説明

二重系接点入力制御装置

【課題】二重系接点入力制御装置の入力回路と制御線を半減して経済性と信頼性を向上させる。
【解決手段】外部からの同期信号により1系制御部2と2系制御部3から出力するN照査信号とR照査信号を切り換えて出力するとともに、1系制御部2と2系制御部3から出力するN照査信号とR照査信号によって時分割で入力接点群R1〜Rnのコンモン側からの接点入力を行い、入力回路数と入力制御線81〜8nの本数を半減する。また、1系制御部2と2系制御部3のN照査信号やR照査信号に固定故障が発生したときに、その固定故障を検出して切離しリレーCORを動作させて故障した制御部の照査信号を他系の制御部の照査信号と切り離して接点入力の信頼性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道信号保安制御用の電子連動システムなどに使用する二重系接点入力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道の分野では列車を安全かつ効率的に運行するため、信号機や転てつ機などの相互間で、その取扱いについて一定の順序と制限をつける電子連動装置が使用されている。電子連動装置に対して信号機や転てつ機などの現場機器の動作状態をリレーの接点を介して取り込むため、特許文献1に示すように接点入力制御装置が使用されている。
【0003】
この電子連動装置は、システムの安全性と信頼性を向上するため、特許文献2に示すように、1系と2系の2重系構成の端末装置を採用している。このような2重系構成における二重系接点入力制御装置において、従来は、図7に示すように、複数の入力接点R1〜Rnの動作接点N用の入力回路と復旧接点R用の入力回路を設けるとともに二重系接点入力制御装置11内に動作接点Nからの接点入力を入力する制御線81N〜8nNと復旧接点Rからの接点入力を入力する制御線81R〜8nRを設けている。このため複数の入力接点R1〜Rnから接点入力を1系制御部21と2系制御部31に入力する場合、多数の入力回路と制御線が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のように入力回路と制御線が複数の入力接点R1〜Rnの動作側と復旧側について設けていると、多数のケーブルを引き回す必要があり、多くの費用を要するとともに信頼性が低下するという問題があった。
【0005】
この発明は、このような問題を解消し、入力回路と制御線を半減して経済性と信頼性を向上することができる二重系接点入力制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の二重系接点入力制御装置は、 1系の制御部と2系の制御部及び切離しリレーを有する1系の切離し部と2系の切離し部を有し、
前記1系の制御部と2系の制御部は、N照査信号を出力するN照査出力端子と、N照査信号のフィードバック入力を入力するN照査入力端子と、R照査信号を出力するR照査出力端子と、R照査信号のフィードバック入力を入力するR照査入力端子と、前記切離し部の切離しリレーの制御出力を出力する切離し制御端子と、入力接点群からの接点入力を入力する複数の接点入力端子と、外部からの同期信号を入力する同期信号入力端子とを有し、
前記1系の制御部のN照査出力端子は前記1系の切離部の切離しリレーの復旧接点とN照査用制御線を介してN照査共通出力端子に接続され、前記2系の制御部のN照査出力端子も前記2系の切離部の切離しリレーの復旧接点と前記N照査用制御線を介してN照査共通出力端子に接続され、前記1系の制御部のR照査出力端子は前記1系の切離部の切離しリレーの他の復旧接点とR照査用制御線を介してR照査共通出力端子に接続され、前記2系の制御部のR照査出力端子も前記2系の切離部の切離しリレーの復旧接点と前記R照査用制御線を介してR照査共通出力端子に接続され、前記1系の制御部と前記2系の制御部の前記複数の接点入力端子はそれぞれ入力接点群のコンモン側が接続された外部入力端子に入力用制御線により接続され、前記N照査共通出力端子は入力接点群の各動作接点側に共通して接続され、前記R照査共通出力端子は入力接点群の復旧接点側に共通して接続され、前記1系の制御部と2系の制御部で出力するN照査信号とR照査信号は、「1」と「0」の論理出力で構成され、前記1系の制御部と2系の制御部には前記同期信号を互いに逆極性になるように入力し、前記1系の制御部と2系の制御部は、それぞれ入力した同期信号の立上りを検出したときから所定のタイミングでN照査信号とR照査信号の論理出力を時分割で「1」から「0」、「1」と切り換えて接点入力を行うことを特徴とする。
【0007】
さらに、1系の制御部と2系の制御部は、それぞれ同期信号を入力してN照査信号とR照査信号を出力したとき、最初の接点入力故障を検出すると自系の切離部の切離しリレーを同期信号の半周期時間だけ動作させ、連続して接点入力故障を検出すると自系の切離部の切離しリレーを連続して動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、外部からの同期信号により1系の制御部と2系の制御部から出力するN照査信号とR照査信号を切り換えて出力するとともに、1系の制御部と2系の制御部から出力するN照査信号とR照査信号によって時分割で入力接点群のコンモン側からの接点入力を行うから、入力回路数と制御線の本数を半減することができ、経済性と信頼性を大幅に向上することができる。
【0009】
また、1系の制御部と2系の制御部のN照査信号やR照査信号に固定故障が発生したときに、その固定故障を検出して切離しリレーを動作させて故障した制御部の照査信号を他系の制御部の照査信号と切り離すから、接点入力の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の二重系接点入力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】二重系接点入力制御装置の正常時における接点入力動作を示すタイムチャートである。
【図3】1系制御部に同期信号が入力しているとき、1系制御部のN照査出力に「0」固定故障が発生した場合の動作を示すタイムチャートである。
【図4】2系制御部に同期信号が入力しているとき、1系制御部のN照査出力に「0」固定故障が発生した場合の動作を示すタイムチャートである。
【図5】1系制御部に同期信号が入力しているとき、1系制御部のN照査出力に「1」固定故障が発生した場合の動作を示すタイムチャートである。
【図6】2系制御部に同期信号が入力しているとき、1系制御部のN照査出力に「1」固定故障が発生した場合の動作を示すタイムチャートである。
【図7】従来の二重系接点入力制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、この発明の二重系接点入力制御装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、二重系接点入力制御装置1は、1系制御部2と2系制御部3と1系切離部4及び2系切離部5を有する。1系切離部4と2系切離部5はそれぞれ切離しリレーCORを有し、1系切離部4は1系制御部2に接続され、2系切離部5は2系制御部3に接続されている。この1系切離部4と2系切離部5の切離しリレーCORは、通常、復旧制御状態になっている。
【0012】
1系制御部2と2系制御部3は、それぞれ図示しないCPUと照査出力回路と照査入力回路と切離回路及び外部入力回路を有し、N照査信号a1を出力するN照査出力端子A1と、N照査信号a1のフィードバック入力b1を入力するN照査入力端子B1と、R照査信号a2を出力するR照査出力端子A2と、R照査信号a2のフィードバック入力b2を入力するR照査入力端子B2と、切離しリレーCORの制御信号c1を出力する切離し制御端子C1と、入力端子D1〜Dnと、外部同期信号入力端子Bx,Cxを介して外部同期信号を入力する同期信号入力端子E1,E2が設けられている。
【0013】
1系制御部2のN照査出力端子A1は1系切離部4の切離しリレーCORの復旧接点COR1とN照査用制御線6を介してN照査共通出力端子Nxに接続され、2系制御部3のN照査出力端子A1も2系切離部5の切離しリレーCORの復旧接点COR1とN照査用制御線6を介してN照査共通出力端子Nxに接続されている。また、1系制御部2のR照査出力端子A2は1系切離部4の切離しリレーCORの復旧接点COR2とR照査用制御線7を介してR照査共通出力端子Rxに接続され、2系制御部3のR照査出力端子A2も2系切離部5の切離しリレーCORの復旧接点COR2とR照査用制御線7を介してR照査共通出力端子Rxに接続されている。N照査共通出力端子Nxは入力接点R1〜Rnの動作接点(N−C)に接続され、R照査共通出力端子Rxは入力接点R1〜Rnの復旧接点(R−C)に接続されている。1系制御部2の入力端子D1〜Dnは入力接点R1〜RnのコンモンCが接続された外部入力端子R1C〜RnCに入力用制御線81〜8nにより接続され、2系制御部3の入力端子D1〜D2も外部入力端子R1C〜RnCに入力用制御線81〜8nにより接続され、1系制御部2と2系制御部3の入力端子D1〜Dnには外部入力端子R1C〜RnCと入力用制御線81〜8nを介して入力接点R1〜Rnからの接点入力d1〜dnを同時に入力する。
【0014】
外部同期信号はAC電源からの電圧をホトカプラなどでデジタル化する回路により得られ、1系制御部2に入力する同期信号T1と2系制御部3に入力する同期信号T2は互いに180度の位相差を有する。なお、外部同期信号は分周して使用しても良い。
【0015】
この二重系接点入力制御装置1の正常時における接点入力動作を図2のタイムチャートを参照して説明する。ここで説明を簡明にするため入力接点R1に着目して説明する。なお、図2において(101)は他系から出力する照査信号を示す。
【0016】
外部同期信号による同期信号T1が入力すると、1系制御部2は入力する同期信号T1の立ち上りを検出してN照査信号a1を「1」、R照査信号a2を「1」で出力し、同期信号T1の立ち上りから所定のタイミング毎に入力読込みタイミング1〜6を発生する。この入力読込みタイミング1で入力接点R1からの接点入力d1とN照査信号a1のフィードバック信号b1及びR照査信号a2のフィードバック信号b2を読み込む。このとき入力接点R1からの接点入力d1は2系制御部3の入力端子D1にも入力する。1系制御部2は読み込んだ接点入力d1が「1」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「1」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「1」であることを確認する。
【0017】
次に、N照査信号a1を「0」、R照査信号力a2を「1」で出力し、入力読込みタイミング2で入力接点R1からの接点入力d1とN照査信号a1のフィードバック信号b1及びR照査信号a2のフィードバック信号b2を読み込み、読み込んだ接点入力d1が「0」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「0」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「1」であるとき、入力接点R1は動作接点(N−C)を構成していると判定する。また、読み込んだ接点入力d1が「1」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「0」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「1」であるとき、入力接点R1は動作接点(N−C)を構成していないと判定する。
【0018】
次に、N照査信号a1を「1」、R照査信号a2を「1」で出力し、入力読込みタイミング3と入力読込みタイミング4で入力接点R1からの接点入力d1とN照査信号a1のフィードバック信号b1及びR照査信号a2のフィードバック信号b2を読み込み、読み込んだ接点入力d1が「1」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「1」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「1」であることを確認する。なお、入力読込みタイミング4は再確認用であり省略しても良い。
【0019】
次に、N照査信号a1を「1」、R照査信号a2を「0」で出力し、入力読込みタイミング5で入力接点R1からの接点入力d1とN照査信号a1のフィードバック信号b1及びR照査信号a2のフィードバック信号b2を読み込み、読み込んだ接点入力d1が「0」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「1」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「0」であるとき、入力接点R1は復旧接点(R−C)を構成していると判定,する。また、読み込んだ接点入力d1が「1」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「1」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「0」であるとき、入力接点R1は復旧接点(R−C)を構成していないと判定する。
【0020】
次に、N照査信号a1を「1」、R照査信号a2を「1」で出力し、入力読込みタイミング6で入力接点R1からの接点入力d1とN照査信号a1のフィードバック信号b1及びR照査信号a2のフィードバック信号b2を読み込み、読み込んだ接点入力d1が「1」でN照査信号a1のフィードバック信号b1が「1」、R照査信号a2のフィードバック信号b2が「1」であることを確認する。
【0021】
また、外部同期信号による同期信号T2が入力すると、2系制御部3は前記1系制御部2と全く同じ接点入力動作を行う。
【0022】
このように同期信号T1,T2とN照査信号a1及びR照査信号a2により1系制御部2と2系制御部3に接点入力d1を時分割入力することにより、入力回路数を半減することができる。
【0023】
次に同期信号T1を入力しているときに1系制御部2のN照査信号に「0」固定故障が発生した場合の動作を図3のタイムチャートを参照して説明する。ここで説明を簡明にするため入力接点R1は動作接点(N−C)を構成しているものとして説明する。
【0024】
最初の同期信号T1を入力しているとき、入力読込みタイミング6直後に1系制御部2でN照査信号a1として「1」を出力しているときにN照査信号a1に「0」固定故障が発生すると、N照査共通出力端子Nxから入力接点R1の動作接点(N−C)に入力するN照査信号a1は「0」となり、1系制御部2と2系制御部3の接点入力d1も「0」になる。このため2系制御部3は直後の同期信号T2が入力しているときの入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3で「0」固定故障が発生したと判断し、2系制御部3に接続された2系切離部5の切離しリレーCORの制御信号c1を、同期信号入力サイクル時間の1/2の時間だけ動作制御側として出力して切離しリレーCORを動作状態にする。
【0025】
そして、次の同期信号T1が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3で接点入力d1が「0」であることを確認して「0」固定故障が発生したと判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORの制御信号c1を、同期信号入力サイクル時間の1/2の時間だけ動作制御側として出力して切離しリレーCORを動作状態にする。そして次の同期信号T2が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3では、1系切離部4の切離しリレーCORにより1系制御部2から出力される1系のN照査信号a1の「0」固定故障は2系から切り離されるため、2系制御部3は正常に接点入力を行うことができる。また、次の同期信号T1が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3で「0」固定故障が発生している判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORを動作状態にする。このように連続して切離しリレーCORを動作させた場合、1系制御部2は接点入力故障と判定して切離しリレーCORを動作させた状態を継続して故障情報を図示しない上位装置へ出力する。
【0026】
次に同期信号T2を入力しているときに1系制御部2のN照査信号の「0」固定故障が発生した場合の動作を図4のタイムチャートを参照して説明する。ここで説明を簡明にするため入力接点R1は動作接点(N−C)を構成しているものとして説明する。
【0027】
最初の同期信号T2を入力しているとき、入力読込みタイミング6直後に1系制御部2でN照査信号a1として「1」を出力しているときにN照査信号a1に「0」固定故障が発生すると、1系と2系に共通なN照査共通出力端子Nxに出力されるN照査信号a1が「0」となり、1系制御部2と2系制御部3に入力する接点入力d1も「0」になるため、1系制御部2は直後の同期信号T1が入力しているときの入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3で「0」固定故障が発生したと判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORの制御信号c1を、同期信号入力サイクル時間の1/2の時間だけ動作制御側として出力して切離しリレーCORを動作状態にする。
【0028】
そして、次の同期信号T2が入力しているとき2系制御部3は入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3では、1系切離部4の切離しリレーCORにより1系制御部2から出力される1系のN照査信号a1の「0」固定故障は2系から切り離されるため、2系制御部3は正常に接点入力を行うことができる。また、次の同期信号T1が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング1と入力読込みタイミング3で「0」固定故障が発生している判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORを動作状態にする。このように連続して切離しリレーCORを動作させた場合、1系制御部2は接点入力故障と判定して切離しリレーCORを動作させた状態を継続して故障情報を図示しない上位装置へ出力する。
【0029】
次に同期信号T1を入力しているときに1系制御部2のN照査信号に「1」固定故障が発生した場合の動作を図5のタイムチャートを参照して説明する。ここで説明を簡明にするため入力接点R1は動作接点(N−C)を構成しているものとして説明する。
【0030】
最初の同期信号T1を入力しているとき、入力読込みタイミング6直後に1系制御部2でN照査信号a1に「1」固定故障が発生した場合、1系制御部2のN照査信号a1が「1」になっていても、2系制御部3のN照査信号a1が正常であれば、2系制御部3からN照査信号a1として「0」を出力すると1系と2系に共通なN照査共通出力端子Nxに出力されるN照査信号a1が「0」となり、直後の同期信号T2を入力しているときの入力読込みタイミング1,2,3で2系制御部3は正常に接点入力を行うことができる。そして次の同期信号T1が入力しているときの入力読込みタイミング2で1系制御部2はN照査出力a1に固定故障が発生したと判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORの制御信号c1を、同期信号入力サイクル時間の1/2の時間だけ動作制御側として出力して切離しリレーCORを動作状態にして1系制御部2から出力される1系のN照査信号a1を2系から切り離す。したがって次の同期信号T2を入力しているときの入力読込みタイミング1,2,3で2系制御部3は正常に接点入力を行うことができる。また、次の同期信号T1が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング2で固定故障が発生している判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORを動作状態にする。このように連続して切離しリレーCORを動作させた場合、1系制御部2は接点入力故障と判定して切離しリレーCORを動作させた状態を継続して故障情報を図示しない上位装置へ出力する。
【0031】
次に同期信号T2を入力しているときに1系制御部2のN照査信号に「1」固定故障が発生した場合の動作を図6のタイムチャートを参照して説明する。ここで説明を簡明にするため入力接点R1は動作接点(N−C)を構成しているものとして説明する。
【0032】
最初の同期信号T2を入力しているとき、入力読込みタイミング6直後に1系制御部2でN照査信号a1に「1」固定故障が発生した場合、直後の同期信号T1が入力しているときの入力読込みタイミング2で1系制御部2はN照査出力a1に固定故障が発生したと判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORの制御信号c1を同期信号入力サイクル時間の1/2の時間だけ動作制御側として出力して切離しリレーCORを動作状態にして1系制御部2から出力される1系のN照査信号a1を2系から切り離す。したがって次の同期信号T2を入力しているときの入力読込みタイミング1,2,3で2系制御部3は正常に接点入力を行うことができる。また、次の同期信号T1が入力しているとき1系制御部2は入力読込みタイミング2で固定故障が発生している判断し、1系制御部2に接続された1系切離部4の切離しリレーCORを動作状態にする。このように連続して切離しリレーCORを動作させた場合、1系制御部2は接点入力故障と判定して切離しリレーCORを動作させた状態を継続して故障情報を図示しない上位装置へ出力する。
【0033】
このようにして1系制御部2のN照査信号a1に固定故障が発生したときに、その固定故障を検出して切離しリレーCORを動作させて1系制御部2のN照査信号a1を2系制御部3のN照査信号a1と切り離すから、接点入力の信頼性を向上することができる。
【0034】
前記説明ではN照査出力に固定故障が発生した場合の動作を説明したが、R照査信号に固定故障が発生した場合も同様な動作を行い接点入力の信頼性を向上することができる。
【符号の説明】
【0035】
1;二重系接点入力制御装置、2;1系制御部、3;2系制御部、4;1系切離部、
5;2系切離部、6;N照査用制御線、7;R照査用制御線、
81〜8n;入力用制御線、COR;切離しリレー、R1〜Rn;入力接点、
a1,a2;N照査信号、b1,b2;N照査信号のフィードバック信号、
c1;切離しリレーの制御信号、d1〜dn;接点入力、
Nx;N照査共通出力端子、Rx;R照査共通出力端子。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2002−366274号公報
【特許文献2】特開2008−213798号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1系の制御部と2系の制御部及び切離しリレーを有する1系の切離し部と2系の切離し部を有し、
前記1系の制御部と2系の制御部は、N照査信号を出力するN照査出力端子と、N照査信号のフィードバック入力を入力するN照査入力端子と、R照査信号を出力するR照査出力端子と、R照査信号のフィードバック入力を入力するR照査入力端子と、前記切離し部の切離しリレーの制御出力を出力する切離し制御端子と、入力接点群からの接点入力を入力する複数の接点入力端子と、外部からの同期信号を入力する同期信号入力端子とを有し、
前記1系の制御部のN照査出力端子は前記1系の切離部の切離しリレーの復旧接点とN照査用制御線を介してN照査共通出力端子に接続され、前記2系の制御部のN照査出力端子も前記2系の切離部の切離しリレーの復旧接点と前記N照査用制御線を介してN照査共通出力端子に接続され、前記1系の制御部のR照査出力端子は前記1系の切離部の切離しリレーの他の復旧接点とR照査用制御線を介してR照査共通出力端子に接続され、前記2系の制御部のR照査出力端子も前記2系の切離部の切離しリレーの復旧接点と前記R照査用制御線を介してR照査共通出力端子に接続され、前記1系の制御部と前記2系の制御部の前記複数の接点入力端子はそれぞれ入力接点群のコンモン側が接続された外部入力端子に入力用制御線により接続され、前記N照査共通出力端子は入力接点群の各動作接点側に共通して接続され、前記R照査共通出力端子は入力接点群の復旧接点側に共通して接続され、
前記1系の制御部と2系の制御部で出力するN照査信号とR照査信号は、「1」と「0」の論理出力で構成され、
前記1系の制御部と2系の制御部には前記同期信号を互いに逆極性になるように入力し、
前記1系の制御部と2系の制御部は、それぞれ入力した同期信号の立上りを検出したときから所定のタイミングでN照査信号とR照査信号の論理出力を時分割で「1」から「0」、「1」と切り換えて接点入力を行うことを特徴とする二重系接点入力制御装置。
【請求項2】
前記1系の制御部と2系の制御部は、それぞれ同期信号を入力してN照査信号とR照査信号を出力したとき、最初の接点入力故障を検出すると自系の切離部の切離しリレーを同期信号の半周期時間だけ動作させ、連続して接点入力故障を検出すると自系の切離部の切離しリレーを連続して動作させることを特徴とする請求項1に記載の二重系接点入力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−56382(P2012−56382A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199767(P2010−199767)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】