説明

一脚式スタンドユニット

【課題】 ビデオカメラなどの撮像装置やICレコーダなどの音響装置に常時装着して使用することと、必要時にだけ装着して使用することとを適宜選択して使用することができるという利便性を満たし、持ち運ぶ際に嵩張って不便であるというユーザにとっての不都合をそれほど感じなくすることのできる1脚式スタンドユニットを提供する。
【解決手段】 可動体20と、可動体20から延び出て先端に座部を有する1本の脚体70と、可動体20を摺動自在に収容する筒状体30と、筐体10と、筒状体30の内部での可動体20の往復動作が繰り返されるごとに、脚体70を筒状体30から突出させる第1位置と脚体70を筒状体30に収容させる第2位置とにその可動体20を交互に位置させる可動体位置規制機構40と、筒状体30から突出している脚体70を筐体10に固定する脚体固定機構80とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像機器や音響機器の設置安定性を高める上で有益な一脚式スタンドユニット、特に、便利に持ち運ぶことができて必要に応じて撮像機器や音響機器の設置安定性を高めることに用いることのできる一脚式スタンドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズ付きフィルムユニットのユニット本体の底面に、撮影時の手振れ防止用の支え治具として伸縮自在の一脚を組み付けたものが知られていて、このレンズ付きフィルムユニットにあっては、一脚を使用しないときにユニット本体の底面に沿って折り畳んで格納するようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−275697号公報(図1、0009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているレンズ付きフィルムユニットでは、ユニット本体に1脚を直接に組み付けてあるので、別に1脚を持ち歩く手間が省けるという長所があるほか、手軽にどこででも一脚を使用してカメラの設置安定性を高めることができるという長所がある。しかし、この特許文献1には、ユニット本体に一脚を取り付けるための具体的な構造についての開示がない。
【0004】
そこで、本発明は、撮像装置や音響装置に常時装着して使用することと、必要時にだけ装着して使用することとを適宜選択することができ、しかも、嵩張らずに携行することができて、いつでもどこでも撮像装置や音響装置の設置安定性を高めてそれらの装置の使用の利便性を高めることのできる一脚式スタンドユニットを提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、操作性に優れる具体的構造を備えた1脚式スタンドユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一脚式スタンドユニットは、可動体と、この可動体からその軸方向に延び出て先端に座部を有する1本の脚体と、上記可動体を摺動自在に収容する筒状体と、この筒状体を収容している筐体と、上記筒状体の内部での上記可動体の軸方向での往復動作が繰り返されるごとに、上記脚体を筒状体から突出させる第1位置と上記脚体を筒状体に収容させる第2位置とにその可動体を交互に位置させる可動体位置規制機構と、上記可動体が第2位置に位置しているときに、筒状体から突出している上記脚体を上記筐体体に固定する脚体固定機構と、を備えている。
【0007】
この構成を備える一脚式スタンドユニっトによると、脚体を押し引きして可動体を筒状体の内部で軸方向に往復動作させるという簡便な操作を行うだけで、脚体が筒状体から突出したり筒状体に格納されたりする。また、脚体を筒状体から突出させたときには、脚体固定機構の作用によって脚体を筐体に固定することができるため、使用中に脚体が不慮に筒状体に格納されてしまうという事態が起こらない。
【0008】
本発明において、上記可動体位置規制機構は、上記可動体の外周面に設けられた突起と、上記筒状体にその周方向に間隔を隔てて交互に設けられて上記突起が嵌脱可能な長い第1溝部及びそれよりも短い第2溝部と、第1溝部側に始点を有し第2溝部側に終点を有する下り勾配の第1案内面と、第2溝部側に始点を有し第1溝部側に終点を有する下り勾配の第2案内面と、第1溝部から出た上記突起を摺動させて第2溝部に向けて移動させることによりその突起を上記第1案内面に移行させる第1誘導面と、第2溝部から出た上記突起を摺動させて第1溝部に向けて移動させることによりその突起を上記第2案内面に移行させる第2誘導面と、を備えている、という構成を採用することが可能である。この構成を可動体位置規制機構を採用すると、可動体位置規制機構の大きさがコンパクトになり、当該一脚式スタンドユニオンの小形化を図りやすい。
【0009】
本発明では、上記脚体固定機構が、上記筐体に設けられた雌ねじを有するねじ孔と、上記脚体に設けられて上記雌ねじに着脱可能な雄ねじを有するねじ部と、でなるという構成を採用することが可能である。この発明によると、当該一脚式スタンドユニットが本来的に有している筐体と脚体とを利用して脚体固定機構が構成されるために、脚体固定機構として別部品を用いる必要がなくないという利点がある。
【0010】
本発明においては、上記筒状体が、上記第1及び第2の各溝部と第1及び第2の各案内面とを有する筒状主部と、上記第1及び第2の各誘導面を有して上記筐体の内部で上記筒状主部に対する接近離反方向に変位可能な筒状補助部とに分割されていて、その筒状補助部を軸線方向で上記筒状主部に近付く方向に弾発付勢するばね体が追加されてそのばね体が上記筐体に収容されていると共に、そのばね体によって上記筒状主部に近付く方向に弾発付勢されている上記筒状補助部の第1誘導面と上記筒状主部の第1案内面との相互間隔、及び、同第2誘導面と同第2案内面との相互間隔を、上記突起が通過不能な広さに保つストッパ機構を有する、という構成を採用することが可能であり、この構成を採用することによって、上記した可動体位置規制機構の動作の安定性や確実性が向上する。
【0011】
本発明では、上記ストッパ機構が、上記筒状補助部の外周面に設けられた突部と、上記筐体の内周面に具備されて上記突部の軸方向摺動のみを許容してその筒状補助部の回転を阻止する溝部の長手方向の溝端面とによって形成されていることが望ましい。これによれば、当該一脚式スタンドユニットが本来的に有している筐体と筒状体とを利用してストッパ機構が構成されるために、ストッパ機構として別部品を用いる必要がなくないという利点がある。
【0012】
本発明では、上記脚体が上記可動体に対して相対回転自在に取り付けられていることが望ましい。これによれば、脚体を押し引きするときに脚体を回転させる必要がないため、脚体の押し引き操作を円滑にかつ違和感なく行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明に係る一脚式スタンドユニットは、それがユニット形式を採っているためにビデオカメラなどの撮像装置やICレコーダなどの音響装置に常時装着して使用することと、必要時にだけ装着して使用することとを適宜選択して使用することができるという利便性があるだけでなく、カメラ用一脚として汎用されている大形の一脚のように持ち運ぶ際に嵩張って不便であるというユーザにとっての不都合をそれほど感じなくすることのできる利点がある また、普段は一脚を使ったりしない人であっても、一脚を使いたいという機会に直面したときに手軽に使用することができるようになるという利点がある。
【0014】
特に、可動体位置規制機構や脚体固定機構を別部品を用いずにコンパクトに構成することができることから、当該一脚式スタンドユニットの小形化を容易に図ることができて、そのことが、上記した持ち運びの利便性を高めることに役立つようになる。さらに、脚体を押し引きする操作又は押し込む操作を行うだけで筐体に対して脚体を出し入れすることができるために、操作性や使い勝手に優れているという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明に係る一脚式スタンドユニットの構成例を説明的に示した垂直断面図、図2は筒状体30の概略斜視図、図3は可動体20を備える脚体70の一部破断側面図、図4は図1のIV−IV線に沿う部分の横断平面図である。
【0016】
図1のように、この一脚式スタンドユニットでは、筒状の筐体10に、可動体20と可動体20を摺動自在に収容する筒状体30とが収容されている。
【0017】
筒状体30には可動体位置規制機構40が備わっている。この可動体位置規制機構40は、筒状体30の内部での上記可動体20の軸方向での往復動作が繰り返されるごとに、筒状体30の下端位置に相当する第1位置と筒状体30の上端に近い位置に相当する第2位置とに上記可動体20を交互に位置させる作用を行う。この実施形態に採用した可動体位置規制機構40は次に説明する具体的構成を備えている。
【0018】
すなわち、可動体位置規制機構40は、可動体20の外周面に設けられた突起41を備えていることに加えて、図13に一部を拡大して示したように、筒状体30にその周方向に間隔を隔てて交互に設けられて上記突起41(図1など参照)が嵌脱可能な長い第1溝部42及びそれよりも短い第2溝部43と、第1溝部42側に始点44aを有し第2溝部43側に終点44bを有する下り勾配の第1案内面44と、第2溝部43側に始点45aを有し第1溝部42側に終点45bを有する下り勾配の第2案内面45と、第1溝部42から出た突起41(図1など参照)を摺動させて第2溝部43に向けて移動させることによりその突起41(図1など参照)を第1案内面44に移行させる上り勾配の第1誘導面46と、第2溝部43から出た突起41(図1など参照)を摺動させて第1溝部42に向けて移動させることによりその突起41(図1など参照)を第2案内面45に移行させる上り勾配の第2誘導面47と、を備えている。
【0019】
そして、この実施形態では、図1又は図2のように、筒状体30を長い筒状主部31とその筒状主部31に上方から対峙している筒状補助部32とに分割してある。そして、筒状主部31の上端面に上記した第1及び第2の各溝部42,43と第1及び第2の各案内面44,45とを形成してあるのに対し、筒状補助部32の下端面に、上記した第1及び第2の各誘導面46,47を形成してある。
【0020】
さらに、この実施形態では、筒状主部31に周方向当角度おきの4つの区画を形成し、それぞれの区画に、上記した第1及び第2の各溝部42と、第1及び第2の各案内面44,45とを具備させてあって、第1溝部42を筒状主部31の軸方向全長部分に亘って形成してある。そのため、この筒状主部31では、90度おきの4箇所に、第1溝部42、第2溝部43、第1案内面44、第2案内面45がそれぞれ位置している。また、筒状補助部32についても周方向当角度おきの4つの区画を形成し、それぞれの区画に、上記した第1誘導面46及び第2誘導面47を形成してあると共に、図13に示したように、第1誘導面46の終点46bと第2誘導面47の始点47aとを下がり勾配の第1傾斜面48で連絡させ、第2誘導面47の終点47bと第1誘導面46の始点46aとを下がり勾配の第2傾斜面49で連絡させてある。
【0021】
図1又は図4のように、筐体10は、筒状主部31の上側に筒状補助部32が位置する状態でその筒状体30を収容していると共に、筒状補助部32が、筐体10の内部で筒状主部31に対して接近離反方向(軸方向)に変位可能とされている。そして、筒状補助部32の軸方向での変位可能幅が、筐体10の内面に形成された縦溝部51と、筒状補助部32に設けられて上記縦溝部51に摺動可能に係合されている突部52とでなるストッパ機構50によって規制されるようになっている。このストッパ機構50において、図1のように突部52が縦溝部51の下側の溝端面に係合しているときには、第1溝部42の上端に一致している第1案内面44の始点44aと第1誘導面46との間隔が、上記可動体位置規制機構40の突起41の縦幅よりも短くなってそれらの第1案内面44の始点44aと第1誘導面46との相互間隙間を突起41が通過することができなくなる。同様に、突部52が縦溝部51の下側の溝端面に係合しているときには、第2溝部42の上端に一致している第2案内面45の始点45aと第2誘導面47との間隔が、上記突起41の縦幅よりも短くなってそれらの第2案内面45の始点45aと第2誘導面47との相互間隙間を突起41が通過することができなくなる(図13参照)。一方、このストッパ機構50では、上記した各相互間隙間が突起41の縦幅よりも長くなる位置にまで上記突部52が縦溝部51の内部で摺動することができるようになっている。
【0022】
図1又は図4のように、筐体10にはコイルばねでなるばね体60が収容されていて、このばね体60が、筒状補助部32を軸線方向で筒状主部31に近付く方向に常時弾発付勢している。そのため、初期状態では、上記ストッパ機構50の突部52が図1のようにその縦溝部51の下側の溝端面に係合している。
【0023】
図3のように、可動体20には、1本の脚体70が同心状に取り付けられている。具体的には、脚体70が可動体20からその軸方向に延び出ていて、その先端に座部71を有している。また、この実施形態では、可動体20をリング状に形成してあると共に、その可動体20を、脚体70の基部に形成して径小の首部72に相対回転自在に保持させてある。
【0024】
また、この一脚式スタンドユニットには、可動体20が図1に示したように第2位置に位置しているときに、筒状体30から突出している脚体70を筐体10に固定するための脚体固定機構80が備わっている。図1のように、この実施形態では、脚体固定機構80を、筐体10の下端部に設けた雌ねじを有するねじ孔81と、脚体70に設けられて上記ねじ孔81の雌ねじに着脱可能な雄ねじを有するねじ部82とによって構成してある。なお、図1又は図3によって判るように、ねじ部82は、脚体70の首部72に可動体20を保持する役割を果していると共に、可動体20よりも大きくなく外形を有している。また、図1のように、筐体10側の上記ねじ孔81は、筒状体30の筒状主部31の下端を支えている径小部12に同心状に形成されている。
【0025】
以上のように構成されている一脚式スタンドユニットの動作を、上記可動体位置規制機構40の作用を示した図5〜図12を主に参照して次に説明する。
【0026】
図5のようにストッパ機構50が初期状態を保持しているときに、可動体位置規制機構40の第1溝部42に嵌合している突起41がその第1溝部42に沿って矢印aのように突き上げられると、図6のように突起41が第1誘導面46に突き当たった後、図7の矢印Aのようにばね体60の付勢に抗して筒状補助部32を押し上げる。このときの押上げにより、ストッパ機構50の突部52が縦溝部51を摺動して上動するので、第1案内面44と第1誘導面46との相互間隔が突起41の縦幅よりも長くなるように拡げられる。こうして第1案内面44と第1誘導面46との相互間隔が突起41の縦幅よりも長くなるように拡げられると、図8の矢印bのように、第1誘導面46が第1溝部42から出た突起41を摺動させて第2溝部43に向けて移動させるという作用と、そのような突起41の移動に追従してばね体60が筒状補助部32を下降させるという作用とが併行されて、突起41が第1案内面44に移行する。このため、突起41に対して加えていた突上げ力を解除することによって、脚体70に対する可動体20の回転(図3参照)を通じて突起41が第1案内面44と摺動しながら下降して図9に矢印cで示したように第2溝部43に嵌合してその第2溝部43によって筒状体30の上部に位置規制される。こうして突起41が第2溝部43によって筒状体30の上部に位置規制されたときには、ストッパ機構50の突部52が縦溝部51の溝端面に係合して第2案内面45と第2誘導面47との相互間隔が突起41の縦幅よりも短くなるように縮小される。
【0027】
次に、図9の状態を起点として、可動体位置規制機構40の第2溝部43に嵌合している突起41がその第2溝部43に沿って突き上げられると、図10のように突起41が第2誘導面47に突き当たった後、図10の矢印Aのようにばね体60の付勢に抗して筒状補助部32を押し上げる。このときの押上げにより、ストッパ機構50の突部52が縦溝部51を摺動して上動するので、第2案内面45と第2誘導面47との相互間隔が突起41の縦幅よりも長くなるように拡げられる。こうして第2案内面45と第2誘導面47との相互間隔が突起41の縦幅よりも長くなるように拡げられると、図11の矢印bのように、第2誘導面47が第2溝部43から出た突起41を摺動させて第1溝部42に向けて移動させるという作用と、そのような突起41の移動に追従してばね体60が筒状補助部32を下降させるという作用とが併行されて、突起41が第2案内面45に移行する。このため、突起41に対して加えていた突上げ力を解除することによって、脚体70に対する可動体20の回転(図3参照)を通じて突起41が第2案内面45と摺動しながら下降して図12に矢印cで示したように第1溝部42に嵌合してその第1溝部42を下降する。
【0028】
図5〜図12を参照して説明した可動体位置規制機構40の作用において、第2案内面45を経て第1溝部42に嵌合された突起41がその第1溝部42を軸方向に下降する動作、及び、第1案内面44を経て第2溝部43に嵌合された突起41がその第2溝部43を軸方向に下降して位置規制される動作は、突起41の往動動作に相当する。これに対し、突き上げられた突起41が第1溝部42や第2溝部43から出る動作は、突起41の復動動作に相当する。そして、突起41が第1溝部42を下降して筒状体30の下端に達したときには、可動体20から延び出ている脚体70が図1のように筐体10の下方に突出する。このときの突起41の位置が第1位置である。これに対し、突起41が第2溝部43に嵌合して筒状体30の上部に位置規制されているときには、可動体20から延び出ている脚体70が筒状体30に収容されている。このときの突起41の位置が第2位置である。したがって、可動体位置規制機構40は、筒状体30の内部での可動体20の軸方向での往復動作が繰り返されるごとに、脚体70を筒状体30から突出させる第1位置と上記脚体を筒状体30に収容させる第2位置とに可動体41を交互に位置させる作用を発揮する。
【0029】
そして、可動体41が第1位置に位置して脚体70が筒状体30から突出しているときに、図1のように脚体固定機構80のねじ部82をそのねじ孔81にねじ込むことにより脚体70が筐体10にその位置で固定される。
【0030】
上記した可動体位置規制機構40では、第1又は第2の誘導面46,47に接触した突起41が筒状補助部32を押し上げていないときには、ばね体60の付勢によってそれらの誘導面46,47と第1又は第2の案内面44,45との相互間隔が狭められてそれらの相互間隙間を突起41が通過できないようになっている。このため、この可動体位置規制機構40によると、第1及び第2の誘導面46,47によって突起41の送り方向が正確に位置方向に規定されるようになる。したがって、脚体79を押し込んで可動体20を突き上げたりしたときに、可動体20に備わっている突起41が第1又は第2の誘導面46,47によって正確に位置方向に移動するようになって、動作の円滑性と信頼性とが向上する。
【0031】
以上説明した一脚式スタンドユニットにおいて、その筐体10は、撮像装置や音響装置などの機器に組み込むことも、それらの機器に着脱可能とすることも可能である。筐体10を機器に組み込んでおくと、その筐体10が組み込まれた機器に常に一脚式スタンドユニットが備わるようになるので、必要に応じてその一脚式スタンドユニットを使って機器を床面や机面などの上に安定設置することが可能になる。これに対し、筐体10を機器に対して着脱可能としておくと、必要なときだけ一脚式スタンドユニットを機器に装着してその機器を床面や机面などの上に安定設置することが可能になる。筐体10を機器に組み付ける手段としては、筐体10を機器にビス止めしたり接着剤で接合したりする手段を採用することができる。また、筐体10を機器に着脱可能にする手段としては、筐体10と機器とを係脱式とすることによって可能になる。
【0032】
図14は機器Sに組み付けるか、又は、機器Sに離脱可能に装着した上記一脚式スタンドユニットの脚体70をその筒状体30(図1参照)に収容させた事例を示している。また、図15は機器Sに組み付けるか、又は、機器Sに離脱可能に装着した上記一脚式スタンドユニットの脚体70を機器Sから突出させた事例を示している。機器Sには、ジデオカメラやカメラ、ICレコーダなどが含まれる。
【0033】
図16は機器Sに収容されている脚体70の座部71が、筐体10の脚引出し口13を塞いでいる状態の断面図である。このように脚体70を収容させたときに、脚体70の座部71が筐体10の脚引出し口13を塞ぐように構成しておくと、機器Sを持ち運ぶときに脚体70が機器Sから突出してじゃまになることがない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る一脚式スタンドユニットの構成例を説明的に示した垂直断面図である。
【図2】筒状体の概略斜視図である。
【図3】可動体を備える脚体の一部破断側面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う部分の横断平面図である。
【図5】可動体位置規制機構の突起が第1溝部を突き上げられている状態を示した説明図である。
【図6】可動体位置規制機構の突起が第1誘導面に突き当たって筒状補助部を押し上げている状態を示した説明図である。
【図7】可動体位置規制機構の突起が第1誘導面に突き当たって筒状補助部を押し上げた状態を示した説明図である。
【図8】可動体位置規制機構の第1誘導面が第1溝部から出た突起を第2溝部に向けて移動させている状態の説明図である。
【図9】可動体位置規制機構の突起が第2溝部に嵌合して第2位置に位置規制されている状態の説明図である。
【図10】可動体位置規制機構の突起が第2誘導面に突き当たって筒状補助部を押し上げた状態を示した説明図である。
【図11】可動体位置規制機構の第2誘導面が第2溝部から出た突起を第1溝部に向けて移動させている状態の説明図である。
【図12】可動体位置規制機構の突起が第1溝部に嵌合して下降している状態の説明図である。
【図13】可動体位置規制機構の一部拡大図である。
【図14】機器と組み合わされた一脚式スタンドユニットの脚体を収容させた状態を示した概略斜視図である。
【図15】機器と組み合わされた一脚式スタンドユニットの脚体を突出させた状態を示した概略斜視図である。
【図16】脚体の座部が筐体の脚引出し口を塞いでいる状態の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 筐体
20 可動体
30 筒状体
31 筒状主部
32 筒状補助部
40 可動体位置規制機構
41 突起
42 第1溝部
43 第2溝部
44 第1案内面
44a 第1案内面の始点
44b 第1案内面の終点
45 第2案内面
45a 第2案内面の始点
45b 第2案内面の終点
46 第1誘導面
47 第2誘導面
50 ストッパ機構
51 溝部(縦溝部)
52 突部
60 ばね体
70 脚体
71 座部
80 脚体固定機構
81 ねじ孔
82 ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体と、この可動体からその軸方向に延び出て先端に座部を有する1本の脚体と、上記可動体を摺動自在に収容する筒状体と、この筒状体を収容している筐体と、上記筒状体の内部での上記可動体の軸方向での往復動作が繰り返されるごとに、上記脚体を筒状体から突出させる第1位置と上記脚体を筒状体に収容させる第2位置とにその可動体を交互に位置させる可動体位置規制機構と、上記可動体が第2位置に位置しているときに、筒状体から突出している上記脚体を上記筐体に固定する脚体固定機構と、を備えていることを特徴とする一脚式スタンドユニット。
【請求項2】
上記可動体位置規制機構は、上記可動体の外周面に設けられた突起と、上記筒状体にその周方向に間隔を隔てて交互に設けられて上記突起が嵌脱可能な長い第1溝部及びそれよりも短い第2溝部と、第1溝部側に始点を有し第2溝部側に終点を有する下り勾配の第1案内面と、第2溝部側に始点を有し第1溝部側に終点を有する下り勾配の第2案内面と、第1溝部から出た上記突起を摺動させて第2溝部に向けて移動させることによりその突起を上記第1案内面に移行させる第1誘導面と、第2溝部から出た上記突起を摺動させて第1溝部に向けて移動させることによりその突起を上記第2案内面に移行させる第2誘導面と、を備えている請求項1に記載した一脚式スタンドユニット。
【請求項3】
上記脚体固定機構が、上記筐体に設けられた雌ねじを有するねじ孔と、上記脚体に設けられて上記雌ねじに着脱可能な雄ねじを有するねじ部と、でなる請求項1又は請求項2に記載した一脚式スタンドユニット。
【請求項4】
上記筒状体が、上記第1及び第2の各溝部と第1及び第2の各案内面とを有する筒状主部と、上記第1及び第2の各誘導面を有して上記筐体の内部で上記筒状主部に対する接近離反方向に変位可能な筒状補助部とに分割されていて、その筒状補助部を軸線方向で上記筒状主部に近付く方向に弾発付勢するばね体が追加されてそのばね体が上記筐体に収容されていると共に、そのばね体によって上記筒状主部に近付く方向に弾発付勢されている上記筒状補助部の第1誘導面と上記筒状主部の第1案内面との相互間隔、及び、同第2誘導面と同第2案内面との相互間隔を、上記突起が通過不能な広さに保つストッパ機構を有する請求項3に記載した一脚式スタンドユニット。
【請求項5】
上記ストッパ機構が、上記筒状補助部の外周面に設けられた突部と、上記筐体の内周面に具備されて上記突部の軸方向摺動のみを許容してその筒状補助部の回転を阻止する溝部の長手方向の溝端面とによって形成されている請求項4に記載した一脚式スタンドユニット。
【請求項6】
上記脚体が上記可動体に対して相対回転自在に取り付けられている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載した一脚式スタンドユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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