説明

三次元画像取得装置および三次元画像取得方法

【課題】対物レンズの被計測体側に配設された光学素子によりスポット位置を光軸に垂直な面内方向に走査することができるとともにこの光学素子による光学系全体の結像性能の劣化を抑えることができる三次元画像取得装置および三次元画像取得方法を提供する。
【解決手段】三次元画像取得装置10は、共焦点光学系を用いた三次元画像取得装置であって、対物レンズ13の被計測体15側の光軸と交差するよう配設された平行平板形の部材を有し、光軸と垂直な面に対する平行平板形の部材の傾きを異ならせることで、傾きに応じて屈折作用により被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で変更するXY方向焦点位置変更部14を備え、平行平板形の部材の傾きは、対物レンズ13の被計測体側共役点に集光される光の直径が、エアリーディスク直径の半分となる所定の傾き以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点光学系を用いて物体の三次元画像を取得する三次元画像取得装置および三次元画像取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面形状などの三次元形状を計測する(三次元画像を取得する)方法の1つに、共焦点光学系を用いて物体表面上の各点の高さの情報を取得することにより物体の表面形状を計測する方法がある。
【0003】
たとえば、2次元配列型の開口アレイを有する共焦点光学系を用いて被計測体の形状を計測する方法を用いる場合、開口アレイを構成する複数の開口部(ピンホール)を通過した複数の光は、対物レンズによりそれぞれ対応する被計測体側の集光位置に集束される。この被計測体側の集光位置と被計測体との光軸方向の相対的な位置関係(以下、Z位置関係という)を変更しつつ被計測体表面上の複数の観測点からの反射光強度を取得することで、複数の観測点の高さの情報を容易に取得することができるようになっている(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−247817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2次元配列型の開口アレイを有する共焦点光学系を用いて被計測体の形状を計測する場合には、さらに、被計測体側の複数の集光位置で集束された光(以下、スポットという)と被計測体との光軸方向に垂直な方向の相対的な位置関係(以下、XY位置関係という)を変更することにより、互いに離間したスポットを補間することや、計測範囲を広げることができる。
【0006】
スポットと被計測体とのXY位置関係を変更する方法の1つとして、スポットを光軸に垂直な面内方向に走査する方法が考えられる。スポットを光軸に垂直な面内方向に走査する方法としては、光路を変更するための光学素子を対物レンズの被計測体側に配設する方法などが考えられる。
【0007】
しかし、光学素子は、光学系全体に幾何光学的影響や波動光学的影響を与えてしまう。たとえば対物レンズの被計測体側に光路を変更するための光学素子を配設すると、光学系全体の結像性能が劣化してスポットのサイズが大きくなってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、対物レンズの被計測体側に配設された光学素子によりスポット位置を光軸に垂直な面内方向に走査することができるとともにこの光学素子による光学系全体の結像性能の劣化を抑えることができる三次元画像取得装置および三次元画像取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る三次元画像取得装置は、上述した課題を解決するために、共焦点光学系を用いた三次元画像取得装置であって、被計測体を載置する載置台と、光源の光を通過する複数の開口部が互いに離間して2次元に配置されて設けられた開口板と、前記複数の開口部を通過したそれぞれの光を前記被計測体側の共役点に集光するとともに、前記被計測体側共役点における反射光をそれぞれ対応する検出側共役点に集光する対物レンズと、前記検出側共役点に集光された光の強度変化を検出可能な位置に配設された光検出器を複数有し、前記複数の光検出器のそれぞれは前記検出側共役点における光の強度に応じた信号を出力する光検出器群と、前記対物レンズの前記被計測体側の光軸と交差するよう配設された平行平板形の部材を有し、光軸と垂直な面に対する前記平行平板形の部材の傾きを異ならせることで、前記傾きに応じて屈折作用により前記被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で変更するXY方向焦点位置変更部と、を備え、前記平行平板形の部材の前記傾きは、前記対物レンズの前記被計測体側共役点に集光された光の直径が、前記対物レンズの開口数および前記光源の波長から定まるエアリーディスク直径の半分となる所定の傾き以下であることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る三次元画像取得装置の一例を示す概略的な全体構成図。
【図2】開口板の一構成例を示す平面図。
【図3】XY方向焦点位置変更部の動作原理を示す説明図。
【図4】XY方向焦点位置変更部の一構成例を示す斜視図。
【図5】スポットの設定位置(焦点位置)の一例を示す説明図。
【図6】平行平板形部材の傾きが0°である場合におけるスポットダイアグラム。
【図7】平行平板形部材の傾きが0°である場合におけるMTFチャート。
【図8】平行平板形部材の傾きが0.509°である場合におけるスポットダイアグラム。
【図9】平行平板形部材の傾きが0.509°である場合におけるMTFチャート。
【図10】平行平板形部材の傾きが1.187°である場合におけるスポットダイアグラム。
【図11】平行平板形部材の傾きが1.187°である場合におけるMTFチャート。
【図12】閾値θth=0.509°である場合における平行平板形部材の光軸と垂直な面に対する傾きXθ1、Yθ1と被計測体側共役点のXY方向移動量(補間移動量)Xt、Ytとの関係を示す説明図。
【図13】平行平板形部材とXY軸変位部によりXY位置関係を変更する方法の一例を示す説明図。
【図14】部材支持部の一構成例を示す概略的な三面図。
【図15】部材支持部の変形例を示す概略的な三面図。
【図16】回転体の一構成例を示す概略的な平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る三次元画像取得装置および三次元画像取得方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る三次元画像取得装置は、2次元配列型の開口アレイを有する共焦点光学系を用いて被計測体の形状を計測して形状画像を生成しこの形状画像を表示装置に表示させるものである。計測対象物としては、たとえばプリント配線板上のバンプや多層プリント配線板のレーザビアなどの貫通孔のほか、光源としてシリコンの透過率が高い近赤外光を用いる場合には、シリコンウエハの積層接合部近辺やシリコンの内部をも含む。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態に係る三次元画像取得装置の一例を示す概略的な全体構成図である。なお、以下の説明では、光軸方向をZ軸、光軸方向に垂直な方向をX軸およびY軸とする場合の例について示す。
【0014】
三次元画像取得装置10は、図1に示すように、光源11、主面が光軸方向に垂直となるよう配置された開口板12、対物レンズ13、XY方向焦点位置変更部14、被計測体15を載置するための載置台16、被計測体15からの反射光を入射される光検出器を複数有する光検出器群17、載置台16をXYZ各方向に移動させるための載置台変位部18、載置台16および載置台変位部18を支持する支持基台19、および情報処理装置20を有する。載置台変位部18は、Z位置関係変更部としてのZ軸変位部21およびXY軸変位部22を有する。
【0015】
光源11としては、たとえばハロゲンランプやレーザなどを用いることができる。光源11から出射された光は、コリメータレンズ23を介して面状の平行光となる。この光は、偏光ビームスプリッタ24を介して開口板12を照明する。
【0016】
図2は、開口板12の一構成例を示す平面図である。開口板12は、直径dの複数の開口部25がX方向にm個、Y方向にn個ずつ2次元に配置して設けられる。各開口部25は、互いにX軸方向に開口部25のX軸方向の中心間距離Dxから直径dを減じた距離離間するとともにY軸方向に開口部25のY軸方向の中心間距離Dyから直径dを減じた距離離間するよう設けられる。以下の説明では、開口板12に対して直径d=1μmの開口部25が中心間距離Dx=Dy=8μmでX方向に320個(m=320)、Y方向に256個(n=256)設けられる場合の例について示す。
【0017】
開口板12の開口部25は、それぞれ点光源として機能する。各開口部25を通過した光は、対物レンズ13により、XY方向焦点位置変更部14を介して被計測体15に投光されつつ点光源と共役な点(以下、被計測体側共役点という)に集光されてスポットを形成する。対物レンズ13は、各開口部25にそれぞれ対応する被計測体側共役点を、Z軸方向の所定の位置の光軸方向に垂直な面(以下、被計測体側共役面という)上に集光する。なお、対物レンズ13は、たとえば複数のレンズ26および絞り27により構成されて両側テレセントリック光学系を構成することが好ましい。
【0018】
対物レンズ13の倍率等の構成に応じて、各開口部25の配設方向(たとえば図2に示す例ではX軸方向およびY軸方向)および中心間距離(DxおよびDy)と、これらに対応する被計測体側共役点面上の各共役点間の方向および距離と、の関係は変更可能である。以下の説明では、各開口部25の配設方向および中心間距離と、これらに対応する被計測体側共役点面上の各共役点間の方向および距離とが同一である場合の例について説明する。すなわち、以下の説明では、各開口部25は8μmピッチで設けられ(Dx=Dy=8μm)、スポットのピッチが8μmとなる場合の例について説明する。
【0019】
図3は、XY方向焦点位置変更部14の動作原理を示す説明図である。
【0020】
図3に示すように、対物レンズ13の光路中に、光軸と垂直な面に対して傾きθ1を有するようにガラス板などの平行平板形の部材31を配置すると、対物レンズ13の被計測体側共役点の位置がXY方向に移動する。移動量tは、部材31の屈折率n2および厚さTによって制御することができ、t=T (tanθ1-tanθ2)・cosθ1の関係を満たす。
【0021】
図4は、XY方向焦点位置変更部14の一構成例を示す斜視図である。
【0022】
部材31は、部材支持部32に載置される。部材支持部32に載置された部材31は、回転体33に対して回転方向に沿うように配設される。以下の説明では、部材31は全て同一の厚さTを有し、部材31を載置する部材支持部32によって各部材31のXY面に対する傾きθ1が変更される場合の例について示す。
【0023】
ここで、傾きθ1の設定方法について、簡単に説明する。
【0024】
XY方向焦点位置変更部14を除く光学系は、MTF(Modulated Transfer Function)が回折限界にできるだけ近づくよう最適化されて構成される。ところが、対物レンズ13の光路上にガラス等で構成された部材31を配設すると、この部材31が光学系全体に幾何光学的影響や波動光学的影響を与えてしまう。このため、部材31を配設することにより、光学系全体の結像性能が劣化してしまう。結像性能の劣化は、部材31の傾きθ1が大きくなるほど顕著となり、傾きθ1が大きくなるほど、スポットのサイズが大きくなってしまったり、MTFが悪化してしまったりする。
【0025】
そこで、部材31の傾きθ1は、ユーザが所望する結像性能に応じた閾値(所定の傾き)θthを設定しておき、この閾値θth以下となるようにすることが好ましい。閾値θthは、たとえば、スポットの直径がエアリーディスク直径ε(ε≒1.22・λ/NA)の半分となるよう設定されるとよい。ただし、λは光源11の波長を、NAは対物レンズ13の開口数を、それぞれ表す。また、開口部25の直径dがエアリーディスク直径εの半分以下(たとえば1/3など)に設定されている場合には、閾値θthは、たとえばスポットの直径が開口部25の直径dとほぼ同等(たとえば1.1倍以下)となるよう設定されるとよい。また、閾値θthは、スポット直径に加え、さらに光学系全体のMTFチャートにもとづいて決定されてもよい。
【0026】
傾きθ1を、所定の傾きとしての閾値θth以下とすることにより、対物レンズ13の被計測体15側に配設されたガラス等の部材31によりスポット位置を光軸に垂直な面内方向に走査することができるとともに、部材31による光学系全体の結像性能の劣化を抑えることができる。なお、閾値θthの決定方法については図面を用いて後述する。
【0027】
回転体33をモータなどの駆動部34により所定の速度で連続回転させることにより、部材31のそれぞれが対物レンズ13の光軸と交わるごとに、各部材31のXY面に対する傾きθ1に応じてスポット(被計測体側共役点で集束された光)の位置をXY方向に移動させることができる。したがって、図4に示す構成を有するXY方向焦点位置変更部14によれば、XY位置関係(被計測体側共役点の位置と被計測体15の位置との光軸方向に垂直な方向の相対的な位置関係)を変更することができる。以下の説明では、部材31は同一の平行平板形状を有するものとし、この部材を載置する部材支持部32によって各部材31が光軸と垂直な面に対して傾きを有するように支持される場合の例について示す。
【0028】
回転体33の回転状態はタイミングセンサ35により検知される。タイミングセンサ35の出力は情報処理装置20に与えられる。情報処理装置20は、あらかじめ各部材支持部32と被計測体側共役点のXY軸座標とを関連付けた情報を保持している。なお、駆動部35は、情報処理装置20により制御可能に構成されてもよい。この場合、情報処理装置20は回転体33の回転速度を制御することができる。
【0029】
Z位置関係変更部としてのZ軸変位部21は、ピエゾモータやサーボモータなどの一般的な駆動装置により構成され、載置台16を光軸方向に変位させる。この変位の量、方向およびタイミングは、図1に示すように、情報処理装置20によりZ軸ドライバ28を介して制御される。Z軸変位部21は、載置台16を光軸方向に変位させることにより、被計測体側共役点(被計測体側共役面)の位置と被計測体15の位置とのZ軸方向(光軸方向)の相対的な位置関係(Z位置関係)を変更する。
【0030】
被計測体15による反射光のうち特に被計測体側共役点における反射光は、対物レンズ13により、被計測体側共役点と光学的共役関係にある共役点(以下、検出側共役点という)に集光される。点光源としての開口部25と被計測体側共役点とは、互いに1対1に対応する。被計測体側共役点と検出側共役点とも、互いに1対1に対応する。
【0031】
本実施形態では、検出側共役点が点光源としての開口部25に一致する場合の例について説明する。この場合、開口部25を通過した光は被計測体側共役点に集光されるとともに、この被計測体側共役点で反射されて開口部25に再度入射することになる。
【0032】
開口部25に再度入射した光は、所定の光学素子としての偏光ビームスプリッタ24および結像光学系36を介して光検出器群17を構成する光検出器を照射する。開口部25(検出側共役点)とこの開口部25に対応する位置に配設された光検出器とは、所定の光学素子としての偏光ビームスプリッタ24および結像光学系36により互いに共役関係となる。
【0033】
光検出器群17を構成する光検出器は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサにより構成され、照射された光の強度に応じた信号を情報処理装置20に出力する。また、光検出器群17は、情報処理装置20により光検出のタイミングを制御される。
【0034】
光検出器は、検出側共役点に集光された光の強度変化を検出可能な位置に配設される。この位置としては、たとえば検出側共役点そのものや、検出側共役点の光が光ファイバなどのイメージガイドにより導かれた位置や、検出側共役点と光学的に共役な位置などが挙げられる。本実施形態では、光検出器は、対応する開口部25(検出側共役点)と光学的に共役な位置に配設される。このため、光検出器が受ける光の強度は、この光検出器に対応する開口部25に再度入射した光の強度変化に応じて変化し、一方が最大強度の際には他方も最大強度となる。なお、1つの開口部25(検出側共役点)に対応する光検出器は1個であってもよいし複数個であってもよい。
【0035】
載置台変位部18のXY軸変位部22は、載置台16を光軸方向に垂直な方向に変位させる。このXY軸変位部22は、載置台16のX軸方向およびY軸方向の位置決めをそれぞれ行うX軸変位機構41およびY軸変位機構42を有する。
【0036】
X軸変位機構41およびY軸変位機構42は、ピエゾモータやサーボモータなどの一般的な駆動装置により構成され、変位の量、方向およびタイミングは、情報処理装置20によりXY軸ドライバ45を介して制御される。載置台16が光軸方向に垂直な方向に変位することにより、XY位置関係が変更されることになる。
【0037】
情報処理装置20は、たとえばデスクトップ型やノートブック型のパーソナルコンピュータなどにより構成することができる。情報処理装置20は、入力部51、表示部52、記憶部53および主制御部を有する。
【0038】
入力部51は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部に出力する。
【0039】
表示部52は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、主制御部の制御に従って各種情報を表示する。
【0040】
記憶部53は、CPUにより読み書き可能な記憶媒体であり、あらかじめ平行平板形の部材31の傾きθ1がゼロである場合(または部材31がない場合)における載置台16の位置と被計測体側共役点のXY座標とを関連付けて記憶しておく。また、記憶部53はあらかじめ、平行平板形の部材31の傾きθ1と被計測体側共役点のXY方向の変位量とを関連付けた情報を保持している。
【0041】
主制御部は、CPU、RAMおよびROMをはじめとする記憶媒体などにより構成される。主制御部のCPUは、ROMをはじめとする記憶媒体に記憶された三次元画像取得プログラムおよびこのプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、このプログラムに従って三次元画像取得処理を実行する。
【0042】
主制御部のRAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。主制御部のROMをはじめとする記憶媒体は、情報処理装置20の起動プログラム、三次元画像取得プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0043】
なお、ROMをはじめとする記憶媒体および記憶部53は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0044】
主制御部のCPUは、三次元画像取得プログラムによって、少なくとも高さ決定部54、形状情報取得部55および画像生成部56として機能する。この各部54〜56は、RAMの所要のワークエリアをデータの一時的な格納場所として利用する。なお、これらの機能実現部54〜56は、CPUを用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0045】
高さ決定部54は、Z軸変位部21および光検出器群17を制御することにより、Z位置関係(被計測体側共役点の位置と被計測体15の位置との光軸方向の相対的な位置関係)を変更しつつ光検出器の信号を離散的に複数取得する。そして、高さ決定部54は、被計測体側共役点ごとに、離散的に取得した複数の信号の強度にもとづいて信号の強度が最大となる被計測体15のZ軸座標(光軸方向の位置)を算出する。高さ決定部54は、この算出したZ軸座標を、複数の開口部25に対応する複数の被計測体側共役点における被計測体15のZ軸座標と決定する。
【0046】
なお、高さ決定部54は、Z位置関係を連続的に変更させつつ光検出器の信号を取得しても良いし、Z位置関係を所定の位置関係で停止した後に光検出器の信号を取得することを繰り返しても良い。後者の場合、前者の場合に比べモアレ現象が生じる可能性を低減することができる。
【0047】
なお、共焦点光学系を用いた形状計測技術において光検出器の出力から離散的に取得した複数の信号の強度にもとづいて信号の強度が最大となる被計測体15のZ軸座標を算出する方法は、従来各種の方法が知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である(たとえば本願と同一の出願人による特許文献である特開平9−126739号公報の段落[0014]−[0017]など参照)。
【0048】
形状情報取得部55は、XY方向焦点位置変更部14および高さ決定部54を制御することにより、初期位置と、XY方向焦点位置変更部14によりスポットを初期位置からXY方向に被計測体側共役点の互いの離間距離Dx−dおよびDy−dより小さい距離移動させた1または複数の補間位置と、のそれぞれにおいて高さ決定部54に複数の開口部25に対応する複数の被計測体側共役点のそれぞれにおける被計測体15のZ軸座標を決定させる。また、形状情報取得部55は、XY軸変位部22を制御して載置台16を初期位置からXY方向に移動させることにより観測領域を拡大することができる。
【0049】
ここで、補間位置同士は互いにX方向およびY方向に移動距離単位Δx<Dx−dおよびΔy<Dx−dだけそれぞれ離間した位置とする。この移動距離単位ΔxおよびΔyは、X方向およびY方向の離間距離をそれぞれ所定の正の整数で除した距離とするとよい。この結果、形状情報取得部55は、初期位置および補間位置の各位置での複数の被計測体側共役点における被計測体15のZ軸座標の情報からなる被計測体15の三次元形状情報を取得することができる。
【0050】
画像生成部56は、三次元形状情報を用いて被計測体15の形状画像を生成し、この形状画像を表示部52に表示させる。
【0051】
すなわち、本実施形態に係る三次元画像取得装置10は、XY位置関係について、閾値θth以下の傾きθ1で対応できる所定の距離内はXY方向焦点位置変更部14で変更し、この所定の距離内の範囲より広い範囲を観測する際は、XY軸変位部22により載置台16を所定の距離より大きい距離移動させてから再度XY方向焦点位置変更部14を利用することで、光学系全体の結像性能の劣化を抑えつつ、互いに離間したスポットを補間したり、観測範囲を広げたりすることができる。
【0052】
続いて、閾値θthの決定方法について説明する。
【0053】
部材31の傾きθ1は、ユーザが所望する結像性能に応じた閾値θthを設定しておき、この閾値θth以下とすることで結像性能を確保することが好ましい。たとえば、直径d=1μm、中心間距離Dx=Dy=8μm、Δx=Δy=1μmとする場合、すなわち分解能を1μmとする場合は、スポットの直径が約1μm以下(たとえば1.1μm以下など)となるよう閾値θthを設定することが好ましい。一方、たとえば開口部25の直径dがより大きく設定されて分解能の粗い高速なデータ収集を行う場合には、スポットの直径は1μmより大きくなってもよく、閾値θthはより大きくてもよい。
【0054】
部材31の傾きθ1とスポット直径との関係は、光学設計ソフトウエアを用いて光線追跡を行うことにより計算することができる。光学設計ソフトウエアとしては、ゼマックス(登録商標)など従来各種のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
【0055】
図5は、スポットの設定位置(焦点位置)の一例を示す説明図である。図5には、光線追跡を行う焦点位置(T、S)としてP1(0.00mm、0.00mm)、P2(0.00mm、12.29mm)、P3(0.00mm、24.59mm)を設定する場合の例を示した。これらの焦点位置の設定情報を光学設計ソフトウエアに与えて光線追跡を行うことにより、各焦点位置でのスポットサイズを計算させることができる。ただし、Tはタンジェンシャル方向の座標を、Sはサジタル方向の座標を、それぞれ表す。
【0056】
図6は、平行平板形部材31の傾きθ1が0°である場合におけるスポットダイアグラムである。また、図7は、平行平板形部材31の傾きθ1が0°である場合におけるMTFチャートである。図6および図7に示すように、光学設計ソフトウエアによりスポットダイアグラムやMTFチャートを計算させることができる。なお、以下の説明では、光学設計ソフトウエアに入力される値として、対物レンズ13の開口数NAを0.5、対物レンズ13の倍率を1/7.5、部材31を厚さT=0.5mmの平行平板ガラス(屈折率n2=1.51)、部材31の外部媒体を空気(屈折率n1=1.000292)、光源11の波長を1310nmとした場合の例について示す。
【0057】
図6に示すように、部材31の傾きθ1が0°のとき、たとえば焦点位置P1のスポットのRMS半径は0.196μmであると計算された。また、図7に示すように、部材31の傾きθ1が0°のときは、焦点位置P1〜P3のいずれの位置においても、回折限界(Diffraction Limit)に対してほとんど劣化のないMTFを得ることができた。
【0058】
図8は、平行平板形部材31の傾きθ1が0.509°である場合におけるスポットダイアグラムである。また、図9は、平行平板形部材31の傾きθ1が0.509°である場合におけるMTFチャートである。
【0059】
図8に示すように、部材31の傾きθ1が0.509°のとき、たとえば焦点位置P1のスポットのRMS半径は0.517μmであると計算された。また、図9に示すように、部材31の傾きθ1が0.509°のときも、焦点位置P1〜P3のいずれの位置においても回折限界(Diffraction Limit)に対してほとんど劣化のないMTFを得ることができた。
【0060】
図10は、平行平板形部材31の傾きθ1が1.187°である場合におけるスポットダイアグラムである。また、図11は、平行平板形部材31の傾きθ1が1.187°である場合におけるMTFチャートである。
【0061】
図10に示すように、部材31の傾きθ1が1.187°のとき、たとえば焦点位置P1のスポットのRMS半径は1.119μmであると計算された。また、図11に示すように、部材31の傾きθ1が1.187°のときは、0°や0.509°の場合にくらべ、明らかに回折限界(Diffraction Limit)から劣化したMTFが得られた。
【0062】
これらの結果にもとづいて、所定の傾きとしての閾値θthを決定する。たとえば、対物レンズ13の開口数NA=0.5、光源11の波長λが1310nmである場合、エアリーディスク直径ε≒3.196μmとなる。したがって、本実施形態において、開口部25の直径d=1μmは、エアリーディスク直径εの1/3以下となっている。そこで、分解能を1μmとする場合、スポットの直径が開口部25の直径d=1μmとほぼ同等(たとえば1.1倍以下)となるよう設定されるとよく、光学系全体のMTFの劣化が少ないとさらに好ましい。したがって、図6〜図11から明らかなように、θthは約0.509°とするとよい。部材31の傾きθ1が0.509°のとき、RMS半径は約0.52μm以下でありスポット直径は約1.04μm(<1.1μm)以下となるとともに、MTFの劣化も少ない。
【0063】
図12は、閾値θth=0.509°である場合における平行平板形部材31の光軸と垂直な面に対する傾きXθ1、Yθ1と被計測体側共役点のXY方向移動量(補間移動量)Xt、Ytとの関係を示す説明図である。なお、Xθ1はXZ面内における部材31の光軸と垂直な面に対する傾きを、Yθ1はYZ面内における部材31の光軸と垂直な面に対する傾きを、それぞれ示すものとする。図12には、部材31の外部媒体を空気(屈折率n1=1.000292)とし、部材31をガラス(屈折率n2=1.51)とし、部材31の厚さTを0.5mmとする場合の例について示した。
【0064】
図3から明らかなように、入射角Xθ1、Yθ1は部材31の光軸と垂直な面に対する傾きに等しい。図12に示すように、たとえば入射角Xθ1が0.509度であると、X方向の補間移動量Xtは1.50μmとなる(図12のスポット位置番号n=4参照)。また、入射角Xθ1が0.169度ではX方向の補間移動量Xtは0.50μmとなる(図12のスポット位置番号n=3参照)。
【0065】
閾値θth=0.509°以下では、たとえば図12に示すような部材31の傾きXθ1とYθ1の組み合わせにより16か所のスポット位置(n=1〜16)にスポットを移動させることにより、分解能1μmで4μm四方の補間計測を行うことができる。
【0066】
図13は、平行平板形部材31とXY軸変位部22によりXY位置関係を変更する方法の一例を示す説明図である。図13には、説明の便宜上、隣接する4つのスポットの遷移について示した。
【0067】
たとえば、1つの開口部25(d=1μm)ごとに8μm四方の計測を行う場合には、部材31により4μm四方を走査した後(図13の1〜16)、XY軸変位部22により4μmステップで移動し(図13の16と17の間)、さらに部材31により4μm四方を走査する(図13の17〜32)ことを繰り返せばよい。この場合、開口部25が直径d=1μm、中心間距離Dx=Dy=8μmで320×256個設けられていれば、2.56mm×2.048mmの範囲で分解能1μmで補間計測を行うことができる。
【0068】
図12および図13に示すように、部材31の傾きθ1を所定の傾きθth以下に抑える場合、傾きθthで移動可能な所定の距離より大きくXY方向に移動させるときは、載置台16をステップ的に移動させることで補う。
【0069】
図14は、部材支持部32の一構成例を示す概略的な三面図であり、図15は部材支持部32の変形例を示す概略的な三面図である。また、図16は、回転体33の一構成例を示す概略的な平面図である。図16には、部材支持部32の載置部に対して1−16までの載置位置番号を付した。
【0070】
図14に示すように、部材支持部32は、回転体33と接する下面に幅sの段差32aを有する。回転体33の載置部にこの部材支持部32が載置されると、この段差32aにより、部材支持部32の上面が光軸に垂直な面に対してθ1傾く。この部材支持部32の上面に平行平板形の部材31を載置することにより、部材31に対する光軸の入射角はθ1となる。
【0071】
また、図15に示すように、部材支持部32は、回転体33と接する下面が傾斜するよう削り加工して構成してもよい。図15に示すような構成によっても、回転体33の載置部にこの部材支持部32が載置されると、部材支持部32の上面が光軸に垂直な面に対してθ1傾くことになる。
【0072】
図16に示すように、回転体33の載置部のうち、回転方向に沿う円周上の一部に複数の部材31を載置するとともに、この円周上の他部をZ位置関係を変更するためのスペースとしてもよい。この場合、載置位置番号1−16に載置された部材支持部32および部材31によりXY位置関係が変更されたあと、光軸と円周上の他部が交差する間にZ位置関係を変更することができる。
【0073】
また、たとえば回転方向に沿って設けられた載置位置の数に対し1つのZ位置関係におけるデータ収集に必要なXY位置関係の数が半分未満である場合、回転体33が1周する間に2箇所以上のZ位置関係のデータ収集および2度以上のZ位置関係の変更を行ってもよい。たとえば載置位置が載置位置番号1−24の24箇所であり、1つのZ位置関係におけるデータ収集に必要なXY位置関係の数が8つである場合、載置位置番号1−8および13−20に部材支持部32を載置してデータ収集用とし、載置位置番号9−12および21−24をZ位置変更用としてもよい。
【0074】
図12および図16から明らかなように、XY方向焦点位置変更部14によれば、開口部25の中心間距離がそれぞれDx=Dy=8μmであるとき、載置位置番号1−16にスポット位置番号1−16に対応する部材支持部32を載置することにより、X方向およびY方向の分解能を1μmとすることができる。このとき、載置位置番号とスポット位置番号とが一致する必要はなく、異なっていてもよい。また分解能を2μmとする場合は、たとえばスポット位置番号n=1、3、9、11に対応する部材支持部32を用いればよい。すなわち、平行平板形の部材31の傾きの組み合わせにより、分解能を容易に変更することができる。
【0075】
また、他の分解能に対応する部材支持部32の組が載置された回転体33を用意しておき、所望の分解能に応じて回転体33を交換してもよい。また、主制御部のRAMのメモリアドレスとの関連付けが行いやすいように部材支持部32を配置すれば、主制御部のCPUによる処理を容易に行うことができる。
【0076】
本実施形態において、高さ決定処理は、離散的な複数のZ位置で全ての補間位置における光検出器出力を取得した後に、最後に行われてもよい。すなわち、本実施形態に係る三次元画像取得装置10は、Z位置を固定しておいて回転体33を回転し載置台16を移動することによりXY方向に走査し(図13参照)、次にZ位置を移動して再びXY方向の走査を行うことを繰り返すことにより離散的な複数のZ位置で全ての補間位置における光検出器出力を取得してから、高さ決定処理を実行してもよい。もちろん、回転体33の載置部ごとにいったん停止してそのXY位置ごとに高さ決定処理を行ってもよい。
【0077】
本実施形態に係る三次元画像取得装置10は、対物レンズ13の被計測体15側に配設された平行平板形部材31によりスポット位置を光軸に垂直な面内方向に走査することができるとともに、部材31の傾きを所定の傾きθth以下に抑えて大きなXY方向移動は載置台16をステップ的に移動させることで補うことにより、平行平板形部材31による光学系全体の結像性能の劣化を抑えることができる。
【0078】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0079】
たとえば、XY方向焦点位置変更部14としては、一枚の平行平板形部材31のみを用い、この部材31の傾きをX軸およびY軸の2軸で制御可能に構成してもよい。このとき、各軸の駆動にはガルバノモータなどを用いるとよい。
【0080】
また、画像生成部56は、三次元形状情報を用いて被計測体15の形状画像を生成する際に、必要に応じてコントラスト調整を行ってもよい。
【0081】
また、XY方向の分解能を開口部25の直径dと同一にする場合、移動距離単位ΔxおよびΔyを直径dの半分(半径)としてもよく、この場合、画像生成部56は、重複部分の情報を用いることによりコントラストの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 三次元画像取得装置
11 光源
12 開口板
13 対物レンズ
14 XY方向焦点位置変更部
15 被計測体
16 載置台
17 光検出器群
18 載置台変位部
19 支持基台
20 情報処理装置
21 Z軸変位部(Z位置関係変更部)
22 XY軸変位部
24 偏光ビームスプリッタ
25 開口部
31 平行平板部材
33 回転体
34 駆動部
36 結像光学系
41 X軸変位機構
42 Y軸変位機構
47 開口板変位部(XY位置関係変更部)
54 高さ決定部
55 形状情報取得部
56 画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共焦点光学系を用いた三次元画像取得装置であって、
被計測体を載置する載置台と、
光源の光を通過する複数の開口部が互いに離間して2次元に配置されて設けられた開口板と、
前記複数の開口部を通過したそれぞれの光を前記被計測体側の共役点に集光するとともに、前記被計測体側共役点における反射光をそれぞれ対応する検出側共役点に集光する対物レンズと、
前記検出側共役点に集光された光の強度変化を検出可能な位置に配設された光検出器を複数有し、前記複数の光検出器のそれぞれは前記検出側共役点における光の強度に応じた信号を出力する光検出器群と、
前記対物レンズの前記被計測体側の光軸と交差するよう配設された平行平板形の部材を有し、光軸と垂直な面に対する前記平行平板形の部材の傾きを異ならせることで、前記傾きに応じて屈折作用により前記被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で変更するXY方向焦点位置変更部と、
を備え、
前記平行平板形の部材の前記傾きは、
前記対物レンズの前記被計測体側共役点に集光された光の直径が、前記対物レンズの開口数および前記光源の波長から定まるエアリーディスク直径の半分となる所定の傾き以下であることを特徴とする三次元画像取得装置。
【請求項2】
前記XY方向焦点位置変更部は、
前記対物レンズの前記被計測体側の光軸と交差するよう複数の前記平行平板形の部材が回転方向に沿って配設されるとともに前記複数の平行平板形の部材のそれぞれを光軸と垂直な面に対して前記傾きを有するよう保持する回転体と、前記回転体を回転駆動する駆動部と、を有し、光軸と交わった前記平行平板形の部材の前記傾きに応じて屈折作用により前記被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で変更する、
請求項1記載の三次元画像取得装置。
【請求項3】
前記被計測体側共役点の位置と前記被計測体の位置との光軸方向に垂直な方向の相対的な位置関係を変更するよう前記載置台を光軸方向に垂直な方向に変位させる載置台変位部、
をさらに備えた請求項1または2に記載の三次元画像取得装置。
【請求項4】
前記XY方向焦点位置変更部の前記平行平板形の部材は、
前記被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で前記所定の傾きに応じた所定の距離以下で変更し、
前記載置台変位部は、
前記所定の距離よりも大きい距離で、前記載置台を光軸方向に垂直な方向に変位させる、
請求項3記載の三次元画像取得装置。
【請求項5】
前記載置台変位部は、
前記被計測体の位置を光軸方向に変更するZ位置関係変更部を有し、
前記Z位置関係変更部および前記光検出器群を制御することにより、前記被計測体の位置を光軸方向に離散的に変更しつつ前記光検出器の信号を取得し、前記被計測体側共役点ごとに前記光検出器の信号の強度が最大となる前記被計測体の光軸方向の位置を求めてこの位置を前記被計測体の光軸方向の位置として決定する高さ決定部、
をさらに備え、
前記回転体は、回転方向に沿う円周上の一部に前記複数の平行平板形の部材が配設されるとともに等速連続回転し、
前記高さ決定部は、
前記回転体の前記円周上の他部が前記対物レンズの前記被計測体側の光軸と交差している間に前記被計測体の位置を光軸方向に変更するよう前記Z位置関係変更部を制御する、
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の三次元画像取得装置。
【請求項6】
共焦点光学系を用いて被計測体の三次元画像を取得する三次元画像取得方法であって、
互いに離間して2次元に配置されて開口板に設けられた複数の開口部のそれぞれを光源の光が通過するステップと、
前記複数の開口部を通過したそれぞれの光が対物レンズにより前記被計測体側の共役点に集光されるステップと、
前記対物レンズの前記被計測体側の光軸と交差するよう配設された平行平板形の部材の光軸と垂直な面に対する傾きを異ならせることで、前記傾きに応じて屈折作用により前記被計測体側共役点の位置を光軸方向に垂直な面内で変更するステップと、
を有し、
前記平行平板形の部材の前記傾きは、
前記対物レンズの前記被計測体側共役点に集光された光の半径が、前記対物レンズの開口数および前記光源の波長から定まるエアリーディスク半径の半分となる所定の傾き以下であることを特徴とする三次元画像取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−11492(P2013−11492A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143469(P2011−143469)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000002842)株式会社高岳製作所 (72)
【Fターム(参考)】