ロールベールのラッピングマシン
【課題】 圃場に置かれたロールベールを容易に積み込むことができるラッピングマシンを提供する。
【解決手段】 トラクタ等の牽引車5に連結され、圃場上のロールベール2を積み込んでそのロールベール2にラッピングする作業機本体4を備えたロールベール2のラッピングマシン1において、作業機本体4を上記牽引車5の側方に配置したものである。
【解決手段】 トラクタ等の牽引車5に連結され、圃場上のロールベール2を積み込んでそのロールベール2にラッピングする作業機本体4を備えたロールベール2のラッピングマシン1において、作業機本体4を上記牽引車5の側方に配置したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングするロールベールのラッピングマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の牽引車に牽引されながら圃場上のロールベールを積み込み、そのロールベールにラッピングするラッピングマシンとしては、特許文献1や特許文献2記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1記載のラッピングマシンは、牽引車の後方に配置されるようになっており、牽引車の進行方向後方からロールベールを積み込んでラッピングしたのち、後方へ降ろすように構成されている。
【0004】
特許文献2記載のラッピングマシンは、牽引車の斜め後方に配置されるようになっており、前方からロールベールを積み込んで後方へ降ろすように構成されている。
【0005】
また、特許文献3記載のラッピングマシンのように、側方からロールベールを積み込んで側方へ降ろすタイプもある。
【0006】
なお、特許文献4には、牽引車の後方に配置する状態から側方に配置する状態に変換できるフォレージハーベスターが記載されており、特許文献5には、作業機本体の斜め前方に補助輪を、位置を固定して設けたラッピングマシンが記載されている。
【0007】
【特許文献1】実開平04−023605号公報
【特許文献2】特開平11−346553号公報
【特許文献3】特開2002−253042号公報
【特許文献4】特公昭63−50964号公報
【特許文献5】米国特許第5129215号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ロールベールを後方から積み込んで後方へ降ろすラッピングマシンにあっては、ロールベールを積み込むごとに前後進する必要があるため、牽引車のシフトチェンジを頻繁に行わなくてはならず、能率的ではないという課題があった。
【0009】
また、牽引車の後方や斜め後方に配置されるラッピングマシンにロールベールを積み込む場合、牽引車座上の作業者は、常時上半身を捩って作業を行わなくてはならないため、疲労が大であるという課題があった。
【0010】
またさらに、ロールベールを機体側方から積み降ろしするラッピングマシンにあっては、連続した前進作業が可能であるが、圃場に置かれたロールベールに軸方向側から接近して積み込む必要があるため、ロールベーラで牧草の栽培条列に倣って圃場に置かれたロールベールを、その配列に対して直交する方向に走行しながら積み込まなくてはならず、特に圃場の外縁部などに置かれたロールベールを積み込む場合、牽引車の方向転換が難しく積み込み困難となる場合もあった。そしてこれをなるべく回避するためには、圃場形状とロールベールの位置を常に考慮しながら作業しなければならず、能率的でなかった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、圃場に置かれたロールベールを容易に積み込むことができるラッピングマシンを提供することにある。
【0012】
なお、特許文献4記載のフォレージハーベスターは、一方方向に走行しながら連続的に作業を行うものであるため、後方配置にしてもシフトチェンジを頻繁に繰り返す必要はないため、牽引車の斜め後方に配置しても常時上半身を捩って作業をする必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明は、トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングする作業機本体を備えたロールベールのラッピングマシンにおいて、作業機本体を上記牽引車の側方に配置したものである。
【0014】
上記作業機本体は、上記牽引車に連結部材を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車の後方に折り畳まれるように構成されるとよい。
【0015】
また、上記作業機本体に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構を設けると共に、該ダンプ機構に、ロールベールを載置するための載置台を設けて載置台を前後に傾倒自在に構成し、上記ダンプ機構に、載置台に圃場上のロールベールを押し付けて把持する荷受け装置を設けるとよい。
【0016】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレームと、該第1ダンプフレームの自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ上記載置台と荷受け装置を支持する第2ダンプフレームとを備えて構成するとよい。
【0017】
また、上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後に離間して設けられた軸受と、これら軸受に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受から離脱されると共に他方の軸受で支持されて起立するダンプフレームと、該ダンプフレームの前側を起こすための第1シリンダと、上記ダンプフレームの後側を起こすための第2シリンダとを備えて構成してもよい。
【0018】
そして、上記作業機本体に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール積み込み時にロールベールの重量を支えるための補助輪と、上記補助輪の車幅方向の位置を検出するセンサ手段と、該センサ手段で上記補助輪が上記載置台の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに上記載置台のダンプを規制する制御装置とを備えてラッピングマシンを構成するとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圃場に置かれたロールベールを容易に積み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は牽引車に連結したラッピングマシンの平面図であり、図2はロールベールを積み込んだラッピングマシンの側面図であり、図3はラッピングマシンの背面図である。
【0021】
図1に示すようにラッピングマシン1は、圃場上のロールベール2を積み込んでそのロールベール2にラッピングするものであり、縦軸回りに回転自在なキャスター車輪3を有し台車状に形成された作業機本体4と、作業機本体4をトラクタ等の牽引車5に連結するための連結部材6とを備えて構成されている。
【0022】
図5に示すように、作業機本体4は、連結部材6を介して牽引車5に縦軸回りに回動自在に連結されており、作業時には牽引車5の側方に配置されるように構成されている。そして、作業機本体4は、縦軸回りに回動されて前後反転されたとき、牽引車5の後方に折り畳まれるように構成されている。これにより、作業機本体4を牽引車5の走行軌跡上で追従させ、移動時の走行安定性を高めるようにしている。
【0023】
図2及び図3に示すように、作業機本体4には、ロールベール2を載置する載置台7を前後傾倒自在に支持すべく前方又は後方に起立自在に形成されたダンプ機構8と、ロールベール2にラップ用フィルム9を繰り出すためのフィルム繰り出し装置10とが設けられている。
【0024】
図2及び図9に示すように、ダンプ機構8は、作業機本体4に前方に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレーム11と、第1ダンプフレーム11の自由端側に後方に向けて起立可能に設けられた第2ダンプフレーム12と、第1ダンプフレーム11を起立させるための第1シリンダ13と、第2ダンプフレーム12を起立させるための第2シリンダ14とを備えて構成されている。
【0025】
図4に示すように、第1ダンプフレーム11は、平面視略矩形枠状に形成されており、作業機本体4の本体フレーム15に前端部を車幅方向に延びる軸16回り回動自在に設けられている。第2ダンプフレーム12は、第1ダンプフレーム11内に収まる略矩形枠状に形成されており、後端部を第1ダンプフレーム11に車幅方向に延びる軸17回りに回動自在に設けられている。図2に示すように、第2ダンプフレーム12には、ロールベール2を載置するための載置台7が設けられると共に、圃場上のロールベール2を載置台7に押し付けて把持するための荷受け装置18が設けられている。これにより、載置台7と荷受け装置18は、第1ダンプフレーム11が起立されることで前方へ傾倒され、第2ダンプフレーム12が起立されることで後方へ傾倒されるようになっている。
【0026】
第1シリンダ13は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端を第1ダンプフレーム11の自由端側に連結されており、伸長することで第1ダンプフレーム11を起立させるようになっている。第2シリンダ14は、一端を第1ダンプフレーム11の自由端側に連結されると共に他端を第2ダンプフレーム12の自由端側に連結されており、伸長することで第2ダンプフレーム12を起立させるようになっている。
【0027】
図2及び図3に示すように、載置台7は、第2ダンプフレーム12上に縦軸回り回転自在に設けられた回転フレーム19と、回転フレーム19に水平方向に離間して設けられ水平かつ平行に延びる一対の転動ローラ20と、これら転動ローラ20間に掛け渡して設けられロールベール2の外周面を受けるエンドレスベルト21と、回転フレーム19の両側に起立して設けられエンドレスベルト21上のロールベール2を側方から支えるためのガイドローラ22とを備えて構成されている。回転フレーム19の一側には、フィルム繰り出し装置10から繰り出されたラップ用フィルム9を切断するためのカッタ装置58が設けられている。転動ローラ20は少なくとも一方が駆動装置(図示せず)に連結されており、エンドレスベルト21を循環させるようになっている。また、転動ローラ20間の間隔は、ロールベール2の直径よりも小さく設定されており、ロールベール2の下端部を2つの転動ロール20間に挟んで安定して支持できるように構成されている。
【0028】
荷受け装置18は、第2ダンプフレーム12に起立して設けられ伸縮可能な伸縮フレーム23と、伸縮フレーム23の先端に設けられロールベール2を把持するための先端アーム24と、伸縮フレーム23に設けられ伸縮フレーム23を伸縮させるための油圧アクチュエータ25とを備えて構成されている。油圧アクチュエータ25は、両端を伸縮フレーム23に連結された油圧シリンダからなる。
【0029】
また、本体フレーム15には、ロールベール2の積み込み時にロールベール2の重量を支えるための補助輪26が設けられている。図1、図10及び図11に示すように、補助輪26は、本体フレーム15に前方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられている。具体的には、補助輪26は、本体フレーム15に斜め前方へ延びて設けられた延長フレーム27と、延長フレーム27の先端に左右回動自在に設けられた車輪アーム28とを介して本体フレーム15に設けられている。
【0030】
延長フレーム27は、先端に上下に離間して形成されそれぞれ水平に延びる略扇形の支持プレート29と、これら支持プレート29間に設けられ車輪アーム28を枢支するための垂直支軸30と、支持プレート29の両側に設けられ車輪アーム28の回動範囲を規制する側板31とを備えて構成されている。支持プレート29には、車輪アーム28の回動を規制するためのピン32を挿通させるためのピン孔33がそれぞれ複数形成されている。具体的には、ピン孔33は、車輪アーム28を車幅方向外側に向けて留める位置と、車輪アーム28を車幅方向内側に向けて留める位置との2箇所に形成されており、車輪アーム28をいずれかの方向に向けてピン32で留められるようになっている。
【0031】
また、延長フレーム27には、補助輪26の車幅方向の位置を検出するためのセンサ手段34が設けられている。センサ手段34は、具体的には近接スイッチからなる。センサ手段34は、車輪アーム28が車幅方向外側に向けられたとき車輪アーム28に形成されたスイッチプレート35に当たってONとなり、図12に示すように、車輪アーム28が車幅方向内側に向けられたときスイッチプレート35から離れてOFFとなるように構成されている。
【0032】
図13に示すように、センサ手段34は、第1シリンダ13を伸縮制御する制御装置55に接続されており、ON/OFF情報を制御装置55に送るようになっている。制御装置55は、ダンプ機構8を操作するための操作レバー36と、第1シリンダ13又は第2シリンダ14に油圧を給排するための電磁弁37、38とにそれぞれ接続されており、センサ手段34からOFF情報を得たとき、すなわち、補助輪26が載置台7の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したとき、操作レバー36から第1シリンダ13を伸長させる命令を受けても第1シリンダ13に油圧を給排する電磁弁37を開かず、ダンプ機構8を補助輪26側にダンプさせないようにする。
【0033】
車輪アーム28の先端には、補助輪26たるキャスターが縦軸回りに回転自在に設けられている。
【0034】
図1に示すように、本体フレーム15は、後部に車幅方向に延びて連結部材6に連結され牽引車5の推進力を作業機本体4側に伝達するための被連結フレーム部39を有する。被連結フレーム部39は、一端側を後方に屈曲されると共にその後端を連結部材6に連結されており、牽引車5の側方に配置される作業機本体4を連結部材6より前側に位置させるようになっている。
【0035】
連結部材6は、牽引車5の後部に着脱可能に連結される三点フレーム40と、三点フレーム40に車幅方向スライド可能に設けられ作業機本体4を連結するための横桁41とを備えて構成されており、横桁41を車幅方向に適宜スライドさせることで作業機本体4の車幅方向の位置を調節できるようになっている。そしてこれにより、作業機本体4を牽引車5の車幅に合わせた位置に配置できるようになっている。
【0036】
横桁41は、ボルト・ナット(図示せず)で三点フレーム40に固定されるようになっており、ボルト・ナットを緩めることで自在にスライドできるようになっている。横桁41は、三点フレーム40に車幅方向に延びて支持されており、両端を三点フレーム40から突出させている。横桁41の一端には、作業機本体4の被連結フレーム部39が縦軸回りに回動自在に連結されると共に、作業機本体4を牽引車5の側方に配置した状態にロックするための展開側ロック機構42が設けられている。
【0037】
図6に示すように、展開側ロック機構42は、横桁41に上下に離間して設けられ前方に平行に延びる一対のプレート43と、作業機本体4の被連結フレーム部39に設けられ作業機本体4を牽引車5の側方に配置したときにプレート43間に収容される爪部材44と、プレート43間に収容された爪部材44の移動を規制すべくそれぞれのプレート43に上下に貫通されるロックピン45とを備えて構成されている。
【0038】
また、横桁41の他端には、作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んだ状態にロックするための折り畳み側ロック機構46が設けられている。
【0039】
図6及び図7に示すように、折り畳み側ロック機構46は、横桁41の他端に後方に延びて設けられ後端に作業機本体4を受けるための受溝47を有する受け部材48と、作業機本体4の被連結フレーム部39に車幅方向に突出して設けられ作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んだときに受け部材48の受溝47内に収容される固定ピン49と、受け部材48に設けられ受溝47内に収容された固定ピン49の移動を規制すべく固定ピン49に係合される掛け金50とを備えて構成されている。受溝47は、上下に離間すると共に前後に離間して一対並行に形成されている。固定ピン49は、それぞれの受溝47に同時に収容されるように被連結フレーム部39に一対設けられており、それぞれ受溝47に収容されたときに先端側を受溝47から突出させる長さに形成されている。掛け金50は、フック状に屈曲して形成されており、一端を受け部材48に車幅方向に延びる軸回り回転自在に設けられている。掛け金50の他端には、受け部材48に車幅方向に延びて形成された係合穴51に挿入するためのピン52が車幅方向に出没自在に設けられている。係合穴51は、掛け金50で受溝47の開口を塞ぐときのピン52の位置と、掛け金50を前後反転させて受溝47を開放するときのピン52の位置とにそれぞれ形成されている。そして、掛け金50は、受溝47を塞いだ状態でピン52を係合穴51に挿入させることで固定ピン49の移動を規制できるようになっている。図8に示すように、掛け金50には、ピン52を突出させるように弾発付勢するスプリング53が設けられており、ピン52が係合穴51の位置に至ったとき、係合穴51にピン52を挿入させるように構成されている。
【0040】
また、図1及び図9に示すように、三点フレーム40には、ダンプ機構8のシリンダ13、14や、載置台7及び転動ローラ20を回転駆動する油圧モータ(図示せず)等に油圧を供給するための油圧ユニット54が搭載されている。
【0041】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0042】
図1に示すように、牽引車5の側方に作業機本体4を配置して圃場を走行し、圃場上のロールベール2にラッピングする場合、まず、牽引車5を前進させてロールベール2に作業機本体4を接近させる。このとき、作業機本体4は牽引車5の側方に位置されているため、牽引車5座上の作業者は斜め前方を見ながら牽引車5を運転すればよく、作業機本体4を、容易にロールベール2の積み込み位置に合わせることができる。
【0043】
この後、図9に示すように荷受け装置18を伸長させた状態で第1ダンプフレーム11を前側に起立させ、載置台7と荷受け装置18とを前方に傾倒させる。荷受け装置18の先端アーム24と載置台7がロールベール2の前後にそれぞれ位置されたら、荷受け装置18の油圧アクチュエータ25を縮退させ、先端アーム24と載置台7との間にロールベール2を挟んで把持する。
【0044】
図2に示すように、ロールベール2を把持したまま第1ダンプフレーム11を後方に倒して水平な姿勢に戻す。このとき、ロールベール2の重さは、作業機本体4の前方に突出された補助輪26で支えられるため、一般に三点フレーム40に連結された牽引車5で受けることのできない上向きの力が三点フレーム40に作用するのを防ぐことができ、ロールベール2を安定して作業機本体4に積み込むことができる。
【0045】
荷受け装置18の油圧アクチュエータ25を伸長させると、ロールベール2は載置台7上に載置された状態となる。具体的には、ロールベール2は、前後に離間する転動ローラ20間に張設されたエンドレスベルト21上に載置されることとなり、それぞれの転動ローラ20に下端部を挟まれて安定して静止されることとなる。
【0046】
この状態で載置台7を縦軸回りに回転させると共に、これに連動して転動ローラ20を回転させてエンドレスベルト21上でロールベール2を回転させ、このロールベール2にフィルム繰り出し装置10からラップ用フィルム9を繰り出して巻き付ける。このようにしてロールベール2がラッピングされたら、カッタ装置58でフィルム繰り出し装置10とロールベール2との間に延びるラップ用フィルム9を切断し、ロールベール2を後側から圃場上に降ろす。ロールベール2を降ろす場合、まず、荷受け装置18を縮退させて先端アーム24と載置台7との間にロールベール2を挟んで把持し、第2ダンプフレーム12を後方に起立させてロールベール2を接地させ、荷受け装置18を伸長させてロールベール2を放すことで行う。ロールベール2を接地させるとき落としたり回転させることがないため、ロールベール2の外側を覆うラップ用フィルム9を傷めることはない。
【0047】
このような作業を順次繰り返すことで圃場上のロールベール2を容易にラッピングすることができる。
【0048】
また、作業機本体4を牽引車5の側方に配置した状態で圃場の角隅に置かれたロールベール2にラッピングする場合、上述したような前進作業では不可能な場合もある。この場合、牽引車5を後進させてロールベール2に作業機本体4を接近させ、作業機本体4に後側からロールベール2を積み込み、このロールベール2にラップをし、ラップしたロールベール2を後方又は前方に降ろすことで作業を行うことができる。
【0049】
ラッピングマシン1を車庫に戻す等、他の場所に移動する場合、作業機本体4を牽引車5の側方に配置したままでは牽引車5を含めた車両全体の車幅が大きく、比較的高速で移動したときに走行安定性が損なわれる虞がある。このため、図5に示すように、作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んでロックすると共に、補助輪26を車幅方向内側に収める。
【0050】
作業機本体4の折り畳み作業は、展開側ロック機構42のプレート43からロックピン45を抜いて爪部材44のロックを解除し、牽引車5を前進させることで行う。牽引車5が前進することで作業機本体4は、向きを変えるように転回し、牽引車5の後方に折り畳まれることとなる。このとき、作業機本体4は、折り畳み側ロック機構46の固定ピン49を受け部材48の受溝47に当てて転回を停止される。そして、掛け金50を回転させ、その先端に設けられたピン52を受け部材48の係合穴51の位置に合わせることでピン52がスプリング53の弾発付勢力で係合穴51に挿入され、作業機本体4が牽引車5の後方にロックされることとなる。作業機本体4を牽引車5の後方に配置することで、車両の走行安定性を向上させることができる。
【0051】
補助輪26を車幅方向内側に収める作業は、それぞれの支持プレート29のピン孔33からピン32を抜いて車輪アーム28のロックを解除し、車輪アーム28を車幅方向内側に向け、支持プレート29に形成された他方のピン孔33にピン32を挿入して車輪アーム28を留めることで行う。
【0052】
また、作業機本体4を牽引車5の後方に配置した状態でも、牽引車5を後進させてロールベール2に作業機本体4を接近させ、作業機本体4に後側からロールベール2を積み込んでロールベール2にラップすることができる。ただしこの場合、補助輪26が車幅方向内側にあるとロールベール2を積み込むときに載置台7に当たり、ロールベール2を積み降ろしできないため、予め補助輪26を車幅方向外側に位置させておく必要がある。もし、補助輪26が車幅方向内側にある状態でロールベール2を前方から積み降ろししようとした場合、制御装置55はセンサ手段34からOFF信号(補助輪26が車幅方向内側に位置していることを示す信号)を受信しているため、載置台7をダンプ制御することはなく、図示しない警告ランプ等を点灯させて作業者にその旨を知らせる。また、ラップしたロールベール2は後方に降ろすことができる。
【0053】
このように、作業機本体4を牽引車5の側方に配置したため、牽引車5の座上の作業者は、常時前向きに着座したまま、斜め前下方を見ながら前進し、適宜の位置で停止することでロールベール2のラッピング作業を行うことができ、圃場に置かれたロールベール2を容易に積み込むことができる。また、ロールベール2を積み降ろしする際、後進する必要がないため、煩雑なシフトチェンジを頻繁に繰り返す必要がなく、能率良く作業を行うことができる。
【0054】
また、作業機本体4は、牽引車5に連結部材6を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車5の後方に折り畳まれるように構成されるものとしたため、ラッピング作業を行わず単に移動する時には、作業機本体4を牽引車5の後方に配置することで走行安定性を向上させることができ、車幅制限のある農道等も走行することができる。
【0055】
作業機本体4に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構8を設けると共に、ダンプ機構8に、ロールベール2を載置するための載置台7を設けて載置台7を前後傾倒自在に構成し、ダンプ機構8に、載置台7に圃場上のロールベール2を押し付けて把持する荷受け装置18を設けたため、牽引車5の側方に作業機本体4を配置したとき、ロールベール2を前後いずれの方向からも容易に積み降ろしすることができ、牽引車5の後方に作業機本体4を配置したとき、ロールベール2を後方から容易に積み降ろしすることができる。
【0056】
ダンプ機構8は、作業機本体4に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレーム11と、第1ダンプフレーム11の自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ載置台7と荷受け装置18を支持する第2ダンプフレーム12とを備えて構成されるものとしたため、ダンプ機構8を簡易な構造で容易に製作することができる。
【0057】
また、作業機本体4に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール2の積み込み時にロールベール2の重量を支えるための補助輪26と、補助輪26の車幅方向の位置を検出するセンサ手段34と、センサ手段34で補助輪26が載置台7の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに載置台7のダンプを規制する制御装置55とを備えたため、誤って補助輪26と載置台7を衝突させるのを防ぐことができる。
【0058】
なお、第1ダンプフレーム11を前方に向けて起立可能とし、第2ダンプフレーム12を後方に向けて起立可能としたが、逆に第1ダンプフレーム11を後方に起立可能とし、第2ダンプフレーム12を前方に起立可能としてもよい。
【0059】
補助輪26は、前後双方に突出させて設けてもよい。後方からロールベール2を積み込むときにも、ロールベール2の重さを支えることができる。
【0060】
また、本体フレーム15と連結部材6を油圧シリンダ(図示せず)等で連結し、作業機本体4を強制的に牽引車5の後方に折り畳んだり、側方に展開できるように構成してもよい。
【0061】
図14に示すように補助輪26に替えてアウトリガー60を車輪アーム28に設けてもよい。アウトリガー60は、車輪アーム28に設けられ下方に伸長可能な単動型の油圧シリンダ61と、油圧シリンダ61の下端に回動可能に設けられた接地板62と、油圧シリンダ61の両端に設けられ油圧シリンダ61を縮退させる方向に弾発付勢するスプリング63とを備えて構成されるとよい。この場合、アウトリガー60は、ロールベール2を積み込むときにのみ、油圧シリンダ61を伸長させて接地するものとし、ロールベール2の積み込みが終了した後は、油圧シリンダ61内の油圧を抜いて油圧シリンダ61をスプリング63の弾発付勢力で縮退させ、接地板62を地面から離脱させるものとするとよい。
【0062】
また、アウトリガー60は、単動型の油圧シリンダ61に替えて伸縮自在な複動型の油圧シリンダ(図示せず)を用い、スプリング63を用いないものとしてもよい。
【0063】
センサ手段34は延長フレーム27に設けるものとしたが、車輪アーム28に設けてもよい。また、センサ手段34は近接スイッチに限るものではなく、赤外線センサ等他のタイプのセンサ(図示せず)であってもよい。
【0064】
ダンプ機構8は、前方に起立する第1ダンプフレーム11と、後方に起立する第2ダンプフレーム12とを備えて構成するものとしたが、単独のダンプフレームを前後に起立させるようにしてもよい。
【0065】
この場合の他の実施の形態について述べる。但し、ダンプ機構以外の構成については上述と同様であるため説明を省く。
【0066】
図15及び図16に示すように、ダンプ機構70は、作業機本体4に前後に離間して設けられた軸受71、72と、これら軸受71、72に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受71、72から離脱されると共に他方の軸受72、71で支持されて起立するダンプフレーム73と、ダンプフレーム73の前側を起こすための第1シリンダ74と、ダンプフレーム73の後側を起こすための第2シリンダ75とを備えて構成されている。
【0067】
軸受71、72は、車幅方向に延びる軸を係脱可能に受けるように上方に開口する円弧状に形成されている。ダンプフレーム73は平面視略矩形状に形成されており、前後の両端に軸受71、72に載置される軸部76、77を有する。ダンプフレーム73には上述の載置台7が縦軸回りに回転自在に設けられると共に荷受け装置18が設けられている。第1シリンダ74は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端をダンプフレーム73の前側の軸部76に連結されており、伸長することでダンプフレーム73の前側を起こすように構成されている。第2シリンダ75は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端をダンプフレーム73の後側の軸部77に連結されており、伸長することでダンプフレーム73の後側を起こすように構成されている。また特に、第1シリンダ74と第2シリンダ75は、縮退したとき、それぞれの他端に連結される軸部76、77を軸受71、72に引き付けるように適宜傾斜して配置されている。
【0068】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0069】
ロールベール2を積み降ろしすべくダンプフレーム73を前方に起立させる場合、第1シリンダ74を縮退させて前側の軸部76を軸受71に引き付けながら、第2シリンダ75を伸長させる。図17に示すように、ダンプフレーム73は、前側の軸部76を中心として後側を起こし、前方に起立される。
【0070】
また、ダンプフレーム73を後方に起立させる場合、第2シリンダ75を縮退させて後側の軸部77を軸受72に引き付けながら、第1シリンダ74を伸長させる。図18に示すように、ダンプフレーム73は、後側の軸部77を中心として前側を起こし、後方に起立される。
【0071】
このように、作業機本体4に前後に離間して設けられた軸受71、72と、これら軸受71、72に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受71、72から離脱されると共に他方の軸受72、71で支持されて起立するダンプフレーム73と、ダンプフレーム73の前側を起こすための第1シリンダ74と、ダンプフレーム73の後側を起こすための第2シリンダ75とを備えてダンプ機構70を構成しても、簡易な構造で容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す牽引車に連結したラッピングマシンの平面図である。
【図2】ロールベールを積み込んだラッピングマシンの側面図である。
【図3】ラッピングマシンの背面図である。
【図4】ダンプ機構の平面断面図である。
【図5】牽引車の後方に折り畳んだラッピングマシンの平面図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】図1のA−A線矢視図である。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】ロールベール積み込み中のラッピングマシンの側面図である。
【図10】図1の要部拡大図である。
【図11】図2の要部拡大図である。
【図12】図5の要部拡大図である。
【図13】ダンプ機構の制御系統の概略説明図である。
【図14】他の実施の形態を示すアウトリガーの側面図である。
【図15】他の実施の形態を示すダンプ機構の側面図である。
【図16】ダンプ機構の平面断面図である。
【図17】前方にダンプしたダンプ機構の側面図である。
【図18】後方にダンプしたダンプ機構の側面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ラッピングマシン
2 ロールベール
4 作業機本体
5 牽引車
6 連結部材
7 載置台
8 ダンプ機構
11 第1ダンプフレーム
12 第2ダンプフレーム
18 荷受け装置
26 補助輪
34 センサ手段
55 制御装置
70 ダンプ機構
71 軸受
72 軸受
73 ダンプフレーム
74 第1シリンダ
75 第2シリンダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングするロールベールのラッピングマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の牽引車に牽引されながら圃場上のロールベールを積み込み、そのロールベールにラッピングするラッピングマシンとしては、特許文献1や特許文献2記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1記載のラッピングマシンは、牽引車の後方に配置されるようになっており、牽引車の進行方向後方からロールベールを積み込んでラッピングしたのち、後方へ降ろすように構成されている。
【0004】
特許文献2記載のラッピングマシンは、牽引車の斜め後方に配置されるようになっており、前方からロールベールを積み込んで後方へ降ろすように構成されている。
【0005】
また、特許文献3記載のラッピングマシンのように、側方からロールベールを積み込んで側方へ降ろすタイプもある。
【0006】
なお、特許文献4には、牽引車の後方に配置する状態から側方に配置する状態に変換できるフォレージハーベスターが記載されており、特許文献5には、作業機本体の斜め前方に補助輪を、位置を固定して設けたラッピングマシンが記載されている。
【0007】
【特許文献1】実開平04−023605号公報
【特許文献2】特開平11−346553号公報
【特許文献3】特開2002−253042号公報
【特許文献4】特公昭63−50964号公報
【特許文献5】米国特許第5129215号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ロールベールを後方から積み込んで後方へ降ろすラッピングマシンにあっては、ロールベールを積み込むごとに前後進する必要があるため、牽引車のシフトチェンジを頻繁に行わなくてはならず、能率的ではないという課題があった。
【0009】
また、牽引車の後方や斜め後方に配置されるラッピングマシンにロールベールを積み込む場合、牽引車座上の作業者は、常時上半身を捩って作業を行わなくてはならないため、疲労が大であるという課題があった。
【0010】
またさらに、ロールベールを機体側方から積み降ろしするラッピングマシンにあっては、連続した前進作業が可能であるが、圃場に置かれたロールベールに軸方向側から接近して積み込む必要があるため、ロールベーラで牧草の栽培条列に倣って圃場に置かれたロールベールを、その配列に対して直交する方向に走行しながら積み込まなくてはならず、特に圃場の外縁部などに置かれたロールベールを積み込む場合、牽引車の方向転換が難しく積み込み困難となる場合もあった。そしてこれをなるべく回避するためには、圃場形状とロールベールの位置を常に考慮しながら作業しなければならず、能率的でなかった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、圃場に置かれたロールベールを容易に積み込むことができるラッピングマシンを提供することにある。
【0012】
なお、特許文献4記載のフォレージハーベスターは、一方方向に走行しながら連続的に作業を行うものであるため、後方配置にしてもシフトチェンジを頻繁に繰り返す必要はないため、牽引車の斜め後方に配置しても常時上半身を捩って作業をする必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明は、トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングする作業機本体を備えたロールベールのラッピングマシンにおいて、作業機本体を上記牽引車の側方に配置したものである。
【0014】
上記作業機本体は、上記牽引車に連結部材を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車の後方に折り畳まれるように構成されるとよい。
【0015】
また、上記作業機本体に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構を設けると共に、該ダンプ機構に、ロールベールを載置するための載置台を設けて載置台を前後に傾倒自在に構成し、上記ダンプ機構に、載置台に圃場上のロールベールを押し付けて把持する荷受け装置を設けるとよい。
【0016】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレームと、該第1ダンプフレームの自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ上記載置台と荷受け装置を支持する第2ダンプフレームとを備えて構成するとよい。
【0017】
また、上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後に離間して設けられた軸受と、これら軸受に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受から離脱されると共に他方の軸受で支持されて起立するダンプフレームと、該ダンプフレームの前側を起こすための第1シリンダと、上記ダンプフレームの後側を起こすための第2シリンダとを備えて構成してもよい。
【0018】
そして、上記作業機本体に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール積み込み時にロールベールの重量を支えるための補助輪と、上記補助輪の車幅方向の位置を検出するセンサ手段と、該センサ手段で上記補助輪が上記載置台の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに上記載置台のダンプを規制する制御装置とを備えてラッピングマシンを構成するとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、圃場に置かれたロールベールを容易に積み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は牽引車に連結したラッピングマシンの平面図であり、図2はロールベールを積み込んだラッピングマシンの側面図であり、図3はラッピングマシンの背面図である。
【0021】
図1に示すようにラッピングマシン1は、圃場上のロールベール2を積み込んでそのロールベール2にラッピングするものであり、縦軸回りに回転自在なキャスター車輪3を有し台車状に形成された作業機本体4と、作業機本体4をトラクタ等の牽引車5に連結するための連結部材6とを備えて構成されている。
【0022】
図5に示すように、作業機本体4は、連結部材6を介して牽引車5に縦軸回りに回動自在に連結されており、作業時には牽引車5の側方に配置されるように構成されている。そして、作業機本体4は、縦軸回りに回動されて前後反転されたとき、牽引車5の後方に折り畳まれるように構成されている。これにより、作業機本体4を牽引車5の走行軌跡上で追従させ、移動時の走行安定性を高めるようにしている。
【0023】
図2及び図3に示すように、作業機本体4には、ロールベール2を載置する載置台7を前後傾倒自在に支持すべく前方又は後方に起立自在に形成されたダンプ機構8と、ロールベール2にラップ用フィルム9を繰り出すためのフィルム繰り出し装置10とが設けられている。
【0024】
図2及び図9に示すように、ダンプ機構8は、作業機本体4に前方に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレーム11と、第1ダンプフレーム11の自由端側に後方に向けて起立可能に設けられた第2ダンプフレーム12と、第1ダンプフレーム11を起立させるための第1シリンダ13と、第2ダンプフレーム12を起立させるための第2シリンダ14とを備えて構成されている。
【0025】
図4に示すように、第1ダンプフレーム11は、平面視略矩形枠状に形成されており、作業機本体4の本体フレーム15に前端部を車幅方向に延びる軸16回り回動自在に設けられている。第2ダンプフレーム12は、第1ダンプフレーム11内に収まる略矩形枠状に形成されており、後端部を第1ダンプフレーム11に車幅方向に延びる軸17回りに回動自在に設けられている。図2に示すように、第2ダンプフレーム12には、ロールベール2を載置するための載置台7が設けられると共に、圃場上のロールベール2を載置台7に押し付けて把持するための荷受け装置18が設けられている。これにより、載置台7と荷受け装置18は、第1ダンプフレーム11が起立されることで前方へ傾倒され、第2ダンプフレーム12が起立されることで後方へ傾倒されるようになっている。
【0026】
第1シリンダ13は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端を第1ダンプフレーム11の自由端側に連結されており、伸長することで第1ダンプフレーム11を起立させるようになっている。第2シリンダ14は、一端を第1ダンプフレーム11の自由端側に連結されると共に他端を第2ダンプフレーム12の自由端側に連結されており、伸長することで第2ダンプフレーム12を起立させるようになっている。
【0027】
図2及び図3に示すように、載置台7は、第2ダンプフレーム12上に縦軸回り回転自在に設けられた回転フレーム19と、回転フレーム19に水平方向に離間して設けられ水平かつ平行に延びる一対の転動ローラ20と、これら転動ローラ20間に掛け渡して設けられロールベール2の外周面を受けるエンドレスベルト21と、回転フレーム19の両側に起立して設けられエンドレスベルト21上のロールベール2を側方から支えるためのガイドローラ22とを備えて構成されている。回転フレーム19の一側には、フィルム繰り出し装置10から繰り出されたラップ用フィルム9を切断するためのカッタ装置58が設けられている。転動ローラ20は少なくとも一方が駆動装置(図示せず)に連結されており、エンドレスベルト21を循環させるようになっている。また、転動ローラ20間の間隔は、ロールベール2の直径よりも小さく設定されており、ロールベール2の下端部を2つの転動ロール20間に挟んで安定して支持できるように構成されている。
【0028】
荷受け装置18は、第2ダンプフレーム12に起立して設けられ伸縮可能な伸縮フレーム23と、伸縮フレーム23の先端に設けられロールベール2を把持するための先端アーム24と、伸縮フレーム23に設けられ伸縮フレーム23を伸縮させるための油圧アクチュエータ25とを備えて構成されている。油圧アクチュエータ25は、両端を伸縮フレーム23に連結された油圧シリンダからなる。
【0029】
また、本体フレーム15には、ロールベール2の積み込み時にロールベール2の重量を支えるための補助輪26が設けられている。図1、図10及び図11に示すように、補助輪26は、本体フレーム15に前方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられている。具体的には、補助輪26は、本体フレーム15に斜め前方へ延びて設けられた延長フレーム27と、延長フレーム27の先端に左右回動自在に設けられた車輪アーム28とを介して本体フレーム15に設けられている。
【0030】
延長フレーム27は、先端に上下に離間して形成されそれぞれ水平に延びる略扇形の支持プレート29と、これら支持プレート29間に設けられ車輪アーム28を枢支するための垂直支軸30と、支持プレート29の両側に設けられ車輪アーム28の回動範囲を規制する側板31とを備えて構成されている。支持プレート29には、車輪アーム28の回動を規制するためのピン32を挿通させるためのピン孔33がそれぞれ複数形成されている。具体的には、ピン孔33は、車輪アーム28を車幅方向外側に向けて留める位置と、車輪アーム28を車幅方向内側に向けて留める位置との2箇所に形成されており、車輪アーム28をいずれかの方向に向けてピン32で留められるようになっている。
【0031】
また、延長フレーム27には、補助輪26の車幅方向の位置を検出するためのセンサ手段34が設けられている。センサ手段34は、具体的には近接スイッチからなる。センサ手段34は、車輪アーム28が車幅方向外側に向けられたとき車輪アーム28に形成されたスイッチプレート35に当たってONとなり、図12に示すように、車輪アーム28が車幅方向内側に向けられたときスイッチプレート35から離れてOFFとなるように構成されている。
【0032】
図13に示すように、センサ手段34は、第1シリンダ13を伸縮制御する制御装置55に接続されており、ON/OFF情報を制御装置55に送るようになっている。制御装置55は、ダンプ機構8を操作するための操作レバー36と、第1シリンダ13又は第2シリンダ14に油圧を給排するための電磁弁37、38とにそれぞれ接続されており、センサ手段34からOFF情報を得たとき、すなわち、補助輪26が載置台7の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したとき、操作レバー36から第1シリンダ13を伸長させる命令を受けても第1シリンダ13に油圧を給排する電磁弁37を開かず、ダンプ機構8を補助輪26側にダンプさせないようにする。
【0033】
車輪アーム28の先端には、補助輪26たるキャスターが縦軸回りに回転自在に設けられている。
【0034】
図1に示すように、本体フレーム15は、後部に車幅方向に延びて連結部材6に連結され牽引車5の推進力を作業機本体4側に伝達するための被連結フレーム部39を有する。被連結フレーム部39は、一端側を後方に屈曲されると共にその後端を連結部材6に連結されており、牽引車5の側方に配置される作業機本体4を連結部材6より前側に位置させるようになっている。
【0035】
連結部材6は、牽引車5の後部に着脱可能に連結される三点フレーム40と、三点フレーム40に車幅方向スライド可能に設けられ作業機本体4を連結するための横桁41とを備えて構成されており、横桁41を車幅方向に適宜スライドさせることで作業機本体4の車幅方向の位置を調節できるようになっている。そしてこれにより、作業機本体4を牽引車5の車幅に合わせた位置に配置できるようになっている。
【0036】
横桁41は、ボルト・ナット(図示せず)で三点フレーム40に固定されるようになっており、ボルト・ナットを緩めることで自在にスライドできるようになっている。横桁41は、三点フレーム40に車幅方向に延びて支持されており、両端を三点フレーム40から突出させている。横桁41の一端には、作業機本体4の被連結フレーム部39が縦軸回りに回動自在に連結されると共に、作業機本体4を牽引車5の側方に配置した状態にロックするための展開側ロック機構42が設けられている。
【0037】
図6に示すように、展開側ロック機構42は、横桁41に上下に離間して設けられ前方に平行に延びる一対のプレート43と、作業機本体4の被連結フレーム部39に設けられ作業機本体4を牽引車5の側方に配置したときにプレート43間に収容される爪部材44と、プレート43間に収容された爪部材44の移動を規制すべくそれぞれのプレート43に上下に貫通されるロックピン45とを備えて構成されている。
【0038】
また、横桁41の他端には、作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んだ状態にロックするための折り畳み側ロック機構46が設けられている。
【0039】
図6及び図7に示すように、折り畳み側ロック機構46は、横桁41の他端に後方に延びて設けられ後端に作業機本体4を受けるための受溝47を有する受け部材48と、作業機本体4の被連結フレーム部39に車幅方向に突出して設けられ作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んだときに受け部材48の受溝47内に収容される固定ピン49と、受け部材48に設けられ受溝47内に収容された固定ピン49の移動を規制すべく固定ピン49に係合される掛け金50とを備えて構成されている。受溝47は、上下に離間すると共に前後に離間して一対並行に形成されている。固定ピン49は、それぞれの受溝47に同時に収容されるように被連結フレーム部39に一対設けられており、それぞれ受溝47に収容されたときに先端側を受溝47から突出させる長さに形成されている。掛け金50は、フック状に屈曲して形成されており、一端を受け部材48に車幅方向に延びる軸回り回転自在に設けられている。掛け金50の他端には、受け部材48に車幅方向に延びて形成された係合穴51に挿入するためのピン52が車幅方向に出没自在に設けられている。係合穴51は、掛け金50で受溝47の開口を塞ぐときのピン52の位置と、掛け金50を前後反転させて受溝47を開放するときのピン52の位置とにそれぞれ形成されている。そして、掛け金50は、受溝47を塞いだ状態でピン52を係合穴51に挿入させることで固定ピン49の移動を規制できるようになっている。図8に示すように、掛け金50には、ピン52を突出させるように弾発付勢するスプリング53が設けられており、ピン52が係合穴51の位置に至ったとき、係合穴51にピン52を挿入させるように構成されている。
【0040】
また、図1及び図9に示すように、三点フレーム40には、ダンプ機構8のシリンダ13、14や、載置台7及び転動ローラ20を回転駆動する油圧モータ(図示せず)等に油圧を供給するための油圧ユニット54が搭載されている。
【0041】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0042】
図1に示すように、牽引車5の側方に作業機本体4を配置して圃場を走行し、圃場上のロールベール2にラッピングする場合、まず、牽引車5を前進させてロールベール2に作業機本体4を接近させる。このとき、作業機本体4は牽引車5の側方に位置されているため、牽引車5座上の作業者は斜め前方を見ながら牽引車5を運転すればよく、作業機本体4を、容易にロールベール2の積み込み位置に合わせることができる。
【0043】
この後、図9に示すように荷受け装置18を伸長させた状態で第1ダンプフレーム11を前側に起立させ、載置台7と荷受け装置18とを前方に傾倒させる。荷受け装置18の先端アーム24と載置台7がロールベール2の前後にそれぞれ位置されたら、荷受け装置18の油圧アクチュエータ25を縮退させ、先端アーム24と載置台7との間にロールベール2を挟んで把持する。
【0044】
図2に示すように、ロールベール2を把持したまま第1ダンプフレーム11を後方に倒して水平な姿勢に戻す。このとき、ロールベール2の重さは、作業機本体4の前方に突出された補助輪26で支えられるため、一般に三点フレーム40に連結された牽引車5で受けることのできない上向きの力が三点フレーム40に作用するのを防ぐことができ、ロールベール2を安定して作業機本体4に積み込むことができる。
【0045】
荷受け装置18の油圧アクチュエータ25を伸長させると、ロールベール2は載置台7上に載置された状態となる。具体的には、ロールベール2は、前後に離間する転動ローラ20間に張設されたエンドレスベルト21上に載置されることとなり、それぞれの転動ローラ20に下端部を挟まれて安定して静止されることとなる。
【0046】
この状態で載置台7を縦軸回りに回転させると共に、これに連動して転動ローラ20を回転させてエンドレスベルト21上でロールベール2を回転させ、このロールベール2にフィルム繰り出し装置10からラップ用フィルム9を繰り出して巻き付ける。このようにしてロールベール2がラッピングされたら、カッタ装置58でフィルム繰り出し装置10とロールベール2との間に延びるラップ用フィルム9を切断し、ロールベール2を後側から圃場上に降ろす。ロールベール2を降ろす場合、まず、荷受け装置18を縮退させて先端アーム24と載置台7との間にロールベール2を挟んで把持し、第2ダンプフレーム12を後方に起立させてロールベール2を接地させ、荷受け装置18を伸長させてロールベール2を放すことで行う。ロールベール2を接地させるとき落としたり回転させることがないため、ロールベール2の外側を覆うラップ用フィルム9を傷めることはない。
【0047】
このような作業を順次繰り返すことで圃場上のロールベール2を容易にラッピングすることができる。
【0048】
また、作業機本体4を牽引車5の側方に配置した状態で圃場の角隅に置かれたロールベール2にラッピングする場合、上述したような前進作業では不可能な場合もある。この場合、牽引車5を後進させてロールベール2に作業機本体4を接近させ、作業機本体4に後側からロールベール2を積み込み、このロールベール2にラップをし、ラップしたロールベール2を後方又は前方に降ろすことで作業を行うことができる。
【0049】
ラッピングマシン1を車庫に戻す等、他の場所に移動する場合、作業機本体4を牽引車5の側方に配置したままでは牽引車5を含めた車両全体の車幅が大きく、比較的高速で移動したときに走行安定性が損なわれる虞がある。このため、図5に示すように、作業機本体4を牽引車5の後方に折り畳んでロックすると共に、補助輪26を車幅方向内側に収める。
【0050】
作業機本体4の折り畳み作業は、展開側ロック機構42のプレート43からロックピン45を抜いて爪部材44のロックを解除し、牽引車5を前進させることで行う。牽引車5が前進することで作業機本体4は、向きを変えるように転回し、牽引車5の後方に折り畳まれることとなる。このとき、作業機本体4は、折り畳み側ロック機構46の固定ピン49を受け部材48の受溝47に当てて転回を停止される。そして、掛け金50を回転させ、その先端に設けられたピン52を受け部材48の係合穴51の位置に合わせることでピン52がスプリング53の弾発付勢力で係合穴51に挿入され、作業機本体4が牽引車5の後方にロックされることとなる。作業機本体4を牽引車5の後方に配置することで、車両の走行安定性を向上させることができる。
【0051】
補助輪26を車幅方向内側に収める作業は、それぞれの支持プレート29のピン孔33からピン32を抜いて車輪アーム28のロックを解除し、車輪アーム28を車幅方向内側に向け、支持プレート29に形成された他方のピン孔33にピン32を挿入して車輪アーム28を留めることで行う。
【0052】
また、作業機本体4を牽引車5の後方に配置した状態でも、牽引車5を後進させてロールベール2に作業機本体4を接近させ、作業機本体4に後側からロールベール2を積み込んでロールベール2にラップすることができる。ただしこの場合、補助輪26が車幅方向内側にあるとロールベール2を積み込むときに載置台7に当たり、ロールベール2を積み降ろしできないため、予め補助輪26を車幅方向外側に位置させておく必要がある。もし、補助輪26が車幅方向内側にある状態でロールベール2を前方から積み降ろししようとした場合、制御装置55はセンサ手段34からOFF信号(補助輪26が車幅方向内側に位置していることを示す信号)を受信しているため、載置台7をダンプ制御することはなく、図示しない警告ランプ等を点灯させて作業者にその旨を知らせる。また、ラップしたロールベール2は後方に降ろすことができる。
【0053】
このように、作業機本体4を牽引車5の側方に配置したため、牽引車5の座上の作業者は、常時前向きに着座したまま、斜め前下方を見ながら前進し、適宜の位置で停止することでロールベール2のラッピング作業を行うことができ、圃場に置かれたロールベール2を容易に積み込むことができる。また、ロールベール2を積み降ろしする際、後進する必要がないため、煩雑なシフトチェンジを頻繁に繰り返す必要がなく、能率良く作業を行うことができる。
【0054】
また、作業機本体4は、牽引車5に連結部材6を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車5の後方に折り畳まれるように構成されるものとしたため、ラッピング作業を行わず単に移動する時には、作業機本体4を牽引車5の後方に配置することで走行安定性を向上させることができ、車幅制限のある農道等も走行することができる。
【0055】
作業機本体4に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構8を設けると共に、ダンプ機構8に、ロールベール2を載置するための載置台7を設けて載置台7を前後傾倒自在に構成し、ダンプ機構8に、載置台7に圃場上のロールベール2を押し付けて把持する荷受け装置18を設けたため、牽引車5の側方に作業機本体4を配置したとき、ロールベール2を前後いずれの方向からも容易に積み降ろしすることができ、牽引車5の後方に作業機本体4を配置したとき、ロールベール2を後方から容易に積み降ろしすることができる。
【0056】
ダンプ機構8は、作業機本体4に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレーム11と、第1ダンプフレーム11の自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ載置台7と荷受け装置18を支持する第2ダンプフレーム12とを備えて構成されるものとしたため、ダンプ機構8を簡易な構造で容易に製作することができる。
【0057】
また、作業機本体4に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール2の積み込み時にロールベール2の重量を支えるための補助輪26と、補助輪26の車幅方向の位置を検出するセンサ手段34と、センサ手段34で補助輪26が載置台7の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに載置台7のダンプを規制する制御装置55とを備えたため、誤って補助輪26と載置台7を衝突させるのを防ぐことができる。
【0058】
なお、第1ダンプフレーム11を前方に向けて起立可能とし、第2ダンプフレーム12を後方に向けて起立可能としたが、逆に第1ダンプフレーム11を後方に起立可能とし、第2ダンプフレーム12を前方に起立可能としてもよい。
【0059】
補助輪26は、前後双方に突出させて設けてもよい。後方からロールベール2を積み込むときにも、ロールベール2の重さを支えることができる。
【0060】
また、本体フレーム15と連結部材6を油圧シリンダ(図示せず)等で連結し、作業機本体4を強制的に牽引車5の後方に折り畳んだり、側方に展開できるように構成してもよい。
【0061】
図14に示すように補助輪26に替えてアウトリガー60を車輪アーム28に設けてもよい。アウトリガー60は、車輪アーム28に設けられ下方に伸長可能な単動型の油圧シリンダ61と、油圧シリンダ61の下端に回動可能に設けられた接地板62と、油圧シリンダ61の両端に設けられ油圧シリンダ61を縮退させる方向に弾発付勢するスプリング63とを備えて構成されるとよい。この場合、アウトリガー60は、ロールベール2を積み込むときにのみ、油圧シリンダ61を伸長させて接地するものとし、ロールベール2の積み込みが終了した後は、油圧シリンダ61内の油圧を抜いて油圧シリンダ61をスプリング63の弾発付勢力で縮退させ、接地板62を地面から離脱させるものとするとよい。
【0062】
また、アウトリガー60は、単動型の油圧シリンダ61に替えて伸縮自在な複動型の油圧シリンダ(図示せず)を用い、スプリング63を用いないものとしてもよい。
【0063】
センサ手段34は延長フレーム27に設けるものとしたが、車輪アーム28に設けてもよい。また、センサ手段34は近接スイッチに限るものではなく、赤外線センサ等他のタイプのセンサ(図示せず)であってもよい。
【0064】
ダンプ機構8は、前方に起立する第1ダンプフレーム11と、後方に起立する第2ダンプフレーム12とを備えて構成するものとしたが、単独のダンプフレームを前後に起立させるようにしてもよい。
【0065】
この場合の他の実施の形態について述べる。但し、ダンプ機構以外の構成については上述と同様であるため説明を省く。
【0066】
図15及び図16に示すように、ダンプ機構70は、作業機本体4に前後に離間して設けられた軸受71、72と、これら軸受71、72に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受71、72から離脱されると共に他方の軸受72、71で支持されて起立するダンプフレーム73と、ダンプフレーム73の前側を起こすための第1シリンダ74と、ダンプフレーム73の後側を起こすための第2シリンダ75とを備えて構成されている。
【0067】
軸受71、72は、車幅方向に延びる軸を係脱可能に受けるように上方に開口する円弧状に形成されている。ダンプフレーム73は平面視略矩形状に形成されており、前後の両端に軸受71、72に載置される軸部76、77を有する。ダンプフレーム73には上述の載置台7が縦軸回りに回転自在に設けられると共に荷受け装置18が設けられている。第1シリンダ74は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端をダンプフレーム73の前側の軸部76に連結されており、伸長することでダンプフレーム73の前側を起こすように構成されている。第2シリンダ75は、一端を本体フレーム15に連結されると共に他端をダンプフレーム73の後側の軸部77に連結されており、伸長することでダンプフレーム73の後側を起こすように構成されている。また特に、第1シリンダ74と第2シリンダ75は、縮退したとき、それぞれの他端に連結される軸部76、77を軸受71、72に引き付けるように適宜傾斜して配置されている。
【0068】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0069】
ロールベール2を積み降ろしすべくダンプフレーム73を前方に起立させる場合、第1シリンダ74を縮退させて前側の軸部76を軸受71に引き付けながら、第2シリンダ75を伸長させる。図17に示すように、ダンプフレーム73は、前側の軸部76を中心として後側を起こし、前方に起立される。
【0070】
また、ダンプフレーム73を後方に起立させる場合、第2シリンダ75を縮退させて後側の軸部77を軸受72に引き付けながら、第1シリンダ74を伸長させる。図18に示すように、ダンプフレーム73は、後側の軸部77を中心として前側を起こし、後方に起立される。
【0071】
このように、作業機本体4に前後に離間して設けられた軸受71、72と、これら軸受71、72に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受71、72から離脱されると共に他方の軸受72、71で支持されて起立するダンプフレーム73と、ダンプフレーム73の前側を起こすための第1シリンダ74と、ダンプフレーム73の後側を起こすための第2シリンダ75とを備えてダンプ機構70を構成しても、簡易な構造で容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す牽引車に連結したラッピングマシンの平面図である。
【図2】ロールベールを積み込んだラッピングマシンの側面図である。
【図3】ラッピングマシンの背面図である。
【図4】ダンプ機構の平面断面図である。
【図5】牽引車の後方に折り畳んだラッピングマシンの平面図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】図1のA−A線矢視図である。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】ロールベール積み込み中のラッピングマシンの側面図である。
【図10】図1の要部拡大図である。
【図11】図2の要部拡大図である。
【図12】図5の要部拡大図である。
【図13】ダンプ機構の制御系統の概略説明図である。
【図14】他の実施の形態を示すアウトリガーの側面図である。
【図15】他の実施の形態を示すダンプ機構の側面図である。
【図16】ダンプ機構の平面断面図である。
【図17】前方にダンプしたダンプ機構の側面図である。
【図18】後方にダンプしたダンプ機構の側面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ラッピングマシン
2 ロールベール
4 作業機本体
5 牽引車
6 連結部材
7 載置台
8 ダンプ機構
11 第1ダンプフレーム
12 第2ダンプフレーム
18 荷受け装置
26 補助輪
34 センサ手段
55 制御装置
70 ダンプ機構
71 軸受
72 軸受
73 ダンプフレーム
74 第1シリンダ
75 第2シリンダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングする作業機本体を備えたロールベールのラッピングマシンにおいて、作業機本体を上記牽引車の側方に配置したことを特徴とするロールベールのラッピングマシン。
【請求項2】
上記作業機本体は、上記牽引車に連結部材を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車の後方に折り畳まれるように構成された請求項1記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項3】
上記作業機本体に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構を設けると共に、該ダンプ機構に、ロールベールを載置するための載置台を設けて載置台を前後に傾倒自在に構成し、上記ダンプ機構に、載置台に圃場上のロールベールを押し付けて把持する荷受け装置を設けた請求項1又は2記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項4】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレームと、該第1ダンプフレームの自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ上記載置台と荷受け装置を支持する第2ダンプフレームとを備えて構成された請求項3記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項5】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後に離間して設けられた軸受と、これら軸受に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受から離脱されると共に他方の軸受で支持されて起立するダンプフレームと、該ダンプフレームの前側を起こすための第1シリンダと、上記ダンプフレームの後側を起こすための第2シリンダとを備えた請求項3記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項6】
上記作業機本体に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール積み込み時にロールベールの重量を支えるための補助輪と、上記補助輪の車幅方向の位置を検出するセンサ手段と、該センサ手段で上記補助輪が上記載置台の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに上記載置台のダンプを規制する制御装置とを備えた請求項1〜5いずれかに記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項1】
トラクタ等の牽引車に連結され、圃場上のロールベールを積み込んでそのロールベールにラッピングする作業機本体を備えたロールベールのラッピングマシンにおいて、作業機本体を上記牽引車の側方に配置したことを特徴とするロールベールのラッピングマシン。
【請求項2】
上記作業機本体は、上記牽引車に連結部材を介して縦軸回りに回動自在に連結され、前後反転されたときに牽引車の後方に折り畳まれるように構成された請求項1記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項3】
上記作業機本体に、前方又は後方に起立自在なダンプ機構を設けると共に、該ダンプ機構に、ロールベールを載置するための載置台を設けて載置台を前後に傾倒自在に構成し、上記ダンプ機構に、載置台に圃場上のロールベールを押し付けて把持する荷受け装置を設けた請求項1又は2記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項4】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後いずれかの方向に向けて起立可能に設けられた第1ダンプフレームと、該第1ダンプフレームの自由端側に他方の方向に向けて起立可能に設けられ上記載置台と荷受け装置を支持する第2ダンプフレームとを備えて構成された請求項3記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項5】
上記ダンプ機構は、上記作業機本体に前後に離間して設けられた軸受と、これら軸受に係脱可能に支持され、いずれか一方の軸受から離脱されると共に他方の軸受で支持されて起立するダンプフレームと、該ダンプフレームの前側を起こすための第1シリンダと、上記ダンプフレームの後側を起こすための第2シリンダとを備えた請求項3記載のロールベールのラッピングマシン。
【請求項6】
上記作業機本体に前方又は後方に突出し、かつ、車幅方向外側に移動可能に設けられ、ロールベール積み込み時にロールベールの重量を支えるための補助輪と、上記補助輪の車幅方向の位置を検出するセンサ手段と、該センサ手段で上記補助輪が上記載置台の可動範囲内である車幅方向内側に位置していることを検出したときに上記載置台のダンプを規制する制御装置とを備えた請求項1〜5いずれかに記載のロールベールのラッピングマシン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−67840(P2006−67840A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252633(P2004−252633)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000107653)スター農機株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000107653)スター農機株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
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