説明

ロータリー式植付装置

【課題】 植付爪の回転上昇時に、植付爪及びドラムの間に異物が挟み込まれることを防止すること。
【解決手段】 本発明のロータリー式植付装置は、ドラム6に取付軸19を介して取り付けられ、該ドラム6の回転に伴って旋回するように構成された植付爪7を備えている。植付爪7は、ドラム6の駆動軸16に対して取付軸19が略下方に位置したときに、ドラム6の略径方向外方に延びた突出状態Saでの略垂直姿勢によりポット苗Pを圃場に植え込み、その後、該ドラム6の駆動軸16に対して取付軸19が略後方に位置するまで、該ドラム6の反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇し、非突出状態Sbになるように構成されている。植付爪7には、そのドラム6の反回転方向側に、突出状態Saにおいてドラム表面まで延びる挟込防止片11が設けられ、該挟込防止片11がドラム表面に沿って往復回動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポット苗箱で育生した野菜苗等のポット苗を圃場に移植するポット苗用移植機に使用されるロータリー式植付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術としては、田植え又は畑地での野菜苗等の移植において用いられているポット苗用移植機のロータリー式植付装置を例示する(特許文献1〜4参照)。このロータリー式植付装置は、図6に示すように、ドラム124に取付軸125を介して取り付けられ、該ドラム124の回転に伴って旋回するように構成された植付爪101を備え、機体の進行方向Fに対し左右方向に水平張架された無端状搬送ベルト136の端縁から送り出されるポット苗Pを回転する植付爪101で受け取り、次いで圃場に植え付けるものである。植付爪101により下方に送られているときのポット苗Pの姿勢は、一対のガイド板126によりガイドされる。
【0003】
植付爪101は、図7に示すように、植付直後における略最下端位置で、ドラム124の略径方向外方に延びた突出状態Saでの略垂直姿勢から回転上昇するとき、ドラム124の反回転方向に回動し、これにより略垂直姿勢を保って上昇し、非突出状態Sbになる。その後、植付爪101が上端位置に向かい、続いて回転下降するとき、ドラム124の回転方向Rと同方向に回動する。植付爪101のこのような一連の動作は、ドラム124に内蔵されたカム機構により実現されている。このカム機構は、ドラム124の内部に固定された溝カム127、取付軸125の端部に固定された回動レバー128、回動レバー128の一端に回転自在に取り付けられたカムローラ129からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−181711号公報
【特許文献2】実公平2−36332号公報
【特許文献3】特公平4−75725号公報
【特許文献4】特開平7−312925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
植付爪101は、前記略最下端位置から回転上昇するとき、ドラム124の反回転方向に回動するので、ドラム124との間に圃場にある石などの異物を挟み込んで上昇しようとすることがある。特に、植付爪101の回転上昇時の移動経路上におけるドラム124の表面に段差や凹凸が存在していると、それらとの間に異物が挟み込まれやすい。
【0006】
この種の段差や凹凸としては、例えば、次のものがある。
(1)取付軸125を中心としてドラム表面に沿って往復回動するように植付爪101の基端が延長されてなる巻付防止片131を備えた植付装置において、該往復回動経路の外側に設けられた段差D1(例えば、特許文献3参照)。段差D1は、巻付防止片131とドラム表面との間に圃場の土、藁屑、ポット苗の葉部等が入り込み難くするために設けられたものである。図8は、植付爪101とドラム124の段差D1との間に異物が挟み込まれた状態を例示している。
(2)ドラム124の周縁部に、一定間隔をおいて設けられたドラム組立用の複数のボルト穴133に取り付けられたボルト134や、該ボルト穴133の周囲に形成されたボルト取付用凹部135による凹凸D2。
【0007】
ところで、この種の植付装置では、一対のガイド板126の間に異物が詰まって、ドラム124とともに旋回する植付爪101に対し、ドラム124の回転方向Rの前側(矢印A方向)から過負荷がかかることがある。このため、ドラム124に対するトルクの伝達経路に安全装置としてのトルクリミッター(図示略)を組み込むことにより、植付装置の破損を防止するようになっている。
【0008】
しかし、植付爪101の回転上昇時に、例えば図8に示すように植付爪101及びドラム124の間に異物(特に、石等の固い異物)が挟み込まれると、植付爪101に対してドラム124の回転方向Rの後側(矢印B方向)から過負荷がかかる。この過負荷に対しては前記安全装置は有効に機能しないので、該植付爪101が破損するのみならず、取付軸125、ドラム124内のカムやギヤを用いた伝動機構までが破損し、その修復に多大な時間と経費がかかるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、第1の発明のロータリー式植付装置は、
ドラムに取付軸を介して取り付けられ、該ドラムの回転に伴って旋回するように構成された植付爪を備え、
該植付爪は、その前記ドラムの駆動軸に対して前記取付軸が略下方に位置したときに、ドラムの略径方向外方に延びた突出状態での略垂直姿勢によりポット苗を圃場に植え込み、その後、該ドラムの駆動軸に対して前記取付軸が略後方に位置するまで、該ドラムの反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇するように構成されたロータリー式植付装置において、
前記植付爪には、前記ドラムの反回転方向側に、前記突出状態においてドラム表面まで延びる挟込防止片が設けられ、該挟込防止片がドラム表面に沿って往復回動するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、前記植付爪が前記ドラムの反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇するときに、前記挟込防止片により、前記植付爪及び前記ドラムの間に異物が挟み込まれることを防止できる。これにより、該植付爪に対して該ドラムの回転方向の後側から過負荷がかかることを防止できる。
【0011】
第2の発明のロータリー式植付装置としては、前記第1の発明において、
前記挟込防止片は、そのドラム表面への対峙面が前記植付爪のドラム表面への対峙面と面一に形成された態様を例示する。
【0012】
この構成によれば、前記挟込防止片及び前記植付爪におけるドラム表面への対峙面が互いに面一に形成されているので、該対峙面とドラム表面との間に異物が挟み込まれ難い。
【0013】
第3の発明のロータリー式植付装置としては、前記第1又は2の発明において、
前記挟込防止片は、前記取付軸を中心とする略円弧状に形成された外周部を備えた態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、前記取付軸を中心とする略一定の範囲内に異物が近づくことを防止できる。
【0015】
第4の発明のロータリー式植付装置としては、前記第1〜3のいずれかの発明において、
前記植付爪は、その基端が延長されることにより、前記取付軸を中心として前記ドラム表面に沿って往復回動するように構成された巻付防止片を備え、
前記ドラムは、その表面に、該巻付防止片の先端の往復回動経路に沿って延設された段差を備え、
前記挟込防止片は、前記突出状態において、前記段差における前記ドラムの反回転方向側の端部をカバーするように形成された態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、前記段差における前記ドラムの反回転方向側に異物が接触することを防止できる。
【0017】
第5の発明のロータリー式植付装置としては、前記第4の発明において、
前記ドラムは、その周縁部に、一定間隔をおいて設けられたドラム組立用の複数のボルト穴を備え、
前記一定間隔の起点は、前記段差の延設経路における前記ドラムの反回転方向側の略延長線上に設けられた態様を例示する。
【0018】
この構成によれば、前記起点に設けられた前記ボルト穴に取り付けられるボルトや、該ボルト穴の周囲に形成されたボルト取付用凹部により形成される凹凸を、前記段差の延設経路における前記ドラムの反回転方向側の略延長線上に位置させることにより、前記挟込防止片によりカバーさせることができ、該凹凸と前記植付爪との間に異物が挟み込まれることを防止できる。また、該起点に隣接するボルト穴は、該起点から前記一定間隔をおいて離れた位置に設けられるので、異物の挟み込みが起こり難い。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るロータリー式植付装置によれば、植付爪の回転上昇時に、植付爪及びドラムの間に異物が挟み込まれることを防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を具体化した一実施形態に係るロータリー植付装置の要部の側面図である。
【図2】同ロータリー植付装置の要部の一部断面平面図である。
【図3】同ロータリー植付装置の植付爪を示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【図4】同植付爪の回転軌跡を説明する図である。
【図5】同植付爪の作用を説明する図であり、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【図6】従来のロータリー植付装置の要部側面図である。
【図7】同植付爪の回転軌跡を説明する図である。
【図8】同植付装置の植付爪及びドラムの間に異物が挟み込まれた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図5は本発明を具体化した一実施形態の田植機用のロータリー式植付装置1を示しており、各図において、矢印Fは機体前側を指し示している。この植付装置1は、走行機体(図示略)に装着されるものであり、該走行機体から駆動力により駆動されるように構成されている。また、前記走行機体の下方には前後方向に延びるフロート2が配設されている。
【0022】
植付装置1において、ポット苗箱(図示略)内のポット苗Pは碁盤目状に配置されたポット苗室から1列ずつ押し出され、水平に置かれた無端状搬送ベルト4上に供給される。搬送ベルト4上に供給されたポット苗Pは、搬送ベルト4の端縁から順次送り出される。搬送ベルト4の端縁近傍には植付部5が配置されている。植付部5は、ドラム6とドラム6に取り付けられ、ドラム6の回転に伴って旋回する植付爪7と、ドラム6に回転の駆動力を伝達する伝動機構等からなり、植付爪7が搬送ベルト4から送り出されたポット苗Pを略水平姿勢で受け取り、下方に送り略直立姿勢で圃場に植え込むようになっている。植付部5の前方側には、一対のガイド板28、29が配設されており、植付爪7により下方に送られているときのポット苗Pの姿勢をガイドするようになっている。
なお、ドラム6に対する駆動力の伝達経路には、安全装置としてのトルクリミッター(図示略)が組み込まれており、一対のガイド板28、29の間に石等の異物が詰まっても、ドラム6とともに旋回する植付爪7に対し、ドラム6の回転方向Rの前側(図1の矢印A方向)から過負荷がかからないようにして、植付装置1の破損を防止するようになっている。
【0023】
植付部5は、図2〜図5に示すように、チェーンにより回転するスプロケット15、スプロケット15が固定された駆動軸16、駆動軸16の回転に伴い回転するドラム6、一端が駆動軸16に固定され他端がドラム6に固定され、駆動軸16の回転をドラム6に伝達する駆動板18、ドラム蓋6aの周縁に取付軸19を介して取り付けられ、該取付軸19を中心として往復回動自在とされた植付爪7、及びドラム6の内部に収容され、植付爪7に前記往復回動を与えるカム機構等を備える。植付爪7は、その基端が延長されることにより、取付軸19を中心としてドラム表面に沿って往復回動するように構成された巻付防止片9を備えている。
【0024】
ドラム6は、ドラム蓋6a及びドラム底6bを備えている。ドラム6の表面には、植付爪7における巻付防止片9の先端の往復回動経路に沿って延設された段差D1(図2及び図5参照)を備えている。この段差D1は、該往復回動経路の外側に対して同経路の内側が段状に凹んでおり、巻付防止片9とドラム表面との間に圃場の土、藁屑、ポット苗Pの葉部等が入りにくくするためのものである。
また、ドラム蓋6aの周縁部には、図5に示すように複数のボルト穴12が一定間隔をおいて設けられており、各ボルト穴12の周囲にはボルト取付用凹部14が形成されている。そして、ボルト穴12を介して取り付けられるボルト13により、ドラム蓋6a及びドラム底6bが互いに固定されるようになっている。本例では、前記一定間隔の起点O(図5(a)参照)は、段差D1の延設経路におけるドラム6の反回転方向側の略延長線上に設けられている。これにより、起点Oに設けられたボルト穴12に取り付けられるボルト13や、該ボルト穴12の周囲に形成されたボルト取付用凹部14により形成される凹凸D2が、段差D1の延設経路におけるドラム6の反回転方向側の略延長線上に位置するようにしている。
【0025】
植付爪7は、図3に示すようにドラム6の回転方向側に掛止片10が縦長に設けられている。掛止片10は、植付爪7により圃場の土中にポット苗Pを押し込むとき、ポット苗Pが上にずり上がるのを防止するためのものであり、特に圃場の土が固く植付抵抗が大きいときに有効な働きをする。
【0026】
植付爪7には、そのドラム6の反回転方向側に挟込防止片11が設けられており、植付爪7の往復回動時に、この挟込防止片11がドラム表面に沿って往復回動するように構成されている。挟込防止片11は、後述する突出状態Saにおいて、ドラム表面まで延びることにより、段差D1におけるドラム6の反回転方向側の端部をカバーするように形成されている。また、挟込防止片11は、取付軸19を中心とする略円弧状に形成された外周部11bを備えている。挟込防止片11のドラム表面への対峙面11aは、植付爪7のドラム表面への対峙面7aと面一に形成されている。
【0027】
前記カム機構は、ドラム6の内部に固定された溝カム21、取付軸19の端部に固定された回動レバー22、回動レバー22の一端に固定されたローラ軸23、及びローラ軸23に回転自在に取り付けられたカムローラ24からなり、カムローラ24は溝カム21のカム溝21a内を走行自在である。なお、溝カム21は偏心位置において支持筒25に固定され、この支持筒25は、駆動軸16の周囲を囲みチェーンケース8に固定された筒状の支持部材26の先端部外周(軸方向に沿った多数のキー溝が形成されている)にはまり込み、回転しないように固定されている。なお、ドラム6は、軸受27により支持部材26に対し回転自在に支持されている。
【0028】
ドラム6の周縁に2つ設置された植付爪7の取付軸19は、ドラム6の中心である駆動軸16から等距離にあり、かつ回動レバー22の形状及びカムローラ24の取付位置は各植付爪7について同じであるが、図4に示すように、カムローラ24が走行するカム溝21aが駆動軸16に対して偏心しかつ異形であるため、駆動軸16(及びドラム6)が回転して植付爪7が該駆動軸16の周囲を回転するのに伴い、植付爪7は取付軸19を中心として回動(自転)し、植付爪7の長さ方向の向きと駆動軸16の位置関係が変化する。すなわち、植付爪7は、ドラム6の駆動軸16に対して取付軸19が略下方に位置したときに、ドラム6の略径方向外方に延びた突出状態Saでの略垂直姿勢によりポット苗Pを圃場に植え込んだ後、該ドラム6の駆動軸16に対して取付軸19が略後方に位置するまで、該ドラム6の反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇し、非突出状態Sbになる。その後、植付爪7が上端位置に向かい、続いて回転下降するとき、ドラムの回転方向Rと同方向に回動する。逆にいえば、植付爪7がそのタイミングで往復回動をするようにカム溝21aの偏心位置及び平面形状が設定されている。
植付爪7は回転下降中、略水平姿勢になったとき、搬送ベルト4の端縁から落下するポット苗Pを受け取り(図1及び図2参照)、さらに回転下降してその先端部でポット苗Pの根鉢部Paを圃場の地中に略直立姿勢で埋め込み、続いて植付爪7が回転上昇して植え付けが完了する。そして、植付爪7が略最下端位置から回転上昇するとき、略直立姿勢を保って上昇することから、植付爪7は略最下端位置において圃場に植え付けたポット苗Pを後方に掻き上げることなく、上方に抜け出ることができる。
【0029】
植付部5の前方側に配設された一対のガイド板28、29は、一定の間隔で対向配置され、その間隔は、植付爪7が余裕をもって通過し、ポット苗Pの根鉢部Paが植付爪7に押されてガイド板28、29の内面をこすりながら通過し得る間隔に設定されている。
【0030】
以上のように構成された本例のロータリー式植付装置1によれば、植付爪7には、ドラム6の反回転方向側に、突出状態Saにおいてドラム表面まで延びる挟込防止片11が設けられ、該挟込防止片11がドラム表面に沿って往復回動するように構成されている。この構成によれば、植付爪7がドラム6の反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇するときに、挟込防止片11により、植付爪7及びドラム6の間に異物が挟み込まれることを防止できる。これにより、植付爪7に対して該ドラム6の回転方向の後側(図1の矢印B方向)から過負荷がかかることを防止できる。
【0031】
また、挟込防止片11は、そのドラム表面への対峙面11aが植付爪7のドラム表面への対峙面7aと面一に形成されているので、該対峙面11a,7aとドラム表面との間に異物が挟み込まれ難い。
【0032】
また、挟込防止片11は、取付軸19を中心とする略円弧状に形成された外周部11bを備えているので、取付軸19を中心とする略一定の範囲内に異物が近づくことを防止できる。
【0033】
また、植付爪7は、その基端が延長されることにより、取付軸19を中心としてドラム表面に沿って往復回動するように構成された巻付防止片9を備え、ドラム6は、その表面に、該巻付防止片9の先端の往復回動経路に沿って延設された段差D1を備え、挟込防止片11は、突出状態Saにおいて、段差D1におけるドラム6の反回転方向側の端部をカバーするように形成されている。この構成によれば、段差D1におけるドラム6の反回転方向側に異物が接触することを防止できる。
【0034】
また、ドラム6は、その周縁部に、一定間隔をおいて設けられたドラム組立用の複数のボルト穴12を備え、前記一定間隔の起点O(図5(a)参照)は、段差D1の延設経路におけるドラム6の反回転方向側の略延長線上に設けられている。この構成によれば、前記起点Oに設けられたボルト穴12に取り付けられるボルト13や、該ボルト穴12の周囲に形成されたボルト取付用凹部14により形成される凹凸D2を、段差D1の延設経路におけるドラム6の反回転方向側の略延長線上に位置させることにより、挟込防止片11によりカバーさせることができ、該凹凸D2と植付爪7との間に異物が挟み込まれることを防止できる。また、該起点Oに隣接するボルト穴12は、該起点Oから前記一定間隔をおいて離れた位置に設けられるので、異物の挟み込みが起こり難い。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)ドラム6に対し1つ又は3つ以上の植付爪7が設けられたロータリー式植付装置に対し、本発明を適用すること。
(2)本発明を畑地での野菜苗等の移植に用いられるロータリー式植付装置に適用すること。
【符号の説明】
【0036】
1 ロータリー式植付装置
2 フロート
4 搬送ベルト
5 植付部
6 ドラム
6a ドラム蓋
6b ドラム底
7 植付爪
7a ドラム表面への対峙面
8 チェーンケース
9 巻付防止片
10 掛止片
11 挟込防止片
11a ドラム表面への対峙面
11b 外周部
12 ボルト穴
13 ボルト
14 ボルト取付用凹部
15 スプロケット
16 駆動軸
18 駆動板
19 取付軸
21 溝カム
21a カム溝
22 回動レバー
23 ローラ軸
24 カムローラ
25 支持筒
26 支持部材
27 軸受
28 ガイド板
29 ガイド板
D 段差
F 機体前側
O 起点
P ポット苗
Pa 根鉢部
R ドラムの回転方向
Sa 突出状態
Sb 非突出状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムに取付軸を介して取り付けられ、該ドラムの回転に伴って旋回するように構成された植付爪を備え、
該植付爪は、前記ドラムの駆動軸に対して前記取付軸が略下方に位置したときに、ドラムの略径方向外方に延びた突出状態での略垂直姿勢によりポット苗を圃場に植え込み、その後、該ドラムの駆動軸に対して前記取付軸が略後方に位置するまで、該ドラムの反回転方向に徐々に回動することにより、該略垂直姿勢を保ったまま上昇するように構成されたロータリー式植付装置において、
前記植付爪には、その前記ドラムの反回転方向側に、前記突出状態においてドラム表面まで延びる挟込防止片が設けられ、該挟込防止片がドラム表面に沿って往復回動するように構成されたロータリー式植付装置。
【請求項2】
前記挟込防止片は、そのドラム表面への対峙面が前記植付爪のドラム表面への対峙面と面一に形成された請求項1記載のロータリー式植付装置。
【請求項3】
前記挟込防止片は、前記取付軸を中心とする略円弧状に形成された外周部を備えた請求項1又は2記載のロータリー式植付装置。
【請求項4】
前記植付爪は、その基端が延長されることにより、前記取付軸を中心として前記ドラム表面に沿って往復回動するように構成された巻付防止片を備え、
前記ドラムは、その表面に、該巻付防止片の先端の往復回動経路に沿って延設された段差を備え、
前記挟込防止片は、前記突出状態において、前記段差における前記ドラムの反回転方向側の端部をカバーするように形成された請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータリー式植付装置。
【請求項5】
前記ドラムは、その周縁部に、一定間隔をおいて設けられたドラム組立用の複数のボルト穴を備え、
前記一定間隔の起点は、前記段差の延設経路における前記ドラムの反回転方向側の略延長線上に設けられた請求項4記載のロータリー式植付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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