠隔操作する被遠隔操作機器が決まる。つまり、遠隔操作モードに応じて、電源オンキー111、電源オフキー112及び再生キー113が操作されたときに、どの被遠隔操作機器のリモコンコードが送信されるかが決まる。例えば、リモコン装置10がAVレシーバモードに設定されているとき、電源オンキー111が操作されると、AVレシーバ20の電源をオンするリモコンコードがリモコン装置10から送信される。また、リモコン装置10がディスプレイモードに設定されているときは、電源オンキー111が操作されると、ディスプレイ30の電源をオンするリモコンコードがリモコン装置10から送信される。
【0021】
また、DVDモードキー114Cは、AVレシーバ20の入力セレクタを切り替えて、ソース機器をDVDプレーヤー40に切り替える(以下、入力セレクタを“DVD”に切り替えるという)ための操作キーでもある。ビデオモードキー114Dは、AVレシーバ20の入力セレクタを切り替えて、ソース機器をビデオデッキ50に切り替える(以下、入力セレクタを“ビデオ”に切り替えるという)ための操作キーでもある。
【0022】
マクロ操作キー115は、映画鑑賞の際にAVレシーバ20、ディスプレイ装置30及びDVDプレーヤー40をマクロ操作するためのキーとして初期設定されている。具体的には、マクロ操作キー115は、AVレシーバ20、ディスプレイ装置30及びDVDプレーヤー40の電源をオンし、AVレシーバ20の入力セレクタを“DVD”に切り替え、DVDプレーヤー40に再生動作を開始させるためのマクロ操作キーとして初期設定されている。さらにマクロ操作キー115は、DVDモードキー114C又はビデオモードキー114Dと共に所定の操作が行われると、マクロ操作キー115でマクロ操作するソース機器が、そのモード切替キー114に対応するソース機器に変更される。例えば、マクロ操作キー115とビデオモードキー114Dとが同時に操作された場合、マクロ操作キー115で遠隔操作するソース機器が、初期設定のDVDプレーヤー40からビデオデッキ50に変更される。マクロ操作キー115とDVDモードキー114Cとが同時に操作された場合は、マクロ操作キー115で遠隔操作するソース機器が、DVDプレーヤー40に変更される。
【0023】
メモリ12は、マクロ操作キー115に対応付けられるマクロ操作処理シーケンスが記憶される。図3は、マクロ操作処理シーケンスを示す図である。本実施例におけるマクロ操作処理シーケンスは、所定順に複数のキーコードが登録されており、マクロ操作キー115が操作されたときに制御部13が実行するマクロ操作処理を示している。つまり、マクロ操作キー115が操作されたとき、マクロ操作処理シーケンスに登録されているキーコード順に、そのキーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理が実行される。ここでいうキーコードとは、各操作キーに対応付けられ、その操作キーを特定するための識別コードである。具体的には、マクロ操作処理シーケンスは図3に示すように、ディスプレイモードキー、電源オンキー、ソース機器モードキー(DVDモードキー又はビデオモードキー)、電源オンキー、AVレシーバモードキー、電源オンキー、ソース機器モードキー(DVDモードキー又はビデオモードキー)及び再生キーのキーコードが順に登録されている。本実施例では、ソース機器モードキーのキーコードにDVDモードキーのキーコードが初期設定されているものとし、マクロ操作キー115により遠隔操作するソース機器がDVDプレーヤー40に設定されているものとする(図4)。
【0024】
制御部13は、マクロ操作キー115が操作されたとき、マクロ操作処理シーケンスに登録されているキーコード順に、そのキーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理を実行する(マクロ操作処理)。さらに制御部13は、マクロ操作キー115及びモード切替キー114によって所定の操作が行われると、そのマクロ操作キー115によって遠隔操作するソース機器を、操作されたモード切替キー114に対応するソース機器に変更する(マクロ操作内容変更処理)。
【0025】
次に、マクロ操作キー115が操作されたとき、制御部13が実行するマクロ操作処理について説明する。図5は、マクロ操作キー115が操作されたときに、制御部13が実行するマクロ操作処理を示すフロー図である。制御部13は、マクロ操作キー115が操作されたとき、マクロ操作処理シーケンスを参照し、ディスプレイモードキー114B、電源オンキー111、DVDモードキー114C、電源オンキー111、AVレシーバモードキー114A、電源オンキー111、DVDキー115A、DVDモードキー114C、再生キー113の順に操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理を実行する。具体的には、制御部13は、遠隔操作モードをディスプレイモードに変更する処理を実行する(S101)。次に、制御部13は電源オン処理を実行する(S102)。具体的には、ステップS101で遠隔操作モードがディスプレイモードに設定されているので、制御部13は、ディスプレイ装置30の電源をオンするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。次に、制御部13は、遠隔操作モードをDVDモードに変更する処理を実行する(S103)。ステップS103は、DVDモードキー114Cのキーコードに基づく遠隔操作処理であるのでモード切替処理及びAVレシーバ20の入力セレクタの切替処理が実行されるところ、モード切替処理のみを実行するように設定されている。次に、制御部13は電源オン処理を実行する(S104)。具体的には、ステップS103で遠隔操作モードがDVDモードに設定されているので、制御部13は、DVDプレーヤー40の電源をオンするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。次に、制御部13は、遠隔操作モードをAVレシーバモードに変更する処理を実行する(S105)。次に、制御部13は電源オン処理を実行する(S106)。具体的には、ステップS105で遠隔操作モードがAVレシーバモードに設定されているので、制御部13は、AVレシーバ20の電源をオンするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。次に、制御部13は、AVレシーバ20の入力セレクタを“DVD”に切り替え、遠隔操作モードをDVDモードに変更する処理を実行する(S107)。次に、制御部13は、再生処理を実行する(S108)。具体的には、ステップS107で遠隔操作モードがDVDモードに設定されているので、制御部13は、DVDプレーヤー40に再生動作を開始させるためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。
【0026】
次に、マクロ操作内容変更処理について具体的に説明する。図6は、制御部13のマクロ操作内容変更処理を示すフロー図である。図7は、マクロ操作内容変更処理におけるマクロ操作処理シーケンスを示す図である。ユーザは、マクロ操作キー115でマクロ操作するソース機器をDVDプレーヤー40から別のソース機器に変更したい場合、マクロ操作キー115とそのソース機器に対応するモード切替キー114とを同時に操作する。制御部13は、マクロ操作キー115及びモード切替キー114が同時に操作されたとき、その操作されたモード切替キー114から、変更するソース機器を判断する(S201)。そして、制御部13は、そのソース機器のモードキーコードを、マクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードとして設定する(S202)。具体的には、マクロ操作キー115及びビデオモードキー114Cが同時に操作された場合、制御部13は、マクロ操作で遠隔操作するソース機器をビデオデッキ50に変更すると判断し、マクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードを、ビデオモードキー114Dのキーコードに変更する(図7)。電源オンキー111のキーコードに基づく電源オン処理及び再生キー113のキーコードに基づく再生処理は、リモコン装置10の遠隔操作モードに従って、どの被遠隔操作機器のリモコンコードを送信するかが決まるので、制御部13はマクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードを変更するだけで、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。このマクロ操作内容変更処理によってマクロ操作内容が変更された後、マクロ操作キー115が操作されると、DVDプレーヤー40の代わりにビデオデッキ50の電源がオンされ、再生が開始される。なお、AVレシーバ20の入力セレクタは“ビデオ”に切り替えられる。
【0027】
以上のように、ユーザはマクロ操作キー115及びそのソース機器に対応するモード切替キー114を所定操作するだけで、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を簡単に変更することができる。変更するソース機器の選択にモード切替キー114を利用することで、変更するソース機器を選択するために別途操作キーを備える必要がなく、ユーザはモード切替キー114でAVレシーバ20の入力セレクタを切り替える操作(又は、リモコン装置10の遠隔操作モードを切り替える操作)と同じ感覚で、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。さらに、ソース機器がAVレシーバ20のどの入力セレクタに接続されていても、ユーザはマクロ操作キー115及びそのソース機器が対応付けられたモード切替キー114を所定操作するだけで、マクロ操作ボタン115でそのソース機器をマクロ操作することができる。
【0028】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について図8〜図12を参照して具体的に説明する。
【0029】
図8は、本発明の別の好ましい実施形態によるリモコン装置10の構成を示すブロック図である。リモコン装置10は、複数の被遠隔操作機器の電源を一斉にオフするためのオールオフマクロ操作機能をさらに有する。そして、リモコン装置10は操作部11に、マクロ操作キー115によるマクロ操作で電源がオンされる被遠隔操作機器の電源をオフするためのマクロ操作キーであるオールオフキー116をさらに備える。
【0030】
メモリ部12は、オールオフキー116に対応付けられるオールオフ操作処理シーケンスが記憶される。図9は、オールオフ操作処理シーケンスを示す図である。本実施例におけるオールオフ操作処理シーケンスは、オールオフキー116が操作されたときに制御部13が実行するオールオフ操作処理を示しており、マクロ操作キー115によるマクロ操作で電源がオンされる被遠隔操作機器の電源をオフするための複数のキーコードが所定順に登録されている。具体的には、オールオフ操作処理シーケンスは、AVレシーバモードキー、電源オフキー、ディスプレイモードキー、電源オフキー、ソース機器のモードキー(DVDモードキー又はビデオモードキー)及び電源オフキーのキーコードが順に登録されている。オールオフキー116が操作されたとき、オールオフ操作処理シーケンスに登録されているキーコード順に、そのキーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ遠隔操作処理が実行される。初期設定としてマクロ操作処理シーケンスは、ソース機器のモードキーとしてDVDモードキーが設定されているものとする(図10)。
【0031】
制御部13は、オールオフキー116が操作されたとき、マクロ操作キー115によるマクロ操作で電源がオンされる被遠隔操作機器の電源をオフする処理を実行する(オールオフ操作処理)。さらに制御部13は、マクロ操作で遠隔操作するソース機器が変更された場合、オールオフ操作処理で電源をオフするソース機器も変更する。具体的には、制御部13は、マクロ操作キー115及びモード切替キー114によって所定の操作が行われたときに実行するマクロ操作内容変更処理において、オールオフキー115によって電源をオフするソース機器を、操作されたモード切替キー114に対応するソース機器に変更する。
【0032】
次に、オールオフキー116が操作されたときに、制御部13が実行するオールオフ操作処理について説明する。図11は、オールオフキー116が操作されたときに、制御部13が実行するオールオフ操作処理を示すフロー図である。制御部13は、オールオフキー116が操作されたとき、オールオフ操作処理シーケンスに登録されているキーコード順に、そのキーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ遠隔操作処理を実行する。つまり、制御部13は、オールオフ操作処理シーケンスは、AVレシーバモードキー、電源オフキー、ディスプレイモードキー、電源オフキー、ソース機器のモードキー(DVDモードキー又はビデオモードキー)及び電源オフキーの順に操作されたときと同じ遠隔操作処理を実行する。具体的には、制御部13は、オールオフキー116が操作されたとき、遠隔操作モードをAVレシーバモードに変更する処理を実行する(S301)。次に、制御部13は電源オフ処理を実行する(S302)。具体的には、ステップS301で遠隔操作モードがAVレシーバモードに設定されているので、制御部13は、AVレシーバ20の電源をオフするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。次に、遠隔操作モードをディスプレイモードに変更する処理を実行する(S303)。次に、制御部13は電源オフ処理を実行する(S304)。具体的には、ステップS303で遠隔操作モードがディスプレイモードに設定されているので、制御部13は、ディスプレイ装置30の電源をオフするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。次に、制御部13は、遠隔操作モードをDVDモードに変更する処理を実行する(S305)。ステップS303は、DVDモードキー114Cのキーコードに基づく遠隔操作処理であるのでモード切替処理及びAVレシーバ20の入力セレクタの切替処理が実行されるところ、モード切替処理のみを実行するように設定されている。次に、制御部13は電源オフ処理を実行する(S306)。具体的には、ステップS305で遠隔操作モードがDVDモードに設定されているので、制御部13は、DVDプレーヤー40の電源をオフするためのリモコンコードをメモリ12から読み出して送信部14に出力し、送信部14から送信させる。
【0033】
次に、マクロ操作キー115及びモード切替キー114によって所定の操作が行われたときに、制御部13が実行するマクロ操作内容変更処理について説明する。図12は、制御部13のマクロ操作内容変更処理を示すフロー図である。図13は、マクロ操作内容変更処理におけるオールオフ操作処理シーケンスを示す図である。ユーザは、マクロ操作キー115でマクロ操作するソース機器をDVDプレーヤー40から別のソース機器に変更したい場合、マクロ操作キー115とそのソース機器に対応するモード切替キー114とを同時に操作する。制御部13は、マクロ操作キー115及びモード切替キー114が同時に操作されたとき、上述のマクロ操作内容変更処理と同様にその操作されたモード切替キー114から変更するソース機器を判断し、そのソース機器のモードキーコードをマクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードとして設定する(S201及びS202)。さらに、制御部13は、そのソース機器のモードキーコードを、オールオフ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードとして設定する(S203)。具体的には、マクロ操作キー115及びビデオモードキー114Dが同時に操作された場合、制御部13は、オールオフ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードを、ビデオモードキー114Dのキーコードに変更する(図12)。電源オフキー112のキーコードに基づく電源オフ処理では、リモコン装置10の遠隔操作モードに従って、どの被遠隔操作機器のリモコンコードを送信するかが決まるので、マクロ操作処理シーケンスにおけるソース機器のモードキーコードを変更するだけで、マクロ操作で遠隔操作するソース機器を変更することができる。これによって、オールオフキー116が操作されたときに電源がオフされるソース機器はビデオデッキ50となる。
【0034】
以上、オールオフマクロ操作機能を有するリモコン装置10において、マクロ操作キーでマクロ操作するソース機器が変更された場合、オールオフ操作で電源がオフされるソース機器も変更される。変更するソース機器は、上述のマクロ操作内容変更処理と同様、マクロ操作キー115と共に操作されたモード切替キー114に応じて決まる。
【0035】
以上、本発明に係るリモコン装置の好ましい実施形態の例について説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本実施例では、マクロ操作ボタン115を1つとして説明したが、複数備えていても良く、それぞれのマクロ操作ボタン115において遠隔操作するソース機器を変更できるようにすればよい。
【0036】
また、本実施例ではマクロ操作内容変更処理が、マクロ操作キー115及びモード切替キー114が同時に押されたときに実行されるとして説明したが、その限りではない。例えば、マクロ操作キー115の長押し操作によってリモコン装置10がマクロ操作キー115のマクロ操作内容を変更するモードに遷移し、その後操作されるモード切替キー114によって、マクロ操作キー115で遠隔操作するソース機器が変更されるようにしても良い。
【0037】
また、本実施例においてAVレシーバ20に接続されるソース機器をDVDプレーヤー40及びビデオデッキ50のみとしたが、この限りではなく、CDプレーヤー、ケーブルテレビ用のセットトップボックス、ラジオチューナーなど、映像又は音声を出力する他のソース機器でもよい。
【0038】
さらに、本実施例においてマクロ操作処理シーケンス及びオールオフ操作処理シーケンスにおいて、ディスプレイ装置10の電源をオン/オフするためのキーコードを含むようにしたが、ソース機器がCDプレーヤーやラジオチューナー等である場合にはディスプレイ装置30の電源をオン/オフする必要がないので、その場合はマクロ操作処理シーケンス及びオールオフ操作処理シーケンスにディスプレイ装置10の電源をオン/オフするためのキーコードが含まれていなくても良い。また、ケーブルテレビ用のセットトップボックスのように再生動作を機能として有していない場合、マクロ操作処理シーケンスに再生動作を開始させるためのキーコードが含まれていなくても良い。
【0039】
さらに、オールオフマクロ操作機能を有するリモコン装置において、制御部13が、マクロ操作キー115及びモード切替キー114が所定操作された場合にマクロ操作内容変更処理を実行するようにしたが、マクロ操作キー115の代わりにオールオフキー116がモード切替キー114と共に所定操作されたときにマクロ操作内容変更処理を実行するようにしてもよい。
【0040】
さらに、本実施例では、DVDモードキー114C及びビデオモードキー114Dを、リモコン装置10の遠隔操作モードを切り替えるためだけでなく、AVレシーバ20の入力セレクタを切り替えるための操作キーとしたが、AVレシーバ20の入力セレクタを切り替えるための操作キーとして、リモコン装置10の操作入力部11に入力セレクタキー(例えば、入力セレクタをDVDプレーヤー40に切り替えるDVDキー及び入力セレクタをビデオデッキ50に切り替えるビデオキー)を別途備え、入力セレクタキーとマクロ操作キー115が所定操作されたときに、制御部13がマクロ操作内容変更処理を実行するようにしても良い。この場合、制御部13は、操作された入力セレクタから変更するソース機器を判断する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、1つのキー操作で1又は複数の被遠隔操作機器に対して複数の遠隔操作を行うマクロ操作可能なリモコン装置に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0042】
10 リモコン装置
11 操作入力部
111 電源オンキー
112 電源オフキー
113 再生キー
114 モード切替キー
114A AVレシーバモードキー
114B ディスプレイモードキー
114C DVDモードキー
114D ビデオモードキー
115 マクロ操作キー
116 オールオフキー
12 メモリ
13 制御部
14 送信部
15 表示部
20 AVレシーバ
30 ディスプレイ装置
40 DVDプレーヤー
50 ビデオデッキ
60 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース機器を含む所定の複数の被遠隔操作機器をマクロ操作するための1又は複数の第1の入力手段と、
該ソース機器を選択するための複数の第2の入力手段と、
該被遠隔操作機器を遠隔操作するための複数のリモコンコードを記憶する記憶手段と、
該リモコンコードを外部に送信する送信手段と、
該第1の入力手段が操作された場合、該複数の被遠隔操作機器を遠隔操作するための該リモコンコードを該送信手段に出力し、該送信手段に外部へ送信させる制御手段とを備え;
該第1の入力手段及び該第2の入力手段が所定操作された場合、該第1の入力手段によって遠隔操作される該ソース機器が、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される、リモコン装置。
【請求項2】
前記記憶手段が、
前記第1の入力手段に対応付けられ、前記被遠隔操作機器を遠隔操作するための操作キーのキーコードを所定順に複数含むマクロ操作処理シーケンスをさらに記憶し;
前記制御手段が、
前記第1の入力手段が操作された場合、操作された該第1の入力手段に対応付けられる該マクロ操作処理シーケンスに含まれる該キーコードに対応する操作キーが操作されたときと同じ又は所定の遠隔操作処理を実行し、
該第1の入力手段及び前記第2の入力手段が所定操作された場合、該マクロ操作処理シーケンスにおける、前記ソース機器を遠隔操作するためのキーコードが、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器を遠隔操作するためのキーコードに変更される、請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記第1の入力手段によるマクロ操作で電源がオンされる前記被遠隔操作機器の電源をオフするための第3の入力手段をさらに備え;
前記制御手段が、
該第3の入力手段が操作された場合、該第1の入力手段によるマクロ操作で電源がオンされる該被遠隔操作機器の電源をオフするための該リモコンコードを該送信手段に出力し、該送信手段に外部へ送信させ;
該第1の入力手段又は該第3の入力手段と該第2の入力手段とが所定操作された場合、該第3の入力手段によって電源がオフされるソース機器が、操作された該第2の入力手段によって選択されるソース機器に変更される、請求項1又は2に記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記被遠隔操作機器としてAVアンプを含み、音声信号又は映像信号を入力するソース機器を切り替える入力セレクタを該AVアンプが有するAVシステムにおけるリモコン装置であって、
前記第2の入力手段が、該AVアンプの入力セレクタを切り替えるための操作キーであり、
該第2の入力手段によって選択されるソース機器が、該操作キーに対応付けられるソース機器である、請求項1〜3のいずれかに記載のリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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