説明

中古車販売システム、中古車販売サーバ、及び中古車販売プログラム

【課題】 中古車販売にあたっての販売価格の透明性を担保するとともに、車両情報の明瞭化を実現し、かつ、数多くの車両の中から希望する中古車の購入を可能とする。
【解決手段】 中古車販売サーバ20が、利用者端末10からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバ30にアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して利用者端末に送信するとともに、利用者端末から応札情報を受信してオークションサーバに送信し、オークションサーバから競り結果情報を受信して利用者端末に送信する中古車販売システムであって、希望車情報を中古車販売サーバに送信し、中古車販売サーバから受信した見積書を出力する利用者端末と、受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定し、この車両落札予想価格を含む見積書を生成して、利用者端末に送信する中古車販売サーバとを備えた中古車販売システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既に落札が行われた相場情報にもとづいて、車両落札予想価格を含めた見積書を作成し、これにもとづき応札を行うことを可能とする中古車販売システム、中古車販売サーバ、及び中古車販売プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中古車販売においては、ネットオークションが広く行われている。このネットオークションでは、オークションサーバに接続された参加者のコンピュータに、出品車に関する情報が次々と表示される。そして、参加者が、このコンピュータに応札情報を入力すると、これがオークションサーバに送信され、所定のオークション開催時間を経て、落札者の決定等が行われる。
このオークションへの参加にあたり、参加者は、予め出品車に関する車両の詳細な情報を確認することができるとともに、その出品車についてのオークション開催日時などを参照することもできる。そして、落札された車について、落札価格や車両の詳細な情報などを参照することも可能となっている。
【0003】
このような従来の中古車販売システムに関する先行技術文献としては、例えば以下に示す特許文献1や特許文献2などを挙げることができる。
特許文献1に記載の競売システム等によれば、通信回線を介して複数の端末装置間で物品の競売を行うことができ、事前に顧客情報として収集してデータベース化した顧客の情報の内、競売に必要な最小限の情報のみをNET参加ディーラーに開示するため、顧客と担当ディーラーとの信頼関係を維持しながら、顧客及び担当ディーラーの双方にとって有利な競売が可能になるとされている。
また、特許文献2に記載の中古物品情報の提供装置等によれば、各地の中古物品のディーラー端末から中古物品に関する情報が記録手段に書き込まれ、この情報がユーザ端末に表示されるので、各ディーラーが中古物品を実際に展示する必要がなく、保管及び運搬の費用を節減できるとされている。また、ユーザ端末を広い範囲に亘って設置することにより、非常に広い範囲のユーザを対象として中古物品の販売等が可能になるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−133177号公報
【特許文献2】特開2001−167166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら従来のネットオークションにより落札された車を中古車販売ディーラーから購入するにあたり、一般顧客には相場情報を直接取得する術が無く、販売価格が不透明で、その価格が高いのか安いのかが分からないといった問題があった。
また、一般顧客は相場情報に直接接することがないため、車両に品質について明瞭に把握することができず、事故車ではないかなどという不安を抱える場合があった。
一方、展示車両から希望車を選択する場合には、その車両の数量が限られることから、欲しい車がなかなか見つからないという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、既に落札が行われた相場情報にもとづいて、顧客に希望車を選択してもらい、希望車についての過去の落札価格を車両落札予想価格として含めた見積書を作成し、顧客に代わって、中古車販売ディーラーがネットオークションにより出品車を落札することで、中古車販売における価格を透明化するとともに、車両情報を明瞭化し、幅広い選択範囲の中から顧客に最適な出品車を落札して販売可能とする中古車販売システム、中古車販売サーバ、及び中古車販売プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の中古車販売システムは、中古車販売サーバが、利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して利用者端末に送信するとともに、利用者端末から応札情報を受信してオークションサーバに送信し、オークションサーバから競り結果情報を受信して利用者端末に送信する中古車販売システムであって、希望車情報を中古車販売サーバに送信し、中古車販売サーバから受信した見積書を出力する利用者端末と、受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定し、この車両落札予想価格を含む見積書を生成して、利用者端末に送信する中古車販売サーバとを備えた構成としてある。
【0008】
中古車販売システムをこのような構成にすれば、顧客に対して、車両落札予想価格を明示した見積書を提供することが可能となる。
このため、従来の中古車販売においては、価格が不透明であり、提示された価格が高いのか安いのかがわからない状況であったが、本発明によれば、見積書に車両落札予想価格を明示でき、中古車販売価格を透明化することが可能となる。
これによって、中古車販売ディーラーにとっては、車両価格や手数料等を明確化して、価格競争力を高めることが可能となる。また、顧客にとっても、購入する車両価格や手数料を明確に把握することができるため、安心して納得のいく購入を行うことが可能となる。
【0009】
また、中古車販売システムをこのような構成にすれば、顧客に対して、相場情報を検索して提供することができるため、顧客は、自分の購入する車として実際に落札された車両についての詳細な相場情報を参照することができ、車両の品質を明確に把握することも可能となる。
さらに、展示車両のみから車両を探す場合には欲しい車がなかなか見つからないことも多いと考えられるが、本発明の中古車販売システムによれば、中古車販売ディーラーが顧客に代わってオークションにより車両を落札することができるため、多数の車両の中から顧客の希望に最適な車両を選択して確保し、販売することが可能となる。
【0010】
また、本発明の中古車販売システムは、中古車販売サーバが、利用者端末から既に落札が行われた相場情報の選択情報を受信すると、当該相場情報における落札価格を車両落札予想価格として含む見積書を生成して、利用者端末に送信する構成としてある。
【0011】
中古車販売システムをこのような構成にすれば、顧客が選択した既に落札が行われた相場情報にもとづいて、その落札価格を車両落札予想価格とすることにより、自動的に車両落札予想価格を含む見積書を作成することができる。
このため、中古車販売ディーラーは、顧客に容易かつ迅速に透明性の高い見積書を提示することが可能となる。
また、このように見積書の出力を自動化すれば、顧客自身が利用者端末を操作することによって、自分で見積書を作成し、購入する車を検討することも可能となる。
【0012】
また、本発明の中古車販売サーバは、利用者端末から応札情報を受信してオークションサーバに送信し、オークションサーバから競り結果情報を受信して利用者端末に送信する中古車販売サーバであって、利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して利用者端末に送信する相場情報検索手段と、利用者端末から受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定する車両落札予想価格設定手段と、車両落札予想価格を含む見積書を生成する見積書生成手段とを備えた構成としてある。
【0013】
また、本発明の中古車販売サーバは、車両落札予想価格設定手段が、利用者端末からの既に落札が行われた相場情報の選択情報を入力すると、当該相場情報における落札価格を車両落札予想価格とする構成としてある。
【0014】
また、本発明の中古車販売プログラムは、中古車販売サーバに、利用者端末から応札情報を受信させてオークションサーバに送信させ、オークションサーバから競り結果情報を受信させて利用者端末に送信させる中古車販売プログラムであって、中古車販売サーバを、利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して利用者端末に送信する相場情報検索手段、利用者端末から受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定する車両落札予想価格設定手段、車両落札予想価格を含む見積書を生成する見積書生成手段として機能させる構成としてある。
【0015】
また、本発明の中古車販売プログラムは、車両落札予想価格設定手段が、利用者端末からの既に落札が行われた相場情報の選択情報を入力すると、当該相場情報における落札価格を車両落札予想価格とする構成としてある。
【0016】
中古車販売サーバ及び中古車販プログラムをこれらのような構成にすれば、中古車販売サーバによって、車両落札予想価格を含む透明性の高い見積書を作成することができる。また、このような見積書を過去の相場情報にもとづいて車両落札予想価を設定することにより自動的に作成することも可能となる。
このため、中古車販売ディーラーは、高い価格競争力を実現でき、顧客は安心して中古車を購入することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、中古車販売ディーラーは、顧客に相場情報を参照させることができるとともに、既に落札された相場情報を参照して、購入希望車を選択してもらうことができる。
そして、この相場情報における落札価格等を車両落札予想価格として含めた見積書を作成し、これを顧客に提示することができる。
このため、顧客に販売価格の透明性を保証することが可能となる。
【0018】
また、このような中古車販売システムを用いることによって、中古車販売ディーラーは、顧客が購入を希望し、見積書を作成した車について、ネットオークションで落札を行うとともに、その相場情報を顧客に提供することも可能となる。
このため、中古車販売ディーラーは、顧客に対して販売する車両情報を明瞭化できるとともに、数多くの選択範囲の中から当該顧客に最適な車両を落札して販売することが可能となる。
【0019】
その結果、中古車販売ディーラーにとっては、車両価格や手数料を明確化することで、価格競争力の向上を図ることができる。また、顧客にとっては、透明性の高い販売価格に信頼を持つことができるとともに、車両についての詳細な情報を得ることができるため、事故車でないかなどの不安をもつことなく、多くの車両の中から選択された希望の車を入手することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る中古車販売システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明の中古車販売システムは、中古車販売プログラムにもとづき制御された中古車販売サーバとしてのコンピュータにより動作するようになっている。このコンピュータのCPUは、中古車販売プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、中古車販売サーバの動作に必要となる所定の処理、例えば、検索結果一覧情報の送信処理、見積書の生成・送信処理等を行わせる。このように、本発明の中古車販売システムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
【0021】
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0022】
まず、本発明の一実施形態の構成について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態の中古車販売システムの構成を示すブロック図である。図2は、同システムにおける中古車販売サーバの構成を示すブロック図である。図3は、同システムにおけるオークションサーバの構成を示すブロック図である。図4は、同システムにおける相場情報DBのレコードレイアウトを示す図である。
図1に示すように、本実施形態の中古車販売システムは、利用者端末10(10−1,10−2,・・・,10−n)、中古車販売サーバ20、オークションサーバ30、及びインターネット40を有している。
【0023】
[利用者端末10]
利用者端末10は、中古車販売ディーラーが使用する情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータや、携帯電話、PHS、PDA等を用いることができる。また、顧客に対して利用可能とすることも好ましい。
この利用者端末10は、中古車販売サーバ20にログイン情報を送信して、中古車販売サーバ20による認証を受ける。
また、利用者端末10は、中古車販売サーバ20から各種Web画面情報を受信するとともに、検索条件や選択情報を入力して、これを中古車販売サーバ20に送信する。そして、利用者端末10は、送信した情報に対応する情報を表示する画面情報などを中古車販売サーバ20から受信して表示する。
【0024】
[中古車販売サーバ20]
中古車販売サーバ20は、オークションに参加するためのWeb画面等を利用者端末10に提供する情報処理装置であって、例えばワークステーションやサーバ、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。
この中古車販売サーバ20は、図2に示すように、認証手段20a,会員情報記憶手段20b,相場情報検索手段20c,画面情報記憶手段20d,車両落札予想価格設定手段20e,見積書生成手段20f,応札手段20g,競り結果表示手段20hを備えている。
【0025】
認証手段20aは、利用者端末10から送信されてきたログインIDとパスワードなどの認証情報にもとづいて、会員情報記憶手段20bを検索し、これらが登録されているかどうかを確認することにより、ユーザ認証を行う。
会員情報記憶手段20bは、中古車販売オークションに参加する中古車販売ディーラー等のログインIDやパスワードなどの認証情報やその他の会員についての各種情報を記憶する。
【0026】
相場情報検索手段20cは、ユーザ認証が成功すると、利用者端末10に対して、相場検索画面情報を送信する。また、利用者端末10から送信されてきた検索条件にもとづいて、オークションサーバ30における相場情報DBを検索し、対応する相場情報の検索結果一覧情報を取得して、これを利用者端末10に送信する。さらに、利用者端末10から送信されてきた検索結果の選択情報にもとづいて、オークションサーバ30における相場情報DBを検索し、対応する相場情報の詳細情報を取得して、これを利用者端末10に送信する。
【0027】
画面情報記憶手段20dは、相場検索画面,検索結果一覧画面,検索結果詳細画面などの各種Web画面のテンプレートを記憶する。後述する応札画面などのWeb画面のテンプレートも画面情報記憶手段20dに記憶される。
これらのWeb画面のテンプレートは、相場情報検索手段20cなどによりオークションサーバ30から取得された情報を設定され、画面情報を作成するための画面レイアウトとして用いられる。
【0028】
車両落札予想価格設定手段20eは、車両落札予想価格を設定する。この車両落札予想価格の設定にあたって、車両落札予想価格設定手段20eは、利用者端末10から送信されてきた希望車についての選択情報にもとづいて、対応する相場情報における落札価格を、希望車の車両落札予想価格として用いることができる。
【0029】
また、車両落札予想価格設定手段20eは、利用者端末10に手入力され、中古車販売サーバ20に送信されてきた希望落札価格を、当該希望車の車両落札予想価格として用いることができる。
その他、中古車販売サーバ20に、車種やグレード、走行距離等ごとに車両落札予想価格を対応付けたテーブルを保有させて、利用者端末10から送信されてきた希望車の選択情報に対応する相場情報にもとづき当該テーブルを検索することで、希望車の車両落札予想価格を設定することも可能である。
【0030】
見積書生成手段20fは、車両落札予想価格を含む見積書を生成する。この見積書については、車両落札予想価格を含むものであれば、その他の点については、従来の一般的なものと同様のものとすることができるが、例えば車両価格、落札料金、手数料、登録手数料、車庫証明申請料、税金関係料金、法定費用料金、陸送費料金等を表示するものとすることができる。
このとき、車両価格として車両落札予想価格を明示し、手数料として所定の基準に従った明瞭な金額を提示することで、顧客にとって透明性が高く安心感のある見積書を提供することが可能となる。
【0031】
応札手段20gは、利用者端末10から送信されてきた応札画面要求に対して、対応する相場情報をオークションサーバ30における相場情報DB30aから取得して、この相場情報を表示する応札画面情報を利用者端末10に送信する。
そして、応札手段20gは、利用者端末10からの応札情報を入力すると、この応札情報をオークションサーバ30に送信する。
なお、この応札情報としては、出品番号、応札価格等を含むものとすることができる。
競り結果表示手段20hは、競り結果情報をオークションサーバ30から受信して取得し、この競り結果情報を利用者端末10に送信する。これによって、当該情報を利用者端末10において表示可能とする。
【0032】
[オークションサーバ30]
オークションサーバ30は、相場情報を管理し、オークションを実行する情報処理装置であり、例えばワークステーションやサーバ、パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
このオークションサーバ30は、図3に示すように、相場情報DB30a,落札判定手段30b,競り結果登録手段30cを備えている。
【0033】
相場情報DB30aは、相場情報を記憶する記憶手段であり、中古車販売サーバ20からの要求に応じて、記憶する情報を提供可能とするものである。
この相場情報DB30aのデータ構成としては、図4に示すように、例えば「出品番号」,「開催日時」,「年式」,「車種」,「グレード」,「シフト」,「排気量」,「走行距離」,「車検年月日」,「色」,「型式」,「装備」,「評価」,「競り結果」,「スタート価格」,「最終応札価格」,「落札店」,「落札最低価格」,「詳細画面情報1」,「詳細画面情報2」等とすることができる。なお、「詳細画面情報1」,「詳細画面情報2」としては、文字情報等とする他、画像情報などとすることもできる。
【0034】
落札判定手段30bは、利用者端末10からの応札情報に係る落札希望車についてのオークション開催時間の経過時に、落札の判定を行う。この落札の判定については、従来公知の方法とすることができるが、例えば、オークション開催時間の経過時点において、最も高い応札価格を提示した中古車販売ディーラー(落札店)等を落札者とすることができる。
また、この際、落札判定手段30bは、相場情報DB30aから落札最低価格を参照して、最も高い応札価格が、この落札最低価格を下回っている場合には、「落札」は成立せず、「流れ」と判定することもできる。
競り結果登録手段30cは、競り結果情報を相場情報DB30aに登録する。この登録する競り結果情報としては、例えば落札や流れなどを識別する「競り結果」,オークションの「スタート価格」,「最終応札価格」,「落札店」等とすることができる。
【0035】
次に、本実施形態の中古車販売システムにおける処理手順について、図5〜図10を参照して説明する。図5は、本実施形態の中古車販売システムにおける処理手順を示す動作手順図(前半)である。図6は、同システムにおける相場検索画面を示す図である。図7は、同システムにおける検索結果一覧画面を示す図である。図8は、同システムにおける検索結果詳細画面を示す図である。図9は、同システムにおける処理手順を示す動作手順図(後半)である。図10は、同システムにおける応札画面を示す図である。
なお、同図において、点線で表示されている部分は、中古車販売ディーラーなどにより人手にて行われる部分であり、中古車販売システムの処理によるものではない。
【0036】
まず、図5に示すように、利用者端末10は、ログインIDとパスワードなどの認証情報を中古車販売サーバ20に送信して、中古車販売サーバ20による認証を受ける(ステップ10)。
認証が成功すると、中古車販売サーバ20は、相場検索画面情報を利用者端末10に送信する(ステップ11)。
利用者端末10は、受信した相場検索画面情報にもとづいて、相場検索画面を表示する(ステップ12)。この相場検索画面は、例えば図6に示すようなものとすることができる。
【0037】
次に、利用者端末10は、中古車販売ディーラーなどの操作により、相場検索画面から検索条件を入力し、この検索条件を中古車販売サーバ20に送信する(ステップ13)。
中古車販売サーバ20は、受信した検索条件にもとづいて、オークションサーバ30における相場情報DBを検索する(ステップ14)。
【0038】
そして、中古車販売サーバ20は、相場情報DBから取得した一又は二以上のレコードの情報の一覧を表示する検索結果一覧画面を作成し、この画面情報を利用者端末10に送信する(ステップ15)。
利用者端末10は、受信した検索結果一覧画面情報にもとづいて、検索結果一覧画面を表示する(ステップ16)。この検索結果一覧画面は、例えば図7に示すようなものとすることができる。
【0039】
図7に示される各相場情報について、より詳細な情報を参照する場合、中古車販売ディーラー等の操作によって、利用者端末10は、図7における「詳細」ボタンなどの押下を受けることにより当該出品車についての出品番号等を含む選択情報を入力し、この選択情報を中古車販売サーバ20に送信する(ステップ17)。
【0040】
中古車販売サーバ20は、選択情報にもとづいて、選択された相場情報についての詳細情報を取得する(ステップ18)。このとき、中古車販売サーバ20は、オークションサーバ30における相場情報DBから対応するレコードにおける「詳細画面情報1」,「詳細画面情報2」などの詳細情報を取得することができる。そして、この詳細情報を表示する検索結果詳細画面の画面情報を利用者端末10に送信する(ステップ19)。
【0041】
利用者端末10は、受信した検索結果詳細画面情報にもとづいて、検索結果詳細画面を表示する(ステップ20)。この検索結果詳細画面は、例えば図8に示すようなものとすることができる。
このようにして、利用者端末10に検索結果詳細画面を表示することができるため、中古車販売ディーラーは顧客に相場情報を実際に見せて、希望車の選択を可能とすることができる。このため、顧客は、実際にどのような車種やグレードのどの程度の車が、どのような金額で落札されるのかを実際に見ることができ、希望する車を購入するに際して、どの程度の予算が必要になるかをより正確に予測することが可能となる。
【0042】
検索結果詳細画面を参照して、購入を希望する車が決定すると、利用者端末10は、中古車販売ディーラー等の操作により、希望車の選択情報を入力して、この選択情報を中古車販売サーバ20に送信する(ステップ21)。
この選択情報としては、出品番号を含むものとすることができる。また、この選択情報は、図8に示すような既に落札された相場情報を表示する検索結果詳細画面における「見積書作成」ボタンを押下することで、中古車販売サーバ20に送信するようにすることができる。
【0043】
中古車販売サーバ20は、選択情報を受信すると、オークションサーバ30における相場情報DBを「出品番号」にもとづき検索し、落札価格として検索結果詳細画面に表示されている「最終応札価格」を取得する。そして、この「最終応札価格」を車両落札予想価格とする(ステップ22)。なお、上記選択情報に検索結果詳細画面に表示された最終応札価格(落札価格)を含ませることにより、ステップ22における相場情報DBの検索を省略することも可能である。
【0044】
なお、車両落札予想価格について、手入力可能とすることも好ましい。例えば、図8の検索結果詳細画面において、希望落札価格入力欄を設け、見積書作成ボタンが押下されると、当該画面に表示されている車を希望車とし、希望落札価格入力欄に入力された価格を車両落札予想価格として、中古車販売サーバ20により見積書を生成するようにすることも好ましい。
この場合、利用者端末10から希望車と希望落札価格を含む希望車情報が中古車販売サーバ20に送信され、中古車販売サーバ20が受信した希望落札価格を、希望車についての車両落札予想価格として設定し、見積書を作成することとなる。
【0045】
そして、中古車販売サーバ20は、この車両落札予想価格を表示する見積書を生成し、これを利用者端末10に送信する(ステップ23)。
利用者端末10は、受信した見積書を画面に表示したり、印刷することなどにより出力する(ステップ24)。
この見積書を参照することで、顧客は希望車の販売金額における車両落札予想価格や中古車販売ディーラーに支払う手数料等を明確に把握することができ、安心して取引を行うことが可能となる。
【0046】
次に、中古車販売ディーラー等は、見積書にもとづいて、顧客が希望する車をオークションにより落札する。
このとき、利用者端末10は、図9に示すように、まず、応札画面要求を中古車販売サーバ20に送信する(ステップ25)。この応札画面要求には、出品番号が含まれるものとすることができる。
【0047】
これに対して、中古車販売サーバ20は、受信した出品番号に対応する相場情報をオークションサーバ30における相場情報DB30aから取得して、応札画面情報を作成し、これを利用者端末10に送信する(ステップ26)。
利用者端末10は、受信した応札画面情報にもとづいて、応札画面を表示する(ステップ27)。この応札画面は、例えば図10に示すようなものとすることができる。同図は、落札の判定が行われた後の応札画面を示している。
【0048】
次に、利用者端末10は、中古車販売ディーラー等の操作により、応札情報を入力して、これを中古車販売サーバ20に送信する(ステップ28)。
応札情報としては、例えば応札金額、応札を行うことを示す情報などとすることができる。応札金額については、図10において図示しないが、例えば応札金額入力欄を設けて、入力可能とすることができる。また、図10における応札ボタンを押下することで、入力された応札金額と応札を行うことを示す情報を、利用者端末10が中古車販売サーバ20に送信する構成とすることができる。
【0049】
なお、同図においては、応札画面上に応札ボタンを設け、これを押下することで、応札を行うことを示す情報を中古車販売サーバ20に送信する構成としているが、例えば利用者端末10にジョイスティックを接続し、このジョイスティックに備えられたボタンを押下することで、応札を行うことを示す情報を中古車販売サーバ20に送信する構成とするなど、利用者端末10から中古車販売サーバ20に応札情報を送信する具体的な方法については、特に限定されない。
【0050】
次に、中古車販売サーバ20は、受信した応札情報をオークションサーバ30に送信する(ステップ29)。
オークションサーバ30は、受信した応札情報にもとづいて、落札の判定を行い、競り結果をオークションサーバ30における相場情報DBに登録する(ステップ30)。
【0051】
この落札の判定処理については、従来公知の種々の方法とすることができる。例えば、当該出品車についてのオークション開催終了時に最も高い応札価格を送信した利用者端末10の使用者である中古車販売ディーラー等を落札者として決定することができる。
また、この際に、相場情報DB30aにおける落札最低価格を参照して、最終応札価格が落札最低価格以上である場合にのみ落札者を決定し、競り結果を「落札」とすることができる。最終応札価格が落札最低価格未満である場合には、落札者を決定することなく、競り結果を「流れ」とすることができる。
そして、中古車販売サーバ20は、競り結果,落札店等を、オークションサーバ30における相場情報DB30aに登録する。
【0052】
次に、中古車販売サーバ20は、競り結果情報をオークションサーバ30から受信して取得し、これを利用者端末10に送信する(ステップ31)。この競り結果情報とは、「落札」や「流れ」などの競り結果と、落札価格としての最終応札価格、落札店等の情報とすることができる。この競り結果情報の受信にあたり、中古車販売サーバ20は出品番号をキーとして、オークションサーバ30における相場情報DB30aを検索して取得するようにすることができる。
利用者端末10は、受信した競り結果情報を表示する(ステップ32)。図10は、この競り結果情報を表示した場合の、応札画面の例を示している。
【0053】
このようにして、中古車販売ディーラー等により出品車が落札されると、顧客への車の引渡しを行うまでの各種手続きが行われる(ステップ33)。
すなわち、中古車販売ディーラーにより落札車の基本点検や名義変更手続き等が行われ、顧客により料金の支払い(現金、カード、分割)が行われる。そして、顧客への車の引渡しが行われる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の中古車販売システムによれば、中古車販売ディーラーは、顧客に相場情報を参照させることができるとともに、既に落札された相場情報を参照して、購入希望車を選択してもらうことができる。そして、この相場情報における落札価格を車両落札予想価格として含めた見積書を作成し、これを顧客に提示することができる。このため、顧客に販売価格の透明性を保証することが可能となる。
【0055】
また、このような中古車販売システムを用いることによって、中古車販売ディーラーは、顧客が購入を希望し、見積書を作成した車について、ネットオークションで落札を行うとともに、その相場情報を顧客に提供することも可能となる。
このため、中古車販売ディーラーは、顧客に対して販売する車両情報を明瞭化できるとともに、数多くの選択範囲の中から当該顧客に最適な車両を落札して販売することが可能となる。
【0056】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、オークションサーバ30における相場情報DBのレコードレイアウトにより詳細な項目を追加したり、各種画面により詳細な情報を表示させるなど適宜変更することが可能である。
また、本実施形態では、顧客が車を購入する場合について説明したが、顧客が車を売却(出品)する場合に適用することも可能である。この場合も、本発明によれば、売却についての車両落札予想価格を含む見積書を顧客に提示することができる。このため、中古車販売ディーラーは、透明性の高い売却代行を行うことが可能となり、顧客も安心して中古車販売ディーラーに売却を依頼することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、一般顧客がオークションによる中古車の購入等を希望する場合に、中古車販売ディーラーがこれを代行することにより中古車の販売を行う中古車販売形態に好適に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態の中古車販売システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける中古車販売サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおけるオークションサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける相場情報DBのレコードレイアウトを示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態の中古車販売システムにおける処理手順を示す動作手順図(前半)である。
【図6】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける相場検索画面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける検索結果一覧画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける検索結果詳細画面を示す図である。
【図9】本発明の第一実施形態の中古車販売システムにおける処理手順を示す動作手順図(後半)である。
【図10】本発明の一実施形態の中古車販売システムにおける応札画面を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 利用者端末
20 中古車販売サーバ
20a 認証手段
20b 会員情報記憶手段
20c 相場情報検索手段
20d 画面情報記憶手段
20e 車両落札予想価格設定手段
20f 見積書生成手段
20g 応札手段
20h 競り結果表示手段
30 オークションサーバ
30a 相場情報DB
30b 落札判定手段
30c 競り結果登録手段
40 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中古車販売サーバが、利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えたオークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して前記利用者端末に送信するとともに、前記利用者端末から応札情報を受信して前記オークションサーバに送信し、前記オークションサーバから競り結果情報を受信して前記利用者端末に送信する中古車販売システムであって、
希望車情報を前記中古車販売サーバに送信し、前記中古車販売サーバから受信した見積書を出力する前記利用者端末と、
受信した前記希望車情報について、車両落札予想価格を設定し、この車両落札予想価格を含む見積書を生成して、前記利用者端末に送信する前記中古車販売サーバと、を備えた
ことを特徴とする中古車販売システム。
【請求項2】
前記中古車販売サーバが、前記利用者端末から既に落札が行われた相場情報の選択情報を受信すると、当該相場情報における落札価格を前記車両落札予想価格として含む見積書を生成して、前記利用者端末に送信する
ことを特徴とする請求項1記載の中古車販売システム。
【請求項3】
利用者端末から応札情報を受信してオークションサーバに送信し、前記オークションサーバから競り結果情報を受信して前記利用者端末に送信する中古車販売サーバであって、
前記利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えた前記オークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して前記利用者端末に送信する相場情報検索手段と、
前記利用者端末から受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定する車両落札予想価格設定手段と、
前記車両落札予想価格を含む見積書を生成する見積書生成手段と、を備えた
ことを特徴とする中古車販売サーバ。
【請求項4】
前記車両落札予想価格設定手段が、前記利用者端末からの既に落札が行われた相場情報の選択情報を入力すると、当該相場情報における落札価格を前記車両落札予想価格とする
ことを特徴とする請求項3記載の中古車販売サーバ。
【請求項5】
中古車販売サーバに、利用者端末から応札情報を受信させてオークションサーバに送信させ、前記オークションサーバから競り結果情報を受信させて前記利用者端末に送信させる中古車販売プログラムであって、
前記中古車販売サーバを、
前記利用者端末からの要求にもとづいて相場情報データベースを備えた前記オークションサーバにアクセスし、この相場情報データベースから相場情報を取得して前記利用者端末に送信する相場情報検索手段、
前記利用者端末から受信した希望車情報について、車両落札予想価格を設定する車両落札予想価格設定手段、
前記車両落札予想価格を含む見積書を生成する見積書生成手段
として機能させる中古車販売プログラム。
【請求項6】
前記車両落札予想価格設定手段が、前記利用者端末からの既に落札が行われた相場情報の選択情報を入力すると、当該相場情報における落札価格を前記車両落札予想価格とする
ことを特徴とする請求項5記載の中古車販売プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−268635(P2006−268635A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88123(P2005−88123)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000101592)アポロサービス株式会社 (1)