説明

ロードセルユニット

【課題】被測定物による回転負荷が大きくなったときの破損を防止する。
【解決手段】ロードセルユニット2は、本体ケース3を備える。ロードセル10は、セル本体11、歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fから構成されている。セル本体11に固定された固定板17には、金属ボール12が載せられる。ロードセルベース13は、本体ベース5に固定されている。ボトムプレート25には、保持ロッド26が固定されている。金属ボール12には、ボトムプレート25に連結されたトッププレート31が載せられている。コイルバネ43,44により、トッププレート31は固定板17と連結されている。保持ロッド26にかかる回転負荷が大きくなると、コイルバネ43,44が伸長されて、本体ケース3に対してトッププレート31が相対回転する。本体ベース5の収納凹部5gの壁面がボトムプレート25の側面に当接すると、本体ケース3の回転が停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重を測定するためのロードセルユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロードセルユニットは、被測定物を吊り上げまたは吊り下げたときに生じる歪み量から荷重(重量)を測定するものであり、各種機器での荷重測定に利用されている。例えば、単結晶シリコンウェハの製造ラインでは、単結晶のインゴットの製造に利用されている。この単結晶シリコンウェハを製造するには、先ず、多結晶シリコンのチップを石英るつぼ内で溶解し、このシリコン融液の中に種結晶を入れて回転させながらゆっくりと引き上げることによって種結晶の下方に円柱状の単結晶インゴットを育成する。そして、単結晶インゴットを切断及び研磨して単結晶シリコンウェハを製造する。この単結晶インゴットの製造時に、その荷重をロードセルユニットで測定し、所定の直径サイズが得られるように、その引上げ速度を決定している。
【0003】
従来のロードセルユニットとしては、特許文献1に示すように、円筒状のケース内の中仕切り上にロードセルを固定し、このロードセルを囲むように、四角な枠形をした門形連結体を配置したものが知られている。円筒状のケース内の上方と下方に、L字形をした上部板バネと下部板バネが固定されている。押圧板の軸部は、門形連結体の上梁と上部板バネとを貫通し、その上端部にナットが螺合している。門形連結体の上梁と上部板バネとの間に、リング状のスペーサが配置されているため、ナットの締付によって、上部板バネと門形連結体の上梁と押圧板との三者が一体的となっている。
【0004】
同様に、保持ロッドは、門形連結体の下梁と下部板バネとを貫通し、円筒状ケースから下方に突出している。門形連結体の下梁と下部板バネとの間にスペーサが配置され、そして保持ロッドのフランジが下部板バネを受け止めた状態で、保持ロッドの上端部にナットが螺合されるから、下部板バネと門形連結体の下辺と保持ロッドとの三者が一体的となっている。押圧板の中心軸と保持ロッドは、門型連結体の中心線上に配置されている。
【0005】
特許文献1記載のロードセルユニットは、単結晶インゴットの引上げ荷重の測定に用いられ、保持ロッドの先端に種結晶が取り付けられている。単結晶インゴットの製造時には、ロードセルユニットを回転させながら引き上げる。単結晶インゴットの育成によって、保持ロッドにかかる荷重量が増大する。この荷重量に応じて門型連結体が上下の板バネに抗して下がる。この門型連結体が下がると、押圧板も一体的に下がって、ロードセルを加圧する。ロードセル内に配置した歪みゲージが変形して、加圧力に応じた電気信号を発生する。
【0006】
また、特許文献2には、ワイヤ巻取方式のシリコン単結晶引上装置において、ワイヤ巻取機構にかかる引張荷重を圧縮荷重としてセルユニットに作用させることが説明されている。特許文献2に示すように、ロードセンサユニットに回転可能に連結されたオーバーウェート防止機構の下端には、ロープシープがピボットによって回転可能に支承されており、このロープシープにはシリコン単結晶を引き上げるためのワイヤロープが巻掛けられている。オーバーウェート防止機構は、中心軸を介してバランスシャフトに連結され、バランスシャフトを介してセルユニットに作用結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭61−039940号公報
【特許文献2】実開平07−043767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
石英るつぼ内のシリコン融液の粘度が高くなると、保持ロッドにかかる回転負荷が大きくなる。特許文献1では、保持ロッドは門形連結体を介して板バネに取り付けられている。板バネは、円筒状ケースに取り付けられているため、円筒状ケースが一定速度で回転すると、これと同じ速度で回転する。この板バネと一体的に連結された保持ロッドも一定速度で回転しようとするが、保持ロッドにかかる負荷が急に大きくなった場合には、歪みゲージが固定されている板バネが捻じれて変形するため、ロードセルユニットが破損・故障する原因となる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、被測定物による回転負荷や突き上げ荷重など、保持ロッドにかかる負荷が大きくなったときのロードセルの破損を防止することができるロードセルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のロードセルユニットは、歪み量に応じた電気信号を発生する歪みゲージを有し、印加された被測定物の荷重を測定するロードセルと、前記ロードセルの下面側を固定したロードセルベースと、前記ロードセルベースの下面側を固定した本体ベースと、前記本体ベースの上側に取り付けられ、前記ロードセルを覆う本体カバーとを有し、上下動及び回転可能に機器に取り付けられる本体ケースと、前記ロードセルベースの下方に配置され、前記本体ベースと隙間を保って、前記本体ベースに形成された収納凹部の中に収納されたボトムプレートと、前記ボトムプレートと一体的に連結された状態で前記ロードセルの上方に位置するように、前記本体カバー内に収納され、前記ロードセルに上方から荷重を印加するトッププレートと、前記本体ベースを貫通した下端で前記被測定物を保持する保持ロッドと、前記保持ロッドの上端を前記ボトムプレートに固定するロッド固定手段と、前記トッププレートと前記ロードセルとの位置関係が一定に保たれたままで、前記保持ロッドと前記本体ケースとが一体的に回転するように連結しており、前記保持ロッドの回転負荷が増加したときに、前記本体ケースに対して前記トッププレートが一時的に相対回転することを許容する回転許容手段と、前記本体ケースの回転中に、前記回転許容手段による連結力よりも大きい回転負荷が、前記保持ロッドを介して前記トッププレートに印加して前記回転許容手段による連結が解除されたときに、前記本体ケースの回転を停止する停止手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記停止手段は、前記被測定物によって前記回転負荷が増加したときに、前記ボトムプレートの側面に当接する前記収納凹部の壁面から構成されていることが好ましい。
【0012】
さらに、前記ロッド固定手段は、前記保持ロッドの上端部に形成され、横方向に延びる固定凹部と、前記ボトムプレートの上端部に形成され、横方向に延びる固定孔と、前記固定凹部及び前記固定孔に挿入される固定ピンと、から構成され、前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記固定ピンが折れて前記本体ケースが前記ボトムプレートとともに回転することが好ましい。
【0013】
また、前記固定ピンは、前記連結孔及び前記連結凹部に挿入されたときに径が広がるスプリングピンから構成されていることが好ましい。
【0014】
さらに、前記ロッド固定手段は、前記保持ロッドの上端部に形成され、横方向に延びる固定凹部と、前記ボトムプレートの上端部に形成され、横方向に延びるクリック孔と、前記固定凹部及び前記クリック孔に挿入されるクリックボールと、前記固定凹部に挿入されており、前記クリックボールを外側に向けて付勢してその一部を前記クリック孔に挿入することで前記保持ロッドを前記ボトムプレートに固定するクリックバネと、から構成され、前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記クリックボールは、前記ボトムプレートの壁面により押圧されて前記クリックバネの付勢に抗して内側に移動してその全部が前記固定凹部の中に入ることで前記ロッド固定手段による固定が解除され、前記本体ケースが前記ボトムプレートとともに回転することが好ましい。
【0015】
また、前記トッププレートと前記ロードセルとの間に、前記ロードセルに上方から荷重を印加する金属ボールを配置することが好ましい。
【0016】
さらに、前記本体ベースには、前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記ボトムプレートに当接して持ち上げ、前記トッププレートを前記金属ボールから離れるようにする持上部が設けられていることが好ましい。
【0017】
また、前記回転許容手段は、前記ロードセルの上面に固定され、中心の円錐溝内に前記金属ボールが載せられる固定板と、前記固定板と前記トッププレートとを連結するとともに、前記トッププレートを互いに反対方向に付勢することで、前記トッププレートを特定の位置に保持する複数のコイルバネと、を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、被測定物を保持する保持ロッドは、トッププレートと一体的に結合され、このトッププレートは金属ボールを介してロードセルに上から荷重を印加している。したがって、従来例のように、保持ロッドがロードセルに直接的に固定されていないため、大きな回転負荷が作用してもロードセルを破損することはない。
【0019】
保持ロッドの回転負荷の影響で、トッププレートがロードセルに対して相対回転すると、ボトムプレート等の位置も変化するから、これらが本体ケースと接触する。この接触によって、ロードセルの荷重が微妙に変化し、そのために高精度に荷重を測定することができなくなる。本発明では、トッププレートとロードセルとの位置関係を一定に保つとともに、保持ロッドの回転負荷が増加したときに、トッププレートの一時的な相対回転を可能にする回転許容手段を設けたから、ボトムプレートが本体ケースに接触しないようにして、高精度な測定を行うことができる。
【0020】
また、本体ケースの回転中に、回転許容手段による連結力よりも大きい回転負荷が、保持ロッドを介してトッププレートに印加して回転許容手段による連結が解除されたときに、本体ケースの回転を停止するから、大きな回転負荷が作用してもロードセルを破損することはない。
【0021】
さらに、保持ロッドが被測定物に接触したとき等では、保持ロッドが上方に突き上げられるが、保持ロッドの上面とロードセルベースの下面との間には隙間が設けられているから、保持ロッドはボトムプレート及びトッププレートとともに隙間内で上方へ移動可能である。これにより、ロードセルに突き上げの作用力を及ぼさないので、ロードセルの破損を防止することができる。また、保持ロッドが突き上げられたときに、荷重が零になるあるいは荷重が急激に変化するから、この測定値あるいは測定値の変化を利用して、例えば種結晶がシリコン融液に接触したことを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のロードセルユニットの斜視図である。
【図2】ロードセルの分解斜視図である。
【図3】ロードセルユニットの要部を示す分解斜視図である。
【図4】ロードセルユニットの縦方向縦断面図である。
【図5】ロードセルユニットの横方向縦断面図である。
【図6】本体ベースの内部を示す断面図である。
【図7】本体トップカバーを取り外した状態のロードセルユニットを示す平面図である。
【図8】ロードセルユニットと単結晶引上げ機構の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】本発明のロードセルユニットを利用した単結晶インゴット製造装置を示す説明図である。
【図10】種結晶の下方に単結晶インゴットを育成した状態を示す図9と同様な説明図である。
【図11】保持ロッドの回転負荷でバネが伸長された状態を示す図7と同様な平面図である。
【図12】本体ベースがボトムプレートに当接した状態の本体ベースの内部を示す断面図である。
【図13】スプリングピンが折れた状態の本体ベースの内部を示す断面図である。
【図14】クリックボール及びクリックバネにより保持ロッドを固定する第2実施形態のボトムプレートと保持ロッドとを示す側面断面図である。
【図15】第2実施形態の保持ロッドの固定が解除された状態のボトムプレートと保持ロッドとを示す側面断面図である。
【図16】第2実施形態のボトムプレートと保持ロッドとを示す平面断面図である。
【図17】第2実施形態の保持ロッドの固定が解除された状態のボトムプレートと保持ロッドとを示す平面断面図である。
【図18】シリコン融液の粘度上昇時にボトムプレートを持ち上げる第3実施形態のロードセルユニットを示す断面図である。
【図19】第3実施形態のボトムプレートを持ち上げた状態のロードセルユニットを示す断面図である。
【図20】第3実施形態の本体ベースの内部を示す平面断面図である。
【図21】第3実施形態のボトムプレートを持ち上げた状態の本体ベースの内部を示す平面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1実施形態]
図1に示すように、ロードセルユニット2は、本体ケース3と、この本体ケース3を回転可能に支持するスリップリング4とを備える。本体ケース3は、本体ベース5と、本体カバー6と、本体トップカバー7と、中仕切り板8とから構成されている。
【0024】
図4に示すように、本体ベース5には、ボルト9a,9bが挿通される挿通孔5a,5bが形成されている。本体カバー6には、ボルト9a,9bが螺合するネジ孔6a,6bが形成されている。ボルト9a,9bは、挿通孔5a,5bを介してネジ孔6a,6bに螺合され、本体カバー6は、本体ベース5の上側に取り付けられている。
【0025】
本体カバー6の上部外周面には、ネジ部6cが形成され、本体トップカバー7の下部内周面には、ネジ部6cに螺合するネジ部7aが形成されている。本体トップカバー7は、本体カバー6との間に中仕切り板8を挟み込んだ状態で、ネジ部6cとネジ部7aとが螺合され、本体カバー6に取り付けられている。
【0026】
図2〜図6に示すように、被測定物の荷重を測定するためのロードセル10は、セル本体11と、複数の歪みゲージとから構成されている。セル本体11は、外筒部11aと内筒部11bとを備え、本体カバー6内に収納されている。この外筒部11aと内筒部11bは、複数例えば3個のブリッジ11cで連結されている。これらの外筒部11aと内筒部11bと3個のブリッジ11cは、金属例えばアルミで一体に形成されている。また、内筒部11bに荷重が印加されると、各ブリッジ11cは弾性によって荷重量に応じて撓むことができる。
【0027】
1個のブリッジ11cに2個の歪みゲージを取り付けることで、3個のブリッジ11cの上面には、全部で6個の歪みゲージ14a〜14fが取り付けられている。同様に、下面にも歪みゲージ15a〜15fが取り付けられている(図4及び図5参照)。歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fは、薄い絶縁体上に金属の抵抗体(金属箔)をジグザグ状に取り付けたものであり、ブリッジ11cが荷重によって撓むと、これと一緒に変形して、荷重量に応じて抵抗値が変化する。この実施形態では、歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fは、測定レベルが0〜200N(設計に応じて適宜変更)のタイプが用いられている。なお、ブリッジに取り付ける歪みゲージの数は、ブリッジの数や必要とする測定精度によって、適宜変更可能であるが、ホイートストンブリッジ回路を形成するために、4の倍数であることが望ましい。例えば、多少測定精度が低下してもよい場合は、外筒部と内筒部とを4個のブリッジで連結し、各ブリッジに1個ずつ取り付けるようにしてもよい等である。
【0028】
セル本体11の上には固定板17が配置されている。この固定板17には、その中央に軸部17aが一体に設けられている。この軸部17aは、上端には金属ボール12が載せられる円錐溝17bが形成され、また下端にネジ17cが突出している。ネジ17cが内筒部11bにネジ結合されることで、固定板17がセル本体11から浮き上がった状態となる。金属ボール12としては、例えばスチールボールが用いられている。なお、軸部17aとセル本体11(ロードセル10)を一体成形し、固定板17を軸部17aに取り付けるようにしてもよい。
【0029】
セル本体11には、ボルト21a〜21cが挿通される挿通孔11d〜11fが形成されている。ロードセルベース13には、ボルト21a〜21cが螺合するネジ孔13a〜13cが形成されている。ボルト21a〜21cは、挿通孔11d〜11fを介してネジ孔13a〜13cに螺合され、セル本体11はロードセルベース13の上面に取り付けられる。
【0030】
図3に示すように、ロードセルベース13は、本体ベース5に形成された凹部5cに収納される。ロードセルベース13には、ボルト22a〜22cが挿通される挿通孔13d〜13fが形成されている。凹部5cには、ボルト22a〜22cが螺合するネジ孔5d〜5fが形成されている。ボルト22a〜22cは、挿通孔13d〜13fを介してネジ孔5d〜5fに螺合され、ロードセルベース13は本体ベース5に固定される。
【0031】
ロードセルベース13の下方には、ボトムプレート25が配されている。このボトムプレート25は、本体ベース5に形成された収納凹部5gに収納されている。この収納凹部5gは、ボトムプレート25よりも一回り大きく、収納凹部5gの壁面とボトムプレート25との間には、隙間がある。この隙間は、例えば片側で1mmであり、両方で2mmとなる。
【0032】
ボトムプレート25には、挿通孔25aが形成されている。この挿通孔25aには、被測定物を保持する保持ロッド26が挿通されている。ボトムプレート25には、固定孔25bが形成され、保持ロッド26には、固定凹部26aが形成されている。C字状の弾性変形可能なスプリングピン27は、固定孔25b及び固定凹部26aに挿入されており、挿入された状態では、径が広がる方向への弾性力を有する。このスプリングピン27により、保持ロッド26はボトムプレート25に固定されている。
【0033】
保持ロッド26の下端部は、本体ベース5に形成された挿通孔5hに挿通され、本体ベース5の下方に突出している。保持ロッド26の上面とロードセルベース13の下面との間には隙間がある。
【0034】
金属ボール12には、トッププレート31が載せられている。このトッププレート31には、連結ロッド32,33の上端部が挿入される挿入孔31a,31bが形成されている。ボトムプレート25には、連結ロッド32,33の下端部が挿入される挿入孔25c,25dが形成されている。ボルト34a〜34dは、挿入孔25c,25d,31a,31bを介して連結ロッド32,33のネジ孔に螺合され、ボトムプレート25とトッププレート31とは、連結ロッド32,33により一体的に連結されている。ロードセルベース13には、連結ロッド32,33を挿通するための切欠き13g,13hが形成されている。ロードセル10にぶら下がる風袋36は、保持ロッド26、ボトムプレート25、連結ロッド32,33、トッププレート31から構成される。
【0035】
中仕切り板8は、本体カバー6の上に載せられ、本体トップカバー7で押さえつけられている。この中仕切り板8には、スリップリング4の回転軸4aが固定されている。回転軸4aは、スリップリング4のハウジング4b内に回転可能に設けられている。これにより、本体ケース3が回転すると、中仕切り板8とともに回転軸4aが回転する。この回転軸4aは、ハウジング4b内で回転するから、スリップリング4が停止した状態で、本体ケース3がロードセル10と一緒に回転する。なお、通常状態では、保持ロッド26もロードセル10と一緒に回転する。
【0036】
中仕切り板8上には、回転軸4aに遊嵌した制御回路基板38が取り付けられている。中仕切り板8上には、断面が凸状の貫通孔8aが穿設されており、この貫通孔8aには、両端が金属端子となっている電極18が取り付けられている。この電極18の金属端子18aは制御回路基板38に、金属端子18bはロードセル10の中継基板(図示せず)にそれぞれ接続されており、歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fで測定した測定信号(測定電圧)を制御回路基板38に伝達する。制御回路基板38には、歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fの電源回路、増幅回路が設けられている。この制御回路基板38には、スリップリング4の外部に引き出されたリード線(図示せず)が接続されている。
【0037】
図7に示すように、固定板17の上面には、バネ掛け部41,42が設けられている。これらバネ掛け部41,42には、コイルバネ43,44の一端が掛けられている。トッププレート31の下面には、コイルバネ43,44の他端が掛けられるバネ掛け部45,46が設けられている。コイルバネ43,44は、トッププレート31を互いに反対方向に付勢することで、トッププレート31を固定板17と連結するとともに、トッププレート31を、固定板17に対して所定の角度となるように保持する。これにより、ボトムプレート25が収納凹部5g内でその壁面に接触することなく、その中央に位置決めされる。同様に、連結ロッド32,33もロードセルベース13の切欠き13g,13hに接触することなく、その中央に位置決めされる。このため、保持ロッド26に加わる荷重がそのままロードセル10に伝達されるから、正確な測定を行うことができる。
【0038】
図8に示すように、ロードセル10内には、歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fが設けられており、荷重をかけたときの歪み極性が同じになる歪みゲージ3枚を直列に結線することによって4つの結線歪みゲージ48a〜48dを形成している。各結線歪みゲージ48a〜48dは、ホイートストンブリッジ回路51を形成している。なお、ホイートストンブリッジ回路の形成には4つの抵抗が必要であることから、歪みゲージが複数個(望ましくは4の倍数個)存在する場合には、4つの結線歪みゲージが形成されるように各歪みゲージを結線する。
【0039】
ホイートストンブリッジ回路51は、結線歪みゲージ48aと結線歪みゲージ48cの接続点Aと、結線歪みゲージ48bと結線歪みゲージ48dの接続点Bとが、DC電源52に接続されている。結線歪みゲージ48aと結線歪みゲージ48dの接続点Cと、結線歪みゲージ48bと結線歪みゲージ48cの接続点Dとは、負帰還をかけた差動増幅器49a,49bの+入力端子にそれぞれ接続されている。各差動増幅器49a,49bの出力は、差動増幅器49cに入力され、その差分が増幅される。差動増幅器49cの出力は、測定電圧としてA/D変換器50に入力される。この測定電圧は、A/D変換器50でデジタル信号に変換され、測定データとしてロードセルユニット2の外部に取り出される。なお、増幅された測定電圧をアナログ信号の測定データとして出力するようにしてもよい。測定電圧をアナログ信号の測定データとして出力する場合は、A/D変換器50が省略される。また、測定電圧の増幅方法は、差動増幅に限定されるものではない。
【0040】
図8に示す実施形態では、ロードセルユニット2は、単結晶インゴットの製造装置の単結晶引上げ機構53に使用されている。単結晶引上げ機構53は、移動装置54と、回転装置55と、制御装置56とを備えている。A/D変換器50からの出力から求められる測定データは、制御装置56に送られる。この制御装置56では、この測定データを単結晶インゴットの荷重とする。この荷重に応じて、制御装置56は、予め定めた特性曲線を参照して、保持ロッド26の引上げ速度と回転速度を求め、移動装置54と回転装置55とを制御する。
【0041】
図9は、第1実施形態のロードセルユニットを用いた単結晶インゴットの製造装置を示すものである。この単結晶インゴット製造装置60は、石英るつぼ61と、単結晶引上げ機構53とから構成されている。単結晶インゴットを製造するための材料としては、シリコンやサファイア等が挙げられるが、ここではシリコン単結晶の製造を例に説明する。石英るつぼ61内には、多結晶シリコンチップを加熱して溶解したシリコン融液62が収容されている。単結晶引上げ機構53は、ロードセルユニット2を介して保持ロッド26を回転させながら、ゆっくりと引き上げるものであり、移動装置54と回転装置55とを備えている。
【0042】
回転装置55は、モータ64と、このモータ64のモータ軸に固定された駆動ギア65と、駆動ギア65で回転される大ギア66とから構成されている。大ギア66は、ボルト67a,67bによって、本体ベース5の下部に固定されている。また、大ギア66は、その中央に、保持ロッド26よりも径が大きい孔が形成されており、この孔を通して保持ロッド26が突出している。モータ64が回転すると、大ギア66により、ロードセルユニット2が回転する。
【0043】
移動装置54は、例えば、モータと送りネジ棒と、送りネジ棒に螺合するナットから構成されている。このナットはロードセルユニット2が取り付けられる昇降台(図示せず)に取り付けられている。モータによって送りネジ棒が回転すると、ナットが昇降台と一緒にガイド軸に沿って昇降動することにより、ロードセルユニット2が上下方向に移動する。
【0044】
次に、図9〜図13を参照して、本発明を実施した単結晶インゴット製造装置60の作用について説明する。先ず、保持ロッド26の下端に種結晶68を取り付ける。
【0045】
単結晶引上げ機構53のスタートボタンを押すと、図9に示すように、制御装置56は、移動装置54を駆動してロードセルユニット2を下方に移動し、種結晶68を、石英るつぼ61内のシリコン融液62の液面につける。そして、制御装置56は、回転装置55及び移動装置54を駆動して、本体ケース3を回転させながらロードセルユニット2を引き上げる。
【0046】
トッププレート31は、コイルバネ43,44により固定板17に一体化されており、この固定板17は、ロードセル10、ロードセルベース13を介して本体ケース3に固定されているから、トッププレート31を含む風袋36は本体ケース3と一緒に回転する。
【0047】
ロードセルユニット2を引き上げると、図10に示すように、種結晶68の下方に単結晶インゴットCIが育成され、この単結晶インゴットCIの重量が、種結晶68、風袋36、金属ボール12、固定板17を介してロードセル10に加わる。このロードセル10に印加した荷重は、セル本体11の内筒部11bを押圧するから、ブリッジ11cが僅かであるが湾曲する。このブリッジ11cの湾曲で歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fも歪むため、荷重に応じた測定電圧が発生する。
【0048】
歪みゲージ14a〜14f,15a〜15fによって形成されるホイートストンブリッジ回路51の接続点C,Dの信号は、差動増幅器49a,49bで増幅されてから、差動増幅器49cに送られ、その差分が差動増幅器49cで増幅される(例えば、2mV→10V)。差動増幅器49で増幅された測定電圧は、A/D変換器50でデジタル信号に変換され、測定データとして制御装置56に送られる。
【0049】
制御装置56は、測定データに基づいて、育成された単結晶インゴットCIの重量が適正であるか否か(例えば、1秒間に増加した重量が適正であるか否か)を判定する。制御装置56は、適正でないと判定した場合には、移動装置54及び回転装置55を制御して、ロードセルユニット2の引き上げ速度や、本体ケース3の回転速度を調整する。これにより、所望する直径の単結晶インゴットCIが育成される。所定時間(例えば、60分)経過すると、制御装置56は、移動装置54及び回転装置55を停止する。育成された単結晶インゴットCIは、保持ロッド26から、種結晶68とともに取り外される。この単結晶インゴットCIは、切断及び研磨されて、厚みが1〜2mm程度の円盤状の単結晶シリコンウェハが製造される。
【0050】
石英るつぼ61内のシリコン融液62の粘度が高くなると、種結晶68が取り付けられた保持ロッド26にかかる回転負荷が大きくなる。この場合、ボトムプレート25、連結ロッド32,33を介して保持ロッド26が固定されているトッププレート31の回転速度が低下する。一方、回転装置55により回転される本体ケース3の回転速度は、一定に保たれている。この場合、図11に示すように、コイルバネ43,44が伸長されて、本体ケース3に対してトッププレート31の相対的な回転が許容される。そして、図12に示すように、本体ベース5の収納凹部5gの壁面がボトムプレート25の側面に当接する。回転装置55による本体ケース3の回転力が弱い場合、収納凹部5gの壁面がボトムプレート25の側面に当接すると、本体ケース3の回転が停止される。この場合でも、回転装置55は本体ケース3を回転させようとしているため、出力異常が発生する。この出力異常が発生した場合には、制御装置56は、回転装置55を停止する。
【0051】
一方、回転装置55による本体ケース3の回転力が強いために、上記した本体ケース3の回転停止ができない場合には、図13に示すように、固定孔25b及び固定凹部26aに挿入されたスプリングピン27が折れて、保持ロッド26の固定が解除される。保持ロッド26の固定が解除されると、本体ケース3及びボトムプレート25が一緒に回転する。これにより、融液粘度の変化で保持ロッド26に大きなトルクがかかったときにも、ロードセル10に負荷が加わることがないので、ロードセル10が壊れることがない。
【0052】
また、単結晶インゴットCIの切り離し作業などを行うときに、反動で保持ロッド26が上方へ突き上げられることがある。この場合には、種結晶68を介して保持ロッド26が上方へ突き上げられる。この場合は、保持ロッド26が上方に移動して、保持ロッド26の上面がロードセルベース13の下面に当り、保持ロッド26とロードセルベース13との間の隙間がなくなる。この隙間内でボトムプレート25が上昇すると、これに伴ってトッププレート31が上昇して金属ボール12から離れる。これにより、種結晶68及び保持ロッド26の突き上げによりロードセル10に負荷が加わることがないので、ロードセル10が破損することがない。また、ロードセルベース13及び保持ロッド26は、厚みがあり剛性が高いものであるから、突き上げにより当たっても壊れることがない。
【0053】
[第2実施形態]
図14〜図17に示す第2実施形態では、クリックボール71及びクリックバネ72により、保持ロッド26がボトムプレート25に固定されている。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図14及び図16に示すように、保持ロッド26の固定凹部26aには、クリックバネ72及びクリックボール71が挿入されている。このクリックボール71は、クリックバネ72により外側に付勢されている。この付勢されたクリックボール71の一部がボトムプレート25の固定孔(クリック孔)25bに挿入され、保持ロッド26はボトムプレート25に固定されている。本実施形態では、クリックボール71とクリックバネ72と固定孔25bとにより、クリックストップ機構が構成されている。なお、クリックバネ72は、コイルバネに限らず、板バネやモールドバネを用いてもよい。
【0055】
この第2実施形態では、回転装置55による本体ケース3の回転力が強く、シリコン融液62の粘度上昇時に、本体ケース3の回転停止ができない場合、図15及び図17に示すように、クリックボール71は、ボトムプレート25の壁面により押圧される。この押圧により、クリックボール71は、クリックバネ72の付勢に抗して内側に移動してその全部が固定凹部26aの中に入る。これにより、保持ロッド26の固定が解除されて、本体ケース3及びボトムプレート25が一緒に回転する。
【0056】
本体ケース3及びボトムプレート25が1回転すると、クリックボール71がクリックバネ72により外側に移動して、その一部がボトムプレート25の固定孔25bに挿入され、保持ロッド26はボトムプレート25に再度固定される。
【0057】
[第3実施形態]
図18〜図21に示す第3実施形態のロードセルユニット80は、シリコン融液62の粘度上昇時にボトムプレート25を持ち上げる。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0058】
図18及び図20に示すように、本体ベース5の収納凹部5gには、ボトムプレート25を持ち上げる持上部81a〜81dが形成されている。ボトムプレート25の側面の下端には、テーパ面25eが形成されている。
【0059】
この第3実施形態では、シリコン融液62の粘度上昇により、保持ロッド26の回転負荷が増加した場合、本体ケース3に対してトッププレート31が相対的に回転する。回転装置55による本体ケース3の回転力が弱い場合、時計方向に回転する本体ベース5の持上部81a,81dが、ボトムプレート25のテーパ面25eに当接して、本体ケース3の回転が停止される。
【0060】
一方、回転装置55による本体ケース3の回転力が強いために、上記した本体ケース3の回転停止ができない場合には、図19及び図21に示すように、時計方向に回転する本体ベース5の持上部81a,81dが、ボトムプレート25のテーパ面25eを押圧してボトムプレート25を持ち上げ、持上部81a,81dは、ボトムプレート25の下に入り込む。なお、本体ベース5が反時計方向に回転する場合には、本体ベース5の持上部81b,81cが、テーパ面25eを押圧してボトムプレート25を持ち上げる。
【0061】
ボトムプレート25が持ち上げられると、トッププレート31が金属ボール12から離れる。これにより、融液粘度の変化で保持ロッド26に大きなトルクがかかったときにも、ロードセル10に負荷が加わることがないので、ロードセル10が壊れることがない。
【0062】
トッププレート31が金属ボール12から離れると、各歪みゲージ14a〜14cで歪みが検出されず、ロードセルユニット2からの出力が零になる。制御装置56は、この出力異常を検知した場合、回転装置55を停止する。
【0063】
なお、上記実施形態では、コイルバネにより、トッププレートを本体ケースと一体的に回転するように連結するとともに、本体ケースに対してトッププレートの相対的な回転を許容しているが、コイルバネの代わりに、永久磁石の反発力により連結及び回転許容を行ってもよい。この場合、本体ケースとトッププレートとに、互いに反発するとともに、トッププレートを互いに反対方向に付勢する永久磁石を複数取り付ける。シリコン融液の粘度上昇により保持ロッドにかかる負荷が大きくなり、トッププレートの回転速度が低下した場合には、本体ケースの永久磁石がトッププレートの永久磁石に近づくため、永久磁石同士の反発力により、トッププレートが回転され、本体ケースとトッププレートとが再度一体的に連結される。
【0064】
また、上記実施形態では、ロードセルを1個用いたロードセルユニットに本発明を適用しているが、本発明は複数のロードセルを用いたロードセルユニットにも適用可能である。ロードセルを複数用いる場合には、0〜200Nの定格容量の低容量ロードセルと、0〜500Nの定格容量の高容量ロードセルとを用いる。
【0065】
さらに、上記第3実施形態では、スプリングピンにより保持ロッドをボトムプレートに固定しているが、上記第2実施形態のように、クリックボール及びクリックバネにより保持ロッドをボトムプレートに固定してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、トッププレートとロードセルを固定板と金属ボールを介して連結したロードセルユニットを例に説明しているが、特許文献2に開示されているロードセンサユニットのように、金属ボールを介さずにトッププレート(特許文献2のバランスシャフトに相当)を直接ロードセルと連結するような構造のロードセルユニットにも適用可能である。
【0067】
さらに、上記実施形態では、フォースバーで単結晶インゴットを引き上げる単結晶インゴット製造装置を例に説明しているが、特許文献2に開示されているようなワイヤを巻き取ることで単結晶インゴットを引き上げる単結晶インゴット製造装置にも適用可能である。
【0068】
以上の実施形態の説明に基づいて、以下の具体的形態を挙げることができる。
付記項1.前記本体カバーは筒状をしており、その上に前記トップカバーが固定され、前記本体ケースは全体が円柱状をしていることを特徴とする請求項1記載のロードセルユニット。
付記項2.前記ボトムプレートと前記トッププレートとは、複数の連結ロッドを介して一体的に連結されていることを特徴とする請求項1記載のロードセルユニット。
付記項3.前記本体ベースには、細長の凹部が形成されており、この中に前記ボトムプレートが適宜な隙間を保って収納されていることを特徴とする付記項1または2記載のロードセルユニット。
【符号の説明】
【0069】
2,80 ロードセルユニット
3 本体ケース
5 本体ベース
6 本体カバー
10 ロードセル
12 金属ボール
13 ロードセルベース
14a〜14f,15a〜15f 歪みゲージ
25 ボトムプレート
26 保持ロッド
27 スプリングピン
31 トッププレート
36 風袋
43,44 コイルバネ
61 石英るつぼ
62 シリコン融液
71 クリックボール
72 クリックバネ
81a〜81d 持上部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪み量に応じた電気信号を発生する歪みゲージを有し、印加された被測定物の荷重を測定するロードセルと、
前記ロードセルの下面側を固定したロードセルベースと、
前記ロードセルベースの下面側を固定した本体ベースと、前記本体ベースの上側に取り付けられ、前記ロードセルを覆う本体カバーとを有し、上下動及び回転可能に機器に取り付けられる本体ケースと、
前記ロードセルベースの下方に配置され、前記本体ベースと隙間を保って、前記本体ベースに形成された収納凹部の中に収納されたボトムプレートと、
前記ボトムプレートと一体的に連結された状態で前記ロードセルの上方に位置するように、前記本体カバー内に収納され、前記ロードセルに上方から荷重を印加するトッププレートと、
前記本体ベースを貫通した下端で前記被測定物を保持する保持ロッドと、
前記保持ロッドの上端を前記ボトムプレートに固定するロッド固定手段と、
前記トッププレートと前記ロードセルとの位置関係が一定に保たれたままで、前記保持ロッドと前記本体ケースとが一体的に回転するように連結しており、前記保持ロッドの回転負荷が増加したときに、前記本体ケースに対して前記トッププレートが一時的に相対回転することを許容する回転許容手段と、
前記本体ケースの回転中に、前記回転許容手段による連結力よりも大きい回転負荷が、前記保持ロッドを介して前記トッププレートに印加して前記回転許容手段による連結が解除されたときに、前記本体ケースの回転を停止する停止手段と、
を備えることを特徴とするロードセルユニット。
【請求項2】
前記停止手段は、前記被測定物によって前記回転負荷が増加したときに、前記ボトムプレートの側面に当接する前記収納凹部の壁面から構成されていることを特徴とする請求項1記載のロードセルユニット。
【請求項3】
前記ロッド固定手段は、
前記保持ロッドの上端部に形成され、横方向に延びる固定凹部と、
前記ボトムプレートの上端部に形成され、横方向に延びる固定孔と、
前記固定凹部及び前記固定孔に挿入される固定ピンと、から構成され、
前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記固定ピンが折れて前記本体ケースが前記ボトムプレートとともに回転することを特徴とする請求項1または2記載のロードセルユニット。
【請求項4】
前記固定ピンは、前記連結孔及び前記連結凹部に挿入されたときに径が広がるスプリングピンから構成されていることを特徴とする請求項3記載のロードセルユニット。
【請求項5】
前記ロッド固定手段は、
前記保持ロッドの上端部に形成され、横方向に延びる固定凹部と、
前記ボトムプレートの上端部に形成され、横方向に延びるクリック孔と、
前記固定凹部及び前記クリック孔に挿入されるクリックボールと、
前記固定凹部に挿入されており、前記クリックボールを外側に向けて付勢してその一部を前記クリック孔に挿入することで前記保持ロッドを前記ボトムプレートに固定するクリックバネと、から構成され、
前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記クリックボールは、前記ボトムプレートの壁面により押圧されて前記クリックバネの付勢に抗して内側に移動してその全部が前記固定凹部の中に入ることで前記ロッド固定手段による固定が解除され、前記本体ケースが前記ボトムプレートとともに回転することを特徴とする請求項1または2記載のロードセルユニット。
【請求項6】
前記トッププレートと前記ロードセルとの間に、前記ロードセルに上方から荷重を印加する金属ボールを配置したことを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のロードセルユニット。
【請求項7】
前記本体ベースには、前記本体ケースの回転力が強いために、前記停止手段により前記本体ケースの回転が停止できない場合に、前記ボトムプレートに当接して持ち上げ、前記トッププレートを前記金属ボールから離れるようにする持上部が設けられていることを特徴とする請求項6記載のロードセルユニット。
【請求項8】
前記回転許容手段は、
前記ロードセルの上面に固定され、中心の円錐溝内に前記金属ボールが載せられる固定板と、
前記固定板と前記トッププレートとを連結するとともに、前記トッププレートを互いに反対方向に付勢することで、前記トッププレートを特定の位置に保持する複数のコイルバネと、
を備えていることを特徴とする請求項6または7記載のロードセルユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−233868(P2012−233868A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205613(P2011−205613)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)