説明

レベル変換回路

【課題】安定したレベル変換を行う。
【解決手段】回路ブロック21,22は、それぞれ、ノードN14、N15に現れる電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換し、出力端子Poutから、この論理信号を出力する。回路ブロック22の各トランジスタは、回路ブロック21のそれらを逆極性の素子で置き換えた形となっており、電位VGを変化させたときに回路ブロック21,22のいずれかの動作が困難になった場合でも、もう一方が正常に動作する。このため、安定したレベル変換を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レベル変換回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
論理回路には、共通の基準接地電位を有していても、同一の論理値を互いに異なった固定電位で表すものがある。このような2つの論理回路を互いに接続する場合、論理信号の伝送による論理値の受け渡しが正しく行われるようにするためには、論理信号の電位をレベル変換するレベル変換器が必要になってくる。
【0003】
例えば、論理値0/1を0V/1.8Vで表す論理回路の出力を、論理値0/1を0V/5Vで表す論理回路に入力する場合、この2つの論理回路の間に、論理値1を表す電位を1.8Vから5Vに変換するレベル変換器を接続する必要がある。
【0004】
このようなレベル変換器を設けることにより、それぞれの論理を整合させることができる。従来、レベル変換器は、このような用途向けに設計されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
例えば、低電圧の論理信号を高電圧の論理信号に変換するためのレベル変換器は、図8に示すように構成される。
【0006】
尚、電源SRC1は、電位LVを設定するための電源であり、電源SRC2は、電位HVを設定するための電源であり、各電位は、0<LV<HVとなっている。
【0007】
このレベル変換器は、電位LVと基準接地電位0Vとにより論理値1,0を表している低電圧の論理信号を、電位LVより高い電位HVと基準接地電位0Vとにより論理値1,0を表現している高電圧の論理信号に変換するためのレベル変換器の一例である。
【0008】
このレベル変換器は、回路ブロック201〜203からなり、トランジスタX1〜X10によって構成される。トランジスタX1,X3,X5,X7,X9は、PMOS(Positive-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタであり、トランジスタX2,X4,X6,X8,X10は、NMOS(Negative-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0009】
トランジスタX1〜X4はそれぞれ、そのドレイン−ソース間耐圧が値LV以上である低電圧トランジスタであり、トランジスタX5〜X10はそれぞれ、そのドレイン−ソース間耐圧が値HV以上である高電圧トランジスタである。
【0010】
トランジスタX6とトランジスタX8とは、互いに同一の動作特性、すなわち互いに同一のパラメータを有するトランジスタであり、トランジスタX5とトランジスタX7とは、互いに同一のパラメータを有するトランジスタである。
【0011】
回路ブロック201は、入力端子Pinに供給された論理信号を反転した論理信号Aと、論理信号Aを反転した論理信号rAとを生成する回路ブロックであり、生成した論理信号Aと論理信号rAとを回路ブロック202に供給する。なお、回路ブロック201は、回路ブロック202へと論理信号を供給する供給源のファンアウトを強化するという目的も果たすものである。
【0012】
回路ブロック202は、論理信号Aと論理信号rAとの最大電圧を、低い電位LVから高い電位HVにレベル変換する回路ブロックである。トランジスタX6のゲートには最大で電圧LVを有する論理信号Aが印加され、トランジスタX8のゲートには論理信号rAが印加される。
【0013】
電位LVが高電圧NMOSトランジスタX6,X8のスレッショルド電圧(値)VTNよりも十分大きい場合には、論理信号Aの値に応じて、トランジスタX6,X8が、それぞれ(オン、オフ)又は(オフ、オン)の状態となる。
【0014】
トランジスタX5はトランジスタX8に同期して、また、トランジスタX7はトランジスタX6に同期してオン又はオフの状態となる。その結果、トランジスタX6のドレイン電圧とトランジスタX8のドレイン電圧とが0V/HVの間で切り替わり、電位0Vと高い電位HVとにより0,1が表された高電圧の論理信号が出力信号として得られる。
【0015】
回路ブロック203は、トランジスタX9,X10で構成されるインバータにより、回路ブロック202からの出力信号の波形整形とファンアウトの強化を行う回路であり、レベル変換器は、波形整形された出力信号を出力端子Poutから出力する。
【0016】
次に、高電圧の論理信号を低電圧の論理信号に変換するレベル変換器は、例えば、図9に示すように構成される。
【0017】
このレベル変換器は、トランジスタX21〜X24によって構成される。トランジスタX21,X23は高電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX22,X24は、高電圧NMOSトランジスタである。
【0018】
トランジスタX21とトランジスタX22、トランジスタX23とトランジスタX24とによって、それぞれ、インバータが構成される。
【0019】
トランジスタX21とトランジスタX22によって構成されたインバータは、出力電圧HVの電源SRC2によって駆動され、入力高電圧信号のファンアウトを強化するためのバッファとして働くものである。
【0020】
トランジスタX23とトランジスタX24によって構成されたインバータは、出力電圧LVの電源SRC1によって駆動されるため、出力端子Poutから出力される信号の出力電圧は0V/LVの間で切り替わる。
【0021】
通常、高電圧PMOSトランジスタであるトランジスタX23の基板電位は、このレベル変換器の回路中で最も高い電位HVに固定される必要がある。このため、トランジスタX23は、この図9に示すように接続される。
【0022】
このトランジスタX23とトランジスタX24とによって構成されるインバータに入力される信号レベルが、トランジスタX24とトランジスタX23とのスレッショルド電圧VTNを超えるものであれば、該インバータへ入力される高電圧論理信号を反転した信号が、低電圧論理信号として出力端子Poutから出力される。
【0023】
電位HVと電位LVとの差がそれほど大きくない場合、この図9に示すレベル変換器の回路により、電位0Vと電位HVとにより1,0が表される高電圧の論理信号を、電位0Vと電位LVとにより1,0が表される低電圧の論理信号に変換することが出来る。
【0024】
ところで、半導体プロセスには、高電圧の信号を処理するための高電圧集積回路を形成する高電圧半導体プロセスがある。この高電圧集積回路は、高電圧トランジスタを用いて高電圧信号処理回路が構成された集積回路である。
【0025】
しかし、この高電圧半導体プロセスでは、高電圧集積回路の内部に低電圧信号処理回路を設け、高電圧回路の接地電位と低電圧信号処理回路の接地電位とを異ならせ、かつ、低電圧信号処理回路の接地電位と高電圧回路の接地電位との間の電位差を動的に変化させられるようにすることも可能である。
【0026】
すなわち、例えば高電圧信号処理回路の接地電位を0Vとし、高電圧トランジスタの定格電圧をHVとしたとき、低電圧信号処理回路は、その接地電位をVGとし、低電圧トランジスタの定格電圧をLLとすると、VG以上且つVG+LL以下の範囲の電圧信号を扱うことができる。ただしここでVG+LLはHV以下でなければならず、VGは0V以上でなければならない。
【0027】
そして、該低電圧信号処理回路の前記接地電位VGを動的に変化させることにより、0V以上HV以下の高電圧信号を、低電圧信号処理回路により扱うことができるようになる。
【0028】
一般に、高電圧信号処理回路は、その動作が低速であって、かつ、集積回路上で(具体的には、そのパターン上で)大きな面積を占め、低電圧信号処理回路は、その動作が高速であって、かつ、占有面積も小さくなる。このため、ある種のものについては、高電圧信号処理回路を、前述した可変接地電位を持つ低電圧信号処理回路に置き換えることによって、高性能化、小面積化を図ることができる。
【0029】
このような高電圧集積回路として、例えば、本出願人が出願した特願2009−093093号に開示されるような高電圧PLL回路がある。この高電圧集積回路では、内部に高電圧信号処理回路と低電圧信号処理回路とが設けられる。
【0030】
この低電圧信号処理回路は、可変接地電位である電位VGと、電位VGに正の定電圧LLを加算した電位(VG+LL)とにより論理値0,1が表される低電圧の論理信号を扱い、制御・インタフェースの機能を担う論理回路と、VG以上かつVG+LL以下の範囲のアナログ電圧信号を扱うアナログ信号処理回路から構成される。尚、各電位の関係は、0≦VG≦VG+LL≦HVとする。
【0031】
そして、このような高電圧集積回路を制御するには、高電圧集積回路の外部に、例えば、マイクロコントローラのような制御論理回路を備え、この制御論理回路と高電圧集積回路内部に実装された可変接地電位を持つ低電圧信号処理回路内の前記内部論理回路との間で2値論理信号による命令及びデータの送受信を行う。
【0032】
この場合、外部の制御論理回路は、通常、基準接地電位0Vと低い固定電位の電位LVとで0,1が表される2値論理信号を扱う。ただし0<LV<HVであるとする。このため、外部制御論理回路と前記内部論理回路との間で命令及びデータの送受信を行うためには、以下の機能を満たすレベル変換器が必要となる。
【0033】
(1)集積回路の内部論理回路によるデータ受信に必要とされるレベル変換機能、即ち、基準接地電位0Vと電位LVとにより0,1が表される低電圧の論理信号を、可変接地電位VGと電位(VG+LL)とにより0,1が表される低電圧の論理信号に変換する機能。
(2)集積回路の内部論理回路によるデータ送信に必要とされるレベル変換機能、即ち、可変接地電位VGと電位(VG+LL)とにより0,1が表される低電圧の論理信号を、基準接地電位0Vと電位LVとにより0,1が表される低電圧の論理信号に変換する機能。
【0034】
そして、このレベル変換器には、以下の仕様が要求される。
(3)上記(1)及び(2)の機能が、可変接地電位VGを、基準接地電位0Vから電位(HV−LL)の間で変化させた場合でも正常な動作が実現されること。
(4)省電力化のために電位HVを高電圧トランジスタの定格電圧よりも低く設定した場合でも上記(1)、(2)の機能が正常に実現され、(3)の仕様が満足されること。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2009−22054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
しかし、図8及び図9に示すような従来のレベル変換器を利用して、上記(1)〜(4)を満足するようなレベル変換器を実現しようとしても、各電位の設定次第では、トランジスタのスレッショルド電圧がソース−基板間電圧の影響を受ける。
【0037】
このスレッショルド電圧とソース−基板間電圧との関係は、所謂ボディ効果として表され、このボディ効果が顕著に現れるとスイッチング動作が困難になって、レベル変換を安定して行えなくなる。
【0038】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、安定したレベル変換を行うことが可能なレベル変換回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0039】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るレベル変換回路は、
第1の信号電位(0V)と第2の信号電位(HV)とによって2つの論理値が表される第1の論理信号を、前記第1の信号電位以上の第3の信号電位(VG)と前記第3の信号電位に正の電圧を加算したものに相当しかつ前記第2の信号電位以下である第4の信号電位(VG+LL)とによって当該2つの論理値が表される第2の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第1の信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VG)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Nチャンネル半導体素子の基板電位が前記第1の信号電位に保持され、前記第1の信号入力端子に前記第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記第1の信号入力端子に前記第2の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するNチャンネルスイッチ回路(NchSW)と、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、第2の信号入力端子(IN)、第2の電圧端子(VH)、第3の接続端子(OUTA)、第4の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記第2の信号入力端子に前記第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第3の接続端子とを接続すると共に前記第4の接続端子を開放し、前記第2の信号入力端子に前記第2の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第4の接続端子とを接続すると共に前記第3の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第3の電圧端子(VG)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)を有し、前記第5及び第6の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第3の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第3の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
第4の電圧端子(VH)、第7の接続端子(INA)、第8の接続端子(INB)を有し、前記第7及び第8の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第4の電圧端子の電位よりもある一定値以上低い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第4の電圧端子の電位と等しい状態にするPチャンネル負荷回路(PchLOAD)と、を備え、
前記第1の電圧端子と前記第3の電圧端子とが前記第3の信号電位に保たれ、
前記第2の電圧端子と前記第4の電圧端子とが前記第4の信号電位に保たれ、
前記第7の接続端子(PchLOAD;INA)と前記第1の接続端子(NchSW;OUTA)とが第1のノード(N41)で接続され、
前記第8の接続端子(PchLOAD;INB)と前記第2の接続端子(NchSW;OUTB)とが第2のノード(N42)で接続され、
前記第5の接続端子(NchLOAD;INA)と前記第3の接続端子(PchSW;OUTA)とが第3のノード(N43)で接続され、
前記第6の接続端子(NchLOAD;INB)と前記第8の接続端子(PchSW;OUTB)とが第4のノード(N44)で接続され、
前記第1のノードと前記第4のノードが接続され、
前記第2のノードと前記第3のノードが接続され、
前記第1及び第2の各信号入力端子に前記第1の論理信号が入力されて、
前記第1のノード乃至前記第2のノードのうちのいずれかから、前記第2の論理信号を出力する、
ことを特徴とする。
【0040】
本発明の第2の観点に係るレベル変換回路は、
第1の信号電位(0V)以上の第3の信号電位(VG)と当該第3の電位より高い第4の信号電位(VG+LL)とによって2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の信号電位と前記第1の信号電位より高い第5の信号電位(LV)とによって当該2つの論理値が表される第3の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第1の信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VG)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Nチャンネル半導体素子の基板電位が前記第1の信号電位に保持され、前記第1の信号入力端子に第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記第1の信号入力端子に第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するNチャンネルスイッチ回路(NchSW)と、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、第2の信号入力端子(IN)、第2の電圧端子(VH)、第3の接続端子(OUTA)、第4の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記第2の信号入力端子に第3の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第3の接続端子とを接続すると共に前記第4の接続端子を開放し、前記第2の信号入力端子に第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第4の接続端子とを接続すると共に前記第3の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第3の電圧端子(VG)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)を有し、前記第5及び第6の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第3の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第3の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
第4の電圧端子(VH)、第7の接続端子(INA)、第8の接続端子(INB)を有し、前記第7及び第8の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第4の電圧端子の電位よりもある一定値以上低い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第4の電圧端子の電位と等しい状態にするPチャンネル負荷回路(PchLOAD)と、を備え、
前記第1の電圧端子と第3の電圧端子とが前記第1の信号電位に保たれ、
前記第2の電圧端子が前記第4の信号電位に保たれ、
前記第4の電圧端子が前記第5の信号電位に保たれ、
前記第5の接続端子(NchLOAD;INA)と前記第3の接続端子(PchSW;OUTA)とが第1のノード(N45)で接続され、
前記第6の接続端子(NchLOAD;INB)と前記第4の接続端子(PchSW;OUTB)とが第2のノード(N46)で接続され、
前記第7の接続端子(PchLOAD;INA)と前記第1の接続端子(NchSW;OUTA)とが第3のノード(N47)で接続され、
前記第8の接続端子(PchLOAD;INB)と前記第2の接続端子(NchSW;OUTB)とが第4のノード(N48)で接続され、
前記第1の信号入力端子と前記第1のノードが接続され、
前記第2の信号入力端子に前記第2の論理信号が入力されて、
前記第3のノード又は前記第4のノードから、前記第3の論理信号を出力する、
ことを特徴とする。
【0041】
本発明の第3の観点に係るレベル変換回路は、
第1の信号電位(0V)以上の第3の信号電位(VG)と当該第3の電位より高い第4の信号電位(VG+LL)とによって2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の信号電位と前記第1の信号電位より高い第5の信号電位(LV)とによって当該2つの論理値が表される第3の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VH)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記信号入力端子に前記第3の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子(OUTA)とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記信号入力端子に前記第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子(OUTB)とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第2の電圧端子(VG)、第3の接続端子(INA)、第4の接続端子(INB)を有し、前記第3及び第4の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第2の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第2の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第3の電圧端子(VB)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)、第7の接続端子(OUTA)、第8の接続端子(OUTB)を有し、前記第3の電圧端子の電位から前記第7の接続端子の電位を減じた電位差が所定の閾値電圧よりも大きな時には、前記第5の接続端子と前記第7の接続端子の間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とし、前記第3の電圧端子の電位から前記第8の接続端子の電位を減じた電位差が前記閾値電圧よりも大きな時には、前記第6の接続端子と前記第8の接続端子の間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とするNチャンネル電圧制限回路(NchLIMITER)と、を備え、
前記第1の電圧端子が前記第4の信号電位に保たれ、前記第2の電圧端子が前記第1の信号電位に保たれ、前記第3の電圧端子に、予め設定された前記第5の信号電位以上の値の参照電圧が印加され、
前記第1の接続端子と前記第5の接続端子とが接続され、
前記第2の接続端子と前記第6の接続端子とが接続され、
前記第3の接続端子と前記前記第7の接続端子とが第1のノードで接続され、
前記第4の接続端子と前記前記第8の接続端子とが第2のノードで接続され、
前記信号入力端子に前記第2の論理信号が入力されて、
前記第1のノード又は前記第2のノードから、前記第3の論理信号を出力する、
ことを特徴とする。
【0042】
本発明の第4の観点に係るレベル変換回路は、
第1の基準電位(0V)と第1の電位(HV)とで2つの論理値が表される第1の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)以上の第2の基準電位(VG)と、前記第1の電位(HV)以下の電位であって前記第2の基準電位(VG)に正の電圧(LL)を加算したものに相当する第2の電位(VG+LL)とで当該2つの論理値が表される第2の論理信号に変換する第1の回路ブロック(21)と第2の回路ブロック(22)とを備え、
前記第1の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第1のトランジスタ(X121)と、第2のトランジスタ(X122)と、第3のトランジスタ(X123)と、第4のトランジスタ(X124)と、を備え、
前記第1のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と、前記第3のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第1のトランジスタの電流路の他端に前記第2のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第3のトランジスタの電流路の他端に前記第4のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第2のトランジスタの電流路の他端と前記第4のトランジスタの電流路の他端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第2のトランジスタの素子基板と前記第4のトランジスタの素子基板とに前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第1のトランジスタの電流路の他端と前記第2のトランジスタの電流路の一端との接続点を第1のノード(N21)、前記第3のトランジスタの電流路の他端と前記第4のトランジスタの電流路の一端との接続点を第2のノード(N22)として、前記第2のノードに前記第1のトランジスタの制御端が接続され、前記第1のノードに前記第3のトランジスタの制御端が接続された構成を有し、
前記第2の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第5のトランジスタ(X125)と、第6のトランジスタ(X126)と、第7のトランジスタ(X127)と、第8のトランジスタ(X128)と、を備え、
前記第5のトランジスタの電流路の一端と前記第7のトランジスタの電流路の一端とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第5のトランジスタの素子基板と前記第7のトランジスタの素子基板とに前記第1の電位(HV)が印加され、
前記第5のトランジスタの電流路の他端に前記第6のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第7のトランジスタの電流路の他端に前記第8のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第6のトランジスタの電流路の他端と前記第8のトランジスタの電流路の他端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第5のトランジスタの電流路の他端と前記第6のトランジスタの電流路の一端との接続点を第3のノード(N23)、前記第7のトランジスタの電流路の他端と前記第8のトランジスタの電流路の一端との接続点を第4のノード(N24)として、前記第4のノードに前記第6のトランジスタの制御端が接続され、前記3のノードに前記第8のトランジスタの制御端が接続された構成を有し、
前記第1の回路ブロックの前記第1のノードと前記第2の回路ブロックの前記第3のノードとが接続され、前記第1の回路ブロックの前記第2のノードと前記第2の回路ブロックの前記第4のノードとが接続され、
前記第2のトランジスタの制御端と前記第5のトランジスタの制御端とが接続され、前記第4のトランジスタの制御端と前記第7のトランジスタの制御端とが接続され、
前記第2のトランジスタの制御端と前記第5のトランジスタの制御端との接続点、前記第4のトランジスタの制御端と前記第7のトランジスタの制御端との接続点に、前記第1の基準電位(0V)又は前記第1の電位(HV)が印加されて、前記第1のノードと前記第3のノード又は前記第2のノードと前記第4のノードから、前記第2の基準電位(VG)又は前記第2の電位(VG+LL)の前記第2の論理信号を出力するように構成された、
ことを特徴とする。
【0043】
前記第1のトランジスタ、前記第3のトランジスタ、前記第5のトランジスタ及び前記第7のトランジスタは、PMOSトランジスタであり、前記第2のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第6のトランジスタ及び前記第8のトランジスタは、NMOSトランジスタによって構成されたものであってもよい。
【0044】
前記第1のトランジスタと前記第3のトランジスタとは、ほぼ同じ特性を有する素子であり、前記第5のトランジスタと前記第7のトランジスタとは、ほぼ同じ特性を有する素子によって構成されたものであってもよい。
【0045】
前記第1の基準電位(0V)と、前記第1の基準電位(0V)よりも高く、かつ前記第1の電位(HV)よりも低い第3の電位(LV)とで前記2つの論理値が表される第3の論理信号を前記第1の論理信号に変換し、当該第1の論理信号を前記第1の回路ブロックと前記第2の回路ブロックとに供給する第3の回路ブロック(10)を備えてもよい。
【0046】
第1の基準電位(0V)以上の第2の基準電位(VG)と、前記第1の電位(HV)以下の電位であって前記第2の基準電位(VG)に正の電圧(LL)を加算したものに相当する第2の電位(VG+LL)とで2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)と前記第2の電位(VG+LL)とで前記2つの論理値が表される第4の論理信号に変換する第4の回路ブロック(30)を備えてもよく、
前記第4の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第9のトランジスタ(X201)と、第10のトランジスタ(X202)と、第11のトランジスタ(X205)と、第12のトランジスタ(X203)と、第13のトランジスタ(X204)と、第14のトランジスタ(X206)と、を備え、
前記第9のトランジスタの電流路の一端と素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第10のトランジスタの電流路の一端が前記第9のトランジスタの電流路の他端に接続され、前記第10のトランジスタの電流路の他端と素子基板とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端と前記第11のトランジスタの制御端とが接続され、
前記第11のトランジスタの電流路の一端と前記第12のトランジスタの電流路の一端とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第11のトランジスタの素子基板と前記第12のトランジスタの素子基板とに前記第1の電位(HV)が印加され、
前記第11のトランジスタの電流路の他端に前記第14のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第12のトランジスタの電流路の他端に前記第13のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第13のトランジスタの電流路の他端及び素子基板と前記第14のトランジスタの電流路の他端及び素子基板とに前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第9のトランジスタの電流路の他端と前記第10のトランジスタの電流路の一端との接続点(N31)に前記第12のトランジスタの制御端が接続され、
前記第12のトランジスタの電流路の他端と前記第13のトランジスタの電流路の一端との接続点を第5のノード(N32)、前記第11のトランジスタの電流路の他端と前記第14のトランジスタの電流路の一端との接続点を第6のノード(N33)として、
前記第13のトランジスタの制御端が前記第6のノードに接続され、前記第14のトランジスタの制御端が前記前記第5のノードに接続され、
前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端と前記第11のトランジスタの制御端との接続点に前記第2の論理信号が供給され、
前記第5のノード又は前記第6のノードから、前記第1の基準電位(0V)又は前記第2の電位(VG+LL)の前記第4の論理信号を出力するようにしてもよい。
【0047】
前記第9のトランジスタ、前記第11のトランジスタ及び前記第12のトランジスタは、PMOSトランジスタによって構成され、前記第10のトランジスタ、前記第13のトランジスタ及び前記第14のトランジスタは、NMOSトランジスタによって構成されたものであってもよい。
【0048】
前記第4の回路ブロックは、さらに、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第15のトランジスタ(X207)と、第16のトランジスタ(X208)と、を備え、
前記第15のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と前記第16のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第15のトランジスタの電流路の他端が前記第12のトランジスタの電流路の一端に接続され、前記第16のトランジスタの電流路の他端が前記第11のトランジスタの電流路の一端に接続され、
前記第11のトランジスタの制御端と前記第12のトランジスタの制御端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第15のトランジスタの制御端が前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端との接続点に接続され、前記第16のトランジスタの制御端が前記第9のトランジスタの電流路の他端と前記第10のトランジスタの電流路の一端との接続点(N31)に接続された構成を有するものであってもよい。
【0049】
前記第4の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)と前記第3の電位(LV)とで前記2つの論理値が表される前記第5の論理信号に変換する第5の回路ブロック(40)を備えてもよく、
前記第5の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第17のトランジスタ(X211)と、第18のトランジスタ(X212)と、第19のトランジスタ(X213)と、第20のトランジスタ(X214)と、備え、
前記第17のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と前記第19のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第4の電位(LV)が印加され、
前記第17のトランジスタの電流路の他端に前記第18のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第19のトランジスタの電流路の他端に前記第20のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第18のトランジスタの電流路の他端と素子基板及び前記第20のトランジスタの電流路の他端と素子基板に前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第17のトランジスタの電流路の他端と前記第18のトランジスタの電流路の一端との接続点を第7のノード(N34)、前記第19のトランジスタの電流路の他端と前記第20のトランジスタの電流路の一端との接続点を第8のノード(N35)として、
前記第8のノードに前記第17のトランジスタの制御端が接続され、前記第7のノードに前記第19のトランジスタの制御端が接続され、
前記第20のトランジスタの制御端に前記第4の論理信号が供給され、前記第18のトランジスタの制御端に当該第4の論理信号を反転したものに相当する信号が供給されて、
前記第7のノード又は前記第8のノードから、前記基準電位(0V)又は前記第3の電位(LV)の前記第5の論理信号を出力するように構成されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、安定したレベル変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態1に係るレベル変換器であって低電圧の論理信号を高電圧の論理信号に変換するレベル変換器の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態2に係るレベル変換器であって高電圧の論理信号を低電圧の論理信号に変換するレベル変換器の具体的な構成(1)を示す回路図である。
【図3】実施形態2に係るレベル変換器の具体的な構成(2)を示す回路図である。
【図4】実施形態1に係るレベル変換器の1ブロックを複数の基本的機能ブロックを接続したシステムとして表したブロック図である。
【図5】実施形態2に係るレベル変換器を複数の基本的機能ブロックを接続したシステムとして表したブロック図(1)である。
【図6】実施形態2に係るレベル変換器を複数の基本的機能ブロックを接続したシステムとして表したブロック図(2)である。
【図7】図6に示すレベル変換器の具体的な構成を示す図である。
【図8】従来の低電圧の論理信号を高電圧の論理信号に変換するレベル変換器の構成を示す回路図である。
【図9】従来の高電圧の論理信号を低電圧の論理信号に変換するレベル変換器の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施形態に係る装置を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係るレベル変換器の構成を図1に示す。
実施形態1に係るレベル変換器は、基準接地電位0Vと電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、可変接地電位である電位VGと、電位VGに正の定電圧LLを加算して得られる電位(VG+LL)と、により2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換するものである。
【0053】
このレベル変換器は、例えば、高電圧集積回路の外部に備えられたマイクロコントローラのような制御論理回路と、高電圧集積回路の内部に設けられた内部論理回路(低電圧信号処理回路)と、の間に接続される(いずれも図示せず)。
【0054】
制御論理回路は、基準接地電位0Vと、電位HVより低い固定の電位LVとにより2つの論理値0,1が表される2値論理信号を扱う。内部論理回路は、可変接地電位である電位VGと、電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を扱う。ただし、VGは0以上の値であり、また、(VG+LL)のとり得る最大値はHV以下である。
【0055】
入力端子Pinは、制御論理回路に接続され、この制御論理回路から、基準接地電位0V又は電位LVの論理信号が供給される。出力端子Poutは、内部論理回路に接続され、レベル変換器は、この内部論理回路に可変接地電位VGと、電位VGと同期して変化する電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を供給する。
【0056】
実施形態1に係るレベル変換器は、回路ブロック10,20によって構成される。回路ブロック10は、図8に示す従来のレベル変換器と同様の構成を有し、電位0Vと電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号に変換する回路ブロックである。
【0057】
回路ブロック20は、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する回路ブロックである。この回路ブロック20は、さらに回路ブロック21,22,23によって構成される。
【0058】
回路ブロック21は、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する回路ブロックである。この回路ブロック21は、図8に示す回路ブロック202と類似した回路トポロジーを持っているが、後述する幾つかの点で異なる回路となっている。
【0059】
回路ブロック22は、回路ブロック21と同様に、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する回路ブロックである。
【0060】
この回路ブロック22は、回路ブロック21における各トランジスタ素子を、それぞれ逆極性の素子で置き換えた構成を有している。この回路ブロック22を備えることにより回路ブロック21、22のうちのいずれか一方の動作が困難になった場合でも、もう一方の動作が安定するようになっている。回路ブロック23は、出力信号のファンアウトの強化と波形整形を行う回路ブロックである。
【0061】
尚、電源SRC11は、電位LVを設定する電源であり、電源SRC12は、電位HV(HV>LV)を設定する電源である。電源SRC13は、電位VGを設定する電源であり、電源SRC14は、電位(VG+LL)を設定する電源である。
【0062】
前述のように、各電位の関係は、0≦VG≦VG+LL、かつ、0<LV<HVとする。この電位VGは、0≦VG≦(HV−LL)の範囲で変化させることができる電位である。また電位HVは使用する高電圧トランジスタの定格電圧以下の一定値であり、電位LV及び電位LLは使用する低電圧トランジスタの定格電圧以下の一定値であるものとする。
【0063】
以下、各回路ブロック10,20の構成を詳しく説明する。
回路ブロック10は、回路ブロック11〜13によって構成される。回路ブロック11は、トランジスタX101〜X104によって構成される。
【0064】
トランジスタX101,X103は、低電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX102,X104は、低電圧NMOSトランジスタである。
【0065】
トランジスタX101のソース、基板は、電源SRC11の正極に接続され、トランジスタX101のドレインとトランジスタX102のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN11とする。トランジスタX102のソース、基板は、接地される。
【0066】
トランジスタX103のソース、基板は、電源SRC11の正極に接続され、トランジスタX103のドレインとトランジスタ104のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN12とする。トランジスタX104のソース、基板は、接地される。
【0067】
トランジスタX101のゲートとトランジスタX102のゲートとは、入力端子Pinに接続される。
【0068】
トランジスタX103のゲートとトランジスタX104のゲートとは、ノードN11に接続される。
【0069】
回路ブロック12は、トランジスタX105〜X108によって構成される。
【0070】
トランジスタX106,X108は互いに同一のパラメータを有する高電圧NMOSトランジスタであり、トランジスタX105,X107は、同様に、互いに同一のパラメータを有する高電圧PMOSトランジスタである。
【0071】
トランジスタX105のソース、基板は、電源SRC12の正極に接続され、トランジスタX105のドレインとトランジスタX106のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN13とする。トランジスタX106のソース、基板は、接地される。
【0072】
トランジスタX107のソース、基板は、電源SRC12の正極に接続され、トランジスタX107のドレインとトランジスタX108のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN14とする。トランジスタX108のソース、基板は、接地される。
【0073】
トランジスタX106のゲートは、ノードN11に接続され、トランジスタX108のゲートは、ノードN12に接続される。トランジスタX105のゲートは、ノードN14に接続され、トランジスタX107のゲートは、ノードN13に接続される。
【0074】
回路ブロック13は、トランジスタX109,X110によって構成される。トランジスタX109は高電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX110は高電圧NMOSトランジスタである。
【0075】
トランジスタX109のソース、基板は、電源SRC12の正極に接続され、トランジスタX109のドレインとトランジスタX110のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN15とする。トランジスタX110のソース、基板は、接地される。トランジスタX109のゲートとトランジスタX110のゲートとは、ノードN14に接続される。
【0076】
回路ブロック20内の回路ブロック21は、トランジスタX121〜X124によって構成される。
【0077】
トランジスタX122,X124は、互いに同一のパラメータを有する高電圧NMOSトランジスタであり、トランジスタX121,X123は、同様に、互いに同一のパラメータを有する低電圧PMOSトランジスタである。
【0078】
トランジスタX121のソース、基板は、電源SRC14の正極に接続され、トランジスタX121のドレインとトランジスタX122のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN21とする。トランジスタX122のソースは、電源SRC13の正極に接続され、基板は0Vに接地される。
【0079】
トランジスタX123のソース、基板は、電源SRC14の正極に接続される。トランジスタX123のドレインとトランジスタX124のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN22とする。トランジスタX124のソースは、電源SRC13の正極に接続され、基板は0Vに接地される。
【0080】
トランジスタX122のゲートは、ノードN14に接続され、トランジスタX124のゲートは、ノードN15に接続される。トランジスタX121のゲートは、ノードN22に接続され、トランジスタX123のゲートは、ノードN21に接続される。
【0081】
回路ブロック22は、トランジスタX125〜X128によって構成される。トランジスタX125,X127は、高電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX126,X128は、低電圧NMOSトランジスタである。
【0082】
トランジスタX126,X128は、互いに同一のパラメータを有する素子であり、トランジスタX125,X127は、同様に、互いに同一のパラメータを有する素子である。
【0083】
トランジスタX125のソースは、電源SRC14の正極に接続され、基板は、電源SRC12の正極に接続される。
【0084】
トランジスタX125のドレインとトランジスタX126のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN23とする。トランジスタX126のソース、基板は、電源SRC13の正極に接続される。
【0085】
トランジスタX127のソースは、電源SRC14の正極に接続され、基板は、電源SRC12の正極に接続される。
【0086】
トランジスタX127のドレインとトランジスタX128のドレインとは、互いに接続され、この接続点をノードN24とする。トランジスタX128のソース、基板は、電源SRC13の正極に接続される。
【0087】
尚、回路ブロック21のノードN21と、回路ブロック22のノードN23とは接続されている。つまりノードN21とノードN23は同じノードを意味しているが、便宜上、別々のノードとして説明する。同様に回路ブロック21のノードN22と回路ブロック22のノードN24が接続されている。
【0088】
トランジスタX125のゲートは、ノードN14に接続され、トランジスタX127のゲートは、ノードN15に接続される。トランジスタX126のゲートは、ノードN24に接続され、トランジスタX128のゲートは、ノードN23に接続される。
【0089】
回路ブロック23は、回路ブロック22および回路ブロック21から出力された信号のファンアウトの強化と波形整形を行う回路ブロックであり、トランジスタX129,X130によって構成される。
【0090】
トランジスタX129は低電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX130は低電圧NMOSトランジスタであって、トランジスタX129,X130は、低電圧インバータ回路を構成する。
【0091】
トランジスタX129のソース、基板は、電源SRC14の正極に接続され、トランジスタX129のドレインとトランジスタX130のドレインとは接続される。この接続点をノードN25とする。ノードN25は出力端子Poutに接続される。トランジスタX130のソース、基板は、電源SRC13の正極に接続される。トランジスタX129のゲートとトランジスタX130のゲートとは、ノードN22に接続される。
【0092】
回路ブロック20のトランジスタX126,X128,回路ブロック21のトランジスタX122,X124,回路ブロック23のトランジスタX130の各ソースが接続されているグラウンドラインは、電源SRC13により電位VGに保持されている。
【0093】
また、回路ブロック22のトランジスタX125,X127,回路ブロック21のトランジスタX121,X123,回路ブロック23のトランジスタX129の各ソースが接続されている正電源ラインは、電源SRC14によって電位(VG+LL)に保持されている。
【0094】
電源SRC13の出力電圧VGと電源SRC14の出力電圧(VG+LL)とは同期して変化するため、回路ブロック21、22、23のグラウンドラインと正電源ラインとの電位差は、VGに依らず常に、一定の値LLに保持される。
【0095】
次に実施形態1に係るレベル変換器の動作を説明する。
入力端子Pinに、基準接地電位0Vの入力信号(論理信号)が供給されると、回路ブロック10は、電位V[N14]=HVの論理信号、電位V[N15]=0Vの論理信号を回路ブロック20に供給する。(なお、V[α]はノードαの電位を表すものとする。)
【0096】
また、入力端子Pinに、電位LVの入力信号(論理信号)が供給されると、回路ブロック10は、電位V[N14]=0Vの論理信号、電位V[N15]=HVの論理信号を回路ブロック20に供給する。
【0097】
電位V[N14]=0Vの論理信号、電位V[N15]=HVの論理信号が回路ブロック20に供給されたとき、回路ブロック21のトランジスタX124のゲートには、電圧V[N15]=HVが印加され、トランジスタX122のゲートには、電圧V[N14]=0Vが印加される。
【0098】
トランジスタX122のソースは、電位VGに保持されているため、トランジスタX122のゲート電圧Vgs[X122]は、電位V[N14]=HV(論理値1)のとき、(HV−VG)、電位V[N14]=0V(論理値0)のとき、−VGとなる。
【0099】
また、トランジスタX124のソースも、電位VGに保持されているため、トランジスタX124のゲート電圧Vgs[X124]は、電位V[N15]=HV(論理値1)のとき、(HV−VG)、電位V[N15]=0V(論理値0)のとき、−VGとなる。(なお、Vgs[β]はトランジスタβのゲート電圧(ゲート−ソース間電圧)を表すものとする。)
【0100】
ゲート電圧Vgs[X122],Vgs[X124]が、それぞれのトランジスタのスレッショルド電圧VTNよりも十分大きな値である場合、トランジスタX122とトランジスタX124とは、電位V[N14],V[N15]の電位に従って、それぞれ、オン、オフ、あるいは、オフ、オンの状態となる。
【0101】
また、トランジスタX122,X121のドレイン即ちノードN21には、トランジスタX123のゲートが接続されており、トランジスタX124,X123のドレイン即ちノードN22には、トランジスタX121のゲートが接続されている。トランジスタX121,X123のソースは、電位(VG+LL)に保持されている。このため、トランジスタX122、X124のどちらか一方がオン状態にあり、他方がオフ状態にある場合には、トランジスタX121とトランジスタX124、トランジスタX123とトランジスタX122とは、同期してオン又はオフの状態となる。
【0102】
その結果、トランジスタX123とトランジスタX121のドレイン電圧がVGと(VG+LL)との間で切り替わり、電位VGと電位(VG+LL)とにより論理値1,0が表現された低電圧の出力信号(論理信号)SoutがノードN22から出力される。
【0103】
回路ブロック23において、トランジスタX129とトランジスタX130とで構成される低電圧インバータは、ノードN22(N24)の出力信号Soutの波形整形を行いつつこれを反転し、出力端子Poutに出力する。従って、出力端子Poutに現れる論理信号は、電位VGと電位(VG+LL)とにより論理値0,1が表現された信号である。なお、この低電圧インバータは出力信号Soutのファンアウトを強化する機能も有する。
【0104】
図8に示す従来のレベル変換器では高電圧トランジスタX6,X8のドレインに接続されるトランジスタX5,X7には高電圧PMOSトランジスタが用いられている。これに対して、本実施形態1では出力信号Soutの振幅がLL以下の低電圧となるために、トランジスタX121,X123には、低電圧PMOSトランジスタを用いることができる。
【0105】
なお、本実施形態1において、トランジスタX121,X123に高電圧PMOSトランジスタを用いることも場合によっては不可能ではない。しかし、この場合、最大値がLLの低いゲート−ソース間電圧で、低電圧トランジスタよりも高いスレッショルド電圧を持つ高電圧トランジスタをスイッチング動作させることになるために、トランジスタX121,X123として、低電圧トランジスタを用いた場合と比較して集積回路上で非常に大きな面積を占める高電圧PMOSトランジスタが必要となり、その結果製造コストが上昇し、動作速度が低下する。
【0106】
また、通常、高電圧PMOSトランジスタの基板電位は回路中で最も高い電位、即ち、電位HVに固定されるため、トランジスタX121,X123のソース電位と電位HVとの差が大きな場合には所謂ボディ効果によりスイッチングが起こりにくくなる。
【0107】
このため、通常、トランジスタX121,X123には、低電圧PMOSトランジスタを用いることが好ましい。
【0108】
なお、ここでボディ効果とは、トランジスタのスレッショルド電圧VTNが、そのソース−基板間電圧VSBに依存する現象をいう。VTNとVSBとの関係は、以下の式(1)によって近似される。
【数1】

【0109】
ところで、前述のように基本的には、回路ブロック21だけで、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、可変接地電位である電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換することができる。
【0110】
しかし、電位VGの値によっては、トランジスタX122,X124のソース電位と基準接地電位0Vとの電位差が大きくなり、その結果顕著なボディ効果が生じトランジスタのスレッショルド電圧が増大するために、トランジスタが正常にスイッチング動作しなくなり、回路ブロック21だけでは動作が困難となる場合がある。
【0111】
一般的な高電圧半導体プロセスを用いた場合、Nチャンネルの高電圧トランジスタであるトランジスタX122,X124の基板電位は、回路中で最も低い電位、即ち、0Vに保持されなければならない。
【0112】
従って、電位VGの値を、0V〜(HV−LL)の範囲で変化させたときに、高電圧NMOSトランジスタであるトランジスタX122,X124のソース−基板間電圧VSBは、0V〜(HV−LL)の範囲で変化することになる。
【0113】
トランジスタX122,X124のソース−基板間電圧VSBは、そのソースに印加される電位VGが最大値(HV−LL)に設定された時に最大値(HV−LL)となる。
【0114】
このとき、トランジスタX122,X124のスレッショルド電圧VTNも最大となり、その最大値VTN_maxは、式(1)のVSBに、値(HV−LL)を代入することによって見積もられる。一方、トランジスタX122,X124のゲート−ソース間電圧Vgs[X122],Vgs[X124]のそれぞれの最大値は、前述のように(HV−VG)となるため、ゲート−ソース間電圧Vgs[X122],Vgs[X124]は、電位VGが最大値のとき、最小値LLとなる。
【0115】
従って、ゲート−ソース間電圧Vgsの最小値LLがスレッショルド電圧VTN_maxよりも十分に大きな値でない場合、トランジスタX122,X124のスイッチング動作が困難となり、回路ブロック21の動作が停止してしまう。
【0116】
そこで、この問題を解決するために設けられるものが回路ブロック22である。前述のように、回路ブロック22のそれぞれの素子は、回路ブロック21の対応する素子とは逆の極性の素子で構成されており、回路ブロック22は、回路ブロック21と同様に、電位0Vと電位HVとにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する機能を有する。
【0117】
高電圧PMOSトランジスタであるトランジスタX125,X127のソース−基板間電圧VSBの絶対値は、そのソースに印加される電位(VG+LL)が最小値LLに設定された時、即ち、電位VGが最小値0Vに設定された時に最大値(HV−LL)となる。
【0118】
式(1)から、この時、トランジスタX125,X127のスレッショルド電圧VTNの絶対値も同時に最大となる。従って、回路ブロック21は、電位VGが最大の時に最も動作が困難となっていたのに対して、回路ブロック22は、電位VGが最小値の時に、スイッチング動作が最も困難な状態となる。
【0119】
このような関係にある回路ブロック21と回路ブロック22との各々のレベル変換出力は、同一の論理値を出力するもの同士が互いに接続されている。すなわち、トランジスタX122のドレイン(ノードN21)とトランジスタX125のドレイン(ノードN23)とが接続され、トランジスタX124のドレイン(ノードN22)とトランジスタX127のドレイン(ノードN24)とが接続されている。
【0120】
このため、回路ブロック21と回路ブロック22のうち、少なくともいずれか一方が正常に動作していれば、ノードN22,N24の電圧値は、スイッチング動作が正しく行われている時と同様に、VG或いはVG+LLとなるまで変化し、論理信号Soutとして適切な値が出力される。同様に、ノードN21,N23にも、論理信号Soutの論理値を反転した論理値に対応する電圧が現れる。
【0121】
従って、電位VGの値の大小によって、回路ブロック21,22のうちのいずれか一方の動作が困難になった場合でも、ノードN22,N24、又は、ノードN21,N23には、正常動作時と同じ論理値が現れ、正しくレベル変換が行われる。そして出力論理値が確定した後の定常状態においては、回路ブロック21、22がCMOSのリーク電流以外の電力を消費することはない。
【0122】
前述の通り、このレベル変換器では、電位HVが低いほど、トランジスタX122,X124,X125,X127のソース−基板間電圧VSBの絶対値の最大値(HV−LL)が低下するため、ボディ効果の影響を受けにくくなる。
【0123】
このため、電位HVが許容可能な最大電圧、即ち高電圧トランジスタの定格電圧に等しい時に、回路ブロック21,22が正常に動作するように、レベル変換器を調整しておけば、電位HVをそれよりも低下させた場合でも、レベル変換器は、多くの場合に安定に動作する。
【0124】
以上説明したように、本実施形態1によれば、図1に示すような従来の低電圧から高電圧へレベル変換する回路(回路ブロック11、12)と組み合わせることにより、基準接地電位0Vと電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する機能を有するレベル変換器を実現することができる。
【0125】
そして、本実施形態1では、回路ブロック21と、回路ブロック21の各素子の逆極性素子で構成された回路ブロック22を備えるようにした。この結果、電位VGを、基準接地電位0Vから電位HV−LLの間で変化させた場合でも正常な動作を実現することができ、省電力化のために、或いは仕様に合わせて、電位HVを高電圧トランジスタの定格電圧よりも低く設定した場合でも、同様に正常な動作を実現でき、安定したレベル変換を行うことができる。また、入力信号が一定の論理値を保持し続ける定常状態においては消費電力が0となる。
【0126】
このため、高電圧集積回路の内部論理回路によるデータ受信に必要とされるレベル変換を行うことができ、外部のコントローラにより高電圧の集積回路を制御することができる。
【0127】
尚、回路ブロック20を複数の基本的機能ブロックを接続したシステムとして表したものが、図4に示す回路ブロック60である。
【0128】
回路ブロック60は、NchSW101と、PchLOAD102と、PchSW103と、NchLOAD104と、バッファ105と、によって構成される。
【0129】
NchSW101は、高電圧NMOSトランジスタによって構成されたスイッチング回路であり、端子IN,VG,OUTA,OUTBを有する。尚、NchSW101内部の高電圧NMOSトランジスタの基板電位は0Vに保持される。
【0130】
NchSW101は、端子INに供給された論理信号の論理値0/1に従って、端子VGと端子OUTAとの間を接続/開放、端子VGと端子OUTBとの間を開放/接続する機能を持つ。
【0131】
端子VGは、電圧VGの電源SRC13に接続される。端子INは、入力端子Port[HVIN]に接続され、電位0V/HVで表される高電圧論理信号が印加される。
【0132】
NchSW101は、図1の構成においてはトランジスタX109,X110,X122,X124を用いて実現されている。
【0133】
NchSW101の端子INは、インバータ13の入力端子ノードN14に、端子VGは、トランジスタX122、124のソース端子に対応する。
【0134】
端子OUTAは、トランジスタX124のドレイン端子に、端子OUTBは、トランジスタX122のドレイン端子に、それぞれ対応する。
【0135】
PchLOAD102は、端子VH,INA,INBを有する。PchLOAD102は、端子INA及びINBのうち一方がハイインピーダンス状態(開放状態)となり、他方に端子VHの電位よりもある一定値以上低い値の電圧が印加された状態となったときに、ハイインピーダンス状態となった方の端子の電位を端子VHの電位と等しい状態にする。
【0136】
端子VHは、電位(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続される。PchLOAD102の端子INAは、NchSW101の端子OUTAに接続される。この接続点をノードN41とする。PchLOAD102の端子INBは、NchSW101の端子OUTBに接続される。この接続点をノードN42とする。
【0137】
PchLOAD102は、図1の構成においてはトランジスタX121,X123を用いて実現されている。
【0138】
PchLOAD102の端子VHは、トランジスタX121、123のソース端子に対応する。端子INAは、トランジスタX123のドレイン端子とトランジスタX121のゲート端子とが接続されたノードに、端子INBは、トランジスタX121のドレイン端子とトランジスタX123のゲート端子とが接続されたノードに、それぞれ対応する。
【0139】
ノードN41,N42は、それぞれ、図1に示すノードN22,N21に対応する。
【0140】
PchSW103は、高電圧PMOSトランジスタによって構成されたスイッチング回路であり、端子IN,VH,OUTA,OUTBを有する。尚、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタの基板電位はHVに保持される。
【0141】
PchSW103は、端子INに供給された論理信号の論理値0/1に従って、端子VHと端子OUTAとの間を接続/開放、端子VHと端子OUTBとの間を開放/接続する機能を持つ。
【0142】
端子VHは、電位(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続される。端子INは、入力端子Port[HVIN]に接続され、電位0V/HVで表される高電圧論理信号が印加される。
【0143】
PchSW103は、図1の構成においてはトランジスタX109,X110,X125,X127を用いて実現されている。
【0144】
PchSW103の端子INは、インバータ13の入力端子ノードN14に、端子VHは、トランジスタX125、127のソース端子に対応する。
【0145】
端子OUTAは、トランジスタX125のドレイン端子に、端子OUTBは、トランジスタX127のドレイン端子に、それぞれ対応する。
【0146】
NchLOAD104は、端子VG,INA,INBを有する。NchLOAD104は、端子INA及びINBのうち一方がハイインピーダンス状態(開放状態)となり、他方に端子VGの電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となったときに、ハイインピーダンス状態となった方の端子の電位を端子VGの電位と等しい状態にする。
【0147】
端子VGは、電圧VGの電源SRC13に接続される。NchLOAD104の端子INAは、PchSW103の端子OUTAに接続される。この接続点をノードN43とする。NchLOAD104の端子INBは、PchSW103の端子OUTBに接続される。この接続点をノードN44とする。
【0148】
NchLOAD104は、図1の構成においてはトランジスタX126,X128を用いて実現されている。
【0149】
NchLOAD104の端子VGは、トランジスタX126、128のソース端子に対応する。
【0150】
端子INAは、トランジスタX126のドレイン端子とトランジスタX128のゲート端子とが接続されたノードに、端子INBは、トランジスタX128のドレイン端子とトランジスタX126のゲート端子とが接続されたノードに、それぞれ対応する。
【0151】
ノードN43,N44は、それぞれ、図1に示すノードN23,N24に対応し、ノードN41とノードN44とが接続され、ノードN42とノードN43とが接続される。
【0152】
バッファ105は、波形整形とファンアウトの強化を行うものである。バッファ105の入力端は、ノードN44に接続され、出力端は出力端子Poutに接続される。
【0153】
バッファ105は、図1の構成においてはトランジスタX129,X130を用いたインバータ23により実現されている。
【0154】
このように構成された回路ブロック60において、入力端子Port[HVIN]に電位0Vで表される高電圧論理信号が印加されると、NchSW101の端子INの電位が0Vに等しくなり、NchSW101は、端子OUTAと端子VGとを接続し、端子OUTBを開放状態とする。
【0155】
PchLOAD102の端子INAと電源SRC13の正極(電位VG)との間のインピーダンスが十分に低く、ノードN42がハイインピーダンス状態となれば、端子INA(ノードN41)の電位はVGとなり、端子INB(ノードN42)の電位は(VG+LL)となる。
【0156】
また、PchSW103は、端子OUTAと端子VHとを接続し、端子OUTBを開放状態とする。
【0157】
NchLOAD104の端子INAと電源SRC14の正極(電位VG+LL)との間のインピーダンスが十分に低く、ノードN44がハイインピーダンス状態となれば、端子INA(ノードN43)の電位はVG+LLとなり、端子INB(ノードN44)の電位はVGとなる。
【0158】
ノードN41とノードN44とは接続されており、その電位はともにVGであるから、インバータの機能を有するバッファ105が波形整形とファンアウトの強化を行った後の出力端子Poutの電位はVG+LLとなる。
【0159】
入力端子Port[HVIN]に電位HVで表される高電圧論理信号が印加されると、NchSW101の端子IN,PchSW103の電位がともにHVに等しくなる。この場合は、逆に出力端子Poutの電位はVGとなる。
【0160】
NchSW101の高電圧NMOSトランジスタは、電位VGが高くなるほど、ボディ効果の影響を受けて、そのスイッチングが困難となる。しかし、ノードN42とノードN43とが接続され、ノードN41とノードN44とが接続されており、電位VGが高くなるほど、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタへのボディ効果の影響は小さくなって、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタは安定して動作する。
【0161】
一方、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタは、電位VGが低くなるほどボディ効果の影響を受けて、そのスイッチングが困難となる。しかし、NchSW101の高電圧NMOSトランジスタへのボディ効果の影響は電位VGが低くなるほど小さくなって、NchSW101の高電圧NMOSトランジスタは安定して動作する。
【0162】
このように、図4に示す回路ブロック60において、電位VGが変化しても、NchSW101、PchSW103のうちのいずれか一方が安定してスイッチングを行うことになる。
【0163】
従って、レベル変換器は、電位VGの高低に依らず、正常にレベル変換された電位VG/(VG+LL)により2つの論理値を表す論理信号を出力端子OUTから出力するようになる。
【0164】
尚、回路ブロック60のNchSW101、PchLOAD102、PchSW103、NchLOAD104、バッファ105は、それぞれ、回路ブロック20に対応したものに限定されるものではない。
【0165】
例えば、NchLOAD104は、端子INAと端子VGとの間、端子INBと端子VGとの間に抵抗を接続することにより、あるいはカレントミラーにより構成されることも可能である。ただしこれらの構成では、図1の回路と異なり、定常状態においてもその動作電流が0とはならず、消費電力が増加することになる。
【0166】
このように、図1に示すレベル変換器の回路ブロック20は、図4に示す回路ブロック60として表すことができる。
【0167】
(実施形態2)
実施形態2に係るレベル変換器は、可変接地電位である電位VGと、VGに正の定数LLを加算して得られる値の電位VGと同期して変化する電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、基準接地電位0Vと低い固定の電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換するようにしたものである。
【0168】
実施形態2に係るレベル変換器は、図2に示すように、回路ブロック30と回路ブロック40とによって構成される。
【0169】
このレベル変換器は、実施形態1と同様、例えば、高電圧集積回路の外部に備えられたマイクロコントローラのような制御論理回路と、高電圧集積回路の内部に設けられた内部論理回路と、の間に接続される。
【0170】
入力端子Pinは、内部論理回路に接続され、電位VGと電位(VG+LL)とで論理値が設定される低電圧の入力信号(論理信号)が供給される。また、出力端子Poutは、制御論理回路に接続され、レベル変換器は、この制御論理回路に、基準接地電位0V又は電位LVの出力信号Soutを供給する。
【0171】
回路ブロック30は、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、0Vと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号に変換する回路ブロックである。
【0172】
回路ブロック40は、接地電位0Vと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される高電圧の論理信号を、0Vと電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する回路である。
【0173】
回路ブロック30は、トランジスタX201〜X206を備える。トランジスタX201は低電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX202は低電圧NMOSトランジスタである。
【0174】
トランジスタX203とトランジスタX205は、互いに同一のパラメータを有する高電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX204とトランジスタX206とは、互いに同一のパラメータを有する高電圧NMOSトランジスタである。
【0175】
トランジスタX203,X205は、低いゲート−ソース間電圧で駆動された場合でも、ドレイン−ソース間の抵抗が十分に低くなるように、そのW値が大きなものが用いられる。また、トランジスタX204,X206には、ドレイン−ソース間抵抗を増加させ、スイッチング動作中にそのドレイン−ソース間に現れる電圧降下を大きくするために、そのL値が大きなものが用いられる。
【0176】
トランジスタX201のソース、基板は、電位が(VG+LL)である電源SRC14の正極に接続され、トランジスタX201のドレインとトランジスタ202のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN31とする。トランジスタX202のソース、基板は、電位がVGである電源SRC13の正極に接続される。電源SRC13及びSRC14の各負極は、いずれも0Vに接地される。
【0177】
トランジスタX201のゲート、トランジスタX202のゲートは、ともに入力端子Pinに接続される。
【0178】
トランジスタX203のソースは、電源SRC14の正極に接続され、基板は、電位がHVである電源SRC12の正極に接続される。トランジスタX203のドレインとトランジスタX204のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN32とする。トランジスタX204のソース、基板及び電源SRC12の負極は、0Vに接地される。
【0179】
トランジスタX205のソースは、電源SRC14の正極に接続され、基板は、電源SRC12の正極に接続される。トランジスタX205のドレインとトランジスタ206のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN33とする。トランジスタX206のソース、基板は、0Vに接地される。
【0180】
トランジスタX203のゲートはノードN31に接続され、トランジスタX204のゲートはノードN33に接続される。トランジスタX205のゲートは、入力端子Pinに接続され、トランジスタX206のゲートは、ノードN32に接続される。
【0181】
回路ブロック40は、回路ブロック41,42からなる。回路ブロック41は、トランジスタX211〜X214によって構成される。
【0182】
トランジスタX211とトランジスタX213とは、互いに同一のパラメータを有する低電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタX212とトランジスタX214とは、互いに同一のパラメータを有する高電圧NMOSトランジスタである。
【0183】
トランジスタX211のソース、基板は、電位がLVである電源SRC11の正極に接続され、トランジスタX211のドレインとトランジスタX212のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN34とする。トランジスタX212のソース、基板及び電源SRC11の負極は、0Vに接地される。
【0184】
トランジスタX213のソース、基板は、電源SRC11の正極に接続され、トランジスタX213のドレインとトランジスタX214のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN35とする。トランジスタX214のソース、基板は、0Vに接地される。
【0185】
トランジスタX211のゲートはノードN35に接続され、トランジスタX212のゲートはノードN32に接続される。トランジスタX213のゲートはノードN34に接続され、トランジスタX214のゲートはノードN33に接続される。
【0186】
回路ブロック42はインバータを構成するものであり、トランジスタX216,X217によって構成される。トランジスタX216は低電圧PMOSトランジスタであり、トランジスタ217は低電圧NMOSトランジスタである。
【0187】
トランジスタX216のソース、基板は、電源SRC11の正極に接続され、トランジスタ216のドレインとトランジスタX217のドレインとは、互いに接続される。この接続点をノードN36とする。トランジスタ217のソース、基板は、0Vに接地される。
【0188】
トランジスタX216のゲートとトランジスタX217のゲートとは、ともにノードN35に接続される。
【0189】
次に実施形態2に係るレベル変換器の動作を説明する。
入力端子Pinに供給された論理信号の電位が(VG+LL)に等しい場合、トランジスタX205は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X205]が0Vとなるためオフする。
【0190】
またこの時、トランジスタX201及びX202からなるインバータの出力電位V[N31]がVGとなり、トランジスタX203は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X203]が−LLとなるためオンし、トランジスタX204がオフ状態である場合には、ノードN32の電位V[N32]は(VG+LL)になる。
【0191】
電位V[N32]が(VG+LL)になると、トランジスタX206は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X206]が(VG+LL)となるためオンする。
【0192】
トランジスタX205がオフしている状態で、トランジスタX206がオンすると、ノードN33の電位V[N33]は0Vになり、トランジスタX204は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X204]が0Vとなるためオフする。
【0193】
回路ブロック41のトランジスタX212は、電位V[N32]が(VG+LL)である時、ゲート−ソース間電圧Vgs[X212]が(VG+LL)となるためオンする。
【0194】
トランジスタX212がオンすると、この時電圧降下によりノードN34の電位V[N34]が理想的には0Vまで下降し、トランジスタX213は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X213]が−LVとなるためオンする。
【0195】
トランジスタX214は、電位V[N33]が0Vである時、ゲート−ソース間電圧Vgs[X214]が0Vとなるためオフする。トランジスタX214がオフ状態にあり、トランジスタX213がオン状態にある時、ノードN35の電位V[N35]はLVになる。
【0196】
電位V[N35]がLVになると、トランジスタX211は、ゲート−ソース間電圧Vgs[X211]が0Vとなるためオフする。
【0197】
また、電位V[N35]がLVになると、回路ブロック42のインバーターによりノードN36の電位V[N36]は0Vとなり、回路ブロック40は、このノードN36の電位V[N36]=0Vを論理値0を表す論理信号として出力する。
【0198】
一方、入力端子Pinに供給された論理信号の電位がVGに等しい場合には、V[N36]=LVとなることが分かる。
【0199】
この回路ブロック30は、図8に示す従来のレベル変換器における、各トランジスタの極性を反転し、その接地ラインに電源SRC14が接続され、低電圧電源ラインに電源SRC1(電位LV)の代わりに、電源SRC13が接続され、高電圧電源ラインに電源SRC2(電位HV)の代わりに、0V、即ち、接地ラインが接続された回路と殆ど同じ構造を有している。
【0200】
ただし、高電圧トランジスタX203と高電圧トランジスタX205との基板電位は可変電圧源SRC14の最大出力電圧、即ち電位HVに固定しておく必要があり、この基板電位は、トランジスタX203,X205のソースに印加される電位(VG+LL)とは異なっている。
【0201】
これに対して、図8に示すレベル変換器では、高電圧NMOSトランジスタX6,X8のソース電位と基板電位とは同じ0Vに保たれている。
【0202】
また、図8のレベル変換器では、接地ラインが0Vに固定されているのに対して、回路ブロック30の正電源ラインは、出力電圧(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続されており、電位VGは設定により変化させられる。
【0203】
従って、図8に示すレベル変換器と異なり、回路ブロック30では、高電圧PMOSトランジスタであるトランジスタX203,X205のソース−基板間電圧VSBが0V〜−(HV−LL)の範囲で変動し、前述のボディ効果の影響が顕著に現れる。
【0204】
特に、電位VGを0Vに設定した時に、トランジスタX203,X205のスレッショルド電圧VTNの絶対値が最も高くなり、従来のレベル変換器を用いると、スイッチング動作が困難となることがある。
【0205】
このため、回路ブロック30では、このボディ効果への対処として、特に、高電圧PMOSトランジスタであるトランジスタX203,X205には、従来のレベル変換器で用いられているトランジスタと比較してW値の大きなものが用いられ、スレッショルド電圧VTNがボディ効果により増大した場合でも、ドレイン−ソース間ON抵抗が十分低くなるように構成されている。
【0206】
また、高電圧NMOSトランジスタであるトランジスタX204,X206には、ドレイン−ソース間抵抗が増加し、スイッチング動作の際にドレイン−ソース間に現れる電圧降下量がより大きくなるように、従来のレベル変換器と比較してL値の大きなものが用いられる。
【0207】
尚、上記実施形態2において、レベル変換器は、回路ブロック30の代わりに、図3に示すような構成の回路ブロック50を備えてもよい。
【0208】
図2に示すレベル変換器では、特に電位(HV−LL)の値が大きくボディ効果の影響が顕著である場合には、高電圧PMOSトランジスタであるトランジスタX203,X205のW値と、高電圧NMOSトランジスタであるトランジスタX204,X206のL値を大きなものとする必要がある。
【0209】
このW値、L値が大きくなると、トランジスタX203,X205の集積回路上での面積が増加し、トランジスタX203,X205を駆動するための前段の低電圧トランジスタであるトランジスタX201,X202の面積も大きくする必要が生じ、回路ブロック30の占有面積が大きくなってしまう。
【0210】
図3に示す構成のレベル変換器は、この問題に対処し、小型化を図るために構成されたものであり、回路ブロック50は、図2の回路ブロック30が、さらに低電圧PMOSトランジスタX207,X208を備えたものである。
【0211】
トランジスタX207のソース、基板、トランジスタX208のソース、基板は、ともに電源SRC14の正極に接続される。
【0212】
高電圧PMOSトランジスタX203のソースはトランジスタX207のドレインに接続され、高電圧PMOSトランジスタX205のソースはトランジスタX208のドレインに接続される。
【0213】
トランジスタX207のゲートは入力端子Pinに接続される。トランジスタX208のゲートはノードN31に接続される。トランジスタX203及びX205の各ゲートは、電源SRC13の正極に接続される。
【0214】
このような回路構成とすることにより、低電圧トランジスタX207,X208のドレイン−ソース電圧の値を常に耐圧以下の0V〜−LLの範囲内に止め、且つ、高電圧NMOSトランジスタであるトランジスタX204,X206のドレイン電圧を、図2に示す回路ブロック30と同様に、0V/(VG+LL)の間で切り替えることが可能となる。
【0215】
図3の構成では、低電圧トランジスタX207,X208の基板電位とソース電位とは、ともに電位(VG+LL)に保持されているため、ボディ効果の影響を受けない。一方、高電圧PMOSトランジスタX203,X205は、その基板電位がHVに固定されているためボディ効果の影響を受ける。しかし、スイッチング動作時の、高電圧NMOSトランジスタX204,X206に対するドライブ電流を与える低電圧トランジスタX207,X208のスレッショルド電圧は、高電圧トランジスタのそれよりも低い。このため、図2の高電圧PMOSトランジスタX203,X205と比較して、図3のトランジスタX203,X205をより小さなW値の素子とした場合でも、通常あまりスイッチング特性を劣化させずに動作させることができる。
【0216】
また同時に、低電圧トランジスタX207,X208を用いているために、図2の回路に比べて、回路面積を殆ど増加させずに、スイッチング動作時のドレイン電流を容易に増加させることができる。
【0217】
このため、トランジスタX204,X206に、図2のそれよりもL値の小さな素子を用いて小面積化した場合でも、スイッチング動作時にそれぞれのドレイン−ソース間に現れる電圧降下量を十分大きなものとし、回路ブロック50を正常に動作させることが出来る。
【0218】
また、低電圧トランジスタX207,X208を用いているために前段のトランジスタX201,X202によって構成されるインバータをより小面積のものにすることが出来る。
【0219】
このように、回路ブロック50の構成は、回路ブロック30と比較して、高電圧トランジスタX207,X205が追加された構成となっており素子数は増加しているものの、前述のように性能を劣化させることなく、複数の素子を図2のそれらと比べてより小さなサイズとすることができるため、通常、回路ブロック50全体の面積は回路ブロック30のそれよりも小さなものとなる。
【0220】
また、電位HVが低いほど、図2に示すレベル変換器、図3に示すレベル変換器のトランジスタX203,X205のソース−基板間電圧VSBの最大値(HV−LL)が低下するため、スイッチング動作は容易となる。このため電位HVが、その最大値即ち高電圧トランジスタの定格電圧に等しい時に正常に動作するように、図2に示すレベル変換器又は図3に示すレベル変換器の回路を調整しておけば、電位HVが低い場合でも同じ回路を、通常問題なく動作させることができる。
【0221】
従って、電位VGと電位(VG+LL)とにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号を、基準接地電位0Vと電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換することができ、高電圧集積回路の内部論理回路によるデータ送信に必要とされるレベル変換を行うことができる。
【0222】
そして、電位VGを、基準接地電位0Vから電位HV−LLの間で変化させた場合でも正常な動作を実現することができ、省電力化のために電位HVを高電圧トランジスタの定格電圧よりも低く設定した場合でも、同様に正常な動作を実現でき、安定したレベル変換を行うことができる。また、入力信号が一定の論理値を保持し続ける定常状態においては、消費電力が0となる。
【0223】
次に、実施形態2に係るレベル変換器(図2,3)は、図5、図6に示すような複数の基本的機能ブロックを接続したシステムとして表すことができる。
【0224】
まず、図5に示すレベル変換器について説明する。
図5に示すレベル変換器は、回路ブロック70によって構成される。この回路ブロック70は、高電圧集積回路の内部低電圧論理回路から入力端子Port[LLIN]に電位VG/(VG+LL)で表される低電圧論理信号が印加されて基準接地電位0Vと低電位LVとにより2つの論理値0,1が表される低電圧の論理信号に変換する回路である。
【0225】
回路ブロック70は、回路ブロック60と同様に、NchSW101と、PchLOAD102と、PchSW103と、NchLOAD104と、バッファ105と、によって構成される。
【0226】
NchSW101と、PchLOAD102と、PchSW103と、NchLOAD104と、バッファ105は、それぞれ、図4に示すものと同様の機能を有している。尚、NchSW101内部の高電圧NMOSトランジスタの基板電位は0Vに保持され、PchSW103内部の高電圧PMOSトランジスタの基板電位はHVに保持される。
【0227】
PchSW103の端子INは、入力端子Port[LLIN]に接続され、電位VG/(VG+LL)で表される低電圧論理信号が印加される。
【0228】
PchSW103の端子VHは、電圧(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続される。NchLOAD104の端子VGは0Vの接地ラインに接続される。
【0229】
NchLOAD104の端子INAとPchSW103の端子OUTAとは接続され、その接続点をノードN45とする。NchLOAD104の端子INBとPchSW103の端子OUTBとは接続され、その接続点をノードN46とする。
【0230】
NchSW101の端子INは、ノードN45に接続され、端子VGは、0Vの接地ラインに接続される。PchLOAD102の端子VHは、電圧LVの電源SRC11の正極に接続される。
【0231】
PchLOAD102の端子INAとNchSW101の端子OUTAとは接続され、その接続点をノードN47とする。PchLOAD102の端子INBとNchSW101の端子OUTBとは接続され、その接続点をノードN48とする。
【0232】
バッファ105の入力端は、ノードN48に接続され、出力端は、出力端子Poutに接続される。
【0233】
PchSW103は、図2の構成においてはトランジスタX201,X202,X203,X205を用いて実現されている。
【0234】
PchSW103の端子INは、図2のPin端子に、端子VHは、トランジスタX203,205のソース端子に、それぞれ対応する。
【0235】
端子OUTAは、トランジスタX205のドレイン端子に、端子OUTBは、トランジスタX203のドレイン端子にそれぞれ対応する。
【0236】
NchLOAD104は、図2の構成においてはトランジスタX204,X206を用いて実現されている。端子VGは、トランジスタX204,206のソース端子に対応する。
【0237】
端子INAはトランジスタX206のドレイン端子とトランジスタX204のゲート端子とが接続されたノードに、端子INBは、トランジスタX204のドレイン端子とトランジスタX206のゲート端子とが接続されたノードに、それぞれ対応する。
【0238】
尚、ノードN45はノードN33に対応し、ノードN46は、ノードN32に対応する。
【0239】
NchSW101は、図2の構成においてはトランジスタX212,X214を用いて実現されている。端子INは、トランジスタX214のゲート端子に対応する。端子VGは、トランジスタX212,214のソース端子に対応する。
【0240】
端子OUTAは、トランジスタX212のドレイン端子に、端子OUTBは、トランジスタX214のドレイン端子に、それぞれ対応する。なお前述のとおり図2においてトランジスタX212のゲート端子には、トランジスタX214のゲート端子への入力論理信号を反転した値に相当する電圧が印加される。
【0241】
PchLOAD102は、図2の構成においてはトランジスタX211,X213を用いて実現されている。端子VHは、トランジスタX211,213のソース端子に対応する。
【0242】
端子INAは、トランジスタX211のドレイン端子とトランジスタX213のゲート端子とが接続されたノードに、端子INBは、トランジスタX213のドレイン端子とトランジスタX211のゲート端子とが接続されたノードに、それぞれ対応する。
【0243】
尚、ノードN47はノードN34に対応し、ノードN48は、ノードN35に対応する。
【0244】
バッファ105は、図2の構成においてはトランジスタX216及びX217からなるインバータを用いて実現されている。バッファ105の入力端は、ノードN48に接続され、出力端は、出力端子Poutに接続される。
【0245】
このように構成された回路ブロック70において、入力端子Port[LLIN]に電位VGで表される高電圧論理信号が印加されると、PchSW103の端子INの電位がVGに等しくなり、PchSW103は、端子OUTAと端子VHとを接続し、端子OUTBを開放状態とする。
【0246】
NchLOAD104の端子INAと電源SRC14の正極との間のインピーダンスが十分に低くなり、ノードN46がハイインピーダンス状態となれば、端子INAの電位は(VG+LL)となり、端子INBの電位は0Vとなる。
【0247】
このとき、ノードN45に接続されているNchSW101の端子INの電位もVG+LLに等しくなるため、端子OUTBと端子VGとが接続され、端子OUTAが開放状態となる。
【0248】
PchLOAD102の端子INBと0V接地ラインとの間のインピーダンスが十分低くなり、ノードN47がハイインピーダンス状態となると、端子INA(ノードN47)の電位はLVとなり、端子INB(ノードN48)の電位は0Vとなる。
【0249】
従って、インバータとして動作するバッファ105がノードN48の電圧を入力として波形整形とファンアウトの強化を行った後の出力信号Soutの電位は、LVとなる。
【0250】
一方、入力端子Port[LLIN]に電位VG+LLで表される高電圧論理信号が印加されると、この場合は、逆に出力信号Soutの電位は0Vとなる。
【0251】
なお、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタの基板電位は上述の通りHVに保持されている一方、当該トランジスタのソースには端子VHを介して電圧(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続されているため、当該トランジスタのソース電位は(VG+LL)以下となる。このため、電位VGが小さくなるほど、PchSW103内部の高電圧PMOSトランジスタは、ボディ効果の影響を受けて、そのスイッチングが困難となる。
【0252】
次に、図6に示すレベル変換器について説明する。
図6に示すレベル変換器は、回路ブロック80によって構成される。この回路ブロック80は、PchSW103と、NchLOAD104と、NchLIMITER106と、バッファ105と、によって構成される。PchSW103と、NchLOAD104と、バッファ105は、それぞれ、図4に示すものと同様の機能を有している。
【0253】
PchSW103の端子VHは、電圧(VG+LL)の電源SRC14の正極に接続され、端子INには、入力端子Port[LLIN]から電位VG/(VG+LL)で表される低電圧論理信号が印加される。また、NchLOAD104の端子VGは、0Vに接地される。
【0254】
尚、PchSW103内部に備えられた高電圧PMOSトランジスタの基板電位はHVに保持される。
【0255】
NchLIMITER106は、端子VB,INA,INB,OUTA,OUTBを有し、端子VBの電位が端子OUTAの電位よりも、ある一定値VT以上高い値となっている場合には、端子INAと端子OUTAの間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とする機能を持つ回路である。また、NchLIMITER106は、端子INB及びOUTBについても同様に、端子VBの電位が端子OUTBの電位よりも一定値VT以上高い値となっている場合には端子INBと端子OUTBの間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とする。
【0256】
端子VBには、参照電圧VBの電源SRC15の正極が接続される。
NchLIMITER106の端子INAとPchSW103の端子OUTAとが接続され、NchLIMITER106の端子INBとPchSW103の端子OUTBとが接続される。
【0257】
NchLIMITER106の端子OUTAとNchLOAD104の端子INAとが接続される。この接続点をノードN51とする。NchLIMITER106の端子OUTBとNchLOAD104の端子INBとが接続される。この接続点をノードN52とする。
【0258】
バッファ105の入力端は、ノードN51に接続され、出力端は、出力端子Poutに接続される。
【0259】
回路ブロック80は、NchLIMITER106を除くと、図5に示したPchSW103とNchLOAD104で構成される回路ブロック70の左側部分と同じトポロジーを持つことが分かる。従って回路ブロック70の説明から、NchLIMITER106の左右の電流路(すなわち、NchLIMITER106の端子INBから端子OUTBに至る電流路と、端子INAから端子OUTAに至る電流路)が両方とも導通状態にあると仮定した場合には、ノードN51或いはN52の電位が、入力信号に従って0VからVG+LLへ上昇することが理解される。
【0260】
ただし回路ブロック80においては、ノードN51、52の電位が電位(VB−VT)まで上昇した時点で、前述したNchLIMITER106の機能により、該当の電流路が非導通状態となる。電流の供給が遮断されることにより、電圧降下・充電による該ノードの電位上昇が停止させられる。
【0261】
このためノードN51及びノードN52の電位は入力論理信号の値に従って0V或いは(VB−VT)の値に設定されることが分かる。(VB−VT)がほぼLVと等しくなるようにVBの値を設定し、バッファ105を電源電圧LVで駆動させることで、端子Poutに0V/LVで2値を表す低電圧論理信号を出力させることができる。
【0262】
なお、PchSW103の高電圧PMOSトランジスタの基板電位は電位HVに保たれる一方で、ソース電位は端子VHの電位(VG+LL)以下となる。このため、電位VGが小さくなるほど、PchSW103内部の高電圧PMOSトランジスタは、ボディ効果の影響を受けて、そのスイッチングが困難となる。
【0263】
図7は図6の各回路ブロックをトランジスタレベルで実装した回路例である。
図7に示すレベル変換器は、回路ブロック90と回路ブロック42とによって構成される。
【0264】
PchSW103は、図7の構成においても図2におけるものと全く同じ構成と回路トポロジーでトランジスタX201,X202,X203,X205を用いて実現されている。
【0265】
NchLOAD104は、図7においても図2と全く同じ回路トポロジーでトランジスタX204,X206を用いて実現されている。ただし前述のように図6のシステムでは端子INA、INBの電位がLV以上に上昇しないように抑制されるため、トランジスタX204,X206として低電圧NMOSトランジスタを用い、図2と比較して小面積化することができる。
バッファ105は図7においてインバータ42を用いて実現されている。
【0266】
従って図2の場合と同様に、図7の回路により上述の機能を持つPchSW103、NchLOAD104、バッファ105が正しく実現されることが分かる。
【0267】
NchLIMITER106は、図7においてトランジスタX221,X222を用いて、実現されている。トランジスタX221,X222は、同種同サイズの高電圧NMOSトランジスタである。
【0268】
NchLIMITER106の端子INAはトランジスタX222のドレイン端子に、端子INBはトランジスタX221のドレイン端子に、それぞれ対応する。
【0269】
端子OUTAはトランジスタX222のソース端子に、端子OUTBはトランジスタX221のソース端子に、それぞれ対応する。
【0270】
端子VBは、トランジスタX221,X222の各ゲート端子が互いに接続されたノードに対応する。
【0271】
端子VBの電位VBからトランジスタX222のスレッショルド電圧VTを減じた値VB−VTよりも、端子OUTAの電位が低い場合にはトランジスタX222のドレイン−ソース間が導通状態となり、それ以外の場合には非導通状態となる。同様に端子OUTBの電位によりトランジスタX221の状態が変化させられる。従って図7の回路により上述の機能を持つNchLIMITER106が正しく実現されることが分かる。
【0272】
以上に説明した、トランジスタレベルで実現されたPchSW103,NchLIMITER106,NchLOAD104,バッファ105を図6に示されるトポロジーに従って接続すると、図7の回路が得られる。
【0273】
図2に示すレベル変換器に比べて、図7に示すレベル変換器では、回路ブロック30に相当するブロック1段で出力論理レベル0V/LVへの変換が行われているために回路ブロック41が不要となり削除されている。
【0274】
このため、一般的に図7に示すレベル変換器の回路は、図2に示すレベル変換器の回路と比べて、占有面積は小さくなり、消費電力も低くなる。
【0275】
上記実施形態1、2では、記述簡略化のため、正論理回路に適用した場合について説明した。しかし、上記実施形態を負論理回路に適用することも可能である。
【0276】
上記実施形態では、高電圧半導体プロセスの基板がPチャンネル半導体で構成され、該基板が回路中で最も低い電位0Vに接地されている場合を想定しているが、該基板がNチャンネル半導体で構成されている高電圧半導体プロセスを用いた場合にも、該基板が回路中で最も高い電位に接続されるようにして逆の極性のレベル変換器を構成することができる。
【0277】
実施形態1のレベル変換器は、図1,4に示す構成の回路に限定されるものではなく、実施形態2のレベル変換器は図2、3、5、6、7の構成の回路に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0278】
10(11〜13),20(21〜23),30,40(41,42),50,60,70,80,90 回路ブロック
X101,X103,X105,X107,X109,X121,X123,X125,X127,X129,X201,X203,X205,X207,X208,X211,X213,X216 トランジスタ(PMOSトランジスタ)
X102,X104,X106,X108,X110,X122,X124,X126,X128,X130,X202,X204,X206,X212,X214,X217 トランジスタ(NMOSトランジスタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号電位(0V)と第2の信号電位(HV)とによって2つの論理値が表される第1の論理信号を、前記第1の信号電位以上の第3の信号電位(VG)と前記第3の信号電位に正の電圧を加算したものに相当しかつ前記第2の信号電位以下である第4の信号電位(VG+LL)とによって当該2つの論理値が表される第2の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第1の信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VG)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Nチャンネル半導体素子の基板電位が前記第1の信号電位に保持され、前記第1の信号入力端子に前記第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記第1の信号入力端子に前記第2の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するNチャンネルスイッチ回路(NchSW)と、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、第2の信号入力端子(IN)、第2の電圧端子(VH)、第3の接続端子(OUTA)、第4の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記第2の信号入力端子に前記第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第3の接続端子とを接続すると共に前記第4の接続端子を開放し、前記第2の信号入力端子に前記第2の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第4の接続端子とを接続すると共に前記第3の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第3の電圧端子(VG)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)を有し、前記第5及び第6の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第3の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第3の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
第4の電圧端子(VH)、第7の接続端子(INA)、第8の接続端子(INB)を有し、前記第7及び第8の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第4の電圧端子の電位よりもある一定値以上低い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第4の電圧端子の電位と等しい状態にするPチャンネル負荷回路(PchLOAD)と、を備え、
前記第1の電圧端子と前記第3の電圧端子とが前記第3の信号電位に保たれ、
前記第2の電圧端子と前記第4の電圧端子とが前記第4の信号電位に保たれ、
前記第7の接続端子(PchLOAD;INA)と前記第1の接続端子(NchSW;OUTA)とが第1のノード(N41)で接続され、
前記第8の接続端子(PchLOAD;INB)と前記第2の接続端子(NchSW;OUTB)とが第2のノード(N42)で接続され、
前記第5の接続端子(NchLOAD;INA)と前記第3の接続端子(PchSW;OUTA)とが第3のノード(N43)で接続され、
前記第6の接続端子(NchLOAD;INB)と前記第8の接続端子(PchSW;OUTB)とが第4のノード(N44)で接続され、
前記第1のノードと前記第4のノードが接続され、
前記第2のノードと前記第3のノードが接続され、
前記第1及び第2の各信号入力端子に前記第1の論理信号が入力されて、
前記第1のノード乃至前記第2のノードのうちのいずれかから、前記第2の論理信号を出力する、
ことを特徴とするレベル変換回路。
【請求項2】
第1の信号電位(0V)以上の第3の信号電位(VG)と当該第3の電位より高い第4の信号電位(VG+LL)とによって2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の信号電位と前記第1の信号電位より高い第5の信号電位(LV)とによって当該2つの論理値が表される第3の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第1の信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VG)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Nチャンネル半導体素子の基板電位が前記第1の信号電位に保持され、前記第1の信号入力端子に第1の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記第1の信号入力端子に第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するNチャンネルスイッチ回路(NchSW)と、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、第2の信号入力端子(IN)、第2の電圧端子(VH)、第3の接続端子(OUTA)、第4の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記第2の信号入力端子に第3の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第3の接続端子とを接続すると共に前記第4の接続端子を開放し、前記第2の信号入力端子に第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第2の電圧端子と前記第4の接続端子とを接続すると共に前記第3の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第3の電圧端子(VG)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)を有し、前記第5及び第6の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第3の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第3の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
第4の電圧端子(VH)、第7の接続端子(INA)、第8の接続端子(INB)を有し、前記第7及び第8の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第4の電圧端子の電位よりもある一定値以上低い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第4の電圧端子の電位と等しい状態にするPチャンネル負荷回路(PchLOAD)と、を備え、
前記第1の電圧端子と第3の電圧端子とが前記第1の信号電位に保たれ、
前記第2の電圧端子が前記第4の信号電位に保たれ、
前記第4の電圧端子が前記第5の信号電位に保たれ、
前記第5の接続端子(NchLOAD;INA)と前記第3の接続端子(PchSW;OUTA)とが第1のノード(N45)で接続され、
前記第6の接続端子(NchLOAD;INB)と前記第4の接続端子(PchSW;OUTB)とが第2のノード(N46)で接続され、
前記第7の接続端子(PchLOAD;INA)と前記第1の接続端子(NchSW;OUTA)とが第3のノード(N47)で接続され、
前記第8の接続端子(PchLOAD;INB)と前記第2の接続端子(NchSW;OUTB)とが第4のノード(N48)で接続され、
前記第1の信号入力端子と前記第1のノードが接続され、
前記第2の信号入力端子に前記第2の論理信号が入力されて、
前記第3のノード又は前記第4のノードから、前記第3の論理信号を出力する、
ことを特徴とするレベル変換回路。
【請求項3】
第1の信号電位(0V)以上の第3の信号電位(VG)と当該第3の電位より高い第4の信号電位(VG+LL)とによって2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の信号電位と前記第1の信号電位より高い第5の信号電位(LV)とによって当該2つの論理値が表される第3の論理信号に変換して出力するレベル変換回路において、
Pチャンネル半導体素子によって構成され、信号入力端子(IN)、第1の電圧端子(VH)、第1の接続端子(OUTA)、第2の接続端子(OUTB)を有し、前記Pチャンネル半導体素子の基板電位が前記第4の信号電位よりも高い電位(HV)に保持され、前記信号入力端子に前記第3の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第1の接続端子(OUTA)とを接続すると共に前記第2の接続端子を開放し、前記信号入力端子に前記第4の信号電位の電圧が印加されたとき前記第1の電圧端子と前記第2の接続端子(OUTB)とを接続すると共に前記第1の接続端子を開放するPチャンネルスイッチ回路(PchSW)と、
第2の電圧端子(VG)、第3の接続端子(INA)、第4の接続端子(INB)を有し、前記第3及び第4の接続端子のうち一方が開放状態となり、尚且つ他方に前記第2の電圧端子の電位よりもある一定値以上高い値の電圧が印加された状態となった時に、開放状態となった方の接続端子の電位を前記第2の電圧端子の電位と等しい状態にするNチャンネル負荷回路(NchLOAD)と、
Nチャンネル半導体素子によって構成され、第3の電圧端子(VB)、第5の接続端子(INA)、第6の接続端子(INB)、第7の接続端子(OUTA)、第8の接続端子(OUTB)を有し、前記第3の電圧端子の電位から前記第7の接続端子の電位を減じた電位差が所定の閾値電圧よりも大きな時には、前記第5の接続端子と前記第7の接続端子の間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とし、前記第3の電圧端子の電位から前記第8の接続端子の電位を減じた電位差が前記閾値電圧よりも大きな時には、前記第6の接続端子と前記第8の接続端子の間を導通状態とし、それ以外の場合には開放状態とするNチャンネル電圧制限回路(NchLIMITER)と、を備え、
前記第1の電圧端子が前記第4の信号電位に保たれ、前記第2の電圧端子が前記第1の信号電位に保たれ、前記第3の電圧端子に、予め設定された前記第5の信号電位以上の値の参照電圧が印加され、
前記第1の接続端子と前記第5の接続端子とが接続され、
前記第2の接続端子と前記第6の接続端子とが接続され、
前記第3の接続端子と前記前記第7の接続端子とが第1のノードで接続され、
前記第4の接続端子と前記前記第8の接続端子とが第2のノードで接続され、
前記信号入力端子に前記第2の論理信号が入力されて、
前記第1のノード又は前記第2のノードから、前記第3の論理信号を出力する、
ことを特徴とするレベル変換回路。
【請求項4】
第1の基準電位(0V)と第1の電位(HV)とで2つの論理値が表される第1の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)以上の第2の基準電位(VG)と、前記第1の電位(HV)以下の電位であって前記第2の基準電位(VG)に正の電圧(LL)を加算したものに相当する第2の電位(VG+LL)とで当該2つの論理値が表される第2の論理信号に変換する第1の回路ブロック(21)と第2の回路ブロック(22)とを備え、
前記第1の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第1のトランジスタ(X121)と、第2のトランジスタ(X122)と、第3のトランジスタ(X123)と、第4のトランジスタ(X124)と、を備え、
前記第1のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と、前記第3のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第1のトランジスタの電流路の他端に前記第2のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第3のトランジスタの電流路の他端に前記第4のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第2のトランジスタの電流路の他端と前記第4のトランジスタの電流路の他端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第2のトランジスタの素子基板と前記第4のトランジスタの素子基板とに前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第1のトランジスタの電流路の他端と前記第2のトランジスタの電流路の一端との接続点を第1のノード(N21)、前記第3のトランジスタの電流路の他端と前記第4のトランジスタの電流路の一端との接続点を第2のノード(N22)として、前記第2のノードに前記第1のトランジスタの制御端が接続され、前記第1のノードに前記第3のトランジスタの制御端が接続された構成を有し、
前記第2の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第5のトランジスタ(X125)と、第6のトランジスタ(X126)と、第7のトランジスタ(X127)と、第8のトランジスタ(X128)と、を備え、
前記第5のトランジスタの電流路の一端と前記第7のトランジスタの電流路の一端とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第5のトランジスタの素子基板と前記第7のトランジスタの素子基板とに前記第1の電位(HV)が印加され、
前記第5のトランジスタの電流路の他端に前記第6のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第7のトランジスタの電流路の他端に前記第8のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第6のトランジスタの電流路の他端と前記第8のトランジスタの電流路の他端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第5のトランジスタの電流路の他端と前記第6のトランジスタの電流路の一端との接続点を第3のノード(N23)、前記第7のトランジスタの電流路の他端と前記第8のトランジスタの電流路の一端との接続点を第4のノード(N24)として、前記第4のノードに前記第6のトランジスタの制御端が接続され、前記3のノードに前記第8のトランジスタの制御端が接続された構成を有し、
前記第1の回路ブロックの前記第1のノードと前記第2の回路ブロックの前記第3のノードとが接続され、前記第1の回路ブロックの前記第2のノードと前記第2の回路ブロックの前記第4のノードとが接続され、
前記第2のトランジスタの制御端と前記第5のトランジスタの制御端とが接続され、前記第4のトランジスタの制御端と前記第7のトランジスタの制御端とが接続され、
前記第2のトランジスタの制御端と前記第5のトランジスタの制御端との接続点、前記第4のトランジスタの制御端と前記第7のトランジスタの制御端との接続点に、前記第1の基準電位(0V)又は前記第1の電位(HV)が印加されて、前記第1のノードと前記第3のノード又は前記第2のノードと前記第4のノードから、前記第2の基準電位(VG)又は前記第2の電位(VG+LL)の前記第2の論理信号を出力するように構成された、
ことを特徴とするレベル変換回路。
【請求項5】
前記第1のトランジスタ、前記第3のトランジスタ、前記第5のトランジスタ及び前記第7のトランジスタは、PMOSトランジスタであり、前記第2のトランジスタ、前記第4のトランジスタ、前記第6のトランジスタ及び前記第8のトランジスタは、NMOSトランジスタによって構成されたものである、
ことを特徴とする請求項4に記載のレベル変換回路。
【請求項6】
前記第1のトランジスタと前記第3のトランジスタとは、ほぼ同じ特性を有する素子であり、前記第5のトランジスタと前記第7のトランジスタとは、ほぼ同じ特性を有する素子によって構成されたものである、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のレベル変換回路。
【請求項7】
前記第1の基準電位(0V)と、前記第1の基準電位(0V)よりも高く、かつ前記第1の電位(HV)よりも低い第3の電位(LV)とで前記2つの論理値が表される第3の論理信号を前記第1の論理信号に変換し、当該第1の論理信号を前記第1の回路ブロックと前記第2の回路ブロックとに供給する第3の回路ブロック(10)を備えた、
ことを特徴とする請求項4、5又は6に記載のレベル変換回路。
【請求項8】
第1の基準電位(0V)以上の第2の基準電位(VG)と、前記第1の電位(HV)以下の電位であって前記第2の基準電位(VG)に正の電圧(LL)を加算したものに相当する第2の電位(VG+LL)とで2つの論理値が表される第2の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)と前記第2の電位(VG+LL)とで前記2つの論理値が表される第4の論理信号に変換する第4の回路ブロック(30)を備え、
前記第4の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第9のトランジスタ(X201)と、第10のトランジスタ(X202)と、第11のトランジスタ(X205)と、第12のトランジスタ(X203)と、第13のトランジスタ(X204)と、第14のトランジスタ(X206)と、を備え、
前記第9のトランジスタの電流路の一端と素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第10のトランジスタの電流路の一端が前記第9のトランジスタの電流路の他端に接続され、前記第10のトランジスタの電流路の他端と素子基板とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端と前記第11のトランジスタの制御端とが接続され、
前記第11のトランジスタの電流路の一端と前記第12のトランジスタの電流路の一端とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第11のトランジスタの素子基板と前記第12のトランジスタの素子基板とに前記第1の電位(HV)が印加され、
前記第11のトランジスタの電流路の他端に前記第14のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第12のトランジスタの電流路の他端に前記第13のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第13のトランジスタの電流路の他端及び素子基板と前記第14のトランジスタの電流路の他端及び素子基板とに前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第9のトランジスタの電流路の他端と前記第10のトランジスタの電流路の一端との接続点(N31)に前記第12のトランジスタの制御端が接続され、
前記第12のトランジスタの電流路の他端と前記第13のトランジスタの電流路の一端との接続点を第5のノード(N32)、前記第11のトランジスタの電流路の他端と前記第14のトランジスタの電流路の一端との接続点を第6のノード(N33)として、
前記第13のトランジスタの制御端が前記第6のノードに接続され、前記第14のトランジスタの制御端が前記前記第5のノードに接続され、
前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端と前記第11のトランジスタの制御端との接続点に前記第2の論理信号が供給され、
前記第5のノード又は前記第6のノードから、前記第1の基準電位(0V)又は前記第2の電位(VG+LL)の前記第4の論理信号を出力する、
ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のレベル変換回路。
【請求項9】
前記第9のトランジスタ、前記第11のトランジスタ及び前記第12のトランジスタは、PMOSトランジスタによって構成され、前記第10のトランジスタ、前記第13のトランジスタ及び前記第14のトランジスタは、NMOSトランジスタによって構成されたものである、
ことを特徴とする請求項8に記載のレベル変換回路。
【請求項10】
前記第4の回路ブロックは、さらに、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第15のトランジスタ(X207)と、第16のトランジスタ(X208)と、を備え、
前記第15のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と前記第16のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第2の電位(VG+LL)が印加され、
前記第15のトランジスタの電流路の他端が前記第12のトランジスタの電流路の一端に接続され、前記第16のトランジスタの電流路の他端が前記第11のトランジスタの電流路の一端に接続され、
前記第11のトランジスタの制御端と前記第12のトランジスタの制御端とに前記第2の基準電位(VG)が印加され、
前記第15のトランジスタの制御端が前記第9のトランジスタの制御端と前記第10のトランジスタの制御端との接続点に接続され、前記第16のトランジスタの制御端が前記第9のトランジスタの電流路の他端と前記第10のトランジスタの電流路の一端との接続点(N31)に接続された構成を有する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のレベル変換回路。
【請求項11】
前記第4の論理信号を、前記第1の基準電位(0V)と前記第3の電位(LV)とで前記2つの論理値が表される前記第5の論理信号に変換する第5の回路ブロック(40)を備え、
前記第5の回路ブロックは、
電流路と制御端とを有するトランジスタとして、第17のトランジスタ(X211)と、第18のトランジスタ(X212)と、第19のトランジスタ(X213)と、第20のトランジスタ(X214)と、備え、
前記第17のトランジスタの電流路の一端及び素子基板と前記第19のトランジスタの電流路の一端及び素子基板とに前記第4の電位(LV)が印加され、
前記第17のトランジスタの電流路の他端に前記第18のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第19のトランジスタの電流路の他端に前記第20のトランジスタの電流路の一端が接続され、
前記第18のトランジスタの電流路の他端と素子基板及び前記第20のトランジスタの電流路の他端と素子基板に前記第1の基準電位(0V)が印加され、
前記第17のトランジスタの電流路の他端と前記第18のトランジスタの電流路の一端との接続点を第7のノード(N34)、前記第19のトランジスタの電流路の他端と前記第20のトランジスタの電流路の一端との接続点を第8のノード(N35)として、
前記第8のノードに前記第17のトランジスタの制御端が接続され、前記第7のノードに前記第19のトランジスタの制御端が接続され、
前記第20のトランジスタの制御端に前記第4の論理信号が供給され、前記第18のトランジスタの制御端に当該第4の論理信号を反転したものに相当する信号が供給されて、
前記第7のノード又は前記第8のノードから、前記基準電位(0V)又は前記第3の電位(LV)の前記第5の論理信号を出力するように構成された、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のレベル変換回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−176767(P2011−176767A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40991(P2010−40991)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000100746)アイコム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】