レシピスタンド
【課題】台上に載置してレシピを保持するか、或いはレシピを上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意選択可能なレシピスタンドを提供する。
【解決手段】ベースプレート11と、ベースプレート11の上端に対してヒンジ機構13を介して下端が連結された支持プレート12と、ベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップ16と、支持プレート12の上部に穿設された貫通穴18とを備え、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させた場合には、少なくとも支持プレート12を台上に載置してベースプレート11を台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、ベースプレート11とクリップ16との間でレシピを保持可能としている。
【解決手段】ベースプレート11と、ベースプレート11の上端に対してヒンジ機構13を介して下端が連結された支持プレート12と、ベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップ16と、支持プレート12の上部に穿設された貫通穴18とを備え、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させた場合には、少なくとも支持プレート12を台上に載置してベースプレート11を台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、ベースプレート11とクリップ16との間でレシピを保持可能としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンにおいて調理を行う際に、レシピを斜めに立て掛けた状態で、並びに吊り下げた状態で読み取ることが可能なレシピスタンド、書籍スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多種多様な料理が研究されている近年において、特にレシピを見ながら調理を行うケースが増加している。一般にレシピは、本や書類等の紙媒体に記載されている。またレシピは、見開きのページで料理が一つの料理が完結できるように記載されていることが多いことから、一般の書籍と比べて随時ページをめくる必要が無いという特性もある。このようなレシピを斜めに立て掛けた状態で保持することができるレシピスタンドや、マグネット式で構成されるともにホワイトボードを兼ねたレシピボードが従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−041657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、調理台やカウンター等のような調理スペースを構成する台上に載置することを前提としたレシピスタンドでは、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては好適であるものの、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、配置する上での制約が高くなるという問題点があった。またこのような調理スペースに基づく制約とは無関係に、ユーザによっては、レシピスタンドを台上に載置してレシピを保持するのではなく、レシピを上から吊り下げ固定可能な構成を望む場合もあった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、台上に載置してレシピを保持するか、或いはレシピを上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意選択可能なレシピスタンド、書籍スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本願請求項1に係るレシピスタンドは、ベースプレートと、上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間でレシピを保持可能とされ、上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップによりレシピを吊り下げ狭持可能とされていることを特徴とする。
【0006】
本願請求項2に係るレシピスタンドは、請求項1記載の発明において、上記固定手段は、上記支持プレートの上部に穿設された貫通穴であるか、又はベースプレート及び/又は支持プレートの背面に取り付けられた磁石であることを特徴とする。
【0007】
本願請求項3に係るレシピスタンドは、請求項1又は2記載の発明において、上記クリップに対して上記外力を押圧するための押圧部は、上記ベースプレートの上端よりも上側に突出されてなり、その押圧部の上端には弾性材が設けられ、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートの上端と上記押圧部の上端とを介して台上に載置可能とされていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項4に係るレシピスタンドは、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、上記支持プレートは、上記ベースプレートの前面側に向けて上記ヒンジ機構を介して回転されることにより、当該ベースプレートの前面と接触させて折り畳み可能とされていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項5に係るレシピスタンドは、請求項1〜4のうち何れか1項記載の発明において、上記ベースプレート及び/又は上記支持プレートにおける前面は、筆記消去可能な筆記面を設けてなるとともに磁性材料からなるホワイトボードで構成されていることを特徴とする。
【0010】
本願請求項6に係るレシピスタンドは、請求項1〜5のうち何れか1項記載の発明において、上記クリップは、横方向に移動自在に配設されていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項7に係るレシピスタンドは、請求項1〜6のうち何れか1項記載の発明において、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、更に上記クリップによりレシピを保持可能とされていることを特徴とする。
【0012】
本願請求項8に係るレシピスタンドは、請求項1〜7のうち何れか1項記載の発明において、上記クリップは、ベースプレート側へ突出させた案内部さらに形成されていることを特徴とする。
【0013】
本願請求項9に係るレシピスタンドは、請求項8記載の発明において、上記案内部は、上記クリップが閉じられた状態において上記ベースプレートとほぼ平行となるような角度で形成されていることを特徴とする。
【0014】
本願請求項10に係るレシピスタンドは、請求項8又は9記載の発明において、上記案内部は、鉄製で円弧状のすべり部材が更に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項11に係る書籍スタンドは、ベースプレートと、上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間で書籍を保持可能とされ、上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップにより書籍を吊り下げ狭持可能とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上述した構成からなる本発明に係るレシピスタンドでは、台上に載置してレシピを保持するか、或いはレシピを上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意に選択することが可能となる。しかも、ヒンジ機構を介してベースプレートに対して支持プレートを折り曲げるのみの極めて簡単な操作でそれを実現することができる。その結果、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては、ベースプレートの背面側に向けてヒンジ機構を介して支持プレートを回転させることにより、これを台上に載置することが可能となる。また、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、ベースプレートに対して略平行となるようにヒンジ機構を介して支持プレートを回転させ、貫通穴を介して係合させることにより吊り下げ狭持することが可能となる。また、いずれの場合においてもレシピの料理中における視認性を向上させることができ、しかもレシピをずらすことなく安定した状態で保持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、レシピを斜めに立て掛けた状態で、並びに吊り下げた状態で読み取ることが可能なレシピスタンドについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用したレシピスタンド1の斜視図を、また図2(a)はその正面図を、また図2(b)はその側面図を、図2(c)はその平面図を示している。
【0019】
レシピスタンド1は、ベースプレート11と、ベースプレート11の上端11aに取り付けられたヒンジ機構13と、この下端がヒンジ機構13に取り付けられてなる連結棒14と、この連結棒14に下端12bが取り付けられた支持プレート12と、支持プレート12の上部に穿設された貫通穴18と、ベースプレート11の上端11aにおける横方向Aの両端に設けられた枠体19と、この枠体19からA方向中心に向けて延長されているレール15と、このレール15に嵌合されるクリップ16とを備えている。なお、このレシピスタンド1は、図2(a)紙面上側を上方、紙面下側を下方とし、紙面前方向を前面側、紙面奥行き方向を背面側としている。他の図についても、これと整合するように記載している。
【0020】
ベースプレート11は、金属製又は樹脂性の板材で構成されている。このベースプレート11における前面は、例えばペン等で筆記消去可能な白色の筆記面21が設けられている。また筆記面21は、更に磁性材料で構成されていてもよい。これにより、この筆記面21は、いわゆるホワイトボードとしての機能を発揮することが可能となり、ユーザは、この筆記面21に対して文字等を筆記することができ、また消去することが可能となる。更にマグネット等をこの筆記面21に着脱自在にとされているため、紙媒体に印刷されたレシピをマグネットを介して筆記面21に貼り付けることができ、またこれを簡単に取り外すことも可能となる。ちなみに、このベースプレート11の形状は、半円形で構成されている場合を例にとり説明をしているが、これに限定されるものではなく、いかなる形状で構成されていてもよい。
【0021】
支持プレート12は、金属製又は樹脂性の板材で構成されている。この支持プレート12における前面も、例えばペン等で筆記消去可能な白色の筆記面22が設けられている。この筆記面22を構成は、上述した筆記面21と同一であるため、これを引用することにより以下での説明を省略する。この支持プレート12の形状も、半円形で構成され、ベースプレート11と合わせて輪郭が一つの円を形成しているが、これに限定されるものではなく、いかなる形状で構成されていてもよい。
【0022】
枠体19は、ベースプレート11の上端11aから前面側へ向けて突出されてなり、このベースプレート11と一体化されて構成される。この枠体19における前面側へ向けた突出量は、後述するように所定の長さに亘り予め調整されることになる。
【0023】
一端側が枠体19に連結されたレール15は、A方向中心に向けて延長された他端側が図2(c)に示すように背面側に折り曲げられてなり、その終端はベースプレート11に連結されている。レール15は、断面形状が図3に示すようにクリップ16とより強固に嵌合させる観点から断面H形状に構成しているが、これに限定されるものではない。また、レール15の前後方向の位置は、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいた位置とされている。
【0024】
クリップ16は、レール15に嵌合される嵌合部材24と、図3中B方向から外力を押圧するための押圧部26とを有する。嵌合部材24は、レール15の断面形状に応じた貫通穴24aが形成されてなり、当該貫通穴24aにレール15を挿通可能とされている。ユーザは、このクリップ16をA方向に向けて自在に動かすことにより、これを好みの位置に調整することが可能となる。また、このクリップ16は、B方向から押圧部26を介した外力の押圧を通じてその先端16aが開閉自在に構成されることになるが、当該先端16aは下側に向いていることから、クリップ16は下側に向けて開閉自在とされていることになる。また、このクリップ16の前後方向の位置は、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいた位置とされている。クリップ16は、レール15に嵌合されることにより構成されるところ、当該レール15が、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいて位置しているためである。なお、このクリップ16は、レール15に嵌合させることにより取り付けられている場合に限定されるものではなく、他の手段によりベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設されていてもよい。また押圧部26における上端には、ゴム等の弾性材が設けられていてもよい。
【0025】
ヒンジ機構13は、回動軸Oを中心軸として回転自在に構成され、ベースプレート11と支持プレート12との相対角度を任意に調整自在にとなるように支持する。このヒンジ機構13を介してベースプレート11の背面側に向けて支持プレート12を回転させた場合には、ベースプレート11と支持プレート12とが少なくとも鋭角となる所定の相対角度においてストッパーが掛かるように構成されている。これに対して、ヒンジ機構13を介してベースプレート11の前面側に向けて支持プレート12を回転させた場合には、当該方向への回転については特段ストッパーは設けられていないため、ベースプレート11と支持プレート12とが互いに接触するまで回転自在となるように構成されている。
【0026】
連結棒14は、金属製で構成され、クリップ16と支持プレート12とが互いに接触しないようにその長さが予め調整されている。
【0027】
また貫通穴18は、キッチンに設けられたフックを挿通可能な程度の径で構成される。
【0028】
次に、本発明を適用したレシピスタンド1について、カウンターや調理台等の調理スペースの台上に載置することにより使用する場合について説明をする。
【0029】
ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させる。その結果、図4、5に示すように、少なくとも支持プレート12を台上に載置することが可能となる。ちなみに、図4は、台上に載置したレシピスタンド1にレシピ31を保持した状態を示す斜視図であり、図5(a)は、その側面図を、更に図5(b)は、台上に載置したレシピスタンド1を背面から視認した状態を示している。
【0030】
ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させると、図5(a)に示すように、ベースプレート11と支持プレート12とが互いに鋭角の関係になった場合において図示しないストッパーが機能する。かかる状態で台32上に載置すると、支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を台32に接触することになる。このため、これら支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を介して台32上に載置することが可能となる。特にクリップ16における上端を弾性材で構成した場合には、これが滑り止めの機能を発揮することになる。
【0031】
かかる状態の下で台上に載置したレシピスタンド1では、支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を介して台32上に載置する構成としており、しかもこのクリップ16の上端は、ベースプレート11の上端11aよりも上側に突出されていることから、支持プレート12を台32表面に対して斜めに静止させることが可能となる。ベースプレート11は、支持プレート12に対して互いに鋭角の関係になっていることから、ベースプレート11自身は、この台32表面から傾斜させて配置することが可能となる。
【0032】
台32上に載置したレシピスタンド1にレシピ31を保持する場合には、図5(b)に示すように、ベースプレート11と、クリップ16との間に形成された保持部35を利用する。即ち、この断面凹状に形成されてなる保持部35にレシピ31を挿入することによりこれをベースプレート11とクリップ16とにより遊嵌させることができ、これを保持することが可能となる。またベースプレート11自身は、この台32表面から傾斜させて配置していることから、レシピ31も傾斜させた状態で保持することが可能となる。その結果、キッチンで調理を行うユーザは、斜め上に向いているレシピ31を視認することができる。
【0033】
また、本発明では、クリップ16として、例えば図6(a)に示すようにベースプレート11側へ突出させた案内部51が形成されていてもよい。図6(b),(c)は、この案内部51の詳細な構成を説明するためにクリップ16を拡大表示させた図である。この案内部51は、クリップ16が閉じられた状態において上記ベースプレート11とほぼ平行となるような角度で形成されていることが望ましい。これにより、図6(a)に示すように、挿入したレシピ31のページがめくれないように強固に固定することが可能となる。また、レシピ31を挿入する際の摩擦力を低減させる観点から、鉄製で円弧状のすべり部材51aを設けるようにしてもよい。
【0034】
また、レシピ31が分厚くて保持部35に挿入できないとき等には、例えば図7に示すようにクリップ16によりレシピ31を固定するようにしてもよい。
【0035】
次に、本発明を適用したレシピスタンド1について、上から吊り下げ固定する場合について説明をする。
【0036】
図8、9に示すように、ベースプレート11に対して略平行となるようにヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させる。その結果、ベースプレート11と支持プレート12との間で略同一平面が形成されることになる。かかる状態においては、クリップ16は下側に向けて開閉自在となる。
【0037】
次に、支持プレート12に穿設された貫通穴18を、フック37に係合させることによりこれを吊り下げる。そして、このクリップ16にレシピ31を吊り下げ狭持する。このとき、レシピ31の大きさに応じてクリップ16の位置をA方向に移動させて調整することにより、バランスをとることが可能となる。特にこのレシピスタンド1を上から吊り下げ固定する場合には、これを台上に載置する場合と比較して調理スペースが割かれることも無くなり、よりスペースを有効的に活用することが可能となる。
【0038】
また、このレシピスタンド1を上から吊り下げ固定する場合には、クリップ16によりレシピ31を吊り下げ狭持する以外に、図示しないマグネットを介して紙媒体からなるレシピをベースプレート11及び/又は支持プレート12に貼着させることが可能となる。また、レシピスタンド1においてレシピを吊り下げ固定しない場合には、この空いているベースプレート11及び/又は支持プレート12に対してペン等でメモを筆記することが可能となり、また随時これを消去することも可能となる。
【0039】
このように、本発明を適用したレシピスタンド1では、台上に載置してレシピ31を保持するか、或いはレシピ31を上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意に選択することが可能となる。しかも、ヒンジ機構13を介してベースプレート11に対して支持プレート12を折り曲げるのみの極めて簡単な操作でそれを実現することができる。その結果、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させることにより、これを台上に載置することが可能となる。また、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、ベースプレート11に対して略平行となるようにヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させ、貫通穴18を介して係合させることにより吊り下げ狭持することが可能となる。また、いずれの場合においてもレシピ31の料理中における視認性を向上させることができ、しかもレシピ31をずらすことなく安定した状態で保持することが可能となる。
【0040】
なお、本発明を適用したレシピスタンド1では、例えば、図10に示すように、支持プレート12は、ベースプレート11の前面側に向けてヒンジ機構13を介して回転されることにより、ベースプレート11の前面と接触させて折り畳むことが可能となる。このため、本発明は、保管性、収納性にも優れた構成といえる。
【0041】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。図11は、本発明を適用した他の形態としてのレシピスタンド2の構成例を示している。このレシピスタンド2において、上述したレシピスタンド1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0042】
このレシピスタンド2では、レシピスタンド1における連結棒14が省略され、その代替として支持プレート12の下端から下側に向けて突出された突出部41と、この突出部41、ヒンジ機構13を介してベースプレート11へ連結するための連結部材42とを備えている。またこの構成では、レール15は、中心がこのヒンジ機構13により固定されてなり、枠体19に相当する構成は省略されている。
【0043】
また、ベースプレート11と支持プレート12が略平行状態にあるとき、連結部材42は、図11(b)の側面図に示すように、下方から上方に至る過程において、背面側から前面側に向けて配向した状態となる。即ち、この連結部材42は、ヒンジ機構13からベースプレート11に至るまで傾斜状に配設されている。その結果、ベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいてクリップ16を配置させることが可能となり、更にベースプレート11と、クリップ16との間に保持部35を形成させることが可能となり、これにレシピを保持させることが可能となる。
【0044】
図12に示すように、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させた場合には、突出部41に対して、ベースプレート11の上端11aを当接させることが可能となり、これがストッパーとして機能することになる。これは、上述したように連結部材42をヒンジ機構13からベースプレート11に至るまで傾斜状に配設したことによるものである。
【0045】
上述したレシピスタンド2においても同様にレシピスダンと1と同一の効果を奏することは勿論である。
【0046】
なお、本発明を適用したレシピスタンド2は、あくまでレシピの代替として、本やカタログ等のいかなる書籍をも保持、狭持可能であることは勿論である。即ち。このレシピスタンド2を、構成要素を同一としながらも書籍スタンドとして適用することが可能となる。
【0047】
また、上述した構成において、貫通穴18の構成は省略するようにしてもよい。その代替として、ベースプレート11、支持プレート12を展開させたままの状態で固定するためのいかなる固定手段を適用するようにしてもよい。この固定手段の他の例としては、ベースプレート11及び/又は支持プレート12の背面に取り付けられた磁石で構成するようにしてもよい。これにより、冷蔵庫等にこの磁石を介して取り付けることにより、これを強固に固定することが可能となる。
【0048】
特にこの磁石をベースプレート11に取り付ける構成とすることにより、例えば図10に示すように折りたたんだ状態においても、冷蔵庫等に取り付ける、クリップ16を介してレシピを吊下げ固定することが可能となる。これにより、コンパクトな状態で、固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を適用したレシピスタンドの斜視図である。
【図2】(a)は本発明を適用したレシピスタンドの正面図を、(b)は本発明を適用したレシピスタンドの側面図を、(c)は本発明を適用したレシピスタンドの平面図である。
【図3】レールとクリップの嵌合部分の断面図である。
【図4】台上に載置したレシピスタンドにレシピを保持した状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は、台上に載置したレシピスタンドにレシピを保持した状態を示す側面図であり、(b)は、台上に載置したレシピスタンドを背面から視認した状態を示す図である。
【図6】クリップとして、ベースプレート側へ突出させた案内部を形成させた例を示す図である。
【図7】レシピの他の保持例について説明するための図である。
【図8】本発明を適用したレシピスタンドについて、上から吊り下げ固定する場合を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用したレシピスタンドについて、上から吊り下げ固定する場合を示す側面図である。
【図10】本発明を適用したレシピスタンドを折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図11】本発明を適用したレシピスタンドの他の形態について説明するための図である。
【図12】本発明を適用したレシピスタンドの他の形態について台上に載置する例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 レシピスタンド
11 ベースプレート
12 支持プレート
13 ヒンジ機構
14 連結棒
15 レール
16 クリップ
18 貫通穴
19 枠体
21、22 筆記面
26 押圧部
31 レシピ
32 台
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンにおいて調理を行う際に、レシピを斜めに立て掛けた状態で、並びに吊り下げた状態で読み取ることが可能なレシピスタンド、書籍スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多種多様な料理が研究されている近年において、特にレシピを見ながら調理を行うケースが増加している。一般にレシピは、本や書類等の紙媒体に記載されている。またレシピは、見開きのページで料理が一つの料理が完結できるように記載されていることが多いことから、一般の書籍と比べて随時ページをめくる必要が無いという特性もある。このようなレシピを斜めに立て掛けた状態で保持することができるレシピスタンドや、マグネット式で構成されるともにホワイトボードを兼ねたレシピボードが従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−041657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、調理台やカウンター等のような調理スペースを構成する台上に載置することを前提としたレシピスタンドでは、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては好適であるものの、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、配置する上での制約が高くなるという問題点があった。またこのような調理スペースに基づく制約とは無関係に、ユーザによっては、レシピスタンドを台上に載置してレシピを保持するのではなく、レシピを上から吊り下げ固定可能な構成を望む場合もあった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、台上に載置してレシピを保持するか、或いはレシピを上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意選択可能なレシピスタンド、書籍スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本願請求項1に係るレシピスタンドは、ベースプレートと、上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間でレシピを保持可能とされ、上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップによりレシピを吊り下げ狭持可能とされていることを特徴とする。
【0006】
本願請求項2に係るレシピスタンドは、請求項1記載の発明において、上記固定手段は、上記支持プレートの上部に穿設された貫通穴であるか、又はベースプレート及び/又は支持プレートの背面に取り付けられた磁石であることを特徴とする。
【0007】
本願請求項3に係るレシピスタンドは、請求項1又は2記載の発明において、上記クリップに対して上記外力を押圧するための押圧部は、上記ベースプレートの上端よりも上側に突出されてなり、その押圧部の上端には弾性材が設けられ、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートの上端と上記押圧部の上端とを介して台上に載置可能とされていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項4に係るレシピスタンドは、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、上記支持プレートは、上記ベースプレートの前面側に向けて上記ヒンジ機構を介して回転されることにより、当該ベースプレートの前面と接触させて折り畳み可能とされていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項5に係るレシピスタンドは、請求項1〜4のうち何れか1項記載の発明において、上記ベースプレート及び/又は上記支持プレートにおける前面は、筆記消去可能な筆記面を設けてなるとともに磁性材料からなるホワイトボードで構成されていることを特徴とする。
【0010】
本願請求項6に係るレシピスタンドは、請求項1〜5のうち何れか1項記載の発明において、上記クリップは、横方向に移動自在に配設されていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項7に係るレシピスタンドは、請求項1〜6のうち何れか1項記載の発明において、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、更に上記クリップによりレシピを保持可能とされていることを特徴とする。
【0012】
本願請求項8に係るレシピスタンドは、請求項1〜7のうち何れか1項記載の発明において、上記クリップは、ベースプレート側へ突出させた案内部さらに形成されていることを特徴とする。
【0013】
本願請求項9に係るレシピスタンドは、請求項8記載の発明において、上記案内部は、上記クリップが閉じられた状態において上記ベースプレートとほぼ平行となるような角度で形成されていることを特徴とする。
【0014】
本願請求項10に係るレシピスタンドは、請求項8又は9記載の発明において、上記案内部は、鉄製で円弧状のすべり部材が更に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項11に係る書籍スタンドは、ベースプレートと、上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間で書籍を保持可能とされ、上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップにより書籍を吊り下げ狭持可能とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上述した構成からなる本発明に係るレシピスタンドでは、台上に載置してレシピを保持するか、或いはレシピを上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意に選択することが可能となる。しかも、ヒンジ機構を介してベースプレートに対して支持プレートを折り曲げるのみの極めて簡単な操作でそれを実現することができる。その結果、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては、ベースプレートの背面側に向けてヒンジ機構を介して支持プレートを回転させることにより、これを台上に載置することが可能となる。また、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、ベースプレートに対して略平行となるようにヒンジ機構を介して支持プレートを回転させ、貫通穴を介して係合させることにより吊り下げ狭持することが可能となる。また、いずれの場合においてもレシピの料理中における視認性を向上させることができ、しかもレシピをずらすことなく安定した状態で保持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、レシピを斜めに立て掛けた状態で、並びに吊り下げた状態で読み取ることが可能なレシピスタンドについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用したレシピスタンド1の斜視図を、また図2(a)はその正面図を、また図2(b)はその側面図を、図2(c)はその平面図を示している。
【0019】
レシピスタンド1は、ベースプレート11と、ベースプレート11の上端11aに取り付けられたヒンジ機構13と、この下端がヒンジ機構13に取り付けられてなる連結棒14と、この連結棒14に下端12bが取り付けられた支持プレート12と、支持プレート12の上部に穿設された貫通穴18と、ベースプレート11の上端11aにおける横方向Aの両端に設けられた枠体19と、この枠体19からA方向中心に向けて延長されているレール15と、このレール15に嵌合されるクリップ16とを備えている。なお、このレシピスタンド1は、図2(a)紙面上側を上方、紙面下側を下方とし、紙面前方向を前面側、紙面奥行き方向を背面側としている。他の図についても、これと整合するように記載している。
【0020】
ベースプレート11は、金属製又は樹脂性の板材で構成されている。このベースプレート11における前面は、例えばペン等で筆記消去可能な白色の筆記面21が設けられている。また筆記面21は、更に磁性材料で構成されていてもよい。これにより、この筆記面21は、いわゆるホワイトボードとしての機能を発揮することが可能となり、ユーザは、この筆記面21に対して文字等を筆記することができ、また消去することが可能となる。更にマグネット等をこの筆記面21に着脱自在にとされているため、紙媒体に印刷されたレシピをマグネットを介して筆記面21に貼り付けることができ、またこれを簡単に取り外すことも可能となる。ちなみに、このベースプレート11の形状は、半円形で構成されている場合を例にとり説明をしているが、これに限定されるものではなく、いかなる形状で構成されていてもよい。
【0021】
支持プレート12は、金属製又は樹脂性の板材で構成されている。この支持プレート12における前面も、例えばペン等で筆記消去可能な白色の筆記面22が設けられている。この筆記面22を構成は、上述した筆記面21と同一であるため、これを引用することにより以下での説明を省略する。この支持プレート12の形状も、半円形で構成され、ベースプレート11と合わせて輪郭が一つの円を形成しているが、これに限定されるものではなく、いかなる形状で構成されていてもよい。
【0022】
枠体19は、ベースプレート11の上端11aから前面側へ向けて突出されてなり、このベースプレート11と一体化されて構成される。この枠体19における前面側へ向けた突出量は、後述するように所定の長さに亘り予め調整されることになる。
【0023】
一端側が枠体19に連結されたレール15は、A方向中心に向けて延長された他端側が図2(c)に示すように背面側に折り曲げられてなり、その終端はベースプレート11に連結されている。レール15は、断面形状が図3に示すようにクリップ16とより強固に嵌合させる観点から断面H形状に構成しているが、これに限定されるものではない。また、レール15の前後方向の位置は、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいた位置とされている。
【0024】
クリップ16は、レール15に嵌合される嵌合部材24と、図3中B方向から外力を押圧するための押圧部26とを有する。嵌合部材24は、レール15の断面形状に応じた貫通穴24aが形成されてなり、当該貫通穴24aにレール15を挿通可能とされている。ユーザは、このクリップ16をA方向に向けて自在に動かすことにより、これを好みの位置に調整することが可能となる。また、このクリップ16は、B方向から押圧部26を介した外力の押圧を通じてその先端16aが開閉自在に構成されることになるが、当該先端16aは下側に向いていることから、クリップ16は下側に向けて開閉自在とされていることになる。また、このクリップ16の前後方向の位置は、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいた位置とされている。クリップ16は、レール15に嵌合されることにより構成されるところ、当該レール15が、ベースプレート11から前面側へ向けて間隔をおいて位置しているためである。なお、このクリップ16は、レール15に嵌合させることにより取り付けられている場合に限定されるものではなく、他の手段によりベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設されていてもよい。また押圧部26における上端には、ゴム等の弾性材が設けられていてもよい。
【0025】
ヒンジ機構13は、回動軸Oを中心軸として回転自在に構成され、ベースプレート11と支持プレート12との相対角度を任意に調整自在にとなるように支持する。このヒンジ機構13を介してベースプレート11の背面側に向けて支持プレート12を回転させた場合には、ベースプレート11と支持プレート12とが少なくとも鋭角となる所定の相対角度においてストッパーが掛かるように構成されている。これに対して、ヒンジ機構13を介してベースプレート11の前面側に向けて支持プレート12を回転させた場合には、当該方向への回転については特段ストッパーは設けられていないため、ベースプレート11と支持プレート12とが互いに接触するまで回転自在となるように構成されている。
【0026】
連結棒14は、金属製で構成され、クリップ16と支持プレート12とが互いに接触しないようにその長さが予め調整されている。
【0027】
また貫通穴18は、キッチンに設けられたフックを挿通可能な程度の径で構成される。
【0028】
次に、本発明を適用したレシピスタンド1について、カウンターや調理台等の調理スペースの台上に載置することにより使用する場合について説明をする。
【0029】
ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させる。その結果、図4、5に示すように、少なくとも支持プレート12を台上に載置することが可能となる。ちなみに、図4は、台上に載置したレシピスタンド1にレシピ31を保持した状態を示す斜視図であり、図5(a)は、その側面図を、更に図5(b)は、台上に載置したレシピスタンド1を背面から視認した状態を示している。
【0030】
ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させると、図5(a)に示すように、ベースプレート11と支持プレート12とが互いに鋭角の関係になった場合において図示しないストッパーが機能する。かかる状態で台32上に載置すると、支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を台32に接触することになる。このため、これら支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を介して台32上に載置することが可能となる。特にクリップ16における上端を弾性材で構成した場合には、これが滑り止めの機能を発揮することになる。
【0031】
かかる状態の下で台上に載置したレシピスタンド1では、支持プレート12の上端12aと、クリップ16における押圧部26上端を介して台32上に載置する構成としており、しかもこのクリップ16の上端は、ベースプレート11の上端11aよりも上側に突出されていることから、支持プレート12を台32表面に対して斜めに静止させることが可能となる。ベースプレート11は、支持プレート12に対して互いに鋭角の関係になっていることから、ベースプレート11自身は、この台32表面から傾斜させて配置することが可能となる。
【0032】
台32上に載置したレシピスタンド1にレシピ31を保持する場合には、図5(b)に示すように、ベースプレート11と、クリップ16との間に形成された保持部35を利用する。即ち、この断面凹状に形成されてなる保持部35にレシピ31を挿入することによりこれをベースプレート11とクリップ16とにより遊嵌させることができ、これを保持することが可能となる。またベースプレート11自身は、この台32表面から傾斜させて配置していることから、レシピ31も傾斜させた状態で保持することが可能となる。その結果、キッチンで調理を行うユーザは、斜め上に向いているレシピ31を視認することができる。
【0033】
また、本発明では、クリップ16として、例えば図6(a)に示すようにベースプレート11側へ突出させた案内部51が形成されていてもよい。図6(b),(c)は、この案内部51の詳細な構成を説明するためにクリップ16を拡大表示させた図である。この案内部51は、クリップ16が閉じられた状態において上記ベースプレート11とほぼ平行となるような角度で形成されていることが望ましい。これにより、図6(a)に示すように、挿入したレシピ31のページがめくれないように強固に固定することが可能となる。また、レシピ31を挿入する際の摩擦力を低減させる観点から、鉄製で円弧状のすべり部材51aを設けるようにしてもよい。
【0034】
また、レシピ31が分厚くて保持部35に挿入できないとき等には、例えば図7に示すようにクリップ16によりレシピ31を固定するようにしてもよい。
【0035】
次に、本発明を適用したレシピスタンド1について、上から吊り下げ固定する場合について説明をする。
【0036】
図8、9に示すように、ベースプレート11に対して略平行となるようにヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させる。その結果、ベースプレート11と支持プレート12との間で略同一平面が形成されることになる。かかる状態においては、クリップ16は下側に向けて開閉自在となる。
【0037】
次に、支持プレート12に穿設された貫通穴18を、フック37に係合させることによりこれを吊り下げる。そして、このクリップ16にレシピ31を吊り下げ狭持する。このとき、レシピ31の大きさに応じてクリップ16の位置をA方向に移動させて調整することにより、バランスをとることが可能となる。特にこのレシピスタンド1を上から吊り下げ固定する場合には、これを台上に載置する場合と比較して調理スペースが割かれることも無くなり、よりスペースを有効的に活用することが可能となる。
【0038】
また、このレシピスタンド1を上から吊り下げ固定する場合には、クリップ16によりレシピ31を吊り下げ狭持する以外に、図示しないマグネットを介して紙媒体からなるレシピをベースプレート11及び/又は支持プレート12に貼着させることが可能となる。また、レシピスタンド1においてレシピを吊り下げ固定しない場合には、この空いているベースプレート11及び/又は支持プレート12に対してペン等でメモを筆記することが可能となり、また随時これを消去することも可能となる。
【0039】
このように、本発明を適用したレシピスタンド1では、台上に載置してレシピ31を保持するか、或いはレシピ31を上から吊り下げ固定するかをユーザ自身が任意に選択することが可能となる。しかも、ヒンジ機構13を介してベースプレート11に対して支持プレート12を折り曲げるのみの極めて簡単な操作でそれを実現することができる。その結果、広い調理スペースをとることができるシステムキッチンにおいては、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させることにより、これを台上に載置することが可能となる。また、狭い調理スペースしか取れないシステムキッチンや、調理スペースに多くの容器や調理器具を載置したい場合等には、ベースプレート11に対して略平行となるようにヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させ、貫通穴18を介して係合させることにより吊り下げ狭持することが可能となる。また、いずれの場合においてもレシピ31の料理中における視認性を向上させることができ、しかもレシピ31をずらすことなく安定した状態で保持することが可能となる。
【0040】
なお、本発明を適用したレシピスタンド1では、例えば、図10に示すように、支持プレート12は、ベースプレート11の前面側に向けてヒンジ機構13を介して回転されることにより、ベースプレート11の前面と接触させて折り畳むことが可能となる。このため、本発明は、保管性、収納性にも優れた構成といえる。
【0041】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。図11は、本発明を適用した他の形態としてのレシピスタンド2の構成例を示している。このレシピスタンド2において、上述したレシピスタンド1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
【0042】
このレシピスタンド2では、レシピスタンド1における連結棒14が省略され、その代替として支持プレート12の下端から下側に向けて突出された突出部41と、この突出部41、ヒンジ機構13を介してベースプレート11へ連結するための連結部材42とを備えている。またこの構成では、レール15は、中心がこのヒンジ機構13により固定されてなり、枠体19に相当する構成は省略されている。
【0043】
また、ベースプレート11と支持プレート12が略平行状態にあるとき、連結部材42は、図11(b)の側面図に示すように、下方から上方に至る過程において、背面側から前面側に向けて配向した状態となる。即ち、この連結部材42は、ヒンジ機構13からベースプレート11に至るまで傾斜状に配設されている。その結果、ベースプレート11の上端から前面側へ向けて間隔をおいてクリップ16を配置させることが可能となり、更にベースプレート11と、クリップ16との間に保持部35を形成させることが可能となり、これにレシピを保持させることが可能となる。
【0044】
図12に示すように、ベースプレート11の背面側に向けてヒンジ機構13を介して支持プレート12を回転させた場合には、突出部41に対して、ベースプレート11の上端11aを当接させることが可能となり、これがストッパーとして機能することになる。これは、上述したように連結部材42をヒンジ機構13からベースプレート11に至るまで傾斜状に配設したことによるものである。
【0045】
上述したレシピスタンド2においても同様にレシピスダンと1と同一の効果を奏することは勿論である。
【0046】
なお、本発明を適用したレシピスタンド2は、あくまでレシピの代替として、本やカタログ等のいかなる書籍をも保持、狭持可能であることは勿論である。即ち。このレシピスタンド2を、構成要素を同一としながらも書籍スタンドとして適用することが可能となる。
【0047】
また、上述した構成において、貫通穴18の構成は省略するようにしてもよい。その代替として、ベースプレート11、支持プレート12を展開させたままの状態で固定するためのいかなる固定手段を適用するようにしてもよい。この固定手段の他の例としては、ベースプレート11及び/又は支持プレート12の背面に取り付けられた磁石で構成するようにしてもよい。これにより、冷蔵庫等にこの磁石を介して取り付けることにより、これを強固に固定することが可能となる。
【0048】
特にこの磁石をベースプレート11に取り付ける構成とすることにより、例えば図10に示すように折りたたんだ状態においても、冷蔵庫等に取り付ける、クリップ16を介してレシピを吊下げ固定することが可能となる。これにより、コンパクトな状態で、固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を適用したレシピスタンドの斜視図である。
【図2】(a)は本発明を適用したレシピスタンドの正面図を、(b)は本発明を適用したレシピスタンドの側面図を、(c)は本発明を適用したレシピスタンドの平面図である。
【図3】レールとクリップの嵌合部分の断面図である。
【図4】台上に載置したレシピスタンドにレシピを保持した状態を示す斜視図である。
【図5】(a)は、台上に載置したレシピスタンドにレシピを保持した状態を示す側面図であり、(b)は、台上に載置したレシピスタンドを背面から視認した状態を示す図である。
【図6】クリップとして、ベースプレート側へ突出させた案内部を形成させた例を示す図である。
【図7】レシピの他の保持例について説明するための図である。
【図8】本発明を適用したレシピスタンドについて、上から吊り下げ固定する場合を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用したレシピスタンドについて、上から吊り下げ固定する場合を示す側面図である。
【図10】本発明を適用したレシピスタンドを折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図11】本発明を適用したレシピスタンドの他の形態について説明するための図である。
【図12】本発明を適用したレシピスタンドの他の形態について台上に載置する例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 レシピスタンド
11 ベースプレート
12 支持プレート
13 ヒンジ機構
14 連結棒
15 レール
16 クリップ
18 貫通穴
19 枠体
21、22 筆記面
26 押圧部
31 レシピ
32 台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、
上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間でレシピを保持可能とされ、
上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップによりレシピを吊り下げ狭持可能とされていること
を特徴とするレシピスタンド。
【請求項2】
上記固定手段は、上記支持プレートの上部に穿設された貫通穴であるか、又はベースプレート及び/又は支持プレートの背面に取り付けられた磁石であること
を特徴とする請求項1記載のレシピスタンド。
【請求項3】
上記クリップに対して上記外力を押圧するための押圧部は、上記ベースプレートの上端よりも上側に突出されてなり、その押圧部の上端には弾性材が設けられ、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートの上端と上記押圧部の上端とを介して台上に載置可能とされていること
を特徴とする請求項1又は2記載のレシピスタンド。
【請求項4】
上記支持プレートは、上記ベースプレートの前面側に向けて上記ヒンジ機構を介して回転されることにより、当該ベースプレートの前面と接触させて折り畳み可能とされていること
を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項5】
上記ベースプレート及び/又は上記支持プレートにおける前面は、筆記消去可能な筆記面を設けてなるとともに磁性材料からなるホワイトボードで構成されていること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項6】
上記クリップは、横方向に移動自在に配設されていること
を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項7】
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、更に上記クリップによりレシピを保持可能とされていること
を特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項8】
上記クリップは、ベースプレート側へ突出させた案内部さらに形成されていること
を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項9】
上記案内部は、上記クリップが閉じられた状態において上記ベースプレートとほぼ平行となるような角度で形成されていること
を特徴とする請求項8記載のレシピスタンド。
【請求項10】
上記案内部は、鉄製で円弧状のすべり部材が更に設けられていること
を特徴とする請求項9又は10記載のレシピスタンド。
【請求項11】
ベースプレートと、
上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、
上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間で書籍を保持可能とされ、
上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップにより書籍を吊り下げ狭持可能とされていること
を特徴とする書籍スタンド。
【請求項1】
ベースプレートと、
上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、
上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間でレシピを保持可能とされ、
上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップによりレシピを吊り下げ狭持可能とされていること
を特徴とするレシピスタンド。
【請求項2】
上記固定手段は、上記支持プレートの上部に穿設された貫通穴であるか、又はベースプレート及び/又は支持プレートの背面に取り付けられた磁石であること
を特徴とする請求項1記載のレシピスタンド。
【請求項3】
上記クリップに対して上記外力を押圧するための押圧部は、上記ベースプレートの上端よりも上側に突出されてなり、その押圧部の上端には弾性材が設けられ、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートの上端と上記押圧部の上端とを介して台上に載置可能とされていること
を特徴とする請求項1又は2記載のレシピスタンド。
【請求項4】
上記支持プレートは、上記ベースプレートの前面側に向けて上記ヒンジ機構を介して回転されることにより、当該ベースプレートの前面と接触させて折り畳み可能とされていること
を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項5】
上記ベースプレート及び/又は上記支持プレートにおける前面は、筆記消去可能な筆記面を設けてなるとともに磁性材料からなるホワイトボードで構成されていること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項6】
上記クリップは、横方向に移動自在に配設されていること
を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項7】
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、更に上記クリップによりレシピを保持可能とされていること
を特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項8】
上記クリップは、ベースプレート側へ突出させた案内部さらに形成されていること
を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項記載のレシピスタンド。
【請求項9】
上記案内部は、上記クリップが閉じられた状態において上記ベースプレートとほぼ平行となるような角度で形成されていること
を特徴とする請求項8記載のレシピスタンド。
【請求項10】
上記案内部は、鉄製で円弧状のすべり部材が更に設けられていること
を特徴とする請求項9又は10記載のレシピスタンド。
【請求項11】
ベースプレートと、
上記ベースプレートの上端に対してヒンジ機構を介して下端が連結された支持プレートと、
上記ベースプレートの上端から前面側へ向けて間隔をおいて配設され、外力により下側に向けて開閉自在とされた少なくとも1以上のクリップとを備え、
上記ベースプレートの背面側に向けて上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、少なくとも上記支持プレートを台上に載置して上記ベースプレートを台表面に対して斜めに立てた状態で維持可能とするとともに、上記ベースプレートと上記クリップとの間で書籍を保持可能とされ、
上記ベースプレートに対して略平行となるように上記ヒンジ機構を介して上記支持プレートを回転させた場合には、これを展開させたままの状態で固定するための固定手段を介して固定可能とされるとともに、上記クリップにより書籍を吊り下げ狭持可能とされていること
を特徴とする書籍スタンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−51491(P2010−51491A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218739(P2008−218739)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(505056214)有限会社ドレミファキッチン (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(505056214)有限会社ドレミファキッチン (1)
【Fターム(参考)】
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