ロックボルトの施工方法
【課題】支圧板の下方に対してグラウト材を隅々まで満遍なく的確かつ簡便に充填できるように改良し、その支圧板の下方に位置するロックボルトの頭部側周辺部に残留する空隙部をより確実に除去することによって、ロックボルトの頭部に対する防錆効果の向上を図ったロックボルトの施工方法を提供する。
【解決手段】当該設置孔10内に、ロックボルト3をその頭部側に内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナット13に螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具1を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具1と設置孔10との間隙を介してグラウト材11を1次注入するとともに、グラウト充填用金具1の支圧板12から外部へ突出した突出部にグラウト材供給手段を接続してグラウト充填用金具1の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、支圧板12の下方の空隙部に対してグラウト材を充填する。
【解決手段】当該設置孔10内に、ロックボルト3をその頭部側に内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナット13に螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具1を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具1と設置孔10との間隙を介してグラウト材11を1次注入するとともに、グラウト充填用金具1の支圧板12から外部へ突出した突出部にグラウト材供給手段を接続してグラウト充填用金具1の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、支圧板12の下方の空隙部に対してグラウト材を充填する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支圧板の下方に位置するロックボルトの頭部側周辺部へグラウト材を簡便かつ的確に充填し得るように改良し、その支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部をより確実に除去することによって、ロックボルトの頭部に対する防錆効果の向上を図ったロックボルトの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図19〜図21はロックボルトの頭部に関する従来の施工例を示したものである。図19は、斜面に形成した削孔などからなる設置孔101に対してロックボルト102を挿入し、そのロックボルト102と設置孔101の内周面との間にグラウト材103を注入して固化させた状態を例示したものである。図示のように、この状態においては、グラウト材103の上方に空隙部104が形成されることになる。そこで、図20に示したように、その空隙部104に硬練りのモルタル105を詰めて支圧板の下方のロックボルトの頭部に対する防錆効果を期待する養生が広く行われている。しかしながら、そのモルタル105の後部に空隙部106が残留してしまうことが多く、この空隙部106に水分が溜り防錆効果を低下させる大きな要因になるといった厄介な技術的問題があった。また、図21に示したように、支圧板107を設置して、上方へ露出したロックボルト102に締付ナット108を螺合して締付ける際には、その支圧板107とモルタル105の表面との不均一な接触状態や残留する空隙部106によってモルタル105や支圧板107にクラック109が入ることもあり、この点でも防錆効果を低下させる要因になった。なお、モルタル105の表面を養生して支圧板107の下面との均一な接触状態を確保すれば、クラック109の低減にきわめて有効であるが、その養生には手間がかかりコストが嵩む要因にもなった。
【0003】
そこで、非防錆性の鋼棒からなる一般的なロックボルト等のアンカー材の頭部側に対してステンレス鋼棒からなる頭部部材を螺着し、その頭部部材の一部を支圧板の上方へ突出して締付ナットにより締付け固定するように構成することにより、アンカー材の頭部側に対して防錆性を付与するという技術が開発されている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術の場合には、前記頭部部材の材質が限定され、ステンレス鋼棒からなる高価な材料が必要とされるだけでなく、支圧板の下方の空隙部を除去できるわけではないから、その空隙部に起因する、頭部部材の下部に連結される非防錆性の鋼棒からなるロックボルト等に対する防錆効果の低下の問題やクラックの問題までは解決されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3998180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、支圧板の下方に対してグラウト材を隅々まで満遍なく的確かつ簡便に充填できるように改良し、その支圧板の下方に位置するロックボルトの頭部側周辺部に残留する空隙部をより確実に除去することによって、ロックボルトの頭部に対する防錆効果の向上を図ったロックボルトの施工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、前記課題を解決するため、当該設置孔内に、ロックボルトを、その頭部側に対して内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具の外周面と前記設置孔の内周面との間隙を介してグラウト材を1次注入するとともに、前記グラウト充填用金具の一部を支圧板に形成した挿通孔を介して外部へ突出させた状態において、その突出部にグラウト材供給手段を接続して前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、前記支圧板の下方の前記1次注入されたグラウト材の上部に露出する前記ロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を充填するという施工方法を採用した点で特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るロックボルトの施工方法によれば、次の効果を得ることができる。
(1)内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を適用したので、改めて2次注入用の注入路を別に設けることなく、前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介して支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を簡便かつ的確に充填できるとともに、その支圧板から突出したグラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジに対して締付ナットによる締付け作業が可能なことから、施工性を大幅に向上することができる。
(2)グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介して、支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対して内部から直接的にグラウト材を充填することができることから、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材を的確に充填することが可能であり、支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に残存する空隙部をより確実に除去することができる。
(3)したがって、支圧板下方のロックボルトの頭部全体及びそのロックボルトの頭部に装着されたグラウト充填用金具が、2次注入により充填されたグラウト材によって的確に包まれ、空気との接触が確実に遮断されることから、きわめて確実な防錆効果が得られる。
(4)また、支圧板下方の空隙部に対してグラウト材を簡便かつ的確に充填することができ、グラウト材が支圧板の下面の全面において密着した状態が確保されることから、延いては支圧板設置及びグラウト材充填作業の簡便化に有効であるとともに、締付ナットによる締付力に対しても支圧板の全面において的確に抵抗し得るので、従来のクラックの問題の解消にもきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に適用されるグラウト充填用金具の装着前の状態を示した正面図である。
【図2】同グラウト充填用金具の装着状態を示した片側断面図である。
【図3】同グラウト充填用金具を示した正面図である。
【図4】同グラウト充填用金具を示した底面図である。
【図5】同グラウト充填用金具を示した縦断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る施工方法における施工手順を示した作業説明図である。
【図7】同施工手順を示した作業説明図である。
【図8】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図9】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図10】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図11】他の適用場面における施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図12】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図13】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図14】締付ナットによる他の締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図15】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図16】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図17】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図18】他の実施例を示した片側断面図である。
【図19】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【図20】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【図21】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ロックボルト側の具体的な構成に拘束されることはなく、種々の種類のロックボルトに対して広く適用することが可能である。また、本発明に適用されるグラウト充填用金具の材質に関する特段の制約はなく、前記従来技術のようにステンレス棒鋼に限られるものではない。グラウト充填用金具のロックボルトの頭部側に形成される雌ネジは、そのグラウト充填用金具を貫通して形成し、グラウト材の注入路として兼用する形態でもよいし、有底状にグラウト充填用金具の途中まで形成し、その反対側にグラウト材の注入路を別個に形成する形態でもよい。また、その注入路に連通する排出口の設置数や設置部位は、グラウト材の充填のし易さなどに応じた自由な選定が可能である。なお、グラウト材の1次注入実施の時期に関しては、支圧板の設置前の方が施工性がよいが、支圧板の設置後の場合を排除するものではない。しかして、支圧板の設置後に1次注入を実施する場合には、支圧板自体又は地盤側の適所にグラウト材の注入路を設けて注入することになる。また、締付け作業実施の時期に関しては、支圧板の設置後であれば、その支圧板から突出したグラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジに対して締付ナットを螺合して締付け作業を実施することが可能であるが、2次注入された支圧板の下方に充填されたグラウト材が固化した後に本締めを実施する形態が好適である。グラウト充填用金具とグラウト材の供給手段との接続の仕方に関しては、グラウト充填用金具の内周面に形成した雌ネジを利用して接続する形態でも、グラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジを利用して接続する形態でも、その他の接続手段を用いる形態でも適用可能である。また、そのグラウト材の供給手段に関する具体的な注入形態は、ポンプ等の加圧手段を用いた圧入方式のものでも、グラウト材自体の自重によって注入する自重方式でもよい。なお、グラウト充填用金具に形成する締付ナットに螺合される雄ネジは、その余長の調整に十分な長さを有するものが望ましい。グラウト充填用金具の外周面の軸線方向全長に形成するようにしてもよい。
【実施例】
【0010】
図1〜図5は本発明に適用されるグラウト充填用金具を示したものである。図1はグラウト充填用金具の装着前の状態を示した正面図であり、図2はそのグラウト充填用金具の装着状態を示した片側断面図である。図示のように、本実施例に係るグラウト充填用金具1の場合には、内部を貫通する雌ネジ2が形成されており、この雌ネジ2をロックボルト3の外周面に形成された雄ネジ4に螺合することにより、ロックボルト3の頭部側に装着し得るように構成されている。この雌ネジ2は、グラウト充填用金具1を貫通して形成されていることから、本実施例の場合には、グラウト材の注入路としても用いられる。因みに、この雌ネジ2をグラウト充填用金具1の途中まで形成し、その反対側に専用のグラウト材注入路を形成する形態も可能である。
【0011】
図3はグラウト充填用金具1を示した正面図であり、図4はその底面図、図5は縦断面図である。図示のように、本実施例で適用したグラウト充填用金具1の場合には、その外周面の地上側の上半部には締付ナットに螺合可能な雄ネジ5が形成され、地中側の下半部には複数のリブ6が形成されており、それらの雄ネジ5とリブ6との間の円周上にグラウト材の複数の排出口7が形成されている。また、図5の縦断面図に示したように、前記雌ネジ2の内部空間は連通路8を介して排出口7に連通され、それらの雌ネジ2の内部空間、連通路8、排出口7によりグラウト材充填用の注入路が形成されている。なお、グラウト材との付着力が十分確保できるなら、前記リブ6は設けなくてもよいし、さらに前記リブ6に替えてグラウト充填用金具1の外周面全長に雄ネジ5を形成することも可能である。
【0012】
次に、図6〜図10に従い、本発明の実施例に係る施工方法における施工手順に関して説明する。図6に示したように、斜面からなる地盤9に形成した削孔などからなる設置孔10の内部にロックボルト3が設置された場合には、先ず前記ロックボルト3の外周面に形成した雄ネジ4の頭部側端部に対してグラウト充填用金具1の雌ネジ2を螺合し、そのグラウト充填用金具1の地盤9から突出する突出部分の長さを、支圧板の厚さや締付ナットの設置に必要な余長分を勘案しながら調整する。なお、ロックボルト3の外周面に形成した雄ネジ4の頭部側端部に対してグラウト充填用金具1の雌ネジ2を螺合し、予めロックボルト3の頭部側にグラウト充填用金具1を装着した状態で設置孔10の内部に設置するようにしてもよい。
【0013】
しかる後、図7に示したように、地盤9に形成した設置孔10の内周面とグラウト充填用金具1の外周面との間隙部を介して適宜方法によりセメントミルクなどのグラウト材11を1次注入する。これにより、図示のように、グラウト充填用金具1の一部がグラウト材11中に埋り、そのグラウト充填用金具1の下半部に形成した一部のリブ6もグラウト材11中に埋ることになる。したがって、この1次注入されたグラウト材11の固化によりグラウト充填用金具1の回転が防止される。因みに、このグラウト材11の1次注入の時期に関しては、施工形態に応じて変更することも可能である。
【0014】
さらに、図8に示したように、地盤9上に設置孔10の上部を閉塞するように支圧板12を設置し、その支圧板12の中央部に形成した挿通孔を介して上方へ突出したグラウト充填用金具1の外周部に形成した雄ネジ5に対して締付ナット13を螺合して締付け作業が行われる。しかる後、図9に示したように、グラウト充填用金具1の内部に形成した雌ネジ2の内部空間をグラウト材の注入路として前記連通路8と排出口7を介して、支圧板12の下方の、先に1次注入された前記グラウト材11の上方に露出するロックボルト3の頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材14を2次注入する。この2次注入によってロックボルト3の頭部側周辺部に充填されたグラウト材が固化した後に、前記締付ナット13による本締めを実施するようにしてもよい。しかして、本実施例に係るグラウト充填用金具1の場合には、前記排出口7の設置位置や設置数を適宜選定することにより、設置孔10内のロックボルト3の頭部側周辺部に形成される前記空隙部の内部へ直接的にグラウト材14を注入することができ、円滑な充填が可能なことから、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材14を簡便かつ的確に充填することが可能である。その結果、支圧板12の下方に位置するロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1がグラウト材11,14によって確実に包囲され、空気との接触が的確に遮断されるので、より確実な防錆効果を簡便に実現することができる。図10はそのグラウト材14の充填後の状態を示したものである。因みに、前記支圧板12としては、図示のような平板状のものに限らず、種々の形態のものに適応可能である。
【0015】
以上のように、本発明の実施例に係る施工方法の場合には、グラウト充填用金具1をロックボルト3の頭部側に螺合して装着するだけでグラウト材14充填用の注入路が同時に備えられ、その充填用注入路のための新たな設置作業を省略できることから、グラウト材14の充填作業の作業性が大幅に向上される。しかも、そのグラウト充填用金具1の外周部に形成した雄ネジ5に対する締付ナット13による締付けによって締付け作業が可能なことから、この点でも作業性が大幅に向上される。さらに、グラウト充填用金具1の内部に形成されたグラウト材の注入路を経て、ロックボルト3の頭部側周辺部に形成される空隙部の内部からグラウト材14をより円滑に注入できるので、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材14を簡便かつ的確に充填することが可能であり、延いてはロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1に対するより確実な防錆効果が得られる。したがって、このグラウト充填用金具1の材質に関し、前記従来技術のようにステンレス棒鋼に限定する必要もない。
【0016】
図11〜図13は他の適用場面における施工手順を片側断面で示した作業説明図である。図示のように、この適用場面では、前記地盤9に形成した設置孔10の上部が崩れて凹部15が形成され、空隙部が大きくなった場合に対して前記グラウト充填用金具1を適用した場合を例示したものであり、その施工手順に関しては上述の施工手順と異なるところはなく、上述の施工手順がそのまま適用されることになる。このように、本発明に係るグラウト充填用金具は、種々の形態の空隙部に対応してグラウト材を簡便かつ的確に充填して空隙部を確実に除去することが可能である。
【0017】
なお、上述の実施例においては、図8に示したように、締付ナット13による締付け作業を行う際には、グラウト充填用金具1の一部がグラウト材11中に埋り回転が阻止された状態にあり、締付ナット13の締付力によるグラウト充填用金具1の供回りは防止されるが、グラウト充填用金具1の全体がグラウト材11の外方に位置する場合など、当該施工形態によっては、グラウト充填用金具1の供回りの問題が生じる場合がある。図14〜図17はそのような場合に好適なグラウト充填用金具1の供回りを防止するための他の締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【0018】
しかして、上述のように、地盤9に形成された設置孔10の内部に、ロックボルト3の頭部側に対してグラウト充填用金具1が装着された状態に設置され、その設置孔10の上部に支圧板12が設置されるとともに、支圧板12から上方へ突出するグラウト充填用金具1の突出長さの調整が済んだ場合には、締付ナット13による仮締め作業などが行われることになる。その際の締付ナット13とグラウト充填用金具1との供回りを防ぐ締付け方法として、次のような手法が可能である。先ず、図14に示したように、ロックボルト3と同様の構成で短尺の部材からなるトルク導入治具16をグラウト充填用金具1の雌ネジ2に螺入して締め込む。これにより、ロックボルト3、グラウト充填用金具1及びトルク導入治具16が一体化され、ロックボルト3に対するグラウト充填用金具1の相対的回転が防止された状態が得られる。そこで、次に図15に示したように、締付ナット13を支圧板12の上方からグラウト充填用金具1の雄ネジ5に螺合し、図16のように締付けてもグラウト充填用金具1の供回りは防止されるので、簡便かつ的確に締付けることができる。しかる後、図17に示したように、トルク導入治具16をグラウト充填用金具1の雌ネジ2から取外すことにより締付け作業が完了することになる。
【0019】
図18は他の実施例を示した片側断面図である。本実施例は、前記支圧板12の下面に凹部を形成して適宜のパッキン17を嵌入したものであり、そのパッキン17により地盤9と支圧板12との間からグラウト材が外部へ流出しないように構成したものである。これにより、グラウト充填用金具1の内部に形成した雌ネジ2などからなるグラウト材の注入路を介して、支圧板12の下方のロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1の周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材14を充填する際に、グラウト材14が外部へ流出する事態が効果的に防止されるので、前記空隙部の隅々までグラウト材14を更に確実に充填することができる。
【符号の説明】
【0020】
1:グラウト充填用金具、2:雌ネジ、3:ロックボルト、4,5:雄ネジ、6:リブ、7:排出口、8:連通路、9:地盤、10:設置孔、11:グラウト材、12:支圧板、13:締付ナット、14:グラウト材、15:凹部、16:トルク導入治具、17:パッキン
【技術分野】
【0001】
本発明は、支圧板の下方に位置するロックボルトの頭部側周辺部へグラウト材を簡便かつ的確に充填し得るように改良し、その支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部をより確実に除去することによって、ロックボルトの頭部に対する防錆効果の向上を図ったロックボルトの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図19〜図21はロックボルトの頭部に関する従来の施工例を示したものである。図19は、斜面に形成した削孔などからなる設置孔101に対してロックボルト102を挿入し、そのロックボルト102と設置孔101の内周面との間にグラウト材103を注入して固化させた状態を例示したものである。図示のように、この状態においては、グラウト材103の上方に空隙部104が形成されることになる。そこで、図20に示したように、その空隙部104に硬練りのモルタル105を詰めて支圧板の下方のロックボルトの頭部に対する防錆効果を期待する養生が広く行われている。しかしながら、そのモルタル105の後部に空隙部106が残留してしまうことが多く、この空隙部106に水分が溜り防錆効果を低下させる大きな要因になるといった厄介な技術的問題があった。また、図21に示したように、支圧板107を設置して、上方へ露出したロックボルト102に締付ナット108を螺合して締付ける際には、その支圧板107とモルタル105の表面との不均一な接触状態や残留する空隙部106によってモルタル105や支圧板107にクラック109が入ることもあり、この点でも防錆効果を低下させる要因になった。なお、モルタル105の表面を養生して支圧板107の下面との均一な接触状態を確保すれば、クラック109の低減にきわめて有効であるが、その養生には手間がかかりコストが嵩む要因にもなった。
【0003】
そこで、非防錆性の鋼棒からなる一般的なロックボルト等のアンカー材の頭部側に対してステンレス鋼棒からなる頭部部材を螺着し、その頭部部材の一部を支圧板の上方へ突出して締付ナットにより締付け固定するように構成することにより、アンカー材の頭部側に対して防錆性を付与するという技術が開発されている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術の場合には、前記頭部部材の材質が限定され、ステンレス鋼棒からなる高価な材料が必要とされるだけでなく、支圧板の下方の空隙部を除去できるわけではないから、その空隙部に起因する、頭部部材の下部に連結される非防錆性の鋼棒からなるロックボルト等に対する防錆効果の低下の問題やクラックの問題までは解決されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3998180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑み、支圧板の下方に対してグラウト材を隅々まで満遍なく的確かつ簡便に充填できるように改良し、その支圧板の下方に位置するロックボルトの頭部側周辺部に残留する空隙部をより確実に除去することによって、ロックボルトの頭部に対する防錆効果の向上を図ったロックボルトの施工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、前記課題を解決するため、当該設置孔内に、ロックボルトを、その頭部側に対して内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具の外周面と前記設置孔の内周面との間隙を介してグラウト材を1次注入するとともに、前記グラウト充填用金具の一部を支圧板に形成した挿通孔を介して外部へ突出させた状態において、その突出部にグラウト材供給手段を接続して前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、前記支圧板の下方の前記1次注入されたグラウト材の上部に露出する前記ロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を充填するという施工方法を採用した点で特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るロックボルトの施工方法によれば、次の効果を得ることができる。
(1)内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を適用したので、改めて2次注入用の注入路を別に設けることなく、前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介して支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を簡便かつ的確に充填できるとともに、その支圧板から突出したグラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジに対して締付ナットによる締付け作業が可能なことから、施工性を大幅に向上することができる。
(2)グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介して、支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対して内部から直接的にグラウト材を充填することができることから、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材を的確に充填することが可能であり、支圧板下方のロックボルトの頭部側周辺部に残存する空隙部をより確実に除去することができる。
(3)したがって、支圧板下方のロックボルトの頭部全体及びそのロックボルトの頭部に装着されたグラウト充填用金具が、2次注入により充填されたグラウト材によって的確に包まれ、空気との接触が確実に遮断されることから、きわめて確実な防錆効果が得られる。
(4)また、支圧板下方の空隙部に対してグラウト材を簡便かつ的確に充填することができ、グラウト材が支圧板の下面の全面において密着した状態が確保されることから、延いては支圧板設置及びグラウト材充填作業の簡便化に有効であるとともに、締付ナットによる締付力に対しても支圧板の全面において的確に抵抗し得るので、従来のクラックの問題の解消にもきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に適用されるグラウト充填用金具の装着前の状態を示した正面図である。
【図2】同グラウト充填用金具の装着状態を示した片側断面図である。
【図3】同グラウト充填用金具を示した正面図である。
【図4】同グラウト充填用金具を示した底面図である。
【図5】同グラウト充填用金具を示した縦断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る施工方法における施工手順を示した作業説明図である。
【図7】同施工手順を示した作業説明図である。
【図8】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図9】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図10】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図11】他の適用場面における施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図12】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図13】同施工手順を片側断面で示した作業説明図である。
【図14】締付ナットによる他の締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図15】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図16】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図17】同締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【図18】他の実施例を示した片側断面図である。
【図19】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【図20】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【図21】従来の施工手順を示した作業説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ロックボルト側の具体的な構成に拘束されることはなく、種々の種類のロックボルトに対して広く適用することが可能である。また、本発明に適用されるグラウト充填用金具の材質に関する特段の制約はなく、前記従来技術のようにステンレス棒鋼に限られるものではない。グラウト充填用金具のロックボルトの頭部側に形成される雌ネジは、そのグラウト充填用金具を貫通して形成し、グラウト材の注入路として兼用する形態でもよいし、有底状にグラウト充填用金具の途中まで形成し、その反対側にグラウト材の注入路を別個に形成する形態でもよい。また、その注入路に連通する排出口の設置数や設置部位は、グラウト材の充填のし易さなどに応じた自由な選定が可能である。なお、グラウト材の1次注入実施の時期に関しては、支圧板の設置前の方が施工性がよいが、支圧板の設置後の場合を排除するものではない。しかして、支圧板の設置後に1次注入を実施する場合には、支圧板自体又は地盤側の適所にグラウト材の注入路を設けて注入することになる。また、締付け作業実施の時期に関しては、支圧板の設置後であれば、その支圧板から突出したグラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジに対して締付ナットを螺合して締付け作業を実施することが可能であるが、2次注入された支圧板の下方に充填されたグラウト材が固化した後に本締めを実施する形態が好適である。グラウト充填用金具とグラウト材の供給手段との接続の仕方に関しては、グラウト充填用金具の内周面に形成した雌ネジを利用して接続する形態でも、グラウト充填用金具の外周面に形成した雄ネジを利用して接続する形態でも、その他の接続手段を用いる形態でも適用可能である。また、そのグラウト材の供給手段に関する具体的な注入形態は、ポンプ等の加圧手段を用いた圧入方式のものでも、グラウト材自体の自重によって注入する自重方式でもよい。なお、グラウト充填用金具に形成する締付ナットに螺合される雄ネジは、その余長の調整に十分な長さを有するものが望ましい。グラウト充填用金具の外周面の軸線方向全長に形成するようにしてもよい。
【実施例】
【0010】
図1〜図5は本発明に適用されるグラウト充填用金具を示したものである。図1はグラウト充填用金具の装着前の状態を示した正面図であり、図2はそのグラウト充填用金具の装着状態を示した片側断面図である。図示のように、本実施例に係るグラウト充填用金具1の場合には、内部を貫通する雌ネジ2が形成されており、この雌ネジ2をロックボルト3の外周面に形成された雄ネジ4に螺合することにより、ロックボルト3の頭部側に装着し得るように構成されている。この雌ネジ2は、グラウト充填用金具1を貫通して形成されていることから、本実施例の場合には、グラウト材の注入路としても用いられる。因みに、この雌ネジ2をグラウト充填用金具1の途中まで形成し、その反対側に専用のグラウト材注入路を形成する形態も可能である。
【0011】
図3はグラウト充填用金具1を示した正面図であり、図4はその底面図、図5は縦断面図である。図示のように、本実施例で適用したグラウト充填用金具1の場合には、その外周面の地上側の上半部には締付ナットに螺合可能な雄ネジ5が形成され、地中側の下半部には複数のリブ6が形成されており、それらの雄ネジ5とリブ6との間の円周上にグラウト材の複数の排出口7が形成されている。また、図5の縦断面図に示したように、前記雌ネジ2の内部空間は連通路8を介して排出口7に連通され、それらの雌ネジ2の内部空間、連通路8、排出口7によりグラウト材充填用の注入路が形成されている。なお、グラウト材との付着力が十分確保できるなら、前記リブ6は設けなくてもよいし、さらに前記リブ6に替えてグラウト充填用金具1の外周面全長に雄ネジ5を形成することも可能である。
【0012】
次に、図6〜図10に従い、本発明の実施例に係る施工方法における施工手順に関して説明する。図6に示したように、斜面からなる地盤9に形成した削孔などからなる設置孔10の内部にロックボルト3が設置された場合には、先ず前記ロックボルト3の外周面に形成した雄ネジ4の頭部側端部に対してグラウト充填用金具1の雌ネジ2を螺合し、そのグラウト充填用金具1の地盤9から突出する突出部分の長さを、支圧板の厚さや締付ナットの設置に必要な余長分を勘案しながら調整する。なお、ロックボルト3の外周面に形成した雄ネジ4の頭部側端部に対してグラウト充填用金具1の雌ネジ2を螺合し、予めロックボルト3の頭部側にグラウト充填用金具1を装着した状態で設置孔10の内部に設置するようにしてもよい。
【0013】
しかる後、図7に示したように、地盤9に形成した設置孔10の内周面とグラウト充填用金具1の外周面との間隙部を介して適宜方法によりセメントミルクなどのグラウト材11を1次注入する。これにより、図示のように、グラウト充填用金具1の一部がグラウト材11中に埋り、そのグラウト充填用金具1の下半部に形成した一部のリブ6もグラウト材11中に埋ることになる。したがって、この1次注入されたグラウト材11の固化によりグラウト充填用金具1の回転が防止される。因みに、このグラウト材11の1次注入の時期に関しては、施工形態に応じて変更することも可能である。
【0014】
さらに、図8に示したように、地盤9上に設置孔10の上部を閉塞するように支圧板12を設置し、その支圧板12の中央部に形成した挿通孔を介して上方へ突出したグラウト充填用金具1の外周部に形成した雄ネジ5に対して締付ナット13を螺合して締付け作業が行われる。しかる後、図9に示したように、グラウト充填用金具1の内部に形成した雌ネジ2の内部空間をグラウト材の注入路として前記連通路8と排出口7を介して、支圧板12の下方の、先に1次注入された前記グラウト材11の上方に露出するロックボルト3の頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材14を2次注入する。この2次注入によってロックボルト3の頭部側周辺部に充填されたグラウト材が固化した後に、前記締付ナット13による本締めを実施するようにしてもよい。しかして、本実施例に係るグラウト充填用金具1の場合には、前記排出口7の設置位置や設置数を適宜選定することにより、設置孔10内のロックボルト3の頭部側周辺部に形成される前記空隙部の内部へ直接的にグラウト材14を注入することができ、円滑な充填が可能なことから、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材14を簡便かつ的確に充填することが可能である。その結果、支圧板12の下方に位置するロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1がグラウト材11,14によって確実に包囲され、空気との接触が的確に遮断されるので、より確実な防錆効果を簡便に実現することができる。図10はそのグラウト材14の充填後の状態を示したものである。因みに、前記支圧板12としては、図示のような平板状のものに限らず、種々の形態のものに適応可能である。
【0015】
以上のように、本発明の実施例に係る施工方法の場合には、グラウト充填用金具1をロックボルト3の頭部側に螺合して装着するだけでグラウト材14充填用の注入路が同時に備えられ、その充填用注入路のための新たな設置作業を省略できることから、グラウト材14の充填作業の作業性が大幅に向上される。しかも、そのグラウト充填用金具1の外周部に形成した雄ネジ5に対する締付ナット13による締付けによって締付け作業が可能なことから、この点でも作業性が大幅に向上される。さらに、グラウト充填用金具1の内部に形成されたグラウト材の注入路を経て、ロックボルト3の頭部側周辺部に形成される空隙部の内部からグラウト材14をより円滑に注入できるので、その空隙部の隅々まで満遍なくグラウト材14を簡便かつ的確に充填することが可能であり、延いてはロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1に対するより確実な防錆効果が得られる。したがって、このグラウト充填用金具1の材質に関し、前記従来技術のようにステンレス棒鋼に限定する必要もない。
【0016】
図11〜図13は他の適用場面における施工手順を片側断面で示した作業説明図である。図示のように、この適用場面では、前記地盤9に形成した設置孔10の上部が崩れて凹部15が形成され、空隙部が大きくなった場合に対して前記グラウト充填用金具1を適用した場合を例示したものであり、その施工手順に関しては上述の施工手順と異なるところはなく、上述の施工手順がそのまま適用されることになる。このように、本発明に係るグラウト充填用金具は、種々の形態の空隙部に対応してグラウト材を簡便かつ的確に充填して空隙部を確実に除去することが可能である。
【0017】
なお、上述の実施例においては、図8に示したように、締付ナット13による締付け作業を行う際には、グラウト充填用金具1の一部がグラウト材11中に埋り回転が阻止された状態にあり、締付ナット13の締付力によるグラウト充填用金具1の供回りは防止されるが、グラウト充填用金具1の全体がグラウト材11の外方に位置する場合など、当該施工形態によっては、グラウト充填用金具1の供回りの問題が生じる場合がある。図14〜図17はそのような場合に好適なグラウト充填用金具1の供回りを防止するための他の締付け方法を片側断面で示した作業説明図である。
【0018】
しかして、上述のように、地盤9に形成された設置孔10の内部に、ロックボルト3の頭部側に対してグラウト充填用金具1が装着された状態に設置され、その設置孔10の上部に支圧板12が設置されるとともに、支圧板12から上方へ突出するグラウト充填用金具1の突出長さの調整が済んだ場合には、締付ナット13による仮締め作業などが行われることになる。その際の締付ナット13とグラウト充填用金具1との供回りを防ぐ締付け方法として、次のような手法が可能である。先ず、図14に示したように、ロックボルト3と同様の構成で短尺の部材からなるトルク導入治具16をグラウト充填用金具1の雌ネジ2に螺入して締め込む。これにより、ロックボルト3、グラウト充填用金具1及びトルク導入治具16が一体化され、ロックボルト3に対するグラウト充填用金具1の相対的回転が防止された状態が得られる。そこで、次に図15に示したように、締付ナット13を支圧板12の上方からグラウト充填用金具1の雄ネジ5に螺合し、図16のように締付けてもグラウト充填用金具1の供回りは防止されるので、簡便かつ的確に締付けることができる。しかる後、図17に示したように、トルク導入治具16をグラウト充填用金具1の雌ネジ2から取外すことにより締付け作業が完了することになる。
【0019】
図18は他の実施例を示した片側断面図である。本実施例は、前記支圧板12の下面に凹部を形成して適宜のパッキン17を嵌入したものであり、そのパッキン17により地盤9と支圧板12との間からグラウト材が外部へ流出しないように構成したものである。これにより、グラウト充填用金具1の内部に形成した雌ネジ2などからなるグラウト材の注入路を介して、支圧板12の下方のロックボルト3の頭部側やグラウト充填用金具1の周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材14を充填する際に、グラウト材14が外部へ流出する事態が効果的に防止されるので、前記空隙部の隅々までグラウト材14を更に確実に充填することができる。
【符号の説明】
【0020】
1:グラウト充填用金具、2:雌ネジ、3:ロックボルト、4,5:雄ネジ、6:リブ、7:排出口、8:連通路、9:地盤、10:設置孔、11:グラウト材、12:支圧板、13:締付ナット、14:グラウト材、15:凹部、16:トルク導入治具、17:パッキン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該設置孔内に、ロックボルトを、その頭部側に対して内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具の外周面と前記設置孔の内周面との間隙を介してグラウト材を1次注入するとともに、前記グラウト充填用金具の一部を支圧板に形成した挿通孔を介して外部へ突出させた状態において、その突出部にグラウト材供給手段を接続して前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、前記支圧板の下方の前記1次注入されたグラウト材の上部に露出する前記ロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を充填することを特徴とするロックボルトの施工方法。
【請求項1】
当該設置孔内に、ロックボルトを、その頭部側に対して内部にグラウト材の注入路を形成し外周面に締付ナットに螺合可能な雄ネジを形成したグラウト充填用金具を装着した状態に設置し、そのグラウト充填用金具の外周面と前記設置孔の内周面との間隙を介してグラウト材を1次注入するとともに、前記グラウト充填用金具の一部を支圧板に形成した挿通孔を介して外部へ突出させた状態において、その突出部にグラウト材供給手段を接続して前記グラウト充填用金具の内部に形成した注入路を介してグラウト材を2次注入することにより、前記支圧板の下方の前記1次注入されたグラウト材の上部に露出する前記ロックボルトの頭部側周辺部に形成される空隙部に対してグラウト材を充填することを特徴とするロックボルトの施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−80197(P2011−80197A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230937(P2009−230937)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
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