説明

ロール芯落下防止機構を備えたベールカッター

【課題】細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯がナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止することができる、ロール芯落下防止機構を備えたベールカッターを提供する。
【解決手段】一側部に切断刃24が取り付けられる断面円弧状の曲板2と、曲板2の両端から曲板2の円弧中心方向に延び、先端部が揺動自在に軸支される両端板3と、曲板2の内側に張設される内部アッセンブリ板23とを具備するナイフアッセンブリー4を備えたナイフアッセンブリー揺動型のベールカッターに於いて、内部アッセンブリ板23に固着された1乃至複数のブラケット25と、基部がブラケット25に脱着自在に取り付けられ、先端部が両端板3の外方に突出して設けられ、先端部によりロールサイレージ投入部内の小さくなったロール芯がナイフアッセンブリー4の開口部から転動落下することを防止する1乃至複数の転がり防止手段26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイフアッセンブリー揺動型のベールカッター(ロールサイレージ細断機)に於いて、細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯がナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止することができる、ロール芯落下防止機構を備えたベールカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例のナイフアッセンブリー揺動型のベールカッターを図7及び図8に示す。
図7及び図8に於いて、ナイフアッセンブリー揺動型のベールカッター1は、断面円弧状の曲板2と、曲板2の両端から曲板2の円弧中心方向に延び、先端部が揺動自在に軸支される両端板3と、曲板2の内側に、曲板2との間に空洞部{図2(a)に於いて22参照}を形成して張設される内部アッセンブリ板{図2(a)に於いて23参照}と、曲板2の一側部に取り付けられる切断刃{図2(a)に於いて24参照}とを具備するナイフアッセンブリー4と、ナイフアッセンブリー4を揺動させる、シリンダ5及び油圧ポンプ6等からなる駆動機構と、ロールサイレージ7を投入するロールサイレージ投入部8とを備えている。
尚、図7に於いて、9は、ギヤボックス、10は電磁バルブ、11はオイルタンク、12はチェーン駆動の送り爪である。
【0003】
前記ナイフアッセンブリー揺動型のベールカッター1に於いて、ロールサイレージ投入部8にセットされたロールサイレージ7が切断されて、徐々に小さくなっていき、ナイフアッセンブリー4の開口{図3(b)に於いてB参照}より小さくなると、ナイフアッセンブリー4が開いた時に、任意径の塊(ロール芯やその他未切断の塊。)のまま転がり落ちてしまう事がある。
特に、芯巻きロールの場合には、ロール芯が硬く締まっており、搬送機械や給餌機械に詰まる・絡まるなどして、故障などのトラブル原因となる可能性が高く、その結果自動停止する可能性が高い。
【0004】
ナイフアッセンブリー4の開口を少なめに調整すると、切断刃がロールにかかりにくくなり、空振りになったり、極少量しか切断できず、稼働時間がかかるなどのロスが大きい。
【0005】
一般的なベールカッター利用方法は、有人で使用している為、ロールが芯になる頃に停止し、人手にてロール芯など塊を排除し、新しいロールを投入するが、自動給餌システムに於いては無人状態で稼動され、基本的にロール自動装填装置などにて自動(無人)で新しいロール7が投入される。センサ検知(図示せず)などにて自動投入のタイミングを調整するが、その時、ナイフアッセンブリー4の開口よりまだ大きいロールの状態では、新しく投入されたロールサイレージ7に押され、前のロールサイレージ7が楔になるなどして邪魔になり、うまくカッティングできない事が多い。ナイフアッセンブリー4の開口より小さい場合は開口から外に転がり落ちる可能性が高い。
【0006】
ロールサイレージ7の投入時期は、その構造上、投入場所が空または空に近い程度に残ったロールサイレージ7が小さい事が必要となる。この状態に至るまでに切断時間短縮の意味合いからもロール径がある程度小さい状態での投入となり、この時ロール径がナイフアッセンブリー4の開口より小さいと転がり落ちてしまう。
【0007】
ロールサイレージ7が芯巻きの場合、カッティングの最後の段階で、ロールカッターのナイフアッセンブリー4が開いた時、床が斜めである事と振動の加減で、200〜400mm程度のかなり締まったロール芯が転がり落ち、搬送用エレベーターで詰まる、又は、自動給餌機の排出時に詰まる、などし、エラーストップし、給餌が滞る。特に、無人(自動)運転の場合に大きな障害である。
ロールサイレージ7が側巻きの場合でも、切断刃のドラム(前記曲板2)を全開にすると400mm程度のロール芯が転がり落ちる事が有り、今までは加減して70%程しか開けない様にすると、カッティング能力が悪くなる。切断刃のドラムは全開にしたい。
【0008】
尚、此種技術の先行文献として、例えば、特許文献1がある。特許文献1は、長さの異なる2組のプレスアームでベールを押圧して保持し、ベールを底板のスリットから突出するコンベアの送り爪で転動させて刃の円弧運動領域にベールの周縁部を順次交差させてベールを切断する方式であり、ベールの大小に関係なく切断中ベールを確実に保持することが可能なベールカッターが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平8−13224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述したように、ナイフアッセンブリーが開いたときにロール芯や未切断塊が転がり落ちてしまうと、主に無人の自動給餌システムの場合、ロール芯が搬送機械や給餌機械に詰まる・絡まるなどして故障などのトラブルを発生させる他、それに伴い自動停止し、給餌が滞り、給餌に多大な支障をきたす。
自動運転(無人)の為、自動停止している事に気が付きにくく、給餌が滞ると、家畜の飼養に多大な支障をきたす。乳牛の場合は乳量が少なくなり、乳量が戻るにも数日から数十日かかるなどの被害がある。
【0011】
尚、特許文献1は、前述のナイフアッセンブリーが開いたときにロール芯や未切断塊が転がり落ちてしまう問題を解決するものではない。
【0012】
以上の現状に鑑み、本発明は、細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯がナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止することができる、ロール芯落下防止機構を備えたベールカッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、断面円弧状の曲板と、前記曲板の両端から前記曲板の円弧中心方向に延び、先端部が揺動自在に軸支される両端板と、前記曲板の内側に、前記曲板との間に空洞部を形成して張設される内部アッセンブリ板と、前記曲板の一側部に取り付けられる切断刃とを具備するナイフアッセンブリーと、
前記ナイフアッセンブリーを揺動させる駆動機構と、
ロールサイレージを投入するロールサイレージ投入部とを備えたナイフアッセンブリー揺動型のベールカッターに於いて、
前記内部アッセンブリ板に固着された1乃至複数のブラケットと、
基部が前記ブラケットに脱着自在に取り付けられ、先端部が前記両端板の外方に突出して設けられ、前記ロールサイレージ投入部内の細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯が前記ナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止する1乃至複数の転がり防止手段とを備え、
前記ナイフアッセンブリーが開いた時、前記ナイフアッセンブリーの揺動に伴い、前記転がり防止手段の先端部がロール芯側へ突出して、ロール芯を保持し、ロール芯の前記ナイフアッセンブリーの開口部からの転動落下を防止するように構成したことを特徴とするベールカッターを提供するものである。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記転がり防止手段は、前記ナイフアッセンブリーが揺動して前記ロールサイレージ投入部のロールサイレージを切断する方向に閉じた時、前記転がり防止手段の外周部が、前記ロールサイレージ投入部から延設されたサイレージ排出シュートと所定間隔離間するように形成され、サイレージ排出シュート上のサイレージの排出を妨げないように構成されていることを特徴とする請求項1記載のベールカッターを提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1記載の発明によれば、細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯がナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止することができる、ロール芯落下防止機構を備えたベールカッターを提供することができる。
これにより、ロール芯などのサイレージ未切断塊が搬送機械や給餌機械に詰まる・絡まるなどによる機械の故障などのトラブルやそれに伴う自動停止を回避できる。
又、転がり防止手段は脱着自在であるので、給餌機械に対応する場合等のようにサイレージを短く細断する時は、転がり防止手段を取り付けることができ、反対に、自動給餌でない場合、サイレージを長く切りたい場合等には、転がり防止手段が邪魔になる為、転がり防止手段を取外すことが可能になる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、転がり防止手段がサイレージ排出シュート上のサイレージの排出を妨げることなく、サイレージを円滑に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)本発明のロール芯落下防止機構を備えたベールカッターの一部側面図である。(b)本発明のロール芯落下防止機構を備えたベールカッターの正面図である。
【図2】(a)本発明の転がり防止手段をナイフアッセンブリーに取り付けた側面図である。(b)本発明の転がり防止手段の側面図である。(c)本発明の転がり防止手段の正面図である。(d)本発明の転がり防止手段の平面図である。(e)本発明の転がり防止手段の正面図である。(f)本発明の転がり防止手段の側面図である。
【図3】(a)本発明のロール芯落下防止機構を備えたベールカッターのナイフアッセンブリーの開口部を説明する一部側面図である。(b)従来例のベールカッターのナイフアッセンブリーの開口部を説明する一部側面図である。
【図4】(a)〜(d)本発明のロール芯落下防止機構を備えたベールカッターの作動状態を説明する一部側面図である。
【図5】(a)〜(c)本発明の試作第1の転がり防止手段の作動状態を説明する説明図である。
【図6】(a)〜(d)本発明の試作第2の転がり防止手段の作動状態を説明する説明図である。
【図7】従来例のベールカッターの斜視図である。
【図8】(a)従来例のベールカッターの側面図である。(b)従来例のベールカッターの正面図である。(c)従来例のベールカッターの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。尚、説明の都合上、従来例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図1及び図2に於いて、21は、本発明のナイフアッセンブリー揺動型のベールカッターを示し、ベールカッター21は、断面円弧状の曲板2と、曲板2の両端から曲板2の円弧中心方向に延び、先端部が揺動自在に軸支される両端板3と、曲板2の内側に、曲板2との間に所定大きさの空洞部22を形成して張設される内部アッセンブリ板23と、曲板2の一側部に取り付けられる切断刃24とを具備するナイフアッセンブリー4を備えており、更に、ナイフアッセンブリー4を揺動させる、シリンダ5及び油圧ポンプ6等からなる駆動機構と、ロールサイレージを投入するロールサイレージ投入部8とを備えている。
【0019】
更に又、ベールカッター21は、内部アッセンブリ板23に固着された1乃至複数のブラケット25と、基部がブラケット25に脱着自在に取り付けられ、先端部が曲板2の円弧中心方向に延び、更に、両端板3の外方に突出して設けられ、ロールサイレージ投入部8内の細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯、又は、未切断塊(以下、ロール芯という。)がナイフアッセンブリー4の開口部{図3(b)に於いてB参照}から転動落下することを防止する1乃至複数の転がり防止手段26とを備えている。この転がり防止手段26が、ロール芯の落下を防止するロール芯落下防止機構を構成する。
【0020】
前記内部アッセンブリ板23は、一側部が曲板2の一側部{図2(a)に於いて上側部}に固着され、中間部が曲板2と所定間隔離間して空洞部22が形成され、他側部{図2(a)に於いて下側部}が直接又は他部材27を介して曲板2の他側部{図2(a)に於いて下側部}に固着されている。即ち、前記内部アッセンブリ板23の他側部が直接、曲板2の他側部に固着される場合は、内部アッセンブリ板23は、断面視、円弧状の曲板2の弦に相当する位置に配置される。尚、他部材27を介して固着される内部アッセンブリ板23は公知である。
ブラケット25は、内部アッセンブリ板23の一側部から他側部方向に向けて固着される。そして、ロール幅方向に対して互いに所定間隔離間して3箇所程度固着される。
【0021】
前記転がり防止手段26は、図1(b)に示す如く、ロール幅方向に対して3箇所程度装着され、図4に示す如く、ナイフアッセンブリー4が揺動してロールサイレージ投入部8のロールサイレージ7を切断する方向に閉じた時、転がり防止手段26の外周部が、ロールサイレージ投入部8から延設されたサイレージ排出シュート28と所定間隔S1離間するように形成され、サイレージ排出シュート28上のサイレージの排出を妨げないように構成されている。
尚、前記ロールサイレージ7は、芯巻きロール又は側巻きロールの何れであっても良い。但し、芯巻きロールで無く、転がり防止手段26を装着しなくても問題ない場合や、自動給餌でない場合、長めに切断したい場合等には、転がり防止手段26を装着しない。
【0022】
転がり防止手段26は、図2(b)〜(c)に示す如く所定の強度を有するプレート状に形成されるが、図5に示す如く、所定の強度を有するバー状に形成されても良い。尚、図5については、後で、詳しく説明する。
図2(a)に示す如く、ナイフアッセンブリー4が開いた状態で、切断刃24が左上の最上段にある時、内部アッセンブリ板23は、図面上で左上から右下に向かって斜めに配設され、ブラケット25は図2(d)〜(f)に示す如く、アングル状の金属部材で形成され、内部アッセンブリ板23に図5(a)の左上から右下に向かって配設され、ブラケット25に開穿された孔29に転がり防止手段26が着脱自在に取り付けられる。
転がり防止手段26は、ブラケット25からナイフアッセンブリー4の揺動中心方向に突出し、両端板3から所定長さ突出する如く形成され、転がり防止手段26の全体の形状は略長方形の板状体に形成され、基端部に比較して先端部がやや細幅で、且つ、円弧状に形成され、先端角部が面取りされたものである。
【0023】
又、前記転がり防止手段26は、図2(a)〜(b)に示す如く、基端部に長孔30が開穿され、ブラケット25に長孔30を介して取り付け位置を調節自在にボルト・ナット固定により取り付けられ、ブラケット25への取り付け位置を調節することにより、切断刃24の隙間調整によるナイフアッセンブリー4の芯ズレにも対応できるように構成されている。
【0024】
前述したように、前記転がり防止手段26は、ナイフアッセンブリー4の開口部を狭くすることと、サイレージ排出シュート28上の切断されたサイレージの排出を妨げない所定の間隔S1を確保する機能を有する形状であることが必須となるが、これらの機能を有するものであれば、前述の形状に限定されるものではなく、他の形状に形成されても良い。
【0025】
図3(a)は、転がり防止手段26により、ナイフアッセンブリー4の開口部の隙間が狭くなった状態を示したものである。
ナイフアッセンブリー4の開口部の隙間は、従来、図3(b)に示す如く、ナイフアッセンブリー4の切断刃24と、受け刃31との間の寸法Bとなるが、本発明のナイフアッセンブリー4の開口部の隙間は、図3(a)に示す如く、転がり防止手段26の先端部と、受け刃31との間の寸法Aとなる。寸法Aは、小さくなったロールサイレージのロール芯が転動落下しない適切な寸法に設定される。寸法Aは、例えば、50〜60mmが好適である。
【0026】
従って、従来例の図3(b)の場合は、ナイフアッセンブリー4の開口部の隙間が比較的大きい寸法Bであるので、切断されて小さくなったロールサイレージのロール芯の直径が寸法B以下になった時、ロール芯は、ナイフアッセンブリー4の開口部から転動落下する。
【0027】
一方、本発明では、ナイフアッセンブリー4に転がり防止手段26が取り付けられていることにより、ナイフアッセンブリー4の開口部の隙間が比較的小さい寸法Aになり、切断されて小さくなった直径が寸法B以下のロールサイレージも寸法A以上であればナイフアッセンブリー4の開口部の隙間から転動落下することはなくなり、ロールサイレージは直径が寸法A以下になるまでは更にカッティングされる。
そして、ロール芯の直径が寸法A以下になる前に、新しいロールサイレージが投入され、この時、ロール芯の直径は充分小さくなっており、小さいロール芯が楔になる等の切断の邪魔になることはない。
尚、ロール芯の直径が寸法A以下になる場合は、ロール芯が極めて小さく、或いは、ロール芯の形状が崩れた状態となり、それらが、ナイフアッセンブリー4の開口部から落下した場合でも、搬送機械や給餌機械に詰まる・絡まる等の支障を及ぼすことはない。
【0028】
図4は、本発明の前記ベールカッター21の作用及びその効果を説明する説明図である。
図4(a)に示すごとくロールサイレージ7がナイフアッセンブリー4によって切断され、小さいロール芯になると、ナイフアッセンブリー4が開いた時、従来、ナイフアッセンブリー4の開口部{図3(b)のB参照}よりも小さくなったロール芯がナイフアッセンブリー4の開口部から転動落下する虞があったが、図4(b)に示すごとく、本発明では、転がり防止手段26の先端部がロール芯側に突出することにより、転がり防止手段26の先端部がロール芯に当接することにより、転がり防止手段26の先端部と、受け刃31との間隙から成るナイフアッセンブリー4の開口部{図3(a)のA参照}が狭くなり、ナイフアッセンブリー4の開口部からのロール芯の転動落下が防止される。
ロール芯が所定以下の大きさになった場合は、ベールカッター21を停止し、人手にてロール芯など塊を排除し、新しいロールサイレージ7を投入するが、自動給餌システムに於いては無人状態で稼動され、基本的にロール自動装填装置などにて自動(無人)で新しいロール7が投入される。そして、所定以下の大きさになったロール芯は新しいロール7と共に細断される。
この時、所定以下の大きさになったロール芯は、楔になるなどして邪魔になることはない。
【0029】
ナイフアッセンブリー4が揺動してロールサイレージ投入部8のロールサイレージ7を切断する方向に閉じた時、ナイフアッセンブリー4の揺動により、ナイフアッセンブリー4の切断刃24と受け刃31とによってロールサイレージ7が切断され、切断されたサイレージが、ロールサイレージ投入部8から延設されたサイレージ排出シュート28上を排出される。
ナイフアッセンブリー4の揺動に伴い、転がり防止手段26も揺動するが、ナイフアッセンブリー4が切断する方向に閉じた時、転がり防止手段26の外周部が、サイレージ排出シュート28から所定間隔S1離間しており、サイレージ排出シュート28上のサイレージの排出を妨げることはないので、サイレージはサイレージ排出シュート28上を円滑に排出される。
【0030】
尚、前記ナイフアッセンブリー4は、ブラケット25を内部アッセンブリ板23に固着したが、前記ナイフアッセンブリー4に内部アッセンブリ板23が設けられない場合は、ブラケット25を直接、又は、他部材を介して前記曲板2又は両端板3に固着しても良い。
又、前述の説明で、転がり防止手段26は、ロール幅方向に対して3箇所程度装着されたが、連続した構造で装着されても良い。
【0031】
図5は、参考として、前記転がり防止手段26の発明に到る前に試作した試作第1の転がり防止手段41を示したものである。
転がり防止手段41は、前記ブラケット25に基部を取り付けられた1/4ド−ナツ形状のバー(丸棒)からなるものであり、図5(a)に示す如く、ナイフアッセンブリー4がロールサイレージ7を細断する時、ナイフアッセンブリ4と共に揺動し、図5(b)に示す如く、ナイフアッセンブリー4が開いた時に、ロールサイレージ7が細断されて小さくなったロール芯を転がり防止手段41の先端部が押さえて、ロール芯のナイフアッセンブリー4の開口部からの転動落下を防止することができる。
【0032】
但し、前記転がり防止手段41は、図5(c)に示す如く、細断されたサイレージがサイレージ排出シュート28を排出される際に、転がり防止手段41の外周部がその排出を邪魔するという問題が発生する。
この、問題の解決方法としては、例えば、前記転がり防止手段41を設計変更して、図2(a)の転がり防止手段26の図2(a)に於ける上側部と先端部の外形寸法と同様の外形寸法を持つバー形状に形成することも一方法である。
更に、設計変更した転がり防止手段に前記長孔30を設ける場合は、バーの基端部に例えば板状体を固着し、その板状体に長孔を開穿すれば良い。
【0033】
図6は、参考として、前記転がり防止手段26の発明に到る前に試作した試作第2の転がり防止手段51を示したものである。
転がり防止手段51は、前記転がり防止手段41を改良したもので、転がり防止手段41と同様の一部外形形状を有し、基端部に長孔が開穿されたプレート状の転がり防止手段である。
然しながら、この転がり防止手段51も、図6(d)に示す如く、ナイフアッセンブリー4がロールサイレージ7を細断する方向に閉じた時、ナイフアッセンブリー4と共に揺動した転がり防止手段51の外周部とサイレージ排出シュート28との間隔S1が、図に示す如く狭くなり、転がり防止手段41の外周部がサイレージ排出シュート28上のサイレージの排出を邪魔するという問題が発生する。
【0034】
この問題を解決するためには、転がり防止手段51を、例えば、前述した転がり防止手段26の図2(a)に示す形状にすれば良い。但し、図2(a)に示す形状に限定されることなく、図6(d)に示す問題を解決するものであれば他の形状に形成されても良い。
【符号の説明】
【0035】
2 曲板
3 両端板
4 ナイフアッセンブリー
7 ロールサイレージ
8 ロールサイレージ投入部
21 ベールカッター
22 空洞部
23 内部アッセンブリ板
24 切断刃
25 ブラケット
26 転がり防止手段
27 他部材
28 サイレージ排出シュート
30 長孔
41 転がり防止手段
51 転がり防止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面円弧状の曲板と、前記曲板の両端から前記曲板の円弧中心方向に延び、先端部が揺動自在に軸支される両端板と、前記曲板の内側に、前記曲板との間に空洞部を形成して張設される内部アッセンブリ板と、前記曲板の一側部に取り付けられる切断刃とを具備するナイフアッセンブリーと、
前記ナイフアッセンブリーを揺動させる駆動機構と、
ロールサイレージを投入するロールサイレージ投入部とを備えたナイフアッセンブリー揺動型のベールカッターに於いて、
前記内部アッセンブリ板に固着された1乃至複数のブラケットと、
基部が前記ブラケットに脱着自在に取り付けられ、先端部が前記両端板の外方に突出して設けられ、前記ロールサイレージ投入部内の細断されて小さくなったロールサイレージのロール芯が前記ナイフアッセンブリーの開口部から転動落下することを防止する1乃至複数の転がり防止手段とを備え、
前記ナイフアッセンブリーが開いた時、前記ナイフアッセンブリーの揺動に伴い、前記転がり防止手段の先端部がロール芯側へ突出して、ロール芯を保持し、ロール芯の前記ナイフアッセンブリーの開口部からの転動落下を防止するように構成したことを特徴とするベールカッター。
【請求項2】
前記転がり防止手段は、前記ナイフアッセンブリーが揺動して前記ロールサイレージ投入部のロールサイレージを切断する方向に閉じた時、前記転がり防止手段の外周部が、前記ロールサイレージ投入部から延設されたサイレージ排出シュートと所定間隔離間するように形成され、サイレージ排出シュート上のサイレージの排出を妨げないように構成されていることを特徴とする請求項1記載のベールカッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−92075(P2011−92075A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248539(P2009−248539)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(592231446)北原電牧株式会社 (18)
【Fターム(参考)】