説明

ロゴプレート

【課題】ロゴプレート本体と、ロゴプレート本体を被装着物に固定する締結具との係合・解除を容易にし作業性を高め、それぞれ、簡単に再利用に供することができる構造にする。
【解決手段】ロゴプレ−ト本体1の裏面に所定の長さの脚部2を突設し、脚部の先端に外側に張り出した異形部分3を形成し、締結具4に、異形部分3と相補的形状の透孔を形成し、異形部分3を相補的形状の透孔に挿通した後、締結具4を回転して異形部分と締結具を係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロゴプレートに関し、特に自動車の床に敷くマット、いわゆるカーフロアマットに装着するロゴプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロゴマーク、商品名、製造業者名、図形、模様、文字或いはそれらを組み合わせた意匠が施された金属製、合成樹脂製のプレートが、自動車用各種部品、装飾品、家電製品、家具、雑貨等に装着されている。本発明では、用途に限らず、これらを総称して「ロゴプレート」と言う。
【0003】
ロゴプレートは、大きく分類すると、被着体に接着剤等で固着するタイプと、着脱可能に取り付けるタイプの2種類がある。資源の再利用と言う観点から、また、被着体の種類によっては、被着体に接着剤等で固着するタイプより、着脱可能なタイプのロゴプレートの方が好ましく、本発明のロゴプレートも着脱可能なタイプに属する。
【0004】
被着体から着脱可能なタイプのロゴプレートは、主として、ロゴマーク、商品名、製造業者名、或いは図形、模様、文字或いはそれらを組み合わせた意匠が施された金属製、合成樹脂製の本体と、本体を着脱可能に被着体に固定する締結部材とから構成されている。
【0005】
従来から、このタイプのロゴプレートは、多種多様なものが提案されているが、構造的には、ロゴマーク、商品名、製造業者名、或いは図形、模様、文字或いはそれらを組み合わせた意匠が施された金属製、合成樹脂製の本体及び本体の裏面に取付けられている脚部と、脚部と着脱可能に嵌合する締結部材とから構成されている。
【0006】
この種のロゴプレートは、用途によっては相当過酷な使用状態におかれる場合がある。たとえば、自動車の床に敷くマット、いわゆるカーフロアマットに装着するロゴプレートの場合は、装飾品、家電製品、家具、雑貨等に装着されるロゴプレートと異なり、乗車する人により、絶えず、踏まれたり、清掃時には、清掃用具で叩かれたり、はたかれたりされる。従って、どのような過酷な使用条件下でも、ロゴプレートがカーフロアマットから容易に脱落するようなものであってはならない。他方、カーフロアマットの再生利用という観点からは、簡単な操作で、ロゴプレートの本体と締結部材が容易に外れることが、再生利用に要するコストの低減という点からも理想的である。従って、カーフロアマットに装着するロゴプレートの場合は、上述した2点、すなわち、過酷な使用条件下でも、ロゴプレートがカーフロアマットから容易に脱落しないこと、および使用済みのカーフロアマットの再生利用という観点からは、簡単な操作で、ロゴプレートの本体と締結部材が容易に外れることの二律背反を解決することが強く望まれる。
【0007】
特許文献1は、ネームプレートと、ネームプレートの背面に位置する複数の脚部と、取付対象部材を挟んで脚部を固定する固定具からなり、脚部は、その頂部に水平方向片側のみに張り出す膨出部を有し、固定具は、中央に第1孔を有する第1リングと、この第1孔よりも小さい第2孔を有する第2リングとを上下に一体化させてなり、係合完成時には、脚部の膨出部が固定具の第1孔と第2孔との境界に形成される段部に着座し、しかも脚部の膨出部の配置方向が異なることを特徴とするネームプレート取付具を開示している。
【0008】
特許文献1に記載されたネームプレートは、第2孔の方が第1孔よりも小さいため、カーペットに取り付けるには、脚部の頂部を傾けて第2孔に通す必要がある。従って、大判で重量があるカーペットの場合、取り付けは、必ずしも簡単ではない。
【0009】
特許文献2は、本体と脚部からなるネームプレートと、頭部と中空の脚部からなる裏当てキャップとで構成されるネームプレート取付具であって、ネームプレート脚部には、突出部分があり、裏当てキャップの中空脚部の中空直径がネームプレート脚部の突出部分のない部分の直径とほぼ同じにしてあるネームプレート取付具を開示している。
【0010】
特許文献2が開示しているネームプレート取付具は、キャップの中空脚部を、変形させつつネームプレートの突出部分と摩擦係合させてかしめるものである。従って、材料がアルミ等金属のように展延性がある場合は実用性があるが、剛体の合成樹脂の場合、破断する恐れがある。
【0011】
特許文献3は、被着体に少なくとも2個の取付穴を開設し、銘板は弾性ある材料で形成するとともに銘板には取付穴に係合する係合片を設け、係合片には銘板の外側に突出する突出部を形成し、突出部は銘板の取付方向に先尖りに形成し、係合片を取付穴に係合せしめてなる銘板取付体を開示している。
【0012】
特許文献3が開示している銘板取付体は、取付穴に係合片を適合させつつ取付方向に押圧して、取付穴に傾斜する側辺部を当接させ、傾斜に沿って力を発生させ、銘板本体に曲げトルクを発生させ、この曲げトルクが弾性ある銘板を屈曲させて、係合させるものである。従って、材料が弾性がある場合は実用性があるが、剛体の合成樹脂の場合、破断する恐れがある。さらに、一旦係合させると、銘板と銘板取付体を容易には解離させることが出来ないという欠点がある。
【0013】
特許文献4は、概略、銘板の裏面に二個一組の取付ピンを突設し、カーペット等被装着物を挟んで取付ピンに止め具を嵌挿装着した後、カーペット等被装着物の裏面から出た止め具の頭部同士を取付部材で弾圧する構造の銘板類の取付構造を開示している。
【0014】
特許文献4が開示している銘板類の取付構造の必須部材の一つである取付部材は、自然状態で湾曲した反りを有する板バネである。この板バネの両端部を2個の止め具の頭部同士に係合させ、板バネの反りを戻することにより外側に向かう反発力を利用して固定するものである。この銘板類の取付構造の欠点は、少なくとも銘板の裏面に突設された二個の取付ピン同士の距離の長さを必要とする比較的大きな取付部材という部品を必要とすることである。このことは取付作業を煩雑にし、全体コストを引き上げることになる。
【0015】
特許文献5は、概略、銘板の裏面に二個一組の取付ピンを突設し、カーペット等被装着物を挟んで取付ピンに止め具を装着する銘板類の取付構造を開示している。
【0016】
特許文献5が開示している銘板類の取付構造の必須部材の一つである止め具は、短冊状の板体である。この短冊状の板体の両端部に取付ピンを挿通させる大きさおよび形状の貫通孔を設け、その貫通孔に取付ピンを挿通させて固定するものである。この銘板類の取付構造の欠点は、少なくとも銘板の裏面に突設された二個の取付ピン同士の距離の長さを必要とする比較的大きな短冊状の板体である止め具という部品を必要とすることである。このことは取付作業を煩雑にし、全体コストを引き上げることになる。
【0017】
特許文献6は、概略、銘板の裏面に二個一組の取付ピンを突設し、取付ピンを被装着物に通し、取付ピンの先端に止め具を装着して銘板を被装着物に取り付ける銘板類の取付構造を開示している。
【0018】
特許文献6が開示している銘板類の取付構造では、止め具が被装着物の厚さを挟持する係止頭部と、被装着物の厚さと同じ長さの中空脚部を備えている。この中空脚部の孔に取付ピンを挿入するのであるが、この挿入作業は、それぞれの位置決め作業等があり、それほど簡単ではなく、全体コストを引き上げることになる。
【0019】
【特許文献1】特許第3597749号公報
【特許文献2】登録実用新案第3107668号公報
【特許文献3】実開昭53−126597号公報
【特許文献4】特許第3022883号公報
【特許文献5】特許第3059702号公報
【特許文献6】登録実用新案第3063511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
以上述べたように、従来のロゴプレート、即ち、銘板等の取付構造は、全体の部品の個数、ロゴプレート本体と締結具との締結方法等に難点があった。
【0021】
従って、発明が解決しようとする主な課題は、カーペット等被装着物に装着するロゴプレートの全体の部品を、ロゴプレート本体と、ロゴプレート本体を被装着物に固定する締結具の2種類、2個で構成し、作業性効率をよくし、全体のコストを低減することである。
【0022】
発明が解決しようとする別の課題は、ロゴプレート本体を被装着物に固定する締結具に、従来技術のように、被装着物の厚さと同じ長さの中空脚部を穿設せずに、成るべく平坦の形状構造にすることにより、ロゴプレート本体との締結作業に煩雑な位置決め作業を不要にすることである。
【0023】
発明が解決しようとするさらに別の課題は、一旦締結されたロゴプレート本体と締結具を、簡単な作業で締結状態を解除できるような形状構造にすることにより、被装着物、ロゴプレート本体、および締結具を、それぞれ、再利用できるようにすることである。
【0024】
発明が解決しようとするさらに別の課題は、上述した課題を解決することにより、ロゴプレート本体と締結具の材料の選択の幅を金属、合成樹脂、ゴム、セラミックス、木材或いはこれらの組合せと拡げ、ロゴプレート本体に、彫刻、メッキ、手書き模様等様々な意匠を施すことを可能にすることである。
【0025】
本発明のその他の解決しようとする課題及び利点は、以下逐次明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
【0027】
1.ロゴプレ−ト本体と、被装着物を挟持してロゴプレ−ト本体を締結する締結具との組合せからなるロゴプレ−トにおいて、ロゴプレ−トの裏面に所定の長さの脚部が突設されていて、脚部の先端には外側に張り出した異形部分が形成されていること、締結具に、前記異形部分と相補的形状の透孔が形成されていて、前記異形部分を相補的形状の透孔に挿通した後、締結具を回転して前記異形部分と締結具を係合するようになっているロゴプレ−ト。
【0028】
2.前記1項において、異形部分を、それぞれ離隔して複数個形成する。
【0029】
3.前記1または2項において、締結具を、底面部と、底面部と同心的に底面部と一体的に立設された筒部から構成し、筒部の上端部の内周縁部に鍔部を形成する。
【0030】
4.前記1〜3項のいずれか1項において、締結具の底面部に、締結具を左右自在に回転させるための機構を形成する。
【発明の効果】
【0031】
請求項1記載の発明により、下記に例示する効果を奏功する。
1.ロゴプレ−トの裏面に突設された脚部の先端に外側に張り出して形成された異形部分を、締結具に形成された異形部分と相補的形状の透孔に挿通した後締結具を回転するだけで異形部分と締結具を係合することができるので、従来技術のように締結具同士を係合する取付部材等付帯部材を必要としない。即ち、請求項1記載の発明のロゴプレートは、ロゴプレ−ト本体と締結具の2種類、2個の部品以外の部品を必要としない。
【0032】
2.ロゴプレ−ト本体と締結具の締結は、ロゴプレ−ト本体の裏面に突設された脚部の先端に外側に張り出して形成された異形部分を、締結具に形成された異形部分と相補的形状の透孔に挿通した後締結具を回転するだけで完了する。従って、脚部と締結具の締結を、従来技術のように摩擦係合や材料の弾性を利用する方法と比べて、ロゴプレ−ト本体及び締結具の材料の選択の幅が拡大される。
【0033】
請求項2記載の発明により、請求項1記載の発明において、異形部分を、それぞれ離隔して複数個形成することにより、ロゴプレ−ト本体と締結具の締結が、一層強力になる。
【0034】
請求項3記載の発明により、請求項1または2に記載した発明において、締結具を、底面部と、底面部と同心的に底面部と一体的に立設された筒部から構成し、筒部の上端部の内周縁部に鍔部を形成することにより、下記に例示する効果を奏功する。
1.筒部の高さを、被装着物、たとえばカーフロアマットの厚さと同じにすることにより、ロゴプレートを被装着物へ装着が完了した時点で、締結具の底面と被装着物の底面を同一平面に配設するか或いはほぼ同じ平面に配設することができるので、床面との違和感が無い。
【0035】
2.締結具を回転させて、鍔部と異形部分を当設させることにより、ロック機構が形成され、ロゴプレート本体を締結具に係合することができる。
【0036】
請求項4記載の発明により、請求項1〜3項のいずれか1項に記載した発明において、締結具の底面部に、締結具を左右自在に回転させるための締結具回転機構を形成することにより、脚部を締結具に挿通した後、この締結具回転機構を利用することにより脚部と締結具を容易に係合することができ、また一旦締結した脚部と締結具を容易に解除することができ、被装着物、ロゴプレ−ト本体、及び締結具を、それぞれ、完全に分離して再利用工程に付すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1−1〜図1−6は、本発明の1実施例によるロゴプレートの全部品を配列した説明図であり、具体的には、図1−1は本発明の1実施例によるロゴプレート本体の平面図、図1−2は本発明の1実施例によるロゴプレート本体の底面図、図1−3は本発明の1実施例によるロゴプレート本体の側面図、図1−4は本発明の1実施例による締結具の平面図、図1−5は本発明の1実施例による締結具の底面図、図1−6は本発明の1実施例による締結具の断面図である。
【0038】
図1−1に示したように、本発明の1実施例によるロゴプレート本体1は、平面板状に成形してある。しかしながら、本発明のロゴプレート本体の形状は特段に限定されず、円形、多角形、任意の文字、模様、図形、或いは人気のキャラクター、若しくはそれらの組合せ等所望により自由に選択できる。
【0039】
また、ロゴプレート本体1の材料は特段に限定されず、金属、合成樹脂、ゴム、セラミックス、木等所望により任意に選択することができる。ただし、合成樹脂を使用する場合は、各種物性或いは合成樹脂の金属メッキに適するので、ABSが好ましい。
【0040】
ロゴプレート本体1には、当然のことであるが、印刷、メッキ、彫刻或いはこれらの組合わせにより、任意の文字、模様、図形或いはこれらを組み合わせた意匠を施すことができる。
【0041】
ロゴプレート本体1の裏面には、脚部2が突設されている(図1−3)。脚部2をロゴプレート本体1の裏面に突設する方法は特段に限定されず、ロゴプレート本体1と一体成形しても、或いは脚部2とロゴプレート本体1を別体に製造した後、溶接、接着、螺合等任意の方法で接合してもよい。
【0042】
脚部2の先端は、外側に張り出した異形部分3が形成されている。この実施例では、異形部分は対向して2個(3,3’)形成され分銅形を形成しているが、異形部分の形状、個数は特段に限定されない。但し、後述する締結具との締結強度を大きくするという効果の点からは、異形部分は複数個設けることが好ましい。
【0043】
図1−4は、脚部2の異形部分3と係合してロゴプレート本体1を被着物に固定するための締結具4の平面図である。この実施例では、締結具4は、円形の底面部5と、底面部5の径より径が小さな筒部6が、底面部5と同心的に底面部5と一体的に立設された構造になっている。然しながら、締結具の平面形状は円形に限定さらず、多角形、円形と多角形の組合せ等任意に選択ですることができる。
【0044】
筒部6の高さは、脚部2と、脚部2と一体に付設された異形部分3の両方を挿通して収容することができるだけの高さがあればよい。
【0045】
締結具4には、異形部分3と相補的形状の透孔8が形成されている。異形部分と相補的形状とは、丁度鍵と鍵穴の関係のような形状、或いは筒部6の透孔8の投影形状が、異形部分3の断面形状と完全に同じ形状をしていることを意味する。
【0046】
締結具4に、異形部分3と相補的形状の透孔8を形成することにより、筒部6の上端部の内周縁部に鍔部7が形成されることになる。そのために、脚部2の異形部分3を透孔8に挿通した後、締結具4を左右どちらかに回転すると、鍔部7の裏面(底面)が異形部分3の上面に完全に当設してロック機構が形成されることになる。
【0047】
従って、鍔部7の裏面(底面)を異形部分3の上面に完全に当設してロック機構を形成するには、脚部2の先端に突設された異形部分3を、締結具4の透孔8に挿通したとき、異形部分3の上面が、鍔部7の厚さ分だけ鍔部7の下方で停止するような機構にしなければならない。
【0048】
本実施例の場合は、異形部分(3,3’)が対向して2個形成されているので、鍔部7も対向して2個形成されている。従って、脚部2の異形部分3を透孔8に挿通した後、締結具4を左右どちらかに90度回転するだけで鍔部7が異形部分3と完全に係合して固定される。
【0049】
異形部分3の個数が多くなれば、締結具4の回転角度は小さくなる。たとえば、異形部分3が、それぞれ対向して4個の場合、締結具4を左右いずれかに45度だけ回転すれば、鍔部7が異形部分3と完全に係合して固定される。
【0050】
締結具4の底面部5に、締結具を左右自在に回転させるための締結具回転機構を形成することが好ましい。締結具回転機構は、脚部を締結具に挿通した後、この締結具回転機構を利用することにより脚部と締結具を容易に係合することができ、また一旦締結した脚部と締結具を容易に解除することができ、被装着物、ロゴプレ−ト本体、及び締結具を、それぞれ、完全に分離して再利用工程に付すことができる。
【0051】
本実施例では、図1−4〜図1−6に示したように、締結具4の底面部5に、透孔8を挟んで小さな小孔9を2個穿設し、小孔9に挿入される突起が形成された付帯用具で回転させるようになっている。
【0052】
然しながら、締結具回転機構の構造は特段に限定されない。たとえば、締結具4の底面部5の裏面(筒部6が突設されている面の裏面)に、任意の形状及び個数の突起、いわゆる「つまみ」を突設し、脚部2の異形部分3と締結具4を係合するとき又は係合を解除するときは、その「つまみ」をつまんで、締結具を回転することによって行ってもよい。
【0053】
または、締結具4の底面部5に、所定の幅、長さ及び深さを有する溝を、締結具4の透孔8を挟んで複数個設ける。一方、前記溝に嵌挿される突条を備えた付帯用具を利用して、突条を溝に嵌挿して固定し、締結具を回転することにより行ってもよい。この機構の方が、手動で行うよりも自動化に適するので好ましい。
【0054】
或いは、締結具4の底面部5に、所定の幅、長さ及び高さを有する凸条を、締結具4の透孔8を挟んで複数個設ける。一方、前記凸条に嵌合する凹条を備えた付帯用具を利用して、凹条を凸条に嵌合して固定し、締結具を回転することにより行ってもよい。この機構の方が、手動で行うよりも自動化に適するので好ましい。
【0055】
若しくは、締結具4の底面部5に、所定の径及び深さを有する小孔を、締結具4の透孔8を挟んで複数個設ける。一方、前記小孔に挿通する突起を備えた付帯用具を利用して、突起を小孔に挿通して固定し、締結具を回転することにより行ってもよい。この機構の方が、手動で行うよりも自動化に適するので好ましい。
【0056】
図2は、本発明のロゴプレート本体1を、自動車の床に敷く、いわゆるカーフロアマットに装着した状態を示す一部断面図である。
【0057】
図2に示した実施例で使用したロゴプレートは、ロゴプレート本体1の底面に突設された脚部2の先端に2個の異形部分3が対向して外方に突設され、全体として分銅形状を形成している。また、締結具4は、円形の底面部5と、底面部5の径より径が小さな筒部6が、底面部5と同心的に底面部5と一体的に立設された構造になっていて、異形部分3と相補的形状の透孔8が形成されている。さらに、締結具4の底面部5には、透孔8を挟んで小さな小孔9が、締結具回転機構として形成されている。さらに、締結具回転機構である小孔9に挿入される突起を備えた付帯用具が準備されている。
【0058】
本発明のロゴプレートを、カーフロアマット10に装着するには、カーフロアマット10の所定の位置に、締結具4が完全に収納する形状の締結具収容透孔を設け、その透孔に締結具4を完全に収納する。
【0059】
その際、締結具4筒部6の最上縁が、カーフロアマット10の上面と同一平面内にあるようにすると、カーフロアマット10にロゴプレート本体1を装着したとき、カーフロアマット10とロゴプレート本体1の間に空隙が形成されないので好ましい。
【0060】
また、締結具4の底面部5の裏面5’がカーフロアマット10の底面最下端面と同一平面内にあるようにすると、カーフロアマット10にロゴプレート本体1を装着したとき、カーフロアマット10の床への形状追随性に障害を来さないので好ましい。
【0061】
このように、締結具4を、カーフロアマット10に形成された締結具収容透孔に収容し、ロゴプレート本体1の底面に突設された脚部2の先端に形成された異形部分3を、締結具4に形成された異形部分3と相補的形状の透孔8に合わせて、透孔8内に挿通した後、締結具回転機構である2個の小孔に、小孔に挿通する突起を備えた付帯用具を利用して、突起を小孔に挿通して固定し、締結具4を回転することにより、脚部2の異形部分3と締結具4を係合することにより、ロゴプレート本体1がカーフロアマット10に装着、固定される。
【0062】
上記実施例では、ロゴプレート本体1の底面に突設された脚部2の先端には、2個の異形部分3が対向して外方に突設されていて、ちょうど分銅のような形状になっている。然しながら、異形部分の形状、個数は特段に限定されない。たとえば、十字架の形状にして、さらに各クロスの先端に三角形等多角形或いは円形等異形部分を形成してもよい。
【0063】
また、上記実施例では、締結具4に穿設される、前記異形部分と相補的形状の透孔8は、その投影形状が、2個の異形部分3が対向して外方に突設された、ちょうど分銅のような形状になっている。然しながら、締結具4に穿設される透孔8は、要するに、脚部2の先端に形成される異形部分3が鍵と仮定すると、鍵穴の関係にあればよい。
【0064】
従って、脚部2の先端に突設される異形部分3の形状が複雑になるか、或いは個数が増えれば、当然、脚部2の異形部分3と締結具4の係合は強固になる。また、脚部2の先端に突設される異形部分3の個数が増えれば、締結具4をより小さな回転角度で、脚部2の異形部分3と締結具4の係合が完了し、作業性が改良される。
【0065】
上記実施例では、締結具4の基礎部分である底面部5は円形である。然しながら、締結具4の基礎部分である底面部5が円形に限定されず、たとえば多角形でもよい。然しながら、締結具4は、被装着物に設けられた収容孔に収容して使用するものであるので、締結具4の基礎部分である底面部5が多角形の場合、被装着物の収容孔に鋭角、鈍角等角度が付き、その箇所から亀裂やクラックが入る恐れがあるので、好ましくない。この観点から、締結具4の基礎部分である底面部5は円形が最も好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上述したように、本発明のロゴプレートは、ロゴプレ−トの裏面に突設された脚部の先端に外側に張り出して形成された異形部分を、締結具に形成された異形部分と相補的形状の透孔に挿通した後、締結具を回転するだけで異形部分と締結具を係合することができるので、従来技術のように締結具同士を係合する取付部材等付帯部材を必要とする形式のものと異なり、ロゴプレ−ト本体と締結具の2種類、2個の部品以外の部品を必要としない。従って、製造及び装着に要するコストが大幅に低減される。
【0067】
また、脚部と締結具の締結を、従来技術のように摩擦係合や材料の弾性を利用する方法と比べて、ロゴプレ−ト本体及び締結具の材料の選択の幅が拡大される。また、ロゴプレート本体、締結具、被装着物を、それぞれ、完全に分離して再利用工程に付すことができる。
【0068】
上述した事実から、本発明のロゴプレートは、材料の点からは、金属、合成樹脂、ゴム、セラミックス、木、或いはこれらの組合せ等極めて広範な範囲から選択することでき、脚部と締結具の締結方法の点からは、ストレスや負荷が掛からない簡単な「かしめ」であるので、ロゴプレート本体、脚部、締結具等に亀裂が入ったり、破断することが無いので、ロゴプレートの用途、被装着物の種類が拡大され、当業界への寄与がある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1−1】本発明の1実施例によるロゴプレート本体の平面図である。
【図1−2】本発明の1実施例によるロゴプレート本体の底面図である。
【図1−3】本発明の1実施例によるロゴプレート本体の側面図である。
【図1−4】本発明の1実施例による締結具の平面図である。
【図1−5】本発明の1実施例による締結具の底面図である。
【図1−6】本発明の1実施例による締結具の断面図である。
【図2】本発明の1実施例のロゴプレートを被装着物に装着した状態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ロゴプレート本体
2 脚部
3 異形部分
4 締結具
5 締結具底面部
6 締結具筒部
7 鍔
8 透孔
9 締結具回転機構
10 カーフロアマット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロゴプレ−ト本体と、被装着物を挟持してロゴプレ−ト本体を締結する締結具との組合せからなるロゴプレ−トにおいて、
ロゴプレ−ト本体の裏面に所定の長さの脚部が突設されていて、脚部の先端には外側に張り出した異形部分が形成されていること、
締結具に、前記異形部分と相補的形状の透孔が形成されていて、前記異形部分を相補的形状の透孔に挿通した後、締結具を回転して前記異形部分と締結具を係合するようになっているロゴプレ−ト。
【請求項2】
前記異形部分が、それぞれ離隔して複数個形成されている請求項1に記載のロゴプレ−ト。
【請求項3】
前記締結具が、底面部と、底面部と同心的に底面部と一体的に立設された筒部から構成されていて、筒部の上端部の内周縁部に鍔部が形成されている請求項1または2項に記載のロゴプレ−ト。
【請求項4】
前記締結具の底面部に、締結具を左右自在に回転させるための締結具回転機構が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のロゴプレ−ト。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−163077(P2009−163077A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1834(P2008−1834)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000167820)広島化成株式会社 (65)
【出願人】(508009378)有限会社テフィール (2)
【出願人】(508009389)東栄機工株式会社 (1)
【Fターム(参考)】