説明

会議室有効運用支援システム及び運用支援プログラム

【課題】複数会議室に関する予約者の予約の簡略化、特定時間への予約集中回避を図り、稼働率向上を実現する会議室有効運用支援システムを提供する。
【解決手段】オフィスビル2のフロアー3に設けた各会議室6全体の運用管理を行う管理サーバー11と、複数の予約者端末31、フロアーモニター41若しくはルームモニター51、通信回線手段を含み、予約者端末31は、管理サーバー11から送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバー11に送信し、管理サーバー11は、予約者端末31からの送信要求に応じて会議室予約画面情報を予約者端末に送信するとともに、運用支援プログラムに基づいて、フロアーモニター41若しくは各ルームモニター51に対して予約者端末31により予約した会議室の使用を許可するための入室申請画面情報を作成し送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室有効運用支援システム及び運用支援プログラムに関し、詳しくは、複数会議室に関する予約者の予約の簡略化、特定時間への予約集中回避、空予約防止、予約無しの場合の緊急対応可能、会議の延長処理の簡略化、稼働率向上を図った会議室有効運用支援システム及び運用支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な企業においては、オフィス内に設置された複数の会議室をできるだけ空き空間がないように効率よく運用することが求められている。
【0003】
このような事情は、上述したようなオフィスビルに入居している複数企業による複数会議室の共同利用を行う場合においても同様である。
【0004】
特許文献1には、会社内の会議室や応接室等の部屋の利用予約を管理する予約管理システムと接続し、前記部屋を社外に貸し出すための部屋貸しシステムであって、前記予約管理システムから貸し出し可能な部屋の情報を取得して記憶する部屋情報記憶手段と、前記部屋情報記憶手段に記憶された部屋情報を社外に提示して利用予約を受け付ける社外利用受付手段と、前記社外利用受付手段により受け付けられた利用予約内容を管理する利用予約管理手段と、を備え、一つの企業内だけで利用されていた会議室や応接室を社外の人でも利用予約可能とした部屋貸しシステムが提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1の場合、会議室や応接室等の部屋の稼働率向上には資するものと推定されるが、特定時間への予約集中対策、予約無しの場合の緊急時対応対策、空予約防止対策、会議時間を延長したい場合の対策等に関する配慮がされておらず、複数会議室等の効率的な運用を十分には実現でないものと推定される。
【特許文献1】特開2002−259850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとするとする問題点は、予約者にとって複数会議室のうちのいずれかへの予約処理が各会議室の空き時間を選んで簡略に行うことができ、特定時間への予約集中を回避できるとともに、会議室の空予約を削減又は無くし、かつ、空予約防止の意識向上を図り、予約無しの場合の緊急対応が容易であり、会議の延長を行う場合にも簡略であり、全体として各会議室の稼動率を高め効率的な運用を実現し得るような会議室有効運用支援システムが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、前記複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、前記フロアーに設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター、若しくは前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置される入力手段を介して情報入力が可能な各ルームモニターと、前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、を有する会議室有効運用支援システムであって、前記各予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、前記管理サーバーは、前記予約者端末からの送信要求に応じて前記会議室予約画面情報を前記予約者端末に送信するとともに、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター若しくは各ルームモニターに対して前記予約者端末により予約した会議室の使用を前記パスワード入力により許可するための入室申請画面情報を作成し送信する構成としたこと、を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、予約者にとって複数会議室のうちのいずれかへの予約処理が各会議室の空き時間を選んで簡略に行うことができるとともに、会議室の空予約を削減又は無くし、かつ、空予約防止の意識向上を図ることができ、全体として各会議室の稼動率を高め効率的な運用を実行できる会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、予約無しの場合の緊急対応が容易であり、会議室の稼動率を高め効率的な運用を実行できる会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、会議の延長を行う場合にも簡略に会議延長登録を行うことができ、会議室の稼動率を高め効率的な運用を実行できる会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、複数会議室の運用実績の分析レポート、現時点での空室案内情報及び過去実績に基づく空予約警告情報を含む前記トップ画面情報及びトップ画面情報にリンクさせた会議室予約情報入力用の前記会議室予約画面情報を作成し前記予約者端末からの送信要求に応じて前記予約者端末に送信するように構成したので、前記予約者端末を操作する予約者は、各会議室の運用状況を具体的に認識しつつ複数会議室のうちのいずれかに対する予約処理が各会議室の空き時間を選んで簡略に行うことができ、会議室の稼動率を高め効率的な運用を実行できる会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、前記予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に、文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、予約した会議室の使用、空き会議室への予約の申請、若しくは会議室の延長申請を文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報を用いたパスワードの入力により許可するように構成しているので、特にパスワードを知っている者のみが会議室へ入室することができ、会議室の実質的な稼動率を高め効率的な運用を実行でき会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。また、キーワードによる入力であるため、意味を成さない文字列の入力に比して入力が簡単であるとともに、使用者が覚えやすいという会議室有効運用支援システムを実現し提供できる。
請求項6記載の発明によれば、前記予約者端末は、管理サーバーから送信される空室案内欄、システム管理者からのお知らせ欄、空予約警告欄、本日の会議予定欄、運用実績を分析した分析レポート表示欄、空き検索用の検索ボタンを含むトップ画面情報にリンクさせた会議室名、予約者氏名、予約年月日及び予約時間を入力するための会議室予約画面情報を基に、文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成しているので、特に会議室の空予約を削減又は無くし、各会議室の稼動率を高め効率的な運用を実現し得る会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
請求項7記載の発明によれば、会議室の予約キャンセル、予約無しの場合の緊急対応、会議の延長を行う場合の便宜を図ることができ、各会議室の稼動率を高め効率的な運用を実現し得る会議室有効運用支援システムを実現し提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、前記各予約者端末に表示するために、複数会議室の運用実績の分析レポート、現時点での空室案内情報及び過去実績に基づく空予約警告情報を含むトップ画面情報及びトップ画面情報にリンクさせた会議室予約情報入力用の前記会議室予約画面情報を作成する処理、及び前記フロアーモニター及び各ルームモニターに表示するために、予約者端末により予約した会議室の使用を、前記ひらがな、カタカナ又は英文字等のパスワードについての頭文字選択に続いてパスワード文字選択によりパスワードを確定する処理を、タッチパネル入力により行うことができるように構成したので、予約者にとって複数会議室のうちのいずれかへの予約処理が各会議室の空き時間を選んで簡略に行うことができ、また、パスワードを知っている者のみが会議室へ入室することができるようにすることができ、各会議室の実質的な稼動率を高め、効率的な運用を実現し得る機能を発揮させることができる運用支援プログラムを実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施例に係る会議室有効運用支援システムの全体配置を示す概略平面図である。
【図2】図2は本実施例に係る会議室有効運用支援システムの全体構成を示す概略ブロックである。
【図3】図3は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおけるトップ画面の構成を示す説明図である。
【図4】図4は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける会議室予約画面の構成を示す説明図である。
【図5】図5は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける入室申請画面の構成を示す説明図である。
【図6】図6は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける入室申請のためのパスワード頭文字選択画面の構成を示す説明図である。
【図7】図7は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける入室申請のためのパスワード確定画面の構成を示す説明図である。
【図8】図8は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける即時予約画面の構成を示す説明図である。
【図9】図9は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける延長登録画面の構成を示す説明図である。
【図10】図10は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおけるトップ画面情報、会議室予約画面情報の処理の流れを示す説明図である。
【図11】図11は本実施例に係る会議室有効運用支援システムにおける入室申請画面情報、即時予約のための即時予約画面情報、会議延長登録処理のための延長登録画面情報の処理の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、予約者にとって複数会議室のうちのいずれかへの予約処理が各会議室の空き時間を選んで簡略に行うことができ、特定時間への予約集中を回避できるとともに、会議室の空予約を削減又は無くし、かつ、空予約防止の意識向上を図り、予約無しの場合の緊急対応が容易であり、全体として各会議室の稼動率を高め効率的な運用を実現し得る会議室有効運用支援システムを提供するという目的を有するものである。
【0015】
本発明は、建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、前記複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、前記フロアーに設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター、若しくは前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置される入力手段を介して情報入力が可能な各ルームモニターと、前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、を有する会議室有効運用支援システムであって、前記各予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、前記管理サーバーは、前記予約者端末からの送信要求に応じて前記会議室予約画面情報を前記予約者端末に送信するとともに、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター若しくは各ルームモニターに対して前記予約者端末により予約した会議室の使用を前記パスワード入力により許可するための入室申請画面情報を作成し送信する構成により上記目的を実現した。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例に係る会議室有効運用支援システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に示す本実施例に係る会議室有効運用支援システム1は、例えば東京都心部の一等地に存在する建造物である賃貸形態におけるオフィスビル2内の一つのフロアー3に配置した例を示している。
また、前記オフィスビル2内には単一の企業における複数の部課、例えば3つの部課が入居しており、前記フロアー3において間仕切りされた管理室4と、同じく間仕切りされた例えば3部課の各業務室5と、間仕切りされた4室構成の会議室6とが設けられているものとして以下の説明を行う。
【0018】
本実施例に係る会議室有効運用支援システム1は、前記管理室4に設けた4室構成の会議室6全体の運用管理を行う(コンピュータ装置)管理サーバー11と、前記各業務室5において4つの会議室6での会議予約を行う3部課の予約者別の各予約者端末(コンピュータ装置)31と、前記フロアー3の一角に設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター41と、前記4つの会議室6の入口壁面に各々設置される入力手段を介して情報入力が可能なルームモニター51と、前記管理サーバー11、各予約者端末31、フロアーモニター41、各ルームモニター51間の情報通信を行う通信回線手段61と、を有している。なお、フロアーモニター41、ルームモニター51への入力手段は、キーボード、マウス、タッチパネル式の表示部はもちろん、音声認識によるものであっても良い。
【0019】
次に、本実施例に係る会議室有効運用支援システム1の各要素の詳細構成について図2を参照して説明する。
【0020】
前記管理サーバー11は、通信回線手段61に接続されるWEBサーバー12と、予め本実施例に係る会議室有効運用支援システム1用の運用支援プログラムを記憶したアプリケーションサーバー13と、本実施例に係る会議室有効運用支援システム1に関する各種情報を記憶するDB(データベース)サーバー14と、本実施例に係る会議室有効運用支援システム1を管理する管理者用の管理者端末(コンピュータ装置)15とを有している。
【0021】
前記管理者端末15は、図2に示すように、例えば制御部16、記憶部17、キーボードのような入力部18、表示部19を有するノートパソコン型の端末本体20と、この端末本体20に接続したマウス21及びプリンタ22を備えた公知の構成とし、前記WEBサーバー12、アプリケーションサーバー13、DBサーバー14に接続している。
【0022】
前記予約者端末31は、例えば制御部32、記憶部33、キーボードのような入力部34、表示部35を有するノートパソコン型の端末本体36と、この端末本体36に接続したマウス37及びプリンタ38を備えた公知の構成とし、前記通信回線手段61に接続している。
【0023】
前記通信回線手段61は、前記管理サーバー11、各予約者端末31、フロアーモニター41、各ルームモニター51にわたって張り巡らした例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)回線62と、このLAN回線62の途中に接続配置され、前記管理サーバー11、各予約者端末31、フロアーモニター41、各ルームモニター51が前記LAN回線62を介して接続されるルータ63と、を有している。
【0024】
なお、図1、図2に示すシステム構成は一例であり、これに限定されないことは勿論である。
【0025】
前記運用支援プログラムは、アプリケーションサーバー13に読み出し可能に記憶されているとともに、以下に詳述するトップ画面情報及びこのトップ画面情報にリンクさせた会議室予約情報入力用の会議室予約画面情報を作成し、また、以下に詳述する入室申請画面情報、即時予約画面情報及び延長登録画面情報を作成するように構成している。
【0026】
前記トップ画面情報は、各予約者端末31が本実施例に係る会議室有効運用支援システム1を利用する際に、各予約者端末31からのアクセスに応じて前記管理サーバー11から通信回線手段61を介して各予約者端末31に送信され、まず最初に前記表示部35に画面表示されるものであり、図3に示すように、空室案内欄72、システム管理者からのお知らせ欄73、空予約警告欄74、本日の会議予定欄75、運用実績を分析した分析レポート表示欄76、分析レポート表示欄76に含まれる空き検索用の検索ボタン77から構成される。この場合の処理の流れを図10に示している。
【0027】
また、トップ画面での他の選択項目としては、図3に示すように、会議室空き検索、会議室予約一覧、予約確認、管理者設定の各項目があり、これらを各予約者端末31にて選択可能としている。
【0028】
前記空室案内欄72は、前記表示部35の画面左上にある年のある月のカレンダー態様で表示され(カレンダー表示による月間空室案内)、会議室6の予約状況を日別、かつ、色分けで表示するようになっている。
【0029】
すなわち、日別に空あり、混雑、予約困難等の状態を色分け印(空ありを青丸印、混雑を黄色菱形印、予約困難を赤三角印)で表示するようになっている。また、選択した日付の会議室一覧情報にリンクさせるための移動ボタンも具備している。
【0030】
この空室案内欄72で月日を指定し、ボタン(移動)を押せば、その日の会議室6の予約状況を確認する画面に遷移し、いずれかの会議室6を予約可能となる。前記空室案内欄72の情報は、カレンダーによる日別の混雑状況の情報提示や、稼働率の低い時間帯のお知らせを行い、空室率の高い日時への誘導を目的とし、会議室6の有効活用を促す狙いがある。
【0031】
また、会議室6の予約は週明けや週末、朝一や午後一など、特定の日時に集中する傾向がある。予約が取りにくくなり、会議室の不足感が高まるため、ユーザーから不満が出ることもある。
【0032】
そこで、会議室6の予約日時を分散させるため、予約者が前記予約者端末31から会議室6を予約する際にまずトップ画面に空室案内を表示するものである。
【0033】
システム管理者からのお知らせ欄73は、前記管理者が作成し前記トップ画面情報に加えられるものであり、新たな会議室情報、会議室の定員変更情報等が表示される。
【0034】
空予約警告欄74は、空予約警告を意味するお知らせメッセージ、いままでの空予約履歴、会議室名等が表示され、また、予約者による確認ボタン押下で消失するように設定している。
【0035】
この空予約警告欄74の情報は、過去のユーザー(予約者)が、これまでに予約していながら利用実績の伴わない会議の発生状況をこれから会議室予約を行おうとする各予約者に知らせるもので、ユーザーに注意を喚起する、すなわち会議室の効率利用の意識を高める意味がある。
【0036】
予約していながら利用実績の伴わない会議(これを空予約と称する)が増えると、会議室の利用効率が低下するため、この空予約の削減を狙うことで会議室の利用効率改善を図るものである。
【0037】
本日の会議予定欄75は、本日の会議室別の会議名、開始時間、終了時間等を表示するようになっている。
【0038】
運用実績を分析した分析レポート表示欄76は、全体稼働率、平均利用時間、空予約及び会議予報の各情報を表示する。
【0039】
このうち、全体稼働率は、各会議室6のある月の全体稼働率を、円グラフ(稼働、空予約、非稼働に色分け区別)で表示し、また、ある月及びその前月の稼働率数値も表示する。
【0040】
また、平均利用時間は、ある月の個人、全体に関する数値を表示し、空予約は、ある月の件数及び合計時間を表示する。
【0041】
分析レポートを提示することは、会議室の稼働率や、平均利用時間、空予約の発生状況をユーザーに知らせることで、会議室の効率利用の意識を高める狙いがあるものである。
【0042】
更に、会議予報は、ピンポイント的な空室案内を行い空室率の高い日時への会議室予約誘導を目的とするものであり、例えば、「本日の9:00〜12:00が比較的空いています。」等のように表示するとともに、予約者の空き検索用の検索ボタン77も表示する。
検索ボタン77を選択することで、会議室空き検索処理が実行され、更に以下に述べる会議室予約画面にリンクする。
【0043】
次に、会議室予約画面情報について図4を参照して説明する。
【0044】
前記管理サーバー11から予約者端末31に送信され、予約者端末31の表示部35に表示される会議室予約情報入力用の会議室予約画面では、図4に示すように、会議室名、会議名、所属部課、予約者氏名、電話番号、予約会議時間、及びパスワード欄等の各入力項目が表示される。この場合の処理の流れも図10に示している。
【0045】
ここで、予約者は、予約者端末31により、例えば「901会議室」のような会議室名、例えば「意思決定会議」のような会議名、「営業3課」のような所属部課、「予約者氏名」、「連絡用の電話番号」、「開始、終了の予約会議時間」等を予約情報として入力する。
【0046】
また、予約者は、前記パスワード欄に対して、ひらがな、カタカナ又は英文字等からなる覚え易いパスワードを入力する。例えば、ひらがなでは「あかとんぼ」等、カタカナではアーモンド等、英文字ではbook等である。ここで、本実施例における「パスワード」とは、例えば公開鍵方式を採用し、文字を組み合わせた単語からなる文字情報を意味する。
【0047】
このようにして予約者端末31にて入力された会議室予約情報は、前記通信回線手段61により管理サーバー11に送信され、DBサーバー14に蓄積される。
【0048】
前記運用支援プログラムは、更に、各会議室6の運用によって蓄積される運用実績に基づき、詳細な分析レポートを作成、DBサーバー14に蓄積する。
【0049】
この詳細な分析レポートは、既述した全体稼働率、平均利用時間、空予約、会議予報の各情報の他、会議室別稼働率、空予約率、空予約一覧、即時予約率、会議目的別分布等を計算し分析したものである。そして、これらの全体情報は管理者のみが閲覧可能としている。
【0050】
次に、前記運用支援プログラムにより作成され、前記管理サーバー11からルームモニター51の表示部52、及びフロアーモニター41の表示部42に送信されて表示される入室申請処理のための入室申請画面情報、即時予約(予め予約を行っておらず、必要な時に直ちに予約すること)のための即時予約画面情報、会議延長登録処理のための延長登録画面情報について、図5乃至図7、図8及び図9を参照し、場合を分けて説明する。なお、この場合の処理の流れを図11に示している。
【0051】
(入室申請処理)(パスワードが、例えば「あかとんぼ」の場合)
予約者が予め予約した会議室(例えば901号会議室)の会議開始時間の前においては、ルームモニター51の表示部52には、まず図5に示すように、「会議直前」の文字情報、前記予約者に係る会議室予約情報の表示とともに、タッチパネル式入力用の予約申請ボタン、予約取消ボタン、予約一覧ボタンを含む入室申請用のトップ画面が表示される。
【0052】
ここで、前記予約者がタッチパネル入力で予約申請ボタンを押下すると、図6に示すように、会議室予約情報の保護を実行するために、表示部52には前記パスワードについての頭文字選択画面が表示される
【0053】
そして、頭文字選択画面にて予約者がタッチパネル入力で、例えば「あ」を選択すると、表示部52には、図7に示すように、会議室予約情報の保護を実行するために、頭文字である「あ」に対応するあ行又はア行の単語が複数表示される。
【0054】
ここで、予約者がタッチパネル入力で「あかとんぼ」を選択すると、当該パスワードが予約時に入力したものと整合することから、前記運用支援プログラムによって当該会議室6への入力を許可処理(例えば当該会議室の入り口扉ロック解除)が実行されることになる。
【0055】
一方、入室申請時においてパスワード入力が実行されない場合には、前記運用支援プログラムによって自動的に当該会議室予約情報がキャンセルされ、当該会議室の入り口扉ロック解除も実行されない。
【0056】
前記フロアーモニター41の表示部42の表示内容も、上述したルームモニター51の表示部52の場合と同様な態様で行われる。
【0057】
このような入室申請時におけるパスワードによる会議室予約情報の保護処理の実行によって、会議室6の予約内容を他人が勝手に編集できないようにすることができ、いわゆるなりすましを防止することができるとともに、空予約という事態も解消することが可能となり、会議室の稼働率向上に寄与することになる。
【0058】
このような場合、従来においては、自動またはユーザーの任意で数桁の英数字の文字列からなるパスワードとして設定することが多いが、ユーザーに馴染みのない文字列であるため、忘れやすく、また、予約内容を編集しようとする際にパスワードを思い出せず、トラブルになる等の不都合が生じる。
【0059】
本実施例においては、パスワードに替えて一般的に馴染みのあるキーワード(名詞)に置き換えることで、覚え易くなる利点がある。
【0060】
なお、予約内容の編集は予約者だけでなく、予約者の関係者も行う場合があるため、キーワードを他者に伝達する必要が生じるが、このような場合にも、英数字の文字列からなるパスワードを使用するよりも本実施例のようなキーワード(名詞)のほうが伝達し易いという利点がある。
【0061】
(即時予約処理)
次に、図8を参照して、即時予約処理について説明する。
【0062】
ある会議室(例えば901会議室)が現在空き室である場合には、その会議室前のルームモニター51の表示部52には、図8に示すように、前記運用支援プログラムによって作成され、前記管理サーバー11から送信された即時予約可能な会議室名、即時予約可能な時間幅の情報、タッチパネル入力用の予約登録ボタン、キャンセルボタンを含む即時予約画面情報が表示される。
【0063】
これにより、ある部課の担当者(予約者)は、急に訪問してきた来客がある場合等の緊急時においても、速やかに前記ルームモニター51を視認してタッチパネル入力により予約登録ボタンを選択することで、「即時予約」処理を実行し、当該会議室にて急に訪問してきた来客との会議を実行することができ、この結果、会議室の稼働率向上に寄与することができる。
【0064】
前記フロアーモニター41の表示部42の表示内容も、上述したルームモニター51の表示部52の場合と同様な態様で行われる。
【0065】
(延長登録処理):会議中での延長登録処理
次に、図9を参照して、延長登録処理について説明する。
【0066】
ある会議室(例えば901会議室)で会議実行中においては、その会議室前のルームモニター51の表示部52には、図9に示すように、前記運用支援プログラムによって作成され、前記管理サーバー11から送信された延長登録画面情報が表示される。
【0067】
この延長登録画面情報には、会議中の文字、当該会議室での延長可能な時間幅(例えば30分)の情報、タッチパネル入力用の延長登録ボタン、キャンセルボタンが含まれており、会議実行中の予約者は、前記ルームモニター51を視認して延長登録が可能かどうかを直ちに判断でき、タッチパネル入力により延長登録ボタンを選択することで、当該会議室での会議延長登録を行い、当該会議の延長用時間を確保することが可能となる。
【0068】
前記フロアーモニター41の表示部42の表示内容も、上述したルームモニター51の表示部52の場合と同様な態様で行われる。
【0069】
本実施例に係る会議室有効運用支援システム1は、上述した場合の他、オフィスビルに入居している複数企業による複数会議室の共同利用を行う場合においても、上述した構成の基に同様に適用可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、上述した場合の他、コンピュータにより多数の部屋の予約を行うホテル、旅館、レンタルルーム等の施設、カラオケボックス等の施設等における運用支援システムとして広範に応用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 会議室有効運用支援システム
2 オフィスビル
3 フロアー
4 管理室
5 業務室
6 会議室
11 管理サーバー
12 WEBサーバー
13 アプリケーションサーバー
14 DBサーバー
15 管理者端末
16 制御部
17 記憶部
18 入力部
19 表示部
20 端末本体
21 マウス
22 プリンタ
31 予約者端末
32 制御部
33 記憶部
34 入力部
35 表示部
36 端末本体
37 マウス
38 プリンタ
41 フロアーモニター
42 表示部
51 ルームモニター
52 表示部
61 通信回線手段
62 LAN回線
63 ルータ
72 空室案内欄
73 システム管理者からのお知らせ欄
74 空予約警告欄
75 会議予定欄
76 分析レポート表示欄
77 検索ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、
前記複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、
前記フロアーに設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター、若しくは前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置される入力手段を介して情報入力が可能な各ルームモニターと、
前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、
を有する会議室有効運用支援システムであって、
前記各予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、
前記管理サーバーは、前記予約者端末からの送信要求に応じて前記会議室予約画面情報を前記予約者端末に送信するとともに、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター若しくは各ルームモニターに対して前記予約者端末により予約した会議室の使用を前記パスワード入力により許可するための入室申請画面情報を作成し送信する構成としたこと、
を特徴とする会議室有効運用支援システム。
【請求項2】
建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、
前記複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、
前記フロアーに設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター、若しくは前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置される入力手段を介して情報入力が可能な各ルームモニターと、
前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、
を有する会議室有効運用支援システムであって、
前記各予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、
前記管理サーバーは、前記予約者端末からの送信要求に応じて前記会議室予約画面情報を前記予約者端末に送信するとともに、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター若しくは各ルームモニターに対して、前記フロアーモニター若しくはルームモニターからの入力により即時に空き会議室の予約を行うための即時予約画面情報を作成し送信する構成としたこと、
を特徴とする会議室有効運用支援システム。
【請求項3】
建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、
前記複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、
前記フロアーに設置される入力手段を介して情報入力が可能なフロアーモニター、若しくは前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置される入力手段を介して情報入力が可能な各ルームモニターと、
前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、
を有する会議室有効運用支援システムであって、
前記各予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、
前記管理サーバーは、前記予約者端末からの送信要求に応じて前記会議室予約画面情報を前記予約者端末に送信するとともに、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター若しくは各ルームモニターに対して、前記フロアーモニター若しくはルームモニターからの入力により使用している会議室の延長申請を行うための延長登録画面情報を作成し送信する構成としたこと、
を特徴とする会議室有効運用支援システム。
【請求項4】
前記管理サーバーは、前記運用支援プログラムに基づいて、予め作成した複数会議室の運用実績の分析レポート、現時点での空室案内情報及び過去実績に基づく空予約警告情報を含む前記トップ画面情報及びトップ画面情報にリンクさせた会議室予約情報入力用の前記会議室予約画面情報を作成し前記予約者端末からの送信要求に応じて前記予約者端末に送信するものとしたこと、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の会議室有効運用支援システム。
【請求項5】
前記予約者端末は、管理サーバーから送信されるトップ画面情報にリンクさせた会議室予約画面情報を基に、文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成し、
予約した会議室の使用、空き会議室への予約の申請、若しくは会議室の延長申請を文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報を用いたパスワードの入力により許可するようにしたこと、
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の会議室有効運用支援システム。
【請求項6】
前記予約者端末は、管理サーバーから送信される空室案内欄、システム管理者からのお知らせ欄、空予約警告欄、本日の会議予定欄、運用実績を分析した分析レポート表示欄、空き検索用の検索ボタンを含むトップ画面情報にリンクさせた会議室名、予約者氏名、予約年月日及び予約時間を入力するための会議室予約画面情報を基に、文字を組み合わせて構成された単語からなる文字情報からなるパスワードで保護した会議室予約情報を入力して管理サーバーに送信するように構成したこと、
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の会議室有効運用支援システム。
【請求項7】
前記管理サーバーは、前記運用支援プログラムに基づいて、前記フロアーモニター、若しくはルームモニターに対して、パスワード入力無しでは予約キャンセルを行うための入室申請画面情報、前記フロアーモニター及び各ルームモニターに対して、即時予約可能な会議室名、即時予約可能な時間幅の情報、タッチパネル入力用の予約登録ボタンを含む即時予約画面情報、及び会議実行中に当該会議での延長可能な時間幅の情報、タッチパネル入力用の延長登録ボタンを含む延長登録画面情報を作成し送信するものとしたこと、
を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の会議室有効運用支援システム。
【請求項8】
建造物のフロアーに設けた複数会議室全体の運用管理を予め読み出し可能に記憶した運用支援プログラムに基づいて行う管理サーバーと、
前記フロアーに設けた複数会議室での会議予約を行う複数の予約者端末と、
前記フロアーに設置されるタッチパネル式の表示部を含むフロアーモニターと、
前記フロアーに設けた複数会議室に隣接して設置されるタッチパネル式の表示部を含む各ルームモニターと、
前記管理サーバー、各予約者端末、フロアーモニター、各ルームモニター間の情報通信を行う通信回線手段と、
を有する会議室有効運用支援システムに用いる会議室有効運用支援プログラムであって、
前記運用支援プログラムは、前記各予約者端末に表示するために、複数会議室の運用実績の分析レポート、現時点での空室案内情報及び過去実績に基づく空予約警告情報を含むトップ画面情報及びトップ画面情報にリンクさせた会議室予約情報入力用の前記会議室予約画面情報を作成する処理、及び前記フロアーモニター及び各ルームモニターに表示するために、予約者端末により予約した会議室の使用を、前記ひらがな、カタカナ又は英文字等のパスワードについての頭文字選択に続いてパスワード文字選択によりパスワードを確定する処理を、タッチパネル入力により行う構成としたことを特徴とする運用支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−20368(P2013−20368A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152064(P2011−152064)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(511080052)株式会社サイバース (1)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)