説明

ワイパーブレード

【課題】ホルダプレートをブレードラバーの基部にワンタッチで組付け可能なワイパーブレードの提供を図る。
【解決手段】ホルダプレート12の抱持部12aとブレードラバー1の基部3とを、相互に長さ方向に嵌挿移動することにより、抱持部12aが嵌着溝5に落ち込み係合してその長さ方向両端末が拘束される。従って、専用の取付部品を不要とし、しかも、ホルダプレートとブレードラバーの基部とを長さ方向に嵌挿移動するだけのワンタッチで組付けを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のワイパー装置に用いられるワイパーブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブレードラバーの基部の上面に帯板状のバーティブラを重合配置し、これら基部とバーティブラとを複数の抱持クリップで抱着する一方、ワイパーアームに対するホルダ部を設けたホルダプレートを、前記基部の長さ方向中央部で、一対の抱持クリップ間に配設したスペーサを介して装着した技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−35339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の開示技術では、ホルダプレートの取付けにスペーサと抱持クリップが不可欠となるため、部品点数が嵩み、その分、組付け工数も増大してコスト的に不利となってしまうことは否めない。
【0005】
そこで、本発明は従来のスペーサや抱持クリップを不要として、ホルダプレートをブレードラバーの基部にワンタッチで組付け可能なワイパーブレードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワイパーブレードにあっては、ブレードラバーと、該ブレードラバーの基部に沿って配設したバーティブラと、ワイパーアームに対するホルダ部および長さ方向両端部に抱持部を備えてこの抱持部を介してブレードラバーの基部に、その長さ方向中央部に外嵌して連結したホルダプレートと、を備えている。
【0007】
そして、前記ブレードラバーは、その基部の下面側に、一対の突縁部間に隔成されて、前記基部と抱持部との相互の長さ方向の嵌挿移動に対して、該抱持部が落ち込み係合してその長さ方向両端末を拘束可能な嵌着溝を設けたことを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ホルダプレートの抱持部とブレードラバーの基部とを、相互に長さ方向に嵌挿移動することにより、ホルダプレートがブレードラバーの基部の長さ方向中央部に至ると、抱持部が嵌着溝に落ち込み係合してその長さ方向両端末が拘束される。
【0009】
従って、ホルダプレートとブレードラバーとの組付けに、専用の取付部品を必要とすることがなく、しかも、ホルダプレートとブレードラバーの基部とを長さ方向に嵌挿移動するだけのワンタッチで組付けを行うことができる。
【0010】
この結果、部品点数を削減できると共に、組付け工数を削減できて、コスト的に有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るワイパーブレードの全体外観を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0013】
図1〜図3に示す本実施形態のワイパーブレードは、ブレードラバー1と、該ブレードラバー1に作用する押圧力をその長さ方向に分散して均一化するためのバーティブラ10と、を備えている。
【0014】
ブレードラバー1は、自動車のフロントウィンドウパネルやリャウィンドウパネル等の払拭面を摺擦する払拭用のリップ2と、該リップ2と頸部4を介して連設した基部3と、を備えている。
【0015】
バーティブラ10は、適宜のばね鋼材をもって帯板状に形成され、ブレードラバー1の基部3に沿って配置してある。
【0016】
本実施形態では、ブレードラバー1の基部3に偏平状の取付孔9を形成し、該取付孔9にバーティブラ10を抱着固定してある。
【0017】
図2,図3に示す例では、ブレードラバー1の基部3を、リップ2および頸部4と一体に押出し成形された基部本体3Aと、コ字形断面に押出し成形もしくは射出成形されて、幅方向両側壁を基部本体3Aの幅方向両側面に接着したカバー部材3Bとで構成し、これら両者3A,3B間に取付孔9を構成している。
【0018】
ブレードラバー1の基部3の長さ方向中央部には、図外のワイパーアームに対するホルダ部11を設けたホルダプレート12を装着してある。
【0019】
ホルダ部11は、ワイパーアームの端部に係脱可能に挿し込み係着するクリップ13と、該クリップ13を幅方向の対向壁間に支軸15によって回動可能に軸支したコ字形のブラケット14とで構成している。
【0020】
このホルダ部11は、ホルダプレート12の中央部上面にブラケット14の底壁を接合固定もしくはかしめピンによりかしめ固定してある。
【0021】
ホルダ部11およびホルダプレート12は、何れもステンレス鋼等の耐腐蝕性の金属材料で構成されている。
【0022】
ホルダプレート12の長さ方向の両端部は、幅方向両側縁に板厚相当の段差で下側へオフセットして方形のチャンネル断面の抱持部12aを形成してあり、該抱持部12aをブレードラバー1の基部3に、その長さ方向中央部に外嵌して連結してある。
【0023】
これら基部3と抱持部12aとは、相互に長さ方向に嵌挿移動して組付けられ、基部3の下面側には、抱持部12aの嵌着溝5を設けてある。
【0024】
この嵌着溝5は、一対の突縁部6,6間に抱持部12aの長さで隔成されて、基部3と抱持部12aとの相互の長さ方向の嵌挿移動に対して、該抱持部12aが落ち込み係合して、その両端末が拘束されるようにしている。
【0025】
嵌挿方向先頭の嵌着溝5と抱持部12aとは、落ち込み係合を多段に繰り返すことになるが、嵌挿力と基部3の弾力とによって、比較的にスムーズにクリック感をもって上述の嵌挿係着を行わせることができる。
【0026】
この嵌挿係着をスムーズに行わせるため、図3に示すように嵌着溝5の長さ方向外縁6aを、弧状のガイドスロープとして形成してある。
【0027】
以上の実施形態の構成からなるワイパーブレードによれば、ホルダプレート12の抱持部12aとブレードラバー1の基部3とを、相互に長さ方向に嵌挿移動することにより、ホルダプレート12がブレードラバー1の基部3の長さ方向中央部に至ると、抱持部12aが嵌着溝5に落ち込み係合してその長さ方向両端末が拘束される。
【0028】
従って、ホルダプレート12とブレードラバー1との組付けに、専用の取付部品を必要とすることがなく、しかも、ホルダプレート12とブレードラバー1の基部3とを長さ方向に嵌挿移動するだけのワンタッチで組付けを行うことができる。
【0029】
しかも、本実施形態では、嵌着溝5の長さ方向外縁6aを、弧状のガイドスロープとして形成してあるため、上述の嵌挿係着時における突縁部6に対する抱持部12aの引掛り抵抗を極力少なくして、嵌挿係着をスムーズに行わせることができる。
【0030】
この結果、部品点数を削減できると共に、組付け工数を削減できて、コスト的に有利に得ることができる。
【0031】
また、本実施形態では、ブレードラバー1の基部3に長さ方向に偏平状の取付孔9を形成し、この取付孔9に帯板状のバーティブラ10を抱着固定してあるため、バーティブラ固定クリップを不要としてより一層のコストダウンを図ることができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態の構造に限定されるものではなく、ブレードラバー1の断面形状,バーティブラ10の配置構造は、仕様によって種々変更することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1…ブレードラバー
3…基部
5…嵌着溝
6…突縁部
6a…外縁
9…取付孔
10…バーティブラ
11…ホルダ部
12…ホルダプレート
12a…抱持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードラバーと、
前記ブレードラバーの基部に沿って配設したバーティブラと、
ワイパーアームに対するホルダ部と、長さ方向両端部に抱持部を有し、該抱持部を介して前記ブレードラバーの基部に、その長さ方向中央部に外嵌して連結したホルダプレートと、を備え、
前記ブレードラバーの基部の下面側には、一対の突縁部間に隔成されて、前記基部と前記抱持部との相互の長さ方向の嵌挿移動に対して、該抱持部が落ち込み係合してその長さ方向両端末を拘束可能な嵌着溝を設けたことを特徴とするワイパーブレード。
【請求項2】
前記嵌着溝の長さ方向外縁を、弧状のガイドスロープとして形成したことを特徴とする請求項1に記載のワイパーブレード。
【請求項3】
前記ブレードラバーの基部には、長さ方向に偏平状の取付孔を形成し、該取付孔に帯板状のバーティブラを抱着固定したことを特徴とする請求項1または2に記載のワイパーブレード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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