説明

交換可能な構成の靴システム

【解決手段】
靴システム(10)は、取外し可能な上部ユニット(20)と靴底ユニット(22)とを有するように構成され、これらはそれぞれの上部接続部(40)及び下部接続部(24)を利用して接続されている。靴底ユニット(22)はサポート片(60)を有し、サポート片(60)は実質的に連続的に靴底ユニット(22)の外周(32)に沿って延設されている。サポート片(60)の下部(80)は靴底ユニット(22)の内部範囲(52)に接続され、上部(82)は下部(80)から概して上方に向かって延びており、また、靴底外周(32)に沿いながら下部接続部(24)の内側に周方向に延設されている。サポート片(60)は、足に装着された際に、横方向の力に耐えるように、靴システム(10)に構造的な強度を提供するように構成され、また、上部接続部(40)及び下部接続部(24)と使用者の足との接触摩擦を低減するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広くははきもの類に関し、具体的には、互いにしっかりと固定され、且つ取外し可能な、取外し可能な上部ユニット及び底面ユニットを有し、上部ユニット及び底面ユニットが互いに取付けられ、高い横方向への安定性、構造的な強度、及び耐久性を発揮する独特な交換可能な構成の靴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
分離された複数の上部と複数の靴底を用いる交換可能な靴システムは、靴製造の分野において繰返し出てきている。典型的には、これらの靴の構造は、上部が靴底にしっかりと取付けられるようにするための他の相当する機構のためのジッパーを有する。加えて、これらの靴構造の多くは、磨り減った靴底を交換したり、審美的な意味で上部や靴底を交換するために、使用者がある靴底に対して様々なタイプの上部に交換できるように、またその逆ができるようになっている。
【0003】
交換可能な靴は望ましい。なぜならば、色々な様々なデザインや形状に従って使用者が彼らの靴をカスタマイズできるからである。使用者は特別な特徴やデザイン要素に基づいて運動靴を他の運動靴に対して差別化することができ、これは特に望ましいことである。使用者は、具体的な目的のために、例えば他のタイプの靴底のような他の様々な特徴を合体させることができる。例えば、ランニング靴の靴底は様々なタイプの材料から子得計され得るものであり、個別具体的な脚のタイプや脚の動き(例えば内転や外転)のためにデザインされ得るものであり、個別具体的な適用(例えば競技用の平らなもの、競技用のランニング靴、または異種のトレーニング靴)のためにデザインされ得るものである。好みにより、使用者は、望みに応じた様々な機能的な特徴とデザイン要素と合体する運動靴のある特定の上部を選択して使用することが可能である。
【0004】
交換可能な靴は有益でもある。なぜならば、上部よりも靴底が先に磨り減ることは一般的だからである。典型的に、靴底のトレッドが磨り減れば、靴底は磨り減ったことになり、または、靴がある一定の期間使用されるかある一定の距離を超えて使用されると、靴底は磨り減る。通常の運動靴では、靴において靴底のみが唯一の使い古した場所である場合でも、靴全体が捨てられる。例えば革靴の靴底などの、いくつかの靴の靴底は、それらが磨り減った時に通常交換される。しかしながら、交換可能な靴は、ドレスのための、カジュアル目的の、または運動目的である何れの靴であっても、使用者にとって使用可能であり、彼らの靴により良い手入れをすることを可能とする。
【0005】
靴底が磨り減った時に個人に靴底を交換することを可能とする交換可能な靴構造を創る試みがされている。または、加えて、審美的な目的のために靴の靴底や上部を交換することを可能とする靴構造を創る試みがされている。しかしながら、靴市場には、未だに成功的な交換可能な靴構造はあらわれていない。市場においてその様な交換可能な靴構造が未だに成功していない様々な理由の中で、交換可能な靴構造で確実に制約となっているのは、運動の時の適切な構造的な強度、横方向のサポート、そして使用における耐久性を得るという機能である。
【0006】
このため、交換可能な靴システムの分野では、外観、及び/または靴の構造を迅速且つ容易に変更する機能を使用者に提供することが求められている。さらに、交換可能な靴システムの分野では、前方向、後方向、横方向、及び回転方向などの方向への正確な、そして突然の移動を要求する運動を使用者が行っている時に、使用者の足のための非凡な横方向のサポート、構造的な強度、そして耐久性を提供することが求められている。さらに、交換可能な靴システムの分野では、靴の審美的な質を選択的に変更することを使用者に提供することが求められている。最後に、交換可能な靴システムの分野では、カジュアル使用や運動使用の時に、上部が靴底から外れないように上部を靴底にしっかりと固定することを使用者に提供することが求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に従って、靴システムは、取外し可能な上部ユニット及び靴底ユニットを有する。取外し可能な上部ユニットは、上部ユニットの下側外周に少なくとも部分的に沿って延設されている下端を有する。上部ユニットは、上部ユニットの前記下端から概して下方に向かって延設されている上部接続部または上部接続手段を有する。上部ユニットは少なくとも使用者の足の一部を横切るように延設されている。靴底ユニットは靴底ベースを有するとともに、靴底ベースから概して上方に向かって延設されている上端を有する。靴底ベースは靴底外周及び内部範囲を有する。前記上端は少なくとも一部が前記靴底外周に沿って延設されている。靴底ユニットは前記上端から概して上方に向かって延設されている下部接続部または下部接続手段を有する。前記下部接続手段は上部ユニットの前記上部接続手段に取付けられ、上部ユニットの靴底ユニットへの取外し可能な取付けを容易にする。
【0008】
靴底ユニットは、少なくとも靴底外周の一部に沿って延設されたサポート片を有する。サポート片は上部と下部を有する。サポート片の前記下部は靴底ベースに取付けられ得る。いくつかの実施形態では、サポート片の前記下部は、前記内部範囲に向かって前記靴底外周に対して概して内側に向かって延設されている。サポート片の前記下部は靴底ベースに取付け可能である。サポート片の前記上部は前記下部から概して上方に向かって延設され、靴底外周に沿うとともに前記下部接続手段の内側に周方向に延設されている。
【0009】
サポート片は、上部ユニットが靴底ユニットに取付けられた際に、上部接続手段が下部接続手段に接続されている状態で、且つ、サポート片が全体的に上部接続手段及び下部接続手段に当接している状態で、少なくとも部分的に下部接続手段よりも上方に延びるように形成することが可能である。それゆえ、サポート片は、足への装着時に、横方向への力に耐えるために、靴システムに構造的な強度を提供するように構成され、前記上部接続手段及び下部接続手段と使用者の足との接触摩擦を低減するように構成されている。
【0010】
靴システムはさらに靴底インサートを有することが可能であり、靴底インサートは靴底ベースの内部範囲内に受容されるような大きさ及び形状を有する。靴底インサートはサポート片の前記下部及び靴底ベースの上面に取付可能であり、靴底ベースに対するサポート片の方向を位置決め可能である。
【0011】
他の実施形態によると、靴システムはさらに中底を有することが可能であり、中底は、中底外周と、少なくとも部分的に中底外周に沿うように中底から概して上方に向かって延設された立設壁とを有する。前記中底は、前記立設壁がサポート片の内側面の少なくとも一部に当接した状態で靴底ベースの前記内部範囲内に嵌め込まれる大きさ及び形状を有し、横方向の力に対するサポート片の構造的な強度を補強する。さらに、中底の前記立設壁は、前記立設壁の少なくともかかと部分に沿うように設けられるとともにサポート片の前記上部よりも少なくとも部分的に上方に延設されるような大きさ及び形状を有する上端部を有し、該上端部は横方向の力に耐えるサポート片を補強するために設けられるとともに、前記上部接続部及び下部接続部と使用者の足との接触摩擦を低減するために設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前記及び他の特徴を有する発明は、ここに好ましい実施形態の図面とともに説明されている。説明されている実施形態は発明を説明するためであり、発明を限定するものではない。図面は以下の図を含んでいる。
【図1】図1は、ある1つの実施形態に従った、取外し可能な上部ユニットと靴底ユニットとを含む靴システムの斜視図である。
【図2】図2は図1に示されている靴システムの平面図である。
【図3】図3は上部ユニットが靴底ユニットから取外されている状態の図1の靴システムの側面図である。
【図4】図4は他の実施形態に従った、靴底ユニットの平面図である。
【図5】図5は他の実施形態に従った、靴底インサートが靴底ユニットの内側エリア内に受容されている靴底ユニットの平面図である。
【図6】図6は他の実施形態に従った、中底が靴底ユニット内に配置された靴底ユニットの平面図である。
【図7A】図7Aは図6の7A−7A線側面断面図である。
【図7B】図7Bは図6の7B−7B線側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な実施形態の具体的な詳細を規定しているこの説明について、この説明は例示であって、いかなる限定としても解釈されるものではない。さらに、そのような実施形態の様々な応用や実施形態に加えられる様々な変形は、この技術分野の通常の知識を有する者によって想到し得るものであり、ここに説明されている一般的なコンセプトによって含まれるものである。
【0014】
下にさらに説明されているように、この発明は、使用者の好みや要求に従って迅速且つ容易に変形させ得る独特で特有の靴システムを提供する。この靴システムは、使用者が靴を2またはそれ以上の構成部品に分解することができ、そしてそれらの部品のうちどれでも異なる形状、色、または材料の他の部品に交換することができる。例えば、使用者は運動靴の上部を異なる色を有するカジュアル靴の上部に交換することができる。
【0015】
しかしながら、ここに説明されている実施形態に関する多くの効果のうちの1つは、靴システムの靴底が独特なデザインを有しており、そのデザインが、靴における取外し可能な上部と靴底との接続部で、実質的に横方向の安定性を提供することである。特に、靴底は、上部と靴底との接続部の近くに位置する少なくとも1つのサポート構造を有することが可能で、サポート構造は強固に靴底ユニットに取付け可能である。このサポート構造は靴の横方向の安定性を向上するように機能するだけではなく、靴底と上部との接続部を傷から守る補助になり、そして使用者の足とこの接続部とが接触することを避けるようになっている。結果として、これらの実施形態の靴システムは、靴の形状や外観を希望に応じて使用者が変更することを可能にしながら、通常の運動靴の外観及び感触を提供することができる。
【0016】
この発明の好ましい実施形態を例示する目的で作成され、本発明を限定するためではなく作成された図面に関し、図1は靴システム10の斜視図であり、取外し可能な上部ユニット20と靴底ユニット22とを有している。靴システム10は図1〜6に、足の前部、つま先、かかとの部分を含む踝の下側を含む使用者の足の全てを実質的に覆う運動靴が例示されている。しかしながら、この靴システムが無数のタイプの靴のデザインや形状に適用されるために変形され得ることが考慮されている。それゆえ、これらの図が取外し可能な上部ユニット20及び靴底ユニット22の実施形態の例を例示しているが、この靴システム10のこれらの構成要素は、好みに応じて靴システム10を自分仕様にするための無数のオプションを使用者に提供するように様々に変更され得る。
【0017】
上部ユニット20は、少なくとも使用者の足の一部を横切って延びるように形成され得る。例えば、上部ユニット20は、要求に応じて、足をもっと露出するように、または露出しないように形成され得る。そのような実施形態は、サンダルから踝部が高いスニーカーやブーツまで広範な種類のはきものを含み得る。上部ユニット20は、例えば布、プラスチック、合成材料、皮、織物等の、本技術分野で周知の様々な材料から製造され得る。
【0018】
図1〜6に例示されている靴底ユニット22もまた様々に形成され得るものであり、この靴システム10が運動靴として、カジュアル靴として、かかとのある靴として、またはその他の目的のために使用されるように適合され得る。靴底ユニット22も同様に、様々なタイプのトレッドパターンを適用可能であり、望ましいいかなる材料からも製造可能であり、望まれる外観および色を提供するように成形され得る。靴底ユニット22もまた、本技術分野で周知の様々な材料によって製造され得る。
【0019】
図1に例示されているように、上部ユニット20は靴底ユニット22とコネクターまたは接続手段24の使用によって互いに接続され得る。接続手段24は、使用している時に、上部ユニット20がしっかりと靴底ユニット22に取付けられることを確保するようになっており、上部ユニット20が靴底ユニット22と一体に形成されているように見え、別々に形成されているように見えないことを確保するようになっている。接続手段24は、上部ユニット20のそれぞれの位置を靴底ユニット22にしっかりと取付けるために用いられ得る。ある1つの好ましい実施形態によると、接続手段24はジッパーを含み、ジッパーは平行に並んだ連結している複数の歯とスライドするつまみを有する。様々なタイプのジッパーが、異なるスタイル、色、サイズ、技術的な仕様で適用可能である。接続手段24はジッパーを含むが、接続手段24は、例えばベルクロ(Velcro)、ボタン、紐、クリップ、フック、かすがい、及び他のタイプの留め具のような、上部ユニット20を靴底ユニット22に取付けるための他の部材を含むことが可能である。
【0020】
さらに、そのような留め具は靴底ユニット22が使用者の足にしっかりと保持されていることを確保するために用いられ得る。換言すれば、靴の上部は典型的には靴全体が使用者の足にしっかりと保持されることを確実にする。逆に、ここに示されているいくつかの実施形態は、上部ユニット20を装飾的に機能させ、上部ユニット20が靴を使用者の足に保持し維持する機能を必要としない。このような実施形態では、取外し可能な上部ユニット20は靴底ユニット22に低い頑丈さの接続手段24を用いて固定され得る。これは、上部ユニット20と靴底ユニット22との接続部が、靴システム10の使用中に発生する様々な力を靴底ユニットが受けて分散させることをイ確保することに厳しくないからである。
【0021】
図1及び2を参照すると、上部ユニット20は上部ユニット20の下部外周28に少なくとも部分的に沿って延びている下端26を有する。前述のように、添付の図面の中で、運動用スニーカーの上部として上部ユニット20は例示的に示されている。しかしながら、上部ユニット20はサンダルの上部として形成することが可能であり、この場合、使用者の足の様々な位置が露出し得る。即ち、そのような実施形態では、上部ユニット20の下端26は上部ユニット20の下部外周26に沿って不連続となり得る。
【0022】
上部ユニット20と同様に、図1に示されている靴底ユニット22は、靴底外周32に少なくとも部分的に沿って延びている上端30を有する。下端26に関して前述されているように、上端30は靴底外周32に沿って連続または不連続になり得る。この点について、上部ユニット20が靴底ユニット22の上方に配置された時に、下端26を上端30の近くに位置するように形成可能であることが考慮されている。これに拘わらず、いくつかの実施形態では、靴底ユニット22の上端30は靴底外周32の実質的に全ての部分に沿って連続していることが可能であり、これにより、下端26の形状に拘わることなく上部ユニット20の下端26を沿うように受けることができる。即ち、ある靴底ユニット22は、例えばテニス靴の上部やサンダルの上部に関して交換可能である。
【0023】
図3に例示されている実施形態に関し、上部ユニット20は上部コネクターまたは接続手段40を含むように形成され得る。加えて、靴底ユニット22は下部コネクターまたは接続手段42を含むように形成され得る。上部接続手段40は、上部接続手段40が下部接続手段42と互いに接続され得るような位置に向かって、上部ユニット20の下端26から延びるように構成可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、上部接続手段40は下端26から概して下方に向かって延びる。しかしながら、上部接続手段40が上部ユニット20の下端26に対して様々な方向に向かうことができることは考慮されている。そのように、上部ユニット20が靴底ユニット22に接続された時に、下端26は靴底ユニット22の上端30の上方または下方に少なくとも部分的に位置し得る。下端26が上端30の上方または下方に配置される様々な形状が製造され得ることが考慮されている。さらに、靴システム10が組み立てられた時に、下端26の全周が靴底ユニット22の上端30の内周側または外周側に配置されるように製造され得る様々な他の形状が考慮されている。
【0025】
再び図3に関し、靴底ユニット22は靴底ベース50を有し得る。靴底ベース50は靴のトレッドを含むように形成され得るものであり、そして靴底外周32を形成し、さらに内部範囲52を形成することが可能である。図3〜6に例示されているように、上端30は靴底ベース50から延びる。示されているように、いくつかの実施形態において、上端30は靴底ベース50に対して概して垂直方向に上方に向かって延びる。上端30は靴底ベース50と一体にまたは別体に形成され得る。一般の垂直の範囲は垂直から45°の範囲を含む。さらに、下部接続手段42は、上部接続手段40に接続可能なように、上端30から延びる。上部接続手段40に関して前述されているのと同様に、下部接続手段42は、上端30から様々な方向に延びることが可能であり、靴底ユニット22の様々な形状を提供し得る。いくつかの実施形態では、下部接続手段42は上端30に対して概して上方に延びている。どの選択された形状も好ましくは、上部ユニット20が迅速且つ容易に靴底ユニット22に対して取付け、または取外しされるように、上部接続手段40の下部接続手段42への取外し可能な取付けを容易にする。
【0026】
他の実施形態によると、靴底ユニット22はサポート片60を有するように形成し得る。サポート片60は靴底外周32の少なくとも一部に沿って延びるように形成し得る。いくつかの実施形態では、サポート片60は靴底ユニット22の前端62に関する靴底外周32に沿って延び得る。そのような実施形態では、サポート片60は使用者の足の前部に横方向のサポートを追加で提供し得る。加えて、他の実施形態では、サポート片60は靴底ユニット22の後端64に関する靴底外周32に沿って延び得る。そのような実施形態では、同様に、サポート片60は使用者の足のかかと部分に関する横方向のサポートを追加で提供し得る。さらに、サポート片60が靴底ユニット22の前端62と後端64との中間において、靴底外周32の両側66に沿って延び得ることが考慮されている。
【0027】
好ましい実施形態中において、サポート片60を実質的に連続的に靴底外周32に沿って延ばすことが可能である。例えば、サポート片60は靴底外周32に沿って「実質的に連続的」であり得るものであり、この場合、サポート片60は直接に、または非直接に横方向の力をサポート片60のある場所から他の場所に、例えば前端62から後端64に伝達することが可能である。加えて、「実質的に連続的」なサポート片60の延設は、サポート片60の周長に関係し、例えば靴底外周32の長さの80%かそれ以上に沿って延設されることになる。いくつかの実施形態では、サポート片60は好ましくは少なくとも1つの連続的な材料から製造され得る。この点に関し、サポート片60は1つの織物材料から形成され得る。しかしながら、サポート片60は、横方向の力を伝え、望まれている横方向の安定性を提供するために、靴底ユニット22の他の位置と連結され得る。他の実施形態では、サポート片60は、サポート片60に対して近傍に位置するか取付けられた他の補強材料を有することが可能である。従って、サポート片60の実施形態は1種類の材料から製造可能であり、使用者の要求に応じて有効活用可能である。サポート片60のさらに他の変形例や形状は以下に記載され、またはこの開示に基づいて当業者に明らかであろう。
【0028】
図4〜6に関し、靴底ユニット22の様々な形状が例示されている。図4は靴底ベース50の内部範囲52に配置されるとともに靴底外周32から上方に延びるサポート片60の一例を示す靴底ユニット60の平面図である。図5は靴底ユニット22の実施形態の平面図であり、靴底インサート70が靴底ベース50の内部範囲52内に配置されている。図6は図3に示されている靴底ユニット22の平面図であり、これは靴底ユニット22がさらに中底72を含み得ることを例示しており、中底72は靴底インサート70の上に配置されて靴底インサート70とともに使用され得る。最後に、図7A及び7Bは図6に例示されている靴底ユニット22の前端62及び後端64の断面図をそれぞれ例示している。さらにここに説明されているように、各図面は靴システム10の実施形態の特徴を例示するのに役立ち、それらの特徴は靴システム10の構造的な強度や横方向の安定性を増すのに役立つ。他の効果や変形例もまた容易且つ明らかである。
【0029】
図4及び図7A〜7Bに示されているように、サポート片60は下部80及び上部82を有するように形成することが可能である。下部80は、靴底ベース50の内部範囲52の中央に向かって靴底外周32から概して内側に向かって延設可能である。この点に関し、下部80は概して水平方向に、または傾斜した方向に方向づけられている。例えば、以下に説明されている実施形態では、下部80は靴底ベース50内に嵌め込まれており、下部80は概して靴底ベース50内に向かうとともに下方に向かって傾斜するように形成することができ、または、靴底ベース50上に水平に配置し得る。
【0030】
サポート片60の下部80は、接着剤、留め具、または他の結合手段を用いて靴底ベース50に確実に取付けられることが可能である。接着剤、例えば瞬間接着剤、樹脂、ペースト状のもの、他の結合剤等が使用可能である。留め具、例えば糸、ステッチ等が使用可能である。最後に、熱的に、科学的に、または機械的に機能する、材料間に強い結合を発生させる他の結合手段を使用可能である。
【0031】
サポート片60の下部80と靴底50との結合は、靴システム10の安定性と機能を向上するために様々に変更可能である。この点について、好ましい実施形態は、サポート片60の様々な位置に働く力が、サポート片60を介して容易に靴底ベース50に伝達されるようになっている。このように、サポート片60は使用者の足のために横方向のサポートと安定性を提供することが可能である。即ち、好ましい実施形態では、下部80と靴底ベース50との結合の強度は、サポート片60及びサポート片60と靴底ベース50との接続部に働く横方向または剪断方向の力に耐えるのに十分である。即ち、靴底ベース50がサポート片60と協働するように結合し、効果的な安定性と構造的な強度を提供するように、靴システム10が構成され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、図4に示されているように、下部80は内部範囲52の幅の少なくとも1/4に沿って延設されている。図7A及び7Bは、下部80を靴底外周32から概して内側に向かって延設可能であり、靴底ベース50の内部範囲52の中央に向かって延設可能であることを例示している。即ち、サポート片60の下部80が靴底ベース50の内部範囲52の少なくとも一部を占領し得ることが考慮されている。このような実施形態では、サポート片60の下部80の上に平坦を提供するように、内部範囲52の残りを埋めるために他の材料が使用され得る。
【0033】
しかしながら、他の実施形態では、例えば両側66から内部範囲52の中央に向かって集まるように延びる下部88によって、下部80が内部範囲52の実質的に全体に亘って延設され得る。従って、下部80のサイズや結合面の変更が、サポート片60と靴底ベース50との結合強度に影響を与え得ることが考慮されている。即ち、下部80の長さ、幅、及び間隔は、様々な実施形態において、要求や仕様に応じて変更可能である。さらに、下部80が靴底ベース50に対して外側に出て結合されているものが例示されているが、下部80が様々な構造で靴底ベース50内に嵌め込まれ得ることも考慮されている。
【0034】
図3及び図7A〜7Bに例示されているように、サポート片60の上部82は下部80から概して上方に向かって延びるように形成することができ、靴底外周32に沿って接続手段24の内側内に周方向に延びるように配置され得る。いくつかの実施形態では、サポート片60の上部82の少なくとも一部がしっかりと下部接続手段24に取付けられることが可能であり、加えて、靴底ユニット22の外周壁90にも取付けられ得る。
【0035】
前述のように、サポート片60は追加で使用者の足に対して横方向のサポートを提供することと、靴システム10の靴底ユニット22をさらに安定化させることに利用することができる。この点について、サポート片60は様々な有用な材料から製造され得る。例えば、サポート片60は、可撓性及び弾性を有する材料、例えばプラスチックから製造可能である。しかしながら、好ましい実施形態では、サポート片60は、中程度の重量を有する織物材料から製造され得る。さらに、サポート片60が複数の材料の合成材料であり得ることが考慮されている。これらの材料は、サポート片60の上部82及び/または下部80内で概して水平方向に配置されるインサートを含み得る。また、このような材料は上部82中に垂直方向に配置され得るものであり、サポート片60の下部82に向かって延びるように配置され得る。さらに、そのような材料として、サポート片60の全体に亘って配置された網目状の織物を有し、サポート片60を補強するものが考慮されている。他の合成構造や材料が利用可能であり、サポート片60の他のデザインや構造は、これらの教示を用いることにより変更可能である。
【0036】
図3〜6に記載されている実施形態において、サポート片60は、靴底外周に沿って実質的に連続的に延びる少なくとも1つの連続した材料を有する。このような実施形態の利点は、サポート片60が連続しているので、靴システム10の前端62でサポート片60に働く力が、両側66に沿って靴底ユニット22の後端64に向かってサポート片60を介して伝達されることである。このように、サポート片60は靴システム10の強度、耐久性、及び安定性を向上する傾向を有し得る。
【0037】
図7A〜7Bに例示されている実施形態によれば、サポート片60は少なくとも部分的に下部接続手段42よりも上方まで延びるように形成され得る。例えば、サポート片60は、少なくとも部分的に下部接続手段42よりも上方まで延びる上縁92を有し得る。他の実施形態によれば、上部ユニット20が靴底ユニット22に取付けられた時に、サポート片60が上部接続手段40及び下部接続手段42に広く当接し得る。そのような実施形態では、サポート片60は横方向の力に抵抗するために、サポート片60は前記当接によって接続手段24に安定性を提供することが可能である。さらに、サポート片60は、上部接続手段40及び下部接続手段42を覆うように利用することが可能である。この場合、サポート片60は接続手段24と使用者の足との間でバリアーを構成し、使用者の足と上部及び下部接続部材40,42との接触摩擦を低減する傾向を有し得る。
【0038】
図5に関し、靴底インサート70は、靴底ベース50の内部範囲52内に受容されるようなサイズ及び形状となり得る。靴底インサート70は、例えば、スポンジ状部材、厚紙、プラスチック等の耐久性を有するシート材料から製造可能である。靴底インサート70は好ましくは滑らかな下面を持っており、その下面はサポート片60の下部80と実質的に結合し得るものであり、靴底ベース50の内部範囲52のいかなる露出している部分にも同様に結合し得るものである。この点に関し、好ましい実施形態では、靴底インサート70はサポート片60の少なくとも下部80に取付けられ得る。
【0039】
さらに、図4に例示されているように、即ち内部範囲52の幅の略1/4に延びている下部80を有する実施形態では、内部範囲52の上面94は露出したままである。この実施形態では、靴底インサート70は上面94に取付け可能であり、サポート片60の下部80にも取付け可能である。従って、この構成はサポート片60と靴底ベース50との非直接の接続をもたらし、サポート片60と靴底ベース50との結合をさらに向上し得る。即ち、靴底インサート70は、靴底ユニット22の内部範囲52内において、サポート片60の関係する部分をさらに留めることができる。このように、サポート片60の様々な位置に働く力は、サポート片60を介して容易に靴底ベース50に伝達され得る。即ち、靴底ベース50がサポート片60及び靴底インサート70に協働するように結合され、効果的な安定性と構造的な強度を提供するように、靴システム10を構成可能である。
【0040】
図6に関し、靴システム10はさらに中底72を有し得る。中底72は、中底外周100及び立設壁102を有する。図3及び図7Bに例示されているように、中底72の立設壁102は、少なくとも部分的に中底外周100に沿って中底72から概して上方に向かって延び得る。いくつかの実施形態では、立設壁102がサポート片60の内面の少なくとも一部に当接する状態で、中底72が靴底ベース50の内部に嵌まるように、中底72のサイズ及び形状が決められ得る。即ち、立設壁102は、横方向の力に対して、サポート片60の構造的な強度を補強するために利用され得る。
【0041】
図7Bに例示されている他の実施形態によれば、中底72の立設壁102はさらに上端部106を有し得る。上端部106は、少なくとも部分的に、サポート片60の上部82よりも上方に延びるように形成され得る。例えば、上端部106は、少なくとも部分的に、上部82の上縁92よりも上方に延びるように形成され得る。いくつかの実施形態では、上端部106は、少なくとも部分的に、立ち上げられた部分102の少なくともかかと部分108に沿って、上縁92よりも上方に延びるように設けられ得る。この点について、立設壁102は、実質的に中底外周100の全てに沿って配置されることも可能であり、単に中底72のかかと部分108に沿って配置されることも可能である。
【0042】
従って、立設壁102は、靴底外周32の求められる位置に沿ってサポート片60を補強することに利用可能であり、横方向の力に対するさらなる強度を提供することが可能である。さらに、立設壁102は、上部及び下部接続手段40,42を覆うために使用され得る。この場合、立設壁102は、上部及び下部接続手段40,42に対する使用者の足の接触摩擦を低減する傾向を持ち得る。最後に、図3に例示されているように、中底72の立設壁102は、靴底ユニット22の両側66に沿って前端62に向かって延設し得る。
【0043】
これらの発明は、ある好ましい実施形態及び例示に沿って開示されているが、当業者であれば、この発明が実施形態に示された具体的な内容を超えて、他の代替の実施形態や、発明の使用や、自明な変形や、あるいは均等物に拡張し得ることが理解されるであろう。加えて、この発明のいくつかの変形例が示されて詳細に説明されているが、この発明の範囲に含まれる他の変形例も、当業者にとって、この開示に基づいて容易且つ自明である。この独特な特徴の様々な組み合わせや、補助的な組み合わせも考慮されており、この実施形態の様々な変形が作られ得るとともに、それらはこの発明の範囲内である。この開示された実施形態の様々な特徴や側面は、互いに結合され、または代替され得るものであり、これにより、開示された発明の様々な変形を作成し得ることを、考慮に入れるべきである。即ち、少なくともいくつかのここに開示されている発明の範囲は、具体的に上に説明された開示実施形態によって限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴システムであって、
取外し可能な上部ユニットを備え、該上部ユニットはその下側外周に少なくとも部分的に沿って延びている下端を有し、該上部ユニットは前記下端から概して下方に向かって延びている上部接続部を有し、該上部ユニットは使用者の足の少なくとも一部を横切って延びるように形成されており、
靴底ベースを有する靴底ユニットを備え、該靴底ユニットは靴底ユニットから概して上方に向かって延びている上端を有し、靴底ベースは靴底外周及び内部範囲を有し、前記上端は少なくとも一部が前記靴底外周に沿って延びており、靴底ユニットは前記上端から概して上方に向かって延びている下部接続部を有し、前記下部接続部は上部ユニットの前記接続部に取付けられ、上部ユニットの靴底ユニットへの取外し可能な取付けを容易にし、靴底ユニットは靴底外周の少なくとも一部に沿って延びているサポート片をさらに備え、サポート片は上部及び下部を有し、サポート片の前記下部は靴底ベースに取付けられ、サポート片の前記上部は前記下部から概して上方に向かって延びており、サポート片の前記上部は靴底外周に沿うとともに前記下部接続部の近くにおいて下部接続部の内側に配置され、サポート片の前記上部は少なくとも部分的に前記下部接続部の上方において延びており、サポート片は、足への装着時に、横方向への力に耐えるために、靴システムに構造的な強度を提供するように構成され、また、サポート片は前記上部接続部及び下部接続部と使用者の足との接触摩擦を低減するように構成されている靴システム。
【請求項2】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記サポート片は、靴底ユニットの前端において、靴底外周に沿って延設されている。
【請求項3】
請求項2に記載の靴システムであって、
前記サポート片は、靴底ユニットの後端において、靴底外周に沿って延設されている。
【請求項4】
請求項4に記載の靴システムであって、
前記サポート片は、靴底ユニットの前記前端及び後端の間における靴底外周の両側に沿って延設されている。
【請求項5】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記サポート片は、前記靴底外周に沿って実質的に連続的に延設されている。
【請求項6】
請求項5に記載の靴システムであって、
前記サポート片は、少なくとも1つの連続する材料から形成されている。
【請求項7】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記靴底ベースは、靴底ユニットの前記上端と別体に成形されたものである。
【請求項8】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記上部ユニットの前記下端は上部ユニットの下側外周に沿って連続的に延設されており、前記上部接続部は、前記下側外周に沿って連続的であるとともに、概して上部ユニットの前記下端から概して下方に向かって延設されている。
【請求項9】
請求項8に記載の靴システムであって、
靴底ユニットの前記下端は上部ユニットの前記下側外周に沿って連続的に延設され、前記下部接続部は靴底ユニットの前記上端から概して上方に向かって延設されるとともに靴底外周に沿って連続的である。
【請求項10】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記靴底ベースの前記内部範囲内に受容されるような大きさ及び形状を有する靴底インサートをさらに備え、靴底インサートは、靴底ベースに対するサポート片の方向を位置決めするように、サポート片の前記下部及び靴底ベースの上面に取付け可能である。
【請求項11】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記上部及び下部接続部はジッパーである。
【請求項12】
請求項1に記載の靴システムであって、
中底をさらに備え、該中底は、中底外周と、少なくとも部分的に中底外周に沿うように中底から概して上方に向かって延設された立設壁とを有し、前記中底は、前記立設壁がサポート片の内側面の少なくとも一部に当接した状態で靴底ベースの前記内部範囲内に嵌め込まれる大きさ及び形状を有し、横方向の力に対するサポート片の構造的な強度を補強する。
【請求項13】
請求項12に記載の靴システムであって、
前記中底の前記立設壁は、前記立設壁の少なくともかかと部分に沿うように設けられるとともにサポート片の前記上部よりも少なくとも部分的に上方に延設されるような大きさ及び形状を有する上端部を有し、該上端部は横方向の力に耐えるサポート片を補強するために設けられるとともに、前記上部接続部及び下部接続部と使用者の足との接触摩擦を低減するために設けられている。
【請求項14】
請求項13に記載の靴システムであって、
前記立設壁は、中底のかかと範囲に沿って延設されている。
【請求項15】
請求項13に記載の靴システムであって、
前記立設壁は、靴底ユニットの前記前端及び後端の間における靴底外周の両側に沿って延設されている。
【請求項16】
請求項1に記載の靴システムであって、
前記サポート片の前記下部は、前記内部範囲に向かって前記靴底外周に対して概して内側に向かって延設されている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2010−523174(P2010−523174A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501047(P2010−501047)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/056283
【国際公開番号】WO2008/121495
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(509270144)
【Fターム(参考)】