説明

下半身強化ボード

【課題】誰でも、どこでも小スペースで手軽に運動をすることができる器具を提供する。
【解決手段】下半身強化ボード1は、段部として形成する足乗せ部2、2´、3、3´、滑り止め部4、4´、側面5から構成される。傾斜のある足乗せ部2、2´、3、3´に足を乗せ、足踏み運動、屈伸運動などをすることで平らな部分で運動をするよりも足裏、足首周辺の筋肉、ふくらはぎ、脛、股関節、太もも、腰などの筋肉や関節に負荷をかけることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボードの上に足を乗せ、足踏みや屈伸運動、素振り練習、チューブトレーニングをすることにより下半身を強化化できるボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
青竹踏み、O脚を予防するなどの健康器具があったが、傾斜角度が単調のため多様な運動をすることができなかった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実願2001−5955号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、さまざまな角度で足の運動をすることができる器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明の下半身強化ボードは、略長方形の形をした底面と、アーチ様の形をした側面と、段部を有する上面と、から形成されることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の本発明の下半身強化ボードは、傾斜角度の異なる段部を複数有する上面であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の本発明の下半身強化ボードは、側面或いは上面に孔を形成し、チューブを取り付けることができることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明の下半身強化ボードは、木又は柔軟性のあるゴム、発泡素材、低反発素材などで形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明の下半身強化ボードは、ボードのさまざまな部位に足裏を乗せて足踏みや昇降運動をすることで、平らな所で足踏みをするより足裏、膝、脛、各関節などの下半身に負荷がかかるように形成されている。例えばボードの上にV字に足を乗せた場合と逆V字に足を乗せた場合では負荷がかかる部位が異なり、また、足の指側を乗せた場合とかかと側を乗せた場合でも負荷がかかる部位が異なる。足の開き方や乗せる角度により体のいろいろな部位に緊張と負荷をかけることができ、まんべんなく足裏から足首周辺の筋肉、脛、ふくらはぎ、太もも、股関節などの各筋肉や関節をストレッチができるという優れた効果を発揮する。
【0010】
また、足を乗せる部分の上部がアーチ様になっていることで、平らな所に立った場合と比較して足にかかる圧力が高くなり、アーチ部に足を乗せるだけで下半身に体重以上の負荷をかけた運動ができ、下半身強化につながるという優れた効果を発揮する。
【0011】
請求項2に記載の本発明の下半身強化ボードは、足を乗せる位置の傾斜角度を変えることで足を乗せた時の足首の角度が異なるように形成されている。軽く足首を曲げ体を支えるように立った場合は、下半身にかかる負荷が小さくなり、強く足首を曲げ体を支えるように立った場合は体にかかる負荷が大きくなる。足を乗せる位置の傾斜角度により足首の曲がる角度が異なることで、おのずと下半身の筋肉の運動量も異なり、一つの器具で負荷の異なる運動ができるという優れた効果を発揮する。
【0012】
また、足を乗せる位置をさまざまなバリエーションで置くことにより、足首周辺の筋肉を始めふくらはぎ、脛、膝、太もも、股関節、腰部などさまざまな部位の筋肉及び関節の可動域を広げ、怪我の予防につながるという優れた効果を発揮する。
【0013】
請求項3に記載の本発明の下半身強化ボードは、側面或いは上面に孔を形成することでチューブを取り付けてトレーニングをすることができる。また、足を斜めにした状態で立つことにより、外に逃げる力を抑え無駄のない動きでチューブを使ったトレーニングができるという優れた効果を発揮する。
【0014】
請求項4に記載の本発明の下半身強化ボードは、木、ゴム、発泡素材、低反発素材など素材の硬さを変えることによりさまざまなトレーニングや製品に応用することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明の下半身強化ボードの斜視図である。
【図2】 本発明の下半身強化ボードの平面図である。
【図3】 本発明の下半身強化ボードの側面図である。
【図4】 本発明の下半身強化ボードの正面図である。
【図5】 本発明の下半身強化ボードの第2の実施例である。
【図6】 本発明の下半身強化ボードの底面図である。
【図7】 本発明の下半身強化ボードの使用例である。
【図8】 本発明の下半身強化ボードの使用例である。
【図9】 本発明の下半身強化ボードの第2の実施例の使用例である。
【図10】 本発明の下半身強化ボードの第3の実施例として、側面に孔を形成し、チューブを差し込んでいる図である。
【図11】 本発明の下半身強化ボードの第3の実施例でトレーニングをしている図である。
【図12】 本発明の下半身強化ボードの第4の実施例でトレーニングをしている図である。
【図13】 本発明の下半身強化ボードの第2の実施例にチューブを取り付けてスイング練習をしている図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示す実施形態図1〜13に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、下半身強化ボードの一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明の下半身強化ボード1の斜視図である。段部として形成する足乗せ部2、2´、3、3´、滑り止め部4、4´、側面5から構成される。傾斜のある足乗せ部2、2´、3、3´に足を乗せ、足踏み運動、屈伸運動などをすることで平らな部分で運動をするよりも足裏、足首周辺の筋肉、ふくらはぎ、脛、股関節、太もも、腰などの筋肉や関節に負荷をかけることができる。これは、平坦地を歩くより傾斜地を歩くほうが下半身に負荷をかけることができることと同様の原理である。
【0019】
図2は、本発明の下半身強化ボード1の平面図である。足を乗せる順番を、例えば、左足を足乗せ部2に乗せ、次に右足を足乗せ部2´、次に左足を足乗せ部3、次に右足を足乗せ部3´というように順番に繰り返すことで、傾斜角度の異なる斜面を歩くことと同様の代謝効果が期待できる。また、滑り止め部4、4´は傾斜のある足乗せ部2、2´、3、3´に足を乗せた時に足が滑っても滑り止めとなるように形成する。
【0020】
図3は、本発明の下半身強化ボード1の側面図である。側面5、アーチ部a、底面部bから構成される。アーチ部aは足乗せ部2、2´、3、3´に足を乗せた時に足裏との接触面積が小さくなるように半円状に形成し、底面部bは下半身強化ボード1を平地に置いた時に安定するように平らに形成する。アーチ部aのアールの角度が小さいほど足乗せ部2、2´、3、3´と足裏との接触面積が小さくなる。アーチ部aと足裏の接触面積が小さいほど、小さな面積で体重を支えなければならず、足裏にかかる圧力が強くなる。よって、アーチ部aのアールの角度が小さいほど下半身にかかる負荷が大きくなり、下半身の運動量も大きくなる。
【0021】
逆にアーチ部aのアールの角度が大きいほどアーチ部aと足裏との接触面積が大きくなり、足裏で支える体重の単位面積当たりの圧力が低くなる。よって、アールの角度が大きいほど下半身にかかる負荷が小さくなる。足裏にかかる圧力の調整をするためにアーチ部aのアールの角度を大きくする、小さくするなどの加減をして形成することができる。
【0022】
図4は、本発明の下半身強化ボード1の正面図である。足乗せ部2、2′、3、3′、滑り止め部4、4′、側面5、アーチ部a、底面bから構成される。足乗せ部2、2´、3、3´の傾斜角度は側面5の高さと滑り止め部4、4´の高低差を加減することで傾斜角度に緩急をつけて形成することができる。傾斜角度が大きいほど、下半身に体重が乗り足裏にかかる負荷が大きくなる。逆に傾斜角度が小さいほど負荷が小さくなる。これは、傾斜角度の大きい道を歩く時と、傾斜角度が小さい道を歩く時では下半身にかかる負荷が異なることと同様の原理である。
【0023】
また、足乗せ部2と3′の傾斜は並行に形成することと、足乗せ部2′と3の傾斜も並行に形成することが肝要である。なぜならば、足乗せ部2と3′に足を乗せると、同じ高さに足が位置し体の軸を保った状態でバランス良く傾斜トレーニングができるからである。例えば、平面的な傾斜に乗りスイングのトレーニングをしようとすると足の位置に高低差ができ、体の重心が崩れた状態でトレーニングをすることになり効果的なトレーニングができない。これを解消するために、足を同じ高さに位置させながら、傾斜を並行に形成することで、重心が安定し左右のバランスがとれた状態で軸足を強化しながら傾斜トレーニングをすることができる。
【0024】
図5は、本発明の下半身強化ボード1の第2の実施例6の正面図である。足乗せ部7、7´、滑り止め部8、側面9、アーチ部c、底面dから構成される。足乗せ部7と7´は、傾斜角度が異なる。例えば7は傾斜角度を小さく、7´は傾斜角度を大きく形成する。傾斜角度が大きいほど足裏にかかる負荷が大きくなり、傾斜角度が小さいほど足裏にかかる負荷が小さくなる。足乗せ部7と7´のように異なった傾斜角度を形成することで一つの器具でさまざまな負荷をかける運動ができる。
【0025】
例えば、左右の足乗せ部7´にそれぞれ足を乗せ、踵を床につけてただ立っているだけでも足裏、ふくらはぎ、脛、膝、股関節、腰、背中等が伸ばされストレッチ的なトレーニングができる。また、それぞれの足乗せ部7に両足の土踏まずを乗せ、ぐらつきながら不安定な状態で立つことで、普段使われない筋肉を運動させることができ、体のバランスを強化させることができる。ストレッチや普段使われない筋肉を運動させることで、徐々に筋肉や関節の可動域が広がり怪我の予防にもつながる。
【0026】
例えば、トレーニング例としては、足乗せ部7に乗り野球やテニスの素振り練習をすることもでき、足乗せ部7´に乗りゴルフの素振り練習をすることもできる。平地で素振り練習をするよりも下半身に大きく体重を乗せたトレーニングができ、下半身主導のスイングフォームを体得することができる。このようにスポーツの素振り練習用としても利用が可能である。
【0027】
図6は、本発明の下半身強化ボードの底面図である。滑り止め10から構成される。本発明の下半身強化ボードを形成する素材が木の場合は滑り止め10を取り付ける。また、全体をゴムなどの滑らない素材で形成する場合は、滑り止め10は必要としない。
【0028】
図7は、本発明の下半身強化ボードの使用例である。足を乗せる順番を、例えば、左足を足乗せ部2′に乗せ、次に右足を2乗せる。次に左足を足乗せ部3′に乗せ、次に右足を3に乗せる、というように角度の異なる傾斜面に乗る運動を順番に繰り返すことで、足首周辺の筋肉や関節、ふくらはぎ、脛、膝、股関節など下半身に負荷をかけ強化することができる。また、図7のように踵を足乗せ部2、2′に乗せ、指先側を床につけ静止した場合は、足首、脛、太股の前面と側面に負荷がかかるようになってくる。
【0029】
また、左足を足乗せ部3′に乗せ、右足を2に乗せた場合は、足乗せ部2に乗せたほうの右足が軸足となり体の軸が強化されてくる。逆に左足を足乗せ部2′に乗せ、右足を足乗せ部3に乗せた場合は、足乗せ部2′に乗せた右足のほうが軸足となり軸が強化されてくる。左右交互に行うことで体のバランスが強化さ安定した体の軸ができてくる。
【0030】
図8は、本発明の下半身強化ボードの使用例である。段部となる足乗せ部3、3´に両足の踵を乗せ、指先側を床につけた場合は、足が内股になるために足首、脛、太股の内側の筋肉に自然に負荷がかかるようになる。また、上面がアーチ状になっていることで下からの圧力が大きくなり、自分の体重を使って体重以上の負荷を下半身にかけることができる。さらに、両足が内股になることで足首が少し捻じられた格好となり足が身動きできずに足乗せ部3、3′に固定された状態となる。これにより外側に逃げる力を抑制し、無駄な動きをなくした効率のよい状態で運動をすることができる。
【0031】
また、段部となる足乗せ部2、2´、3、3´の高さ及び傾斜角度は、大きくするほど下半身だけではなく、上半身の筋肉にまで負荷をかけることができ、高さ、傾斜角度は年齢、使用者等の対象により様々な角度で形成することができる。
【0032】
図9は、本発明の下半身強化ボードの第2の実施例の使用例である。足指側を足乗せ部7に乗せる運動例▲1▼、足のかかと側を足乗せ部7に乗せる運動例▲2▼、足の土踏まずを足乗せ部7に乗せる運動例▲3▼、側面の第2の実施例9から構成される。アーチ部cは、足裏にかかる圧力を高めるために足乗せ部7に形成するものである。足裏に圧力が高くかかることで、自分の体重以上の体重が下半身に乗り、体重が乗った分だけ負荷の大きな運動ができ、平らな場所で運動をするよりもはるかに筋肉、関節等の運動量が大きくなる。また、側面9のアーチ部cのアールの角度は運動の内容により加減することができ、負荷を大きくしたい場合はアーチ部cのアールの角度を小さくし、負荷を小さくしたい場合はアーチ部cのアールの角度を大きくすることができる。
【0033】
足の指先側を乗せる運動例▲1▼は、下半身強化ボード6の足乗せ部7に足を乗せ静止した場合、足首周辺の筋肉やアキレス腱、ふくらはぎ等下半身の後面側の筋肉や腱を伸ばす運動をすることができる。また足のかかと側を乗せる運動例▲2▼は、足乗せ部7にかかとを乗せ静止することで、足首を中心に足の前面側の筋肉や腱を伸ばして負荷をかける運動をすることができる。また足の土踏まずを乗せる運動例▲3▼は、土踏まずを中心に足の裏全体を下半身強化ボード6に乗せ、バランスを取りながら足踏みをすることで、体幹部周辺の筋肉に負荷をかけることができ、バランスのとれた安定した体をつくることができる。足を乗せる位置を選ぶことで、足首の角度が異なり、足首の角度が異なることで下半身のさまざまな部位に負荷をかけ鍛えることができるのが本発明の下半身強化ボードの特徴である。また、アーチ部cを形成することにより、足裏を刺激することができ、血流を促進させ、むくみや腰痛、肩コリなどを軽減することもできる。
【0034】
図10は、本発明の下半身強化ボードの側面に孔を形成し、チューブを差し込んでいる図である。チューブ固定具11、小さな孔12、大きな孔13、チューブ14から構成される。孔を形成する位置は、側面、上面、又は底面などに形成することができ、簡単にチューブを取り付けることで、チューブを使ったトレーニングができるようになる。また、チューブを取り付ける方法は、本発明の下半身強化ボードの側面にヒートン様の留め具を取り付けてフック付きのチューブで固定することも可能である。
【0035】
図11は、本発明の下半身強化ボードの第3の実施例でトレーニングをしている図である。下半身強化ボード1、チューブ10から構成される。下半身強化ボードの上に乗ることで足が内股になり、外に逃げる力を抑制することができる。図11のようにチューブ10を横に引っ張ったまま体を横に捻じるなどの多彩な運動をすることができ、外に逃げる力が少ないことで効率的に下半身及び上半身を鍛えることができる。
【0036】
図12は、本発明の下半身強化ボードの第4の実施例でトレーニングをしている図である。図11の場合下半身強化ボードの両端にチューブを取り付けているが、図12の場合、下半身強化ボードの真ん中にチューブを取り付けている。真ん中にチューブを取り付けることで、体の軸を真っ直ぐに安定させながらトレーニングができるようになる。
【0037】
図13は、本発明の下半身強化ボードの第2の実施例にチューブを取り付けてスイング練習をしている図である。内側に傾斜した部分に足を乗せることで、必然的に足が内股状態になり股関節が外に開くことを抑え、股関節が締まることで体が開かず、軸足を安定させたスイング練習ができる。さらに、チューブを腕に巻きつけてバットを持ちスイング練習をすることで、脇を締めたスイング練習が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
少ないスペースで誰でも、どこでも全身運動ができることで、ゆるんだ筋肉を引きしめ、体力増強、怪我防止、腰痛、肩こりの軽減などができ、健康な体を維持することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 下半身強化ボード
2、2´、3、3´、7、7´ 足乗せ部
4、4´、8 滑り止め部
5、9 側面
6 下半身強化ボード第2の実施例
10 滑り止め
11 チューブ固定具
12 小さな孔
13 大きな孔
14 チューブ
a、c アーチ部
b 底面部
▲1▼、▲2▼、▲3▼ 足裏を使った運動例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形の形をした底面と、
アーチ様の形をした側面と、
段部を有する上面と、
から形成されることを特徴とする下半身強化ボード。
【請求項2】
傾斜角度の異なる段部を複数有する上面であることを特徴とする請求項1に記載の下半身強化ボード。
【請求項3】
前記下半身強化ボードは、側面或いは上面に孔を形成し、チューブを取り付けることができることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の下半身強化ボード。
【請求項4】
前記下半身強化ボードは、木又は柔軟性のあるゴム、発泡素材、低反発素材などで形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の下半身強化ボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−228506(P2012−228506A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72379(P2012−72379)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)