位置センサ用取付バンド
【課題】シリンダチューブにピストンの位置センサを固定する際に、十分な大きさの固定力を安定的に加えることができる位置センサ用取付バンドを提供する。
【解決手段】この位置センサ用取付バンド10は、位置センサ21を保持する保持部材20と、シリンダチューブ31の外周に巻着される薄板バンド13とにより構成される。薄板バンド13は、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部15が対設されたものとする。各突起部15は、単一又は複数の突起17により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、該突起部を形成する突起は、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁13aに達しない位置に設けられる。
【解決手段】この位置センサ用取付バンド10は、位置センサ21を保持する保持部材20と、シリンダチューブ31の外周に巻着される薄板バンド13とにより構成される。薄板バンド13は、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部15が対設されたものとする。各突起部15は、単一又は複数の突起17により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、該突起部を形成する突起は、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁13aに達しない位置に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧シリンダ等のシリンダチューブ内をその軸線方向に摺動するピストンの動作位置を検出するための位置センサを、保持部材を介して該シリンダチューブに固定するための位置センサ用取付バンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体圧シリンダにおいてピストンの動作位置を検出し、その検出信号を各種の制御用信号として使用する場合、位置検出装置が取り付けられる。この位置検出装置は、上記ピストンに取り付けた永久磁石の磁気を、シリンダチューブの外面に取り付けた磁気感応型の位置センサで検出するようにしたもので、該位置センサをシリンダチューブの外面に取り付けるため、従来より様々な機構が用いられている。
【0003】
図12及び図13は、上記位置センサ21が固定された既知の流体圧シリンダ30の一例及びそれに用いられる位置センサ用取付バンドを示すもので、該流体圧シリンダは、シリンダ孔を内部に有する円筒形をしたシリンダチューブ31と、該シリンダチューブ31内にその中心軸線Lに沿って摺動自在に収容されたピストン及びそれに連結されて外部に延出するピストンロッド33とを有している。そして、上記シリンダチューブ31の一方端に設けられているロッドカバー34のポート36aと、他方端のヘッド部35に設けられたポート36bとを通じて、上記ピストンの両側の圧力室に圧力流体(例えば、圧縮空気)を交互に給排することにより、該ピストンが前進或いは後退するものである。また、上記ピストンの外周にはリング状の永久磁石が取り付けられ、上記位置センサ21はこの永久磁石の磁気を検出することにより、上記ピストンの動作位置の検出信号を出力するようになっている。
【0004】
このような流体圧シリンダ30において、上記位置センサ21を保持する保持部材20をシリンダチューブ31の外周上の任意位置に設置するために用いられる位置センサ用取付バンド10は、通常、上記位置センサ21を保持する保持部材20を両側から挟持する相対する一対の挟持部11a,11bを、上記シリンダチューブ31の外周に巻着する薄板バンド13の両端に設けることにより構成し、上記挟持部11a,11bで上記位置センサ保持部材20を挟み、取付ねじ14をそれらに挿入して螺着している。
【0005】
上記図13の位置センサ用取付バンド10は、シリンダチューブ31上を移動させることによって、位置センサ21の取付位置を自由に調整可能にしたものであるが、作業者らが不用意に該位置センサ用取付バンド10にある程度の力を作用させても該位置センサ21が動かないように、十分な固定力を有している必要がある。該位置センサ用取付バンド10の固定力とは、該位置センサ用取付バンド10に作用するシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の力に対する、該位置センサ用取付バンド10の固定時における最大の抗力の大きさである。
【0006】
上記位置センサ用取付バンド10においては、固定力を発生させるために取付ねじ14によって挟持部11a,11bを締め付けると、上記薄板バンド13に張力が生じ、これによって該薄板バンド13と上記シリンダチューブ31の当接面全体に分散した圧力分布ができ、この圧力分布によって上記位置センサ用取付バンド10に固定力が生じるが、この場合の固定力は、薄板バンド13とシリンダチューブ31の当接面全体に分散するために、必ずしも製品において必要となる固定力の大きさを上回るとは限らない。また、上記位置センサ用取付バンド10の固定力は、該位置センサ用取付バンド10の取付時における傾斜、或いは取付ねじ14を増し締めしたときに生じる該位置センサ用取付バンド10のねじれ等の状態変化による影響を受けやすく不安定になる。
【0007】
上記固定力の増大を図るため、特許文献1に開示されているように、薄板バンドにゴムのライニングを施すことも知られている。該薄板バンドの内周面にゴム等の摩擦抵抗の大きなライニングを貼付すと、該位置センサ用取付バンド10の有する不安定さを解消して大きな固定力を得ることができるが、薄板バンドに均一な厚さで確実にゴムを貼付しておくのは困難であり、製造コストが高くなるという問題がある。また、薄板バンドを長期間一定の位置に固定していた場合、シリンダチューブ31へのゴムの固着により、該位置センサ用取付バンド10の位置調整が困難になる。
【0008】
更に、上記ライニングを貼付した位置センサ用取付バンド10は、上記位置センサの保持部材の固定の状態がライニングの厚さによって影響を受け易いという問題もある。該ライニングの厚さが薄くなった場合、上記位置センサ用取付バンド10を上記シリンダチューブ31に取り付けた際に、該シリンダチューブ31と位置センサ21の保持部材の底面との間に隙間ができるなどにより、安定した位置センサ21の固定ができなくなる虞がある。一方、上記ライニングの厚さが厚くなると、上記位置センサ用取付バンド10を上記シリンダチューブ31に取り付ける際に、上記取付ねじを装着するのが困難になるか、或いは極端な場合には上記取付ねじの装着ができない状態になる虞がある。したがって、上記位置センサ用取付バンド10は、上記ライニング部材の厚さ等に高い精度が必要となるため、製造コストが高くなる。また、上記特許文献1の位置センサの取付構造では、帯状バンドの他、滑り止めゴム板等の複数の部品が必要になり、部品点数が多くなり製造コストが嵩むという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−125150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、位置センサを固定する際に十分な大きさの固定力を安定的に加えることができると共に、簡単な加工で製造コストを抑制することができるようにした位置センサ用取付バンドを提供することにある。
更に、本発明の課題は、位置センサのシリンダチューブ上の軸方向及び周方向の位置の調整を容易に行うことが可能な位置センサ用取付バンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明によれば、シリンダチューブ内のピストンの動作位置を検出する位置センサを保持するための保持部材と、該保持部材に両端を連結して上記シリンダチューブの外周に巻着される薄板バンドとにより構成した位置センサ用取付バンドにおいて、上記薄板バンドを、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部が対設されたものとし、上記各突起部は、単一又は複数の突起により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、該突起部を形成する突起は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものであって、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられていることを特徴とする位置センサ用取付バンドが提供される。
【0012】
本発明に係る位置センサ用取付バンドの好ましい実施形態においては、上記薄板バンドにおける上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、該薄板バンドの長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部を備え、該中間位置の突起部は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数の突起からなり、それらが薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられる。
この場合に、上記薄板バンドが、そのシリンダチューブの周面への締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と上記中間位置の突起部との間において該シリンダチューブの表面に圧接する部分を有し、該薄板バンドの圧接する部分の長さがシリンダチューブの周長の50%以上であることが望まれる。
【0013】
また、本発明に係る位置センサ用取付バンドの他の好ましい実施形態においては、上記各突起部が、上記薄板バンドにおける幅方向の中央部に位置するように設けられ、シリンダチューブの周面に対する該薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、上記各突起部の配設位置の幅方向両側において上記シリンダチューブと接触するように形成される。
この場合に、上記薄板バンドの幅方向の中央部に位置する各突起部が、該薄板バンドの幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンドの幅の1/4以上の突起部を設けていない領域があることが望まれる。
【0014】
更に、本発明の好ましい実施形態においては、上記各突起部を、上記薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とにより形成されたものとしたり、或いは、上記各突起部を、上記薄板バンドの長手方向とそれに直交する幅方向の線状成分を複合した突起の単数又は複数により形成されたものとし、更には、薄板バンドの長手方向に対して傾斜した線状成分をX状に交差させて複合した突起の単数又は複数により形成されたものとし、また、上記突起の集合又は複合により文字その他の記号状に形成されたものとすることもできる。或いは、上記各突起部がシリンダチューブに点状接触する突起を薄板バンドの幅方向の2位置に対設したものとして形成することもできる。
【0015】
また、上記保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が、該保持部材の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されたものとすることもでき、この場合には、薄板バンドの両端を共通の型によりプレス加工するなどにより、製造上のコスト低減も図ることが可能になり、しかも、保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が対称形状をなす突起により形成されるので、保持部材の両側における固定力を均等化し、その固定を安定化させることができる。
【0016】
上記構成を有する本発明の位置センサ用取付バンドにおいては、上記薄板バンドの内周側に突起部を突出させ、該薄板バンドをシリンダチューブの外周に巻着して締め付けるので、該突起部にその締め付け力が集中して、それらにより大きな固定力を発生させることができ、そして当該固定力を発生させる突起部を少なくとも保持部材の両側の対称位置に対設しているので、位置センサを保持する保持部材の固定を安定化させることができ、特に、各突起部に薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とを設けると、保持部材に作用するシリンダチューブの円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。
【0017】
また、上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、薄板バンドの長手方向の中央部に中間位置の突起部を設け、シリンダチューブの周面への薄板バンドの締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と中間位置の突起部との間において薄板バンドがシリンダチューブの表面に十分に圧接する部分を有するものにすると、薄板バンドに全体的に多数の突起部を設ける場合等に比して、薄板バンドに加える締め付け力により各突起部に作用する固定力を分散させることなく、十分に大きいものにすることができる。
【0018】
更に、上記薄板バンドに各突起部を設けるに当たり、薄板バンドの幅方向の中央部にそれらの突起部が位置するようにして、シリンダチューブに対する薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、各突起部の配設位置の幅方向両側においてシリンダチューブと接触するように形成すると、シリンダチューブに対する突起部の圧接が安定化し、該突起部により安定的な固定力を発生させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上に詳述した本発明の位置センサ用取付バンドによれば、薄板バンドの内周側に突き出た突起部を適切な配置で設けることにより、位置センサを固定する際に十分な大きさの固定力を安定的に加えることができ、しかも、部品点数を少なくすると共に簡単な加工で製造可能にして製造コストを抑制することができ、更に、構成が単純でシリンダチューブに対する着脱が容易であるため、位置センサのシリンダチューブ上の軸方向及び周方向の位置の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明に係る位置センサ用取付バンドによって、位置センサの保持部材を流体圧シリンダに取り付けた状態を示す斜視図、(b)は上記流体圧シリンダにおける位置センサ用取付バンドの取付位置での断面図である。
【図2】本発明に係る位置センサ用取付バンドにおける薄板バンドの望ましい構成例を示す斜視図である。
【図3】(a)は、図2の線状接触の突起部を設けた薄板バンドの内周側の部分拡大展開図であり、(b)はその薄板バンドをシリンダチューブに締め付け固定した場合のA−A位置での断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、各種パターンの線状接触の突起部を備えた薄板バンドの内周側の展開図である。
【図5】(a)は、図4(a)に示す突起部のB−B位置での断面図、(b)は、図4(b)に示す突起部のC−C位置での断面図である。
【図6】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図7】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図8】(a)は、線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図であり、(b)は、(a)のD−D位置での断面図である。
【図9】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図10】面状接触の突起部を設けた薄板バンドの突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図11】(a)は点状接触の突起を幅方向の2位置に配設した突起部を有する薄板バンドの内周側の展開図であり、(b)は該薄板バンドのE−E位置ににおける断面図である。
【図12】従来の位置センサ用取付バンドによって、位置センサの保持部材を流体圧シリンダに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】位置センサ用取付バンドの従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1の(a)及び(b)には、本発明に係る位置センサ用取付バンド10を装着した流体圧シリンダ30を示している。
なお、図1に示す流体圧シリンダで、図12に示す流体圧シリンダと同一又は対応する部分には、図12と同一の符号を付してその説明を省略するが、図1の本発明に係る位置センサ用取付バンド10において、図12及び図13に示す従来の位置センサ用取付バンド10と対応する部分には便宜上同一の符号を付し、それらの相違点については、本発明に係る位置センサ用取付バンド10の構成と共に以下において具体的に説明する。
【0022】
まず、本発明に係る位置センサ用取付バンド10によりシリンダチューブ31の外面に取り付ける位置センサ21は、シリンダチューブ31内のピストン32の動作位置を、該ピストン32の周囲に取り付けた永久磁石37の磁気により検出する磁気感応型のもので、上記位置センサ用取付バンド10は、該位置センサ21をシリンダチューブ31の外面に保持させるための保持部材20と、該保持部材20に両端を連結して上記シリンダチューブ31の外周に巻着され、該保持部材20をシリンダチューブ31の外周上における任意位置に固定する可撓性のある帯状金属製の薄板バンド13とにより構成している。
【0023】
図1に示す位置センサ用取付バンド10の上記薄板バンド13は、その両端に位置センサの保持部材20を挟持するために補強された挟持部11a,11bを有している。該挟持部11a,11bが互いに相対して挟持する位置センサの保持部材20は、上記シリンダチューブ31の外周上に圧接されて位置センサ21を受けるセンサホルダ22と、該センサホルダ22上に位置して該センサホルダ22をシリンダチューブ31の外周上に押し付ける取付部材23とにより構成され、位置センサ21は上記センサホルダ22の取付溝に挿入して固定ねじ24で該センサホルダ22に固定している。そして、上記位置センサ21及び保持部材20をシリンダチューブ31の外周に固定するには、上記挟持部11aと挟持部11bとによって取付部材23の両側面を挟み、挟持部11aのねじ孔12aから取付部材23のねじ挿通孔に取付ねじ14を挿入し、該取付ねじ14を挟持部11bのねじ締付孔12bに螺挿することにより固定するようにしている。
【0024】
一方、上記薄板バンド13は、上記帯状金属板を円弧状に湾曲させて形成し、シリンダチューブ31の外面への固定力を増大させるために、以下に図2〜図11を参照して詳述するような各種パターンの突起部15、及び必要に応じて設けられる突起部16等の複数が、該薄板バンド13の内周側に突き出た状態で設けられる。各突起部15,16は、単一又は複数の突起17の集合或いは複合により形成されるものであるが、具体的には、図2〜図11を参照して後述することとし、まず該薄板バンド13に設ける一般的な突起部15,16等の配置について説明する。
【0025】
上記薄板バンド13には、まず、少なくとも、図1の(b)に示す保持部材20の中央Mの両側の対称位置に突起部15が対設される。これらの対称位置の一対の突起部15,15は、薄板バンド13においてシリンダチューブ31の保持部材20が位置する側の半周に巻着される範囲内(薄板バンド13の両端部付近)に形成されるものである。該突起部15を形成する単一又は複数の突起17自体は、具体的には、図2〜図11に示すようなものであり、これらは、シリンダチューブ31の表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものに大別することができる。いずれの突起17も、図示しているように、薄板バンド13の長手方向の中心線に関して対称になっていることが望まれる。
【0026】
特に、上記突起部15,16を構成する突起17が上記線状接触の突起である場合、薄板バンド13の長手方向に伸びる突起17はシリンダチューブ31の軸方向の外力に対して大きな固定力を発揮させることができ、また、上記薄板バンド13の幅方向に伸びる突起17は、シリンダチューブ31の円周方向の外力に対して大きな固定力を得るのに有効である。
【0027】
上記内周側の一部に突起部15を突出させた薄板バンド13は、それをシリンダチューブ31の外周に巻着して締め付けると、該突起部15における各突起17の先端部にその薄板バンド13の締め付け力が集中してシリンダチューブ31の外周に作用するため、大きな固定力を発生させることができ、そして、当該固定力を発生させる突起部15を上述のように保持部材20の両側の対称位置に対設すると、位置センサ21の保持部材20の固定を該保持部材20の両側で行うことになるので、その保持部材20の固定を十分に安定化させることができる。特に、図2に示すように、各突起部15に薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起17aと、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起17bとを設けると、上記保持部材20に作用するシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。なお、図2以外では、上記長手方向の突起17a及び幅方向の突起17bを、いずれも突起17として、符号による区別を省略している。
【0028】
例えば、シリンダチューブ31の径が大きく、従って薄板バンド13が長くなる場合などにおいて、薄板バンド13における上記保持部材20の両側に対設した突起部15だけで薄板バンド13の安定的な固定が行われない可能性がある場合には、図1の(b)や、図4,7,8,10に示すように、薄板バンド13の上記保持部材20の両側の対称位置の上記突起部15に加えて、該薄板バンド13の長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部16を設けることができる。しかしながら、薄板バンド13に全体的に多数の突起部を設けると、逆に、それらの多数の突起部に固定力が分散して作用することになり、この分散した固定力では必ずしも保持部材20の十分な固定を行えるとは限らない。
【0029】
そこで、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15に加えて、薄板バンド13の長手方向の中央部に中間位置の突起部16を設ける場合には、シリンダチューブ31の周面への薄板バンド13の締め付け時に、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15と中間位置の突起部16との間において、薄板バンド13がシリンダチューブ31の表面に十分な長さで圧接することが必要であり、これにより、薄板バンド13に全体的に多数の突起部を設ける場合に比して薄板バンド13に加える締め付け力により各突起部15,16に作用する固定力を分散させることなく、十分に大きいものにすることができる。
【0030】
上記薄板バンド13をシリンダチューブ31の表面に十分な長さで圧接させる場合に、どの程度の圧接長さが必要であるかについて、本発明者が実験結果等に基づいて検討した結果、シリンダチューブ31の径が大きく、従って薄板バンド13が長くなる場合においては、シリンダチューブ31の周面への薄板バンド13の締め付け時に、シリンダチューブ31の周長に対して70〜80%の範囲で薄板バンド13を容易に圧接させることができるが、シリンダチューブ31の径が小さく、従って、薄板バンド13が短い場合には、薄板バンド13を保持部材20の両側の突起部15と中間位置の突起部16との間においてシリンダチューブ31の表面に圧接する十分な長さを得ることに困難性があるが、少なくとも、薄板バンド13の圧接する部分の長さがシリンダチューブ31の周長の50%以上であることが必要である。
【0031】
上記中間位置の突起部16を構成する突起17も、保持部材20の両側の突起部15における突起17と同様に、シリンダチューブ31の表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数のものとすることができる。
なお、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15に加えて、薄板バンド13の長手方向の中央部に中間位置の突起部16を設ける場合に、該突起部16は、必ずしも図1の(b)や、図4,7,8,10に示しているように、薄板バンド13の長手方向の中央部に設ける必要はなく、上述した薄板バンド13の圧接する部分の長さがシリンダチューブ31の周長の50%以上であることを前提として、例えば図9に示すように、薄板バンド13の長手方向の中央部ではない位置に必要数の突起部16を設けることもできる。
【0032】
更に、上記薄板バンド13に各突起部15,16を設けるに当たり、図3に示すように、薄板バンド13の幅方向の中央部にそれらの突起部15,16を構成する突起17が位置するようにして、即ち、それらの一部が薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aに達しない位置に設け、シリンダチューブ31に対する薄板バンド13の締め付け時に、該薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aを、各突起部15,16の配設位置の幅方向両側においてシリンダチューブ31に圧接させるように形成すると、シリンダチューブ31に対する各突起部15,16の圧接が安定化し、該突起部により安定的な固定力を発生させることができる。この場合に、上記薄板バンド13の幅方向の中央部に位置する各突起部15,16が、該薄板バンド13の幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部15,16の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンド13の幅の1/4以上の突起部を設けていない領域があることが望まれる。
【0033】
次に、図4〜図11を参照して、上記突起部15,16を構成する各突起17の具体的形態について説明する。
図4の(a)〜(d)の例は、薄板バンド13に設けた各突起部15,16が、それぞれ線状接触する単一の突起17により形成されたもので、(a)では、上記薄板バンド13の幅方向の線状成分を有する各単一の突起17を備えた場合、(b)〜(d)では、上記薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により、十状に形成された突起17、X状に形成された突起17、並びに倒T字状及び十状に形成された突起17の混用の場合を例示している。特に、上記(b)〜(d)の例では、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により突起17が形成されているので、それらの突起17により、保持部材20におけるシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。
【0034】
また、図6〜図11は、突起部15が複数の突起17により形成された例を示すものであり、図6及び図7では、突起部15における複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により形成され、図8及び図9の例では、突起部15における複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起の複数の集合により形成されている。これらの複数の突起17を近接配置する場合には、隣接する突起17の機能がそれぞれ十分に発揮されるような配列であることが望ましく、特に、薄板バンド13の幅方向の線状成分を有する突起17を相互に隣接させると、それらの突起は分散配置されている場合よりも、保持部材20におけるシリンダチューブ31の円周方向の固定力を高めることができるとは限らないので、そのような配列は避けるべきである。
【0035】
しかも、上記図4及び図6〜図9に示す例では、突起部15を形成する複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合或いは集合により形成されているので、それらを、文字その他の記号状に形成することもでき、例えば、ローマ字の中から選ばれる任意文字形状に形成することができる。
【0036】
更に、図10では、各突起部15,16に、シリンダチューブ31に対して面状接触する突起17を設けた場合を示しているが、かかる突起17は、シリンダチューブ31との接触部が面状であって、その接触面における単位面積当たり圧接力が小さくなるので、必ずしもシリンダチューブ31に対する薄板バンド13の固定力を高めるために有効なものではないが、例えば、シリンダチューブ31の強度に問題があって単位面積当たりの突起の押し付け力をある程度制限したい場合などに有効である。
【0037】
図11には、各突起部15,16が、シリンダチューブ31に点状接触する突起17を薄板バンド13の幅方向の2位置に並び、しかも、突起部15はそれを薄板バンド13の長手方向にも並べて配設することにより形成された例を示している。このような構成は、各突起17が点状という簡易なものでありながら、例えば、図3に示しているように、シリンダチューブ31に対する薄板バンド13の締め付け時に、各突起17の配設位置の幅方向両側において、薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aをシリンダチューブ31に圧接させることにより、該薄板バンド13のシリンダチューブ31への固定を安定させることができる。
【0038】
上述した薄板バンド13の各例においては、保持部材20の両側の対称位置に設けた突起部15が、該保持部材20の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されているが、このような形状は、保持部材20の両側における固定力を均等化し、その固定を安定化させるために有効なものである。
また、保持部材20の両側の対称位置に設けた突起部15を、該保持部材20の中央の両側において対称形状にしておくのは、該薄板バンド13の製造において薄板バンド13の両端を共通の型によりプレス加工するなどにより、製造上のコスト低減を図るためにも有効なものである。
【符号の説明】
【0039】
10 位置センサ用取付バンド
11a,11b 挟持部
13 薄板バンド
15,16 突起部
20 保持部材
21 位置センサ
31 シリンダチューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧シリンダ等のシリンダチューブ内をその軸線方向に摺動するピストンの動作位置を検出するための位置センサを、保持部材を介して該シリンダチューブに固定するための位置センサ用取付バンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体圧シリンダにおいてピストンの動作位置を検出し、その検出信号を各種の制御用信号として使用する場合、位置検出装置が取り付けられる。この位置検出装置は、上記ピストンに取り付けた永久磁石の磁気を、シリンダチューブの外面に取り付けた磁気感応型の位置センサで検出するようにしたもので、該位置センサをシリンダチューブの外面に取り付けるため、従来より様々な機構が用いられている。
【0003】
図12及び図13は、上記位置センサ21が固定された既知の流体圧シリンダ30の一例及びそれに用いられる位置センサ用取付バンドを示すもので、該流体圧シリンダは、シリンダ孔を内部に有する円筒形をしたシリンダチューブ31と、該シリンダチューブ31内にその中心軸線Lに沿って摺動自在に収容されたピストン及びそれに連結されて外部に延出するピストンロッド33とを有している。そして、上記シリンダチューブ31の一方端に設けられているロッドカバー34のポート36aと、他方端のヘッド部35に設けられたポート36bとを通じて、上記ピストンの両側の圧力室に圧力流体(例えば、圧縮空気)を交互に給排することにより、該ピストンが前進或いは後退するものである。また、上記ピストンの外周にはリング状の永久磁石が取り付けられ、上記位置センサ21はこの永久磁石の磁気を検出することにより、上記ピストンの動作位置の検出信号を出力するようになっている。
【0004】
このような流体圧シリンダ30において、上記位置センサ21を保持する保持部材20をシリンダチューブ31の外周上の任意位置に設置するために用いられる位置センサ用取付バンド10は、通常、上記位置センサ21を保持する保持部材20を両側から挟持する相対する一対の挟持部11a,11bを、上記シリンダチューブ31の外周に巻着する薄板バンド13の両端に設けることにより構成し、上記挟持部11a,11bで上記位置センサ保持部材20を挟み、取付ねじ14をそれらに挿入して螺着している。
【0005】
上記図13の位置センサ用取付バンド10は、シリンダチューブ31上を移動させることによって、位置センサ21の取付位置を自由に調整可能にしたものであるが、作業者らが不用意に該位置センサ用取付バンド10にある程度の力を作用させても該位置センサ21が動かないように、十分な固定力を有している必要がある。該位置センサ用取付バンド10の固定力とは、該位置センサ用取付バンド10に作用するシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の力に対する、該位置センサ用取付バンド10の固定時における最大の抗力の大きさである。
【0006】
上記位置センサ用取付バンド10においては、固定力を発生させるために取付ねじ14によって挟持部11a,11bを締め付けると、上記薄板バンド13に張力が生じ、これによって該薄板バンド13と上記シリンダチューブ31の当接面全体に分散した圧力分布ができ、この圧力分布によって上記位置センサ用取付バンド10に固定力が生じるが、この場合の固定力は、薄板バンド13とシリンダチューブ31の当接面全体に分散するために、必ずしも製品において必要となる固定力の大きさを上回るとは限らない。また、上記位置センサ用取付バンド10の固定力は、該位置センサ用取付バンド10の取付時における傾斜、或いは取付ねじ14を増し締めしたときに生じる該位置センサ用取付バンド10のねじれ等の状態変化による影響を受けやすく不安定になる。
【0007】
上記固定力の増大を図るため、特許文献1に開示されているように、薄板バンドにゴムのライニングを施すことも知られている。該薄板バンドの内周面にゴム等の摩擦抵抗の大きなライニングを貼付すと、該位置センサ用取付バンド10の有する不安定さを解消して大きな固定力を得ることができるが、薄板バンドに均一な厚さで確実にゴムを貼付しておくのは困難であり、製造コストが高くなるという問題がある。また、薄板バンドを長期間一定の位置に固定していた場合、シリンダチューブ31へのゴムの固着により、該位置センサ用取付バンド10の位置調整が困難になる。
【0008】
更に、上記ライニングを貼付した位置センサ用取付バンド10は、上記位置センサの保持部材の固定の状態がライニングの厚さによって影響を受け易いという問題もある。該ライニングの厚さが薄くなった場合、上記位置センサ用取付バンド10を上記シリンダチューブ31に取り付けた際に、該シリンダチューブ31と位置センサ21の保持部材の底面との間に隙間ができるなどにより、安定した位置センサ21の固定ができなくなる虞がある。一方、上記ライニングの厚さが厚くなると、上記位置センサ用取付バンド10を上記シリンダチューブ31に取り付ける際に、上記取付ねじを装着するのが困難になるか、或いは極端な場合には上記取付ねじの装着ができない状態になる虞がある。したがって、上記位置センサ用取付バンド10は、上記ライニング部材の厚さ等に高い精度が必要となるため、製造コストが高くなる。また、上記特許文献1の位置センサの取付構造では、帯状バンドの他、滑り止めゴム板等の複数の部品が必要になり、部品点数が多くなり製造コストが嵩むという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−125150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、位置センサを固定する際に十分な大きさの固定力を安定的に加えることができると共に、簡単な加工で製造コストを抑制することができるようにした位置センサ用取付バンドを提供することにある。
更に、本発明の課題は、位置センサのシリンダチューブ上の軸方向及び周方向の位置の調整を容易に行うことが可能な位置センサ用取付バンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明によれば、シリンダチューブ内のピストンの動作位置を検出する位置センサを保持するための保持部材と、該保持部材に両端を連結して上記シリンダチューブの外周に巻着される薄板バンドとにより構成した位置センサ用取付バンドにおいて、上記薄板バンドを、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部が対設されたものとし、上記各突起部は、単一又は複数の突起により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、該突起部を形成する突起は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものであって、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられていることを特徴とする位置センサ用取付バンドが提供される。
【0012】
本発明に係る位置センサ用取付バンドの好ましい実施形態においては、上記薄板バンドにおける上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、該薄板バンドの長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部を備え、該中間位置の突起部は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数の突起からなり、それらが薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられる。
この場合に、上記薄板バンドが、そのシリンダチューブの周面への締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と上記中間位置の突起部との間において該シリンダチューブの表面に圧接する部分を有し、該薄板バンドの圧接する部分の長さがシリンダチューブの周長の50%以上であることが望まれる。
【0013】
また、本発明に係る位置センサ用取付バンドの他の好ましい実施形態においては、上記各突起部が、上記薄板バンドにおける幅方向の中央部に位置するように設けられ、シリンダチューブの周面に対する該薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、上記各突起部の配設位置の幅方向両側において上記シリンダチューブと接触するように形成される。
この場合に、上記薄板バンドの幅方向の中央部に位置する各突起部が、該薄板バンドの幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンドの幅の1/4以上の突起部を設けていない領域があることが望まれる。
【0014】
更に、本発明の好ましい実施形態においては、上記各突起部を、上記薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とにより形成されたものとしたり、或いは、上記各突起部を、上記薄板バンドの長手方向とそれに直交する幅方向の線状成分を複合した突起の単数又は複数により形成されたものとし、更には、薄板バンドの長手方向に対して傾斜した線状成分をX状に交差させて複合した突起の単数又は複数により形成されたものとし、また、上記突起の集合又は複合により文字その他の記号状に形成されたものとすることもできる。或いは、上記各突起部がシリンダチューブに点状接触する突起を薄板バンドの幅方向の2位置に対設したものとして形成することもできる。
【0015】
また、上記保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が、該保持部材の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されたものとすることもでき、この場合には、薄板バンドの両端を共通の型によりプレス加工するなどにより、製造上のコスト低減も図ることが可能になり、しかも、保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が対称形状をなす突起により形成されるので、保持部材の両側における固定力を均等化し、その固定を安定化させることができる。
【0016】
上記構成を有する本発明の位置センサ用取付バンドにおいては、上記薄板バンドの内周側に突起部を突出させ、該薄板バンドをシリンダチューブの外周に巻着して締め付けるので、該突起部にその締め付け力が集中して、それらにより大きな固定力を発生させることができ、そして当該固定力を発生させる突起部を少なくとも保持部材の両側の対称位置に対設しているので、位置センサを保持する保持部材の固定を安定化させることができ、特に、各突起部に薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とを設けると、保持部材に作用するシリンダチューブの円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。
【0017】
また、上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、薄板バンドの長手方向の中央部に中間位置の突起部を設け、シリンダチューブの周面への薄板バンドの締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と中間位置の突起部との間において薄板バンドがシリンダチューブの表面に十分に圧接する部分を有するものにすると、薄板バンドに全体的に多数の突起部を設ける場合等に比して、薄板バンドに加える締め付け力により各突起部に作用する固定力を分散させることなく、十分に大きいものにすることができる。
【0018】
更に、上記薄板バンドに各突起部を設けるに当たり、薄板バンドの幅方向の中央部にそれらの突起部が位置するようにして、シリンダチューブに対する薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、各突起部の配設位置の幅方向両側においてシリンダチューブと接触するように形成すると、シリンダチューブに対する突起部の圧接が安定化し、該突起部により安定的な固定力を発生させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上に詳述した本発明の位置センサ用取付バンドによれば、薄板バンドの内周側に突き出た突起部を適切な配置で設けることにより、位置センサを固定する際に十分な大きさの固定力を安定的に加えることができ、しかも、部品点数を少なくすると共に簡単な加工で製造可能にして製造コストを抑制することができ、更に、構成が単純でシリンダチューブに対する着脱が容易であるため、位置センサのシリンダチューブ上の軸方向及び周方向の位置の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本発明に係る位置センサ用取付バンドによって、位置センサの保持部材を流体圧シリンダに取り付けた状態を示す斜視図、(b)は上記流体圧シリンダにおける位置センサ用取付バンドの取付位置での断面図である。
【図2】本発明に係る位置センサ用取付バンドにおける薄板バンドの望ましい構成例を示す斜視図である。
【図3】(a)は、図2の線状接触の突起部を設けた薄板バンドの内周側の部分拡大展開図であり、(b)はその薄板バンドをシリンダチューブに締め付け固定した場合のA−A位置での断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、各種パターンの線状接触の突起部を備えた薄板バンドの内周側の展開図である。
【図5】(a)は、図4(a)に示す突起部のB−B位置での断面図、(b)は、図4(b)に示す突起部のC−C位置での断面図である。
【図6】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図7】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図8】(a)は、線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図であり、(b)は、(a)のD−D位置での断面図である。
【図9】線状接触の突起部を設けた薄板バンドの更に別の突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図10】面状接触の突起部を設けた薄板バンドの突起パターンを示す該バンドの内周側の展開図である。
【図11】(a)は点状接触の突起を幅方向の2位置に配設した突起部を有する薄板バンドの内周側の展開図であり、(b)は該薄板バンドのE−E位置ににおける断面図である。
【図12】従来の位置センサ用取付バンドによって、位置センサの保持部材を流体圧シリンダに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】位置センサ用取付バンドの従来例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1の(a)及び(b)には、本発明に係る位置センサ用取付バンド10を装着した流体圧シリンダ30を示している。
なお、図1に示す流体圧シリンダで、図12に示す流体圧シリンダと同一又は対応する部分には、図12と同一の符号を付してその説明を省略するが、図1の本発明に係る位置センサ用取付バンド10において、図12及び図13に示す従来の位置センサ用取付バンド10と対応する部分には便宜上同一の符号を付し、それらの相違点については、本発明に係る位置センサ用取付バンド10の構成と共に以下において具体的に説明する。
【0022】
まず、本発明に係る位置センサ用取付バンド10によりシリンダチューブ31の外面に取り付ける位置センサ21は、シリンダチューブ31内のピストン32の動作位置を、該ピストン32の周囲に取り付けた永久磁石37の磁気により検出する磁気感応型のもので、上記位置センサ用取付バンド10は、該位置センサ21をシリンダチューブ31の外面に保持させるための保持部材20と、該保持部材20に両端を連結して上記シリンダチューブ31の外周に巻着され、該保持部材20をシリンダチューブ31の外周上における任意位置に固定する可撓性のある帯状金属製の薄板バンド13とにより構成している。
【0023】
図1に示す位置センサ用取付バンド10の上記薄板バンド13は、その両端に位置センサの保持部材20を挟持するために補強された挟持部11a,11bを有している。該挟持部11a,11bが互いに相対して挟持する位置センサの保持部材20は、上記シリンダチューブ31の外周上に圧接されて位置センサ21を受けるセンサホルダ22と、該センサホルダ22上に位置して該センサホルダ22をシリンダチューブ31の外周上に押し付ける取付部材23とにより構成され、位置センサ21は上記センサホルダ22の取付溝に挿入して固定ねじ24で該センサホルダ22に固定している。そして、上記位置センサ21及び保持部材20をシリンダチューブ31の外周に固定するには、上記挟持部11aと挟持部11bとによって取付部材23の両側面を挟み、挟持部11aのねじ孔12aから取付部材23のねじ挿通孔に取付ねじ14を挿入し、該取付ねじ14を挟持部11bのねじ締付孔12bに螺挿することにより固定するようにしている。
【0024】
一方、上記薄板バンド13は、上記帯状金属板を円弧状に湾曲させて形成し、シリンダチューブ31の外面への固定力を増大させるために、以下に図2〜図11を参照して詳述するような各種パターンの突起部15、及び必要に応じて設けられる突起部16等の複数が、該薄板バンド13の内周側に突き出た状態で設けられる。各突起部15,16は、単一又は複数の突起17の集合或いは複合により形成されるものであるが、具体的には、図2〜図11を参照して後述することとし、まず該薄板バンド13に設ける一般的な突起部15,16等の配置について説明する。
【0025】
上記薄板バンド13には、まず、少なくとも、図1の(b)に示す保持部材20の中央Mの両側の対称位置に突起部15が対設される。これらの対称位置の一対の突起部15,15は、薄板バンド13においてシリンダチューブ31の保持部材20が位置する側の半周に巻着される範囲内(薄板バンド13の両端部付近)に形成されるものである。該突起部15を形成する単一又は複数の突起17自体は、具体的には、図2〜図11に示すようなものであり、これらは、シリンダチューブ31の表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものに大別することができる。いずれの突起17も、図示しているように、薄板バンド13の長手方向の中心線に関して対称になっていることが望まれる。
【0026】
特に、上記突起部15,16を構成する突起17が上記線状接触の突起である場合、薄板バンド13の長手方向に伸びる突起17はシリンダチューブ31の軸方向の外力に対して大きな固定力を発揮させることができ、また、上記薄板バンド13の幅方向に伸びる突起17は、シリンダチューブ31の円周方向の外力に対して大きな固定力を得るのに有効である。
【0027】
上記内周側の一部に突起部15を突出させた薄板バンド13は、それをシリンダチューブ31の外周に巻着して締め付けると、該突起部15における各突起17の先端部にその薄板バンド13の締め付け力が集中してシリンダチューブ31の外周に作用するため、大きな固定力を発生させることができ、そして、当該固定力を発生させる突起部15を上述のように保持部材20の両側の対称位置に対設すると、位置センサ21の保持部材20の固定を該保持部材20の両側で行うことになるので、その保持部材20の固定を十分に安定化させることができる。特に、図2に示すように、各突起部15に薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起17aと、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起17bとを設けると、上記保持部材20に作用するシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。なお、図2以外では、上記長手方向の突起17a及び幅方向の突起17bを、いずれも突起17として、符号による区別を省略している。
【0028】
例えば、シリンダチューブ31の径が大きく、従って薄板バンド13が長くなる場合などにおいて、薄板バンド13における上記保持部材20の両側に対設した突起部15だけで薄板バンド13の安定的な固定が行われない可能性がある場合には、図1の(b)や、図4,7,8,10に示すように、薄板バンド13の上記保持部材20の両側の対称位置の上記突起部15に加えて、該薄板バンド13の長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部16を設けることができる。しかしながら、薄板バンド13に全体的に多数の突起部を設けると、逆に、それらの多数の突起部に固定力が分散して作用することになり、この分散した固定力では必ずしも保持部材20の十分な固定を行えるとは限らない。
【0029】
そこで、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15に加えて、薄板バンド13の長手方向の中央部に中間位置の突起部16を設ける場合には、シリンダチューブ31の周面への薄板バンド13の締め付け時に、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15と中間位置の突起部16との間において、薄板バンド13がシリンダチューブ31の表面に十分な長さで圧接することが必要であり、これにより、薄板バンド13に全体的に多数の突起部を設ける場合に比して薄板バンド13に加える締め付け力により各突起部15,16に作用する固定力を分散させることなく、十分に大きいものにすることができる。
【0030】
上記薄板バンド13をシリンダチューブ31の表面に十分な長さで圧接させる場合に、どの程度の圧接長さが必要であるかについて、本発明者が実験結果等に基づいて検討した結果、シリンダチューブ31の径が大きく、従って薄板バンド13が長くなる場合においては、シリンダチューブ31の周面への薄板バンド13の締め付け時に、シリンダチューブ31の周長に対して70〜80%の範囲で薄板バンド13を容易に圧接させることができるが、シリンダチューブ31の径が小さく、従って、薄板バンド13が短い場合には、薄板バンド13を保持部材20の両側の突起部15と中間位置の突起部16との間においてシリンダチューブ31の表面に圧接する十分な長さを得ることに困難性があるが、少なくとも、薄板バンド13の圧接する部分の長さがシリンダチューブ31の周長の50%以上であることが必要である。
【0031】
上記中間位置の突起部16を構成する突起17も、保持部材20の両側の突起部15における突起17と同様に、シリンダチューブ31の表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数のものとすることができる。
なお、上記保持部材20の両側の対称位置の突起部15に加えて、薄板バンド13の長手方向の中央部に中間位置の突起部16を設ける場合に、該突起部16は、必ずしも図1の(b)や、図4,7,8,10に示しているように、薄板バンド13の長手方向の中央部に設ける必要はなく、上述した薄板バンド13の圧接する部分の長さがシリンダチューブ31の周長の50%以上であることを前提として、例えば図9に示すように、薄板バンド13の長手方向の中央部ではない位置に必要数の突起部16を設けることもできる。
【0032】
更に、上記薄板バンド13に各突起部15,16を設けるに当たり、図3に示すように、薄板バンド13の幅方向の中央部にそれらの突起部15,16を構成する突起17が位置するようにして、即ち、それらの一部が薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aに達しない位置に設け、シリンダチューブ31に対する薄板バンド13の締め付け時に、該薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aを、各突起部15,16の配設位置の幅方向両側においてシリンダチューブ31に圧接させるように形成すると、シリンダチューブ31に対する各突起部15,16の圧接が安定化し、該突起部により安定的な固定力を発生させることができる。この場合に、上記薄板バンド13の幅方向の中央部に位置する各突起部15,16が、該薄板バンド13の幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部15,16の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンド13の幅の1/4以上の突起部を設けていない領域があることが望まれる。
【0033】
次に、図4〜図11を参照して、上記突起部15,16を構成する各突起17の具体的形態について説明する。
図4の(a)〜(d)の例は、薄板バンド13に設けた各突起部15,16が、それぞれ線状接触する単一の突起17により形成されたもので、(a)では、上記薄板バンド13の幅方向の線状成分を有する各単一の突起17を備えた場合、(b)〜(d)では、上記薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により、十状に形成された突起17、X状に形成された突起17、並びに倒T字状及び十状に形成された突起17の混用の場合を例示している。特に、上記(b)〜(d)の例では、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により突起17が形成されているので、それらの突起17により、保持部材20におけるシリンダチューブ31の円周方向及び軸方向の固定力を効果的に高めることができる。
【0034】
また、図6〜図11は、突起部15が複数の突起17により形成された例を示すものであり、図6及び図7では、突起部15における複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合により形成され、図8及び図9の例では、突起部15における複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起とそれに直交する幅方向の線状成分を有する突起の複数の集合により形成されている。これらの複数の突起17を近接配置する場合には、隣接する突起17の機能がそれぞれ十分に発揮されるような配列であることが望ましく、特に、薄板バンド13の幅方向の線状成分を有する突起17を相互に隣接させると、それらの突起は分散配置されている場合よりも、保持部材20におけるシリンダチューブ31の円周方向の固定力を高めることができるとは限らないので、そのような配列は避けるべきである。
【0035】
しかも、上記図4及び図6〜図9に示す例では、突起部15を形成する複数の突起17が、薄板バンド13の長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起との複合或いは集合により形成されているので、それらを、文字その他の記号状に形成することもでき、例えば、ローマ字の中から選ばれる任意文字形状に形成することができる。
【0036】
更に、図10では、各突起部15,16に、シリンダチューブ31に対して面状接触する突起17を設けた場合を示しているが、かかる突起17は、シリンダチューブ31との接触部が面状であって、その接触面における単位面積当たり圧接力が小さくなるので、必ずしもシリンダチューブ31に対する薄板バンド13の固定力を高めるために有効なものではないが、例えば、シリンダチューブ31の強度に問題があって単位面積当たりの突起の押し付け力をある程度制限したい場合などに有効である。
【0037】
図11には、各突起部15,16が、シリンダチューブ31に点状接触する突起17を薄板バンド13の幅方向の2位置に並び、しかも、突起部15はそれを薄板バンド13の長手方向にも並べて配設することにより形成された例を示している。このような構成は、各突起17が点状という簡易なものでありながら、例えば、図3に示しているように、シリンダチューブ31に対する薄板バンド13の締め付け時に、各突起17の配設位置の幅方向両側において、薄板バンド13の長手方向に伸びる両側縁13aをシリンダチューブ31に圧接させることにより、該薄板バンド13のシリンダチューブ31への固定を安定させることができる。
【0038】
上述した薄板バンド13の各例においては、保持部材20の両側の対称位置に設けた突起部15が、該保持部材20の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されているが、このような形状は、保持部材20の両側における固定力を均等化し、その固定を安定化させるために有効なものである。
また、保持部材20の両側の対称位置に設けた突起部15を、該保持部材20の中央の両側において対称形状にしておくのは、該薄板バンド13の製造において薄板バンド13の両端を共通の型によりプレス加工するなどにより、製造上のコスト低減を図るためにも有効なものである。
【符号の説明】
【0039】
10 位置センサ用取付バンド
11a,11b 挟持部
13 薄板バンド
15,16 突起部
20 保持部材
21 位置センサ
31 シリンダチューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダチューブ内のピストンの動作位置を検出する位置センサを保持するための保持部材と、該保持部材に両端を連結して上記シリンダチューブの外周に巻着される薄板バンドとにより構成した位置センサ用取付バンドにおいて、
上記薄板バンドを、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部が対設されたものとし、上記各突起部は、単一又は複数の突起により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、
該突起部を形成する突起は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものであって、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられている、
ことを特徴とする位置センサ用取付バンド。
【請求項2】
上記薄板バンドにおける上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、該薄板バンドの長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部を備え、
該中間位置の突起部は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数の突起からなり、それらが薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項3】
上記薄板バンドが、そのシリンダチューブの周面への締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と上記中間位置の突起部との間において該シリンダチューブの表面に圧接する部分を有し、該薄板バンドの圧接する部分の長さがシリンダチューブの周長の50%以上である、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項4】
上記各突起部が、上記薄板バンドにおける幅方向の中央部に位置するように設けられ、シリンダチューブの周面に対する該薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、上記各突起部の配設位置の幅方向両側において上記シリンダチューブと接触するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項5】
上記薄板バンドの幅方向の中央部に位置する各突起部が、該薄板バンドの幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンドの幅の1/4以上の突起部を設けていない領域がある、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項6】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項7】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向とそれに直交する幅方向の線状成分を複合した突起の単数又は複数により形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項8】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向に対して傾斜した線状成分をX状に交差させて複合した突起の単数又は複数により形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項9】
上記突起部が、突起の集合又は複合により文字その他の記号状に形成されている、
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項10】
上記保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が、該保持部材の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されている、
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項11】
上記各突起部が、シリンダチューブに点状接触する突起を薄板バンドの幅方向の2位置に配設することにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項1】
シリンダチューブ内のピストンの動作位置を検出する位置センサを保持するための保持部材と、該保持部材に両端を連結して上記シリンダチューブの外周に巻着される薄板バンドとにより構成した位置センサ用取付バンドにおいて、
上記薄板バンドを、少なくとも上記保持部材の中央の両側の対称位置に、該薄板バンドの内周側に突出する突起部が対設されたものとし、上記各突起部は、単一又は複数の突起により形成され、上記対設した両突起部の形成位置は、シリンダチューブの上記保持部材が位置する側の半周に巻着される薄板バンドの範囲内にあり、
該突起部を形成する突起は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触するものであって、薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられている、
ことを特徴とする位置センサ用取付バンド。
【請求項2】
上記薄板バンドにおける上記保持部材の両側の対称位置の突起部に加えて、該薄板バンドの長手方向の中央部に、内周側に突出する中間位置の突起部を備え、
該中間位置の突起部は、シリンダチューブの表面に点状接触、線状接触又は面状接触する単一又は複数の突起からなり、それらが薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁に達しない位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項3】
上記薄板バンドが、そのシリンダチューブの周面への締め付け時に、上記保持部材の両側の対称位置の突起部と上記中間位置の突起部との間において該シリンダチューブの表面に圧接する部分を有し、該薄板バンドの圧接する部分の長さがシリンダチューブの周長の50%以上である、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項4】
上記各突起部が、上記薄板バンドにおける幅方向の中央部に位置するように設けられ、シリンダチューブの周面に対する該薄板バンドの締め付け時に、該薄板バンドの長手方向に伸びる両側縁が、上記各突起部の配設位置の幅方向両側において上記シリンダチューブと接触するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項5】
上記薄板バンドの幅方向の中央部に位置する各突起部が、該薄板バンドの幅の1/2以下の範囲内にあり、各突起部の配設位置の両側に少なくとも該薄板バンドの幅の1/4以上の突起部を設けていない領域がある、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項6】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向の線状成分を有する突起と、それに直交する幅方向の線状成分を有する突起とにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項7】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向とそれに直交する幅方向の線状成分を複合した突起の単数又は複数により形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項8】
上記各突起部が、上記薄板バンドの長手方向に対して傾斜した線状成分をX状に交差させて複合した突起の単数又は複数により形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項9】
上記突起部が、突起の集合又は複合により文字その他の記号状に形成されている、
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項10】
上記保持部材の両側の対称位置に設けた突起部が、該保持部材の中央の両側において対称形状をなす単一又は複数の突起により形成されている、
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【請求項11】
上記各突起部が、シリンダチューブに点状接触する突起を薄板バンドの幅方向の2位置に配設することにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置センサ用取付バンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−60980(P2013−60980A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198407(P2011−198407)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】
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