説明

ロータリジョイントおよび導光部材

【課題】固定部材と回転部材との間で双方向の光信号の伝達をするロータリジョイントにおいて、遮光部材を別途設けることなく、クロストークの発生を防止する。
【解決手段】固定部材3と、固定部材3に対し回転自在な回転部材2と、反射面14a,4bを備え固定部材3に設けられた導光部材10aと、同様にして、回転部材2に設けられた導光部材10bと、固定部材3に設けられた発光素子11aと、発光素子11aが出射した信号光を受光できない位置で固定部材10aに設けられた受光素子12aと、同様にして、回転部材3に設けられた発光素子11b,受光素子12bとを有し、発光素子11aが発光した信号光が、反射面14a等で反射されて受光素子12bで受光され、発光素子11bが発光した信号光が、反射面14b等で反射されて受光素子12aで受光されるように構成されているロータリジョイント1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリジョイントおよび導光部材に係り、特に、固定部部材とこれに回転自在に組み合わされた回転部材との間で信号伝送を行うロータリジョイントや導光部材のうちで、光信号により双方向で信号伝送を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内の天井等に固定設置される監視カメラ装置として、カメラのパン角度やチルト角度を制御して撮像方向を変えながら監視を行うものが多数普及している。このような角度制御が可能な監視カメラ装置においては、天井等に固定設置される固定部とパン方向に回動可能な可動部とが電動雲台を介して接続された構成を有しているものが多い。
【0003】
即ち、監視カメラ装置は、チルト方向に回転駆動するチルト駆動機構を備えたカメラが搭載された可動部が、パン方向に回動可能な電動雲台の一方(可動部分)に取り付けられると共に電動雲台の他方(固定部分)が固定部の一方に取り付けられ、そして、固定部の他方が天井等に固定設置された構成を有したものが多い。
【0004】
このような構成の監視カメラ装置においては、可動部に搭載されたカメラから出力された映像信号が電動雲台を介して固定部に伝送され、この固定部で画像処理や出力インタフェース変換がされたのち、外部のモニタや映像信号記録装置に出力されるようになっている。
【0005】
このような監視カメラ装置で用いられる電動雲台には幾つかの方式が知られているが、特に可動部をパン方向に連続して旋回させることが可能な電動雲台としては、スリップリングとブラシとの摺動接点によって旋回部と固定部とにわたる信号接続路を構築するものが知られている。
【0006】
しかし、スリップリングによる摺動接点方式は、旋回するスリップリングと固定されたブラシとの接点部分に油膜や塵挨が付着して電気的接触が不安定になったり、機械的接触に伴うノイズが発生したり、長期間の連続摺動により電気的接触性能が劣化する等の問題がある。特に映像信号においては、回転に伴うノイズ発生が、パン、チルトコントロール等の制御信号においては、誤動作の発生が問題となる。さらにこのような機械接触による方式では伝送可能な周波数帯域が限られているので、高精細映像信号や高速データの伝送は困難である。
【0007】
そこで、スリップリングとブラシによる摺動接触の悪影響を避けるために、光信号により信号系の非接触伝送を行う光伝送方式の提案がなされている。これらの提案は、当初は回転部に備えたカメラの映像信号を固定側に伝送する片方向伝送であったが、カメラやチルトモータ制御用の信号を固定側から回転側に送る事もあり、双方向で非接触の光信号の伝送を行う提案がなされている。
【0008】
たとえば、特許文献1では、発光素子と受光素子の組み合わせを2組使用して、固定側と回転側の受光素子を回転軸のほぼ中心に互いに対向して配置し、各々の受光素子の外側に、受光素子と重ならないように発光素子を配置し、その発光素子からそれぞれの相手側受光素子の中心部に向かって斜め方向から発光素子の光ビームを投射するように光軸を配置した光回転結合装置が提案されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の光回転結合装置では、双方向の光伝送路において、回転中心部に配置した受光素子に対して、発光素子からの光が斜め方向から入射するように配置してあるが、互いに光信号の干渉が生じてしまうため、干渉を軽減するため新たな遮光部材が必要になるという問題がある。
【0010】
すなわち、放射角が極めて狭いVCSEL(面発光レーザ)やLD(レーザダイオード)を使用すれば干渉低減が可能であるが、一般にVCSELやLDよりも安価なLED(ライトエミッティングダイオード)を利用した場合、放射角は狭指向タイプでも全幅で十数度はあり、信号光が広がりをもって出射し、受光素子周辺部に照射されるが、反射するものばかりではなく、散乱や迷光により、光信号の干渉を引き起こしてしまう。しかも、低コスト化や部品共通化による生産効率向上のために回転側と固定側のLEDを同じ波長・放射角のものを用いる場合は、光のアイソレーション確保が難しい。特許文献1にて提案されているように遮光部材を用いれば回転側と固定側のLEDを同じにしても干渉防止が可能であるが、金型等の初期投資も含めて遮光部材の費用がかかるという問題がある。
【0011】
このように、光信号を用いた回転結合装置では、従来の摺動接触式の欠点を補うものであるが、光のアイソレーションの確保が課題であった。この点に関して、たとえば特許文献2における光学分岐素子では、送信光反射面と受信光用反射面の角度を工夫する事で光信号のクロストークを低減する方法が提案されている。
【0012】
図20に示すような特許文献2に記載の光学分岐素子210は、送信光の反射が受信経路に混入するのを防止するため、光ファイバ(図示せず)の端面と対向される開口面211aと、発光素子(図示せず)の対向面211bと、受光素子(図示せず)の対向面211cと、発光素子の対向面211bから入射される送信光を開口面211aに向かって反射する送信側反射面211d−1と、開口面211aから入射される受信光を受光素子の対向面211cに向かって反射する受信側反射面211e−1とを具備する。なお、図20(a)は、光学分岐素子210の斜視図であり、図20(b)は、光学分岐素子210の正面図であって、図20(a)におけるB矢視図であり、図20(c)は、光学分岐素子210の平面図であって、図20(a)におけるC矢視図であり、図20(d)は、光学分岐素子210の右側面図であって、図20(a)におけるD矢視図である。
【0013】
光ファイバの光軸方向をZ軸、面211bと面211cの対向方向をX軸、X軸およびZ軸と直交する方向をY軸としたとき、送信側反射面211d−1は開口面211aと平行な平面がY軸回り及びX軸回りに回転されて傾斜された面とされ、受信側反射面211e−1は開口面211aと平行な平面がY軸回りに送信側反射面211d−2と反対方向に回転されて傾斜された面とされる。開口面211a付近における送信光反射経路主方向と受信経路主方向とを大きく離すことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2001−44940号公報
【特許文献2】特開2005−345629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献2の構成は、この文献の段落[0009]に、「発光面積が大きい発光ダイオード(LED)やNAの大きい大口径光ファイバ等を用いる場合、十分コリメートされず、図示した主光線の周囲に軸外光線が広く分布している場合が多い。そのため、図ではクロストークが受光面に進入していない状態となっていても、実際にはいくらかの軸外光線が入ることになる。」と記載されているように、光学分岐素子210の面上にレンズ面を形成して信号光をコリメートすることを前提としている。ここで特許文献2では、光学分岐素子210は透明なブロック状とされている。光学分岐素子210を実際に製造する場合は、大きくわけて切削加工による方法と、成形による方法が考えられるが、安価に大量生産するのに向いた方法は、後者の成形による方法である。
【0016】
しかるに、光学分岐素子210の形状は、肉の厚い部分と薄い部分の差が大きい部分に更にレンズ面を形成する形状であるので、必要レンズ面に応じた金型開閉面が必要になり、高精度な成型条件出しが要求され、金型製造費用と成型品歩留まりの点から高価なものになる。また、特許文献2に記載の光学分岐素子210では成型性を考慮して鋭角部を無くした形状も提案されているが、鋭角部を無くした分だけ反射面の面積も減少しており、その分は軸外光線をとりこぼす事となる。
【0017】
すなわち、安価に大量生産可能な製造方法に向かず、金型製造費用が高価になる事、高精度な成形条件出しが必要な事による歩留まりによって、成形によって製造する場合は、高価になる事が問題であった。
【0018】
また、特許文献2に記載のものでは、固定部(固定部材)に設置された発光素子と受光素子とが、同じ軸上に配置されており、発光素子と受光素子とがお互いに対向しているので、発光素子から出された信号光の一部が光学分岐素子210で反射されずに、受光素子入り込む場合があり、これによって、信号光のクロストークが発生する(固定部材の発光素子が発光した信号光が固定部材の受光素子で受光される)おそれがあるという問題がある。
【0019】
詳しく説明すると、特許文献2の図16に示すように、固定部材に発光素子と受光素子とを設置し、可動部(回転部材)にも別の発光素子と受光素子とを設置し、固定部材に設置した発光素子が発した信号光が、各光学分岐素子210で反射されて回転部材の設置されている受光素子で受光されるのであるが、アイソレーションが十分にされず(固定部材に設置した発光素子が発した信号光の一部が、光学分岐素子210で反射されず)信号光の干渉が生じることがある。すなわち、固定部材の発光素子が発した信号光が、固定部材に設置された受光素子に入り込むことにより、クロストークが発生するおそれがあるという問題がある。
【0020】
同様にして、回転部材に設置された発光素子や受光素子も、同じ軸上に配置されており、これによって、クロストークが発生するおそれがあるという問題がある。
【0021】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、固定部材と回転部材との間で双方向の光信号の伝達をするロータリジョイントおよび導光部材において、遮光部材を別途設けることなく、クロストークの発生を防止することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の発明は、固定部材と、所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材と、第1の反射面と第2の反射面とを備え、前記固定部材に設けられた固定部材側導光部材と、第3の反射面と第4の反射面とを備え、前記回転部材に設けられた回転部材側導光部材と、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側発光素子と、前記固定部材側発光素子が出射した信号光を受光できない位置で、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側受光素子と、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側発光素子と、前記回転部材側発光素子が出射した信号光を受光できない位置で、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側受光素子とを有し、前記固定部材側発光素子が発光した信号光が、前記固定部材側導光部材の第1の反射面で反射され、前記回転部材側導光部材の第4の反射面で反射されて前記回転部材側受光素子で受光され、前記回転部材側発光素子が発光した信号光が、前記回転部材側導光部材の第3の反射面で反射され、前記固定部材側導光部材の第2の反射面で反射されて前記固定部材側受光素子で受光されるように構成されているロータリジョイントである。
【0023】
第2の発明は、固定部材と、所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材と、第1の反射面と第2の反射面とを備え、前記固定部材に設けられた固定部材側導光部材と、第3の反射面と第4の反射面とを備え、前記回転部材に設けられた回転部材側導光部材と、光軸が前記回転中心軸と交差するようにして、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側発光素子と、光軸が前記回転中心軸および前記固定部材側発光素子の光軸と交差するようにして、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側受光素子と、光軸が前記回転中心軸と交差するようにして、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側発光素子と、光軸が前記回転中心軸および前記回転部材側発光素子の光軸と交差するようにして、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側受光素子とを有し、前記固定部材側発光素子が発光した信号光が、前記固定部材側導光部材の第1の反射面で反射され、前記回転部材側導光部材の第4の反射面で反射されて前記回転部材側受光素子で受光され、前記回転部材側発光素子が発光した信号光が、前記回転部材側導光部材の第3の反射面で反射され、前記固定部材側導光部材の第2の反射面で反射されて前記固定部材側受光素子で受光されるように構成されているロータリジョイントである。
【0024】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記固定部材側導光部材と前記回転部材側導光部材とが、お互いに同じ仕様で構成されているか、前記固定部材側発光素子と前記回転部材側発光素子とが、お互いに同じ仕様で構成されているか、前記固定部材側受光素子と前記回転部材側受光素子とが、お互いに同じ仕様で構成されているかのうちの少なくともいずれかの態様になっているロータリジョイントである。
【0025】
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記固定部材側発光素子と前記第1の反射面との間で、前記固定部材側発光素子が発した信号光を収束するための第1のレンズ、前記固定部材側受光素子と前記第2の反射面との間で、前記固定部材側受光素子が受光する信号光を収束するための第2のレンズ、前記回転部材側発光素子と前記第3の反射面との間で、前記回転部材側発光素子が発した信号光を収束するための第3のレンズ、前記回転部材側受光素子と前記第4の反射面との間で、前記回転部材側受光素子が受光する信号光を収束するための第4のレンズのうちの少なくともいずれかのレンズが設けられているロータリジョイントである。
【0026】
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、前記導光部材は、信号光を透過する材料で一体成形された成形品であり、前記導光部材の外面の一部から前記導光部材に入り進んできた信号光が、前記導光部材の外面の他の一部で構成された前記反射面で反射され、この反射された信号光が、前記導光部材の外面のさらなる他の一部から前記導光部材の外へ出ていくように構成されており、前記導光部材の稜線部を形成する2つの面における交差角度のうちの劣角が、前記導光部材の総ての稜線部において45°以上になっているロータリジョイントである。
【0027】
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記固定部材から前記回転部材へ電力を供給するスリップリングを有するロータリジョイントである。
【0028】
第7の発明は、固定部材と所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材との間で光信号を伝送するときに使用される導光部材において、円柱状に形成された第1の導光部と、前記第1の導光部よりも小さい外径の円柱状に形成され、前記第1の導光部の軸と同軸で、前記第1の導光部の軸方向の一方の端面から突出している第2の導光部と、内径が前記第1の導光部の外径よりも小さくかつ前記第2の導光部の外径よりも大きい円柱状に形成され、前記第1の導光部の軸と同軸で、前記第1の導光部の軸方向の他方の端面から、前記第1の導光部の軸方向の中間部まで凹んでいる凹部と、前記凹部の底部に設けられ、前記各導光部の軸と斜めに交差する平面状の第1の反射面と、前記凹部の底部に設けられ、前記各導光部の軸および前記第1の反射面と斜めに交差する平面状の第2の反射面とを有する導光部材である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、固定部材と回転部材との間で双方向の光信号の伝達をするロータリジョイントおよび導光部材において、遮光部材を別途設けることなく、クロストークの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係るロータリジョイント1を搭載する監視カメラ5の概略構成を示す図である。
【図2】ロータリジョイント1の双方向信号光伝送の構成を示した図である。
【図3】ロータリジョイント1に用いる双方向信号光伝送の構成のうち、導光部材10a,10bにおける光信号の反射を示した図である。
【図4】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの外形が円形であることによる効果を説明する図である。
【図5】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの製造方法を示す図である。
【図6】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bを実装した回路基板との位置決め形状の例である。
【図7】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの反射面14の部位を形成する金型の形状を示す図である。
【図8】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの形状について示す断面図である。
【図9】ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bが光学部品の保持部とレンズ面を備える場合の説明図である。
【図10】ロータリジョイント1の構成例のうち、双方向光伝送に加工で摺動接触伝送を組み合わせた例である。
【図11】図10にて示す例の回転側組立体の図である。
【図12】ロータリジョイント1の構成例のうち、双方向光伝送に加えて摺動接触伝送を組み合わせた変形例である。
【図13】導光部材10a、10bの各反射面14a,14b,14c,14dの角度を示す図である。
【図14】導光部材10a、10bの各反射面14a,14b,14c,14dの角度を示す図である。
【図15】導光部材10a、10bの金型の断面図である。
【図16】導光部材10a、10bの変形例を示す図である。
【図17】回転中心軸4の方向から見たときにおける導光部材10a、10bと発光素子11a,11bと受光素子12a,12bとの位置関係を示す図である。
【図18】発光素子11a,11b等の設置形態の変形例を示す図である。
【図19】導光部材10a、10b等の変形例を示す図である。
【図20】従来の光学分岐素子210を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るロータリジョイント1を搭載する監視カメラ5の概略構成を示す図である。
【0032】
図2は、ロータリジョイント1の双方向信号光伝送の構成を示した図であり、図3は、ロータリジョイント1に用いる双方向信号光伝送の構成のうち、導光部材10a,10bにおける光信号の反射を示した図である。
【0033】
図4は、ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの外形が円形であることによる効果を説明する図である。
【0034】
図5は、ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの製造方法を示す図である。
【0035】
図6は、ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bを実装した回路基板との位置決め形状の例であり、図7は、ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの反射面14の部位を形成する金型の形状を示す図であり、図8は、ロータリジョイント1に用いる導光部材10a,10bの形状について示す断面図である。
【0036】
図1に示すように、天井等に取り付ける固定部(固定部材)3と、カメラを搭載しパン回転軸4周りに回転する回転部(回転部材)2と、固定部3が回転部2をパン回転軸4まわりに回転自在に保持するロータリジョイント1がある。
【0037】
ロータリジョイント1は、回転部2を回転自在に保持しながら、信号伝送や電力供給を行う。監視カメラ5の場合、カメラ撮像映像を回転部2から固定部3に伝送する以外に、カメラの制御信号や、回転部2に搭載される事が多いチルト回転用モータの制御信号用に、固定部3から回転部2への信号伝送も必要である。ロータリジョイント1では、双方向の光伝送と摺動接触伝送を併用し、映像信号や制御信号の信号系は光伝送を利用し、電源供給は摺動接触伝送を利用している。
【0038】
さらに説明すると、ロータリジョイント1は、固定部材3と、回転部材2と、導光手段の例である固定部材側導光部材10aと、回転部材側導光部材10bと、発光手段の例でありたとえば発光ダイオード(LED)で構成された固定部材側発光素子11aと、受光手段の例でありたとえばフォトダイオード(PD)で構成された固定部材側受光素子12aと、同様に構成された回転部材側発光素子11bと回転部材側受光素子12bとを備えて構成されている。
【0039】
回転部材2は、図示しないベアリングを介して固定部材3に支持されており、所定の軸4を回転中心にして固定部材3に回転自在(双方向に無限回転自在)に設けられている。なお、回転部材2の回転位置決めは、図示しない制御装置の制御の下、図示しないモータ等のアクチュエータによりなされるようになっている。固定部材側導光部材10aは、各反射面14(14a,14b)を備えていると共に、固定部材3に一体的に設けられている。回転部材側導光部材10bは、各反射面14(14c,14d)を備えていると共に、回転部材2に一体的に設けられている。
【0040】
なお、固定部材側発光素子11aが固定部材3に一体的に設けられており、回転部材側発光素子11bが回転部材2に一体的に設けられており、固定部材側受光素子12aが固定部材3に一体的に設けられており、回転部材側受光素子12bが回転部材2に一体的に設けられているが、固定部材側発光素子11aが固定部材側導光部材10aに一体的に設けられている構成であってもよいし、回転部材側発光素子11bが回転部材側導光部材10bに一体的に設けられている構成であってもよし、固定部材側受光素子12aが固定部材側導光部材10aに一体的に設けられている構成であってもよし、回転部材側受光素子12bが回転部材側導光部材10bに一体的に設けられている構成であってもよい(詳しくは図9を用いて後述)。
【0041】
固定部材側受光素子12aは、固定部材側発光素子11aが出射した信号光を受光できない位置に設置されている。
【0042】
すなわち、固定部材側発光素子11aが発する信号光を遮るものが存在せず屈折率等の光学特性が一様な空間(たとえば、空気のみが存在する空間)を想定した場合において、固定部材側発光素子11aの照射領域(発光素子の照射角と発光素子からの距離とで規定される照射領域)の外に固定部材側受光素子12aが存在していること、固定部材側受光素子12aの受光領域(受光素子の受光角と受光素子からの距離とで表される受光領域)の外に固定部材側発光素子11aが存在していることの少なくともいずれかの条件を満たすようにして、固定部材側発光素子11aと固定部材側受光素子12aとが設けられている。
【0043】
また、同様にして、回転部材側受光素子12bが、回転部材側発光素子11bが出射した信号光を受光できない位置に設置されている。
【0044】
そして、ロータリジョイント1は、固定部材側発光素子11aが発光した信号光が、固定部材側導光部材10aの反射面14aで反射され、回転部材側導光部材10bの反射面14dで反射されて回転部材側受光素子12bで受光されるように構成されている。また、回転部材側発光素子11bが発光した信号光が、回転部材側導光部材10bの反射面14cで反射され、固定部材側導光部材10aの反射面14bで反射されて固定部材側受光素子12aで受光されるように構成されている。
【0045】
ここで、発光素子11a、11bと受光素子12a,12bの設置の形態について例を掲げてさらに詳しく説明する。
【0046】
固定部材側発光素子11aは、この光軸が回転中心軸4と交差するようにして(たとえば、光軸が回転中心軸4にほぼ直交するようにして)、回転中心軸4から離れた位置に設けられている。なお、固定部材側発光素子11aの信号光発光部は回転中心軸4側を向いている。すなわち、固定部材側発光素子11aは回転中心軸4側に向かって信号光を発するようになっている。
【0047】
固定部材側受光素子12aは、この光軸が回転中心軸4および固定部材側発光素子11aの光軸と交差するようにして(たとえば、光軸が回転中心軸4および固定部材側発光素子11aの光軸とほぼ直交するようにして)、回転中心軸4から離れた位置に設けられている。なお、固定部材側受光素子12aの信号光受光部は回転中心軸4側を向いている。すなわち、固定部材側受光素子12aは回転中心軸4側から送られてくる信号光を受光するようになっている。
【0048】
また、すでに理解されるように、回転中心軸4と固定部材側発光素子11aの光軸と固定部材側受光素子12aの光軸とは、お互いが1点で交わるように延びており、固定部材側発光素子11aの光軸と固定部材側受光素子12aの光軸とはお互いにずれており、回転中心軸4に対して固定部材側発光素子11aと固定部材側受光素子12aとが非対向位置に配置されている。
【0049】
ところで、回転中心軸4と固定部材側発光素子11aの光軸と固定部材側受光素子12aの光軸とが、1点で交わることなく、延びていてもよい。すなわち、固定部材側発光素子11aの光軸が、回転中心軸4に対してねじれの位置で延びていてもよく、固定部材側受光素子12aの光軸が、回転中心軸4と固定部材側発光素子11aの光軸とに対してねじれの位置で延びていてもよい。
【0050】
回転部材側発光素子11bや回転部材側受光素子12bも、固定部材側発光素子11aや固定部材側受光素子12aと同様に設けられている。なお、回転部材側発光素子11bの光軸や回転部材側受光素子12bの光軸は、回転中心軸4の方向(図2の上下方向)で固定部材側発光素子11aの光軸や固定部材側受光素子12aの光軸から離れている。
【0051】
そして、ロータリジョイント1では、カメラ等の制御信号が図示しない変換回路で変換され、固定部材側発光素子11aから光信号として発射され、固定部材側発光素子11aが発光した信号光が、固定部材側導光部材10aの信号光入射面31aから固定部材側導光部材10a内に入り、この入り込んだ信号光が固定部材側導光部材10a内を進んで固定部材側導光部材10aの反射面14aで反射され、この反射された信号光が、固定部材側導光部材10a内を回転中心軸4に沿って進み、固定部材側導光部材10aの信号光出入面13aから出射されるようになっている。
【0052】
さらに、信号光出入面13aから出射された信号光が、回転部材側導光部材10bの信号光出入面13bから回転部材側導光部材10b内に入り、この入り込んだ信号光が回転部材側導光部材10b内を回転中心軸4に沿って進み、この進んできた信号光が、回転部材側導光部材10bの反射面14dで反射され、この反射された信号光が、回転部材側導光部材10b内を進んで、回転部材側導光部材10bの信号光出射面32bから出射され、回転部材側受光素子12bで受光されるようになっている。
【0053】
同様にして、カメラで撮影した映像信号が図示しない変換回路で変換され、回転部材側発光素子11bから光信号として出射され、回転部材側発光素子11bが発光した信号光が、回転部材側導光部材10bの信号光入射面31bから回転部材側導光部材10b内に入り、この入り込んだ信号光が回転部材側導光部材10b内を進んで回転部材側導光部材10bの反射面14cで反射され、この反射された信号光が、回転部材側導光部材10b内を回転中心軸4に沿って進み、回転部材側導光部材10bの信号光出入面13bから出射されるようになっている。
【0054】
さらに、信号光出入面13bから出射された信号光が、固定部材側導光部材10aの信号光出入面13aから固定部材側導光部材10a内に入り、この入り込んだ信号光が固定部材側導光部材10a内を回転中心軸4に沿って進み、この進んできた信号光が、固定部材側導光部材10aの反射面14bで反射され、この反射された信号光が、固定部材側導光部材10a内を進んで、固定部材側導光部材10aの信号光出射面32aから出射され、固定部材側受光素子12aで受光されるようになっている。
【0055】
ところで、ロータリジョイント1では、固定部材側導光部材10aと回転部材側導光部材10bとが、共通化されてお互いに同じ仕様で構成されている。また、固定部材側発光素子11aと回転部材側発光素子11bとが、共通化されてお互いに同じ仕様で構成されている。また、固定部材側受光素子12aと回転部材側受光素子12bとが、共通化されてお互いに同じ仕様で構成されている。なお、ロータリジョイント1において、固定部材側導光部材10aと回転部材側導光部材10bとの共通化、固定部材側発光素子11aと回転部材側発光素子11bとの共通化、固定部材側受光素子12aと回転部材側受光素子12bとの共通化のうちの少なくともいずれかの共通化がされている構成であってもよい。
【0056】
また、ロータリジョイント1において、固定部材側発光素子11aと反射面14aとの間に、固定部材側発光素子11aが発した信号光の発散を防ぎ収束させるためのレンズ31aを設けてもよい。たとえば、図9で示すように、固定部材側導光部材10aの信号光入射面31aを凸状に盛り上げてレンズ面17を形成してもよい。
【0057】
同様にして、固定部材側受光素子12aと反射面14bとの間に、固定部材側受光素子12aが受光する信号光の発散を防ぎ収束させるためのレンズ33bを設け、回転部材側発光素子11bと反射面14cとの間に、回転部材側発光素子11bが発した信号光の発散を防ぎ収束させるためのレンズ33cを設け、回転部材側受光素子12bと反射面14dとの間に、回転部材側受光素子12bが受光する信号光の発散を防ぎ収束させるためのレンズ33dを設けてもよい。なお、ロータリジョイント1において、各レンズ33a,33b,33c,33dのうちの少なくともいずれかのレンズが設けられている構成であってもよい。
【0058】
また、ロータリジョイント1において、導光部材10a,10bの各反射面14a,14b,14c,14dの少なくともいずれかの反射面が、信号光の発散を防ぎ収束させるための曲面(凹面)になっていてもよいし、さらに、導光部材10a,10bの信号光出入面13a、13bの少なくともいずれかの面が、信号光の発散を防ぎ収束させるための曲面(凸面)になっていてもよい。
【0059】
更に、第2の導光部35の先端の信号光出入面13a(13b)面にレンズ形状または、傾斜面を形成して入射出射の際の戻り光を低減するようにしてもよい。
【0060】
ここで、導光部材10a,10bについて詳しく説明する。
【0061】
固定部材側導光部材10aは、固定部材3と回転部材2との間で固定部材3側に設けられており、回転部材側導光部材10bは、固定部材3と回転部材2との間で回転部材2側に設けられている。
【0062】
次に、主に固定部材側導光部材10aについて説明するが、回転部材側導光部材10bも同様に構成されているものとする。
【0063】
固定部材側導光部材10aは、発光素子11a,11bが発した信号光を透過する樹脂材料(ガラス等の他の材料であってもよい。)で一体成形された(たとえば射出成形で一体成形された)成形品である。また、固定部材側導光部材10aでは、この稜線部(固定部材側導光部材10aの表面が急激に折れ曲がっている凸状の角部)が、固定部材側導光部材10aの肉部側で45°以上の角度になっている。すなわち、固定部材側導光部材10aの稜線部を形成する2つの面における交差角度のうちの劣角が、いずれの稜線部においても45°以上になっており、総ての稜線部が鋭利に尖っていることはない。
【0064】
そして、前述したように、固定部材側導光部材10aの外面の一部(信号光入射面31a)から導光部材10aに入り進んできた信号光(固定部材側発光素子11aが発した信号光)が、導光部材10aの外面の他の一部で構成された(境界で構成された)反射面14aで反射され、この反射された信号光が、導光部材10aの外面のさらなる他の一部(信号光出入面13a)から導光部材10aの外へ出ていくように構成されている。
【0065】
また、固定部材側導光部材10aの外面の一部(信号光出入面13a)から導光部材10aに入り進んできた信号光(回転部材側発光素子11bが発した信号光)が、導光部材10aの外面の他の一部で構成された(境界で構成された)反射面14bで反射され、この反射された信号光が、導光部材10aの外面のさらなる他の一部(信号光出射面32a)から導光部材10aの外へ出ていき、固定部材側受光素子12aで受光されるように構成されている。
【0066】
固定部材側導光部材10aは、円柱状に形成された第1の導光部34と、円柱状に形成された第2の導光部35と、円柱状に形成された凹部36とを備えて形成されている。
【0067】
第2の導光部35の外径は、第1の導光部34よりも小さくなっており、第2の導光部35は、第1の導光部34と同軸で、第1の導光部34の軸方向の一方の端面から突出している。凹部36の内径は、第1の導光部34の外径よりも小さくかつ第2の導光部35の外径よりも大きくなっており、凹部36は、第1の導光部34の軸と同軸で、第1の導光部34の軸方向の他方の端面から、第1の導光部34の軸方向の中間部まで凹んでいる。
【0068】
固定部材側導光部材10aの凹部36の面の一部が反射面14aを構成しており、固定部材側導光部材10aの凹部36の面の他の一部が反射面14bを構成している。同様にして、回転部材側導光部材10bの凹部36の面の一部が反射面14cを構成しており、回転部材側導光部材10bの凹部36の面の他の一部が反射面14dを構成している。
【0069】
また、第1の導光部34の軸と第2の導光部35の軸と凹部36の軸とが、回転部材2の回転中心軸4と一致するようにして、固定部材側導光部材10aや回転部材側導光部材10bが固定部材3や回転部材2に設置されている。
【0070】
また、固定部材側導光部材10aは、第1の導光部34の軸方向の端面(凹部36が形成されている端面)が固定部材3側に位置し、第2の導光部35が回転部材2側に位置するようにして固定部材3に一体的に設けられている。回転部材側導光部材10bは、第1の導光部34の軸方向の端面(凹部36が形成されている端面)が回転部材2側に位置し、第2の導光部35が固定部材3側に位置するようにして回転部材2に一体的に設けられている。
【0071】
そして、固定部材側導光部材10aの第2の導光部35の先端部に形成されている円形平面状の信号光出入面13aと、回転部材側導光部材10bの第2の導光部35の先端部に形成されている円形平面状の信号光出入面13bとは、回転中心軸4の方向で、お互いが僅かな間隔をあけて対向している。
【0072】
さらに、図13や図14に示すがごとく、導光部材10a,10bにおける肉部は、極端に薄いところや極端に厚いところが存在しない形状になっている。
【0073】
また、反射面14a(14c)と反射面14b(14d)とは、固定部材側導光部材10a(回転部材側導光部材10b)の凹部36の底部(先端部)に設けられている。
【0074】
反射面14a(14c)は、第1の導光部34の軸4と斜めに交差している平面で構成されており、反射面14b(14d)は、第1の導光部34の軸4および反射面14a(14c)を構成している平面と斜めに交差している平面で構成されている。
【0075】
上記2つの平面の交差部位の線分である稜線37は、各導光部34,35の軸4に対して斜めになっている。たとえば、54.47°(90°−35.26°)の角度で、交差している(1点で交わり斜めに延びている)。また、反射面14a(14c)と反射面14b(14d)とは、軸4と稜線37とで規定でされる平面(回転中心軸4と稜線37とを含む平面)に対して対称になっている。
【0076】
また、反射面14a(14c)に対する反射面14b(14d)の交差角度(凹部36における交差角度;360°の角度から導光部材10a,10bの肉部における交差角度を減じた角度)は、180°よりも小さくなっており、たとえば、90°になっている。
【0077】
固定部材側発光素子11aと固定部材側受光素子12aとは、回転中心軸4の方向では、固定部材側導光部材10aの第1の導光部34の中間部に設けられており、この第1の導光部34の径方向では、第1の導光部34から僅かに離れて設けられている。
【0078】
同様にして、回転部材側発光素子11bと回転部材側受光素子12bとが、回転中心軸4の方向では回転部材側導光部材10bの第1の導光部34の中間部に設けられており、この第1の導光部34の径方向では、第1の導光部34から僅かに離れて設けられている。
【0079】
また、ロータリジョイント1には、固定部材3から回転部材2へ電力を供給するスリップリング41が設けられている(図10、図12参照)。スリップリング41は、各導光部材10a,10bにおける第2の導光部35の外側に設けられている。すなわち、回転中心軸4を中心にし、各導光部材10a,10bの第2の導光部35が内側に位置するようにして、スリップリング41のリング状の摺動接触部(導電部材)23が設けられている。
【0080】
なお、各導光部材10a,10bの第2の導光部35の外径を細くしてあることにより、スリップリング41を設置するためのスペースを確保しやすくなっていると共に、第2の導光部35を通過する信号光が、軸4に対して平行に進み易くなっており、信号光を効率良く伝達することができるようになっている。
【0081】
図10を参照して、スリップリング41についてさらに詳しく説明する。
【0082】
図10に示すロータリジョイント1は、信号光伝送部(各導光部材10a,10b等で構成された信号光伝送部)と、スリップリング41とを備えて構成されている。
【0083】
スリップリング41は、摺動接触部固定側組立体20と摺動接触部回転側組立体21とを備えて構成されている。摺動接触部固定側組立体20は、筐体42と基板24とを備えて構成されている。
【0084】
筐体42は、円筒状の部材43と、この円筒状の部材43の一方の開口部を塞いでいる円板状の部材44と、円筒状の部材43の他方の開口部を塞いでいる円板状の部材45とを備えて形成されている。そして、筐体42は、円板状の部材44が固定部材3側に位置し円板状の部材45が回転部材2側に位置し、円板状の部材44の中央部に設けられている貫通孔が、固定部材側導光部材10aの第2の導光部35に嵌って、固定部材側導光部材10aに一体的に設けられている。
【0085】
筐体42の内部であって、円板状の部材44の内面には、円板状の基板24が一体的に設けられている。基板24の厚さ方向の一方の面(円板状の部材44とは反対側の面)には、リング状の導電部材(摺動接触部)23が、軸4を同芯として複数設けられている。各リング状の導電部材23の径はそれぞれ異なっており、基板24の径方向でお互いが離れている。
【0086】
摺動接触部回転側組立体21は、ブラシ保持体46と複数のブラシ(摺動接触子)22とを備えて構成されている。ブラシ保持体46は、筐体42のほぼ内部に位置していると共に、回転部材側導光部材10bの第2の導光部35に嵌って、回転部材側導光部材10bに一体的に設けられている。また、各ブラシ22は、回転部材2の回転に伴って、円形状の各導電部材23のそれぞれに摺動接触するようになっている。
【0087】
次に、図12を参照して、スリップリング41の変形例であるスリップリング41aについて詳しく説明する。
【0088】
図12に示すスリップリング41aも、摺動接触部固定側組立体20aと摺動接触部回転側組立体21aとを備えて構成されている。摺動接触部固定側組立体20aは、筐体42aと基板24aとを備えて構成されている。
【0089】
筐体42aは、円筒状の部材43aと、この円筒状の部材43aの一方の開口部を塞いでいる円板状の部材44aと、円筒状の部材43aの他方の開口部を塞いでいる円板状の部材45aとを備えて構成されている。そして、筐体42aは、円板状の部材44aが固定部材3側に位置し円板状の部材45aが回転部材2側に位置し、円板状の部材44aの中央部に設けられている貫通孔が、固定部材側導光部材10aの第2の導光部35に嵌って、固定部材側導光部材10aに一体的に設けられている。
【0090】
筐体42aの内部であって、円筒状の部材43aの内面には、基板24aが一体的に設けられている。基板24aには、複数のブラシ23aが一体的に設けられている。各ブラシ23aは、軸4の方向でお互いが離れて設けられている。
【0091】
摺動接触部回転側組立体21aは、導電部材支持体47とリング状の複数の摺動接触部23bとを備えて構成されている。導電部材支持体47は、円筒状に形成され筐体42のほぼ内部に位置していると共に、回転部材側導光部材10bの第2の導光部35に嵌って、回転部材側導光部材10bに一体的に設けられている。また、リング状の各摺動接触部23bは、回転部材2の回転に伴って、各導電部材23aのそれぞれに摺動接触するようになっている。
【0092】
なお、すでに理解されるように、監視カメラ5を用いるロータリジョイント1の場合は、映像信号や制御信号を光伝送が担い、回転部材2への電力供給や、グランド線の確保にスリップリング41が用いられる。
【0093】
ところで、ロータリジョイント1では、各発光素子11a,11bの指向角度は約18°であり、各受光素子12a,12bとして大きさが2mm角のPD(フォトダイオード)を用いている。
【0094】
また、前述したように、回転部材2に一体的に設けられている発光素子11aと受光素子12aとは、回転軸4の方向から見て、回転軸4について90°の角度を成すように配置されている(図14参照)。
【0095】
また、図3に示すように、回転部2側と固定部3側それぞれに設けた導光部材10a,10bの各反射面14a,14b,14c,14dには、鏡面仕上げが施されており、各反射面14a,14b,14c,14dと軸4等とのなす角は、図13、図14に示すようになっている。すなわち、回転部材の中心軸4と発光素子11a(11b)の光軸と受光素子12a(12b)の光軸とが、お互いに直交している場合にあっては、軸4に直交する平面と稜線37との交差角度は35.26°になっている。なお、図13(a)は、導光部材10a,10bを軸4の方向から見た図であり、図13(b)は、図13(a)におけるB−B断面を示す図である。なお、B−B断面は、軸4と発光素子11aの光軸とで規定される平面である。また、図13(c)は、図13(a)におけるC−C断面を示す図である。なお、C−C断面は、図13(a)におけるB−B断面を、軸4を中心にして時計まわりに45°回転した面である。また、図14(d)は、図13(a)におけるD矢視図であり、図14(e)は、図13(a)におけるE−E断面を示す図である。なお、E−E断面は、図13(a)におけるC−C断面を、軸4を中心にして時計まわりに90°回転した面である。図14(f)は、図13(a)におけるF矢視図である。
【0096】
また、図8に示すように、導光部材10a(10b)の円筒形反射部(第1の導光部)34に入射した発光素子11a(11b)からの信号光は、反射部(凹部)36底面の一部が成す反射面14a(14c)で反射して導光管部(第2の導光部35)に導かれる。逆に導光管部端面13a(13b)より入射した信号光のうち発光素子11a(11b)に対向する面(反射面14a(14c))に入射した光は、受光素子12a(12b)に入射せず発光素子11a(11b)方向に反射するが問題は無い。
【0097】
なお、ロータリジョイント1では、反射面14は鏡面仕上げの樹脂面であるが、部材(導光部材10a,10b)の外部から反射膜を付けてもよい。
【0098】
図9に示すロータリジョイント1では、導光部材10a(10b)に保持部15、16を一体で設けて数百ミクロンの位置精度で、発光素子11a(11b)と受光素子12a(12b)とを、導光部材10a(10b)で直接的に保持している。このように、位置精度良く保持する事により、光軸が安定し光伝送効率のばらつきを防止できる。さらに導光部材10a(10b)と発光素子11a(11b)や受光素子12a(12b)との位置関係が精度良く定まる事により、前述したように、導光部材10a(10b)の反射部側面にレンズ形状形成し、より多くの光信号を受光素子12a(12b)へ入射させることができる。
【0099】
なお、図11に示すように、筐体42(42a)やブラシ保持体46や導電部材支持体47の中央部に、円の内一部の円弧を切り落した形状のDカットの貫通孔を設け、これに対応させて、固定部材側導光部材10a(10b)の第2の導光部35もDカット状に形成し、筐体42(42a)やブラシ保持体46や導電部材支持体47を導光部材10a(10b)に一体的に設けてある。
【0100】
なお、Dカットの形状に代えて、円から円弧を2箇所で切り落した小判型の形状にし、または、キーとキー溝を用い、または、ローレットを用いて、筐体42(42a)やブラシ保持体46や導電部材支持体47を導光部材10a(10b)に一体的に設けてあってもよい。
【0101】
次に、導光部材10a(10b)を成形するための金型52について説明する。
【0102】
図15は、金型52の概略構成を示す断面図であり、図15(a)は、軸4を含む平面で金型52を切断したときの断面図であり、図15(b)は、図15(a)におけるB−B断面図である。
【0103】
金型52は下型54と上型55とを備えて構成されている。上型55には、導光部材10a(10b)の各導光部34,35を形成するための凹部が形成されている。また、下型54には、導光部材10a(10b)の凹部36を形成するための丸棒53が一体的に設けられている。
【0104】
ところで、固定部材3や回転部材2に実装された(一体的に設置された)受光素子12a,12bと発光素子11a,11bに対する導光部材10a,10bの設置角度(軸4まわりの姿勢)を決めるには、図6や図7や図15に示すように円筒状の突起51を設ければよいが、これらの突起51は、図7や図15に示すように、金型52では反射面部(凹部36)を形成する丸棒53と同じ面に孔加工を行うので、丸棒53の底部にD型等の回転止め形状を作っておけば(図15(b)参照)、反射面14a,14b(14c,14d)と突起51の角度が狂うことも無く、角度精度の確保が容易になる。導光部材34,35は共に円筒形状であるので、一度に加工に行え、高い同軸度を容易に得ることができる。
【0105】
次に、ロータリジョイント1の動作について説明する。
【0106】
初期状態として、スリップリング41(41a)によって、回転部材2に電力が供給されているものとする。
【0107】
この初期状態のときに、図示しない制御装置の制御の下、カメラ等の制御信号等が固定部材3側から回転部材2側に導光部材10a,10b等を介して伝送されると、カメラが所定の領域を撮影する。このされた映像を光信号に変換して、導光部材10a,10b等を介して、回転部材2側から固定部材3が側に伝送する。
【0108】
ロータリジョイント1によれば、固定部材側発光素子11aが出射した信号光を受光できない位置に、固定部材側受光素子12aが設けられているので、固定部材側発光素子11aが出射した信号光の一部が、固定部材側導光部材10aの第1の反射面14aで反射されなくても、この反射されない信号光が固定部材側受光素子12aに入射する事態を回避することができる。したがって、遮光部材を別途設けることなく、固定部材側発光素子11aから固定部材側受光素子12aへのクロストークの発生を防止する(固定部材側発光素子11aが発光した信号光が固定部材側受光素子12aで誤って受光されてしまう事態を防止する)ことができる。また、同様にして、回転部材側発光素子11bから回転部材側受光素子12bへのクロストークの発生を防止することができる。
【0109】
また、ロータリジョイント1によれば、固定部材側発光素子11aの光軸と固定部材側受光素子12aの光軸とがほぼ直交している。汎用の発光素子は、信号光の照射角度が20°〜50°程度であり(たとえば、指向角18°の2倍である36°であり)、汎用の受光素子も、受光角度が20°〜50°程度である。したがって、固定部材側受光素子12aが、固定部材側発光素子11aが出射した信号光を受光できない位置に設けられていることになり(図17参照)、照射角度や受光角度が小さい特殊用途の発光素子や受光素子を用いなくても、固定部材側発光素子11aから固定部材側受光素子12aへのクロストークの発生を防止することができる。また、同様にして、回転部材側発光素子11bから回転部材側受光素子12bへのクロストークの発生を防止することができる。
【0110】
また、ロータリジョイント1によれば、回転中心軸4と固定部材側発光素子11a(11b)の光軸と固定部材側受光素子12a(12b)の光軸とがお互いに直交しほぼ1点で交わっていると共に、回転中心軸4と発光素子11a(11b)の光軸と受光素子12a(12b)の光軸とがお互いに直交しほぼ1点で交わっているので、固定部材側導光部材10a、固定部材側発光素子11a、固定部材側受光素子12a、回転部材側導光部材10b、回転部材側発光素子11b、回転部材側受光素子を12bを、固定部材3や回転部材2に組み付ける際、これらの位置精度を正確なものにすることが容易になる。
【0111】
また、ロータリジョイント1によれば、固定部材側導光部材10aと回転部材側導光部材10bとが同じ仕様で構成されており、固定部材側発光素子11aと回転部材側発光素子11bとが同じ仕様で構成されており、固定部材側受光素子12aと回転部材側受光素子12bとが同じ仕様で構成されているので、ロータリジョイント1を構成する部品の種類を削減しロータリジョイントを構成する部品の共通化を図り生産性と費用を抑えながら、光のアイソレーション(分離)を確保したロータリジョイントを実現することができる。
【0112】
また、ロータリジョイント1によれば、信号光を収束するためのレンズ33a,33b,33c,33dが設けられているので、信号光の発散が防止され、信号光を効率良く伝達することができる。さらに、各反射面14a,14b,14c,14dを、信号光を収束するための凹面にし、信号光出入面13a(13b)を、信号光を収束するための凸面にすれば、信号光の発散が防止され、信号光を効率良く伝達することができる。
【0113】
また、ロータリジョイント1によれば、導光部材10a,10bがこの反射面14a,14b,14c,14dを含め成形品で構成されているので、大量生産が可能になり価格の上昇を抑えることができる。
【0114】
また、ロータリジョイント1によれば、導光部材10a,10bの稜線37等の稜線部を形成する2つの面の交差角度のうちの劣角が、総ての稜線部において45°以上の角度になっているので、導光部材10a,10bにおける鋭角部が消滅しており、稜線部に所謂糸面程度の面取りをすれば大量生産に適した金型を作成できる。したがって、反射面14a,14b,14c,14dの面積の減少を抑制することができ、軸外光線のとりこぼしを減少させることができ、信号光を効率良く伝送することができる。
【0115】
また、ロータリジョイント1によれば、上述したように各発光素子11a,11bと各受光素子12a,12bとが設けられており、固定部材側導光部材10aと回転部材側導光部材10bとが離れているので、非接触で、固定部材側導光部材10a(固定部材3)と回転部材側導光部材10b(回転部材2)との間の双方向で信号伝送が可能になっている。
【0116】
また、ロータリジョイント1によれば、導光部材10a,10bの肉部の厚さに極端な差がないので、成形時に表面が窪むヒケを防止でき、導光部材10a,10bを成形するときの歩留まりを良好なものにすることができ、導光部材10a,10bの製造コストを下げることができる。また、導光部材10a,10bにおける鋭角部が消滅しており、導光部材10a,10bの肉部の厚さに極端な差が無いので、成形するときにおける硬化前の樹脂の流れが単純になり、樹脂の流れにおいて乱流等の複雑な流れが無くなり、導光部材10a,10bがほぼ均質な媒質(信号光伝達媒質)として形成され、導光部材10a,10bにおける信号光の複屈折の発生を防止することができる。
【0117】
また、導光部材10a,10bを成形する際、図15で示すような下型54と上型55とを使用すれば、アンダーカットが発生せず、金型52の構成を簡素化することができると共に、高精度の成形を容易に行うことができる。すなわち、発光素子11a,11bや受光素子12a,12bの対向面にレンズ形状を設けることなく、第1の導光部34を円柱状に形成すれば、アンギュラピン等を用いたスライド機構等により金型開閉部を別に設ける必要もないので、安価に精度良く耐久性の有る金型を製造することができる。
【0118】
また、ロータリジョイント1によれば、導光部材10a,10bを成形するのに使用する金型52が、機械加工が容易な円を基調とした形状になっており、特に反射面14a,14b,14c,14dの部分は丸棒53に角度つけて加工するだけで形状を確保することができるようになっており(図5、図7参照)、丸棒53の円筒部を基準として金型52の本体部(下型54)に対する位置出し可能であるので、精度の良い金型52を安価に製作することができる。
【0119】
すなわち、導光部材10a,10bを構成する反射部(凹部36)と各導光部34,35がほぼ円筒状であることで、旋盤等の汎用的な工作機械で容易に可能可能であり、また反射部14a,14b,14c,14dについては、図5の(a)(b)に示すように、丸棒に45°等の角度をつけて切削加工するだけでよく、加工面の磨き仕上げも行い易い。さらに、丸棒53の外周円を基準とした位置出しが可能であるため精度も確保し易い。また、図5(c)に示すように、45°を下回るような鋭角部が存在しないため、各稜線(稜線部)に沿って所謂糸面取りと呼ばれるC0.1mm〜C0.2mm程度の小さな面取り行えば成形に対応できるので、鋭角部を無くすために反射面14a,14b,14c,14dが大きく減少することは無い。
【0120】
また、ロータリジョイント1によれば、導光部材10a,10bの第1の導光部34が円柱状(凹部36を含めるとほぼ円筒状)に形成されているので、発光素子11a,11bの発した信号光が第1の導光部34に入るときに屈折して収束され、導光部材10a,10bへの入射のロスを低減することができる。
【0121】
すなわち、図4に示すように、導光部材10a,10bの外形が円形であるので、発光素子11a,11bの放射角(照射角)で定義される信号光の広がりを円筒外径のR面によって抑制できる。これにより、より多くの信号光を反射面14a,14cに入射させることができ、導光部材10a,10bに入射する前に反射してしまう信号光の損失を抑えてより多くの信号光を導光部材10a,10bの第1の導光部34に導くことができる。なお、導光部材10a,10bから、受光素子12a,12bに信号光を出射する場合も、同様にして信号光が広がる事態を抑制することができる。
【0122】
ところで、図16で示すように、導光部材10a,10bの第1の導光部34の外形を球面状にする等、回転中心軸4の方向でも円弧状に形成してもよい。これにより、信号光が広がる事態を一層効率良く抑制することができる。
【0123】
また、すでに理解されるように、発光素子11a,11bの光軸を、回転中心軸4に対して斜めに傾けてもよく(図18参照)、同様にして、受光素子12a,12bの光軸を、回転中心軸4に対して斜めに傾けてもよい。
【0124】
さらに、図19で示すように、導光部材10a,10bの軸を、回転中心軸4に対して斜めに傾けてもよい。なお、図18や図19に示すように構成した場合にあっては、反射面14の角度も適宜変更されるものとする。
【0125】
図19に示すように、導光部材10a,10bの軸4aを回転中心軸4に対して斜めに傾け、軸4aと、信号光出入面13a(13b)とが直交しないようにすることにより、各導光部材における入射出射の際の戻り光によるクロストークを抑える事ができる。
【0126】
また、導光部材10a,10bの形態を、適宜変更してもよい。たとえば、第1の導光部34の外径と第2の導光部35の外径とをお互いに等しくしてもよいし、第1の導光部34や第2の導光部35の軸を曲げて構成してもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 ロータリジョイント
2 回転部材
3 固定部材
4 回転中心軸
10a 固定部材側導光部材
10b 回転部材側導光部材
11a 固定部材側発光素子
11b 回転部材側発光素子
12a 固定部材側受光素子
12b 回転部材側受光素子
14(14a、14b、14c、14d) 反射面
17 レンズ面
33a、33b、33c、33d レンズ
34 第1の導光部
35 第2の導光部
41、41a スリップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材と;
所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材と;
第1の反射面と第2の反射面とを備え、前記固定部材に設けられた固定部材側導光部材と;
第3の反射面と第4の反射面とを備え、前記回転部材に設けられた回転部材側導光部材と;
前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側発光素子と;
前記固定部材側発光素子が出射した信号光を受光できない位置で、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側受光素子と;
前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側発光素子と;
前記回転部材側発光素子が出射した信号光を受光できない位置で、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側受光素子と;
を有し、前記固定部材側発光素子が発光した信号光が、前記固定部材側導光部材の第1の反射面で反射され、前記回転部材側導光部材の第4の反射面で反射されて前記回転部材側受光素子で受光され、
前記回転部材側発光素子が発光した信号光が、前記回転部材側導光部材の第3の反射面で反射され、前記固定部材側導光部材の第2の反射面で反射されて前記固定部材側受光素子で受光されるように構成されていることを特徴とするロータリジョイント。
【請求項2】
固定部材と;
所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材と;
第1の反射面と第2の反射面とを備え、前記固定部材に設けられた固定部材側導光部材と;
第3の反射面と第4の反射面とを備え、前記回転部材に設けられた回転部材側導光部材と;
光軸が前記回転中心軸と交差するようにして、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側発光素子と;
光軸が前記回転中心軸および前記固定部材側発光素子の光軸と交差するようにして、前記固定部材もしくは前記固定部材側導光部材に設けられた固定部材側受光素子と;
光軸が前記回転中心軸と交差するようにして、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側発光素子と;
光軸が前記回転中心軸および前記回転部材側発光素子の光軸と交差するようにして、前記回転部材もしくは前記回転部材側導光部材に設けられた回転部材側受光素子と;
を有し、前記固定部材側発光素子が発光した信号光が、前記固定部材側導光部材の第1の反射面で反射され、前記回転部材側導光部材の第4の反射面で反射されて前記回転部材側受光素子で受光され、
前記回転部材側発光素子が発光した信号光が、前記回転部材側導光部材の第3の反射面で反射され、前記固定部材側導光部材の第2の反射面で反射されて前記固定部材側受光素子で受光されるように構成されていることを特徴とするロータリジョイント。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のロータリジョイントにおいて、
前記固定部材側導光部材と前記回転部材側導光部材とが、お互いに同じ仕様で構成されているか、
前記固定部材側発光素子と前記回転部材側発光素子とが、お互いに同じ仕様で構成されているか、
前記固定部材側受光素子と前記回転部材側受光素子とが、お互いに同じ仕様で構成されているか、
のうちの少なくともいずれかの態様になっていることを特徴とするロータリジョイント。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のロータリジョイントにおいて、
前記固定部材側発光素子と前記第1の反射面との間で、前記固定部材側発光素子が発した信号光を収束するための第1のレンズ、
前記固定部材側受光素子と前記第2の反射面との間で、前記固定部材側受光素子が受光する信号光を収束するための第2のレンズ、
前記回転部材側発光素子と前記第3の反射面との間で、前記回転部材側発光素子が発した信号光を収束するための第3のレンズ、
前記回転部材側受光素子と前記第4の反射面との間で、前記回転部材側受光素子が受光する信号光を収束するための第4のレンズ、
のうちの少なくともいずれかのレンズが設けられていることを特徴とするロータリジョイント。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のロータリジョイントにおいて、
前記導光部材は、信号光を透過する材料で一体成形された成形品であり、
前記導光部材の外面の一部から前記導光部材に入り進んできた信号光が、前記導光部材の外面の他の一部で構成された前記反射面で反射され、この反射された信号光が、前記導光部材の外面のさらなる他の一部から前記導光部材の外へ出ていくように構成されており、
前記導光部材の稜線部を形成する2つの面における交差角度のうちの劣角が、前記導光部材の総ての稜線部において45°以上になっていることを特徴とするロータリジョイント。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のロータリジョイントにおいて、
前記固定部材から前記回転部材へ電力を供給するスリップリングを有することを特徴とするロータリジョイント。
【請求項7】
固定部材と所定の軸を回転中心にして前記固定部材に回転自在に設けられた回転部材との間で光信号を伝送するときに使用される導光部材において、
円柱状に形成された第1の導光部と;
前記第1の導光部よりも小さい外径の円柱状に形成され、前記第1の導光部の軸と同軸で、前記第1の導光部の軸方向の一方の端面から突出している第2の導光部と;
内径が前記第1の導光部の外径よりも小さくかつ前記第2の導光部の外径よりも大きい円柱状に形成され、前記第1の導光部の軸と同軸で、前記第1の導光部の軸方向の他方の端面から、前記第1の導光部の軸方向の中間部まで凹んでいる凹部と;
前記凹部の底部に設けられ、前記各導光部の軸と斜めに交差する平面状の第1の反射面と;
前記凹部の底部に設けられ、前記各導光部の軸および前記第1の反射面と斜めに交差する平面状の第2の反射面と;
を有することを特徴とする導光部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−204577(P2010−204577A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52550(P2009−52550)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】