説明

中継装置

【課題】中継装置に設けられたシャッター板による物品の損傷を低減すること。
【解決手段】物品を第1装置から受け取って第2装置に供給する中継装置100は、第1装置からくる物品1を一時的に保持する保持室10と、保持室10の入口12に配置された入口シャッター20と、保持室10に保持された物品1を第2装置に送る搬送機構30とを備える。入口シャッター20は、第1位置P1とそれよりも高い第2位置P2とを通る傾斜面18において移動可能なシャッター板22と、シャッター板22を駆動する駆動機構24とを含む。シャッター板22は、入口12を閉じるときは駆動機構24によって第1位置P1から第2位置P2に向う方向に駆動され、入口12を開くときは駆動機構24によって第2位置P2から第1位置P1に向かう方向に駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を第1装置から受け取って第2装置に供給する中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料のパッケージング設備では、容器に飲料が充填された後に該容器の口部が蓋で封止される。蓋には、王冠蓋やスクリュー蓋などがある。容器の口部を蓋で封止する封止装置(打栓機、巻き締め装置などと呼ばれうる)には、例えば、エアー搬送によって蓋が搬送され、その搬送路には、蓋供給源から相応量の蓋を受け取って一時的に保持した後に封止装置に供給する中継装置が設けられうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−179191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような中継装置は、蓋供給源と封止装置との間を遮断するためのシャッター板を備えうる。このシャッター板によってキャップの移動経路が遮断される際にシャッター板によってキャップが挟まれて変形する可能性がある。変形したキャップが封止装置に供給されると、封止不良が発生したり、封止装置の停止を余儀なくされたりしうる。このような問題は、キャップの操作のみならず、種々の物品の操作において発生しうる。
【0005】
本発明は、上記に課題認識を契機としてなされたものであり、例えば、中継装置に設けられたシャッター板による物品の損傷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面に係る中継装置は、物品を第1装置から受け取って第2装置に供給するように構成され、前記中継装置は、第1装置からくる物品を一時的に保持する保持室と、前記保持室の入口に配置された入口シャッターと、前記保持室に保持された物品を前記第2装置に送る搬送機構とを備え、前記入口シャッターは、第1位置と前記第1位置よりも高い第2位置とを通る傾斜面において移動可能なシャッター板と、前記シャッター板を駆動する駆動機構とを含み、前記シャッター板は、前記入口を閉じるときは前記駆動機構によって前記第1位置から前記第2位置に向う方向に駆動され、前記入口を開くときは前記駆動機構によって前記第2位置から前記第1位置に向かう方向に駆動される。
【0007】
本発明の第2の側面に係る中継装置は、物品を第1装置から受け取って第2装置に供給するように構成され、前記中継装置は、第1装置からくる物品を一時的に保持する保持室と、前記保持室の入口に配置された入口シャッターと、前記入口の付近における物品を吹き飛ばすように配置された噴射部と、前記保持室に保持された物品を前記第2装置に送る搬送機構とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、中継装置に設けられたシャッター板による物品の損傷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の好適な実施形態の中継装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の中継装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の中継装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の中継装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の中継装置の一部分の拡大図である。
【図6】保持室の入口の好適な形状を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0011】
図1〜図6を参照しながら本発明の好適な実施形態の中継装置100について説明する。この実施形態では、中継装置100は、例えば、物品としての王冠蓋1を第1装置としての蓋供給源から受け取って第2装置としての封止装置(打栓機)に供給路70を通して供給するように構成されている。中継装置100は、蓋供給源(第1装置)からくる王冠蓋(物品)1を一時的に保持する保持室10と、保持室10の入口12に配置された入口シャッター20と、保持室10に保持された王冠蓋(物品)1を封止装置(第2装置)に送る搬送機構30とを備える。蓋供給源から中継装置100への王冠蓋1の供給は、例えば、エアー搬送によってなされうる。エアー搬送波、例えば、吸引装置60によって蓋供給源から王冠蓋1を吸引すること、および/または、蓋供給源から王冠蓋1をエアーによって送り出すことによってなされうる。
【0012】
入口シャッター20は、第1位置P1とそれよりも高い第2位置P2とを通る傾斜面(典型的には平面)において移動可能なシャッター板22と、シャッター板22を駆動する駆動機構(例えば、エアシリンダ)24とを含む。シャッター板22は、入口12を閉じるときは駆動機構24によって第1位置P1から第2位置P2に向う方向に駆動され、入口12を開くときは駆動機構24によって第2位置P2から第1位置P1に向かう方向に駆動される。このような構成によれば、図5に例示されるように、シャッター板22によって入口12が閉じられる際にシャッター板22の上(特に先端部分)に王冠蓋1が載っていたり、上方から落下してきたりしたとしても、その王冠蓋1は、矢印3に示すように、シャッター板22の傾斜に従って第1位置P1の方向に移動しうる。したがって、シャッター板22によって王冠蓋1が挟まれること、即ち王冠蓋1が変形することが防止される。
【0013】
中継装置100は、保持室10の上方に配置された受け入れ室40を更に備えうる。受け入れ室40は、第2位置P2から見て第1位置P1の側の上方に受け入れ口42を有することが好ましい。これにより、第2位置P2側よりも第1位置P1側に王冠蓋1が落下しやすくなり、シャッター板22による王冠蓋1の挟み込みが更に低減されうる。受け入れ室40には、受け入れ口42を通して第1装置(蓋供給源)から王冠蓋1が受け入れられる。受け入れ室40は、受け入れ口42を通して蓋供給源(第1装置)からくる王冠蓋1を第1位置P1側に案内する案内部材44を有することが好ましく、このような案内部材44によっても、シャッター板22による王冠蓋1の挟み込みが更に低減されうる。
【0014】
中継装置100は、更に、入口12の付近における王冠蓋1を吹き飛ばすように配置された噴射部70を備えることが好ましい。噴射部70は、例えば、入口12の付近における王冠蓋1を第2位置P2から第1位置P1に向けて吹き飛ばすように配置されうる。噴射部70からエアー等を噴射することにより、図5に例示されるように、仮にシャッター板22によって入口12が閉じられる際にシャッター板22の上(特に先端部分)に王冠蓋1が載っていたり、上方から落下してきたりしたとしても、その王冠蓋1は、矢印3に示すように、第1位置P1の方向に吹き飛ばされうる。
【0015】
図6に例示するように、シャッター板22の移動方向(CまたはD)に直交する方向における入口12の幅Wは、シャッター板22が入口12を閉じる方向Cに向かって狭くなっていることが好ましい。入口12は、例えば、円形状を有しうる。このような構成によれば、入口12の外縁とシャッター板22によって完全に閉じられる直前における幅Wが入口12の最大幅よりも小さいのでシャッター板22によって王冠蓋1が挟まれる可能性が大きく低下する。
【0016】
中継装置100は、保持室10の出口14に出口シャッター50を更に備えうる。出口シャッター50は、シャッター板52と、シャッター板52を駆動する駆動機構(例えば、エアシリンダ)54とを含む。搬送機構30は、出口14を通して落下してくる王冠蓋1を封止装置(第2装置)に向けてエアー搬送するブロアーを含みうる。図1および図2は、蓋供給源(第1装置)から王冠蓋1が移動してくるときの様子を模式的に示している。蓋供給源(第1装置)から王冠蓋1が移動してくるときは、それに先立って、出口シャッター50によって出口14が閉じられ、かつ、入口12が開かれる。図3は、保持室10に保持された王冠蓋1を搬送機構30によって封止装置(第2装置)に送るときの様子を模式的に示している。保持室10に保持された王冠蓋1を搬送機構30によって封止装置(第2装置)に送るときは、それに先立って、出口14が開かれ、かつ、入口シャッター20によって入口12が閉じられる。
【0017】
以上の実施形態では、操作あるいは搬送対象の物品の一例として王冠蓋を挙げているが、該物品は、他のあらゆる物(例えば、機械部品)でありうる。
【符号の説明】
【0018】
1 王冠蓋(物品)
10 保持室
12 入口
14 出口
18 傾斜面
P1 第1位置
P2 第2位置
20 入口シャッター
50 出口シャッター
22、52 シャッター部材
24、54 駆動機構
30 搬送機構
40 受け入れ室
42 受け入れ口
60 吸引装置
70 供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を第1装置から受け取って第2装置に供給する中継装置であって、
第1装置からくる物品を一時的に保持する保持室と、
前記保持室の入口に配置された入口シャッターと、
前記保持室に保持された物品を前記第2装置に送る搬送機構とを備え、
前記入口シャッターは、
第1位置と前記第1位置よりも高い第2位置とを通る傾斜面において移動可能なシャッター板と、
前記シャッター板を駆動する駆動機構とを含み、
前記シャッター板は、前記入口を閉じるときは前記駆動機構によって前記第1位置から前記第2位置に向う方向に駆動され、前記入口を開くときは前記駆動機構によって前記第2位置から前記第1位置に向かう方向に駆動される、
ことを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記保持室の上方に配置された受け入れ室を更に備え、前記受け入れ室は、前記第2位置から見て前記第1位置の側の上方に受け入れ口を有し、前記受け入れ口を通して前記第1装置から物品を受け入れる、
ことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記入口の付近における物品を吹き飛ばすように配置された噴射部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記シャッター板の移動方向に直交する方向における前記入口の幅は、前記シャッター板が前記入口を閉じる方向に向かって狭くなっている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に中継装置。
【請求項5】
前記保持室の出口に出口シャッターを更に備え、
前記搬送機構は、前記出口を通して落下してくる物品を前記第2装置に向けてエアー搬送するブロアーを含み、
前記第1装置から物品を受け取るときは、それに先立って、前記出口シャッターによって前記出口が閉じられ、かつ、前記入口が開かれ、
前記保持室に保持された物品を前記搬送機構によって前記第2装置に送るときは、それに先立って、前記出口が開かれ、かつ、前記入口シャッターによって前記入口が閉じられる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
前記物品は王冠蓋である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項7】
物品を第1装置から受け取って第2装置に供給する中継装置であって、
第1装置からくる物品を一時的に保持する保持室と、
前記保持室の入口に配置された入口シャッターと、
前記入口の付近における物品を吹き飛ばすように配置された噴射部と、
前記保持室に保持された物品を前記第2装置に送る搬送機構と、
を備えることを特徴とする中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−11849(P2011−11849A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156317(P2009−156317)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】