説明

人検知センサーユニットおよびそれを備えた照明器具

【課題】 ランプの熱線変化検知によるランプの誤点灯を良好に防止することができる人検知センサーユニットおよびそれを備えた照明器具を提供する。
【解決手段】 人検知センサーユニット10は、赤外線変化を検知する検知部11と、検知部11の検知出力に基づいて予め設定した点灯保持時間のあいだランプ50を点灯制御または調光制御するための信号を出力する制御部12とを備える。制御部12は、点灯保持時間経過後の予め設定した時間内における検知部11の検知出力に対しては、ランプ50を点灯制御または調光制御するための信号を出力することを見合わせる。本照明器具は、この人検知センサーユニットを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人検知センサーユニットおよびそれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人検知センサーユニットを備えた照明器具が知られている。この種の人検知センサーユニットは、例えば人の接近により赤外線変化を検知するとランプを点灯させ、一定時間その点灯状態を保持し、その後消灯するように構成される。
【0003】
赤外線変化を検知してランプの点灯状態を制御する人検知センサーユニットの検知部は、ランプの熱線の影響を受けないように、ランプと検知部の配置に制約がある。これは、ランプが点灯状態から消灯状態に移行するとき、人がいない場合でもランプの熱線の変化をセンサーユニットの検知部が検知し、ランプを再点灯させるおそれがあるからである。そのため、例えば図4に示すように、照明器具のランプソケット40に装着されたランプ50の熱線51が反射板30から露出した人検知センサーユニットの検知部11に影響を与えないように、ランプ50に対する検知部11の配置位置を考慮しなければならない。これに関連して、特許文献1では、センサーユニットの検知部を照明器具の本体外周よりも内側において、ランプ長手方向の一方の端部の口金近傍に配置することが提案されている。
【特許文献1】特開2001−345015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ランプの熱線変化検知によるランプの誤点灯を良好に防止することができる人検知センサーユニットおよびそれを備えた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、赤外線変化を検知する検知部と、前記検知部の検知出力に基づいて予め設定した点灯保持時間のあいだランプを点灯制御するための信号を出力する制御部とを備えたランプ点灯制御用の人検知センサーユニットであって、前記制御部は、前記点灯保持時間経過後の予め設定した時間内における前記検知部の検知出力に対しては、前記ランプを点灯制御するための信号を出力することを見合わせる人検知センサーユニットにより、達成される。ここで、前記点灯保持時間経過後の予め設定した時間は、好適には3秒〜6秒である。
【0006】
本発明に係る照明器具は、ランプと、前記ランプを点灯するためのランプ点灯装置と、前記ランプ点灯装置に前記ランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力する上記人検知センサーユニットとを備える。ここで、前記ランプは蛍光ランプとすることができる。また、前記人検知センサーユニットの検知部は、前記ランプからの熱線を検知可能な位置に配置することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ランプの熱線変化検知によるランプの誤点灯を良好に防止することができる。これにより、ランプの熱線の影響を受けやすい箇所に検知部の配置が可能となり、ランプとの間隔の確保が期待できない、より小形の照明器具にセンサーを内蔵することが可能となる。また、検知部の設置場所を選ばずに照明器具への設置が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図1〜図3に沿って説明する。
図1は、本発明に係る人検知センサーユニットを備えた照明器具の一実施例を示す図である。本照明器具は、図示のように、直管形蛍光ランプ50と、ランプを装着するための一対のランプソケット40と、器具本体に取り付けられた反射板30と、反射板内部に配置されたランプ点灯装置20と、ランプ点灯装置にランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力する人検知センサーユニット10とを備える。本実施例では、照明器具に装着されるランプは直管形蛍光ランプとしたが、ランプはこれに限定されない。人検知センサーユニット10は、反射板内部から露出し赤外線変化を検知する検知部11と、反射板内部に配置され検知部11の検知出力に基づいて予め設定した点灯保持時間のあいだランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力する制御部12とを備える。
【0009】
図2は、図1における人検知センサーユニット10の検知部11とランプ50との位置関係を示す側面図である。図2に示すように、人検知センサーユニット10の検知部11はランプ50の近くに配置され、ランプ50の熱線51が、検知部11に影響を及ぼす。しかし、本実施例では、人検知センサーユニット10の制御装置12の処置により、ランプが点灯状態から消灯したときでもランプの再点灯は防止される。以下、この点について説明する。
【0010】
図3は、本発明に係る人検知センサーユニットの熱線変化検知によるランプの点灯状態の一例を示す図である。図示のように、時刻t1において、人検知センサーユニット10の検知部11が例えば人の接近により熱線(赤外線)変化を検知すると、この信号を受けた制御部12が点灯装置20へのランプ点灯制御信号を出力し、ランプを点灯させる。ランプ点灯後は、熱線変化の検知がなくても時刻t2からt3までの所定の点灯保持時間はランプを点灯状態に保持し、そのあと時刻t3でランプが消灯または調光(減光点灯)状態となるように点灯装置20に点灯制御信号を出力する。上記において、制御部12が電源切替制御を行う場合は、検知部11の熱線変化信号を受けた制御部12が点灯装置20へ電源切替制御を行い、ランプを点灯させ、点灯後は所定の点灯保持時間後に電源切替制御し、点灯装置20への電力を制御してランプを消灯させるが、この場合も上述のランプ点灯制御に含む。
【0011】
本発明では、制御部12は、ランプ点灯保持時間経過後の時刻t3からt4までの予め設定した時間内における検知部11の検知出力に対しては、ランプ50を点灯制御または調光制御するための信号を出力することを見合わせる。例えば、ランプ点灯保持時間経過後に、検知部11の出力を制御部12が強制的にキャンセルする無検知待機時間を設ける。上記点灯保持時間経過後の予め設定した時間(無検知待機時間)は、好適には3秒〜6秒である。この時間を過ぎれば、ランプ50の消灯または調光による点灯状態切り替わり時またはその直後の検知部11の熱線変化の影響を回避できると考えられるからである。これにより、検知部11によるこの種の検知出力に対して、ランプが誤点灯しないようにすることができる。すなわち、ランプ点灯保持時間後のランプ50の熱線変化による再点灯の不要動作を防止することができる。このため、熱線の影響を受けやすいランプの近くでも人検知センサーユニット10の検知部11の配置が可能となり、検知部配置の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る人検知センサーユニットを備えた照明器具の一実施例を示す図である。
【図2】図1における人検知センサーユニットの検知部とランプとの位置関係を示す側面図である。
【図3】本発明に係る人検知センサーユニットの熱線変化検知によるランプの点灯状態の一例を示す図である。
【図4】従来の人検知センサーユニットの検知部とランプとの位置関係を示す側面図である。
【符号の説明】
【0013】
10:人検知センサーユニット
11:検知部
12:制御部
20:点灯装置
30:反射板
40:ランプソケット
50:蛍光ランプ
51:ランプ熱線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線変化を検知する検知部と、前記検知部の検知出力に基づいて予め設定した点灯保持時間のあいだランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力する制御部とを備えたランプ点灯制御用の人検知センサーユニットであって、前記制御部は、前記点灯保持時間経過後の予め設定した時間内における前記検知部の検知出力に対しては、前記ランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力することを見合わせることを特徴とする人検知センサーユニット。
【請求項2】
前記点灯保持時間経過後の予め設定した時間が、3秒〜6秒であることを特徴とする請求項1記載の人検知センサーユニット。
【請求項3】
ランプと、前記ランプを点灯するためのランプ点灯装置と、前記ランプ点灯装置に前記ランプを点灯制御または調光制御するための信号を出力する請求項1または2記載の人検知センサーユニットとを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
前記ランプが蛍光ランプであることを特徴とする請求項3記載の照明器具。
【請求項5】
前記人検知センサーユニットの検知部が、前記ランプからの熱線を検知可能な位置に配置されたことを特徴とする請求項3または4記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−40379(P2010−40379A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203126(P2008−203126)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】