説明

上向流式消石灰溶解装置及びその溶解槽

【課題】消石灰の未溶物の流出を確実に防止する。
【解決手段】水槽内に、消石灰スラリー層と消石灰溶液層との界面の位置を監視する第一界面計及び第二界面計を備え、水槽に給水配管及びスラリー配管を連絡し、第一界面計及び第二界面計からの検知信号で給水配管の開閉制御及び攪拌翼の制御を行う制御装置を備え、制御装置は、水槽内を満水状態に維持しながら消石灰スラリー供給源から所定量の消石灰スラリーを投入させ、所定量の消石灰スラリー投入後に撹拌翼を回転させる制御と、上下に変動する界面の位置上昇を第一界面計が検知する信号で、給水配管の給水を減水させ、界面を維持する制御と、界面の位置が第一界面計の感知領域を越えて、第二界面計が界面の位置上昇を検知する信号で、給水配管を閉じるとともに攪拌翼を停止させ、界面を第一界面計の不検知位置まで降下させる制御とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水設備に使用されるスラリー投入方式の上向流式消石灰溶解装置及びその溶解槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水場における浄水設備での上水のpH調整用アルカリ剤として、苛性ソーダ注入法が多用されてきたが、苛性ソーダに含有されるNaが健康面で好ましくないことが判ってきたことにより、主成分のカルシウムが健康上良いとされる消石灰注入法が見直され、この注入法の水道水pH調整に伴う、水道管腐食さびによる赤水防止、ランゲリア指数(水の腐食性の判定指標)の改善性のよさから、浄水設備の一部として多く用いられるようになってきた。消石灰注入法は、スラリー化した消石灰をよく溶解して水溶液化する必要があるが、その溶解のため、重力沈降するスラリーと対向に水を上向きに供給する上向流式消石灰溶解装置が、形式として優れている。
スラリー投入方式の上向流式消石灰溶解装置では、円筒下部円錐型の水槽で構成される溶解槽底部に、消石灰スラリーを投入し、下部より水を上向流として連続して供給し、消石灰を溶解する。そして、溶解槽にて製造した消石灰溶液は、溶解槽の上部の集水装置にて回収され、後段の溶液槽などに移送される。
このように構成されるスラリー投入方式の上向流式消石灰溶解装置では、溶解槽で水溶液に寄与しなかった未溶解物がブランケット状になって漂っている、これが水流に載ると、後段の装置への消石灰の未溶物が流出することが問題となる。
【0003】
流出した消石灰の未溶物は、配管の閉塞の原因となるため、従来法では主として傾斜板による消石灰の沈降促進の流出防止措置がとられている(例えば、特許文献1参照)。
また、廃水処理工程の中和処理として廃水中に無機凝集剤を入れ、次いで消石灰を入れてpH調整を行いフロックを形成する場合に使用される、下向流式の消石灰の溶解槽において、上部のホッパから供給される消石灰粉末を消石灰溶液として調合する溶解槽にレベルスイッチである液面計を設け、溶解槽の下から溶液を注出しても、溶解槽の液面レベルを一定にする技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2565613号公報
【特許文献2】特開平06−304575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、溶解槽内に傾斜板を設けるため、溶解槽の構造が複雑になる上に、傾斜板で押さえられるという予備試験結果により、実際に未溶解物のブランケットを計測監視しておらず、その後の配管内の流れは高速となり、製造された消石灰の未溶物が含まれているかどうかを監視することができないという問題があった。
また、スラリー投入方式の上向流式消石灰溶解装置では、溶解槽内に消石灰不溶物(不純物)層、消石灰スラリー層、消石灰溶液層が形成されるため、特許文献2のように、溶解層の水位を検知する方式では、給水量や攪拌速度、スラリー濃度等によって、上下に変動する消石灰スラリー層と消石灰溶解層との界面を的確に把握することができない。
そのため、特許文献2のように、溶解槽の液面レベルを検知する方式では、やはり実際に未溶解物のブランケットを計測監視しておらず、その後の配管内の流れは高速となり、後段の装置へ消石灰の未溶物が流出する虞があった。
【0006】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、消石灰の未溶物の流出を確実に防止することが可能な上向流式消石灰溶解装置及びその溶解槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、水槽と、前記水槽中に配置される攪拌翼と、溶解槽給水制御弁を有し、前記水槽の下部側に連絡し、連続給水して前記水槽内に上向流を生成する給水配管と、前記水槽の上部側に配置され、溶液を溢水排出する集水装置と、前記水槽に連絡し、消石灰スラリー供給源から消石灰スラリーを送出停止切替可能に供給するスラリー配管と、前記スラリー配管から送出された消石灰スラリー投入後に前記水槽内に形成される消石灰スラリー層と消石灰溶液層との間の界面の位置を監視する第一界面計と、前記第一界面計より上方に位置し、前記消石灰スラリー層と前記消石灰溶液層との間の界面の位置を監視する第二界面計と、前記第一界面計及び前記第二界面計からの検知信号に基づいて前記溶解槽給水制御弁の開閉流量制御及び、前記攪拌翼のON−OFF制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記溶解槽給水制御弁を開いて前記水槽内に給水し、前記集水装置から溢水させることで前記水槽内を満水状態に維持しながら前記消石灰スラリー供給源から所定量の消石灰スラリーを供給させ、前記所定量の消石灰スラリー投入後に前記攪拌翼を回転させる制御と、給水量、攪拌速度、スラリー濃度によって上下に変動する前記界面の位置上昇を前記第一界面計が検知する信号に基づいて、前記溶解槽給水制御弁の流量を絞って前記給水配管の給水を減水させて前記界面を維持または降下させる制御と、前記界面の位置が前記第一界面計の感知領域を越えて、前記第二界面計が前記界面の位置上昇を検知する信号に基づいて、前記溶解槽給水制御弁を閉止するとともに前記攪拌翼を停止させ、前記界面を前記第一界面計の不検知位置まで降下させる制御とを実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、前記制御装置は、前記第一界面計による界面検知後、前記消石灰スラリー層の沈降(濃縮)時間を設けるため、前記溶解槽給水制御弁の開度を所定の絞り開度に所定時間絞った後に元の開度に戻す第一減水時間を設定する減水タイマーを備えていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、前記制御装置は、前記第二界面計による界面検知後、前記消石灰スラリー層の沈降(濃縮)時間を設けるため、前記溶解槽給水制御弁の開度を前記所定の絞り開度から全閉に所定時間絞った後に絞り前の元の開度に戻す第二減水時間を設定する停止時間タイマーを備えていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れか記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、前記第一界面計および前記第二界面計は、光式界面センサで構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れか記載の溶解槽を備える上向流式消石灰溶解装置であって、前記水槽内にpH計を配置して備え、前記給水配管は、給水量の積算値を計測する積算計を備え、前記制御装置は、前記所定量の消石灰スラリー投入後の前記給水配管による給水時間を計測する給水タイマーを備え、前記集水装置は、溢流水を受け入れる溶液水位計を有する溶液槽に溶液配管を介して連絡し、前記水槽は、下部側に溜まる不溶物を受け入れる不溶物槽に引抜弁を有する不溶物配管を介して連絡し、前記制御装置は、前記溶液槽の溶液水位計の検出信号に基づいて、前記集水装置からの溢流水の送出可能か否かの判断を行った後、溢流水の送出可能の場合に、前記所定量の消石灰スラリー投入完了の信号をトリガーとして前記給水配管を介して給水を開始し、給水動作の信号により前記積算計及び前記給水タイマーを始動させ、その後、前記給水量の積算値が所定値か否か、前記給水時間が所定値か否か、前記pH計による計測値がpH11以下か否かの判断を行い、前記3つの判断のいずれかを満足すると、前記引抜弁を動作させて前記不溶物槽へ前記水槽内の不溶物を移送させる制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の溶解槽を備える上向流式消石灰溶解装置において、前記制御装置は、前記3つの判断のいずれかを満足すると、前記溶解槽給水制御弁を全閉にする制御を行った後に、前記引抜弁を動作させて前記不溶物槽へ前記水槽内の不溶物を移送させる制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つの界面計により消石灰スラリー層と消石灰溶液層との界面を検知して界面を維持するように運転制御するので、傾斜板のごとき構造物を用いることなく、消石灰の未溶物の流出を確実に防止することができる。
また、傾斜板のごとき構造物を用いないので、溶解槽の構造を単純にすることができる。
また、溶解槽から消石灰の未溶物の流出を防止することができるので、透明な消石灰溶液を製造することができる。
また、溶解槽から消石灰の未溶物の流出を防止することができるので、消石灰の未溶物による配管閉塞のトラブルを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る上向流式消石灰溶解装置及びその溶解槽を示す概略説明図である。
【図2】図1の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽の操作手順を示す説明図である。
【図3】図1の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽における消石灰スラリー投入後の水槽内の状態を示す説明図である。
【図4】図1の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽における第一界面計による監視状態を示すタイムチャートである。
【図5】図1の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽における消石灰スラリーの溶解状態を示す説明図である。
【図6】図1の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽における第二界面計による監視状態を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1乃至図6は、本発明の一実施形態に係る上向流式消石灰溶解装置を、特に溶解槽10を示す。
浄水場に適用する場合、河川やダム湖などから取水された原水は、着水井に導入された後、緩速ろ過、凝集沈殿・砂ろ過、若しくは膜ろ過で濁りを生じる物質を浄水処理した後、塩素消毒された後配水池に導かれ、その後の配水設備へと処理した上水を送っていくが、この塩素消毒の入口、または出口側に、上水のpH調整用アルカリ剤として消石灰溶液を導入する。
本実施形態に係る溶解槽10は、円筒下部円錐型の水槽11を備えている。
【0014】
水槽11内には、攪拌機13によって駆動される攪拌翼12と、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置Bを検知する第一界面計14と、第一界面計14より上方に配され、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置Cを検知する第二界面計15と、水槽11内のpHを測定するpH計16と、水槽11内の消石灰溶液を溢水させて槽外に排出する集水装置17と、水槽11内の異常高水位を検知する水位計18と、水槽11内の満水位置(溢水レベルより若干下レベルにある)を検知する水位計19と、水槽11内の異常低水位を検知する水位計20とが配置されている。
【0015】
また、水槽11には、水槽11内に消石灰スラリーを投入するスラリー配管25と、水槽11内に未処理水を供給する給水配管27と、水槽11内の消石灰溶液を溶液槽31に移送する溶液配管30と、水槽11内の消石灰の不溶物(これ以上溶けない不純物)を不溶物槽35に移送する不溶物配管33とが配置されている。
【0016】
第一界面計14は、発光素子14aと受光素子14bとを対向配置して成る光式界面センサで構成されている。
【0017】
水槽11内にスラリー配管25により消石灰スラリーが投入されると、消石灰スラリーの水への溶解度の低さから水に溶けきれないスラリーが比重により水槽水中下側にブランケット状に粒状分布層として漂い、水槽11内には消石灰スラリー層Y及び消石灰溶液層Zが形成される。第一界面計14は、所定の量のスラリー投入量及び水槽11の容量からあらかじめ想定できる前記のように形成された消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の安定界面の上方に位置するように配置される。
第一界面計14は、上向流の水槽断面速や攪拌機の攪拌速度、水温などの変化によって上昇してくる消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの界面の位置を、発光素子14aと受光素子14bとで監視し、発光素子14aと受光素子14bとの間を界面が位置Bまで上昇して光を遮断すると、その変化を感知して作動するように構成されている。
【0018】
第二界面計15は、第一界面計14と同様に、発光素子15aと受光素子15bとを対向配置して成る光式界面センサで構成されている。
【0019】
第二界面計15は、上向流の水槽断面速や攪拌機の攪拌速度、水温などの変化によって第一界面計14を越えてえて上昇してくる消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの界面の位置を、発光素子15aと受光素子15bとで監視し、発光素子15aと受光素子15bとの間を消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの界面が位置Cまで上昇して光を遮断すると、その変化を感知して作動するように構成されている。
【0020】
本実施形態では、第一界面計14の設定レベルを、水深(集水装置の溢水レベルから水槽底までの深さ)の40〜55%、第二界面計15の設定レベルを、水深の45%〜60%とした。また、第一界面計14と第二界面計15との間隔は、例えば、200〜500mm程度としてある。
【0021】
先ず、第一界面計14の設定レベル(水深の40%〜55%)について説明する。
通常、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の安定界面を、例えば、水深の40%とした場合は、40%を数%下回る値(例えば、水深の35%〜39%)に設定するため、第一界面計14の設定レベルを水深の40%未満にすると、頻繁に消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面位置を位置Bとして検出することになる。そこで、安定界面より数%高い位置を下限値(例えば、水深の40%)としてある。
一方、消石灰スラリーのブランケットはスラリーの粒度や水温などにより溶解度合いが変化して、界面直上の溶液濃度が変わり、濃い場合に下流の水温変化により再結晶により析出することもあり得るので、第一界面計14の設定レベルが水深の55%を超えると、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面位置が消石灰溶液の取出口である集水装置17に近すぎることとなり、消石灰の未溶物の流出防止に支障を与えて、消石灰溶液の上水注入位置までの配管内再結晶化防止の確保が十分にできにくくなる虞がある。そこで、上限値を例えば55%としてある。
【0022】
次に、第二界面計15の設定レベル(水深の45%〜60%)について説明する。
第一界面計14は、通常の運転では、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面位置Bを確実に検知し、界面位置が位置Bより下レベルの維持を図ることができるように機能する。
しかし、給水量や攪拌翼12による回転数の変化などによって、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面位置が位置Bを乗り越えることがあるので、その場合の消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面位置を確実に検知し、消石灰溶液の上水注入位置までの不凝固性の確保を行うとともに、未溶物の流出防止を図る必要がある。
【0023】
そこで、第二界面計15は、第一界面計14を乗り越えてくる消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置Cを検知することによって、消石灰溶液の上水注入位置までの不凝固性の確保を行うとともに、未溶物の流出防止の観点から設定された。
従って、第二界面計15の設定レベルの下限値は、第一界面計14より上方にあることが求められる。その位置は、例えば、200〜500mm程度が望ましい。
そこで、第二界面計15の設定レベルの下限値を水深の45%とした。
【0024】
次に、第二界面計15の設定レベルの上限値について説明する。
溶解槽10の容量は、消石灰の上昇速度から表面積を計算する。
上昇速度は、0.2mm/sec以下である。
消石灰の未溶物の流出を抑制するためには、消石灰溶液層(安定界面または1次警戒レベル界面より上部)に十分な容量(給水時間2時間分程度の量)を考慮する必要がある。本実施形態では、2時間程度貯留することができるように水槽11の容量を確保してある。
例えば、水槽11の水深を4.0m〜4.5mとした場合、第二界面計15から集水装置17までの距離を1.6m〜1.8mとすると、約2.2時間〜2.5時間の容量がある。
そこで、第二界面計15の設定レベルの上限値を水深の60%とした。
【0025】
pH計16は、水槽11内の消石灰溶液のpH値を計測する。通常、消石灰溶液はpH12〜13である。従って、pH12を下回るpH11以下では、消石灰溶液のアルカリ度が不十分であると判断される。そこで、pH値は、水槽11内の下部に漂う消石灰スラリーとして残っているものの不溶物の割合が増加し、所定の濃度の消石灰溶液が作製できないことを示唆し、そのため、再度水槽11中の水を入れ替えてフレッシュな消石灰スラリーによる水溶液生成工程への移行時期を判断する要素として用いられる。
スラリー配管25は、スラリー投入弁26を有し、図示しない消石灰スラリー製造装置に連絡し、消石灰スラリー製造装置から送られる消石灰スラリーを水槽11内に投入する。なお、消石灰スラリー製造装置は、消石灰スラリーを製造し、水槽11内に投入できるものであれば良く、特に限定するものではない。
【0026】
給水配管27は、給水積算計28と溶解槽給水制御弁29を有し、図示しない給水源に連絡し、給水源から送られてくる未処理水を水槽11の下部側から水槽11内に上向流を生成するように連続して給水する。なお、給水源は、通常の浄水場における浄水処理(例えば、緩速ろ過、凝集沈殿・砂ろ過、膜ろ過など)又は浄水処理後に塩素消毒を施す設備であれば良く、特に限定するものではない。
溶液槽31には、消石灰溶液の水位のHiレベルを検出する感知部32aとLowレベルを検出する感知部32bとを有する水位計32が配置されている。溶液槽31は、通常の浄水場と同様に、図示しない溶液ポンプによって、下流側へ消石灰溶液を移送する。
ここで、溶液槽31から供給される消石灰溶液は、消石灰が再結晶により析出することのない溶液であり、この消石灰溶液を混合する配水設備へ送られる処理水の、濁りの度合いを示す単位である濁度(例えば、JIS K 0101(工業用水試験法)で規定される)は、水道水質基準で規定されている濁度2度以下であることは言うまでもない。
【0027】
不溶物槽35は、不溶物引抜弁34を有する。不溶物槽35には、消石灰の不溶物の水位のHiレベルを検出する感知部36aとLowレベルを検出する感知部36bとを有する水位計36が配置されている。不溶物槽35は、通常の浄水場と同様に、図示しない不溶物引抜ポンプによって下流側の沈降槽へ消石灰の不溶物を移送する。
攪拌機13、第一界面計14、第二界面計15、pH計16、水位計18〜20、スラリー投入弁26、給水積算計28、溶解槽給水制御弁29、水位計32、不溶物引抜弁34及び水位計36は、制御装置40に連絡している。
制御装置40は、第一界面計14、第二界面計15、pH計16、給水積算計28、水位計32、36からの検知信号及び内部の減水タイマー、停止時間タイマー及び給水時間タイマーに基づいて、スラリー投入弁26、溶解槽給水制御弁29、不溶物引抜弁34の開閉制御及び攪拌機13のON−OFF制御を行う。
【0028】
次に、図1乃至図6に基づいて、本実施形態に係る上向流式消石灰溶解装置の溶解槽10の作用を説明する。
先ず、溶解槽10の運転指令が出されると、図1、図2のステップ(1)に示すように、制御装置40は、攪拌機13を停止させた状態で、給水源からの不処理水を水槽11内へ送るように給水配管27の溶解槽給水制御弁29を開放する指令を出力する。給水源からの不処理水は、例えば、給水量Q1(5m3/h)として水槽11の下部から流入し、上向流となって水槽11内の集水装置17方向へ上昇する。
次に、制御装置40は、水位計19の感知部19aからの検知信号によって、水槽11内が満水になったことを確認し、給水を停止する。
【0029】
次に、制御装置40は、図1、図2のステップ(2)に示すように、溶液槽31の水位計32の感知部32a,32bからの検知信号に基づいて、溶液槽31内の水位が規定値以下か否かの判断を行い、溶液槽31内の水位が規定値以下の場合は、水槽11内の溶液を溶液槽31へ搬出することができると判断する。
逆に、溶液槽31の水位計32の感知部32a,32bからの検知信号に基づいて、溶液槽31内の水位が規定値を超えた場合には、水槽11内の溶液を溶液槽31へ移送することができないと判断し、溶液槽31の水位が規定値以下になるまで、給水配管27の溶解槽給水制御弁29を閉じて水槽11内への給水を停止する。
【0030】
次に、制御装置40は、溶液槽31内の水位が規定値以下と判断すると、続いて、給水配管27の給水積算計28の積算値が設定値以上か否かの判断と、制御装置40内の給水時間タイマーによる累積時間が設定値以上か否かの判断と、pH計16からの計測値がpH11以下か否かの判断とを行う。
次に、制御装置40は、3つの判断の何れもNOの場合には、水槽11内に溶液が満ち、水位計19の感知部19aが溶液を検知するまで待機し、その後は水槽11内にある消石灰スラリーブランケットは十分に消石灰溶液に供することができるとして、後述の図2のステップ(5)へ飛ぶこととなる。
【0031】
次に、制御装置40は、3つの判断の何れかがYESの場合には、図1、図2のステップ(3)に示すように、不溶物槽35内の水位計36の感知部36a,36bが消石灰の不溶物の水位が設定値以下か否かの判断を行い、不溶物槽35内の消石灰の不溶物の水位が低位設定値(つまり感知部36bの位置)以下の場合には、不溶物配管33の不溶物引抜弁34を開き、水槽11内の消石灰の不溶物を不溶物配管33を介して不溶物槽35内に不溶物槽35の水位が高位設定値(つまり感知部36aの位置)になるまで引き抜く指令、つまり不溶物引抜弁34の開放指令を出力しつづけ、高位設定値になると不溶物引抜弁34を閉止する指令を出す。
逆に、制御装置40は、不溶物槽35内の水位計36の感知部36aが不溶物の水位が高位設定値以上であることを検知すると、図示しない不溶物排出機構を駆動させて、不溶物槽35内の不溶物を排出させ、不溶物槽35の水位が低位設定値になったことを水位計36の感知部36bが感知した後、不溶物配管33の不溶物引抜弁34を開く指令を出す。
【0032】
次に、図2のステップ(3)の処理によって、水槽11内は消石灰の不溶物の引き抜きによって水位が一時的に低下する。ここで、不溶物槽35の高位設定値と低位設定値との間の容積は、不溶物は導入した消石灰スラリーの溶けなかった量なので、後述の消石灰スラリー投入量合計よりも小さく設定することが好適である。
次に、制御装置40は、図1、図2のステップ(4)、図3、図4に示すように、スラリー配管25のスラリー投入弁26を開く指令を出力し、スラリー供給源から所定量の消石灰スラリーが水槽11内に徐々に投入される。水槽11内に消石灰スラリーが投入されると、水槽11内では、例えば、図3に示すように、下部側に消石灰スラリーSがブランケットとして漂って溜まり、水槽11内の溶液との間に界面を、位置Aとして形成し始める。
【0033】
そして、消石灰スラリーの投入を続けることによって、水槽11内の水位は上がり、最終的には消石灰の不溶物を引き抜いた量以上になるので、水槽11内の水位は水位計19の感知部19aの位置以上になる。水位計19の感知部19a以上に達した消石灰溶液層Zの溶液は、集水装置17から溢水することで集水されて溶液配管30を介して溶液槽31へ送られる。
次に、制御装置40は、図示しないスラリー供給源からの消石灰スラリー投入完了の信号を受けるとこの信号をトリガーとして、図1、図2のステップ(5)、図3、図4に示すように、給水配管27の溶解槽給水制御弁29を開く指令を出力して水槽11内への給水を行いながら、攪拌装置13を駆動する指令を出力して攪拌翼12を回転させる。
ここで、溶解槽給水制御弁29の開放指令信号を、給水配管27の給水積算計28の積算開始、及び、制御装置40内の給水時間タイマーによる累積時間の開始信号として入力する。
次いで、下部側からの給水と攪拌翼12による回転とによって消石灰スラリーSは、上向流に乗って水槽11内の水平方向へ広範囲に分散し、例えば、図3に示すように、水槽11内には、消石灰スラリー層Yがブランケット状に形成され、その上方に消石灰溶液層Zが形成される。
【0034】
次に、図1、図2のステップ(6)、図3、図4に示すように、第一界面計14は、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置Bの位置を、発光素子14aと受光素子14bとで監視し、発光素子14aと受光素子14bとの間を消石灰スラリー層Yと消石灰溶解層Zとの間の界面の位置Bが遮断した(界面の位置が位置Bまで上昇した)ことを検知すると、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面が位置Bまで上昇したことを制御装置40へ出力する。
制御装置40は、例えば、図4に示すように、第一界面計14による界面上限(H)=界面の位置Bを検知すると、給水配管27の溶解槽給水制御弁29の開度を絞る指令を出力する。そして、制御装置40は、第一界面計14による界面上限(H)=界面の位置Bを検知しなくなった時に内部の減水タイマーをONする。減水タイマーは、例えば、30分間(これを第一減水時間Aという)は給水量Q2(例えば、1.5m3/h)を保持し、その後に、給水量をQ2(例えば、1.5m3/h)からQ1(例えば、5m3/h)に比例的に戻させる時間を、例えば、17分(これを第一減水時間Bという)と設定されている。第一減水時間は、第一減水時間Aと第一減水時間Bを加えた時間をいう。ただし、第一減水時間Aが経過した後、制御装置40は、第一界面計14による界面上限(H)=界面の位置Bを検知してしまった際には、再度給水配管27の溶解槽給水制御弁29の開度を絞る指令を出力し、減水タイマーをOFFして再度の第一界面計14による界面上限(H)=界面の位置Bを検知しなくなる時を待つ。
【0035】
給水量の低減によって、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面が位置Bまで低下する。第一界面計14では、低下してくる界面上限(H)=界面の位置Bを、第一界面計14の発光素子14aと受光素子14bとで検知する。
次に、図2のステップ(7)、図5、図6は、給水量をQ1(例えば、5m3/h)からQ2(例えば、1.5m3/h)に下げても、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面が位置Bよりも下がらず、逆に界面が上昇を続けた場合を示す。
この現象は、消石灰溶液層Zの消石灰の沈降速度が、給水と攪拌翼12の回転とによって広範囲に分散する消石灰の上昇速度より小さいため、上述のように給水量を低減しても直ちに消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面が位置Bまで下がらないことに起因する。
【0036】
消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置が上昇して、第一界面計14よりも上方に位置する第二界面計15の発光素子15aと受光素子15bとの間を消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面より下のスラリーが遮断した(界面が位置Cまで上昇した)ことを第二界面計15が検知すると、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面が位置Cまで上昇したことを制御装置40へ出力する。
制御装置40は、例えば、図6に示すように、第二界面計15による界面上上限(HH)=界面の位置Cを検知すると、給水配管27の溶解槽給水制御弁29の開度を閉止する指令、つまり、給水量をQ2(例えば、1.5m3/h)から0m3/hに下げる指令を出力するとともに、攪拌機13を停止させる指令を出力する。
【0037】
そして、制御装置40は、内部の停止時間タイマーをONする。停止時間タイマーは、例えば、給水量0m3/hを30分間(これを第二減水時間Aという)保持し、その後に給水量を0m3/hからQ1(例えば、5m3/h)に比例的に戻させる時間を、例えば、25分(これを第二減水時間Bという)と設定されている。第二減水時間は、第二減水時間Aと第二減水時間Bとを加えた時間をいう。ただし、第二減水時間Aが経過した後、制御装置40は、第二界面計15による界面上限(HH)=界面の位置Cを検知してしまった際には、再度給水配管27の溶解槽給水制御弁29を閉止する指令を出力し、停止時間タイマーを再度ONして第二減水時間Aのカウントを開始する。
次に、通常であれば、この30分間の給水量の停止によって、水槽11内の消石灰溶液の水位が低下し、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置は、第二界面計15による界面上上限(HH)=界面の位置Cから第一界面計14による界面上限(H)=界面の位置Bの位置まで降下する。即ち、図2のステップ(6)の状態に戻る。
【0038】
そして、制御装置40は、図2のステップ(6)の状態になったことを、第二界面計15による界面上限(HH)=界面の位置Cを検知しなくなったことで判断し、第二減水時間Bに移行して給水量を0m3/hからQ1(例えば、5m3/h)に比例的に戻させる指令を、溶解槽給水制御弁29へ出力するとともに、攪拌機13を回転させる指令を出力する。
次に、図2のステップ(2)に準じて、給水配管27の給水積算計28の積算値が設定値以上か否かの判断と、制御装置40内の給水時間タイマーによる累積時間が設定値以上か否かの判断と、pH計16からの計測値がpH11以下か否かの判断とを行う。
【0039】
次に、制御装置40は、3つの判断の何れもNOの場合には、溶解工程を継続する。
次に、制御装置40は、3つの判断の何れかがYESの場合には、図2のステップ(3)移行の処理を実行する。
【0040】
以上のように、本実施形態に係る溶解槽10によれば、給水量や攪拌速度、スラリー濃度等によって上下に変動する、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間に形成される界面の位置を、第一界面計14で位置Bに有るかどうか、第二界面計15で位置Cに有るかどうかを監視することによって、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間の界面の位置B或いは位置Cまでの上昇を検知し、水槽11への給水、攪拌機13のON−OFF制御を行い、溶液槽31への消石灰の未溶物の流出を防止することができる。
【0041】
また、第一界面計14及び第二界面計15の作動後には、タイマーにて消石灰スラリー層Yの沈降(濃縮)時間を設け、沈降(界面低下)後に水槽11への給水を再開するので、消石灰スラリー層Yと消石灰溶液層Zとの間に形成される界面の位置B、界面の位置Cの位置制御が確実にできる。
また、第一界面計14及び第二界面計15にて溶解槽10を制御することによって、溶液層31への消石灰の未溶物の流出を防止し、かつ透明な消石灰溶液を製造することが可能になる。
また、第一界面計14及び第二界面計15を用い、溶液槽31への消石灰の未溶物の流出を防止することで、消石灰未溶物を90%以上の高い溶解率でかつ高い純度の消石灰溶液にし、消石灰未溶物として系外への流出を防止することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、集水装置17の下流側に溶液槽31を設け、逸流水の供給を溶液層31の水位に基づいて行うように制御する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、逸流水を連続的に受け入れることが可能な設備の場合には、逸流水を常時送り出すことができるので、溶解槽10の運転を溶液槽31の水位と連動させる必要はない。
【符号の説明】
【0043】
10 上向流式消石灰溶解装置の溶解槽
11 水槽
12 攪拌翼
13 攪拌機
14 第一界面計
14a、15a 発光素子
14b、15b 受光素子
15 第二界面計
16 pH計
17 集水装置
19 水位計
25 スラリー配管
27 給水配管
28 給水積算計
29 溶解槽給水制御弁
31 溶液槽
35 不溶物槽
40 制御装置
A、B、C 界面の位置
S 消石灰スラリー
Y 消石灰スラリー層
Z 消石灰溶液層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
前記水槽中に配置される攪拌翼と、
溶解槽給水制御弁を有し、前記水槽の下部側に連絡し、連続給水して前記水槽内に上向流を生成する給水配管と、
前記水槽の上部側に配置され、溶液を溢水排出する集水装置と、
前記水槽に連絡し、消石灰スラリー供給源から消石灰スラリーを送出停止切替可能に供給するスラリー配管と、
前記スラリー配管から送出された消石灰スラリー投入後に前記水槽内に形成される消石灰スラリー層と消石灰溶液層との間の界面の位置を監視する第一界面計と、
前記第一界面計より上方に位置し、前記消石灰スラリー層と前記消石灰溶液層との間の界面の位置を監視する第二界面計と、
前記第一界面計及び前記第二界面計からの検知信号に基づいて前記溶解槽給水制御弁の開閉流量制御及び、前記攪拌翼のON−OFF制御を行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記溶解槽給水制御弁を開いて前記水槽内に給水し、前記集水装置から溢水させることで前記水槽内を満水状態に維持しながら前記消石灰スラリー供給源から所定量の消石灰スラリーを供給させ、前記所定量の消石灰スラリー投入後に前記攪拌翼を回転させる制御と、
給水量、攪拌速度、スラリー濃度によって上下に変動する前記界面の位置上昇を前記第一界面計が検知する信号に基づいて、前記溶解槽給水制御弁の流量を絞って前記給水配管の給水を減水させて前記界面を維持または降下させる制御と、
前記界面の位置が前記第一界面計の感知領域を越えて、前記第二界面計が前記界面の位置上昇を検知する信号に基づいて、前記溶解槽給水制御弁を閉止するとともに前記攪拌翼を停止させ、前記界面を前記第一界面計の不検知位置まで降下させる制御とを実行する
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置の溶解槽。
【請求項2】
請求項1記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、
前記制御装置は、前記第一界面計による界面検知後、前記消石灰スラリー層の沈降(濃縮)時間を設けるため、前記溶解槽給水制御弁の開度を所定の絞り開度に所定時間絞った後に元の開度に戻す第一減水時間を設定する減水タイマーを備えている
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置の溶解槽。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、
前記制御装置は、前記第二界面計による界面検知後、前記消石灰スラリー層の沈降(濃縮)時間を設けるため、前記溶解槽給水制御弁の開度を前記所定の絞り開度から全閉に所定時間絞った後に絞り前の元の開度に戻す第二減水時間を設定する停止時間タイマーを備えている
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置の溶解槽。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか記載の上向流式消石灰溶解装置の溶解槽において、
前記第一界面計および前記第二界面計は、光式界面センサで構成されている
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置の溶解槽。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか記載の溶解槽を備える上向流式消石灰溶解装置であって、
前記水槽内にpH計を配置して備え、
前記給水配管は、給水量の積算値を計測する積算計を備え、
前記制御装置は、前記所定量の消石灰スラリー投入後の前記給水配管による給水時間を計測する給水タイマーを備え、
前記集水装置は、溢流水を受け入れる溶液水位計を有する溶液槽に溶液配管を介して連絡し、
前記水槽は、下部側に溜まる不溶物を受け入れる不溶物槽に引抜弁を有する不溶物配管を介して連絡し、
前記制御装置は、
前記溶液槽の溶液水位計の検出信号に基づいて、前記集水装置からの溢流水の送出可能か否かの判断を行った後、溢流水の送出可能の場合に、前記所定量の消石灰スラリー投入完了の信号をトリガーとして前記給水配管を介して給水を開始し、給水動作の信号により前記積算計及び前記給水タイマーを始動させ、その後、前記給水量の積算値が所定値か否か、前記給水時間が所定値か否か、前記pH計による計測値がpH11以下か否かの判断を行い、前記3つの判断のいずれかを満足すると、前記引抜弁を動作させて前記不溶物槽へ前記水槽内の不溶物を移送させる制御を行う
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置。
【請求項6】
請求項5に記載の溶解槽を備える上向流式消石灰溶解装置において、
前記制御装置は、
前記3つの判断のいずれかを満足すると、前記溶解槽給水制御弁を全閉にする制御を行った後に、前記引抜弁を動作させて前記不溶物槽へ前記水槽内の不溶物を移送させる制御を行う
ことを特徴とする上向流式消石灰溶解装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−107062(P2013−107062A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256213(P2011−256213)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】