説明

ローラガイド装置

【課題】 構造が簡単かつ調整が容易なローラガイド装置を提供し、軸芯移動シャッター等における移動体のガタツキを防止する。
【解決手段】 移動体15,16に回転自在なローラ21を設け、ローラ21をガイドレール13上で転動させることで、移動体15,16の移動をガイドレール13に沿わせて案内するローラガイド装置100であって、外周円にローラ21が回転自在に外挿されるとともに、軸線方向に貫通した内穴に挿通されたボルトが移動体15,16を貫通してナット締めされることで移動体15,16に対して固定・固定解除可能となった円筒状のローラ支持カラーを具備し、ローラ支持カラーの外周円の中心と内穴の中心とを偏芯させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に設けられたローラをガイドレール上で転動させて、移動体の移動を案内するローラガイド装置に関し、特にシャフトの回転に従動して移動体が移動される軸芯移動シャッター等の開閉装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
回転自在なローラを移動体に設け、このローラをガイドレール上で転動させることで、移動体をガイドレールに沿わせて案内する手段にローラガイド装置がある。この種のローラガイド装置は、例えば、シャッターカーテンなどの開閉体の巻き取り・巻き戻しに従動して、巻取シャフトを支持した移動体を移動させることで、拡径・縮径される開閉体の巻き取り・巻き戻し位置を一定とする軸芯移動シャッター等の開閉装置に好適に用いることができる。
【0003】
出入口や窓等の開口に設けられるシャッターカーテン(開閉体)は、開口の上方に設けられる巻取シャフトによって上端側が巻き取り・巻き戻される。従って、シャフトに巻回されるシャッターカーテンの巻き外径は、巻き戻し時と、巻き取り時とで異なる。シャフトから巻き取り・巻き戻されて昇降するシャッターカーテンは、開口の左右に設けられた上下に延在する昇降ガイドレールによって両側が案内される。この昇降ガイドレールの上端(呑込口)は、建物躯体に固定される。このため、シャッターカーテンの巻き取り・巻き戻しによって巻き外径が変化すると、昇降ガイドレールの呑込口と巻回体との間のシャッターカーテンが垂直には配置されず、巻き取り・巻き戻しが円滑ではなくなる。
【0004】
軸芯移動シャッターは、ガイドレールが略水平方向に配置され、巻取シャフトの少なくとも一端を回転自在に支持する移動体がこのガイドレールによって案内される。したがって、開閉体の巻き取り・巻き戻しに従動して、移動体が移動されることで、拡径・縮径される開閉体の巻き取り・巻き戻し位置を一定にすることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した軸芯移動シャッターに適用されるローラガイド装置は、ガイドレールの延在方向両端側に、ガイドレールを上下から挟む二組のローラが移動体に設けられる。ところが、巻取シャフトが移動体のガイドレール延在方向一端側に支持されていると、拡径・縮径される開閉体によって移動体のガイドレール延在方向他端側に作用するモーメントが変動する。このような状況下で、ガイドレール延在方向他端側で上下一対のローラが、ガイドレールを確実に挟持していないと、すなわち、ガイドレールとローラとに隙間が生じているいると、移動体の移動時にガタツキが発生し、開閉体の高速かつ円滑な巻き取り・巻き戻しに支障の生じる虞がある。これに対し、移動体の組み付け時等に、ローラガイド装置のローラの取付け位置を移動調整可能とするのは、構造が複雑となり、調整が煩雑となるおそれがあった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、構造が簡単かつ調整が容易なローラガイド装置を提供し、もって、軸芯移動シャッター等の開閉装置における移動体のガタツキ防止を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のローラガイド装置100は、移動体15,16に回転自在なローラ21を設け、該ローラ21をガイドレール13上で転動させることで、前記移動体15,16の移動を前記ガイドレール13に沿わせて案内するローラガイド装置100であって、
外周円に前記ローラ21が回転自在に外挿されるとともに、軸線方向に貫通した内穴61aに挿通されたボルト69が前記移動体15,16を貫通してナット締めされることで前記移動体15,16に対して固定・固定解除可能となった円筒状のローラ支持カラー61を具備し、
該ローラ支持カラー61の前記外周円の中心63と前記内穴61aの中心65とが偏芯していることを特徴とする。
【0008】
このローラガイド装置100では、ローラ支持カラー61の外周円の中心63と内穴61aの中心65とが偏芯していることで、ローラ支持カラー61が回転されると、外周円に外挿したローラ21が、内穴61aの中心65を揺動中心として揺動され、ガイドレール13へ接近・離反可能となる。また、ローラ支持カラー61の揺動による回転量が変えられることで、ガイドレール13に対するローラ21の押圧力が可変可能となる。
【0009】
請求項2記載のローラガイド装置100は、前記ガイドレール13が略水平方向に延在して配置され、
前記移動体15,16が、開閉体5を巻き取り・巻き戻す略水平方向のシャフト23の少なくとも一端を回転自在に支持することを特徴とする。
【0010】
このローラガイド装置100では、ガイドレール13が略水平方向に配置され、開閉体5を巻き取り・巻き戻すためのシャフト23の少なくとも一端を回転自在に支持する移動体15,16がこのガイドレール13によって案内される。すなわち、ローラガイド装置100が軸芯移動シャッター200に適用される。したがって、例えば、複数のスラットを上下方向に連結した開閉体5の巻き取り・巻き戻しに従動して、移動体15,16が移動されることで、拡径・縮径される開閉体5の巻き取り・巻き戻し位置が略一定となる。
【0011】
請求項3記載のローラガイド装置100は、前記移動体15,16には、前記ガイドレール13の延在方向端部側に、該ガイドレール13を上下から挟む二組のローラ17,21が設けられ、
前記シャフト23が前記移動体15,16のガイドレール延在方向一端側に支持されるときに、
前記移動体15,16のガイドレール延在方向他端側の下側ローラ21が前記ローラ支持カラー61を介して前記移動体15,16に対して固定・固定解除可能となったことを特徴とする。
【0012】
このローラガイド装置100では、シャフト23が移動体一端側に支持されることで、移動体一端側に下向きの荷重が加わり、移動体他端側の上側ローラ17がガイドレール13から浮き上がろうとする。これに対して、移動体他端側の下側ローラ21が調整可能となっているので、この下側ローラ21がガイドレール13に押圧されると、移動体他端側の上側ローラ17がガイドレール13に当接可能となる。これにより、移動体他端側における上下のローラ17,21がガイドレール13を上下方向から挟持可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載のローラガイド装置によれば、ガイドレール上で転動させるローラを、ローラ支持カラーを介して移動体に固定し、このローラ支持カラーの外周円の中心と内穴の中心とを偏芯させたので、移動体の組み付け時等では、ローラ支持カラーを回転させることで、外周円に外挿したローラをガイドレールへ接近させることができ、当接後にボルト・ナットによる締結を行うことで、極めて簡単に、ローラを隙間なくガイドレールへ接触させてセッティングを完了させることができる。また、ローラ支持カラーの回転量を変えることで、ガイドレールに対するローラの押圧力を微調整することができる。この結果、ガイドレールからのローラの離反を防止して、ガタツキのない安定した移動体の走行を可能にすることができる。
【0014】
請求項2記載のローラガイド装置によれば、ガイドレールを略水平方向に配置し、巻取シャフトの少なくとも一端を移動体によって回転自在に支持するので、開閉体の巻き取り・巻き戻しに従動させて、移動体を移動させ、拡径・縮径される開閉体の巻き取り・巻き戻し位置を略一定にできる。この結果、移動体のガタツキのない移動を可能にして、開閉体の高速かつ円滑な巻き取り・巻き戻しを実現することができる。
【0015】
請求項3記載のローラガイド装置によれば、移動体のガイドレール延在方向他端側の下側ローラを、ローラ支持カラーを介して移動体に対して固定・固定解除可能としたので、シャフトが移動体一端側に支持されることで、ガイドレールから浮き上がろうとする移動体他端側の上側ローラが、調整可能な下側ローラをガイドレールに押圧することで、ガイドレールに当接可能となる。その結果、移動体他端側における上下ローラが確実にガイドレールを上下方向から挟持することとなり、移動体のガタツキのない移動を可能にして、開閉体の高速かつ円滑な巻き取り・巻き戻しを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るローラガイド装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るローラガイド装置を搭載した開閉装置である軸芯移動シャッターの要部斜視図、図2は巻取シャフトを支持する移動体機構の斜視図、図3は図2の側面図、図4は図3のA−A矢視図、図5はローラ支持カラーの一部分を切り欠いた斜視図、図6はローラ支持カラーの正面図、図7はローラ支持カラー回転前の断面図、図8は図7に示したローラガイド装置をボルト軸線方向から見た正面図である。
【0017】
先ず、本実施の形態によるローラガイド装置100の搭載されるシャッター装置200の基本的な構成について説明する。
建物などの躯体の壁1には壁部開口3が設けられ、壁1の屋内側面の開口上方には巻取機構4を収納する収納部7が取り付けられている。巻取機構4は、開閉体としてのスラットカーテン5を巻き取る。収納部7は、例えばチャンネル材からなる枠体9によって直方体状に形成され、各面に図示しない外装パネルが取り付けられている。枠体9は、開口3の間口方向左右の各側部に、壁1に対し垂直に延在する上枠11と、ガイドレールとしての下枠13とを有している。
【0018】
上枠11と下枠13との間には、矩形板状の移動体である可動板15,16が配置されている。それぞれの可動板15,16の下部には、下枠13の上面を転動する一対の転動ローラ対17,17が、下枠13の長手方向に離間されて2組配設されている。このうち、例えば1組の転動ローラ対17の軸には結合板19が取り付けられ、結合板19の下端には転動ローラ対17とで下枠13を挟持する下部ローラ21が回動自在に取り付けられている。つまり、それぞれの可動板15,16は、下枠13を転動ローラ対17と下部ローラ21とによって上下から挟持しながら、下枠の延在方向である壁1に対し垂直な方向に移動自在に設けられている。
【0019】
この一対の可動板15,16には、壁1に平行かつ水平方向に延在するシャフト23の両端が回動自在に支持されている。シャフト23の一端には減速装置であるギヤボックス25を介して、駆動モータを備えた開閉機27が接続されている。開閉機27とギヤボックス25は、可動板16に支持固定される。従って、開閉機27が駆動されると、その回転がギヤボックス25により減速され、シャフト23が巻き取り・巻き出し方向へ回転駆動されるようになっている。シャフト23の両端には、スラットカーテン5を巻回する巻取板29,29が固設されている。
【0020】
開口3の間口方向両側には、スラットカーテン5をガイドするためのガイドレール31が取り付けられている。それぞれの巻取板29,29は、ガイドレール31の延長線上の上方に位置する。巻取板29,29は、外周縁の一部に、半径方向に高低差を形成した段部33を有している。この段部33の高さはスラットカーテン5を構成する後述のスラット端部品の厚さと略同等に設定されている。
【0021】
巻取板29,29の段部33には、スラットカーテン5の上端が図示しない接続固定部材を介して連結される。スラットカーテン5は、巻取板29,29に渦巻き状に巻き取られて開口3を開放し、また、巻取板29から繰り出されることで開口3を閉鎖する。
【0022】
巻取板29,29の外方となるシャフト23の両端には、図示しない小スプロケットが固設されている。また、可動板15,16には、小スプロケットの下方に大スプロケット41が回動自在に設けられ、この大スプロケット41と小スプロケットとの間にはチェーン43が掛け渡されている。大スプロケット41を可動板15,16に回動自在に支持した回動軸45には、移動用スプロケット47が固設される。また、可動板15,16には、移動用スプロケット47に対し離間して従動スプロケット49が回動自在に設けられている。この移動用スプロケット47と従動スプロケット49との間には移動用チェーン51が掛け渡され、移動用チェーン51は一部分が下枠13に固定されている。
【0023】
従って、開閉機27が駆動され、ギヤボックス25を介してシャフト23が回転すると、チェーン43を介して大スプロケット41が回転し、大スプロケット41の回転により移動用スプロケット47が回転される。これにより、一部分が固定状態にある移動用チェーン51上を、移動用スプロケット47が転動しながら移動することとなり、これに伴って可動板15,16が下枠13の延在方向に往復移動されるようになっている。
【0024】
シャフト23が例えば巻き取り方向に回転されると、巻取板29,29にスラットカーテン5が巻き取られ、スラットカーテン5の外径が大きくなる。すなわち、シャフト23の一回転によって、スラットカーテン5の略厚み分外径が増加する。スラットカーテン5は、外径が増加した分、外径位置がガイドレール31の呑み込み部と一致するように、小スプロケットと大スプロケット41との歯数比が所定の値に設定されている。つまり、外径の増加分だけ可動板15,16、すなわち、シャフト23が移動されるようになっている。
【0025】
このように、シャッター装置100は、シャフト23を移動させる軸芯移動機構を備えているので、スラットカーテン5を常に略垂直に昇降させ、高速な開閉を可能にしている。また、巻取板29,29は、スラットカーテン5を構成するスラット端部品のみを巻き取り、スラットカーテン5を左右両縁のみで巻取る。従って、スラット59同士が触れ合うことがなく、スラット59表裏面への接触傷などが発生しない。また、合成樹脂製のスラット端部品が巻取板29,29に巻き取り・巻き戻されるので、その接触音などが大きくならず、特にスラット端部品の背面側に軟質な樹脂(緩衝層)を設けたことから、開閉時の接触音の低減化が図れ、動作音の抑止された開閉動作が可能となっている。
【0026】
ここで、可動板15,16のそれぞれにはローラガイド装置100,100が設けられている。このローラガイド装置100は、可動板15、下部ローラ21、ローラ支持カラー61、ボルト69、ボールベアリング67、ワッシャ73で略構成される。
【0027】
なお、可動板15と可動板16とに設けられるローラガイド装置100は、同一のものであるため、以下では可動板15に設けられるローラガイド装置100を例に説明する。
上記したように、可動板15には下部ローラ21が回転自在に設けられ、可動板15は下部ローラ21を下枠13上、本実施の形態では下枠13の下面に当接して転動させることにより、下枠13に沿って移動する。
【0028】
ここで、下部ローラ21は、図5に示すローラ支持カラー61を介して結合板19に固定されている。ローラ支持カラー61は、軸線方向に貫通する内穴61aを有し、大外径部61bと、小外径部61cとからなる円筒形状に形成されている。そして、図6に示すように、ローラ支持カラー61は、大外径部61bの外周円の中心63と、内穴61aの中心65とが寸法dだけ偏芯して形成されている。したがって、小外径部61cから内穴61aまでの肉厚は、中心65が片寄せられている方向でt1と小さく、その反対側でt2と大きくなっている。
【0029】
このローラ支持カラー61は、図7に示すように、小外径部61cにボールベアリング67を外挿し、さらに、その外周に下部ローラ21の内径穴21aを外嵌して、下部ローラ21を支持する。そして、ボルト69が内穴61aに挿通され、図4に示すように、結合板19を貫通したボルト69の先端にナット71が螺合される。ボールベアリング67は、ボルト69が締められることで、ワッシャ73を介して内輪67aが段部75とで挟持される。このようにして、下部ローラ21は、ボールベアリング67、ローラ支持カラー61を介して結合板19に固定・固定解除可能に取り付けられる。
【0030】
したがって、ボルト69の中心65に対して、大外径部61bの中心63が下側となるようにローラ支持カラー61が回転配置されていると、図8に示すように、ローラ支持カラー61の肉厚t2部が下側に配置され、下枠13と下部ローラ21との間には隙間δが形成されるようになっている。
【0031】
次に、上記のように構成されたローラガイド装置100の作用を説明する。
図9はローラ支持カラー回転後の断面図、図10は図9に示したローラガイド装置をボルト軸線方向から見た正面図である。
このローラガイド装置100は、ローラ支持カラー61の外周円の中心63と内穴61aの中心65とが偏芯していることで、ローラ支持カラー61が回転されると、外周円(小外径部61c)に外挿した下部ローラ21が、内径穴51aの中心65を揺動中心として揺動され、下枠13へ接近・離反可能となる。これにより、図7,図8に示した肉厚t2部が下側に配置された状態から、図9,図10に示すように、肉厚t2部が上側に配置された状態へとローラ支持カラー61が揺動されることで、下枠13と下部ローラ21との間の隙間δがなくなるようになっている。
【0032】
また、ローラ支持カラー61の揺動による回転量が変えられることで、下枠13に対する下部ローラ21の押圧力が可変可能となっている。
【0033】
なお、本実施の形態では、肉厚t2部が、下側から上側へ、約180°移動するようにローラ支持カラー61を揺動させている例を示しており、すなわち最大移動量を示して説明しているが、好ましくは180°よりも小さい揺動量で下部ローラ21が下枠13に当接する、つまり下枠13と下部ローラ21との間の隙間δがなくなるように構成されることとする。
【0034】
軸芯移動シャッター200では、下枠13が略水平方向に配置され、巻取シャフト23の少なくとも一端を回転自在に支持する可動板15がこの下枠13によって案内される。すなわち、ローラガイド装置100が軸芯移動シャッター200に適用される。したがって、スラットカーテン5の巻き取り・巻き戻しに従動して、可動板15が移動されることで、拡径・縮径されるスラットカーテン5の巻き取り・巻き戻し位置が略一定となる。
【0035】
そして、本実施の形態では、巻取シャフト23が可動板15のガイドレール延在方向一端側(図3の左端側)に支持されるときに、可動板15のガイドレール延在方向他端側(図3の右端側)の下部ローラ21が、ローラ支持カラー61を介して可動板15に対して固定・固定解除可能となっている。この場合、巻取シャフト23が可動板15一端側に支持されることで、可動板15一端側に下向きの荷重が加わり、可動板15他端側の上側ローラ17が下枠13から浮き上がろうとする。これに対して、本実施の形態では、可動板15他端側の下部ローラ21が調整可能となっているので、この下部ローラ21が下枠13に押圧されると、可動板15他端側の上側ローラ17が下枠13に当接可能となる。これにより、可動板15他端側における上下ローラ17,21が下枠13を上下方向から挟持可能となる。
【0036】
上記のローラガイド装置100によれば、下枠13上で転動させる下部ローラ21を、ローラ支持カラー61を介して可動板15に固定し、このローラ支持カラー61の外周円の中心63中心と内穴61aの中心65とを偏芯させたので、可動板15の組み付け時等では、ローラ支持カラー61を回転させることで、外周円に外挿した下部ローラ21を下枠13へ接近させることができ、当接後にボルト69・ナット71による締結を行うことで、安価な制作費でかつ極めて簡単に、下部ローラ21を隙間なく下枠13へ接触させてセッティングを完了させることができる。そして、ローラ支持カラー61の回転量を変えることで、下枠13に対するローラ押圧力を微調整することができる。この結果、下枠13からのローラの離反を防止して、ガタツキのない安定した移動体の走行を可能にすることができる。
【0037】
また、下枠13を略水平方向に配置し、巻取シャフト23の少なくとも一端を可動板15によって回転自在に支持するので、スラットカーテン5の巻き取り・巻き戻しに従動させて、可動板15を移動させ、拡径・縮径されるスラットカーテン5の巻き取り・巻き戻し位置を略一定にできる。この結果、可動板15のガタツキのない移動を可能にして、スラットカーテン5の高速かつ円滑な巻き取り・巻き戻しを実現することができる。
【0038】
さらに、可動板15のガイドレール延在方向他端側の下部ローラ21を、ローラ支持カラー61を介して可動板15に対して固定・固定解除可能としたので、巻取シャフト23が可動板15一端側に支持されることで、下枠13から浮き上がろうとする可動板15他端側の上側ローラ17が、調整可能な下部ローラ21を下枠13に押圧することで、下枠13に当接可能となる。その結果、可動板15他端側における上下ローラ17,21が確実に下枠13を上下方向から挟持することとなり、可動板15のガタツキのない移動を可能にして、スラットカーテン5の高速かつ円滑な巻き取り・巻き戻しを実現することができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態では、下枠13に対して上側ローラ17と下側ローラ21とで上下方向から挟持するように構成した例について述べたが、可動板15,16のガイドレールとして、上枠11と下枠13との間にて、上枠11の下面と下枠13の上面との対向する面間でローラがそれぞれ当接し転動するような構成であってもよく、すなわち、可動板15,16の上縁部分に上記した下側ローラ21と同構成の上部ローラを構成し、可動板15,16の下縁部分に上記した上側ローラ17と同構成の下部ローラを構成して、上枠11と下枠13との間を移動可能な構成としてもよい。このような構成とした場合には、上下枠11,13間において、上下の各ローラが拡幅するように配置されて、上記同様の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るローラガイド装置を搭載した軸芯移動シャッターの要部斜視図である。
【図2】巻取シャフトを支持する移動体機構の斜視図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】ローラ支持カラーの一部分を切り欠いた斜視図である。
【図6】ローラ支持カラーの正面図である。
【図7】ローラ支持カラー回転前の断面図である。
【図8】図7に示したローラガイド装置をボルト軸線方向から見た正面図である。
【図9】ローラ支持カラー回転後の断面図である。
【図10】図9に示したローラガイド装置をボルト軸線方向から見た正面図である。
【符号の説明】
【0041】
5…開閉体(スラットカーテン)
13…ガイドレール(下枠)
15,16…移動体(可動板)
21…ローラ(下側ローラ)
23…シャフト(巻取シャフト)
61…ローラ支持カラー
61a…内穴
63…外周円の中心
65…内穴の中心
69…ボルト
71…ナット
100…ローラガイド装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に回転自在なローラを設け、該ローラをガイドレール上で転動させることで、前記移動体の移動を前記ガイドレールに沿わせて案内するローラガイド装置であって、
外周円に前記ローラが回転自在に外挿されるとともに、軸線方向に貫通した内穴に挿通されたボルトが前記移動体を貫通してナット締めされることで前記移動体に対して固定・固定解除可能となった円筒状のローラ支持カラーを具備し、
該ローラ支持カラーの前記外周円の中心と前記内穴の中心とが偏芯していることを特徴とするローラガイド装置。
【請求項2】
前記ガイドレールが略水平方向に延在して配置され、
前記移動体が、開閉体を巻き取り・巻き戻す略水平方向のシャフトの少なくとも一端を回転自在に支持することを特徴とする請求項1記載のローラガイド装置。
【請求項3】
前記移動体には、前記ガイドレールの延在方向端部側に、該ガイドレールを上下から挟む二組のローラが設けられ、
前記シャフトが前記移動体のガイドレール延在方向一端側に支持されるときに、
前記移動体のガイドレール延在方向他端側の下側ローラが前記ローラ支持カラーを介して前記移動体に対して固定・固定解除可能となったことを特徴とする請求項2記載のローラガイド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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