レゼクトスコープ
【課題】生体組織の各種処置を行う際の操作性を高めることができるレゼクトスコープを提供する。
【解決手段】レゼクトスコープのワーキングエレメント3に、スコープ4の軸線を中心に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させる操作ノブ47を設け、この操作ノブ47の操作によってスコープ4の軸線を中心に電極ユニット5のループ部27をスコープ4の軸線を中心に軸回り方向に回動させるものである。
【解決手段】レゼクトスコープのワーキングエレメント3に、スコープ4の軸線を中心に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させる操作ノブ47を設け、この操作ノブ47の操作によってスコープ4の軸線を中心に電極ユニット5のループ部27をスコープ4の軸線を中心に軸回り方向に回動させるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡下で前立腺や尿道などの生体組織の切開、切除、蒸散等を行ったり、体腔内の病変部の切開、切除や、出血部の凝固、止血等の各種処置を行うためのレゼクトスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、レゼクトスコープには、細長い外套管内に生体組織を処置する処置用電極と硬性鏡などの内視鏡とが挿通されている。外套管の基端部には、処置用電極を外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されている。図3に示すように硬性鏡などの内視鏡の接眼部にはCCDが組み込まれたカメラヘッドなどが接続されている。
【0003】
処置用電極は、例えばワイヤの先端の電極部にワイヤをループ状に形成したループ電極が設けられている。このループ電極に高周波電流を流すことによりループ電極に接触する生体組織や近接する生体組織を切開、切除あるいは凝固させることができるようになっている。
【0004】
そして、レゼクトスコープの使用時には、まず、スコープを尿路の前立腺等、患部に挿入する工程が行われる。次に、操作部のハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させる。このとき、トリガーを引いてループ電極を往復させながら高周波電流をループ電極に通電し、高周波にて肥大組織などの患部を焼灼し、肥大組織を止血しながら剥離していく。
【0005】
上記焼灼は、スコープを外套管の軸回り方向に回転しながら実行される。このとき、従来のレゼクトスコープでは、外套管内に、処置用電極と、硬性鏡とが一体的に固定される状態で組み込まれている。そのため、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際、外套管と、処置用電極と、硬性鏡とが一緒に回転する。このとき、スコープを360度近く回転させる場合に、カメラヘッドまで回転してしまうと観察画像からの天地の認識が失われてしまう為、硬性鏡と、カメラヘッドとの接続部には、硬性鏡に対し、カメラヘッドが接続された状態でも回転がフリーになる機構が組み込まれている。そのため、外套管、ループ電極と一緒に、合体された硬性鏡も回転した場合でも、カメラヘッドは回転しない状態で保持することにより、観察画像からの天地の認識が失われてしまうことを回避している。
【0006】
また、特許文献1には、レゼクトスコープの電極部にループ電極とローラー電極とを配設し、レゼクトスコープの電極部を軸回り方向に回転操作して電極部を任意の角度回動させることにより、ループ電極が生体組織に対面する状態と、ローラー電極が生体組織に対面する状態とを切り換える構成が示されている。
【特許文献1】特開平10−295701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、レゼクトスコープのループ電極で前立腺の肥大組織などの患部を焼灼する作業時には、操作部のハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させながら高周波電流をループ電極に通電して高周波焼灼する。このループ電極による高周波焼灼を行う際には、ループ電極を硬性鏡の軸回り方向に対し、約360度回転させながら実施する。このとき、上記従来構成のレゼクトスコープでは、外套管内に、処置用電極と、硬性鏡とが一体的に固定される状態で組み込まれているので、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際に、外套管と、ループ電極と、硬性鏡とが一緒に回転する。そのため、レゼクトスコープの操作時には、ループ電極を硬性鏡の軸回り方向に対し、約360度近く回転させる動作と、ハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させる操作とを同時に行う必要があるので、その操作が人間工学的に大変難しい。
【0008】
また、特許文献1の装置では、レゼクトスコープの電極部を軸回り方向に回転操作してループ電極とローラー電極とを切り換える構成にしているが、ループ電極およびローラー電極のいずれか一方がセットされた状態では、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際、外套管と、レゼクトスコープの電極部と、硬性鏡とが一緒に回転することは同様である。そのため、特許文献1の装置でも上記従来構成のレゼクトスコープと同様の課題がある。
【0009】
なお、外套管内に組み込まれる硬性鏡として、挿入部の先端部にCCDなどの撮像素子を組み込んだ電子内視鏡を使用した場合には外套管と一緒に電子内視鏡も外套管の軸回り方向に回転してしまうので、内視鏡画像も外套管と一緒に外套管の軸回り方向に回転してしまう。そのため、外套管とループ電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像も一緒に回転してしまい、また、内視鏡画像の中でループ電極の位置も常に固定された状態で一緒に回転してしまう。これは手技の上で違和感があり、レゼクトスコープの操作が行い難い。
【0010】
また、例えば、外套管の中に天地方向を検知する重力センサーを組み込み、外套管の回転にともない、内視鏡画像を回転補正する画像処理回路が組み込まれたシステムが発案されている。この場合には、画像処理による解像度等の画質劣化や、実画像に対する内視鏡画像の出画にタイムラグが伴うなどの課題がある。
【0011】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、生体組織の各種処置を行う際の操作性を高めることができるレゼクトスコープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、前記固定部材に設けられ、前記外套管と前記処置用電極とを前記内視鏡の軸線を中心に一体的に軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、操作部の操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を軸回り方向に回動させることにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、処置用電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0013】
請求項2の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、軸心部に前記内視鏡の挿通孔が形成されるとともに、前記内視鏡挿通孔の周囲に周方向に沿ってほぼ円弧形状に形成されたガイド溝を有し、前記ガイド溝に前記処置用電極が挿通される固定部材と、前記固定部材に対して前記内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転可能に支持されるとともに、軸心部に配置された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とが形成された回転部材と、前記回転部材に設けられ、前記処置用電極を前記回転部材と一体的に前記内視鏡の軸線を中心に前記外套管に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、操作部の回転部材の操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を回転部材と一体的に軸回り方向に回動させる。このとき、外套管は回転せず、処置用電極のみが固定部材の円弧形状のガイド溝に沿って外套管の周方向に沿って回動される。これにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させることができ、処置用電極を内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0014】
請求項3の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、前記外套管の軸心部から外れた偏心位置に形成された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、前記処置用電極に固定され、前記処置用電極を前記固定部材の前記電極挿通孔に沿って前記処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の操作ノブの操作によって処置用電極を軸回り方向に回動させる。このとき、外套管は回転せず、処置用電極のみが固定部材の電極挿通孔に沿って処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動される。これにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させることができ、処置用電極を軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0015】
請求項4の発明は、前記内視鏡は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた内視鏡が使用され、前記外套管は、前記内視鏡の視野方向を前記処置用電極に向けて変更する光学要素が前記内視鏡の前方に配置され、前記処置用電極ととともに前記光学要素が回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、内視鏡の前方に配置された光学要素によって内視鏡の視野方向を処置用電極に向けて変更する。これにより、連結部の操作ノブの操作によって処置用電極を内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回動させる際に、内視鏡の視野から処置用電極が外れることがなく、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保できるようにしたものである。
【0016】
請求項5の発明は、前記光学要素は、プリズム、或いはミラーのうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のレゼクトスコープである。
そして、内視鏡の前方に配置されたプリズム、或いはミラーのうちいずれかの光学要素によって内視鏡の視野方向を処置用電極に向けて変更する。これにより、操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を軸回り方向に回動させる際に、内視鏡の視野から処置用電極が外れることがなく、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保できるようにしたものである。
【0017】
請求項6の発明は、前記外套管は、管内に照明手段が配設され、前記照明手段は、前記処置用電極の回転に応じて前記照明手段の照明光の出射角度が変更される出射角度変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の回転に応じて出射角度変更手段によって外套管内の照明手段の照明光の出射角度が変更される。これにより、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースできるようにしたものである。
【0018】
請求項7の発明は、前記照明手段は、光ファイバによって形成されたライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の回転に応じて出射角度変更手段によって外套管内のライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかの照明手段の照明光の出射角度が変更される。これにより、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースできるようにしたものである。
【0019】
請求項8の発明は、前記処置用電極は、前記外套管の軸方向に沿って延設された直線状の軸部と、前記軸部の先端部に連結されたループ電極とを有し、前記ループ電極は、ほぼ平行に配置され、基端部が前記軸部の先端部に連結された一対の支軸と、前記支軸の先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、操作部の回動手段によって内視鏡を中心にループ電極を軸回り方向に回動させることにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中でループ電極の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、ループ電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中でループ電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、生体組織の各種処置を行う際の操作性を高めることができるレゼクトスコープを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1の実施形態>
図1乃至図6を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態のレゼクトスコープ1のシステム全体の概略構成を示すものである。このレゼクトスコープ1は、シース(外套管)2と、ワーキングエレメント(操作部)3と、スコープ(内視鏡)4とを有する。ワーキングエレメント3には、シース2内に挿入される電極ユニット(処置用電極)5の手元側部分が連結されている。これらの部分は互いに分離することができる。
【0022】
シース2は直管状の筒体6を有する。筒体6の先端にはピーク7が設けられている。ピーク7の先端には、シース2の中心線方向に対して斜めに傾斜する角度でカットされた先端縁8が形成されている。シース2の基端には中空の基端部材9が取り付けられている。基端部材9には送水口金10が設けられている。この送水口金10には、送水タンク11から灌流水を供給する灌流水供給用の送水チューブ12が接続されている。
【0023】
ワーキングエレメント3には、スコープ4が挿通される案内管13と、電極ユニット5をスコープ4の軸方向に移動操作する電極操作用の電極スライド操作部14とが設けられている。電極スライド操作部14には、案内管13の中途部外周に配設された固定部材15と、案内管13の後端に案内管13の中心線方向に沿って移動可能に装着されたスライダ16とが設けられている。
【0024】
固定部材15には、電極ユニット5の基端部を固定する電極固定部15aと、前側の指掛け部17が設けられている。スライダ16には、指掛けリング18が設けられている。さらに、固定部材15とスライダ16との間にはほぼV字状のばね部材19が設けられている。固定部材15とスライダ16との間は、このばね部材19の付勢力によって図1中に矢印Fで示すように互いに離間させる方向に付勢されている。そして、スライダ16を案内管13の中心線方向に沿って移動させることにより、電極ユニット5をスコープ4の軸方向に移動操作するようになっている。
【0025】
さらに、固定部材15には、高周波電源用の接続口金20が設けられている。この接続口金20には、高周波電源21に接続されたコード22の端子23が着脱可能に接続されている。接続口金20の内端部は、固定部材15の電極固定部15aと電気的に接続されている。
【0026】
本実施の形態の電極ユニット5は、図6に示すようにシース2の軸方向に沿って延設された直線状の軸部24と、軸部24の先端部に連結されたループ電極25とを有する。ループ電極25は、ほぼ平行に配置され、基端部が軸部24の先端部に連結された一対のアーム26a,26bと、アーム26a,26bの先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部27とを有する。ループ部27は、アーム26a,26bの先端部から図6中で下向きに屈曲された状態で形成されている。電極ユニット5の軸部24の基端部は、固定部材15の電極固定部15aに接続されている。
【0027】
また、スライダ16には、スコープ4が着脱可能に取付けられている。スコープ4には、直管状の挿入部28と手元部29とが設けられている。手元部29には、アイピース30とライトガイド接続部31とが設けられている。ライトガイド接続部31には、一端が光源装置32に接続されたライトガイドコード33の他端のコネクタ部34が着脱可能に接続されている。
【0028】
図2は、スコープ4の内部構成を示す。本実施の形態のスコープ4は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた直視型の硬性鏡が使用されている。スコープ4の内部には、観察光学系を構成する複数のレンズ35と、光ファイバによって形成されるライトガイド36とが配設されている。ライトガイド36の先端部は挿入部28の先端面に固定されている。ライトガイド36の基端部は、ライトガイド接続部31の内端部に連結されている。
【0029】
スコープ4の挿入部28はワーキングエレメント3の案内管13内に挿入して保持される。この装着状態のとき、スコープ4の先端はレゼクトスコープ1の作業領域に臨み、その作業領域を照明して観察することができるようになっている。
【0030】
さらに、図3に示すようにスコープ4のアイピース30には、例えばCCDなどの撮像素子37が内蔵されたカメラヘッド38が着脱可能に連結されている。カメラヘッド38は、電気ケーブル39を介してカメラコントロールユニット(CCU)40に接続されている。カメラコントロールユニット40には、電気ケーブル41を介してモニタ42が接続されている。そして、スコープ4の観察画像は、カメラヘッド38内の撮像素子37で撮像されて電気信号に変化される。撮像素子37からの出力信号は、カメラコントロールユニット40に入力され、カメラコントロールユニット40に内蔵された映像信号処理回路43で信号処理される。その後、カメラコントロールユニット40からの出力信号は、モニタ42に入力され、モニタ42の画面にスコープ4の観察画像が表示されるようになっている。
【0031】
また、図4に示すように本実施の形態のレゼクトスコープ1には、ワーキングエレメント3に、スコープ4を中心に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させる回動手段44が設けられている。この回動手段44は、案内管13の先端部外周にシース2の軸回り方向に回動可能に連結された環状の第1の連結部材(連結部)45と、案内管13の中途部外周に固着された環状の第2の連結部材46とを有する。第1の連結部材45は、シース2の基端部材9の基端開口部に液密的に嵌合した状態で固着されている。
【0032】
第1の連結部材45には、案内管13を挿通する案内管挿通孔45aと、電極ユニット5を挿通する電極ユニット挿通孔45bとが形成されている。そして、第1の連結部材45の電極ユニット挿通孔45bには電極ユニット5の軸部24がシース2の軸方向に移動可能に挿通されている。これにより、シース2の基端部と電極ユニット5とが連結されている。さらに、第1の連結部材45の外端部の外周部位には、回動手段44を回動操作する操作ノブ47が設けられている。
【0033】
そして、操作ノブ47の回動操作により、第1の連結部材45が案内管13に対して軸回り方向に回動するようになっている。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させるようになっている。
【0034】
また、ワーキングエレメント3の固定部材15の前面には、案内管13の周囲に第2の連結部材46を収容する円形穴48が形成されている。この円形穴48には、第2の連結部材46が収容され、回動可能に支持されている。そして、第2の連結部材46は、固定部材15に対して案内管13を中心に軸回り方向に回動可能に連結されている。
【0035】
第2の連結部材46には、軸心部に案内管13を挿通する案内管挿通孔46aが形成されている。この案内管挿通孔46aには案内管13が挿通された状態で固着されている。さらに、第2の連結部材46には、案内管挿通孔46aの周囲に電極固定部15aが配設されている。
【0036】
そして、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5および案内管13と一緒に第2の連結部材46も固定部材15に対して案内管13を中心に軸回り方向に回動するようになっている。
【0037】
また、図5に示すようにシース2の先端にはピーク7の内周面にプリズム(光学要素)49が設けられている。このプリズム49は、スコープ4の前方に離間対向配置されている。そして、このプリズム49によってスコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更するようになっている。そして、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5と一緒にプリズム49もシース2とともに回転するようになっている。
【0038】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時には、図1に示すようにシース2と、ワーキングエレメント3と、スコープ4とが組み付けられる。
【0039】
この状態で、シース2を尿道などの体腔内の処置対象部位に挿入する。そして、スコープ4により体腔内の処置対象部位の観察を行いながら、ワーキングエレメント3の電極スライド操作部14を操作する。このとき、術者の片方の手の親指をスライダ16の指掛けリング18に掛け、残る指を固定部材15の指掛け部17に掛けた状態でスライダ16の操作を行うことにより、電極ユニット5の先端のループ電極25をシース2の先端より突没させる。
【0040】
スライダ16を前進させた場合には、電極ユニット5全体がシース2に対して前進し、電極ユニット5の先端、即ち、ループ電極25をシース2の先端から繰り出すことができる。また、スライダ16を後退させた場合には電極ユニット5全体がシース2に対して後退される。そして、シース2の先端からループ電極25の先端を繰り出し、ループ電極25が生体組織に対面、接触する状態でループ電極25の前進及び後退を行う。この電極ユニット5の先端のループ電極25の突没操作時には、高周波電流をループ電極25に通電して体腔内の処置対象部位を高周波焼灼する。
【0041】
また、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段44を回転駆動する。このとき、第1の連結部材45の操作ノブ47の回動操作により、第1の連結部材45が案内管13に対して軸回り方向に回動する。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とが一体的に軸回り方向に回動される。
【0042】
また、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5と一緒にプリズム49もシース2とともに回転する。これにより、スコープ4の視野を焼灼しているループ電極25付近の画像のような注目部位に向けた状態でトレースして確保することができる。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1では、回動手段44の第1の連結部材45によってシース2の基端部と電極ユニット5とを連結し、第1の連結部材45の操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させるようにしている。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、電極ユニット5をシース2の軸回り方向に回転させた場合でも、従来のように内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止することができる。その結果、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができ、生体組織の各種処置を行う際のレゼクトスコープ1の操作性を高めることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態のレゼクトスコープ1ではスコープ4の前方に配置されたプリズム49によって直視型のスコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更している。これにより、操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、直視型のスコープ4の視野から電極ユニット5のループ電極25が外れることがなく、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近の画像の視野を、ループ電極25の回転にトレースして確保することができる。
【0045】
なお、スコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更する光学要素として本実施の形態ではシース2のピーク7の内周面にプリズム49を固定した構成を示したが、プリズム49に代えてミラーを設けてもよい。
【0046】
また、図7は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1の変形例を示す。本変形例では、レゼクトスコープ1のシース2内に照明手段としての光ファイバなどのライトガイド51が配設されている。このライトガイド51の先端面は、ピーク7の内周面に固定されたプリズム49の内面に対向配置されている。
【0047】
そして、本変形例では、スコープ4による体腔内の処置対象部位の観察時には、ライトガイド51からの照明光の出射角度がプリズム49によって焼灼しているループ電極25の付近に照射される状態に変更される。
【0048】
さらに、本変形例のレゼクトスコープ1では操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、電極ユニット5の回動動作と一緒にプリズム49もシース2とともに回転する。これにより、操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、ライトガイド51からの照明光の照射方向が電極ユニット5のループ電極25から外れることがなく、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近を確実に照明することができる。そのため、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近の画像の視野を、電極ユニット5のループ電極25の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースすることができる。
【0049】
なお、本変形例では、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されている照明手段として光ファイバなどのライトガイド51を設けた構成を示したが、ライトガイド51に代えて発光ダイオード(LED)等の照明手段を設けてもよい。
【0050】
また、図8(A)は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1のスコープ4の第1の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として第1の斜視型の光学視管52を使用したものである。この第1の斜視型の光学視管52は、視野方向が光学視管52の中心線方向に対して任意の角度、本変形例では、12°に屈曲させた12°の斜視型の硬性鏡が使用されている。本変形例では、光学視管52の先端面52a全体が光学視管52の中心線方向に対して12°の傾斜角度に屈曲されている。そのため、複数のレンズ35による観察光学系の視野方向と、ライトガイド36の照明光出射端部の向きとがそれぞれ光学視管52の中心線方向に対して12°の傾斜角度に屈曲されている。
【0051】
また、図8(B)は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1のスコープ4の第2の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として第2の斜視型の光学視管53を使用したものである。この第2の斜視型の光学視管53は、視野方向が光学視管53の中心線方向に対して30°に屈曲させた30°の斜視型の硬性鏡が使用されている。本変形例では、光学視管53の先端面53a全体が光学視管53の中心線方向に対して30°の傾斜角度に屈曲されている。そのため、複数のレンズ35による観察光学系の視野方向と、ライトガイド36の照明光出射端部の向きとがそれぞれ光学視管53の中心線方向に対して30°の傾斜角度に屈曲されている。
【0052】
また、図9は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1に組み込まれるスコープ4の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として電子内視鏡54を使用したものである。本変形例の電子内視鏡54は、体腔内に挿入される細長い挿入部55と、この挿入部55の基端部に連結された手元側端部56とを有する。
【0053】
挿入部55の先端部には観察光学系の複数のレンズによって形成される対物レンズ57と、この対物レンズ57によって結像される内視鏡像の結像位置に配置されたCCDなどの撮像素子58とが設けられている。さらに、挿入部55の内部には、照明光学系の光ファイバなどのライトガイド59と、撮像素子58の信号線60などが配設されている。
【0054】
また、手元側端部56には、ユニバーサルコード61の一端部が連結されている。このユニバーサルコード61の他端部は、図示しない光源装置などに接続されている。ユニバーサルコード61の内部にはライトガイド59および信号線60の延出部が延設されている。本変形例では、手元側端部56にカメラヘッド38を連結する必要がない。
【0055】
<第2の実施形態>
また、図10および図11は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)のレゼクトスコープ1の回動手段44の構成を次の通り変更したものである。なお、レゼクトスコープ1の回動手段44以外の部分は第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一構成になっており、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0056】
すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1の回動手段71は、図10に示すようにシース2の基端部の基端部材9に固定された固定円板(固定部材)72と、この固定円板72に対してスコープ4を中心に軸回り方向に回転可能に支持された回転円板(回転部材)73とを有する。
【0057】
固定円板72は、軸心部にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔72aが形成されている。この挿通孔72aには、案内管13の先端部が固着されている。さらに、図11に示すように固定円板72は、挿通孔72aの周囲に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させるほぼ円弧形状のガイド溝72bが形成されている。このガイド溝72bには電極ユニット5の軸部24が挿入されている。
【0058】
また、回転円板73は、軸心部にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔73aが形成されている。回転円板73の挿通孔73aには、案内管13が挿入されている。そして、回転円板73は、案内管13に沿って軸回り方向に回動可能に支持されている。さらに、回転円板73には、挿通孔73aの周囲に電極ユニット5を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔73bが形成されている。また、回転円板73の外端部の外周部位には、回動手段71を回動操作する操作ノブ74が設けられている。
【0059】
そして、操作ノブ74の回動操作により、回転円板73が案内管13に対して軸回り方向に回動するようになっている。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2に対して電極ユニット5を軸回り方向に回動させるようになっている。
【0060】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時に、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段71を回転駆動する。このとき、回転円板73の操作ノブ74の回動操作により、回転円板73が案内管13に対して軸回り方向に回動する。これにより、回転円板73と一緒に電極ユニット5の軸部24が案内管13に挿通されたスコープ4を中心に軸回り方向に回動される。このとき、電極ユニット5の軸部24は、固定円板72のガイド溝72bに沿って移動する。
【0061】
そこで、上記構成の本実施の形態のレゼクトスコープ1では、ワーキングエレメント3の回動手段71の操作ノブ74の操作によって案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2に対して電極ユニット5を軸回り方向に回動させるようにしている。このとき、シース2は回転せず、電極ユニット5のみが固定円板72の円弧形状のガイド溝72bに沿ってシース2の周方向に沿って回動される。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させることができる。そのため、操作ノブ74の操作によって電極ユニット5のループ電極25をシース2の軸回り方向に回転させた場合に、従来のように内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止して、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができる。
【0062】
さらに、シース2の手元に設けた操作ノブ74を回す事によって、電極ユニット5のループ電極25をシース2の周方向に沿って回転移動させる際に、固定部材15の指掛け部17の角度位置は不変のまま保持することができ、操作ノブ74の回転に応じてループ電極25のみを回転移動できる。
【0063】
<第3の実施形態>
また、図12および図13は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)のレゼクトスコープ1の回動手段44の構成を次の通り変更したものである。なお、レゼクトスコープ1の回動手段44以外の部分は第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一構成になっており、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0064】
すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1の回動手段81は、図12に示すようにシース2の基端部の基端部材9に固定された固定円板(固定部材)82と、電極ユニット5の軸部24に基端部が固定された操作ノブ83とを有する。
【0065】
固定円板82には、シース2の軸心部から外れた偏心位置にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔82aが形成されている。この挿通孔82aには、案内管13の先端部が固着されている。さらに、固定円板82は、挿通孔82aの周囲に電極ユニット5を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔82bが形成されている。
【0066】
また、操作ノブ83は、基端部材9と固定部材15との間の隙間に配置されている。この操作ノブ83の先端の自由端は、前側の指掛け部17と同方向に延設されている。そして、この操作ノブ83を回動操作することにより、電極ユニット5を固定円板82の電極挿通孔82bを中心にその軸回り方向に回動させることができるようになっている。
【0067】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時に、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段81を回転駆動する。このとき、操作ノブ83を回動操作することにより、電極ユニット5を固定円板82の電極挿通孔82bを中心にその軸回り方向に回動させることができる。これにより、操作ノブ83と一緒に電極ユニット5の軸部24が固定円板82の電極挿通孔82bを中心に軸回り方向に回動される。
【0068】
そこで、上記構成の本実施の形態では、電極ユニット5の操作ノブ83の操作によって電極ユニット5を軸回り方向に回動させることができる。このとき、シース2は回転せず、電極ユニット5のみが固定円板82の電極挿通孔82bに沿って回動される。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させることができる。そのため、電極ユニット5のループ電極25を軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止して、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができる。
【0069】
さらに、固定円板82には、シース2の軸心部から外れた偏心位置に挿通孔82aを配置したので、電極挿通孔82bをシース2の軸心部に近い位置に配置することができる。そのため、図13に示すように電極ユニット5のループ電極25の一対のアーム26a,26bをシース2の軸心方向に沿ってほぼストレートに形成することができる。
【0070】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 外套管と硬性鏡を有し、前記外套管の先端に配設されたループ電極を往復スライド可能なレゼクトスコープにおいて、前記外套管に前記硬性鏡を内挿し、前記外套管に配設された操作部により、前記ループ電極を前記外套管の周方向に沿って回動させることを特徴とするレゼクトスコープ。
【0071】
(付記項2) 外套管の先端に光学要素を配設し、前記ループ電極とともに前記光学要素が回転することを特徴とする付記項1に記載のレゼクトスコープ。
【0072】
(付記項3) 外套管に照明手段が配設され、前記ループ電極の回転に応じて照明出射光の出射角度を変更することを特徴とする付記項1に記載のレゼクトスコープ。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、例えば、尿路の前立腺等の患部に挿入され、処置用電極を往復させながら高周波にて焼灼し、肥大組織を止血しながら剥離していく処置を行うレゼクトスコープを使用する技術分野や、そのレゼクトスコープを製造する技術分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態のレゼクトスコープのシステム全体の概略構成図。
【図2】第1の実施の形態のレゼクトスコープに組み込まれる硬性鏡の概略構成図。
【図3】第1の実施の形態のレゼクトスコープの硬性鏡にカメラヘッドを接続した状態を示す概略構成図。
【図4】第1の実施の形態のレゼクトスコープのハンドル部分を示す縦断面図。
【図5】第1の実施の形態のレゼクトスコープの先端部分を示す縦断面図。
【図6】第1の実施の形態のレゼクトスコープのループ電極を示す要部の斜視図。
【図7】第1の実施の形態のレゼクトスコープの変形例を示す要部の縦断面図。
【図8】第1の実施の形態のレゼクトスコープの硬性鏡の変形例を示すもので、(A)は第1の斜視型の光学視管の先端部分を示す要部の縦断面図、(B)は第2の斜視型の光学視管の先端部分を示す要部の縦断面図。
【図9】第1の実施の形態のレゼクトスコープに組み込まれる硬性鏡の変形例を示す要部の概略構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態のレゼクトスコープの要部構成を示す縦断面図。
【図11】図10のXI−XI線断面図。
【図12】本発明の第3の実施の形態のレゼクトスコープの要部構成を示す縦断面図。
【図13】第3の実施の形態のレゼクトスコープの先端部分を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0075】
1…レゼクトスコープ、2…シース(外套管)、3…ワーキングエレメント(操作部)、4…スコープ(内視鏡)、5…電極ユニット(処置用電極)、45…第1の連結部材(固定部材)、45a…案内管挿通孔(内視鏡挿通孔)、45b…電極ユニット挿通孔(電極挿通孔)、47,74,83…操作ノブ、72,82…固定円板(固定部材)、73…回転円板(回転部材)、72a,73a…案内管挿通孔(内視鏡挿通孔)、72b…ガイド溝、73b…電極ユニット挿通孔(電極挿通孔)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡下で前立腺や尿道などの生体組織の切開、切除、蒸散等を行ったり、体腔内の病変部の切開、切除や、出血部の凝固、止血等の各種処置を行うためのレゼクトスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、レゼクトスコープには、細長い外套管内に生体組織を処置する処置用電極と硬性鏡などの内視鏡とが挿通されている。外套管の基端部には、処置用電極を外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されている。図3に示すように硬性鏡などの内視鏡の接眼部にはCCDが組み込まれたカメラヘッドなどが接続されている。
【0003】
処置用電極は、例えばワイヤの先端の電極部にワイヤをループ状に形成したループ電極が設けられている。このループ電極に高周波電流を流すことによりループ電極に接触する生体組織や近接する生体組織を切開、切除あるいは凝固させることができるようになっている。
【0004】
そして、レゼクトスコープの使用時には、まず、スコープを尿路の前立腺等、患部に挿入する工程が行われる。次に、操作部のハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させる。このとき、トリガーを引いてループ電極を往復させながら高周波電流をループ電極に通電し、高周波にて肥大組織などの患部を焼灼し、肥大組織を止血しながら剥離していく。
【0005】
上記焼灼は、スコープを外套管の軸回り方向に回転しながら実行される。このとき、従来のレゼクトスコープでは、外套管内に、処置用電極と、硬性鏡とが一体的に固定される状態で組み込まれている。そのため、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際、外套管と、処置用電極と、硬性鏡とが一緒に回転する。このとき、スコープを360度近く回転させる場合に、カメラヘッドまで回転してしまうと観察画像からの天地の認識が失われてしまう為、硬性鏡と、カメラヘッドとの接続部には、硬性鏡に対し、カメラヘッドが接続された状態でも回転がフリーになる機構が組み込まれている。そのため、外套管、ループ電極と一緒に、合体された硬性鏡も回転した場合でも、カメラヘッドは回転しない状態で保持することにより、観察画像からの天地の認識が失われてしまうことを回避している。
【0006】
また、特許文献1には、レゼクトスコープの電極部にループ電極とローラー電極とを配設し、レゼクトスコープの電極部を軸回り方向に回転操作して電極部を任意の角度回動させることにより、ループ電極が生体組織に対面する状態と、ローラー電極が生体組織に対面する状態とを切り換える構成が示されている。
【特許文献1】特開平10−295701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、レゼクトスコープのループ電極で前立腺の肥大組織などの患部を焼灼する作業時には、操作部のハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させながら高周波電流をループ電極に通電して高周波焼灼する。このループ電極による高周波焼灼を行う際には、ループ電極を硬性鏡の軸回り方向に対し、約360度回転させながら実施する。このとき、上記従来構成のレゼクトスコープでは、外套管内に、処置用電極と、硬性鏡とが一体的に固定される状態で組み込まれているので、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際に、外套管と、ループ電極と、硬性鏡とが一緒に回転する。そのため、レゼクトスコープの操作時には、ループ電極を硬性鏡の軸回り方向に対し、約360度近く回転させる動作と、ハンドル部のトリガーを操作してループ電極を外套管の軸方向に往復移動させる操作とを同時に行う必要があるので、その操作が人間工学的に大変難しい。
【0008】
また、特許文献1の装置では、レゼクトスコープの電極部を軸回り方向に回転操作してループ電極とローラー電極とを切り換える構成にしているが、ループ電極およびローラー電極のいずれか一方がセットされた状態では、スコープを外套管の軸回り方向に回転させる際、外套管と、レゼクトスコープの電極部と、硬性鏡とが一緒に回転することは同様である。そのため、特許文献1の装置でも上記従来構成のレゼクトスコープと同様の課題がある。
【0009】
なお、外套管内に組み込まれる硬性鏡として、挿入部の先端部にCCDなどの撮像素子を組み込んだ電子内視鏡を使用した場合には外套管と一緒に電子内視鏡も外套管の軸回り方向に回転してしまうので、内視鏡画像も外套管と一緒に外套管の軸回り方向に回転してしまう。そのため、外套管とループ電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像も一緒に回転してしまい、また、内視鏡画像の中でループ電極の位置も常に固定された状態で一緒に回転してしまう。これは手技の上で違和感があり、レゼクトスコープの操作が行い難い。
【0010】
また、例えば、外套管の中に天地方向を検知する重力センサーを組み込み、外套管の回転にともない、内視鏡画像を回転補正する画像処理回路が組み込まれたシステムが発案されている。この場合には、画像処理による解像度等の画質劣化や、実画像に対する内視鏡画像の出画にタイムラグが伴うなどの課題がある。
【0011】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、生体組織の各種処置を行う際の操作性を高めることができるレゼクトスコープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、前記固定部材に設けられ、前記外套管と前記処置用電極とを前記内視鏡の軸線を中心に一体的に軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、操作部の操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を軸回り方向に回動させることにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、処置用電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0013】
請求項2の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、軸心部に前記内視鏡の挿通孔が形成されるとともに、前記内視鏡挿通孔の周囲に周方向に沿ってほぼ円弧形状に形成されたガイド溝を有し、前記ガイド溝に前記処置用電極が挿通される固定部材と、前記固定部材に対して前記内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転可能に支持されるとともに、軸心部に配置された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とが形成された回転部材と、前記回転部材に設けられ、前記処置用電極を前記回転部材と一体的に前記内視鏡の軸線を中心に前記外套管に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、操作部の回転部材の操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を回転部材と一体的に軸回り方向に回動させる。このとき、外套管は回転せず、処置用電極のみが固定部材の円弧形状のガイド溝に沿って外套管の周方向に沿って回動される。これにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させることができ、処置用電極を内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0014】
請求項3の発明は、外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、前記外套管の基端部に固定され、前記外套管の軸心部から外れた偏心位置に形成された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、前記処置用電極に固定され、前記処置用電極を前記固定部材の前記電極挿通孔に沿って前記処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、を設けたことを特徴とするレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の操作ノブの操作によって処置用電極を軸回り方向に回動させる。このとき、外套管は回転せず、処置用電極のみが固定部材の電極挿通孔に沿って処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動される。これにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で処置用電極の位置を実際の操作に合わせて回動させることができ、処置用電極を軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で処置用電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【0015】
請求項4の発明は、前記内視鏡は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた内視鏡が使用され、前記外套管は、前記内視鏡の視野方向を前記処置用電極に向けて変更する光学要素が前記内視鏡の前方に配置され、前記処置用電極ととともに前記光学要素が回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、内視鏡の前方に配置された光学要素によって内視鏡の視野方向を処置用電極に向けて変更する。これにより、連結部の操作ノブの操作によって処置用電極を内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回動させる際に、内視鏡の視野から処置用電極が外れることがなく、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保できるようにしたものである。
【0016】
請求項5の発明は、前記光学要素は、プリズム、或いはミラーのうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のレゼクトスコープである。
そして、内視鏡の前方に配置されたプリズム、或いはミラーのうちいずれかの光学要素によって内視鏡の視野方向を処置用電極に向けて変更する。これにより、操作ノブの操作によって内視鏡の軸線を中心に処置用電極を軸回り方向に回動させる際に、内視鏡の視野から処置用電極が外れることがなく、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保できるようにしたものである。
【0017】
請求項6の発明は、前記外套管は、管内に照明手段が配設され、前記照明手段は、前記処置用電極の回転に応じて前記照明手段の照明光の出射角度が変更される出射角度変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の回転に応じて出射角度変更手段によって外套管内の照明手段の照明光の出射角度が変更される。これにより、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースできるようにしたものである。
【0018】
請求項7の発明は、前記照明手段は、光ファイバによって形成されたライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のレゼクトスコープである。
そして、処置用電極の回転に応じて出射角度変更手段によって外套管内のライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかの照明手段の照明光の出射角度が変更される。これにより、焼灼している処置用電極付近の画像の視野を、処置用電極の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースできるようにしたものである。
【0019】
請求項8の発明は、前記処置用電極は、前記外套管の軸方向に沿って延設された直線状の軸部と、前記軸部の先端部に連結されたループ電極とを有し、前記ループ電極は、ほぼ平行に配置され、基端部が前記軸部の先端部に連結された一対の支軸と、前記支軸の先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープである。
そして、操作部の回動手段によって内視鏡を中心にループ電極を軸回り方向に回動させることにより、内視鏡の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中でループ電極の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、ループ電極を外套管の軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中でループ電極の位置が実際の位置を表示し、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープの操作が行いやすくするようにしたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、生体組織の各種処置を行う際の操作性を高めることができるレゼクトスコープを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1の実施形態>
図1乃至図6を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態のレゼクトスコープ1のシステム全体の概略構成を示すものである。このレゼクトスコープ1は、シース(外套管)2と、ワーキングエレメント(操作部)3と、スコープ(内視鏡)4とを有する。ワーキングエレメント3には、シース2内に挿入される電極ユニット(処置用電極)5の手元側部分が連結されている。これらの部分は互いに分離することができる。
【0022】
シース2は直管状の筒体6を有する。筒体6の先端にはピーク7が設けられている。ピーク7の先端には、シース2の中心線方向に対して斜めに傾斜する角度でカットされた先端縁8が形成されている。シース2の基端には中空の基端部材9が取り付けられている。基端部材9には送水口金10が設けられている。この送水口金10には、送水タンク11から灌流水を供給する灌流水供給用の送水チューブ12が接続されている。
【0023】
ワーキングエレメント3には、スコープ4が挿通される案内管13と、電極ユニット5をスコープ4の軸方向に移動操作する電極操作用の電極スライド操作部14とが設けられている。電極スライド操作部14には、案内管13の中途部外周に配設された固定部材15と、案内管13の後端に案内管13の中心線方向に沿って移動可能に装着されたスライダ16とが設けられている。
【0024】
固定部材15には、電極ユニット5の基端部を固定する電極固定部15aと、前側の指掛け部17が設けられている。スライダ16には、指掛けリング18が設けられている。さらに、固定部材15とスライダ16との間にはほぼV字状のばね部材19が設けられている。固定部材15とスライダ16との間は、このばね部材19の付勢力によって図1中に矢印Fで示すように互いに離間させる方向に付勢されている。そして、スライダ16を案内管13の中心線方向に沿って移動させることにより、電極ユニット5をスコープ4の軸方向に移動操作するようになっている。
【0025】
さらに、固定部材15には、高周波電源用の接続口金20が設けられている。この接続口金20には、高周波電源21に接続されたコード22の端子23が着脱可能に接続されている。接続口金20の内端部は、固定部材15の電極固定部15aと電気的に接続されている。
【0026】
本実施の形態の電極ユニット5は、図6に示すようにシース2の軸方向に沿って延設された直線状の軸部24と、軸部24の先端部に連結されたループ電極25とを有する。ループ電極25は、ほぼ平行に配置され、基端部が軸部24の先端部に連結された一対のアーム26a,26bと、アーム26a,26bの先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部27とを有する。ループ部27は、アーム26a,26bの先端部から図6中で下向きに屈曲された状態で形成されている。電極ユニット5の軸部24の基端部は、固定部材15の電極固定部15aに接続されている。
【0027】
また、スライダ16には、スコープ4が着脱可能に取付けられている。スコープ4には、直管状の挿入部28と手元部29とが設けられている。手元部29には、アイピース30とライトガイド接続部31とが設けられている。ライトガイド接続部31には、一端が光源装置32に接続されたライトガイドコード33の他端のコネクタ部34が着脱可能に接続されている。
【0028】
図2は、スコープ4の内部構成を示す。本実施の形態のスコープ4は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた直視型の硬性鏡が使用されている。スコープ4の内部には、観察光学系を構成する複数のレンズ35と、光ファイバによって形成されるライトガイド36とが配設されている。ライトガイド36の先端部は挿入部28の先端面に固定されている。ライトガイド36の基端部は、ライトガイド接続部31の内端部に連結されている。
【0029】
スコープ4の挿入部28はワーキングエレメント3の案内管13内に挿入して保持される。この装着状態のとき、スコープ4の先端はレゼクトスコープ1の作業領域に臨み、その作業領域を照明して観察することができるようになっている。
【0030】
さらに、図3に示すようにスコープ4のアイピース30には、例えばCCDなどの撮像素子37が内蔵されたカメラヘッド38が着脱可能に連結されている。カメラヘッド38は、電気ケーブル39を介してカメラコントロールユニット(CCU)40に接続されている。カメラコントロールユニット40には、電気ケーブル41を介してモニタ42が接続されている。そして、スコープ4の観察画像は、カメラヘッド38内の撮像素子37で撮像されて電気信号に変化される。撮像素子37からの出力信号は、カメラコントロールユニット40に入力され、カメラコントロールユニット40に内蔵された映像信号処理回路43で信号処理される。その後、カメラコントロールユニット40からの出力信号は、モニタ42に入力され、モニタ42の画面にスコープ4の観察画像が表示されるようになっている。
【0031】
また、図4に示すように本実施の形態のレゼクトスコープ1には、ワーキングエレメント3に、スコープ4を中心に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させる回動手段44が設けられている。この回動手段44は、案内管13の先端部外周にシース2の軸回り方向に回動可能に連結された環状の第1の連結部材(連結部)45と、案内管13の中途部外周に固着された環状の第2の連結部材46とを有する。第1の連結部材45は、シース2の基端部材9の基端開口部に液密的に嵌合した状態で固着されている。
【0032】
第1の連結部材45には、案内管13を挿通する案内管挿通孔45aと、電極ユニット5を挿通する電極ユニット挿通孔45bとが形成されている。そして、第1の連結部材45の電極ユニット挿通孔45bには電極ユニット5の軸部24がシース2の軸方向に移動可能に挿通されている。これにより、シース2の基端部と電極ユニット5とが連結されている。さらに、第1の連結部材45の外端部の外周部位には、回動手段44を回動操作する操作ノブ47が設けられている。
【0033】
そして、操作ノブ47の回動操作により、第1の連結部材45が案内管13に対して軸回り方向に回動するようになっている。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させるようになっている。
【0034】
また、ワーキングエレメント3の固定部材15の前面には、案内管13の周囲に第2の連結部材46を収容する円形穴48が形成されている。この円形穴48には、第2の連結部材46が収容され、回動可能に支持されている。そして、第2の連結部材46は、固定部材15に対して案内管13を中心に軸回り方向に回動可能に連結されている。
【0035】
第2の連結部材46には、軸心部に案内管13を挿通する案内管挿通孔46aが形成されている。この案内管挿通孔46aには案内管13が挿通された状態で固着されている。さらに、第2の連結部材46には、案内管挿通孔46aの周囲に電極固定部15aが配設されている。
【0036】
そして、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5および案内管13と一緒に第2の連結部材46も固定部材15に対して案内管13を中心に軸回り方向に回動するようになっている。
【0037】
また、図5に示すようにシース2の先端にはピーク7の内周面にプリズム(光学要素)49が設けられている。このプリズム49は、スコープ4の前方に離間対向配置されている。そして、このプリズム49によってスコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更するようになっている。そして、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5と一緒にプリズム49もシース2とともに回転するようになっている。
【0038】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時には、図1に示すようにシース2と、ワーキングエレメント3と、スコープ4とが組み付けられる。
【0039】
この状態で、シース2を尿道などの体腔内の処置対象部位に挿入する。そして、スコープ4により体腔内の処置対象部位の観察を行いながら、ワーキングエレメント3の電極スライド操作部14を操作する。このとき、術者の片方の手の親指をスライダ16の指掛けリング18に掛け、残る指を固定部材15の指掛け部17に掛けた状態でスライダ16の操作を行うことにより、電極ユニット5の先端のループ電極25をシース2の先端より突没させる。
【0040】
スライダ16を前進させた場合には、電極ユニット5全体がシース2に対して前進し、電極ユニット5の先端、即ち、ループ電極25をシース2の先端から繰り出すことができる。また、スライダ16を後退させた場合には電極ユニット5全体がシース2に対して後退される。そして、シース2の先端からループ電極25の先端を繰り出し、ループ電極25が生体組織に対面、接触する状態でループ電極25の前進及び後退を行う。この電極ユニット5の先端のループ電極25の突没操作時には、高周波電流をループ電極25に通電して体腔内の処置対象部位を高周波焼灼する。
【0041】
また、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段44を回転駆動する。このとき、第1の連結部材45の操作ノブ47の回動操作により、第1の連結部材45が案内管13に対して軸回り方向に回動する。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とが一体的に軸回り方向に回動される。
【0042】
また、操作ノブ47の回動操作により、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる動作時には、電極ユニット5と一緒にプリズム49もシース2とともに回転する。これにより、スコープ4の視野を焼灼しているループ電極25付近の画像のような注目部位に向けた状態でトレースして確保することができる。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1では、回動手段44の第1の連結部材45によってシース2の基端部と電極ユニット5とを連結し、第1の連結部材45の操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させるようにしている。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させる。これにより、電極ユニット5をシース2の軸回り方向に回転させた場合でも、従来のように内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止することができる。その結果、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができ、生体組織の各種処置を行う際のレゼクトスコープ1の操作性を高めることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態のレゼクトスコープ1ではスコープ4の前方に配置されたプリズム49によって直視型のスコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更している。これにより、操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、直視型のスコープ4の視野から電極ユニット5のループ電極25が外れることがなく、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近の画像の視野を、ループ電極25の回転にトレースして確保することができる。
【0045】
なお、スコープ4の視野方向を電極ユニット5のループ電極25に向けて変更する光学要素として本実施の形態ではシース2のピーク7の内周面にプリズム49を固定した構成を示したが、プリズム49に代えてミラーを設けてもよい。
【0046】
また、図7は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1の変形例を示す。本変形例では、レゼクトスコープ1のシース2内に照明手段としての光ファイバなどのライトガイド51が配設されている。このライトガイド51の先端面は、ピーク7の内周面に固定されたプリズム49の内面に対向配置されている。
【0047】
そして、本変形例では、スコープ4による体腔内の処置対象部位の観察時には、ライトガイド51からの照明光の出射角度がプリズム49によって焼灼しているループ電極25の付近に照射される状態に変更される。
【0048】
さらに、本変形例のレゼクトスコープ1では操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、電極ユニット5の回動動作と一緒にプリズム49もシース2とともに回転する。これにより、操作ノブ47の操作によってスコープ4を中心にシース2と電極ユニット5とを一体的に軸回り方向に回動させる際に、ライトガイド51からの照明光の照射方向が電極ユニット5のループ電極25から外れることがなく、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近を確実に照明することができる。そのため、焼灼している電極ユニット5のループ電極25付近の画像の視野を、電極ユニット5のループ電極25の回転にトレースして確保する際に、照明光の明るさや配光特性も最適にトレースすることができる。
【0049】
なお、本変形例では、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されている照明手段として光ファイバなどのライトガイド51を設けた構成を示したが、ライトガイド51に代えて発光ダイオード(LED)等の照明手段を設けてもよい。
【0050】
また、図8(A)は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1のスコープ4の第1の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として第1の斜視型の光学視管52を使用したものである。この第1の斜視型の光学視管52は、視野方向が光学視管52の中心線方向に対して任意の角度、本変形例では、12°に屈曲させた12°の斜視型の硬性鏡が使用されている。本変形例では、光学視管52の先端面52a全体が光学視管52の中心線方向に対して12°の傾斜角度に屈曲されている。そのため、複数のレンズ35による観察光学系の視野方向と、ライトガイド36の照明光出射端部の向きとがそれぞれ光学視管52の中心線方向に対して12°の傾斜角度に屈曲されている。
【0051】
また、図8(B)は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1のスコープ4の第2の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として第2の斜視型の光学視管53を使用したものである。この第2の斜視型の光学視管53は、視野方向が光学視管53の中心線方向に対して30°に屈曲させた30°の斜視型の硬性鏡が使用されている。本変形例では、光学視管53の先端面53a全体が光学視管53の中心線方向に対して30°の傾斜角度に屈曲されている。そのため、複数のレンズ35による観察光学系の視野方向と、ライトガイド36の照明光出射端部の向きとがそれぞれ光学視管53の中心線方向に対して30°の傾斜角度に屈曲されている。
【0052】
また、図9は、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1に組み込まれるスコープ4の変形例を示す。本変形例は、レゼクトスコープ1のシース2内に配設されるスコープ4として電子内視鏡54を使用したものである。本変形例の電子内視鏡54は、体腔内に挿入される細長い挿入部55と、この挿入部55の基端部に連結された手元側端部56とを有する。
【0053】
挿入部55の先端部には観察光学系の複数のレンズによって形成される対物レンズ57と、この対物レンズ57によって結像される内視鏡像の結像位置に配置されたCCDなどの撮像素子58とが設けられている。さらに、挿入部55の内部には、照明光学系の光ファイバなどのライトガイド59と、撮像素子58の信号線60などが配設されている。
【0054】
また、手元側端部56には、ユニバーサルコード61の一端部が連結されている。このユニバーサルコード61の他端部は、図示しない光源装置などに接続されている。ユニバーサルコード61の内部にはライトガイド59および信号線60の延出部が延設されている。本変形例では、手元側端部56にカメラヘッド38を連結する必要がない。
【0055】
<第2の実施形態>
また、図10および図11は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)のレゼクトスコープ1の回動手段44の構成を次の通り変更したものである。なお、レゼクトスコープ1の回動手段44以外の部分は第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一構成になっており、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0056】
すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1の回動手段71は、図10に示すようにシース2の基端部の基端部材9に固定された固定円板(固定部材)72と、この固定円板72に対してスコープ4を中心に軸回り方向に回転可能に支持された回転円板(回転部材)73とを有する。
【0057】
固定円板72は、軸心部にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔72aが形成されている。この挿通孔72aには、案内管13の先端部が固着されている。さらに、図11に示すように固定円板72は、挿通孔72aの周囲に電極ユニット5をシース2の周方向に沿って回動させるほぼ円弧形状のガイド溝72bが形成されている。このガイド溝72bには電極ユニット5の軸部24が挿入されている。
【0058】
また、回転円板73は、軸心部にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔73aが形成されている。回転円板73の挿通孔73aには、案内管13が挿入されている。そして、回転円板73は、案内管13に沿って軸回り方向に回動可能に支持されている。さらに、回転円板73には、挿通孔73aの周囲に電極ユニット5を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔73bが形成されている。また、回転円板73の外端部の外周部位には、回動手段71を回動操作する操作ノブ74が設けられている。
【0059】
そして、操作ノブ74の回動操作により、回転円板73が案内管13に対して軸回り方向に回動するようになっている。これにより、案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2に対して電極ユニット5を軸回り方向に回動させるようになっている。
【0060】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時に、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段71を回転駆動する。このとき、回転円板73の操作ノブ74の回動操作により、回転円板73が案内管13に対して軸回り方向に回動する。これにより、回転円板73と一緒に電極ユニット5の軸部24が案内管13に挿通されたスコープ4を中心に軸回り方向に回動される。このとき、電極ユニット5の軸部24は、固定円板72のガイド溝72bに沿って移動する。
【0061】
そこで、上記構成の本実施の形態のレゼクトスコープ1では、ワーキングエレメント3の回動手段71の操作ノブ74の操作によって案内管13に挿通されたスコープ4を中心にシース2に対して電極ユニット5を軸回り方向に回動させるようにしている。このとき、シース2は回転せず、電極ユニット5のみが固定円板72の円弧形状のガイド溝72bに沿ってシース2の周方向に沿って回動される。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させることができる。そのため、操作ノブ74の操作によって電極ユニット5のループ電極25をシース2の軸回り方向に回転させた場合に、従来のように内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止して、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができる。
【0062】
さらに、シース2の手元に設けた操作ノブ74を回す事によって、電極ユニット5のループ電極25をシース2の周方向に沿って回転移動させる際に、固定部材15の指掛け部17の角度位置は不変のまま保持することができ、操作ノブ74の回転に応じてループ電極25のみを回転移動できる。
【0063】
<第3の実施形態>
また、図12および図13は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6参照)のレゼクトスコープ1の回動手段44の構成を次の通り変更したものである。なお、レゼクトスコープ1の回動手段44以外の部分は第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一構成になっており、第1の実施の形態のレゼクトスコープ1と同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0064】
すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープ1の回動手段81は、図12に示すようにシース2の基端部の基端部材9に固定された固定円板(固定部材)82と、電極ユニット5の軸部24に基端部が固定された操作ノブ83とを有する。
【0065】
固定円板82には、シース2の軸心部から外れた偏心位置にスコープ4を挿通する案内管13の挿通孔82aが形成されている。この挿通孔82aには、案内管13の先端部が固着されている。さらに、固定円板82は、挿通孔82aの周囲に電極ユニット5を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔82bが形成されている。
【0066】
また、操作ノブ83は、基端部材9と固定部材15との間の隙間に配置されている。この操作ノブ83の先端の自由端は、前側の指掛け部17と同方向に延設されている。そして、この操作ノブ83を回動操作することにより、電極ユニット5を固定円板82の電極挿通孔82bを中心にその軸回り方向に回動させることができるようになっている。
【0067】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のレゼクトスコープ1の使用時に、ループ電極25による高周波焼灼を行う際には、ワーキングエレメント3の回動手段81を回転駆動する。このとき、操作ノブ83を回動操作することにより、電極ユニット5を固定円板82の電極挿通孔82bを中心にその軸回り方向に回動させることができる。これにより、操作ノブ83と一緒に電極ユニット5の軸部24が固定円板82の電極挿通孔82bを中心に軸回り方向に回動される。
【0068】
そこで、上記構成の本実施の形態では、電極ユニット5の操作ノブ83の操作によって電極ユニット5を軸回り方向に回動させることができる。このとき、シース2は回転せず、電極ユニット5のみが固定円板82の電極挿通孔82bに沿って回動される。これにより、スコープ4の視野は動かさない状態で、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置を実際の操作に合わせて回動させることができる。そのため、電極ユニット5のループ電極25を軸回り方向に回転させた場合でも、内視鏡画像の中で電極ユニット5のループ電極25の位置が、常に、天地方向の位置が固定された状態で保持されることを防止して、手技の上での違和感をなくし、レゼクトスコープ1の操作を行いやすくすることができる。
【0069】
さらに、固定円板82には、シース2の軸心部から外れた偏心位置に挿通孔82aを配置したので、電極挿通孔82bをシース2の軸心部に近い位置に配置することができる。そのため、図13に示すように電極ユニット5のループ電極25の一対のアーム26a,26bをシース2の軸心方向に沿ってほぼストレートに形成することができる。
【0070】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 外套管と硬性鏡を有し、前記外套管の先端に配設されたループ電極を往復スライド可能なレゼクトスコープにおいて、前記外套管に前記硬性鏡を内挿し、前記外套管に配設された操作部により、前記ループ電極を前記外套管の周方向に沿って回動させることを特徴とするレゼクトスコープ。
【0071】
(付記項2) 外套管の先端に光学要素を配設し、前記ループ電極とともに前記光学要素が回転することを特徴とする付記項1に記載のレゼクトスコープ。
【0072】
(付記項3) 外套管に照明手段が配設され、前記ループ電極の回転に応じて照明出射光の出射角度を変更することを特徴とする付記項1に記載のレゼクトスコープ。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、例えば、尿路の前立腺等の患部に挿入され、処置用電極を往復させながら高周波にて焼灼し、肥大組織を止血しながら剥離していく処置を行うレゼクトスコープを使用する技術分野や、そのレゼクトスコープを製造する技術分野に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態のレゼクトスコープのシステム全体の概略構成図。
【図2】第1の実施の形態のレゼクトスコープに組み込まれる硬性鏡の概略構成図。
【図3】第1の実施の形態のレゼクトスコープの硬性鏡にカメラヘッドを接続した状態を示す概略構成図。
【図4】第1の実施の形態のレゼクトスコープのハンドル部分を示す縦断面図。
【図5】第1の実施の形態のレゼクトスコープの先端部分を示す縦断面図。
【図6】第1の実施の形態のレゼクトスコープのループ電極を示す要部の斜視図。
【図7】第1の実施の形態のレゼクトスコープの変形例を示す要部の縦断面図。
【図8】第1の実施の形態のレゼクトスコープの硬性鏡の変形例を示すもので、(A)は第1の斜視型の光学視管の先端部分を示す要部の縦断面図、(B)は第2の斜視型の光学視管の先端部分を示す要部の縦断面図。
【図9】第1の実施の形態のレゼクトスコープに組み込まれる硬性鏡の変形例を示す要部の概略構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態のレゼクトスコープの要部構成を示す縦断面図。
【図11】図10のXI−XI線断面図。
【図12】本発明の第3の実施の形態のレゼクトスコープの要部構成を示す縦断面図。
【図13】第3の実施の形態のレゼクトスコープの先端部分を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0075】
1…レゼクトスコープ、2…シース(外套管)、3…ワーキングエレメント(操作部)、4…スコープ(内視鏡)、5…電極ユニット(処置用電極)、45…第1の連結部材(固定部材)、45a…案内管挿通孔(内視鏡挿通孔)、45b…電極ユニット挿通孔(電極挿通孔)、47,74,83…操作ノブ、72,82…固定円板(固定部材)、73…回転円板(回転部材)、72a,73a…案内管挿通孔(内視鏡挿通孔)、72b…ガイド溝、73b…電極ユニット挿通孔(電極挿通孔)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、
前記固定部材に設けられ、前記外套管と前記処置用電極とを前記内視鏡の軸線を中心に一体的に軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項2】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、軸心部に前記内視鏡の挿通孔が形成されるとともに、前記内視鏡挿通孔の周囲に周方向に沿ってほぼ円弧形状に形成されたガイド溝を有し、前記ガイド溝に前記処置用電極が挿通される固定部材と、
前記固定部材に対して前記内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転可能に支持されるとともに、軸心部に配置された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とが形成された回転部材と、
前記回転部材に設けられ、前記処置用電極を前記回転部材と一体的に前記内視鏡の軸線を中心に前記外套管に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項3】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、前記外套管の軸心部から外れた偏心位置に形成された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、
前記処置用電極に固定され、前記処置用電極を前記固定部材の前記電極挿通孔に沿って前記処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項4】
前記内視鏡は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた内視鏡が使用され、
前記外套管は、前記内視鏡の視野方向を前記処置用電極に向けて変更する光学要素が前記内視鏡の前方に配置され、前記処置用電極ととともに前記光学要素が回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【請求項5】
前記光学要素は、プリズム、或いはミラーのうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のレゼクトスコープ。
【請求項6】
前記外套管は、管内に照明手段が配設され、
前記照明手段は、前記処置用電極の回転に応じて前記照明手段の照明光の出射角度が変更される出射角度変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【請求項7】
前記照明手段は、光ファイバによって形成されたライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のレゼクトスコープ。
【請求項8】
前記処置用電極は、前記外套管の軸方向に沿って延設された直線状の軸部と、前記軸部の先端部に連結されたループ電極とを有し、
前記ループ電極は、ほぼ平行に配置され、基端部が前記軸部の先端部に連結された一対の支軸と、前記支軸の先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【請求項1】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、
前記固定部材に設けられ、前記外套管と前記処置用電極とを前記内視鏡の軸線を中心に一体的に軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項2】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、軸心部に前記内視鏡の挿通孔が形成されるとともに、前記内視鏡挿通孔の周囲に周方向に沿ってほぼ円弧形状に形成されたガイド溝を有し、前記ガイド溝に前記処置用電極が挿通される固定部材と、
前記固定部材に対して前記内視鏡の軸線を中心に軸回り方向に回転可能に支持されるとともに、軸心部に配置された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とが形成された回転部材と、
前記回転部材に設けられ、前記処置用電極を前記回転部材と一体的に前記内視鏡の軸線を中心に前記外套管に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項3】
外套管内に生体組織を処置する処置用電極と内視鏡とが挿通され、前記外套管の基端部に前記処置用電極を前記外套管の軸方向に往復移動させるハンドル部を有する操作部が配設されたレゼクトスコープにおいて、
前記外套管の基端部に固定され、前記外套管の軸心部から外れた偏心位置に形成された前記内視鏡の挿通孔と、前記処置用電極を軸方向に移動可能に挿通する電極挿通孔とを有する固定部材と、
前記処置用電極に固定され、前記処置用電極を前記固定部材の前記電極挿通孔に沿って前記処置用電極の軸線方向に対して軸回り方向に回動させる操作ノブと、
を設けたことを特徴とするレゼクトスコープ。
【請求項4】
前記内視鏡は、視野方向が軸方向に沿って前方に向けた内視鏡が使用され、
前記外套管は、前記内視鏡の視野方向を前記処置用電極に向けて変更する光学要素が前記内視鏡の前方に配置され、前記処置用電極ととともに前記光学要素が回転することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【請求項5】
前記光学要素は、プリズム、或いはミラーのうちいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のレゼクトスコープ。
【請求項6】
前記外套管は、管内に照明手段が配設され、
前記照明手段は、前記処置用電極の回転に応じて前記照明手段の照明光の出射角度が変更される出射角度変更手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【請求項7】
前記照明手段は、光ファイバによって形成されたライトガイド、或いは発光ダイオードのうちいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のレゼクトスコープ。
【請求項8】
前記処置用電極は、前記外套管の軸方向に沿って延設された直線状の軸部と、前記軸部の先端部に連結されたループ電極とを有し、
前記ループ電極は、ほぼ平行に配置され、基端部が前記軸部の先端部に連結された一対の支軸と、前記支軸の先端部間に掛け渡されたほぼ半円形状のループ部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレゼクトスコープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−93019(P2008−93019A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275337(P2006−275337)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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