説明

二重容器及び外容器及び内容器

【課題】内容器の保護と、内容器の交換時における操作性の向上を図った二重容器を提供する。
【解決手段】外容器10と、この外容器10の内部に装着脱される内容器30とを有する二重容器において、外容器10は装着状態において内容器30の表面の50%以上70%以下を被覆する外容器本体11と、この外容器本体11に設けられた第1の係合部13と、外容器本体11の側壁部11a側壁部に形成され内容器30が装着脱される装着用開口部14とを有する。また内容器30は、第1の係合部13と係合する第2の係合部40を有し、第1の係合部13と第2の係合部40が係合することにより、内容器30が外容器10に保持される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器及び外容器及び内容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、外容器の内部に内容器を収納できるようにした二重容器が知られている。この二重容器は、外容器に対して内容器を交換することが可能であるため、外容器の再利用が可能となる。よって、外から見られる外容器に対してのみ外観性の向上を図ればよく、中に収納される内容器は廃棄されるレフィル容器となる。このため、内容器は容器の減量化を図ることができ、地球環境への負荷の軽減を図ることができる。
【0003】
ここで、二重容器の一例として、内容物を定量吐出することができるディスペンサー容器を例に挙げて説明する。従来の二重容器構造のディスペンサー容器は、ディスペンサー(定量吐出ポンプ)を外容器にネジ締めにより取り付ける際、この螺着力により内容器も外容器に固定する構造のものが多い(特許文献1参照)。
【0004】
このディスペンサー容器において内容器を交換する場合、先ずディスペンサーを回してディスペンサーを外容器から取り外す。これにより、内容器も外容器に対して取外し可能な状態となり、使用済みの内容器を外容器から取り外して廃棄を行う。続いて、新品である内容器を外側容器の装着位置に位置決めし、この状態を維持しつつディスペンサーを外容器にネジ止めする。以上のようにして、外容器に対する内容器の取り替え処理が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−189315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで従来の二重容器は、外容器に対して内容器を装着する方法として、特許文献1のように外容器の上から挿入装着するか、或いは外容器の底に開口を形成しておくことにより外容器の下から挿入装着する方法が採られていた。しかしながら、この従来の装着方法では、内容器の内容物が例えばシャンプーのように重量物である場合、内容器の装着操作が面倒であるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、交換時における操作性の向上を図った二重容器及び外容器及び内容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、第1の観点からは、
外容器と、該外容器の内部に装着脱される内容器とを有する二重容器において、
前記外容器は、容器本体と、前記容器本体の上部に設けられた第1の係合部と、前記容器本体の背面に側方に向けて開口するよう形成され前記内容器が装着脱される開口部とを有し、
前記内容器は、前記第1の係合部と係合することにより前記外容器に対する位置決めを行う第2の形式後部を有することを特徴とする二重容器により解決することができる。
【0009】
また上記の課題は、第2の観点からは、
内部に内容器を装着脱される外容器であって、
外容器本体と、
前記内容器に形成された第2の係合部と係合する第1の係合部と、
前記外容器本体に側方に向けて開口するよう形成され、前記内容器が装着脱される開口部とを有することを特徴とする外容器により解決することができる。
【0010】
また上記の課題は、第3の観点からは、
外容器の内部に装着脱される内容器であって、
内容器本体に大径部と、該大径部よりも小径な小径部とを形成し、
前記内容器本体が前記外容器に装着される装着途中において、前記大径部が前記外容器の一部と係合することにより、前記外容器に保持される構成としたことを特徴とする内容器により解決することができる。
【発明の効果】
【0011】
開示の発明によれば、外容器は広い面積にわたり内容器を覆うため外容器により内容器の保護を確実に行うことができる。また、外容器の側壁部に形成された開口部を介して内容器の装着脱ができるため、外容器に対する内容器の装着脱処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の一実施形態である二重容器の全体図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は右側面図、(E)は背面図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態である二重容器を構成する外容器の斜視図であり、(A)は正面から見た斜視図、(B)は背面から見た斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態である二重容器を構成する外容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図、(D)は背面図である。
【図4】図4は本発明の一実施形態である二重容器を構成する内容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は左側面図である。
【図5】図5は本発明の一実施形態である二重容器を構成する内容器を示す図であり、(A)は首部の横断面図であり、(B)は首部の縦断面図である。
【図6】図6は内容器を外容器に装着する動作を説明するための図である(その1)。
【図7】図7は内容器を外容器に装着する動作を説明するための図である(その2)。
【図8】図8は内容器を外容器に装着する動作を説明するための図である(その3)。
【図9】図9は内容器を外容器に装着する動作を説明するための図である(その4)。
【図10】図10は、内容器を外容器に装着した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態である二重容器1を示している。二重容器1は、外容器10と内容器30とにより構成されている。内容器30は外容器10の内部に装着され、この装着状態において内容器30は外容器10に保持される。
【0015】
本実施形態では、二重容器1をシャンプー容器に適用した例を示している。このため、内容器30の首部32にはディスペンサー50が装着されている。この二重容器1は、浴室や洗面台等に載置された状態で使用される。しかしながら、本発明に係る二重容器1の適用はシャンプー容器に限定されるものではなく、外容器に対して内部空間をレフィルとして交換する形態の各種容器に適用が可能なものである。
【0016】
次に、二重容器1を構成する外容器10及び内容器30について説明する。
【0017】
先ず、外容器10について説明する。図2及び図3は、外容器10を説明するための図である。図2は、外容器10の斜視図であり、図3は外容器10の平面、正面、側面、及び背面を夫々示している。
【0018】
外容器10は、硬質の樹脂により形成されている。しかしながら、外容器10の材質は樹脂に限定されるものではなく、金属、セラミック等の他の材質を用いることも可能である。この外容器10は、外容器本体11、装着用凹部12、第1の係合部13、装着用開口部14、延出部15、回転防止用切欠き部16、及び底部18等を有した構成とされている。
【0019】
外容器本体11は、後述する内容器30を内部に収納し保持する機能を奏する。この外容器本体11は、内部に内容器30を収納することを条件に任意の形状に形成することが可能である。よって、デザイン性に富んだ形状にすることができる。
【0020】
また本実施形態では、外容器本体11は内部に装着された内容器30を吊った状態で保持する構成とされている。このため、外容器本体11には内容器30を吊るした状態で保持するための第1の係合部13が設けられている。
【0021】
第1の係合部13は、外容器本体11の天板部17に形成されている。図3(A)に示すように、外容器本体11の天板部17には、内容器30の首部32が挿入されるU字状の装着用凹部12が形成されている。この装着用凹部12の外周縁部分が第1の係合部13となる。
【0022】
また、第1の係合部13の中央位置には、回転防止用切欠き部16が形成されている。この回転防止用切欠き部16は矩形状の切欠きであり、内容器30が外容器10に装着された際に、内容器30に形成された回転防止用突起45(図5参照)が係合するよう構成されている。
【0023】
装着用開口部14は、図2(B)及び図3(D)に示すように、外容器本体11の背面に側方に向けて開口するよう形成されている。内容器30は、この装着用開口部14を介して外容器本体11の内部に形成された内部空間20に装着脱される。即ち、本実施形態に係る二重容器1は、内容器30を外容器10の側部から装着脱する構成としている。
【0024】
なお、外容器10内に形成された内部空間20は、後述する内容器30の形状に対応し、上部に形成された上部内部空間20Aが下部に形成された下部内部空間20Bに対して大きい容積を有した形状とされている。
【0025】
延出部15は、外容器本体11の装着用開口部14を挟んだ側壁部11aから内側に向けて形成されている。換言すると、延出部15は側壁部11aから装着用開口部14内に延出するよう形成されている。
【0026】
この延出部15が形成されることにより、装着用開口部14の形状は全体として略瓢箪形状とされている。具体的には図2(B)及び図3(D)に示すように、最上部に大径の湾曲状部14aが存在し、その下部に内側に向け延出した延出部15が存在し、その下部に幅が略同一寸法(図3(D)に矢印W3で示す寸法)の同一幅部14bが存在した形状とされている。
【0027】
また、延出部15の所定位置(上側の一部)は、後述する内容器30の境界部36と係合し、内容器30の外容器10への装着をガイドするガイド部21となる。図3(D)に矢印W2で示すのは、この左右一対のガイド部21間の幅寸法である。
【0028】
底部18は、外容器本体11の下部に配設されている。この外容器本体11は袴形状とされており、外容器10を載置したときの安定性を高めている。また、底部18の装着用開口部14と対向する位置には、引掛け部23が形成されている(図2(B)及び図3(D)参照)。この引掛け部23は、内容器30を外容器10に装着する際、内容器30の下部が係合するよう構成されている。
【0029】
次に、図4及び図5を参照し、内容器30について説明する。
【0030】
図4は内容器30の平面、正面、底面、及び側面を示している。また、図5は、内容器30の首部32の縦断面及び横断面を示している。
【0031】
内容器30はレフィル容器であり、内容物(本実施形態ではシャンプー)の使用が終了すると外容器10から取り外されて廃棄されるものである。また、本実施形態ではシャンプーを内容物とするため、内容器30の容積が50ml以上10000ml以下の範囲とされている。
【0032】
この容積の内容器30にシャンプーを装てんしたときの重さは、50g〜10000gとなる。このように、内容物を充填した内容器30はかなり重くなるため、従来のように内容器を外容器に対して上から或いは下から装着する方法では、外容器に対する内容器の交換処理が面倒となることは前述した通りである。
【0033】
内容器30は、内容器本体31、首部32、第2の係合部40、及び回転防止用突起45等を有した構成とされている。
【0034】
内容器本体31及び首部32は、樹脂により一体的に形成されている。この内容器30は、強度を必要とする首部32を除き、内容器本体31の厚さは所定の強度を維持できる範囲で極力薄く設定されている。具体的には本実施形態では、厚さが0.2mm程度とされている。
【0035】
これは、地球環境の保護及び負荷の軽減を図るため、廃棄される量を極力少なくする面から設定されている。また、同目的を達成するため、内容器30の材質を植物由来プラスチックや生分解性プラスチックを用いる構成としてもよい。
【0036】
内容器本体31は、大径部33、小径部34、及び底部35を一体的に形成した構成とされている。大径部33は、首部32から下方に行くに従い漸次直径が大きくなる大径部上部33aと、下方に行くに従い漸次直径が小さくなる大径部下部33bと、この大径部上部33aと大径部下部33bの境界部分に形成された境界部36とにより構成されている。
【0037】
大径部上部33aと大径部下部33bとが接する位置は、大径部33の直径が最大となる。この時の直径(最大直径)を図4(B)に矢印L2で示す。
【0038】
境界部36は、この大径部上部33aと大径部下部33bとが接する位置に形成されている。この境界部36は、内側に向け傾いた傾斜面とされている。
【0039】
小径部34は、大径部33の下部に設けられている。この小径部34は、同一直径(図4(B)に矢印L3で示す)とされた円筒状の部分である。底部35は、小径部34の下部に設けられている。この底部35は、略半球形状とされている。
【0040】
前記のように、内容器本体31を構成する大径部33、小径部34、及び底部35は、その厚さが0.2mm程度と薄く設定されている。このため、内容器本体31自体の剛性は外容器10に対して低く、また強度も外容器10よりも弱くなっている。
【0041】
首部32は、内容器本体31の上部に一体的に形成されている。この首部32の厚さは、内容器本体31の厚さに比べて厚く設定されている。よって、この首部32は所定の強度を有しており、後述する外容器10に保持される際、またディスペンサー50が装着される際に不都合が生じることはない。
【0042】
首部32は、ねじ部37、第2の係合部40、及び回転防止用突起45等を有している。ねじ部37は、首部32の外周に形成されている。ディスペンサー50及び後述するキャップ39は、このねじ部37に螺着されることにより内容器30に装着される。
【0043】
第2の係合部40は、内容器本体31の上面部41に対して離間して形成されている。この第2の係合部40は、平面視で円形状を有した鍔状の形状とされている。この第2の係合部40の直径L1(図4(A)に示す)は、前記した外容器10の天板部17に形成された装着用凹部12の直径W1(図3(A)参照)に比べて大きくなるよう設定されている(L1>W1)。
【0044】
また、上面部41と第2の係合部40との間に形成される間隙部42の離間距離は、第1の係合部13の厚さと同等程度に設定されている。具体的には、間隙部42の隙間距離は、後述するように間隙部42内に第1の係合部13が挿入された際、第1の係合部13が第2の係合部40と上面部41との間で挟持されるよう設定されている。
【0045】
また、首部32の間隙部42の内部には、図5(A),(B)に示すように、回転防止用突起45が形成されている。この回転防止用突起45は矩形の突起であり、首部32から外方に向け突出した構成とされている。また、回転防止用突起45は、前記した第1の係合部13に形成された回転防止用切欠き部16と係合する形状とされている。
【0046】
更に、第2の係合部40の回転防止用突起45と対応する位置には、位置決め用マーク43が形成されている(図4(A)参照)。従って、回転防止用突起45が鍔状の第2の係合部40の下部に形成されていても、二重容器1(内容器30)の使用者は、第2の係合部40の上部から回転防止用突起45の位置を認識することができる。
【0047】
次に、上記構成とされた二重容器1において、外容器10に対して内容器30を装着する動作について説明する。図6乃至図9は、内容器30を外容器10に装着する動作を示している。
【0048】
内容器30の首部32には、キャップ39が装着されている。この内容器30を外容器10に装着するには、先ず装着処理を行う操作者は図6に示されるように、内容器30を外容器10に対して傾ける。そして、内容器30の小径部34及び底部35を外容器10の装着用開口部14内に挿入する。これにより、小径部34及び底部35の一部は、装着用開口部14の下部に位置する同一幅部14b内に挿入され、よって外容器10の内部に形成された下部内部空間20B内に挿入される。
【0049】
この際、装着用開口部14の同一幅部14bの幅寸法W3(図3(D)に示す)は、小径部34の直径L3(図5(B)参照)よりも大きく設定されている(W3>L3)。よって、装着用開口部14内に向けて延出部15が延出形成されていても、小径部34及び底部35が装着用開口部14内に挿入するに際し、この装着用開口部14が邪魔になるようなことはない。
【0050】
次に、操作者は図7に示すように、底部35を外容器10の底部18に形成された引掛け部23に引掛ける。そして、この引掛け部23を中心に内容器30を図中矢印A方向(外容器10に向かう方向)に回転させる。この操作により大径部33は、装着用開口部14に形成された湾曲状部14aを介して、外容器10に形成された上部内部空間20A内に挿入されて行く。
【0051】
この際、大径部33の最大直径L2は、一対のガイド部21間の幅寸法W2よりも若干大きく設定されている(L2>W2)。よって、大径部33を上部内部空間20A内に装着する装着途中において、大径部33はガイド部21と係合する。
【0052】
具体的には、大径部33の最大直径位置に形成された境界部36が、ガイド部21に係合した状態となる。これにより、大径部33は延出部15上に乗ったような状態となり、内容器30は延出部15に保持された状態となる。
【0053】
よって、境界部36がガイド部21に係合した後は、内容器30の重さは境界部36(延出部15)で受けられるため、操作者が重い内容器30を手で持つ必要がなくなる。これにより、以後の装着処理においては、操作者は内容器30を矢印A方向にスライド操作するのみでよいため、外容器10に対する内容器30の装着処理を容易に行うことができる。
【0054】
操作者が更に内容器30を矢印A方向に回転付勢すると、内容器30は引掛け部23と底部35との係合位置、及び境界部36とガイド部21との係合位置で位置決めされつつ、矢印A方向に回転する。これにより、内容器30の上端部に形成された首部32は、外容器10の天板部17に形成された装着用凹部12内に挿入されて行く。
【0055】
前記のように、内容器30の首部32には第2の係合部40が形成されている。また、上面部41と第2の係合部40との間には間隙部42が形成されている。よって図8に示すように、内容器30の矢印A方向への回転伴い、相対的に装着用凹部12の外周縁に位置する第1の係合部13は、間隙部42内に挿入されて行く。
【0056】
前記のように、第2の係合部40の直径L1(図4(A)参照)は、装着用凹部12の直径W1(図3(A)参照)よりも大きく設定されている(L1>W1)。よって、第1の係合部13が間隙部42内に挿入されることにより、第1の係合部13と第2の係合部40は係合した状態となる。
【0057】
更に内容器30を矢印A方向に回転することにより、第2の係合部40は更に矢印A方向に移動する。そして、内容器30が所定装着位置の直前位置まで移動した時点で、操作者は第2の係合部40に形成されている位置決め用マーク43(図4(A)参照)と、外容器10の第1の係合部13(天板部17)に形成されている回転防止用切欠き部16との位置決めを行う。
【0058】
この位置決めは、外容器10に対して内容器30を回転することにより行う。この際、前記のように第1の係合部13と第2の係合部40とは係合しているため、内容器30の重さは第1及び第2の係合部13,40の係合位置で受けられている。このため、内容器30の位置決め処理は、容易に行うことができる。
【0059】
回転防止用切欠き部16と位置決め用マーク43との位置決めが終了すると、操作者は更に内容器30を矢印A方向に移動させる。これにより、回転防止用突起45は回転防止用切欠き部16内に進行し、回転防止用突起45と回転防止用切欠き部16とは係合した状態となる。
【0060】
回転防止用突起45と回転防止用切欠き部16とが係合することにより、内容器30の外容器10に対する回転が規制される。よって、キャップ39の内容器30からの取外し処理、及びその後にディスペンサー50を首部32のねじ部37に装着する処理を容易に行うことができる。
【0061】
以上の操作により、図9及び図10に示すように、内容器30は外容器10内に装着される。上記の装着操作によれば、境界部36とガイド部21とが係合した後は、内容器30の重量は境界部36とガイド部21との係合位置で受けられるため、内容器30が重くても、その後の装着操作を容易に行うことができる。
【0062】
また、回転防止用切欠き部16と回転防止用突起45との位置合わせも、操作者が上部から視認できる第2の係合部40に形成された位置決め用マーク43を用い、これを回転防止用切欠き部16に位置合わせすることにより容易に行うことができる。
【0063】
また本実施形態では、内容器30を外容器10に吊るした状態で保持するため、内容器30を載置する構成と異なり、内容器30が薄い肉厚の容器であっても底部35の形状が変形することはない。このため、内容器30内の内容物を最後まで確実にディスペンサー50により吐出処理することができる。
【0064】
ここで、装着状態における外容器10及び内容器30に注目する。
【0065】
本実施形態に係る二重容器1は、外容器10の側壁に形成された装着用開口部14に対し、側方から内容器30を装着する構成とされている。この装着状態において、本実施形態では、外容器10が内容器30の表面の50%以上70%以下を被覆するよう設定している。また本実施形態では、装着用開口部14の面積を、外容器10の表面積に対して20%以上40%以下となるよう設定している。
【0066】
この構成することにより、装着脱時における良好な操作性を維持しつつ、外容器10による内容器30の保護を確実に行うことが可能となる。以下、その理由について説明する。
【0067】
先ず、装着用開口部14の面積に注目すると、外容器10に形成される装着用開口部14の面積が広くなると、これに伴い内容器30が外部に露出する面積が増大する。内容器30の外部に対する露出面積が大きくなると、外力等の印加により内容器30を損傷する可能性が高くなる。
【0068】
前記のように、内容器30は最終的には廃棄されるものであるため、地球環境への負荷の軽減する面から内容器30の厚さは薄くされている。このため、内容器30の強度は廃棄されない外容器10に比べて弱くなっている。よって、地球環境を考慮した内容器30を用いた場合、上記の問題は更に重大となる。
【0069】
これを防止するためには、従来のように外容器が内容器の全体を包み込む構成とすることが考えられる。しかしながらこの構成では、内容器30の保護は図れるものの、外容器に対して内容器を上部或いは下部から挿入する必要があり、特に内容器30が重量物であった場合にその操作が面倒になることは前述した通りである。
【0070】
本実施形態に係る二重容器1は、装着用開口部14を介して外容器10の側部から内容器30を外容器10に装着できる構成とすることにより装着作業性の向上を図ると共に、装着用開口部14の面積を容易な装着作業を行いうる最小の面積としたことを特徴としている。
【0071】
本発明者の実験では、外容器10が内容器30を被覆する面積(以下、被覆面積という)が、内容器30の表面の50%未満であると、外力等の印加により内容器30の損傷が多発することが判明した。逆に、被覆面積が内容器30の表面の70%を超える面積とすると、装着用開口部14の面積が相対的に小さくなり、外容器10に対する内容器30の装着脱操作に支障が生じることが判った。
【0072】
一方、装着用開口部14の面積を外容器10の表面積に対して20%未満とした場合には、外容器10に対する内容器30の装着脱操作に支障が生じることが判った。また、装着用開口部14の面積を外容器10の表面積に対して40%を超える面積とすると、内容器30の装着脱性は向上するものの、外容器10の強度が低下することが判明した。特に装着用開口部14の面積が外容器10の表面積に対して50%を超えると、ディスペンサー50の押圧操作の仕方によっては、外容器10に歪みが生じる場合があることが判明した。
【0073】
よって、本実施形態に係る二重容器1によれば、内容器30の外容器10に対する装着性を良好にできると共に、内容器30を確実に保護することが可能となる。
【0074】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0075】
1 二重容器
10 外容器
11 外容器本体
12 装着用凹部
13 第1の係合部
14 装着用開口部
15 延出部
16 回転防止用切欠き部
20 内部空間
20A 上部内部空間
20B 下部内部空間
21 ガイド部
23 引掛け部
30 内容器
31 内容器本体
32 首部
33 大径部
34 小径部
35 底部
36 境界部
37 ねじ部
40 第2の係合部
42 間隙部
43 位置決め用マーク
45 回転防止用突起
50 ディスペンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外容器と、該外容器の内部に装着脱される内容器とを有する二重容器において、
前記外容器は、外容器本体と、前記外容器本体に設けられた第1の係合部と、前記外容器本体に側方に向けて開口するよう形成され前記内容器が装着脱される開口部とを有し、
前記内容器は、前記第1の係合部と係合する第2の係合部を有し、
前記第1の係合部と前記第2の係合部が係合することにより、前記内容器が前記外容器に保持される構成としたことを特徴とする二重容器。
【請求項2】
前記外容器本体は、装着状態において前記内容器の表面の50%以上70%以下を被覆することを特徴とする請求項1記載の二重容器。
【請求項3】
前記開口部の面積は、前記外容器本体の表面積に対して20%以上40%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の二重容器。
【請求項4】
前記外容器は、前記開口部の形成位置の両側部から開口部内側に向け延出した延出部を有し、
前記内容器は、大径部と、該大径部よりも小径な小径部とを有し、
前記内容器が前記外容器に装着される装着途中において、前記大径部が前記延出部と係合することにより前記内容器が前記外容器に保持される構成としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項5】
前記第1の係合部は第1の回転防止部を有し、
前記第2の係合部は、装着状態で前記第1の回転防止部と係合し、前記外容器に対する前記内容器の回転を規制する第2の回転防止部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項6】
前記内容器の容積が50ml以上10000ml以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二重容器。
【請求項7】
内部に内容器を装着脱される外容器であって、
外容器本体と、
前記内容器に形成された第2の係合部と係合する第1の係合部と、
前記外容器本体に側方に向けて開口するよう形成され、前記内容器が装着脱される開口部とを有することを特徴とする外容器。
【請求項8】
前記外容器本体は、装着状態において前記内容器の表面の50%以上70%以下を被覆することを特徴とする請求項7記載の外容器。
【請求項9】
前記開口部の面積は、前記外容器本体の表面積に対して20%以上40%以下であることを特徴とする請求項7又8記載の外容器。
【請求項10】
前記外容器本体は、前記開口部の形成位置の両側部から開口部内側に向け延出した延出部を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の外容器。
【請求項11】
外容器の内部に装着脱される内容器であって、
内容器本体に大径部と、該大径部よりも小径な小径部とを形成し、
前記内容器本体が前記外容器に装着される装着途中において、前記大径部が前記外容器の一部と係合することにより、前記外容器に保持される構成としたことを特徴とする内容器。
【請求項12】
前記内容器本体の容積が、50ml以上10000ml以下であることを特徴とする請求項11記載の内容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−95496(P2013−95496A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241628(P2011−241628)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】