説明

二軸試験装置及び二軸試験方法

【課題】簡略な構成にて、試験片が二軸方向への伸縮以外の方向へ変形するのを防止できるようにする。
【解決手段】アクチュエータ3の作動により一軸方向に接近離間する一対の治具プレート4a,4b、5a,5bと支持プレートが試験片7を挟んで両側に配置され、治具プレート及び支持プレート部と試験片7とを分離可能に結合し且つ治具プレート及び支持プレート部を動作させて試験片7に一軸方向の荷重を負荷した段階で、一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を試験片7に作用させる荷重伝達機構8を備え、各治具プレート及び支持プレートにおける一軸方向と平行な方向に延びた端縁19に係合して端縁19の一軸方向への移動を案内するスライド案内手段20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体天然ガス(LNG)の輸送用タンク、貯蔵用タンク等に用いられるメンブレンと称される金属製の薄板材等における二軸応力下での力学特性を評価するために用いられる二軸試験装置及び二軸試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記液化天然ガス等のタンク等に用いられるメンブレンには、コルゲーションと呼ばれる複数の波形部が交差して備えられている。メンブレンは常温の状態で製作された後、例えば−162℃という極低温下で使用されるものであるため、常に引っ張り荷重と圧縮荷重が繰り返し作用する過酷な条件で使用されものであり、液密性、防熱性、低温靭性等の基本的な要求に加え、熱サイクルや液圧変動による疲労損傷等に対する厳しい要求にも対応できる必要がある。
【0003】
このようなメンブレンに対する要求の内でも、疲労強度の評価は重要である。そのため、略矩形板形状を備えた試験片の隣接するコーナ部同士を連結する第1〜第4のリンク組を設け、各リンク組によって前記試験片を四方へ引っ張ることより二軸方向の負荷を試験片に与えるようにした二軸試験装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−210442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1の二軸試験装置にあっては、試験片の隣接するコーナ部を連結する第1〜第4のリンク組を設け、各リンク組によって前記試験片を四方へ引っ張るようにしているため、リンク組のための構造が複雑になると共に、試験片を四方へ引っ張るための4台のアクチュエータを備える必要があり、試験装置全体が大型になる問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなしたもので、簡略な構成にて、試験片が二軸方向への伸縮以外の方向へ変形するのを防止できるようにした二軸試験装置及び二軸試験方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アクチュエータの作動により一軸方向に接近離間する一対の荷重負荷部が試験片を挟んで両側に配置され、前記荷重負荷部と試験片とを分離可能に結合し且つ前記荷重負荷部を動作させて前記試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させる荷重伝達機構を備え、前記各荷重負荷部における前記一軸方向と平行な方向に延びた端縁に係合し該端縁の一軸方向への移動を案内するスライド案内手段を備えたことを特徴とする二軸試験装置、に係るものである。
【0008】
上記二軸試験装置において、前記スライド案内手段が、前記各荷重負荷部の端縁に固定した移動駒と、該各移動駒と摺動可能に係合し案内ビームに固定されたレールとからなることは好ましい。
【0009】
又、上記二軸試験装置において、前記荷重伝達機構は、一対の荷重負荷部のうちの一方の荷重負荷部に一軸方向と直交する方向へ離間して設けたピンと、一対の荷重負荷部のうちの他方の荷重負荷部に一軸方向と直交する方向へ離間して設けたピンと、前記試験片に設けられて前記ピンが摺動自在に係合するスライド孔を具備し、前記試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させるべく、前記スライド孔が荷重の付加方向に対して斜めに形成されたことは好ましい。
【0010】
本発明は、試験片の二軸応力下における力学特性を評価するのに用いる二軸試験方法であって、
一軸方向に接近離間する一対の荷重負荷部が試験片を挟んで両側に配置され、一対の荷重負荷部のうちの一方の荷重負荷部には一軸方向と直交する方向へ離間してピンを設けると共に、一対の荷重負荷部のうちの他方の荷重負荷部には一軸方向と直交する方向へ離間してピンを設け、
前記試験片には前記ピンが摺動自在に係合する荷重の付加方向に対して斜めのスライド孔を形成し、
前記各荷重負荷部における前記一軸方向と平行な方向に延びた端縁に固定した移動駒と該移動駒に係合し案内ビームに固定したレールとからなるスライド案内手段を設け、
前記一対の荷重負荷部を一軸方向に接近離間させて試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させ、このとき試験片に生じる面外変形を前記試験片を挟んで両側に配置した荷重負荷部により抑制し、荷重負荷部が試験片の面の延長外方へ張り出す偏伸び変形を前記スライド手段により抑制する
ことを特徴とする二軸試験方法、に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の二軸試験装置及び二軸試験方法によれば、簡略な構成により、試験片が二軸方向への伸縮以外の方向へ変形するのを防止して、試験片による正確な性能の測定が可能になるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る二軸試験装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1をII−II方向から見た二軸試験装置の側面図である。
【図3】図2をIII−III方向から見た二軸試験装置の背面図である。
【図4】スライド案内手段の一例を示す平面図である。
【図5】(a)は本発明の二軸試験装置で使用する試験片の一例を示す正面図、(b)は(a)のV−V方向矢視図である。
【図6】(a)は図5の試験片を一軸方向へ引っ張った時に試験片が偏って伸びる偏伸び変形を生じようとする状態を示す作動図、(b)は試験片が面外へ湾曲する面外変形を生じようとする状態を示す作動図である。
【図7】本発明の二軸試験装置により試験を行った試験片の縦横の標点間変位を計測して示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図3に示す二軸試験装置1は、固定台などに固定されるベース2と、押し引きロッド3aを具備してこの押し引きロッド3aを鉛直方向(一軸方向)の装置機軸L上に位置させた状態でベース2の上方に配置したアクチュエータ3と、機軸Lを中心に左右に間隔を隔ててベース2に固定した二枚の治具プレート(一対の荷重負荷部のうちの一方の荷重負荷部)4a,4bと、アクチュエータ3の押し引きロッド3aに支持ビーム6を介し左右に間隔を隔てて固定した二枚の治具プレート(一対の荷重負荷部のうちの他方の荷重負荷部)5a,5bと、これらの治具プレート4a,4b、5a,5bと試験片7とを分離可能に結合する荷重伝達機構8を備えている。
【0015】
図5はメンブレンを構成する前記試験片7の一例を示すもので、図5の試験片7は、矩形形状を有する例えばステンレス等の薄い金属板の面にコルゲーションと称される波形部9が交差して形成してあり、且つ、該波形部9の交差部には膨らみ部10が形成されており、試験片7はその面方向へ伸縮が可能になっている。前記試験片7の波形部9が存在しない四隅の平坦な部分11には、スライド孔12a,12b,12c,12dが形成してある。
【0016】
前記治具プレート4a,4b、5a,5bには、前記試験片7のスライド孔12a,12b,12c,12dに摺動自在に係合するピン13a,13b,13c,13dが固定してあり、前記スライド孔12a,12b,12c,12dとピン13a,13b,13c,13dとを係合することにより前記荷重伝達機構8が構成される。
【0017】
更に、図1の治具プレート4a,4b、5a,5bの奥側には、図2、図3に示す如く、前記治具プレート4a,4b、5a,5bとの間で前記試験片7を挟むように一対の支持プレート14a,14b、15a,15bが配置され、支持プレート14a,14bはベース2に固定され、支持プレート15a,15bは上部の支持ビーム6に固定されている。前記治具プレート4a,4b、5a,5bと前記支持プレート14a,14b、15a,15bとは、試験片7の伸縮を拘束しない程度に接近して配置されており、且つ夫々には補強リブ16を備えて強度が保持されている。
【0018】
更に、前記支持プレート14a,14b、15a,15bは、図3に示す如く、前記試験片7の波形部9及び膨らみ部10の裏面まで張り出した延長部17を備えており、該延長部17によって前記試験片7が面外変形するのを抑制する効果を高めている。
【0019】
又、前記試験片7の波形部9が存在しない裏面は平坦な面となっているため、前記支持プレート14a,14b、15a,15bを備えることに代えて、支持プレート14a,14bを一体とし、又、支持プレート15a,15bを一体として、夫々試験片7の左右幅に亘る長さに形成したものを上下一対で備えるようにしてもよい。
【0020】
前記荷重伝達機構8を構成するベース2側のピン13a,13bと係合するスライド孔12a,12bは、各々の上端同士の間隔が下端同士の間隔よりも広くなるように荷重の付加方向(鉛直方向)に対して斜めに形成してあり、一方、アクチュエータ3側のピン13c,13dと係合するスライド孔12c,12dは、各々の下端同士の間隔が上端同士の間隔よりも広くなるようにして斜めに形成してある。前記スライド孔12a,12b,12c,12dを斜めにする傾斜角度は夫々機軸L(荷重の付加方向)に対して45゜とすることができる。又、斜めに傾斜する前記スライド孔12a,12b,12c,12dは図5に示すように直線であってもよく、或いは、曲線であってもよい。尚、図1では前記荷重伝達機構8を構成する前記ピン13a,13b,13c,13dは、夫々が2本を備えた場合について示したが、1本ずつ備えてもよく、設置する数には限定されない。前記ピン13a,13b,13c,13dは、治具プレート4a,4b、5a,5bと支持プレート14a,14b、15a,15bの一方で支持するようにしてもよく、或いはその両方で支持するようにしてもよい。
【0021】
図1の二軸試験装置1のアクチュエータ3に押し引きロッド3aの引き込み動作を行わせて押し引きロッド3aを上昇させると、アクチュエータ3の引張り荷重が荷重伝達機構8を介して試験片7に伝えられ、試験片7には鉛直方向(一軸方向)の引張り荷重が作用すると同時に、前記荷重伝達機構8のスライド孔12a,12b,12c,12dとピン13a,13b,13c,13dの作用によって、前記一軸方向と直交する方向の引張り荷重が試験片7に作用する。
【0022】
この時、図6(a)に示すように、試験片7に引張り荷重Aが作用した場合には、平坦な部分11の幅端部18側が引っ張り方向へ偏って伸びる偏伸び変形Xを生じようとする。この偏伸び変形Xは、左右に備えられる強度が小さい波形部9の前記幅端部側が偏って引き伸ばされることによって生じる。又、同時に図6(b)に示すように、試験片7は波形部9の存在により試験片7の面外へ湾曲する面外変形Yを生じようとする。
【0023】
この時、前記した如く、試験片7の両側には治具プレート4a,4b、5a,5bと支持プレート14a,14b、15a,15bが配置されているので、図6(b)に示す試験片7の面外変形Yは、治具プレート4a,4b、5a,5bと支持プレート14a,14b、15a,15bによって抑制される。
【0024】
一方、図6(a)に示す偏伸び変形Xについては拘束することができない。
【0025】
このため、本発明では図1に示す如く、前記治具プレート4a,4b、5a,5b及び支持プレート14a,14b、15a,15bにおける前記一軸方向と平行な方向に延びる外側の端縁を更に外側へ延長させた端縁19を設け、該端縁19を一軸方向へ移動するように案内するスライド案内手段20を設けている。
【0026】
前記スライド案内手段20は、図1、図4に示す如く、前記治具プレート4a,4b、5a,5b及び支持プレート14a,14b、15a,15bの端縁19に備えたフランジ21に移動駒22を固定し、該各移動駒22にスライド可能に係合するようにしたレール23を、案内ビーム24に固定している。案内ビーム24は上端に設けたブラケット25を上側の治具プレート5a,5bのフランジ21の上端に載置することで、治具プレート5a,5bから吊り下げるようにしている。
【0027】
次に、上記二軸試験装置の作動を説明する。
【0028】
まず、段取り段階において、一対の荷重負荷部のうちの一方を構成する治具プレート4a,4bをベース2に固定すると共に、一対の荷重負荷部のうちの他方を構成する治具プレート5a,5bを上側の支持ビーム6に固定し、アクチュエータ3を作動して治具プレート5a,5bを上側へ移動させることにより、一対の上下の治具プレート4a,4b、5a,5bの間隔を調整する。
【0029】
続いて、図5の試験片7における波形部9が突出している側の面の平坦な部分11が図1の治具プレート4a,4b、5a,5bの背面に対応するように試験片7を配置し、試験片7に備えたスライド孔12a,12b,12c,12dを、治具プレート4a,4b、5a,5bに設けられたピン13a,13b,13c,13dに係合させる。
【0030】
続いて、前記治具プレート4a,4b、5a,5bの背面に配置した試験片7を挟むように、支持プレート14a,14b、15a,15bを配置し、支持プレート14a,14bはベース2に固定し、支持プレート15a,15bは上部の支持ビーム6に固定する。
【0031】
次に、前記治具プレート4a,4b、5a,5b及び支持プレート14a,14b、15a,15bの端縁19に備えたフランジ21に移動駒22を固定し、該各移動駒22がスライド可能に係合するレール23を案内ビーム24に固定し、該案内ビーム24の上端に設けたブラケット25を上側の治具プレート5a,5bのフランジ21の上端に載置して吊り下げて、スライド案内手段20を構成する。
【0032】
二軸試験を行うには、図1の二軸試験装置1のアクチュエータ3に押し引きロッド3aの引き込み動作を行わせて押し引きロッド3aを上昇させる。すると、アクチュエータ3の引張り荷重が荷重伝達機構8を介して試験片7に伝えられ、試験片7には鉛直方向(一軸方向)の引張り荷重が作用すると同時に、前記荷重伝達機構8のスライド孔12a,12b,12c,12dとピン13a,13b,13c,13dの作用によって、前記一軸方向と直交する方向(他の一軸方向)へも引張り荷重が作用し、これによって二軸試験が行われる。このとき、前記スライド孔12a,12b,12c,12dの傾斜角度が45゜であると、試験片7が一軸方向へ延びる伸び量と、一軸方向と直交する方向への伸び量とは同等になる。従って、前記傾斜角度を45゜から変更することにより、試験片7が一軸方向へ延びる伸び量と、一軸方向と直交する方向への伸び量(延び比)が変わる状態での試験を行うこともできる。前記アクチュエータ3により、試験片7に対する引っ張り、戻し、圧縮の作動を繰り返し、この時、前記試験片の必要箇所に設置した歪み計、変位計(速度計、加速度計)等のセンサを用いて試験片7の各所における標点間変位を計測し、更に、実機に則した負荷を繰り返し作用させることで試験片7が破壊されるまでの繰り返し回数等を検査し、これによって、二軸応力下での疲労強度等の力学特性を評価することができる。
【0033】
前記した如く、試験片7に引張り荷重が作用すると、図6(b)に示す如く試験片7は引っ張り荷重Aによって面の外側へ凸状或いは凹状に変形する面外変形Yを生じようとする。
【0034】
しかし、前記二軸試験装置1には、試験片7を挟むように治具プレート4a,4b、5a,5bと支持プレート14a,14b、15a,15bを備えているので、試験片7の面外変形Yは良好に防止することができる。
【0035】
又、前記したように、試験片7に引張り荷重が作用すると、図6(a)に示すように、平坦な部分11の幅端部18側が引っ張り方向へ偏って伸びる偏伸び変形Xを生じようとする。
【0036】
しかし、図1に示す如く、前記治具プレート4a,4b、5a,5b及び14a,14b、15a,15bにおける前記一軸方向と平行な方向に延びた端縁19に移動駒22を固定し、該各移動駒22とスライド可能に係合するレール23を案内ビーム24に固定したスライド案内手段20を設けているので、前記治具プレート4a,4b、5a,5b及び支持プレート14a,14b、15a,15bはレール23に沿って一軸方向にのみ移動し、二軸試験装置1全体によって試験片7が偏伸び変形Xを生じるのを抑制することができる。
【0037】
図7は本発明の二軸試験装置により試験片の縦横の標点間変位を計測して示したグラフであり、本発明はアクチュエータ3によって一軸方向にのみ負荷を作用する構成であるが、図7では、縦と横の標点間変位は略一致している。
【0038】
前記本願発明により縦と横の標点間変位が略一致したのは、試験片7の偏伸び変形Xと面外変形Yが抑制されたことにより、試験片7が二軸方向へ均等に伸縮されたことによるものと考えられる。
【0039】
上記したように、試験片7の偏伸び変形Xと面外変形Yを抑制できるようにしたので、実機の伸縮挙動を試験片7に忠実に再現させて試験を行うことができ、よって、実機の健全性評価に必要な精度の高い試験データを得ることができる。
【0040】
又、図1に示したスライト孔12a,12b,12c,12dの向きを夫々90゜変えて、各スライト孔12a,12b,12c,12dが放射状に形成されるようにした場合には、アクチュエータ3による引張り荷重が荷重伝達機構8を介して試験片7に伝えられ、試験片7には鉛直方向(一軸方向)の引張り荷重が作用すると同時に、前記した向きが変わったスライド孔12a,12b,12c,12dの作用によって、前記一軸方向と直交する方向(他の一軸方向)への圧縮荷重が作用するようになる。これによって引っ張りと圧縮の二軸試験を行えるようになる。
【0041】
尚、本発明の二軸試験装置及び二軸試験方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、ステンレス等の薄い金属板或いは平板セラミックス等の波形部を備えた種々の試験片の二軸試験に適用できること、図示した試験片以外の形状の試験片の試験にも適用できること、治具プレート及び支持プレートの形状、移動駒及びレールの形状は種々変更し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 二軸試験装置
3 アクチュエータ
4a,4b、5a,5b 治具プレート(一対の荷重負荷部)
7 試験片
8 荷重伝達機構
12a,12b,12c,12d スライト孔
13a,13b,13c,13d ピン
14a,14b、15a,15b 支持プレート(一対の荷重負荷部)
19 端縁
20 スライド案内手段
22 移動駒
23 レール
24 案内ビーム
X 面外変形
Y 湾曲変形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの作動により一軸方向に接近離間する一対の荷重負荷部が試験片を挟んで両側に配置され、前記荷重負荷部と試験片とを分離可能に結合し且つ前記荷重負荷部を動作させて前記試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させる荷重伝達機構を備え、前記各荷重負荷部における前記一軸方向と平行な方向に延びた端縁に係合し該端縁の一軸方向への移動を案内するスライド案内手段を備えたことを特徴とする二軸試験装置。
【請求項2】
前記スライド案内手段は、前記各荷重負荷部の端縁に固定した移動駒と、該各移動駒と摺動可能に係合し案内ビームに固定されたレールとからなることを特徴とする請求項1に記載の二軸試験装置。
【請求項3】
前記荷重伝達機構は、一対の荷重負荷部のうちの一方の荷重負荷部に一軸方向と直交する方向へ離間して設けたピンと、一対の荷重負荷部のうちの他方の荷重負荷部に一軸方向と直交する方向へ離間して設けたピンと、前記試験片に設けられて前記ピンが摺動自在に係合するスライド孔を具備し、前記試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させるべく、前記スライド孔が荷重の付加方向に対して斜めに形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸試験装置。
【請求項4】
試験片の二軸応力下における力学特性を評価するのに用いる二軸試験方法であって、
一軸方向に接近離間する一対の荷重負荷部が試験片を挟んで両側に配置され、一対の荷重負荷部のうちの一方の荷重負荷部には一軸方向と直交する方向へ離間してピンを設けると共に、一対の荷重負荷部のうちの他方の荷重負荷部には一軸方向と直交する方向へ離間してピンを設け、
前記試験片には前記ピンが摺動自在に係合する荷重の付加方向に対して斜めのスライド孔を形成し、
前記各荷重負荷部における前記一軸方向と平行な方向に延びた端縁に固定した移動駒と該移動駒に係合し案内ビームに固定したレールとからなるスライド案内手段を設け、
前記一対の荷重負荷部を一軸方向に接近離間させて試験片に一軸方向の荷重を負荷した段階で、前記一軸方向の荷重と直交する方向の荷重を前記試験片に作用させ、このとき試験片に生じる面外変形を前記試験片を挟んで両側に配置した荷重負荷部により抑制し、荷重負荷部が試験片の面の延長外方へ張り出す偏伸び変形を前記スライド手段により抑制する
ことを特徴とする二軸試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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