ロッソ屑を材料とする編み地の製造方法及びその製造装置
【課題】 ロッソ屑を用いて容易な作業で実用性のある編み物を製造し得る新しい編み手法を確立して、ロッソ屑の有効利用を図ること、すなわち、ロッソ屑を材料とする編み地の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
【解決手段】 所定本数のロッソ屑6,6,…を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端61を保持部5に保持させ、長さ方向他端62をフック部材3に引っ掛ける。ねじり回転手段4により各フック部材3をねじり回転作動させてロッソ屑にねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれをガイド管9で長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐7を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込む。
【解決手段】 所定本数のロッソ屑6,6,…を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端61を保持部5に保持させ、長さ方向他端62をフック部材3に引っ掛ける。ねじり回転手段4により各フック部材3をねじり回転作動させてロッソ屑にねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれをガイド管9で長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐7を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下の製造の際に産業廃棄物として発生するロッソ屑の有効利用を図り得る技術に関し、かかるロッソ屑を材料として新しい編み手法により編み物を容易に製造し得る編み地の製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、靴下は、例えば丸編み機を用いて筒状の丸編み地を編成し、その丸編み地の足甲部分となる先端開口と、爪先部分の基端開口とがロッソなどにより縫製されて製造されている(例えば特許文献1、2参照)。その際に、丸編み地の先端開口周囲が僅かな幅(例えばロッソミシンによる挟み代)だけ裁断されて切り落とされることになる。例えば特許文献2では「捨て編部分」(同文献の段落0013参照)と記載されているように、裁断された裁断屑がロッソ屑と言われ、これが産業廃棄物として廃棄されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−75236号公報
【特許文献2】特開2004−33443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のロッソ屑は、靴下と同じ素材により形成されたメリヤスあるいはニットの無端環状の紐様のものであり、様々な材質や色を有し、その種類も豊富であることから、廃棄や焼却以外に有効利用の途が模索されている。しかしながら、ごく一部は老人介護施設における指のリハビリを兼ねた手芸活動の材料として有効利用の途が試みられているものの、ロッソ屑は直径になおすと概略で6〜7cm程度の単独の輪であり、手編みといってもロッソ屑の輪同士を順次結び付けて連結するなど手間を要するものであった。このため、手編み作業自体に多大な手間を有する上に、形成されたものも粗い編み目の編み物に止まって産業上の有効利用の可能性を見出せない状況にあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロッソ屑を用いて容易な作業で実用性のある編み物を製造し得る新しい編み手法を確立して、ロッソ屑の有効利用を図ること、すなわち、ロッソ屑を材料とする編み地の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端を保持した後、長さ方向他端側からその長さ方向に延びる軸周りにねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれを長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込むようにする(請求項1)。
【0007】
この第1の発明の場合、ロッソ屑を伸長状態にしてねじりを加える毎に編み込み紐を差し込むことにより、そのねじれが維持されるように編み込まれることになるため、容易にロッソ屑を材料とする編み地の製造が可能となる。
【0008】
又、第2の発明は、請求項1に記載の無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡した状態にするために、上記長さ方向の先端側においてそれぞれ伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端を保持する保持部と、上記長さ方向の基端側において上記ロッソ屑の本数と少なくとも同数だけ有し上記長さ方向に延びる軸周りに回転可能の支持されたフック部材とを備えるようにした(請求項2)。
【0009】
この第2の発明の場合、保持部とフック部材との間に伸長状態にされたロッソ屑を架け渡すことが可能となり、これにより、編み込む対象のロッソ屑を伸長状態のままで容易に支持されることになる。このため、フック部材に対しねじり回転作動力を付与してロッソ屑に対しねじりを付与する作業も容易となり、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込みが容易に実現されることになる。
【0010】
この製造装置においては、上記フック部材の全数を同期してねじり回転作動させるねじり回転手段を備えるようにすることができる(請求項3)。このようにすることで、フック部材の数の多少に関わらず、全数を一つの回転操作で回転作動させることが可能となり、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込み作業が大幅に省力化されることになる。
【0011】
又、上記保持部として、回転可能に支持された棒状本体と、製造された編み地を棒状本体に巻き取った状態でその棒状本体の巻き戻しを阻止するロック機構とを備えて構成することができる(請求項4)。このようにすることで伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことが可能となる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も可能となる。
【0012】
あるいは、上記の保持部として、伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端又は製造された編み地を間に挟み込んで保持する一対のローラを備え、この一対のローラを互いに開閉変換可能に構成すると共に、両ローラを互いに押し付けられる側に弾性付勢するようにすることもできる(請求項5)。このようにすることで、請求項4とは異なる手段によって、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことが可能となる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も可能となる。
【0013】
さらに、編み込み紐を差し込むための差し込み針と、この差し込み針が内部を貫通可能な管状ガイド部材とを備えるようにし、管状ガイド部材を整列されたロッソ屑の幅方向よりも長く設定するようにすることができる(請求項6)。このような管状ガイド部材を用いることで、ねじれの一端側への寄せ作業と、そのねじれの一端側に寄せた状態での保持と、さらに差し込み針を用いた編み込み紐の差し込み作業とが極めて容易化されることになる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、請求項1のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法によれば、ロッソ屑を伸長状態にしてねじりを加える毎に編み込み紐を差し込むことにより、そのねじれを維持した状態に編み込むことができ、ロッソ屑を材料とする編み地の製造を容易に行うことができるようになる。
【0015】
又、請求項2〜請求項6のいずれかのロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置によれば、保持部とフック部材との間に伸長状態にされたロッソ屑を架け渡すことができ、編み込む対象のロッソ屑を伸長状態のままで容易に支持することができる。このため、フック部材に対しねじり回転作動力を付与してロッソ屑に対しねじりを付与する作業を容易に行うことができ、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込みを容易に実現させることができる。
【0016】
特に、請求項3によれば、ねじり回転手段を備えることで、フック部材の数の多少に関わらず、全数を一つの回転操作で回転作動させることができ、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込み作業を大幅に省力化することができるようになる。
【0017】
又、請求項4によれば、棒状本体とロック機構とを備えて保持部を構成することで、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことができる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も容易に行うことができるようになる。
【0018】
請求項5によれば、一対のローラとを開閉変換可能として弾性付勢することで、請求項4とは異なる手段によって、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことができる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も容易に行うことができるようになる。
【0019】
請求項6によれば、ねじれの一端側への寄せ作業と、そのねじれの一端側に寄せた状態での保持と、さらに差し込み針を用いた編み込み紐の差し込み作業とを、極めて容易化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の製造装置を示す斜視図である。
【図2】図1の作動機構を示す部分平面図である。
【図3】他の作動機構の例を示す側面説明図である。
【図4】ねじり編みの準備工程を示す工程説明図である。
【図5】図1の製造装置を用いてねじり編みを開始するまでのセット工程を示す平面説明図である。
【図6】1回目のねじりを加えて寄せた状態を示す平面説明図である。
【図7】図6の状態からさらにねじりを加えて寄せた状態を示す平面説明図である。
【図8】図7の状態からさらに一定数のねじりを加えた後に編み込み紐を通し込む工程を示す平面説明図である。
【図9】図8の状態からさらに編み込み紐を締め込んで編み地を形成する工程を示す平面説明図である。
【図10】第2実施形態の製造装置を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態の作動機構を示す部分平面説明図である。
【図12】製造された編み地(編み物)の例を写真の状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本発明のロッソ屑を材料とする編み物(編み地)の製造装置に係る第1実施形態を示す。この製造装置は、今回新しく開発した後述のねじり編みを行うための編み機(編み装置)であり、ねじり編みを半自動により行い得る補助編み機としての性格を備えたものである。同図において、符号2は枠体、3,3,…は基端側に配設された所定数(同図では10本)のフック部材、4はこの各フック部材3を全数同時にかつ同一のねじり回転方向に作動させるねじり作動手段、5は先端側に配設された保持部である。なお、この編み機は、長さ方向Yの基端側(同図の左下の手前側)からねじりを付与し、編み地が長さ方向Yの先端側(同図の右上の奥側)に向けて編み込まれる(編成される)ようになっている。幅方向Xは上記の編み地の幅方向に対応するものである。
【0023】
枠体2は、基端側の基板部21と、この基板部21の幅方向X両側位置から長さ方向Yの先端側にそれぞれ延びる枠部材22,22と、両側の枠部材22,22を連結する連結部材23と、各枠部材22の先端側位置に取り付けられた脚部材24,24とを備えたものである。上記の脚部材24,24によって枠体2の全体が水平線Hに対し傾斜した状態に支持され、枠体2の基端側から先端側にかけて斜め上方に延びるようになっている。
【0024】
フック部材3は編み材料となるロッソ屑の一端を1本ずつ引っ掛けて保持するものであり、棒状本体31(図2参照)の先端側に引っ掛け部32が形成され、基端側に上記ねじり作動手段4を構成するギア(ウォームホイルールギア)42が固定されている。各棒状本体31は、上記基板部21に対し長さ方向Yに貫通された状態で、棒軸周りに定位置回転自在に保持されている。引っ掛け部32は棒状本体31の先端部を直径方向に貫通させて固定したピン321により形成され、棒状本体31の周囲に架け渡したロッソ屑6をピン321の両端位置で引っ掛けるようにすることで、ロッソ屑6を構成する紐部60,60間を互いに離れた状態に維持するようにしている。
【0025】
フック部材3の本数は編成する編み地の幅方向の寸法に対応するものであり、編み地の幅方向を何本のロッソ屑6で構成するかで、その本数分だけ必要となる。理論的には、編成するであろう編み地の幅方向を構成するロッソ屑6の最大本数に相当する本数のフック部材3を基板21の幅方向Xに配設する必要があるが、便宜的には通常想定される本数(図1の例では10本)のフック部材3を配設すればよい。基板21の幅方向Xに並べて配設するフック部材3,3,…の間隔は可能な限り密に設定して多数本のフック部材3,3,を配設し得るようにすればよい。
【0026】
ねじり作動手段4は、作業者のハンドル操作により全数のフック部材3,3,…を所定ねじり回転方向(第1実施形態では全て同一のねじり回転方向)に同期してねじり回転作動させるものであり、図例のものはウォームギア41と、このウォームギア41に噛み合わされたウォームホイルールギア42,42,…とで構成されている。ウォームギア41は基板21の幅方向X両端位置のブラケット211,211により軸X1周りに定位置回転可能に支持されており、ウォームギア41の一端に固定されたハンドル43を回転操作することで回転作動されるようになっている。ウォームホイルールギア42はフック部材3毎にその棒状本体31の基端部に固定されたもので、ウォームギア41の軸X1周りの回転作動を受けて各フック部材3を軸X1に直交する棒軸Y1周りに回転作動させるようになっている。
【0027】
なお、上記の如きねじり作動手段4としては、図3に示すように例えばベベルギアを用いて構成してもよい。すなわち、基板21のブラケット211により軸X1周りに定位置回転可能に支持したロッド44に対しフック部材3(図1も併せて参照)の数だけ第1ベベルギア45,45,…を固定する一方、各フック部材3の基端には第2ベベルギア46を固定し、それぞれ第1ベベルギア45と、第2ベベルギア46とを互いに噛み合わせるのである。これにより、ハンドル43を軸X1の周りに回転操作すれば、その軸X1周りにの回転操作力が各フック部材3に対し軸Y1(図1参照)周りの回転作動力となって伝達されることになる。又、その他としては、例えばラック・アンド・ピニオン機構を利用してねじり作動手段を構成してもよい。
【0028】
図1に戻り、保持部5は、枠体2の両枠部材22,22の先端側位置に対し幅方向X方向に配設されたものであり、編み地の先端側を保持するものである。図例の保持部5は棒状本体51により構成され、この棒状本体51が各枠部材22の先端側位置から上方に突出されたブラケット221,221に対し抜き差し可能に保持されている。保持部5をブラケット221,221により保持することで、編み地の編成作業を両側の枠部材22,22よりも上方位置で行い得るようにし、これにより、枠部材22,22との干渉を回避して編成作業の便宜を図るようにしている。保持部5には各フック部材3の配設位置に対応する位置にロッソ屑を位置決めするための切り込み溝511,511,…が形成されている。又、端部には後述の編み込み紐7の端部を仮留めするための切り込み溝512も形成されている。さらに、保持部5の一端には例えばギア521と係止ストッパ522とからなるロック機構52が設けられており、このロック機構52により、編成された編み地を巻き込んで仮収納した状態から巻き戻されないようにロックするようになっている。
【0029】
次に、上記の編み機を用いたねじり編みの準備工程について図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、編み材料として用いるロッソ屑6を2本結合した状態でねじり編みを実行するようにしているが、もちろん1本毎に行うようにしてもよいし、3本以上を互いに結合して一単位としてもよい。まず、一方のロッソ屑6の一端を他方のロッソ屑6の輪の中に通し、その一端に対し一方のロッソ屑6の他端を差し入れて引っ張ることで、2本一組のロッソ屑6,6を互いに結合する。そして、この2本一組のロッソ屑6,6を一単位として、一端61を保持部5の切り込み溝511に入れた状態で架け渡し、他端62をフック部材3の引っ掛け部32のピン321に引っ掛けてセットする。この作業を編成予定の編み地の幅に相当する本数だけ繰り返し行う。保持部5とフック部材3との間に架け渡してセットすることにより、各組のロッソ屑6,6に対し所定の張力が作用した状態にする。つまり、保持部5とフック部材3との間の間隔に対応して架け渡すロッソ屑が伸長され、その反作用として張力が作用した状態にする。従って、保持部5とフック部材3との間の間隔に対応してロッソ屑6を1本架け渡すか、2本以上架け渡すかが定まることになる。
【0030】
図5には、10本のフック部材3,3,…の全数に対し、2本で一組のロッソ屑6,6をセットした状態を示している。そして、まず、各組のロッソ屑6,6の一端61側に対し編み込み紐7を幅方向Xに予め通しておく。この編み込み紐7としては丈夫なものであれば糸や紐のいずれでも使用することができるが、好ましくはロッソ屑6との関係で摩擦力を発揮するものがよい。例えば麻紐は摩擦力の観点から好ましい上に、天然素材である点でも好ましい。又、編み込み紐7はその一端71を切り込み溝512に巻入れて仮止めし、他端72の側は所定長さを有する木製,金属製又は合成樹脂製の差し込み針8の通し穴81に挿通させておく。
【0031】
ねじり編みは次の順序・要領で行う。上記の準備工程が終了すれば、まず、ハンドル43(図1又は図2参照)を所定量回転操作して、各フック部材3を軸Y1周りに180度ねじり回転させる(図6参照)。次に、このねじり回転により各組のロッソ屑6,6に生じたねじれを先端側に寄せる。このねじれの先端側への寄せは例えば差し込み棒9aを基端側の各ロッソ屑6内に差し込んだ後に、これを先端側に送ればよい。そして、各先端側のロッソ屑6内にガイド管(管状又は筒状のガイド部材)9を幅方向Xに差し入れた後、これを長さ方向Yの先端側に向けて送ると、上記のねじれが準備工程で挿通されている編み込み紐7に隣接した状態で寄せられる。以上で1回のねじり操作が終了する。
【0032】
次に、2回目のねじり操作を行う。すなわち、ハンドル43を所定量回転操作して、各フック部材3を軸Y1周りに180度ねじり回転させ、このねじり回転により各組のロッソ屑6,6に生じたねじれを上記と同様にして先端側に寄せることにより、図7に示すように2本目のガイド管9を先端側に寄せて2つ目のねじりを形成する。
【0033】
このねじり操作を所定回数行って、所定本数のガイド管9,9,…をセットしてその本数に対応する数のねじりを形成するねじり付与工程を行う。そして、所定回数のねじり操作毎に編み込み紐7をねじり内に挿通して編み込んでいく編み込みガイド工程を行う。図8に例示したものは3本のガイド管9,9,9をセットした状態で、編み込み紐7の編み込み工程を行っているものである。すなわち、1本目のガイド管9の一側(図8の右側)から内部に差し込み針8の先端を差し入れ、ガイド管9の他側(図8の左側)に貫通させて抜く。この際に、差し込み針8と共に、あるいは、差し込み針8をガイド管9から引き抜いた後に、そのガイド管9を引き抜いて除去する。次に、差し込み針8の先端を2本目のガイド管9の他側(図8の左側)から内部に差し込み、そのガイド管9の一側(図8の右側)に貫通させて抜く。この際にも、上記と同様に2本目のガイド管9を引き抜いて除去する。そして、1本目と同様に3本目のガイド管9に対し一側から他側に差し込み針8を貫通させて抜く。なお、最後のガイド管9は引き抜いてもよいが、次の編み込み工程以後のねじり付与工程の便宜のために、最後のガイド管9を残置しておくことが好ましい。以上で編み込み紐7が幅方向Xに対し、準備工程での事前のものを含め4回挿通されたことになる。
【0034】
以上の如く、差し込み針8は各ガイド管9の内径よりも細くかつ各ガイド管9よりも長く形成されたものである。なお、各ガイド管9は断面が円形のものに限られず、四角形等の異形断面であってもよい。
【0035】
そして、編み込みガイド工程の次に、編み込み工程を行う。すなわち、図9に示すように、幅方向Xに挿通させた編み込み紐7を引き絞り、先端側の各組のロッソ屑6,6,…を幅方向Xに対し互いに引き寄せる。1本のロッソ屑6当たりのねじり付与数と、この引き絞りの程度とによって、編成される編み地の密度が定まることになる。クッション性を重視する場合にはねじり付与数を少なく、もしくは、引き絞り程度を緩くすればよく、耐久性や編み地としての強度を重視する場合にはねじり付与数を多く、もしくは引き絞り程度をきつくすればよい。
【0036】
以上で1回のねじり編みの編み込みが完了し、以後、各組の先端側のロッソ屑6に対するねじり付与数が設定数に到達するまで同様の編み込み(ねじり付与工程、編み込みガイド工程、編み込み工程)を繰り返す。
各組の先端側のロッソ屑6に対する編み込みが完了すれば(1段目の編成完了)、各組の基端側のロッソ屑6に対し、上記のねじり編みを実施する。この際に、ねじり回転方向を1段目のそれとは逆方向にすることが好ましい。このようにすることで、1段目と、上記の基端側のロッソ屑6により形成される2段目とが互いに逆回転方向のねじれ状態に編み込まれることになり、形成される編み地の全体としてのゆがみ発生を回避することができる。
【0037】
2段目のねじり編みが完了すれば、各組のロッソ屑6,6の他端62をフック部材3から外し、その他端62に対し、新たな1本のロッソ屑又は2本一組のロッソ屑を図4の準備工程で説明したのと同様に結合した上で、その新たなロッソ屑の他端をフック部材3に引っ掛ける。この際に、編成された編み地は保持部5を回転させて巻き込んで仮収納し、新たに結合したロッソ屑を所定の張力が作用した状態で保持部5と各フック部材3との間に架け渡す。
【0038】
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係る製造装置(編み機)を示す。この編み機は、縦置き型に構成したものであり、基端側を上位置に、先端側を下位置にそれぞれ設定したものである。基本的な原理は第1実施形態のそれと同様であるが、第2実施形態では先端側の保持部5aをローラ手段により構成した点、隣接するフック部材3aのねじり回転方向を互いに逆にした点で、第1実施形態と異なる。
【0039】
この編み機は、枠体2aとして、上位置の基端側を構成する基板部25と、この基板部25の両端が下方に延びる枠部材26,26と、これらを若干の傾斜を付けた縦置き型に支持するための支持部27とを備えている。基板部25には所定数のフック部材3a,3a,…が幅方向Xに所定間隔の配置で長さ方向Yに貫通した状態で配設され、各フック部材3aは第1実施形態と同様に定位置回転可能とされている。
【0040】
そして、各フック部材3aの上端側にはギア47が固定され、隣接するギア47,47同士が噛み合わされている(図11も併せて参照)。基板部25の両端の各位置にはハンドル48が回転可能に支持され、このハンドル48のギア48aが端部位置のギア47に噛み合わされている。これにより、図11に示すように、ハンドル48を例えば時計方向に回転操作すると、左隣りのギア47及びフック部材3aは反時計方向に、その左隣りのギア47及びフック部材3aは時計方向に、さらにその隣りのギア47及びフック部材3aは反時計方向に、というようにそれぞれ回転作動されることになる。以上の各ギア47と、ハンドル48のギア48aとで第2実施形態のねじり回転手段4aが構成されている。
【0041】
又、両枠部材26,26の下端部にはそれぞれブラケット261が固定され、この両ブラケット261,261により第1ローラ53が回転自在に支持されると共に、揺動ブラケット55,55がそれぞれ揺動可能に支持され、この両揺動ブラケット55,55により第2ローラ54が回転自在に支持される一方、その両揺動ブラケット55,55の揺動により第2ローラ54が第1ローラ53に対し近接離反可能に開閉変換するようにされている。又、揺動ブラケット55はバネ551により付勢され、この弾性付勢力によって第2ローラ54が第1ローラ53との間にロッソ屑6の一端又は編成後の編み地の一端を挟み込んで保持し得るようになっている。以上の一対のローラ53,54及び揺動ブラケット55によって保持部5aが構成されている。又、上記の第1ローラ53の軸の一端には編成後の編み地の巻取りのためのハンドル56と、巻き戻しを防止するためのロック機構57とが付設されている。
【0042】
以上の編み機の場合には、第1実施形態で説明したロッソ屑6又は2本一組のロッソ屑6,6等の一端同士(例えば通し棒を通した状態で)を一対のローラ53,54の間に挟み込んで保持し、他端をフック部材3aに引っ掛け、この状態でねじり編みを実施していくことになる。
【0043】
<他の実施形態>
以上の実施形態ではロッソ屑6を材料にした例を示したが、無端環状で紐状の編み地又は織り地等の繊維製品を材料として編み地を製造(ねじり編みにより編成)する場合にも適用することができ、本発明でいう「ロッソ屑」とはそのような無端環状で紐状の編み地又は織り地等の繊維製品をも含む概念である。
【実施例】
【0044】
図12は、フック部材3又は3aが150本以上配設された編み機を用いてねじり編みされた編み地(又は編み物)の実施例を示すものである。
すなわち、幅方向にロッソ屑150本配列し、長さ方向に9段目までねじり編みを実施したものであり、合計で1350本のロッソ屑を使用したものである。9段の各段毎にロッソ屑の種類や色彩を異ならせ、デザイン性を考慮したものである。
かかる編み地は、そのままでマット(玄関マット、浴室マット、リビングマット等)の用に供することができる。すなわち、ロッソ屑は元々靴下の素材と同じであるため、吸湿性、吸水性に優れ、肌触りも良いため、マットとして好適である他、編み地に対しさらに縫製を加えることで、鞄や袋物、あるいは、室内履きや帽子等の製造材料として適用することができる。又、編み込みガイド工程におけるガイド管9の差し込みの際に、幅方向Xに隣接する両ロッソ屑6,6間に孔付きの木の玉、ビーズ又はガラス玉等を介装させ、これにもガイド管9を貫通させておき、このガイド管9内に差し込み針8を挿通させた後に差し込み針8やガイド管9を引き抜くことにより、編み地の幅方向Xに隣接するロッソ屑6,6間に上記の木の玉、ビーズ又はガラス玉が挟み込まれた状態で編み込み紐7が貫通し、これらが一体化された状態の編み地を製造するようにしてもよい。もちろん、上記のガラス玉等を介装させる部位のみガイド管9の挿通を省略し、差し込み針8で直接にねじれ内に差し込んでいき、その差し込みの際にガラス玉等を同時に貫通させて編み込み紐7を挿通させるするようにしてもよい。このガラス玉を適宜配置で介装させることにより、足つぼ刺激用マット等の健康促進商品にも本発明により製造される編み地を適用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
2 枠体
3,3a フック部材
4,4a ねじり回転手段
5,5a 保持部
6 ロッソ屑
7 編み込み紐
8 差し込み針
9 ガイド管(管状のガイド部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下の製造の際に産業廃棄物として発生するロッソ屑の有効利用を図り得る技術に関し、かかるロッソ屑を材料として新しい編み手法により編み物を容易に製造し得る編み地の製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、靴下は、例えば丸編み機を用いて筒状の丸編み地を編成し、その丸編み地の足甲部分となる先端開口と、爪先部分の基端開口とがロッソなどにより縫製されて製造されている(例えば特許文献1、2参照)。その際に、丸編み地の先端開口周囲が僅かな幅(例えばロッソミシンによる挟み代)だけ裁断されて切り落とされることになる。例えば特許文献2では「捨て編部分」(同文献の段落0013参照)と記載されているように、裁断された裁断屑がロッソ屑と言われ、これが産業廃棄物として廃棄されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−75236号公報
【特許文献2】特開2004−33443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のロッソ屑は、靴下と同じ素材により形成されたメリヤスあるいはニットの無端環状の紐様のものであり、様々な材質や色を有し、その種類も豊富であることから、廃棄や焼却以外に有効利用の途が模索されている。しかしながら、ごく一部は老人介護施設における指のリハビリを兼ねた手芸活動の材料として有効利用の途が試みられているものの、ロッソ屑は直径になおすと概略で6〜7cm程度の単独の輪であり、手編みといってもロッソ屑の輪同士を順次結び付けて連結するなど手間を要するものであった。このため、手編み作業自体に多大な手間を有する上に、形成されたものも粗い編み目の編み物に止まって産業上の有効利用の可能性を見出せない状況にあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロッソ屑を用いて容易な作業で実用性のある編み物を製造し得る新しい編み手法を確立して、ロッソ屑の有効利用を図ること、すなわち、ロッソ屑を材料とする編み地の製造方法及びその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端を保持した後、長さ方向他端側からその長さ方向に延びる軸周りにねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれを長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込むようにする(請求項1)。
【0007】
この第1の発明の場合、ロッソ屑を伸長状態にしてねじりを加える毎に編み込み紐を差し込むことにより、そのねじれが維持されるように編み込まれることになるため、容易にロッソ屑を材料とする編み地の製造が可能となる。
【0008】
又、第2の発明は、請求項1に記載の無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡した状態にするために、上記長さ方向の先端側においてそれぞれ伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端を保持する保持部と、上記長さ方向の基端側において上記ロッソ屑の本数と少なくとも同数だけ有し上記長さ方向に延びる軸周りに回転可能の支持されたフック部材とを備えるようにした(請求項2)。
【0009】
この第2の発明の場合、保持部とフック部材との間に伸長状態にされたロッソ屑を架け渡すことが可能となり、これにより、編み込む対象のロッソ屑を伸長状態のままで容易に支持されることになる。このため、フック部材に対しねじり回転作動力を付与してロッソ屑に対しねじりを付与する作業も容易となり、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込みが容易に実現されることになる。
【0010】
この製造装置においては、上記フック部材の全数を同期してねじり回転作動させるねじり回転手段を備えるようにすることができる(請求項3)。このようにすることで、フック部材の数の多少に関わらず、全数を一つの回転操作で回転作動させることが可能となり、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込み作業が大幅に省力化されることになる。
【0011】
又、上記保持部として、回転可能に支持された棒状本体と、製造された編み地を棒状本体に巻き取った状態でその棒状本体の巻き戻しを阻止するロック機構とを備えて構成することができる(請求項4)。このようにすることで伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことが可能となる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も可能となる。
【0012】
あるいは、上記の保持部として、伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端又は製造された編み地を間に挟み込んで保持する一対のローラを備え、この一対のローラを互いに開閉変換可能に構成すると共に、両ローラを互いに押し付けられる側に弾性付勢するようにすることもできる(請求項5)。このようにすることで、請求項4とは異なる手段によって、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことが可能となる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も可能となる。
【0013】
さらに、編み込み紐を差し込むための差し込み針と、この差し込み針が内部を貫通可能な管状ガイド部材とを備えるようにし、管状ガイド部材を整列されたロッソ屑の幅方向よりも長く設定するようにすることができる(請求項6)。このような管状ガイド部材を用いることで、ねじれの一端側への寄せ作業と、そのねじれの一端側に寄せた状態での保持と、さらに差し込み針を用いた編み込み紐の差し込み作業とが極めて容易化されることになる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、請求項1のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法によれば、ロッソ屑を伸長状態にしてねじりを加える毎に編み込み紐を差し込むことにより、そのねじれを維持した状態に編み込むことができ、ロッソ屑を材料とする編み地の製造を容易に行うことができるようになる。
【0015】
又、請求項2〜請求項6のいずれかのロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置によれば、保持部とフック部材との間に伸長状態にされたロッソ屑を架け渡すことができ、編み込む対象のロッソ屑を伸長状態のままで容易に支持することができる。このため、フック部材に対しねじり回転作動力を付与してロッソ屑に対しねじりを付与する作業を容易に行うことができ、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込みを容易に実現させることができる。
【0016】
特に、請求項3によれば、ねじり回転手段を備えることで、フック部材の数の多少に関わらず、全数を一つの回転操作で回転作動させることができ、ロッソ屑を材料とする編み地の編み込み作業を大幅に省力化することができるようになる。
【0017】
又、請求項4によれば、棒状本体とロック機構とを備えて保持部を構成することで、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことができる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も容易に行うことができるようになる。
【0018】
請求項5によれば、一対のローラとを開閉変換可能として弾性付勢することで、請求項4とは異なる手段によって、伸長状態にされたロッソ屑の一端側の保持を確実に行うことができる上に、編み込みの進展に伴い編成された編み地の仮収納も容易に行うことができるようになる。
【0019】
請求項6によれば、ねじれの一端側への寄せ作業と、そのねじれの一端側に寄せた状態での保持と、さらに差し込み針を用いた編み込み紐の差し込み作業とを、極めて容易化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態の製造装置を示す斜視図である。
【図2】図1の作動機構を示す部分平面図である。
【図3】他の作動機構の例を示す側面説明図である。
【図4】ねじり編みの準備工程を示す工程説明図である。
【図5】図1の製造装置を用いてねじり編みを開始するまでのセット工程を示す平面説明図である。
【図6】1回目のねじりを加えて寄せた状態を示す平面説明図である。
【図7】図6の状態からさらにねじりを加えて寄せた状態を示す平面説明図である。
【図8】図7の状態からさらに一定数のねじりを加えた後に編み込み紐を通し込む工程を示す平面説明図である。
【図9】図8の状態からさらに編み込み紐を締め込んで編み地を形成する工程を示す平面説明図である。
【図10】第2実施形態の製造装置を示す斜視図である。
【図11】第2実施形態の作動機構を示す部分平面説明図である。
【図12】製造された編み地(編み物)の例を写真の状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本発明のロッソ屑を材料とする編み物(編み地)の製造装置に係る第1実施形態を示す。この製造装置は、今回新しく開発した後述のねじり編みを行うための編み機(編み装置)であり、ねじり編みを半自動により行い得る補助編み機としての性格を備えたものである。同図において、符号2は枠体、3,3,…は基端側に配設された所定数(同図では10本)のフック部材、4はこの各フック部材3を全数同時にかつ同一のねじり回転方向に作動させるねじり作動手段、5は先端側に配設された保持部である。なお、この編み機は、長さ方向Yの基端側(同図の左下の手前側)からねじりを付与し、編み地が長さ方向Yの先端側(同図の右上の奥側)に向けて編み込まれる(編成される)ようになっている。幅方向Xは上記の編み地の幅方向に対応するものである。
【0023】
枠体2は、基端側の基板部21と、この基板部21の幅方向X両側位置から長さ方向Yの先端側にそれぞれ延びる枠部材22,22と、両側の枠部材22,22を連結する連結部材23と、各枠部材22の先端側位置に取り付けられた脚部材24,24とを備えたものである。上記の脚部材24,24によって枠体2の全体が水平線Hに対し傾斜した状態に支持され、枠体2の基端側から先端側にかけて斜め上方に延びるようになっている。
【0024】
フック部材3は編み材料となるロッソ屑の一端を1本ずつ引っ掛けて保持するものであり、棒状本体31(図2参照)の先端側に引っ掛け部32が形成され、基端側に上記ねじり作動手段4を構成するギア(ウォームホイルールギア)42が固定されている。各棒状本体31は、上記基板部21に対し長さ方向Yに貫通された状態で、棒軸周りに定位置回転自在に保持されている。引っ掛け部32は棒状本体31の先端部を直径方向に貫通させて固定したピン321により形成され、棒状本体31の周囲に架け渡したロッソ屑6をピン321の両端位置で引っ掛けるようにすることで、ロッソ屑6を構成する紐部60,60間を互いに離れた状態に維持するようにしている。
【0025】
フック部材3の本数は編成する編み地の幅方向の寸法に対応するものであり、編み地の幅方向を何本のロッソ屑6で構成するかで、その本数分だけ必要となる。理論的には、編成するであろう編み地の幅方向を構成するロッソ屑6の最大本数に相当する本数のフック部材3を基板21の幅方向Xに配設する必要があるが、便宜的には通常想定される本数(図1の例では10本)のフック部材3を配設すればよい。基板21の幅方向Xに並べて配設するフック部材3,3,…の間隔は可能な限り密に設定して多数本のフック部材3,3,を配設し得るようにすればよい。
【0026】
ねじり作動手段4は、作業者のハンドル操作により全数のフック部材3,3,…を所定ねじり回転方向(第1実施形態では全て同一のねじり回転方向)に同期してねじり回転作動させるものであり、図例のものはウォームギア41と、このウォームギア41に噛み合わされたウォームホイルールギア42,42,…とで構成されている。ウォームギア41は基板21の幅方向X両端位置のブラケット211,211により軸X1周りに定位置回転可能に支持されており、ウォームギア41の一端に固定されたハンドル43を回転操作することで回転作動されるようになっている。ウォームホイルールギア42はフック部材3毎にその棒状本体31の基端部に固定されたもので、ウォームギア41の軸X1周りの回転作動を受けて各フック部材3を軸X1に直交する棒軸Y1周りに回転作動させるようになっている。
【0027】
なお、上記の如きねじり作動手段4としては、図3に示すように例えばベベルギアを用いて構成してもよい。すなわち、基板21のブラケット211により軸X1周りに定位置回転可能に支持したロッド44に対しフック部材3(図1も併せて参照)の数だけ第1ベベルギア45,45,…を固定する一方、各フック部材3の基端には第2ベベルギア46を固定し、それぞれ第1ベベルギア45と、第2ベベルギア46とを互いに噛み合わせるのである。これにより、ハンドル43を軸X1の周りに回転操作すれば、その軸X1周りにの回転操作力が各フック部材3に対し軸Y1(図1参照)周りの回転作動力となって伝達されることになる。又、その他としては、例えばラック・アンド・ピニオン機構を利用してねじり作動手段を構成してもよい。
【0028】
図1に戻り、保持部5は、枠体2の両枠部材22,22の先端側位置に対し幅方向X方向に配設されたものであり、編み地の先端側を保持するものである。図例の保持部5は棒状本体51により構成され、この棒状本体51が各枠部材22の先端側位置から上方に突出されたブラケット221,221に対し抜き差し可能に保持されている。保持部5をブラケット221,221により保持することで、編み地の編成作業を両側の枠部材22,22よりも上方位置で行い得るようにし、これにより、枠部材22,22との干渉を回避して編成作業の便宜を図るようにしている。保持部5には各フック部材3の配設位置に対応する位置にロッソ屑を位置決めするための切り込み溝511,511,…が形成されている。又、端部には後述の編み込み紐7の端部を仮留めするための切り込み溝512も形成されている。さらに、保持部5の一端には例えばギア521と係止ストッパ522とからなるロック機構52が設けられており、このロック機構52により、編成された編み地を巻き込んで仮収納した状態から巻き戻されないようにロックするようになっている。
【0029】
次に、上記の編み機を用いたねじり編みの準備工程について図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、編み材料として用いるロッソ屑6を2本結合した状態でねじり編みを実行するようにしているが、もちろん1本毎に行うようにしてもよいし、3本以上を互いに結合して一単位としてもよい。まず、一方のロッソ屑6の一端を他方のロッソ屑6の輪の中に通し、その一端に対し一方のロッソ屑6の他端を差し入れて引っ張ることで、2本一組のロッソ屑6,6を互いに結合する。そして、この2本一組のロッソ屑6,6を一単位として、一端61を保持部5の切り込み溝511に入れた状態で架け渡し、他端62をフック部材3の引っ掛け部32のピン321に引っ掛けてセットする。この作業を編成予定の編み地の幅に相当する本数だけ繰り返し行う。保持部5とフック部材3との間に架け渡してセットすることにより、各組のロッソ屑6,6に対し所定の張力が作用した状態にする。つまり、保持部5とフック部材3との間の間隔に対応して架け渡すロッソ屑が伸長され、その反作用として張力が作用した状態にする。従って、保持部5とフック部材3との間の間隔に対応してロッソ屑6を1本架け渡すか、2本以上架け渡すかが定まることになる。
【0030】
図5には、10本のフック部材3,3,…の全数に対し、2本で一組のロッソ屑6,6をセットした状態を示している。そして、まず、各組のロッソ屑6,6の一端61側に対し編み込み紐7を幅方向Xに予め通しておく。この編み込み紐7としては丈夫なものであれば糸や紐のいずれでも使用することができるが、好ましくはロッソ屑6との関係で摩擦力を発揮するものがよい。例えば麻紐は摩擦力の観点から好ましい上に、天然素材である点でも好ましい。又、編み込み紐7はその一端71を切り込み溝512に巻入れて仮止めし、他端72の側は所定長さを有する木製,金属製又は合成樹脂製の差し込み針8の通し穴81に挿通させておく。
【0031】
ねじり編みは次の順序・要領で行う。上記の準備工程が終了すれば、まず、ハンドル43(図1又は図2参照)を所定量回転操作して、各フック部材3を軸Y1周りに180度ねじり回転させる(図6参照)。次に、このねじり回転により各組のロッソ屑6,6に生じたねじれを先端側に寄せる。このねじれの先端側への寄せは例えば差し込み棒9aを基端側の各ロッソ屑6内に差し込んだ後に、これを先端側に送ればよい。そして、各先端側のロッソ屑6内にガイド管(管状又は筒状のガイド部材)9を幅方向Xに差し入れた後、これを長さ方向Yの先端側に向けて送ると、上記のねじれが準備工程で挿通されている編み込み紐7に隣接した状態で寄せられる。以上で1回のねじり操作が終了する。
【0032】
次に、2回目のねじり操作を行う。すなわち、ハンドル43を所定量回転操作して、各フック部材3を軸Y1周りに180度ねじり回転させ、このねじり回転により各組のロッソ屑6,6に生じたねじれを上記と同様にして先端側に寄せることにより、図7に示すように2本目のガイド管9を先端側に寄せて2つ目のねじりを形成する。
【0033】
このねじり操作を所定回数行って、所定本数のガイド管9,9,…をセットしてその本数に対応する数のねじりを形成するねじり付与工程を行う。そして、所定回数のねじり操作毎に編み込み紐7をねじり内に挿通して編み込んでいく編み込みガイド工程を行う。図8に例示したものは3本のガイド管9,9,9をセットした状態で、編み込み紐7の編み込み工程を行っているものである。すなわち、1本目のガイド管9の一側(図8の右側)から内部に差し込み針8の先端を差し入れ、ガイド管9の他側(図8の左側)に貫通させて抜く。この際に、差し込み針8と共に、あるいは、差し込み針8をガイド管9から引き抜いた後に、そのガイド管9を引き抜いて除去する。次に、差し込み針8の先端を2本目のガイド管9の他側(図8の左側)から内部に差し込み、そのガイド管9の一側(図8の右側)に貫通させて抜く。この際にも、上記と同様に2本目のガイド管9を引き抜いて除去する。そして、1本目と同様に3本目のガイド管9に対し一側から他側に差し込み針8を貫通させて抜く。なお、最後のガイド管9は引き抜いてもよいが、次の編み込み工程以後のねじり付与工程の便宜のために、最後のガイド管9を残置しておくことが好ましい。以上で編み込み紐7が幅方向Xに対し、準備工程での事前のものを含め4回挿通されたことになる。
【0034】
以上の如く、差し込み針8は各ガイド管9の内径よりも細くかつ各ガイド管9よりも長く形成されたものである。なお、各ガイド管9は断面が円形のものに限られず、四角形等の異形断面であってもよい。
【0035】
そして、編み込みガイド工程の次に、編み込み工程を行う。すなわち、図9に示すように、幅方向Xに挿通させた編み込み紐7を引き絞り、先端側の各組のロッソ屑6,6,…を幅方向Xに対し互いに引き寄せる。1本のロッソ屑6当たりのねじり付与数と、この引き絞りの程度とによって、編成される編み地の密度が定まることになる。クッション性を重視する場合にはねじり付与数を少なく、もしくは、引き絞り程度を緩くすればよく、耐久性や編み地としての強度を重視する場合にはねじり付与数を多く、もしくは引き絞り程度をきつくすればよい。
【0036】
以上で1回のねじり編みの編み込みが完了し、以後、各組の先端側のロッソ屑6に対するねじり付与数が設定数に到達するまで同様の編み込み(ねじり付与工程、編み込みガイド工程、編み込み工程)を繰り返す。
各組の先端側のロッソ屑6に対する編み込みが完了すれば(1段目の編成完了)、各組の基端側のロッソ屑6に対し、上記のねじり編みを実施する。この際に、ねじり回転方向を1段目のそれとは逆方向にすることが好ましい。このようにすることで、1段目と、上記の基端側のロッソ屑6により形成される2段目とが互いに逆回転方向のねじれ状態に編み込まれることになり、形成される編み地の全体としてのゆがみ発生を回避することができる。
【0037】
2段目のねじり編みが完了すれば、各組のロッソ屑6,6の他端62をフック部材3から外し、その他端62に対し、新たな1本のロッソ屑又は2本一組のロッソ屑を図4の準備工程で説明したのと同様に結合した上で、その新たなロッソ屑の他端をフック部材3に引っ掛ける。この際に、編成された編み地は保持部5を回転させて巻き込んで仮収納し、新たに結合したロッソ屑を所定の張力が作用した状態で保持部5と各フック部材3との間に架け渡す。
【0038】
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係る製造装置(編み機)を示す。この編み機は、縦置き型に構成したものであり、基端側を上位置に、先端側を下位置にそれぞれ設定したものである。基本的な原理は第1実施形態のそれと同様であるが、第2実施形態では先端側の保持部5aをローラ手段により構成した点、隣接するフック部材3aのねじり回転方向を互いに逆にした点で、第1実施形態と異なる。
【0039】
この編み機は、枠体2aとして、上位置の基端側を構成する基板部25と、この基板部25の両端が下方に延びる枠部材26,26と、これらを若干の傾斜を付けた縦置き型に支持するための支持部27とを備えている。基板部25には所定数のフック部材3a,3a,…が幅方向Xに所定間隔の配置で長さ方向Yに貫通した状態で配設され、各フック部材3aは第1実施形態と同様に定位置回転可能とされている。
【0040】
そして、各フック部材3aの上端側にはギア47が固定され、隣接するギア47,47同士が噛み合わされている(図11も併せて参照)。基板部25の両端の各位置にはハンドル48が回転可能に支持され、このハンドル48のギア48aが端部位置のギア47に噛み合わされている。これにより、図11に示すように、ハンドル48を例えば時計方向に回転操作すると、左隣りのギア47及びフック部材3aは反時計方向に、その左隣りのギア47及びフック部材3aは時計方向に、さらにその隣りのギア47及びフック部材3aは反時計方向に、というようにそれぞれ回転作動されることになる。以上の各ギア47と、ハンドル48のギア48aとで第2実施形態のねじり回転手段4aが構成されている。
【0041】
又、両枠部材26,26の下端部にはそれぞれブラケット261が固定され、この両ブラケット261,261により第1ローラ53が回転自在に支持されると共に、揺動ブラケット55,55がそれぞれ揺動可能に支持され、この両揺動ブラケット55,55により第2ローラ54が回転自在に支持される一方、その両揺動ブラケット55,55の揺動により第2ローラ54が第1ローラ53に対し近接離反可能に開閉変換するようにされている。又、揺動ブラケット55はバネ551により付勢され、この弾性付勢力によって第2ローラ54が第1ローラ53との間にロッソ屑6の一端又は編成後の編み地の一端を挟み込んで保持し得るようになっている。以上の一対のローラ53,54及び揺動ブラケット55によって保持部5aが構成されている。又、上記の第1ローラ53の軸の一端には編成後の編み地の巻取りのためのハンドル56と、巻き戻しを防止するためのロック機構57とが付設されている。
【0042】
以上の編み機の場合には、第1実施形態で説明したロッソ屑6又は2本一組のロッソ屑6,6等の一端同士(例えば通し棒を通した状態で)を一対のローラ53,54の間に挟み込んで保持し、他端をフック部材3aに引っ掛け、この状態でねじり編みを実施していくことになる。
【0043】
<他の実施形態>
以上の実施形態ではロッソ屑6を材料にした例を示したが、無端環状で紐状の編み地又は織り地等の繊維製品を材料として編み地を製造(ねじり編みにより編成)する場合にも適用することができ、本発明でいう「ロッソ屑」とはそのような無端環状で紐状の編み地又は織り地等の繊維製品をも含む概念である。
【実施例】
【0044】
図12は、フック部材3又は3aが150本以上配設された編み機を用いてねじり編みされた編み地(又は編み物)の実施例を示すものである。
すなわち、幅方向にロッソ屑150本配列し、長さ方向に9段目までねじり編みを実施したものであり、合計で1350本のロッソ屑を使用したものである。9段の各段毎にロッソ屑の種類や色彩を異ならせ、デザイン性を考慮したものである。
かかる編み地は、そのままでマット(玄関マット、浴室マット、リビングマット等)の用に供することができる。すなわち、ロッソ屑は元々靴下の素材と同じであるため、吸湿性、吸水性に優れ、肌触りも良いため、マットとして好適である他、編み地に対しさらに縫製を加えることで、鞄や袋物、あるいは、室内履きや帽子等の製造材料として適用することができる。又、編み込みガイド工程におけるガイド管9の差し込みの際に、幅方向Xに隣接する両ロッソ屑6,6間に孔付きの木の玉、ビーズ又はガラス玉等を介装させ、これにもガイド管9を貫通させておき、このガイド管9内に差し込み針8を挿通させた後に差し込み針8やガイド管9を引き抜くことにより、編み地の幅方向Xに隣接するロッソ屑6,6間に上記の木の玉、ビーズ又はガラス玉が挟み込まれた状態で編み込み紐7が貫通し、これらが一体化された状態の編み地を製造するようにしてもよい。もちろん、上記のガラス玉等を介装させる部位のみガイド管9の挿通を省略し、差し込み針8で直接にねじれ内に差し込んでいき、その差し込みの際にガラス玉等を同時に貫通させて編み込み紐7を挿通させるするようにしてもよい。このガラス玉を適宜配置で介装させることにより、足つぼ刺激用マット等の健康促進商品にも本発明により製造される編み地を適用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
2 枠体
3,3a フック部材
4,4a ねじり回転手段
5,5a 保持部
6 ロッソ屑
7 編み込み紐
8 差し込み針
9 ガイド管(管状のガイド部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法であって、
所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端を保持した後、長さ方向他端側からその長さ方向に延びる軸周りにねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれを長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込むようにする、
ことを特徴とするロッソ屑を材料とする編み地の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置であって、
所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡した状態にするために、上記長さ方向の先端側においてそれぞれ伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端を保持する保持部と、上記長さ方向の基端側において上記ロッソ屑の本数と少なくとも同数だけ有し上記長さ方向に延びる軸周りに回転可能の支持されたフック部材とを備えている、
ことを特徴とする編み地の製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記フック部材の全数を同期してねじり回転作動させるねじり回転手段を備えている、編み地の製造装置。
【請求項4】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記保持部は、回転可能に支持された棒状本体と、製造された編み地を棒状本体に巻き取った状態でその棒状本体の巻き戻しを阻止するロック機構とを備えて構成されている、編み地の製造装置。
【請求項5】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記保持部は、伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端又は製造された編み地を間に挟み込んで保持する一対のローラを備え、この一対のローラは互いに開閉変換可能に構成されると共に、両ローラが互いに押し付けられる側に弾性付勢されている、編み地の製造装置。
【請求項6】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
編み込み紐を差し込むための差し込み針と、この差し込み針が内部を貫通可能な管状ガイド部材とを備え、管状ガイド部材は整列されたロッソ屑の幅方向よりも長く設定されている、編み地の製造装置。
【請求項1】
無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法であって、
所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡し、その長さ方向一端を保持した後、長さ方向他端側からその長さ方向に延びる軸周りにねじり回転を加え、そのねじり回転により生じるねじれを長さ方向一端側に寄せると共に、そのねじれ内に編み込み紐を差し込んで挿通させることによりそのねじれが維持されるように編み込むようにする、
ことを特徴とするロッソ屑を材料とする編み地の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の無端環状のロッソ屑を材料とする編み地の製造方法を実施するための編み地の製造装置であって、
所定本数のロッソ屑を幅方向に整列させ、それぞれ伸長状態にして長さ方向に架け渡した状態にするために、上記長さ方向の先端側においてそれぞれ伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端を保持する保持部と、上記長さ方向の基端側において上記ロッソ屑の本数と少なくとも同数だけ有し上記長さ方向に延びる軸周りに回転可能の支持されたフック部材とを備えている、
ことを特徴とする編み地の製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記フック部材の全数を同期してねじり回転作動させるねじり回転手段を備えている、編み地の製造装置。
【請求項4】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記保持部は、回転可能に支持された棒状本体と、製造された編み地を棒状本体に巻き取った状態でその棒状本体の巻き戻しを阻止するロック機構とを備えて構成されている、編み地の製造装置。
【請求項5】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
上記保持部は、伸長状態にされたロッソ屑の長さ方向一端又は製造された編み地を間に挟み込んで保持する一対のローラを備え、この一対のローラは互いに開閉変換可能に構成されると共に、両ローラが互いに押し付けられる側に弾性付勢されている、編み地の製造装置。
【請求項6】
請求項2に記載の編み地の製造装置であって、
編み込み紐を差し込むための差し込み針と、この差し込み針が内部を貫通可能な管状ガイド部材とを備え、管状ガイド部材は整列されたロッソ屑の幅方向よりも長く設定されている、編み地の製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−189770(P2010−189770A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32092(P2009−32092)
【出願日】平成21年2月15日(2009.2.15)
【出願人】(508179637)学校法人冬木学園 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月15日(2009.2.15)
【出願人】(508179637)学校法人冬木学園 (3)
【Fターム(参考)】
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