説明

不安定性を増大させる靴底

着用者のコンディショニング及びトーニングを促進するように着用者の左右のバランスを相殺する靴底及び靴を提供する。靴底は、着用者の足の下にあって該足を支持するミッドソール幅と、水平方向の窪みを画定するように踵部分の周りでその外周側壁にアンダーカットが施されている上側ミッドソール部分とを備える。下側ミッドソール部分がその上面に、上記窪みから下方及び外方へ傾斜した対応する「アンダーカット」を有する。窪みの深さは、内側に配置された窪みと外側に配置された窪みとの間にミッドソール幅よりも狭いバランス部分を形成して、着用者に、バランス部分上でバランスを維持するように自身の歩きぶりを調整することを強いる。ベース部分を有する構造体を、上方及び/又は下方に延びる延長部を外周側壁に沿って配置した状態で窪みに沿って配置することができる。この構造体は、中心ミッドソール部分を横断して延びる板ばねを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底及び該靴底を組み込んでいる靴、特に、靴底の外周側壁にある水平方向の窪み、及び好ましくは着用者の左右のバランスを相殺するように調節することによって着用者のコンディショニング及びトーニングを促進することのできる付加的な構造体を含む靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年3月23日に出願された米国仮特許出願第61/210,871号に基づく優先権を主張し、当該出願の全体は、参照によって本明細書に援用される。
【0003】
最近の運動靴は通常、アウトソールと、ミッドソールと、インソールとを備える。ミッドソールは、地面と接触するアウトソールとインソールとの間に位置し、通常は、着用者の靴が地面と接触するときに生じる衝撃力を減衰する1つ又は複数のフォームを含む。エチレン酢酸ビニル(EVA)のようなフォームも、エネルギーリターンのための弾性を有し、通常は、最近の運動靴のミッドソールに含まれている。運動靴はまた、ミッドソールのいくつかの部分に、様々なユーザーへ衝撃吸収(クッション作用)と、エネルギーリターンと、安定性との所望のバランスを与えるための付加的な要素を備えることができる。
【0004】
例えば、ショルツによる米国特許第6,789,332号明細書は、上部支持プレートに取り付けられたL字形のばね要素を開示している。このばね要素は、側部及び下方から減衰要素を包囲している。エネルギーリターンを高めるL字形のばねは、ソールが地面と接触すると、下方で地面と接触し、その上に位置する減衰要素と同時に上方に撓む。足が地面を踏み切るときに下向きの回復力が生成される。減衰材料にあまり柔らかくない材料を用い、それによって内側及び外側それぞれに安定性を加えることによって過回内又は過回外を選択的に最小限に抑えることができる。
【0005】
コーヘンによる米国特許第6,216,365号明細書は、脊椎状部分と、該脊椎状部分から外方へ分岐すると共に上部プレートに接触するように上方に隆起する弾性変形可能な平坦なばね要素とを有する効果的な踵部材を有する衝撃吸収ユニットを開示している。第2の効果的な部材を、その脊椎状部分を下にして第1の脊椎状部分と接触させて、弾性変形可能な平坦なばね要素が踵プレートと接触するように外方及び下方へ分岐した状態で位置させることができる。フォームパッドは、各脊椎状部分と隣接するプレートとの間に位置する。衝撃吸収ユニットは、1つ又は複数のばね要素の硬さ(stiffness)を変更することによって、特定の運動活動又は治療目的に合わせて設計することができる。
【0006】
トングらによる米国特許第5,185,943号明細書は、アウトソールとミッドソールとの間に挟まれて位置することができるか又はミッドソール若しくはアウトソールの中に入れることができる、エネルギーリターンを高めるための弾性インサート部材を開示している。インサート部材は、中心本体部と、該中心本体部から外方及び下方に延びる延長部とを有する。延長部は、ソールに力が当たると外方へ動き、ソールをその元の形状に戻すばねとして働く。インサート部材は、それらの延長部の部材に、さらなる可撓性が望まれるソールの特定のエリアに位置付けられる開口を追加することと、延長部の部材に望ましい場合にはそれらの延長部の部材をより剛性があるようにするか又は圧縮性が低くなるように構築することとによって「調節(tuned)」することができる。
【0007】
ゲールによる米国特許第7,421,805号明細書は、靴の長さに沿って延びる細長部材と、該細長部材から垂直に延びる複数の横部材とを含む靴の支持構造体を開示している。横部材は、上向き若しくは下向きに延びてもよく、又は水平面内にあるままであってもよい。
【0008】
運動靴は通常、安定性があることを念頭において設計されているが、従来技術による靴によっては、縦方向の不安定性を促すように意図的に設計されているものもある。例えば、「EasyTone(登録商標)」は、リーボック・インターナショナル社によって販売されている靴であるが、これは、砂浜を歩くことに似た自然な不安定性及び感覚を作り出すことを意図している。これは、靴の踵部分及び前足部分の下にバランスポッドを挿入することによって達成されている。前足部分と踵部分のポッドとの間を空気が移動することによってソフトなクッション作用が作り出される。移動する空気は自然な不安定性を作り出し、筋肉にポッド内の空気容量に適合することを強いる。この不安定性は、ハムストリングと大臀筋とふくらはぎとのトーニングを促進する。
【0009】
不安定性を促すように設計されている別の公知の靴が、アメリカ・マサイ社によって販売されている「MBT」モデルである。この靴は、中足領域に「バランスエリア」を有するPUミッドソールを用い、これは、立っているときでもバランスエリアの前方及び後方へ揺動する動きを引き起こす。また、ビーチの砂を模倣することを意図しているソフトな踵パッドも含まれている。この設計は、筋肉のトーニングを刺激することと、自然な不安定性に応じて筋肉が緊張することで余分なカロリーを燃焼させることとを意図している。同様の設計が、バートレットによる米国特許第6,421,935号明細書に記載されている。
【0010】
ブッフによる米国特許第291,490号明細書は、アウトソールとミッドソールとの間に取り付けられた板ばねを示している。
【0011】
これらの従来技術の文献はいずれも、靴底及び該靴底を組み込んでいる靴であって、靴底の外周側壁にある水平方向の窪み、及び好ましくは着用者の左右のバランスを相殺するように調節することによって着用者のコンディショニング及びトーニングを促進することのできる付加的な構造体を含む靴底及び該靴底を組み込んでいる靴を提供するものではない。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、着用者の左右のバランスを相殺するように調節することができ、それによって着用者のコンディショニング及びトーニングを促進する靴底及び該靴底を組み込んでいる靴に関する。本発明はさらに、着用者のバランスに付加的に作用すると共に安定性とエネルギーリターンとクッション作用とを調節するために用いることのできる付加的な構造体を有する靴底及び靴に関する。
【0013】
本発明は、着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面を含むミッドソールを備えた靴底に関する。ミッドソールはまた、上側ミッドソール部分と、少なくとも踵部分において上側ミッドソール部分の下に隣接している下側ミッドソール部分と、下面とを含む。ミッドソールの外周側壁は、上面と下面との間に延びている。上側ミッドソール部分は、水平方向の窪みを画定するように少なくともその踵部分にアンダーカットが施されている。水平方向の窪みは、外周側壁に、ミッドソールの内側及び外側並びにミッドソールの踵部分の後部に沿ってある深さを有する。バランス部分は、内側の水平方向の窪みと外側の水平方向の窪みとの間に延びている。外周側壁は、水平方向の窪みから上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、水平方向の窪みから下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、靴底の中心から離れる方向へ広くなる外周ギャップを形成する。バランス部分は、ミッドソールの上面の幅よりも小さい幅を有する。ミッドソールは、靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、履物製品の着用者に、バランス部分の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整することを強いる。
【0014】
上側ミッドソール部分及び下側ミッドソール部分は、別個の上側ミッドソール層及び下側ミッドソール層とすることができるか、又は1つの一体片として形成することができる。
【0015】
一つの態様では、靴底は、該靴底の内側及び外側の少なくとも一方に沿って外周側壁に配置された構造体も備えることができる。この構造体は、水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、複数の第1の上側延長部とを含む。第1の上側延長部は、好ましくは上側外周側壁に沿って離間しており、ベース部分から上面に向けて外方に延びている。
【0016】
この構造体は、付加的に又は代替的に、複数の第2の下側延長部を含むことができる。第2の下側延長部は、好ましくは下側外周側壁に沿って離間しており、ベース部分から下面に向けて外方に延びている。複数の第1の上側延長部は、好ましくは、第1の上側延長部がベース部分に沿って複数の第2の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、第2の下側延長部と互い違いになっている。
【0017】
上側延長部及び/又は下側延長部を有するこの構造体の任意の変形を、靴底の内側若しくは外側に沿って、又はU字形構造体として、踵部分の最後部の周りに靴底の内側及び外側の両方に沿って位置させることができる。これらの構造体は、該構造体から上側ミッドソール層と下側ミッドソール層との間に内方へ延びることのできる任意の係止タブを除いて外周側壁に取り付けられるように構成されているという点で外部にあるものとすることができる。一つの態様では、中心部分を有しない上側延長部及び/又は下側延長部を有する構造体のいずれかを、1つの一体片として形成されている上側ミッドソール部分及び下側ミッドソール部分の外周側壁に取り付けることができる。
【0018】
水平方向の窪みの深さは、靴底の長さに沿って左右に変えることができ、中足部分及び前足部分の一方の側又は両方の側へも延びることができる。本発明に従って形成された靴底の好ましい一例では、水平方向の窪みの深さは、前足部分では内側の方が外側よりも深く、踵部分では外側の方が内側よりも深い。
【0019】
本発明はまた、本発明のミッドソールのいずれかをアウトソールと組み合わせて備える靴底に関する。一つの態様では、アウトソールは好ましくは、ミッドソールの上面の幅よりも小さい幅を有する隆起部分を含む下面を有する。隆起部分は、着用者の歩きぶりに不安定性を促すように構成されている。隆起部分は、少なくとも踵部分においてアウトソールの中心から実質的に突出している。好ましくは、隆起部分の高さは、靴底の前足部分から靴底の踵部分の後部へ向かう方向へ増加する。別の態様において、隆起部分の幅はアウトソールの幅の3分の2未満である。
【0020】
異なる態様では、本発明の靴底のアウトソールの少なくとも一部が、靴底の前足部分から踵部分へ延び、靴底の前足部分から踵部分へ延びる靴底の軸を中心に湾曲部を含んだ下面を有する。この湾曲部の結果として、アウトソールが、アウトソールの隣接部分よりも先に地面と係合する下方に突出した部分を有することになる。
【0021】
本発明は加えて、ミッドソールを備える履物物品の靴底に関する。ミッドソールは、着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面を含む。ミッドソールはまた、上側ミッドソール層と、少なくとも踵部分において上側ミッドソール層の下方に配置された下側ミッドソール層と、下面とを含む。ミッドソールは、上面と下面との間の外周側壁を有する。少なくとも踵部分の上側ミッドソール層は、ミッドソールの外周側壁に、内側及び外側並びに該内側及び該外側間のバランス部分に沿ってある深さを有する水平方向の窪みを画定するように、その外周にアンダーカットが施されている。外周側壁は、水平方向の窪みから上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、水平方向の窪みから下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、靴底の中心から離れる方向へ広くなる外周ギャップを形成する。バランス部分は、上側ミッドソール層の幅よりも小さい幅を有する。ミッドソールは、好ましくは靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、履物製品の着用者に、バランス部分の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整することを強いる。
【0022】
この靴底は、靴底の内側及び外側に沿って外周側壁に配置される構造体も備える。この構造体は、水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、複数の第1の下側延長部とを含む。第1の下側延長部は、好ましくは内側及び外側のそれぞれにおいて下側外周部分に沿って離間しており、ベース部分から下面に向けて外方に延びている。この構造体はまた、複数の第2の上側延長部を含むことが好ましい。第2の上側延長部は、内側及び外側のそれぞれにおいて上側外周側壁に沿って離間しており、ベース部分から上面に向けて外方に延びている。この構造体はまた、上側ミッドソール層と下側ミッドソール層との間に配置されると共に靴底の長手方向軸を実質的に横断して形成されている複数の凹状に湾曲した板ばねを備えた中心部分を含む。凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、外側及び内側に位置する下側延長部からこれと共に1つの連続的な上向きの円弧状に形成される。中心部分はまた好ましくは、靴底の長手方向軸を実質的に横断して形成されている複数の凸状に湾曲した板ばねを含む。凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、外側及び内側に位置する上側延長部からこれと共に連続的な下向きの円弧状に形成される。複数の第2の上側延長部は、好ましくは、第2の上側延長部がベース部分に沿って複数の第1の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、第1の下側延長部と互い違いになっており、かつ一体形成されている複数の凹状に湾曲した板ばねは、凹状に湾曲した板ばねが複数の凸状に湾曲した板ばねと交互のパターンで配置されるように、凸状に湾曲した板ばねと互い違いになっている。凹状に湾曲した板ばねの高さは、凸状に湾曲した板ばねの高さよりも高くすることができる。
【0023】
他の態様では、この靴底は、本発明のアウトソールのいずれかを付加的に備えることができる。
【0024】
本発明はさらに、着用者の足の下にあって足を支持する幅を有する上面と、下面と、上側ミッドソール層と下側ミッドソール層との間に配置された構造体とを有するミッドソールを備えた履物製品の靴底に関する。この構造体は、ベース部分及び中心部分を含む。ベース部分は、靴底の内側の内側部分と、靴底の外側の外側部分とを有する。内側ベース部分と外側ベース部分との間に配置された中心部分は、複数の凹状に湾曲した板ばねを含む。凹状に湾曲した板ばねのそれぞれは、靴底の外側及び内側に位置するベース部分の横方向に対向する部分から靴底の中心へ向かう連続的な上向きの円弧状に形成される。中心部分はまた、複数の凸状に湾曲した板ばねを含む。凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、靴底の外側及び内側に位置するベース部分の横方向に対向する部分からの連続的な下向きの円弧状に形成される。
【0025】
一つの態様では、凹状に湾曲した板ばねは、凸状に湾曲した板ばねと交互のパターンで配置される。別の態様では、ミッドソールはまた、上側ミッドソール層及び下側ミッドソール層を含む。上側ミッドソール層は、その下面に、凹状に湾曲した板ばねを受け入れるリセスを含み、下側ミッドソール層は、その上面に、凸状に湾曲した板ばねを受け入れるリセスを含む。このように、下側ミッドソール層は、下側ミッドソール面と凹状に湾曲した板ばね及び凸状に湾曲した板ばねとの間のスペースを埋めるようにガスケットを形成することができる。
【0026】
本発明はまたさらに、着用者の足の下にあって足を支持する幅を有する上面を有するミッドソールを備えた履物製品の靴底に関する。ミッドソールはまた、上側ミッドソール層と、少なくとも踵部分において上側ミッドソール層の下方に配置された下側ミッドソール層と、下面とを含む。外周側壁は、上面と下面との間に延びている。少なくとも踵部分の上側ミッドソール層は、ミッドソールの外周側壁に、内側及び外側並びに該内側及び該外側間のバランス部分に沿ってある深さを有する水平方向の窪みを画定するように、その外周にアンダーカットが施されている。外周側壁は、水平方向の窪みから上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、水平方向の窪みから下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、靴底の中心から離れる方向に広がる外周ギャップを形成する。バランス部分は、上側ミッドソール層の幅よりも小さい幅を有する。ミッドソールは、好ましくは靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、履物製品の着用者に、バランス部分の上方で圧力中心を維持するよう自身の歩きぶりを調整することを強いる。
【0027】
この靴底はまた、好ましくは靴底の内側及び外側に沿って外周側壁に配置された構造体を備える。この構造体は、水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、複数の第1の下側延長部とを含む。第1の下側延長部は、好ましくは内側及び外側のそれぞれにおいて下側外周側壁に沿って離間している。第1の下側延長部は、ベース部分から下面に向けて外方へ延びる。構造体は、好ましくは上側ミッドソール層と下側ミッドソール層との間に配置された中心部分も含む。中心部分は、複数の凹状に湾曲した板ばねを含む。凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、好ましくは外側の第1の下側延長部のうちの1つ及び内側の第1の下側延長部のうちの1つから上向きの連続的な円弧状に形成される。
【0028】
別の態様では、靴底はまた、外周側壁に沿って上面に向けて外方に延びる複数の第2の上側延長部と、内側及び外側に位置する上側延長部から下向きの連続的な円弧状に形成されている複数の凸状に湾曲した板ばねとを含むことができる。好ましい実施の形態では、凹状に湾曲した板ばねのうちの少なくとも1つの高さは、凸状に湾曲した板ばねのうちの少なくとも1つの高さよりも高い。
【0029】
本発明の靴底の要素のさらなる特徴は、以下で提供される図面及び記載から明らかであろう。本発明のこれらの例示的な実施形態は、本明細書において添付の図面を参照して説明されているが、本発明はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、並びに、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく当業者によってそれらの実施形態に種々の他の変更及び修正を加えられることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の左側の靴の靴底の斜視図である。
【図2】本発明の靴底の踵部分の断面図である。
【図3】本発明の右側の靴底の下側ミッドソール部分の一つの実施形態に組み付けられた構造体の一つの実施形態の上面図である。
【図3B】代表的なバランス経路を示す、図3の右側の靴底及びその対応する左側の靴底の平面図の概略である。
【図4A】本発明の靴底の一つの実施形態の側面図である。
【図4B】本発明の靴底の一つの実施形態の側面図である。
【図4C】本発明の靴底の一つの実施形態の側面図である。
【図4D】本発明の靴底の一つの実施形態の側面図である。
【図5】本発明の構造体の一つの実施形態の2つの断面図のオーバーレイを示す図である。
【図6A】本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図6B】本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図7】本発明の左側の靴の靴底の一つの実施形態の分解図である。
【図8】本発明の左側の靴の構造体を有する靴底の一つの実施形態の分解図である。
【図9】本発明の中心板ばねを有する構造体の一つの実施形態の斜視図である。
【図10A】本発明の一つの実施形態の右側の靴の中心板ばね(3/4の長さ)を有する構造体の一つの実施形態の斜視図である。
【図10B】本発明の右側の靴の中心板ばね(全長)を有する構造体の一つの実施形態の斜視図である。
【図10C】本発明の右側の靴の中心板ばね(3/4の長さ)を有する構造体の一つの実施形態の斜視図である。
【図11】本発明の左側の靴のU字形構造体を有する靴底の一つの実施形態の分解図である。
【図12】本発明の隆起面を有する靴底の一つの実施形態の斜視図である。
【図13A】図1に示されるような靴底の線A−Aに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の斜視断面図である。
【図13B】図1に示されるような靴底の線B−Bに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の斜視断面図である。
【図13C】図1に示されるような靴底の線C−Cに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の斜視断面図である。
【図13D】図1に示されるような靴底の線D−Dに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の斜視断面図である。
【図13E】図1に示されるような靴底の線E−Eに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の斜視断面図である。
【図14A】図1に示されるような靴底の線A−Aに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図14B】図1に示されるような靴底の線B−Bに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図14C】図1に示されるような靴底の線C−Cに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図14D】図1に示されるような靴底の線D−Dに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図14E】図1に示されるような靴底の線E−Eに沿った断面で見た本発明の靴底の一つの実施形態の断面図である。
【図15】本発明の靴底の一つの実施形態の前足部分の断面図である。
【図16A】本発明の撓み溝を有する靴底の一つの実施形態の底面図である。
【図16B】本発明の撓み溝を有する靴底の一つの実施形態の底面図である。
【図16C】本発明の撓み溝を有する靴底の一つの実施形態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の靴底は、内側すなわち内側部分と、外側すなわち外側部分と、前足部分と、中足部分と、踵部分すなわち後足部分とを、これらの用語が一般的に公知である通りに有している。
【0032】
履物製品の靴底と、靴底の少なくとも踵部分の外周側壁にある深い水平方向の窪み及び好ましくは着用者のコンディショニング及びトーニングを促進するように調節することのできる付加的な構造体を備える履物製品とを提供する本発明は、添付の図面と併せて好適な実施形態の以下の説明からより良く理解することができる。当業者には、本明細書において提供される本発明の記載された実施形態が例示及び例証にすぎず、限定するものではないことが明らかであるはずである。本明細書において開示されるすべての特徴は、別途明記されない限り、同じ目的又は同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えることができる。したがって、その変更形態の多くの他の実施形態が、本発明の範囲内に入るもの及び本発明と均等なものであると考えられる。
【0033】
本発明は、所望の量のクッション作用と、エネルギーリターンと、安定性又は不安定性とを靴底の目的部分へ提供するように選択的に調節することのできる靴底に関する。本発明の靴底は、該靴底を組み込んでいる履物製品を着用している人の左右のすなわち横方向のバランスを崩すように調節することができる。着用者のバランスを崩すことによって、本発明の靴底は、好ましくは、着用者に、靴底の中心のバランス部分の上方で自身の重心を維持するように自身の姿勢を調整することによって、バランスビーム又はバランスボード上でバランスをとるのに似た方法で自身のバランスを維持するように、よりハードな動きをとらせる。それによって、靴底は、着用者のコンディショニング及びトーニングを促す。好ましくは、本発明の靴底は、従来の靴底と比較して、着用者の筋肉の活性化を増加させると共にカロリー燃焼を増加させることができる。目的とする筋肉群は、ふくらはぎと、大腿四頭筋と、大臀筋と、ハムストリング筋群とを含む。
【0034】
本発明の靴底においては、図1の実施形態に示されるように、靴底10は、ミッドソール14を備え、またアウトソール12も備えることができる。図2も参照すると、ミッドソール14は、少なくとも靴底10の踵部分において、上側ミッドソール部分16と、上側ミッドソール部分16の下方に配置された下側ミッドソール部分18とを備えている。いくつかの実施形態では、上側ミッドソール部分16及び下側ミッドソール部分18は、それらの間にいかなる構造体を有することなく直接隣接することができる。ミッドソール14は、着用者の足の下にあって該足を支持する上面20を有している。インソール(図示せず)を上側ミッドソール部分16の上に設けてもよい。
【0035】
また、図2を参照すると、ミッドソール14の上面20は、着用者の足の下にある幅22を有している。適正にフィットした履物製品の場合、この幅22は、着用者の足の裏の特定の横断面における最外幅に実質的に相当する。下側ミッドソール部分18は、アウトソール12が設けられる場合には、アウトソール12に接してその上に配置されることが好ましい下面24を有する。ミッドソール14は、ミッドソール14の上面20から下面24までミッドソール14の外周に沿って延びる外周側壁26を有している。
【0036】
靴底10を有する靴の着用者において左右のアンバランスを有利に誘発するには、上側ミッドソール部分16は、少なくとも踵部分において靴底10の少なくとも内側及び外側に沿って外周側壁26に、及び好ましくは踵部分の後部の周りにも連続的に深い水平方向の窪み28を作るように、その外周にアンダーカットが施されている。その結果、外周側壁26は、水平方向の窪み28から上側ミッドソール部分16の上面20に向けて上方及び外方へ傾斜していることで、上側外周側壁30を形成する。対応する楔形のギャップが下側ミッドソール部分18の上部から彫られていることで、水平方向の窪み28から下面24に向けて外方及び下方に傾斜する下側外周側壁32を形成する。したがって、上側外周側壁30と下側外周側壁32との間には、靴底10の中心から離れる方向へ広がる外周ギャップ34が形成されている。
【0037】
水平方向の窪み28は、上側ミッドソール部分16の外側縁から水平方向内方へ測定される深さを有している。したがって、内側の水平方向の窪み28と外側の水平方向の窪み28との間の領域に、少なくともミッドソール14の踵部分にある幅の狭いバランス部分38が形成され、バランス部分38は、靴底の着用者がバランスを保ったままにするために自身の体重を置かなければならない領域を画定する。バランス部分38の横幅40を、着用者の足の下にあるミッドソール14の幅22よりも小さくすることによって、着用者の左右のバランスが崩され、これによって着用者に、バランス部分38の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整すると共に自身の体重をシフトするために動くことを強いる。また、踵部分の後部の周りに水平方向の窪み28が延びるようにミッドソールにアンダーカットを施すことによって、付加的な長手方向のアンバランスを与え、このアンバランスによって、自身の踵が接地するときに踵が砂地表面に踏み込むような感覚が作り出される。
【0038】
図2は、本発明の靴底10の一つの実施形態の踵部分の断面図を示している。この図では、上側ミッドソール部分16のうちの着用者の足の下にある部分の幅は22として示されている。ミッドソールのバランス部分38の幅は40として示されている。水平方向の窪み28の深さは36として示されている。この図において分かるように、幅40は幅22よりも狭い。水平方向の窪み28の深さ36を深くすることによって、バランス部分38の幅40をより一層狭めることができ、それによって着用者に、靴底10のバランス部分38の上方で自身のバランスを維持するように付加的な努力を行うことを強いる。
【0039】
本発明の靴底の種々の特性は、該靴底を組み込んでいる履物製品の着用者に与えられる不安定性の程度及び/又は方向を増減させるように調節することができる。本発明の靴底の実施形態の調節可能な特性として、上側ミッドソール部分及び下側ミッドソール部分の厚さ及び材料が挙げられ、これは、靴底の異なる領域又は部分(前足部分、中足部分、踵部分、内側部分、外側部分)にわたって変えることもできる。
【0040】
例えば、下側ミッドソール部分は、好ましくはエチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム、ポリウレタン(PU)フォーム若しくはフォームのブレンドから作製されるか、又は任意の他の好適な材料を用いることもできる。その密度及び他の特性は、それが提供するクッション作用及び衝撃吸収の量を変化させるように変えることができる。上側ミッドソール部分も、好ましくはエチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム、ポリウレタン(PU)フォーム若しくはフォームのブレンドから作製されるか、又は任意の他の好適な材料を用いることもできる。その密度及び他の特性は、それが提供するクッション作用及び衝撃吸収の量を変化させるように変えることができる。一つの実施形態では、上側ミッドソール部分及び下側ミッドソール部分は、異なる密度及び/又は材料の材料から形成することのできる別個の上側ミッドソール層及び下側ミッドソール層である。
【0041】
例えば、図1の上側ミッドソール部分16は、足の下にさらなるクッション作用を直接与えるために、下側ミッドソール部分18よりも密度が小さい、すなわちより柔らかな材料の層とすることができる。別の実施形態では、上側ミッドソール部分16は、上記下側ミッドソール部分18よりも密度が高い、すなわちより硬い。
【0042】
上側ミッドソール部分及び/又は下側ミッドソール部分は、種々の実施形態では、後足部分において、さらなるクッション作用を与えるため及び/又は踵を持ち上げるために、その領域をより厚いものとすることもできる。
【0043】
別の実施形態では、上側ミッドソール部分16及び下側ミッドソール部分18は、靴底10の長さにわたって1つの一体片として形成される。
【0044】
靴底10のさらに別の実施形態では、上側ミッドソール部分16及び下側ミッドソール部分18は、少なくとも踵部分において異なるミッドソール層から形成され、下側ミッドソール部分は踵の上方にしか延びないか、又は任意には靴底の少なくとも中足部分の上方にも延びるが前足部分には延びない。対照的に、上側ミッドソール部分は踵部分から中足部分及び前足部分へ延び、この場合、前足部分におけるミッドソールの全体の厚さは、踵部分の上側ミッドソール部分と同じ材料から一体形成される。
【0045】
依然として図2及び図3を参照すると、ミッドソール14のバランス部分38の幅40は、靴底10における安定性又は不安定性を促すように水平方向の窪み28の深さ36を変えることによって調節することができる。もちろん、バランス部分38をさらに狭めるように水平方向の窪み28を深くすると、不安定性が増す。
【0046】
バランス部分38を中心に置くことは、靴底15のいくつかの部分における水平方向の窪み28の深さ36を他の部分におけるよりも深くすることによって調節することもできる。このように、図3Bにおいて見られるように、着用者が自身のバランスを維持するために自身の体重をその上方で中心に置く必要のある靴底15に沿った「バランス経路」222を画定することができると共に、コンディショニング及びトーニングのために着用者の目的とする異なる筋肉群に合わせることができる。
【0047】
図3に示されるように、一つの実施形態では、水平方向の窪み28の深さ36は、ミッドソール14の踵部分の外側の方がミッドソール14の踵部分の内側よりも深い。水平方向の窪み28の深さ36を踵部分の内側よりも外側において深くすることにより、靴底15によって、着用者に自身の足の内側においてバランスをとることを優先して意識させることを強いることができる。
【0048】
水平方向の窪み28は、靴底の内側若しくは外側又はその両方に沿って中足部分へ延びて、着用者がその上方でバランスを維持するように余分な努力をしなければならない経路の長さを延ばすことができる。図3に示されるように、水平方向の窪み28の深さ36は、左右に及び靴底15の前足部分から靴底15の後足部分にかけて変えることができ、それによって、靴底の非対称な及び/又は中心から外れたバランス部分38が作られる。図3に示される実施形態では、水平方向の窪み42の深さ44は、踵部分の外側の方が踵部分の内側よりも深く、また水平方向の窪み42の深さ44は、前足部分の内側の方が前足部分の外側よりも深くなるように前足部分へ進むにつれて徐々にシフトする。着用者に、歩きながら自身の足の内側と外側との間で優先して意識させる側を往復して切り替えさせることによって、靴底15は、着用者に自身のバランスを歩きながら維持するようにより多くのエネルギーを使わせ、それによってコンディショニング及びトーニングを促す。
【0049】
再び図2を参照すると、着用者がバランス部分38の上方で自身の体重を維持するためにさらなるエネルギーを使わなければならないように、バランス部分38を適当にサイズ決めするには、靴底10の踵部分の内側及び外側のうちの少なくとも一方のかなりの部分に沿う水平方向の窪み28の深さ36は、上側ミッドソール部分16のうちの着用者の足の下にある部分の幅22のその位置での少なくとも6%であることが好ましい。したがって、踵部分の最後部の周りと踵部分の内側及び外側の両方とに沿って表面を装う水平方向の窪みを有する靴底の好ましい実施形態では、バランス部分38は、着用者の足の下にある幅22よりも好ましくは12%狭い。
【0050】
さらなる実施形態では、水平方向の窪み28の深さ36は、上側ミッドソール部分16のうちの靴底10の踵部分のかなりの部分に沿って着用者の足の下にある部分の幅22の少なくとも10%である。別の実施形態では、水平方向の窪み28の深さ36は、上側ミッドソール部分16のうちの靴底10の踵部分のかなりの部分に沿って着用者の足の下にある部分の幅22の少なくとも14%である。
【0051】
また別の実施形態では、踵部分における水平方向の窪み28の深さ36は、幅22の約10%〜20%、好ましくは約14%〜20%である。
【0052】
さらに別の実施形態では、踵部分における水平方向の窪み28の深さ36は、幅22の約20%〜30%である。
【0053】
さらなる実施形態では、踵部分における水平方向の窪み28の深さ36は、幅22の約30%〜40%であり、最高で45%とすることができる。
【0054】
中足部分及び任意に前足部分へ延びる水平方向の窪み28を含む実施形態では、深さ36は、好ましくは踵部分の最後部から前足部分へ連続的に又は踵部分が始まる前方から前足部分へ連続的にテーパー状になっている。
【0055】
一つの実施形態では、水平方向の窪み28の深さ36は、前足部分の中心部分において1%のオーダーまで減少する。他の実施形態では、水平方向の窪み28の深さ36は、前足部分の中心部分において、踵部分の最高深さの約10%だけ減少する。
【0056】
アンダーカットの角度、したがってミッドソールの外周における外周ギャップ34の高さも、着用者が歩きながら使わなければならないエネルギーの量に影響を与えるように調節することができる。外周ギャップ34をより大きくすることによって、靴底10は、着用者の体重がのしかかった場合に、より容易に圧縮する。一つの実施形態では、踵部分においてミッドソール14の外周にある外周ギャップ34の高さは、ミッドソール14の厚さの少なくとも35%、好ましくは少なくとも45%まで増加する。水平方向の窪み28が中足部分及び任意に前足部分へ延びる他の実施形態では、中足部分における外周ギャップ34の高さは、ミッドソール14の厚さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%まで増加し、前足部分における外周ギャップ34の高さは、ミッドソール14の厚さの少なくとも14%、好ましくは少なくとも24%まで増加する。
【0057】
本明細書において記載する本発明の靴底の実施形態は、ミッドソール全体若しくはその任意の部分の下方に延びることのできる全長アウトソール層12を含むことができるか、又は少なくとも靴底10の全長にわたって延びる部分を有することができる。他の実施形態では、選択的に位置するパッド又はポッドを、地面と接触するようにミッドソール14の部分の下方に配置することができる。他の実施形態では、ミッドソールの下面24は、靴底10のうちの地面と接触する面の少なくとも一部を形成する。アウトソール12の部分又は層は、歩行面と接触するのに任意の適当な材料で形成することができる。
【0058】
上述した靴底の実施形態のいずれかに関して、本発明に従って形成される靴底のさらなる調節性を提供するように、水平方向の窪みの一部又は全体に沿って構造体を配置することができる。
【0059】
例えば調節可能な構造体50を組み込んでいる靴底10の実施形態の側面図を図4Aに示す。構造体50は、ミッドソール14の外周側壁26の内側若しくは外側又はそれらの両方に沿って配置することができる。好ましい実施形態では、構造体50の内側及び外側は、踵部分の最後部の周りに連続的に接続されている。1つのそのようなU字形構造体(図11の構造体124を参照)は、ミッドソール14に外側から取り付けられるように構成することができ、この構造体は、この実施形態では好ましくは1つの一体片として形成される。好ましくは上側ミッドソール部分16及び下側ミッドソール部分18が1つの一体片として形成されているミッドソール14に、外側から取り付けられる他の構造体が、内側又は外側の一方のみに沿って延びることができる(図7の構造体112を参照)。
【0060】
構造体50は、水平方向の窪み54及び複数の第1の上側延長部56に沿って位置するベース部分52を備えている。第1の上側延長部56は、上側外周側壁58に沿って離間しており、ベース部分52から上側ミッドソール部分62の上面60に向けて外方及び上方に延びている。一つの実施形態では、上側外周側壁58には、第1の上側延長部56を受け入れるように窪みが形成されているものとすることができ、それによって第1の上側延長部56が上側外周側壁58の表面と実質的に面一となっている。図4Aに示されるように、水平方向の窪み54に沿って配置される構造体50のさらなる実施形態では、構造体50は複数の第2の下側延長部64も備えている。第2の下側延長部64は、下側外周側壁66に沿って離間しており、ベース部分52から下側ミッドソール部分70の下面68に向けて外方及び下方に延びている。一つの実施形態では、下側外周側壁70には、第2の下側延長部64を受け入れるように窪みが形成されているものとすることができる。一つの実施形態では、第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64は、構造体50のベース部分52に沿って交互のパターンで互い違いになっている。足が接地するときに、足と地面との間の本発明に従って形成される靴底の衝撃によって、第1の上側延長部56が下方及び外方に押される。第2の下側延長部64は、上方及び外方に押される。足が地面から離れると、第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64は、それらの静止形状に戻る。この作用を通じて、第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64を用いて、足の接地からのエネルギーを吸収することができる。特に、第1の上側延長部56は、例えばアンダーカットに起因して極めて柔軟であり圧潰しやすい靴底10の異なるエリアに目的とする支持を与えることができる。第2の下側延長部64は、靴底10の選択されたエリアにおいてエネルギーを跳ね返すことに寄与するように調節することができる。
【0061】
第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64の調節可能な特性として、それらの硬さ(stiffness)、サイズ、間隔及び配置が挙げられる。第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64は、上記構造体の1つの領域において又は該構造体の全体に沿ってさらなる安定性及びより多くの跳ね返り性能をそれぞれ与えるために、そのエリアにおいてより硬くすることができる。代替的には、第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64は、あるエリアにおける安定性及び跳ね返り性能をそれぞれ小さくするために、あまり硬くないもとのすることもできる。第1の上側延長部56及び第2の下側延長部64のサイズも調節することができる。例えば、図4Bは、より大きい上側延長部78及び下側延長部80を有する構造体74を示しており、上側延長部78及び下側延長部80がより大きいことにより、構造体74に沿って用いられる上側延長部78及び下側延長部80がより少なくなる。代替的には、図4Dは、より小さい上側延長部86及び下側延長部88を有する構造体82を示しており、上側延長部86及び下側延長部88がより小さいことにより、構造体82に沿って用いられる上側延長部86及び下側延長部88がより多くなる。上側延長部86及び下側延長部88のサイズを変えることによって、構造体82は、本発明の靴底の横方向及び長手方向の安定性及び柔軟性の両方を変えるように調節することもできる。
【0062】
一つの実施形態では、図4A及び図4Bに示されるように構造体50、74の長さは踵部分に制限され、これによって中足エリア及び前足エリアに、より多くの長手方向の可撓性が残る。図4C及び図4Dに示される別の実施形態では、構造体82、90は、靴底10の中足エリアへさらに延びる。構造体82、90がより長いことにより、中足部分において、又はある特定の実施形態では靴底10の前足部分にまでさらなる支持及び/又は跳ね返りエネルギーが提供される。
【0063】
図5に示されるような、水平方向の窪み100に配置されている構造体98の実施形態では、構造体98は、ベース部分104から下側ミッドソール部分108の下面106に向けて内方へ延びる係止タブ102も有している。係止タブ102は、最も好ましくは、本発明の構造体98を、上側ミッドソール部分16及び下側ミッドソール部分18が別々の上側ミッドソール層及び下側ミッドソール層から形成されたミッドソール14に係止するために用いられる。係止タブ102は、構造体98を水平方向の窪み100に沿って固定するのを助けるために用いることができる。一つの実施形態の係止タブ102を組み込んだ構造体98を有する本発明の靴底の断面が図6A及び図6Bに示されている。分かるように、本発明の係止タブ102は、図6Aに示されるように少なくとも1つの下側延長部108から下方へ延びることができるか、又は図6Bに示されるように少なくとも1つの上側延長部110から連続的な延長部として下方へ延びることができる。別の実施形態では、係止タブ102は、上側延長部106及び下側延長部108の両方からベース部分104に沿って下方へ延びる1つの連続片とすることもできる。
【0064】
図7は、構造体112が組み付け時に上側ミッドソール層120と下側ミッドソール層122との間に形成された水平方向の窪み114内に配置される本発明の一つの実施形態の分解図を示している。この図示された実施形態では、構造体112は、ミッドソール14の踵部分の内側又は外側の少なくともかなりの部分に沿って配置されている。構造体112は、ベース部分117から延びる一連の交互の上側延長部116及び下側延長部118を備えている。組み付け時に、上側延長部116は、水平方向の窪み114から上側ミッドソール層120の方向へ外周側壁に沿って外方へ延びている。下側延長部118は、水平方向の窪み114から外方へ下側ミッドソール層122の方向へ延びている。一つの実施形態では、上側ミッドソール層120及び下側ミッドソール層122は、上側延長部116及び下側延長部118を収容するような形状のリセスを有する。下側ミッドソール層122は、構造体112と協働して跳ね返り作用をさらに高めるように設計することができる。
【0065】
図8を参照すると、本発明の構造体124の別の実施形態では、構造体124は、靴底の内側と外側との間の、好ましくは上側ミッドソール層130と下側ミッドソール層132との間に配置された中心部分128を備えている。中心部分128は、内側及び外側、好ましくはベース部分134から延びる複数の凹状に湾曲した板ばね144を備えている。凹状に湾曲した板ばね144は、靴底の中心部分に向けて、かつ、外周側壁126の内側に位置するベース部分134の一部から上側ミッドソール層130の上面146に向けて上向きに円弧状であり、次いで外周側壁126の外側に位置するベース部分134の一部へ下向きに円弧状である。好ましくは、1つの連続的な円弧が形成される。
【0066】
図8に示されるように、構造体124の中心部分128はさらに又は任意に、内側及び外側、好ましくはベース部分134から延びて形成された複数の凸状に湾曲した板ばね150を備えている。凸状に湾曲した板ばね150は、内側に位置するベース部分134から下面140に向けて、さらに靴底の中心に向けて下向きに円弧状であり、次いで、外周側壁126の外側においてベース部分134へ上向きに円弧状である。凸状に湾曲した板ばね150及び凹状に湾曲した板ばね144は、好ましくは交互のパターンで配置され、好ましくは足の自然な歩行接地経路に対して垂直に配向されることで、歩行接地経路に沿って中心に置かれた最適なクッション作用を可能にする。
【0067】
靴底に容易に取り付けることのできる1つの構造体124を形成するために、好ましくはベース部分が設けられるが、ベース部分によって相互接続されていない連続的な円弧状の板ばねをミッドソールに設けることも本発明の範囲内にある。
【0068】
好ましい実施形態では、凹状に湾曲した板ばね144の高さは、凸状に湾曲した板ばね150の高さよりも高い。
【0069】
追加的な実施形態では、構造体132は、内側及び外側の上側外周側壁151上の上側延長部148、及び/又は内側及び外側の下側外周側壁142上の下側延長部138をさらに備えている。
【0070】
凹状に湾曲した板ばね144はそれぞれ、好ましくは外側の下側外周側壁142上の1つの下側延長部138及び内側の下側外周側壁142上の1つの下側延長部138と連続的に形成される。凸状に湾曲した板ばね150はそれぞれ、好ましくは外側の上側外周側壁151上の1つの上側延長部148及び内側の上側外周側壁151上の1つの上側延長部148と連続的に形成される。
【0071】
図8において分かるように、凹状に湾曲した板ばね144は、好ましくは凸状に湾曲した板ばね150と交互のパターンで配置されている。図3に示されるような代替的な実施形態では、複数の板ばね152、154は、ミッドソール48の内側若しくは外側又はその両方にある1つの上側延長部156及び/又は下側延長部158と連続的に形成することができる。
【0072】
一つの実施形態では、構造体124の全体は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)のような任意の1つの好適な材料で形成することができ、一体成形することができる。他の実施形態では、例えば靴底10の特定の位置における任意の1つ又は複数の要素又は要素のタイプ(凹状に湾曲した板ばね144、凸状に湾曲した板ばね150、上側延長部148、下側延長部138)は、以下の例示的な材料、すなわち熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエステルTPU、ポリエーテルTPU、ポリエステル−ポリエーテルTPU、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、熱可塑性エチル酢酸ビニル、スチレンブタジエンスチレン、ペバックス(登録商標)の商標で入手可能なポリエーテルブロックアミド、ハイトレル(登録商標)の商標で入手可能なエンジニアリングポリエステル、天然ゴム及び合成ゴムを含むTPUブレンド、それらのブレンド又は組み合わせから独立して選択される材料で形成することができるが、他の好適な材料も意図されることに留意されたい。構造体の要素に好適な材料の硬度(hardness)は、所望の結果に応じて約25ショアAほどの低いものから約70ショアDまでの範囲とすることができる。ミッドソール14の性能特性は、構造体124の硬度を変えることによって調整することができる。例えば、構造体124の外側にはより柔軟な材料を、内側には別のより硬い材料を用いることが意図される。また、凹状に湾曲した板ばね144及び上側延長部148には、凸状に湾曲した板ばね150及び下側延長部138よりも柔らかな材料を用いることが意図される。しかし、靴底10の種々の要素及びミッドソール層の硬さの任意の組み合わせが本発明の範囲内にある。
【0073】
中心部分を含む構造体の実施形態のいずれかでは、板ばねに隣接する上側ミッドソール層及び下側ミッドソール層の表面のいずれか又は両方は、板ばねの曲率に対応するような形状のリセスを有して形成することができる。このように、例えば下側ミッドソール層132は、アウトソール12又はミッドソール14の下面と中心部分128の板ばねとの間にガスケットを形成することができることで、いかなる砂又は水分も構造体124を通って浸入しないようにする。ミッドソール層のこれらのリセス付きの表面の使用は、連続的に湾曲した凹状及び/又は凸状に湾曲した板ばねを本発明の靴底のミッドソールに容易に組み付けることと、環境の汚れ及び水分に曝され過ぎることから保護することとを可能にする。この構成はまた、厚さが異なる種々のミッドソール層が、湾曲した板ばねと位置合わせされているため、これらのミッドソール層を、靴底を通して長手方向に配置することを可能にする。したがって、板ばねの曲率及び2つのミッドソール層の厚さの両方を靴底の長さにわたって変えることができる(例えば図9を参照)。
【0074】
上側ミッドソール部分及び下側ミッドソール部分並びに上側延長部及び下側延長部と同様に、異なるエリアにおける凸状に湾曲した板ばね150及び凹状に湾曲した板ばね144の特性、例えばサイズと、厚さと、硬さと、間隔と、曲率とを、靴底10のクッション作用と、エネルギーリターンと、安定化の特性とを微調節するために変えることができる。凹状に湾曲した板ばね144は、例えばクッション作用を高めるにはより柔らかく、又はエネルギーリターンを高めるにはより硬くすることができる。同様に、凸状に湾曲した板ばね150は、足の自然な歩行接地経路の周囲での不安定性を促すにはより柔らかく、又は安定性を増大させるにはより硬くすることができる。一つの実施形態では、少量の不安定性を促すには、凸状に湾曲した板ばね150の柔らかさを増大させることが望ましい。より不安定な靴底は、着用者に、自身の接地経路の中心における通常の圧力を維持するように、よりハードな動きを必要にさせる。したがって、靴底における不安定性を用いて、着用者の下肢におけるフィットネス及びトーニングを促すことができる。同様に、そのような靴底では、特に踵部分の凹状に湾曲した板ばね144の柔らかさを増大させて、砂浜の上を歩くことに似た感覚を提供することが望ましい場合がある。種々の凹状に湾曲した板ばね144及び凸状に湾曲した板ばね150の柔らかさの程度は、所望の効果に応じて変えることができる。代替的には、凸状に湾曲した板ばね150及び凹状に湾曲した板ばね144の両方を適切に調節することを用いて、特定の運動活動に合わせて靴底10の異なるエリアにおける安定性を促すことができる。
【0075】
凹状に湾曲した板ばね144及び凸状に湾曲した板ばね150の別個の性質によって、靴底10の異なる側(内側及び外側)における靴底10の異なるエリア(例えば前足部分、後足部分、中足部分)を、クッション作用と、エネルギーリターンと、安定性との任意の所望のバランスを作り出すように、個々に硬くするか又は柔らかくすることができる。図9は、対向する凹状に湾曲した板ばね166及び凸状に湾曲した板ばね168が2つの異なる硬さを有する中心部分164を備えた構造体162の実施形態を示している。異なる硬さは、異なる材料、異なる材料密度、異なる材料の厚さ等を用いて提供することができる。例えば、凹状に湾曲した板ばね166は、さらなるクッション作用を提供するにはより柔らかくすることができ、凸状に湾曲した板ばね168は、さらなる跳ね返りを提供するにはより硬くすることができる。さらに、凸状に湾曲した板ばね168及び凹状に湾曲した板ばね166の硬さは、構造体162の長さに沿って変えることができる。例えば、靴底の後足部分における凸状に湾曲した板ばね168は、靴底10の前足部分における凸状に湾曲した板ばね168よりも硬くすることができる。凸状に湾曲した板ばね168及び凹状に湾曲した板ばね166の硬さを変えることを用いて、本発明に従って形成される靴底の種々の部分のクッション作用と、衝撃吸収と、安定性との特性を調節することができる。
【0076】
さらに、構造体の長さは、凸状に湾曲した板ばね及び凹状に湾曲した板ばねから靴底の種々のエリアへの支持を方向付けるように調節することができる。例えば、図10Aは、踵から靴底の長さの3/4まで延びる一連の凹状に湾曲した板ばね172及び凸状に湾曲した板ばね174を備えた構造体170の実施形態を示している。図10Bに示される別の実施形態は、本発明の靴底の後足部分から前足部分へ延びるように構成された構造体176を備えている。図10Cに示される実施形態では、構造体178は、踵から靴底の長さの3/4まで延びるように構成された一連の凹状に湾曲した板ばね180及び凸状に湾曲した板ばね182を備えている。図10Cの構造体は、湾曲した板ばね180及び凸状に湾曲した板ばね182の前方から靴底の前足部分へ延びる上側延長部184及び下側延長部186をさらに備えている。
【0077】
図11に示されるような本発明の別の実施形態では、靴底45の少なくとも後部の周りのさらなる支持のためにU字形構造体188を用いることができる。U字形構造体188は、靴底45の外側及び内側並びに踵部分に沿う外周側壁190に沿って配置されている。U字形構造体188は、靴底45の水平方向の窪み194に沿って配置されたベース部分192と、ベース部分192から上側ミッドソール部分200の上面198に向けて外方に延びる複数の第1の上側延長部196と、ベース部分192から下側ミッドソール部分206の下面204に向けて外方に延びる複数の第2の下側延長部202とを備えている。第1の上側延長部196は上側外周側壁208に沿って離間し、第2の下側延長部202は下側外周側壁210に沿って離間している。第2の下側延長部202及び第1の上側延長部196は、第1の上側延長部196がミッドソール14に沿って第2の下側延長部202と交互になるように互い違いのパターンで配置されている。U字形構造体188は、ミッドソール14が別様に組み付けられた後で据え付けることができるように、ミッドソール14の外部構造体として形成することができる。
【0078】
さらなる不安定性を誘発するために、本発明のミッドソールを備える靴底の実施形態のいずれかは、図12〜図16を参照して記載されるような下面を有するアウトソールも備えることができる。図12に示されるような実施形態では、アウトソール204は、例えば靴底10の前足部分から後足部分へ靴底10の長手方向軸に沿って延びる隆起部分206を有している。この隆起部分は幅208を有し、幅208は、ミッドソール14bの上面20のうちの着用者の足の下にある幅22よりも小さく、地面と接触する低減したエリアを提供して、靴底10におけるさらなる不安定性を促す。隆起部分206は、例えば着用者が歩行時にアウトソール204の地面と係合する部分においてバランスを維持するようにより努力をすることを要するように、ミッドソール14のバランス部分38と協調して調節することができる。隆起部分206の高さは、アウトソール204の前足エリアからアウトソール204の後足エリアへ連続的に変えることができる。隆起部分206の幅208は、好ましくは、アウトソール204の前足エリアからアウトソール204の後足エリアへ、例えば図に示されるように外方へ変わる。一つの実施形態では、隆起部分の幅208は、アウトソールの幅204の2/3未満である。
【0079】
靴底の長手方向中心に対する隆起部分206の位置決めは、アウトソール204の長手方向中心に対する隆起部分206の位置決めを調節することによって、アウトソール204の前足エリアからアウトソール204の後足エリアにかけて変えることもでき、靴底10のバランス部分38は、異なる筋肉群を標的にして、歩きながら活性化するように変更することができる。
【0080】
図13Aに示されるような別の実施形態では、アウトソール208は、靴底10の不安定性を高めるように、靴底の前足部分から後足部分へ延びる、直線状であるか又は湾曲していることのできるアウトソール208の長手方向経路210を中心に湾曲部を有するように形成することができる。アウトソール208の底面の湾曲部は、アウトソール208がアウトソール208の外周縁により近い隣接部分よりも先に地面と係合する下方へ突出した部分212を有するように形成されている。この設計によって、着用者に、ミッドソールのバランス部分及びアウトソール208の中心部分の両方の上方でバランスを維持するように、より努力を行うことを強いる。接触点212をアウトソール208の長手方向軸210に沿って靴底10の前足部分から靴底の後足部分にかけて調節することによって、アウトソールが地面と接触する点212は、アウトソール208の前足部分からアウトソール208の後足部分又は踵部分にかけて変えることができる。
【0081】
長手方向軸210を中心に湾曲部を有するアウトソール208の実施形態が、図13A、図13B、図13C、図13D及び図13E並びに図14A、図14B、図14C、図14D及び図14Eにおいて見ることができ、これらの図はそれぞれ、図1の靴底の実施形態10の線A−A、B−B、C−C、D−D、E−Eにおける断面を示している。この実施形態では、アウトソール208の後足部分の接触点212は、図13A及び図14Aに示されるように、靴底10の内側に向かうものである。接触点212は、図13B及び図14B並びに図13C及び図14Cにおいて靴底10におけるさらに前方の点を示す断面では、靴底10の中心に向けてよりシフトしている。接触点212は、図13D及び図14Dに示されるように、靴底10の前足部分では靴底10の外側へ向けてシフトさせることができる。一つの実施形態では、アウトソール208の湾曲部は、図13E及び図14Eに示されるように、靴底10のつま先エリアにおいて靴底10の極端に外側に向けてシフトすることができる。
【0082】
さらに、図2に示されるように、窓又は撓み溝、好ましくは長手方向の撓み溝214を、本発明の靴底10のアウトソール12及び/又はミッドソール14に位置することができる。撓み溝214は、靴底10の前足部分から靴底10の後足部分へ延びている。撓み溝214は、靴底10の内側及び外側が互いから分離されるように移動することを可能にする。靴底の長手方向中心に対する撓み溝214の位置は、靴底10の前足部分から靴底10の後足部分にかけて変えることができる。一つの実施形態では、撓み溝214の位置は、靴底10の前足部分から靴底10の後足部分にかけて靴底10のバランス部分38の位置決めに追従する。
【0083】
図2は、本発明の撓み溝214を有する靴底10の後足部分における断面を示している。分かるように、撓み溝214は、靴底の長手方向の中心から内側部分に下側ミッドソール部分18及びアウトソール12がないことによって構成される。図15は、撓み溝216を有する本発明の靴底の前足部分における断面を示している。この実施形態では、撓み溝216は、靴底の前足部分の外側へシフトしており、アウトソール218の材料がないことによって構成される。図16Bは、本発明の撓み溝222を有する靴底の底面図を示している。この実施形態では、撓み溝222は、靴底の中心長手方向エリアに沿って下側ミッドソール部分224がないことによって構成される。撓み溝222はまた、同じ経路に沿ってアウトソール220の一部がないことによって構成される。本発明の撓み溝228を有する靴底の代替的な実施形態が図16Cに見られる。この実施形態では、靴底は、靴底10の前足部分から靴底10の後足部分へ延びる2つの撓み溝228を有している。2つの撓み溝228は、ミッドソール232及びアウトソール226が存在する靴底の中心部分230によって分離されている。本発明の撓み溝236を有する靴底の別の実施形態が図16Aに見られる。この実施形態では、撓み溝236は、外側及び内側に沿ってU字形状に延び、本発明に従って形成された靴底の後足部分においてつながっている。
【0084】
上記説明から分かるように、本発明の靴底は、着用者が、自身のバランスを維持するように付加的な努力を行わなければならない必要があることで自身のコンディショニング及びトーニングを促すように調節することのできる種々の手段を提供する。
【0085】
靴底の実施形態、又は構造体及びそのような構造体を組み込んでいる靴底の実施形態はいずれも、サンダル、又はアッパーを有する靴、又は任意の他の履物製品に組み込むことができる。したがって、本明細書において記載されている実施形態のいずれかを組み込んでいる履物製品も本発明の範囲内にある。そのような履物製品は例えば、散歩靴、レジャー用若しくはカジュアルな靴、又はトレーニング用の靴として用いることができる。
【0086】
本発明の例示的な実施形態を添付の図面を参照して説明したが、本発明はそれらの正確な実施形態に限定されないこと、並びに、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく種々の他の変更及び修正を当業者によってそれらの実施形態に加えることができることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品の靴底であって、
該靴底は、
踵部分及び中足部分並びに前足部分と、
内側及び外側と、
ミッドソールと
を備え、
該ミッドソールは、
着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面と、
上側ミッドソール部分、及び少なくとも前記踵部分において前記上側ミッドソール部分の下に隣接して配置された下側ミッドソール部分と、
下面と、
前記上面と前記下面との間の外周側壁と
を備え、
少なくとも前記踵部分の前記上側ミッドソール部分は、前記ミッドソールの前記外周側壁に、前記内側及び前記外側並びに該内側と該外側との間のバランス部分に沿ってある深さを有する水平方向の窪みを画定するように、その外周にアンダーカットが施されており、前記水平方向の窪みは、前記踵部分の後部に沿ってさらに延び、前記外周側壁は、前記水平方向の窪みから前記上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、前記水平方向の窪みから前記下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、前記靴底の中心から離れる方向へ広くなる外周ギャップを形成し、
前記バランス部分は、前記ミッドソールの前記上面の前記幅よりも小さい幅を有し、前記ミッドソールは、前記靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、前記履物製品の着用者に、前記バランス部分の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整することを強いる靴底。
【請求項2】
前記水平方向の窪みの前記深さはその長さに沿って変わる、請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
前記踵部分における前記水平方向の窪みの前記深さは、前記外側の方が前記内側よりも深い、請求項2に記載の靴底。
【請求項4】
前記水平方向の窪みは、前記内側及び前記外側に沿って前記中足部分に延びる、請求項1に記載の靴底。
【請求項5】
前記水平方向の窪みは、前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って前記前足部分にさらに延びる、請求項4に記載の靴底。
【請求項6】
前記踵部分における前記水平方向の窪みの前記深さは、前記外側の方が前記内側よりも深く、前記水平方向の窪みの前記深さは、前記前足部分では前記靴底の前記内側の方が前記外側よりも深い、請求項5に記載の靴底。
【請求項7】
前記踵部分における前記内側及び前記外側の少なくとも一方の大部分に沿った前記水平方向の窪みの前記深さは、その部分において前記ミッドソールの前記上面の前記幅の少なくとも14%である、請求項1に記載の靴底。
【請求項8】
前記踵部分における前記ミッドソールの前記外周ギャップの高さは、前記踵部分における前記ミッドソールの厚さの少なくとも45%まで増加する、請求項1に記載の靴底。
【請求項9】
前記上側ミッドソール部分は上側層であり、前記下側ミッドソール部分は、前記上側層の密度とは異なる密度の材料を含む下側層である、請求項1に記載の靴底。
【請求項10】
前記上側ミッドソール部分及び前記下側ミッドソール部分は一体構造である、請求項1に記載の靴底。
【請求項11】
前記靴底は、前記外周側壁において前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延びる複数の第1の上側延長部と
を備える、請求項1に記載の靴底。
【請求項12】
前記構造体は、前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第2の下側延長部を備え、
前記複数の第1の上側延長部は、該第1の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第2の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、該第2の下側延長部と互い違いになっている、請求項11に記載の靴底。
【請求項13】
前記靴底は、前記外周側壁において前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方へ延びる複数の上側延長部と
を備え、
前記構造体は、前記ベース部分から前記下面に向けて内方へ延びる係止タブを備え、該係止タブは、前記複数の上側延長部のうちの少なくとも1つと一体形成される、請求項9に記載の靴底。
【請求項14】
前記靴底は、前記外周側壁において前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記内側及び前記外側のそれぞれにおいて前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の下側延長部と
を備える、請求項1に記載の靴底。
【請求項15】
前記靴底は、前記踵部分及び前記中足部分において前記内側及び前記外側に沿って前記外周側壁に配置され、かつ、前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って前記前足部分に配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延びる複数の第1の上側延長部と、
前記下側外周部に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第2の下側延長部と
備え、
前記複数の第1の上側延長部は、該第1の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第2の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、該第2の下側延長部と互い違いになっている、請求項5に記載の靴底。
【請求項16】
前記靴底は、少なくとも前記踵部分の前記外周側壁において前記内側及び前記外側の少なくとも一方に沿って配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延びる複数の第1の上側延長部と、
前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第2の下側延長部と
を備え、
前記複数の第1の上側延長部は、該第1の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第2の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、前記第2の下側延長部と互い違いになっており、
前記外側における前記第1の上側延長部及び前記第2の下側延長部の少なくとも一方の幅は、前記内側における前記第1の上側延長部及び前記第2の下側延長部の少なくとも一方の幅よりも大きい、請求項1に記載の靴底。
【請求項17】
前記靴底は、該靴底の前記踵部分の後部の周り及び前記内側及び前記外側に沿って前記外周側壁に配置されたU字形構造体をさらに備え、
該U字形構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延びる複数の第1の上側延長部と、
前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第2の下側延長部と
を備え、
前記複数の第1の上側延長部は、該第1の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第2の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、該第2の下側延長部と互い違いになっており、
前記U字形構造体は、前記ミッドソールを組み付けた後で該ミッドソールに固定されるように構成された外部構造体である、請求項1に記載の靴底。
【請求項18】
前記靴底は、前記ミッドソールの前記下面の下方に配置されたアウトソールをさらに備え、該アウトソールは、前記ミッドソールの前記上面の前記幅よりも小さい幅を有すると共に着用者の歩きぶりにおける不安定性を促すように構成された隆起部分を含む下面を有し、前記隆起部分は、少なくとも前記靴底の前記踵部分において前記アウトソールの中心から実質的に突出する、請求項1に記載の靴底。
【請求項19】
前記隆起部分の高さは、前記前足部分から前記靴底の前記踵部分の後部に向かう方向へ増大する、請求項18に記載の靴底。
【請求項20】
前記隆起部分の前記幅は、前記アウトソールの幅の2/3未満である、請求項18に記載の靴底。
【請求項21】
前記靴底は、前記ミッドソールの前記下面の下方に配置されたアウトソールをさらに備え、該アウトソールの少なくとも一部は前記靴底の前記前足部分から前記踵部分へ延び、前記アウトソールは、前記靴底の前記前足部分から前記踵部分へ延びる前記靴底の軸を中心に湾曲部を含む下面を有し、前記湾曲部によって、前記アウトソールが、該アウトソールの隣接部分よりも先に地面と係合する下方に突出した部分を有する、請求項1に記載の靴底。
【請求項22】
前記靴底の前記内側及び前記外側への前記軸の近さは、前記前足部分から前記踵部分にかけて変わり、着用者の歩きぶりにおける不安定性を促す、請求項21に記載の靴底。
【請求項23】
履物製品の靴底であって、
踵部分及び中足部分並びに前足部分と、
内側及び外側と、
ミッドソールと
を備え、
該ミッドソールは、
着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面と、
上側ミッドソール層、及び少なくとも前記踵部分において前記上側ミッドソール層の下に配置された下側ミッドソール層と、
下面と、
前記上面と前記下面との間の外周側壁と
を備え、
少なくとも前記踵部分の前記上側ミッドソール層は、前記ミッドソールの前記外周側壁に、前記内側及び前記外側並びに該内側及び該外側間のバランス部分に沿ってある深さを有する水平方向の窪みを画定するように、その外周にアンダーカットが施されており、前記外周側壁は、前記水平方向の窪みから前記上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、前記水平方向の窪みから前記下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、前記靴底の中心から離れる方向へ広くなる外周ギャップを形成し、
前記バランス部分は、前記ミッドソールの前記上面の前記幅よりも小さい幅を有し、前記ミッドソールは、前記靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、前記履物製品の着用者に、前記バランス部分の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整させることを強い、
前記靴底は、前記外周側壁において前記内側及び前記外側に沿って配置された構造体をさらに備え、
該構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記内側及び前記外側のそれぞれにおいて前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第1の下側延長部と、
前記内側及び前記外側のそれぞれにおいて前記上側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延びる複数の第2の上側延長部と、
前記上側ミッドソール層と前記下側ミッドソール層との間に配置された中心部分と
を備え、
該中心部分は、
複数の凹状に湾曲した板ばねであって、該凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側の前記第1の下側延長部のうちの1つ及び前記内側の前記第1の下側延長部のうちの1つから連続的な上向きの円弧状に形成された複数の凹状に湾曲した板ばねと、
複数の凸状に湾曲した板ばねであって、該凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側の前記第2の上側延長部のうちの1つ及び前記内側の前記第2の上側延長部のうちの1つから連続的な下向きの円弧状に形成された複数の凸状に湾曲した板ばねと
を備え、
前記複数の第2の上側延長部は、該第2の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第1の下側延長部と交互のパターンで配置されるように、前記第1の下側延長部と互い違いになっており、前記複数の凹状に湾曲した板ばねは、該凹状に湾曲した板ばねが前記複数の凸状に湾曲した板ばねと交互のパターンで配置されるように、前記凸状に湾曲した板ばねと互い違いになっている靴底。
【請求項24】
前記靴底は、前記ミッドソールの前記下面の下方に配置されたアウトソールをさらに備え、該アウトソールは、前記ミッドソールの前記上面の前記幅よりも小さい幅を有すると共に着用者の歩きぶりにおける不安定性を促すように構成された隆起部分を含む下面を有し、前記隆起部分は、少なくとも前記靴底の前記踵部分において前記アウトソールの中心から実質的に突出する、請求項23に記載の靴底。
【請求項25】
前記隆起部分の高さは、前記アウトソールの前記前足部分から前記靴底の前記踵部分の後部に向かう方向へ増大する、請求項24に記載の靴底。
【請求項26】
前記隆起部分の前記幅は、前記アウトソールの幅の2/3未満である、請求項24に記載の靴底。
【請求項27】
前記靴底は、前記ミッドソールの前記下面の下方に配置されたアウトソールをさらに備え、該アウトソールの少なくとも一部は前記靴底の前記前足部分から前記踵部分へ延び、前記アウトソールは、前記靴底の前記前足部分から前記踵部分へ延びる前記靴底の軸を中心に湾曲部を含む下面を有し、前記湾曲部によって、前記アウトソールは、該アウトソールの隣接部分よりも先に地面と係合する下方に突出した部分を有する、請求項23に記載の靴底。
【請求項28】
前記靴底の前記内側及び前記外側への前記軸の近さは、着用者の歩きぶりにおける不安定性を促すように前記前足部分から前記踵部分にかけて変わる、請求項27に記載の靴底。
【請求項29】
履物製品の靴底であって、
該靴底は、
内側及び外側と、
着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面と、下面とを含むミッドソールと、
前記上面と前記下面との間に配置された構造体と
を備え、
該構造体は、
該靴底の前記内側に位置する内側ベース部分と、該靴底の前記外側に位置する外側ベース部分を含むベース部分と、
前記外側ベース部分と前記内側ベース部分との間に配置された中心部分と
を備え、
該中心部分は、
複数の凹状に湾曲した板ばねであって、該凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側ベース部分及び前記内側ベース部分から前記靴底の中心に向けて連続的な上向きの円弧状に形成された複数の凹状に湾曲した板ばねと、
複数の凸状に湾曲した板ばねであって、該凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側ベース部分及び前記内側ベース部分から前記靴底の中心に向けて連続的な下向きの円弧状に形成された複数の凸状に湾曲した板ばねと
を備える靴底。
【請求項30】
前記凹状に湾曲した板ばねは、前記凸状に湾曲した板ばねと交互のパターンで配置されている、請求項29に記載の靴底。
【請求項31】
前記ミッドソールは、
上側ミッドソール層と、
該上側ミッドソール層の下方に延びる下側ミッドソール層と
をさらに含み、
前記上側ミッドソール層は下面を含み、前記下側ミッドソール層は上面を含み、前記上側ミッドソール層の前記下面は、前記凹状に湾曲した板ばねを受け入れるリセスを含み、前記下側ミッドソール層の前記上面は、前記凸状に湾曲した板ばねを受け入れるリセスを含み、前記下側ミッドソール層は、前記ミッドソールの前記下面と前記凹状に湾曲した板ばね及び前記凸状に湾曲した板ばねとの間にガスケットを形成する、請求項29に記載の靴底。
【請求項32】
前記下側ミッドソール層には、前記複数の凹状に湾曲した板ばね及び前記複数の凸状に湾曲した板ばねの一部を露出させる窓が貫通している、請求項31に記載の靴底。
【請求項33】
履物製品の靴底であって、
踵部分及び中足部分並びに前足部分と、
内側及び外側と、
ミッドソールと
を備え、
該ミッドソールは、
着用者の足の下にあって該足を支持する幅を有する上面と、
上側ミッドソール層と、
少なくとも前記踵部分において前記上側ミッドソール層の下方に配置された下側ミッドソール層と、
下面と、
前記上面と前記下面との間の外周側壁と
を備え、
少なくとも前記踵部分の前記上側ミッドソール層は、前記ミッドソールの前記外周側壁に、前記内側及び前記外側並びに該内側及び該外側間のバランス部分に沿ってある深さを有する水平方向の窪みを画定するように、その外周にアンダーカットが施されており、前記外周側壁は、前記水平方向の窪みから前記上面に向けて上方に傾斜している上側外周側壁と、前記水平方向の窪みから前記下面に向けて下方に傾斜している下側外周側壁とを含むことで、前記靴底の中心から離れる方向へ広くなる外周ギャップを形成し、
前記バランス部分は、前記上面の前記幅よりも小さい幅を有し、前記ミッドソールは、前記靴底の長手方向軸に対して横断方向に着用者のバランスを崩すように構成されており、それによって、前記履物製品の着用者に、前記バランス部分の上方で圧力中心を維持するように自身の歩きぶりを調整させることを強い、
前記外周側壁において前記内側及び前記外側に沿って配置された構造体は、
前記水平方向の窪みに沿って位置するベース部分と、
前記内側及び前記外側のそれぞれにおいて前記下側外周側壁に沿って離間し、前記ベース部分から前記下面に向けて外方に延びる複数の第1の下側延長部と、
前記上側ミッドソール層と前記下側ミッドソール層との間に配置された中心部分であって、該中心部分は複数の凹状に湾曲した板ばねを備え、該凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側の前記第1の下側延長部のうちの1つ及び前記内側の前記第1の下側延長部のうちの1つから上方に連続的な円弧状に形成されている中心部分と
を備える靴底。
【請求項34】
前記構造体は、前記内側及び前記外側のそれぞれにおいて前記上側外周側壁に沿って離間している複数の第2の上側延長部をさらに備え、該第2の上側延長部は、前記ベース部分から前記上面に向けて外方に延び、
前記中心部分は、複数の凸状に湾曲した板ばねをさらに備え、該凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側の前記第2の上側延長部のうちの1つ及び前記内側の前記第2の上側延長部のうちの1つから下方に連続的な円弧状に形成されており、前記複数の第2の上側延長部は、該第2の上側延長部が前記ベース部分に沿って前記複数の第1の下側延長部と交互のパターンで配置されるように該第1の下側延長部と互い違いになっている、請求項33に記載の靴底。
【請求項35】
前記複数の凹状に湾曲した板ばねのうちの少なくとも1つの高さは、前記複数の凸状に湾曲した板ばねのうちの少なくとも1つの高さよりも高い、請求項34に記載の靴底。
【請求項36】
アッパーを有する履物製品の靴底であって、
該靴底は、
複数の凹状に湾曲した板ばねであって、該凹状に湾曲した板ばねはそれぞれ、外側の複数の下側延長部のうちの1つ及び内側の複数の下側延長部のうちの1つから連続的な上向きの円弧状に形成されている複数の凹状に湾曲した板ばねと、
複数の凸状に湾曲した板ばねであって、該凸状に湾曲した板ばねはそれぞれ、前記外側の上側延長部のうちの1つ及び前記内側の上側延長部のうちの1つから連続的な下向きの円弧状に形成されている複数の凸状に湾曲した板ばねと
を備える靴底。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公表番号】特表2012−521273(P2012−521273A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502162(P2012−502162)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/028310
【国際公開番号】WO2010/111262
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(500262119)ニュー バランス アスレティック シュー,インコーポレーテッド (7)
【住所又は居所原語表記】20 Guest Street, Boston, MA 02135, U.S.A.
【Fターム(参考)】