低光沢二成分クリアコート、低光沢二成分クリアコートを有する製品及び低光沢クリアコートを適用する方法
【課題】低光沢仕上げをもたらすツーコートシステムのための二成分クリアコートの提供。
【解決手段】低光沢二成分クリアコートであって、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含み、前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢二成分クリアコート。
【解決手段】低光沢二成分クリアコートであって、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含み、前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢二成分クリアコート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、クリアコートペイントに関し、より詳しくは、低光沢の二成分クリアコートに関する。
【背景技術】
【0002】
ペイントは、例えば色、光沢、耐候性、耐久性、並びに特定用途に対するそれらの有効寿命及び適合性に影響を及ぼしうる他の特性などの多くの視覚的及び物理的特性を有することができる。必要な特性を得るために、乗物用のペイントは、プライマーの上にベースコートが適用されるモノコートシステム(monocoat system)か、又はベースコートの上にさらなるクリアコートが適用されるツーコートシステム(two coat system)を含むことがある。モノコートシステムは乗物表面に低光沢外観を与えることができるが、低光沢仕上げは、耐候性能が劣る傾向がある黒色ペイントに限られることがある。ツーコートシステムで提供されるクリアコートは、塗面の耐候性能を向上させるもので、いかなるカラーペイントにも適用できる。しかしながら、クリアコートは高光沢仕上げに限られることがある。そのため、低光沢仕上げをもたらすツーコートシステムのための二成分クリアコートを提供することが都合良いであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ツーコートシステムのための代替的な低光沢二成分クリアコートが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施態様において、低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含み、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0005】
別の実施態様において、低光沢二成分クリアコートを有する製品が提供される。当該製品は、製品表面及び当該製品表面に適用された低光沢二成分クリアコートを含むことができる。低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0006】
さらに別の実施態様において、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法が提供される。当該方法は、乗物の部品にベースコートを適用し、乗物の部品上のベースコートを硬化させ、ベースコートに低光沢二成分クリアコートを適用することを含むことができる。低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成する。当該方法は、さらに、ベースコートのベースコート表面上の低光沢二成分クリアコートを硬化させることを含むことができ、低光沢二成分クリアコートは硬化後に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0007】
本明細書に記載の実施態様により与えられるこれら及びさらなる特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することでより完全に理解されるであろう。
【0008】
図面に記載の実施態様は、事実上、例示のため及び代表的なものであり、特許請求の範囲により規定される主題を制限するものではない。例示的な態様についての以下の詳細な説明は、同様な構造が同様な参照番号で示されている以下の図面と併せて読んだ場合に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢二成分ペイントシステムの概略断面図である。
【0010】
【図2】図2は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法についての流れ図である。
【0011】
【図3】図3は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢二成分クリアコート表面の測定についての概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、乗物の部品上の低光沢ツーコートペイントシステムの概略断面図である。当該低光沢ツーコートペイントシステムは、一般的に、乗物の部品の表面を覆うベースコートと当該ベースコートを覆う低光沢二成分クリアコートを含む。低光沢二成分クリアコートは、シリカベースの艶消剤及び二成分ベース樹脂混合物を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は、イソシアネート樹脂と、ウレタン樹脂を含むベース樹脂とを含む。低光沢二成分クリアコートは、低光沢ツーコートペイントシステムに高い耐候性をもたらすとともに、ベースコートに低光沢外観をもたらす。低光沢二成分クリアコート、低光沢二成分クリアコートを有する製品、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法を本明細書で詳しく説明する。
【0013】
図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100が乗物の部品10に適用された状態で示されている。低光沢ツーコートペイントシステム100は、一般的に、ベースコート20及び低光沢二成分クリアコート30を含み、低光沢二成分クリアコート30はベースコート20を風化、摩耗及び/又は他の環境条件から保護するとともに、低光沢仕上げをもたらす。低光沢二成分クリアコート30は、二成分ベース樹脂混合物及びシリカベースの艶消剤を含み、硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げをもたらす。本明細書において、「60°光沢仕上げ」という語句は、硬化した場合に、60°の反射角で低光沢二成分クリアコートの表面31から反射した光の強度を意味する。例えば、図3に、低光沢二成分クリアコートの表面31の光沢仕上げについての典型的な測定法を概略的に示す。図示されているように、入射光LI が低光沢二成分クリアコートの表面31に当たると、反射光LR はその表面から反射される。反射光LR の強度は入射光LI の強度未満である。光沢角GA は、入射光LI と、低光沢二成分クリアコートの表面31に対する法線との間の角度として求められる。低光沢二成分クリアコートの表面31に対して垂直な光沢角GA から入射する入射光LI は約0°の光沢角GA を有することになる。逆に、低光沢二成分クリアコートの表面31と平行な光沢角GA から入射する入射光LI は約90°の光沢角GA を有することになる。本明細書において、「60°光沢仕上げ」の測定値は、光沢角GA が60°である入射光LI から確定される。反射光LR は、商業的に入手可能な光沢度計、例えばNovo Gloss LITE 60°光沢度計又はBYKガードナー60°光沢度計などを使用して光沢単位によって測定できる。
【0014】
本明細書に記載の一実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の二成分ベース樹脂混合物はベース樹脂及びイソシアネート樹脂を含む。ベース樹脂はウレタン樹脂、例えば飽和線状ポリエステルウレタンなどを含む。ウレタン樹脂は、本明細書の記載から理解されるように、シリカベースの艶消剤のためのキャリヤとしても機能する。具体的には、二成分ベース樹脂におけるウレタン樹脂の使用は、シリカベースの艶消剤を支持するためにさらなる分散剤及び/又は架橋剤を二成分ベース樹脂混合物に供給する必要性を低減するか又はなくす。一実施態様において、ベース樹脂は、さらに、さらなるポリマー樹脂又はポリマー樹脂の組み合わせを含む。例えば、ウレタン樹脂に加えて、ベース樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び/又は他の類似のポリマー樹脂を含んでよい。一つの代表的な実施態様において、ベース樹脂は、さらに、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーを含むアクリルポリマー樹脂を含んでよい。ベース樹脂及びその個々の成分は、さらに、低光沢二成分クリアコート30が硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有するように、二成分ベース樹脂混合物全体の任意の質量%を構成することができる。例えば、一実施態様において、二成分ベース樹脂混合物のベース樹脂中のウレタン樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約20質量%〜約40質量%を構成する。別の実施態様において、ウレタン樹脂は二成分ベース樹脂混合物の25質量%〜30質量%を構成する。さらに別の実施態様において、ウレタン樹脂は二成分ベース樹脂混合物の約27.8質量%を構成する。
【0015】
低光沢二成分クリアコート30の二成分ベース樹脂混合物は、さらに、イソシアネート樹脂を含む。当該イソシアネート樹脂は、低光沢二成分クリアコート30の適用前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成する。表面に適用する前にイソシアネート樹脂をベース樹脂(ウレタン樹脂を含む)と組み合わせると、シリカベースの艶消剤が実質的に均一に分散しているむらのない低光沢二成分クリアコート30が容易に得られるとともに、それが適用された状態での硬化性ももたらされ、低光沢二成分クリアコート30は、硬化後、表面に固定されることとなる。一実施態様において、低光沢二成分クリアコート30を表面に適用する直前に、イソシアネート樹脂を二成分ベース樹脂と組み合わせる。本明細書において、「直前」とは、低光沢二成分クリアコートが表面に適用される際に、例えば、イソシアネート樹脂及びベース樹脂をペイントスプレーガン内で又はペイントスプレーに到達する直前に混合することによるなどの混合が適用前1分間以内であることを意味する。適用直前の混合によって、早期硬化が防止され、低光沢二成分クリアコートの均一な適用が促進される。イソシアネート樹脂は、低光沢二成分クリアコート30が硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有するように、二成分ベース樹脂混合物全体の任意の質量%を構成することができる。一実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約20質量%〜約40質量%を構成する。別の実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約25質量%〜約35質量%を構成する。さらに別の実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約30.5質量%を構成する。
【0016】
二成分ベース樹脂混合物に加えて、低光沢二成分クリアコート30は、さらに、シリカベースの艶消剤を含む。一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、低光沢二成分クリアコート30の光沢を、硬化した場合に、22光沢単位〜34光沢単位の範囲内の60°光沢仕上げに低下させる任意のシリカベースの材料又はシリカベースの材料の組み合わせを含む。例えば、一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、任意の商業的に入手可能なシリカ、例えば、熱的に誘導されたシリカ(thermally derived silicas)、沈降シリカ、表面処理シリカ、ワックス処理されたアモルファスシリカ、有機処理されたアモルファスシリカ(organically treated amorphous silicas)、焼成表面変性シリカ(pyrogenic surface modified silicas)、疎水性シリカ、又はそれらの組み合わせなど(これらに限定されない)を含む。一つの代表的な実施態様において、シリカベースの艶消剤は焼成表面変性シリカを含む。低光沢二成分クリアコート30は、硬化した場合に、低光沢仕上げ(すなわち、22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げ)をもたらす任意の量のシリカベースの艶消し剤を含むことができる。例えば、一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部の量で存在する。別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約10質量部〜約15質量部の量で存在することができる。さらに別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.5質量部を構成するように加えられる。
【0017】
シリカベースの艶消剤は、様々な方法で低光沢二成分クリアコート30に組み込むことができる。一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、ベース樹脂をイソシアネート樹脂と組み合わせる前(すなわち、二成分ベース樹脂混合物を形成する前)にベース樹脂と組み合わされる。別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、ベース樹脂及びイソシアネート樹脂を組み合わせた後(すなわち、二成分ベース樹脂混合物を形成した後)に、低光沢二成分クリアコート30に混合される。さらに別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物を形成する際(すなわち、ベース樹脂及びイソシアネート樹脂を組み合わせる際)に、低光沢二成分クリアコート30に混合される。
【0018】
別の実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の1又は2以上の物理的特性を調節するために、低光沢二成分クリアコート30は、さらに、他の添加剤を含む。例えば、他の添加剤は、低光沢二成分クリアコート30の寿命、低光沢二成分クリアコート30の安定性、低光沢二成分クリアコート30の生産性、低光沢二成分クリアコートのコスト、及び/又は特定用途に対する低光沢二成分クリアコート30の適合性に影響を及ぼす他の特性に影響を及ぼしうる。他の添加剤としては、紫外線吸収剤、軟化剤、金属光沢向上剤、表面処理剤、又は低光沢二成分クリアコート30の1又は2以上の物理的特性に影響を及ぼす任意の他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
さらに図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100は、さらに、低光沢二成分クリアコート30により風化、摩耗又は他の環境条件から保護されたベースコート20を含む。ベースコート20は、乗物の部品又は他の製品の上で使用するのに適する任意のペイント配合物を含むことができる。例えば、ベースコート20自体は、色、光沢、耐候性、耐久性、及び/又は特定用途に対するその潜在的寿命及び適合性に影響を及ぼす他の特性などの視覚的及び物理的特性を有することができる。一実施態様において、ベースコート20は、ベースコートの物理的及び/又は視覚的特性のうちの1又は2つ以上に個別的に影響を及ぼす様々な要素を含む任意のペイント配合物を含むことができる。例えば、一実施態様において、ベースコート20は、様々な樹脂及び/又は溶剤を含む。別の実施態様において、望ましい色又は外観を有するベースコート20を得るために、ベースコート20は、さらに、1又は2種以上の添加剤、例えば顔料及び/又は金属フレークを含む。さらに別の実施態様において、ベースコート20は、ベースコート20の寿命、ベースコート20の安定性、ベースコート20の生産性、ベースコート20のコスト、及び/又は特定用途に対するベースコート20の適合性に影響を及ぼす他の特性に影響を及ぼす他の成分を含む。
【0020】
さらに図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100(低光沢二成分クリアコート30及びベースコート20を含む)は、乗物の部品10の上に適用されている。乗物の部品は、塗面を必要とする乗物のいかなる部分であってもよい。例えば、一実施態様において、乗物の部品10は、ドア、フード、トランク、又は乗物の他の外装部分を含む。従って、当該ペイントシステムは、乗物の部品10に、耐候性能及び耐久性とともに低光沢仕上げをもたらすことに注意すべきである。
【0021】
別の実施態様において、低光沢ツーコートペイントシステム100は、任意の他の製品に適用されてもよい。当該製品は、製作者によって機械加工、組み立て又は他の方法で作り出される任意の部品、コンポーネント、装置などを含んでもよい。製品としては、例えば、乗物アクセサリー、建設機械、玩具、模型、又は、低光沢二成分コーティングを適用できる任意の他の物品が挙げられる。
【0022】
次に、図1及び2を参照すると、ステップ210で乗物の部品10(又は任意の他の製品)の乗物表面11にベースコート20を適用することにより、低光沢ツーコートペイントシステム100が乗物の部品10に適用されている。ベースコート20を任意の方法で適用して、ベースコート20により乗物の部品10の乗物表面11を覆うことができる。例えば、ベースコート20は、スプレーガン、ブラシ、浸漬又は任意の類似の付着方法(単独又は併用)により乗物の表面11に適用できる。ステップ210において乗物の部品10の乗物表面11にベースコート20を適用後、ステップ220において乗物の部品10の乗物表面11上でベースコート20を硬化させる。硬化は、ベースコート20が重力、物理的接触などにより移動又は変形しないようにベースコート20を硬化させる任意の方法で構成される。一実施態様において、硬化は、標準大気条件で室温で行われる。代わりに、ベースコート20は、ステップ220において、制御された大気条件(例えば不活性雰囲気など)及び/又は他の環境促進要因(例えばファン又は送風機など)を用いて、乗物の部品10の乗物表面上で高温(例えば、加熱ランプなど)で硬化させてもよい。
【0023】
ステップ220において乗物の部品210の乗物表面11上のベースコートを硬化させた後、ステップ230においてベースコート20のベースコート表面21に低光沢二成分クリアコート30を適用する。ステップ210におけるベースコートの適用と同様に、低光沢二成分クリアコート30を、ベースコート20のベースコート表面21を低光沢二成分クリアコート30により覆う任意の方法、例えばスプレーガン、ブラシ、浸漬などにより適用することができる。さらに、低光沢二成分クリアコート30は、ベースコート20の厚さに対して任意の厚さで適用できる。例えば、低光沢二成分クリアコート30の層は、ベースコート20の層よりも薄い厚さ若しくは厚い厚さのものであっても、ベースコート20の層と実質的に同じ厚さであってもよい。ステップ230においてベースコート20のベースコート表面21に低光沢二成分クリアコート30を適用した後、ステップ240においてベースコート20のベースコート表面21上で低光沢二成分クリアコート30を硬化させる。ステップ220におけるベースコート20の硬化と同様に、低光沢二成分クリアコート30が重力、物理的接触などにより移動又は変形しないように低光沢二成分クリアコート30を硬化させる任意の方法を使用してステップ240において低光沢二成分クリアコート30を硬化させることができる。一実施態様において、ステップ240における低光沢二成分クリアコート30の硬化は、ステップ220においてベースコート20を硬化させるために用いられる硬化方法と同じ硬化方法から構成される。別の実施態様において、ステップ240における低光沢二成分クリアコート30の硬化は、ステップ220においてベースコートを硬化させるために用いられる硬化方法と異なる硬化方法をから構成される。
【0024】
乗物の部品10に低光沢ツーコートペイントシステム100を適用するために、適用方法200の全体を通じて任意の他のステップをさらに使用してもよいことも理解されるべきである。例えば、一実施態様において、ベースコート20の2つのコートは、低光沢二成分クリアコート30の適用前に乗物の部品10に適用される。別の実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の2つのコートがベースコート20に適用される。さらに別の実施態様において、ベースコート20又は低光沢二成分クリアコート30を受容するように硬化した表面を清浄にする、乾燥させる又は他の方法で調整するさらなる表面処理ステップが使用される。
【実施例】
【0025】
低光沢二成分クリアコートを、光沢度、耐候性及び全体的な性能について調べた。二成分ベース樹脂混合物は、イソシアネート樹脂と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むベース樹脂とから構成されていた。ウレタン樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約27.8質量%の量の飽和線状ポリエステルウレタン樹脂を含んでいた。アクリル樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約41.7質量%を構成した。イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約30.5質量%を構成した。さらに、低光沢二成分クリアコートは、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.49質量部のシリカベースの艶消剤を含んでいた。ベース樹脂をイソシアネート樹脂と混合する前にシリカベースの艶消剤をベース樹脂(すなわち、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物)に加えた。ベース樹脂(すなわち、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂)とシリカベースの艶消剤との混合物を、次に、低光沢二成分クリアコートの適用直前に、イソシアネート樹脂と混合した。
【0026】
初期60°光沢仕上げ(すなわち、「初期光沢」)は32.4光沢単位であると求められ、試料は、水中に10日間浸漬後に完全な接着性を有すること(すなわち、表面からのチッピング又は剥離がないこと)が判った。また、試料を、500メガジュール(MJ)のキセノン光源を含む促進耐候性試験機と、屋外実時間耐候性試験にかけた。ウェザリングシミュレーション及び試験の後に、最終60°光沢仕上げ(すなわち、「最終光沢」)を測定した。次に、最終光沢を初期光沢で割ることにより最終光沢保持率を各試料の耐候性能として求めた。
【0027】
633時間及び800時間の促進暴露後、試料を測定したところ最終光沢は30.0光沢単位であり、最終光沢保持率は92.6%と求められた。さらに、12ヶ月の実時間(すなわち、促進でもシミュレートでもない)屋外暴露後、試料を測定したところ最終光沢は29.0光沢単位であり、最終光沢保持率は89.5%と求められた。試料は、促進暴露後及び実時間暴露後の両方で、亀裂、剥離、又はいかなる他の接着性の不足の徴候も示さなかった。
【0028】
本明細書に記載した低光沢二成分クリアコートは、低光沢仕上げ耐候性向上のために乗物の部品又は他の製品上のベースコートに適用できることが理解されるであろう。二成分ベース樹脂混合物のベース樹脂にウレタン樹脂を組み込むことによって、分散剤、架橋剤及び/又は他の類似の添加剤を添加せずに、シリカベースの艶消剤は低光沢二成分クリアコート中に担持および分散される。さらに、低光沢二成分クリアコートを、混合前に2つの別々の成分(すなわちベース樹脂とイソシアネート樹脂)として供給することによって、個々の成分を早期硬化なしに保管することができ、ひいては適用した場合に性能の向上がもたらされる。さらに、本明細書に記載の低光沢二成分クリアコートは、当該コーティングが適用された乗物又は他の製品の外観にさらなる保護性及び耐久性を与えるとともに、低光沢仕上げを与える。
【0029】
「実質的に」及び「約」という語句は、本明細書において、定量的な比較、評価、測定又は他の表現に起因し得る不確かさの固有の程度を表すために使用する。また、これらの用語は、本明細書において、特許請求の範囲に記載の発明の基本的な機能の変化をもたらさずに、定量的表現が示したものから変わりうる程度を表すために使用する。
【0030】
特定の実施態様を本明細書において例示し説明したが、特許請求の範囲に記載の発明の精神及び範囲から離れずに、様々な他の変更及び改良を行うことができる。さらに、特許請求の範囲に記載の発明についての様々な特徴を明細書に記載したが、かかる特徴を組み合わせて使用する必要はない。従って、特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内に含まれるかかる変更及び改良の全てをカバーすることを意図する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、クリアコートペイントに関し、より詳しくは、低光沢の二成分クリアコートに関する。
【背景技術】
【0002】
ペイントは、例えば色、光沢、耐候性、耐久性、並びに特定用途に対するそれらの有効寿命及び適合性に影響を及ぼしうる他の特性などの多くの視覚的及び物理的特性を有することができる。必要な特性を得るために、乗物用のペイントは、プライマーの上にベースコートが適用されるモノコートシステム(monocoat system)か、又はベースコートの上にさらなるクリアコートが適用されるツーコートシステム(two coat system)を含むことがある。モノコートシステムは乗物表面に低光沢外観を与えることができるが、低光沢仕上げは、耐候性能が劣る傾向がある黒色ペイントに限られることがある。ツーコートシステムで提供されるクリアコートは、塗面の耐候性能を向上させるもので、いかなるカラーペイントにも適用できる。しかしながら、クリアコートは高光沢仕上げに限られることがある。そのため、低光沢仕上げをもたらすツーコートシステムのための二成分クリアコートを提供することが都合良いであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、ツーコートシステムのための代替的な低光沢二成分クリアコートが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施態様において、低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含み、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0005】
別の実施態様において、低光沢二成分クリアコートを有する製品が提供される。当該製品は、製品表面及び当該製品表面に適用された低光沢二成分クリアコートを含むことができる。低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0006】
さらに別の実施態様において、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法が提供される。当該方法は、乗物の部品にベースコートを適用し、乗物の部品上のベースコートを硬化させ、ベースコートに低光沢二成分クリアコートを適用することを含むことができる。低光沢二成分クリアコートは、ウレタン樹脂を含むベース樹脂、低光沢二成分クリアコートの適用直前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及びシリカベースの艶消剤を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、シリカベースの艶消剤は二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成する。当該方法は、さらに、ベースコートのベースコート表面上の低光沢二成分クリアコートを硬化させることを含むことができ、低光沢二成分クリアコートは硬化後に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する。
【0007】
本明細書に記載の実施態様により与えられるこれら及びさらなる特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することでより完全に理解されるであろう。
【0008】
図面に記載の実施態様は、事実上、例示のため及び代表的なものであり、特許請求の範囲により規定される主題を制限するものではない。例示的な態様についての以下の詳細な説明は、同様な構造が同様な参照番号で示されている以下の図面と併せて読んだ場合に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢二成分ペイントシステムの概略断面図である。
【0010】
【図2】図2は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法についての流れ図である。
【0011】
【図3】図3は、本明細書において示し説明する1又は2以上の実施態様に係る低光沢二成分クリアコート表面の測定についての概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、乗物の部品上の低光沢ツーコートペイントシステムの概略断面図である。当該低光沢ツーコートペイントシステムは、一般的に、乗物の部品の表面を覆うベースコートと当該ベースコートを覆う低光沢二成分クリアコートを含む。低光沢二成分クリアコートは、シリカベースの艶消剤及び二成分ベース樹脂混合物を含むことができ、二成分ベース樹脂混合物は、イソシアネート樹脂と、ウレタン樹脂を含むベース樹脂とを含む。低光沢二成分クリアコートは、低光沢ツーコートペイントシステムに高い耐候性をもたらすとともに、ベースコートに低光沢外観をもたらす。低光沢二成分クリアコート、低光沢二成分クリアコートを有する製品、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法を本明細書で詳しく説明する。
【0013】
図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100が乗物の部品10に適用された状態で示されている。低光沢ツーコートペイントシステム100は、一般的に、ベースコート20及び低光沢二成分クリアコート30を含み、低光沢二成分クリアコート30はベースコート20を風化、摩耗及び/又は他の環境条件から保護するとともに、低光沢仕上げをもたらす。低光沢二成分クリアコート30は、二成分ベース樹脂混合物及びシリカベースの艶消剤を含み、硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げをもたらす。本明細書において、「60°光沢仕上げ」という語句は、硬化した場合に、60°の反射角で低光沢二成分クリアコートの表面31から反射した光の強度を意味する。例えば、図3に、低光沢二成分クリアコートの表面31の光沢仕上げについての典型的な測定法を概略的に示す。図示されているように、入射光LI が低光沢二成分クリアコートの表面31に当たると、反射光LR はその表面から反射される。反射光LR の強度は入射光LI の強度未満である。光沢角GA は、入射光LI と、低光沢二成分クリアコートの表面31に対する法線との間の角度として求められる。低光沢二成分クリアコートの表面31に対して垂直な光沢角GA から入射する入射光LI は約0°の光沢角GA を有することになる。逆に、低光沢二成分クリアコートの表面31と平行な光沢角GA から入射する入射光LI は約90°の光沢角GA を有することになる。本明細書において、「60°光沢仕上げ」の測定値は、光沢角GA が60°である入射光LI から確定される。反射光LR は、商業的に入手可能な光沢度計、例えばNovo Gloss LITE 60°光沢度計又はBYKガードナー60°光沢度計などを使用して光沢単位によって測定できる。
【0014】
本明細書に記載の一実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の二成分ベース樹脂混合物はベース樹脂及びイソシアネート樹脂を含む。ベース樹脂はウレタン樹脂、例えば飽和線状ポリエステルウレタンなどを含む。ウレタン樹脂は、本明細書の記載から理解されるように、シリカベースの艶消剤のためのキャリヤとしても機能する。具体的には、二成分ベース樹脂におけるウレタン樹脂の使用は、シリカベースの艶消剤を支持するためにさらなる分散剤及び/又は架橋剤を二成分ベース樹脂混合物に供給する必要性を低減するか又はなくす。一実施態様において、ベース樹脂は、さらに、さらなるポリマー樹脂又はポリマー樹脂の組み合わせを含む。例えば、ウレタン樹脂に加えて、ベース樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び/又は他の類似のポリマー樹脂を含んでよい。一つの代表的な実施態様において、ベース樹脂は、さらに、アクリレートモノマー及びメタクリレートモノマーを含むアクリルポリマー樹脂を含んでよい。ベース樹脂及びその個々の成分は、さらに、低光沢二成分クリアコート30が硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有するように、二成分ベース樹脂混合物全体の任意の質量%を構成することができる。例えば、一実施態様において、二成分ベース樹脂混合物のベース樹脂中のウレタン樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約20質量%〜約40質量%を構成する。別の実施態様において、ウレタン樹脂は二成分ベース樹脂混合物の25質量%〜30質量%を構成する。さらに別の実施態様において、ウレタン樹脂は二成分ベース樹脂混合物の約27.8質量%を構成する。
【0015】
低光沢二成分クリアコート30の二成分ベース樹脂混合物は、さらに、イソシアネート樹脂を含む。当該イソシアネート樹脂は、低光沢二成分クリアコート30の適用前にベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成する。表面に適用する前にイソシアネート樹脂をベース樹脂(ウレタン樹脂を含む)と組み合わせると、シリカベースの艶消剤が実質的に均一に分散しているむらのない低光沢二成分クリアコート30が容易に得られるとともに、それが適用された状態での硬化性ももたらされ、低光沢二成分クリアコート30は、硬化後、表面に固定されることとなる。一実施態様において、低光沢二成分クリアコート30を表面に適用する直前に、イソシアネート樹脂を二成分ベース樹脂と組み合わせる。本明細書において、「直前」とは、低光沢二成分クリアコートが表面に適用される際に、例えば、イソシアネート樹脂及びベース樹脂をペイントスプレーガン内で又はペイントスプレーに到達する直前に混合することによるなどの混合が適用前1分間以内であることを意味する。適用直前の混合によって、早期硬化が防止され、低光沢二成分クリアコートの均一な適用が促進される。イソシアネート樹脂は、低光沢二成分クリアコート30が硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有するように、二成分ベース樹脂混合物全体の任意の質量%を構成することができる。一実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約20質量%〜約40質量%を構成する。別の実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約25質量%〜約35質量%を構成する。さらに別の実施態様において、イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約30.5質量%を構成する。
【0016】
二成分ベース樹脂混合物に加えて、低光沢二成分クリアコート30は、さらに、シリカベースの艶消剤を含む。一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、低光沢二成分クリアコート30の光沢を、硬化した場合に、22光沢単位〜34光沢単位の範囲内の60°光沢仕上げに低下させる任意のシリカベースの材料又はシリカベースの材料の組み合わせを含む。例えば、一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、任意の商業的に入手可能なシリカ、例えば、熱的に誘導されたシリカ(thermally derived silicas)、沈降シリカ、表面処理シリカ、ワックス処理されたアモルファスシリカ、有機処理されたアモルファスシリカ(organically treated amorphous silicas)、焼成表面変性シリカ(pyrogenic surface modified silicas)、疎水性シリカ、又はそれらの組み合わせなど(これらに限定されない)を含む。一つの代表的な実施態様において、シリカベースの艶消剤は焼成表面変性シリカを含む。低光沢二成分クリアコート30は、硬化した場合に、低光沢仕上げ(すなわち、22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げ)をもたらす任意の量のシリカベースの艶消し剤を含むことができる。例えば、一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部の量で存在する。別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約10質量部〜約15質量部の量で存在することができる。さらに別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.5質量部を構成するように加えられる。
【0017】
シリカベースの艶消剤は、様々な方法で低光沢二成分クリアコート30に組み込むことができる。一実施態様において、シリカベースの艶消剤は、ベース樹脂をイソシアネート樹脂と組み合わせる前(すなわち、二成分ベース樹脂混合物を形成する前)にベース樹脂と組み合わされる。別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、ベース樹脂及びイソシアネート樹脂を組み合わせた後(すなわち、二成分ベース樹脂混合物を形成した後)に、低光沢二成分クリアコート30に混合される。さらに別の実施態様において、シリカベースの艶消剤は、二成分ベース樹脂混合物を形成する際(すなわち、ベース樹脂及びイソシアネート樹脂を組み合わせる際)に、低光沢二成分クリアコート30に混合される。
【0018】
別の実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の1又は2以上の物理的特性を調節するために、低光沢二成分クリアコート30は、さらに、他の添加剤を含む。例えば、他の添加剤は、低光沢二成分クリアコート30の寿命、低光沢二成分クリアコート30の安定性、低光沢二成分クリアコート30の生産性、低光沢二成分クリアコートのコスト、及び/又は特定用途に対する低光沢二成分クリアコート30の適合性に影響を及ぼす他の特性に影響を及ぼしうる。他の添加剤としては、紫外線吸収剤、軟化剤、金属光沢向上剤、表面処理剤、又は低光沢二成分クリアコート30の1又は2以上の物理的特性に影響を及ぼす任意の他の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
さらに図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100は、さらに、低光沢二成分クリアコート30により風化、摩耗又は他の環境条件から保護されたベースコート20を含む。ベースコート20は、乗物の部品又は他の製品の上で使用するのに適する任意のペイント配合物を含むことができる。例えば、ベースコート20自体は、色、光沢、耐候性、耐久性、及び/又は特定用途に対するその潜在的寿命及び適合性に影響を及ぼす他の特性などの視覚的及び物理的特性を有することができる。一実施態様において、ベースコート20は、ベースコートの物理的及び/又は視覚的特性のうちの1又は2つ以上に個別的に影響を及ぼす様々な要素を含む任意のペイント配合物を含むことができる。例えば、一実施態様において、ベースコート20は、様々な樹脂及び/又は溶剤を含む。別の実施態様において、望ましい色又は外観を有するベースコート20を得るために、ベースコート20は、さらに、1又は2種以上の添加剤、例えば顔料及び/又は金属フレークを含む。さらに別の実施態様において、ベースコート20は、ベースコート20の寿命、ベースコート20の安定性、ベースコート20の生産性、ベースコート20のコスト、及び/又は特定用途に対するベースコート20の適合性に影響を及ぼす他の特性に影響を及ぼす他の成分を含む。
【0020】
さらに図1を参照すると、低光沢ツーコートペイントシステム100(低光沢二成分クリアコート30及びベースコート20を含む)は、乗物の部品10の上に適用されている。乗物の部品は、塗面を必要とする乗物のいかなる部分であってもよい。例えば、一実施態様において、乗物の部品10は、ドア、フード、トランク、又は乗物の他の外装部分を含む。従って、当該ペイントシステムは、乗物の部品10に、耐候性能及び耐久性とともに低光沢仕上げをもたらすことに注意すべきである。
【0021】
別の実施態様において、低光沢ツーコートペイントシステム100は、任意の他の製品に適用されてもよい。当該製品は、製作者によって機械加工、組み立て又は他の方法で作り出される任意の部品、コンポーネント、装置などを含んでもよい。製品としては、例えば、乗物アクセサリー、建設機械、玩具、模型、又は、低光沢二成分コーティングを適用できる任意の他の物品が挙げられる。
【0022】
次に、図1及び2を参照すると、ステップ210で乗物の部品10(又は任意の他の製品)の乗物表面11にベースコート20を適用することにより、低光沢ツーコートペイントシステム100が乗物の部品10に適用されている。ベースコート20を任意の方法で適用して、ベースコート20により乗物の部品10の乗物表面11を覆うことができる。例えば、ベースコート20は、スプレーガン、ブラシ、浸漬又は任意の類似の付着方法(単独又は併用)により乗物の表面11に適用できる。ステップ210において乗物の部品10の乗物表面11にベースコート20を適用後、ステップ220において乗物の部品10の乗物表面11上でベースコート20を硬化させる。硬化は、ベースコート20が重力、物理的接触などにより移動又は変形しないようにベースコート20を硬化させる任意の方法で構成される。一実施態様において、硬化は、標準大気条件で室温で行われる。代わりに、ベースコート20は、ステップ220において、制御された大気条件(例えば不活性雰囲気など)及び/又は他の環境促進要因(例えばファン又は送風機など)を用いて、乗物の部品10の乗物表面上で高温(例えば、加熱ランプなど)で硬化させてもよい。
【0023】
ステップ220において乗物の部品210の乗物表面11上のベースコートを硬化させた後、ステップ230においてベースコート20のベースコート表面21に低光沢二成分クリアコート30を適用する。ステップ210におけるベースコートの適用と同様に、低光沢二成分クリアコート30を、ベースコート20のベースコート表面21を低光沢二成分クリアコート30により覆う任意の方法、例えばスプレーガン、ブラシ、浸漬などにより適用することができる。さらに、低光沢二成分クリアコート30は、ベースコート20の厚さに対して任意の厚さで適用できる。例えば、低光沢二成分クリアコート30の層は、ベースコート20の層よりも薄い厚さ若しくは厚い厚さのものであっても、ベースコート20の層と実質的に同じ厚さであってもよい。ステップ230においてベースコート20のベースコート表面21に低光沢二成分クリアコート30を適用した後、ステップ240においてベースコート20のベースコート表面21上で低光沢二成分クリアコート30を硬化させる。ステップ220におけるベースコート20の硬化と同様に、低光沢二成分クリアコート30が重力、物理的接触などにより移動又は変形しないように低光沢二成分クリアコート30を硬化させる任意の方法を使用してステップ240において低光沢二成分クリアコート30を硬化させることができる。一実施態様において、ステップ240における低光沢二成分クリアコート30の硬化は、ステップ220においてベースコート20を硬化させるために用いられる硬化方法と同じ硬化方法から構成される。別の実施態様において、ステップ240における低光沢二成分クリアコート30の硬化は、ステップ220においてベースコートを硬化させるために用いられる硬化方法と異なる硬化方法をから構成される。
【0024】
乗物の部品10に低光沢ツーコートペイントシステム100を適用するために、適用方法200の全体を通じて任意の他のステップをさらに使用してもよいことも理解されるべきである。例えば、一実施態様において、ベースコート20の2つのコートは、低光沢二成分クリアコート30の適用前に乗物の部品10に適用される。別の実施態様において、低光沢二成分クリアコート30の2つのコートがベースコート20に適用される。さらに別の実施態様において、ベースコート20又は低光沢二成分クリアコート30を受容するように硬化した表面を清浄にする、乾燥させる又は他の方法で調整するさらなる表面処理ステップが使用される。
【実施例】
【0025】
低光沢二成分クリアコートを、光沢度、耐候性及び全体的な性能について調べた。二成分ベース樹脂混合物は、イソシアネート樹脂と、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂を含むベース樹脂とから構成されていた。ウレタン樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約27.8質量%の量の飽和線状ポリエステルウレタン樹脂を含んでいた。アクリル樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約41.7質量%を構成した。イソシアネート樹脂は、二成分ベース樹脂混合物の約30.5質量%を構成した。さらに、低光沢二成分クリアコートは、二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.49質量部のシリカベースの艶消剤を含んでいた。ベース樹脂をイソシアネート樹脂と混合する前にシリカベースの艶消剤をベース樹脂(すなわち、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物)に加えた。ベース樹脂(すなわち、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂)とシリカベースの艶消剤との混合物を、次に、低光沢二成分クリアコートの適用直前に、イソシアネート樹脂と混合した。
【0026】
初期60°光沢仕上げ(すなわち、「初期光沢」)は32.4光沢単位であると求められ、試料は、水中に10日間浸漬後に完全な接着性を有すること(すなわち、表面からのチッピング又は剥離がないこと)が判った。また、試料を、500メガジュール(MJ)のキセノン光源を含む促進耐候性試験機と、屋外実時間耐候性試験にかけた。ウェザリングシミュレーション及び試験の後に、最終60°光沢仕上げ(すなわち、「最終光沢」)を測定した。次に、最終光沢を初期光沢で割ることにより最終光沢保持率を各試料の耐候性能として求めた。
【0027】
633時間及び800時間の促進暴露後、試料を測定したところ最終光沢は30.0光沢単位であり、最終光沢保持率は92.6%と求められた。さらに、12ヶ月の実時間(すなわち、促進でもシミュレートでもない)屋外暴露後、試料を測定したところ最終光沢は29.0光沢単位であり、最終光沢保持率は89.5%と求められた。試料は、促進暴露後及び実時間暴露後の両方で、亀裂、剥離、又はいかなる他の接着性の不足の徴候も示さなかった。
【0028】
本明細書に記載した低光沢二成分クリアコートは、低光沢仕上げ耐候性向上のために乗物の部品又は他の製品上のベースコートに適用できることが理解されるであろう。二成分ベース樹脂混合物のベース樹脂にウレタン樹脂を組み込むことによって、分散剤、架橋剤及び/又は他の類似の添加剤を添加せずに、シリカベースの艶消剤は低光沢二成分クリアコート中に担持および分散される。さらに、低光沢二成分クリアコートを、混合前に2つの別々の成分(すなわちベース樹脂とイソシアネート樹脂)として供給することによって、個々の成分を早期硬化なしに保管することができ、ひいては適用した場合に性能の向上がもたらされる。さらに、本明細書に記載の低光沢二成分クリアコートは、当該コーティングが適用された乗物又は他の製品の外観にさらなる保護性及び耐久性を与えるとともに、低光沢仕上げを与える。
【0029】
「実質的に」及び「約」という語句は、本明細書において、定量的な比較、評価、測定又は他の表現に起因し得る不確かさの固有の程度を表すために使用する。また、これらの用語は、本明細書において、特許請求の範囲に記載の発明の基本的な機能の変化をもたらさずに、定量的表現が示したものから変わりうる程度を表すために使用する。
【0030】
特定の実施態様を本明細書において例示し説明したが、特許請求の範囲に記載の発明の精神及び範囲から離れずに、様々な他の変更及び改良を行うことができる。さらに、特許請求の範囲に記載の発明についての様々な特徴を明細書に記載したが、かかる特徴を組み合わせて使用する必要はない。従って、特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内に含まれるかかる変更及び改良の全てをカバーすることを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低光沢二成分クリアコートであって、
ウレタン樹脂を含むベース樹脂、
前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及び
シリカベースの艶消剤、
を含み、
前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢二成分クリアコート。
【請求項2】
前記ウレタン樹脂が飽和線状ポリエステルウレタンを含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項3】
前記シリカベースの艶消剤が、熱的に誘導されたシリカ、沈降シリカ、表面処理シリカ、ワックス処理されたアモルファスシリカ、有機処理されたアモルファスシリカ、熱分解的に表面変性されたシリカ、疎水性シリカ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項4】
前記シリカベースの艶消剤が熱分解的に表面変性されたシリカである、請求項3に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項5】
前記二成分ベース樹脂混合物が、当該二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.5質量部の熱分解的に表面変性されたシリカを含む、請求項3に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項6】
前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%〜約30質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項7】
前記二成分ベース樹脂混合物が約27.8質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項8】
前記ベース樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボンー途樹脂又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項9】
前記ベース樹脂がさらにアクリル樹脂を含み、前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%〜約45質量%のアクリル樹脂を含む、請求項6に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項10】
前記ベース樹脂がさらにアクリル樹脂を含み、前記二成分ベース樹脂混合物が約41.7質量%のアクリル樹脂を含む、請求項6に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項11】
前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%から約35質量%のイソシアネート樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項12】
前記二成分ベース樹脂混合物が約30.5質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項13】
低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法であって、
乗物の部品にベースコートを適用し、
前記乗物の部品上のベースコートを硬化させ、
前記ベースコートのベースコート表面に低光沢二成分クリアコートを適用し、
前記ベースコートのベースコート表面上の前記低光沢二成分クリアコートを硬化させること、
を含み、前記低光沢二成分クリアコートが、
ウレタン樹脂を含むベース樹脂、
前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及び
シリカベースの艶消剤、
を含み、
前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化後に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法。
【請求項14】
前記ウレタン樹脂は飽和線状ポリエステルウレタンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二成分ベース樹脂混合物は約25質量%〜約35質量%のウレタン樹脂を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項1】
低光沢二成分クリアコートであって、
ウレタン樹脂を含むベース樹脂、
前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及び
シリカベースの艶消剤、
を含み、
前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化した場合に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢二成分クリアコート。
【請求項2】
前記ウレタン樹脂が飽和線状ポリエステルウレタンを含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項3】
前記シリカベースの艶消剤が、熱的に誘導されたシリカ、沈降シリカ、表面処理シリカ、ワックス処理されたアモルファスシリカ、有機処理されたアモルファスシリカ、熱分解的に表面変性されたシリカ、疎水性シリカ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項4】
前記シリカベースの艶消剤が熱分解的に表面変性されたシリカである、請求項3に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項5】
前記二成分ベース樹脂混合物が、当該二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約12.5質量部の熱分解的に表面変性されたシリカを含む、請求項3に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項6】
前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%〜約30質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項7】
前記二成分ベース樹脂混合物が約27.8質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項8】
前記ベース樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボンー途樹脂又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項9】
前記ベース樹脂がさらにアクリル樹脂を含み、前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%〜約45質量%のアクリル樹脂を含む、請求項6に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項10】
前記ベース樹脂がさらにアクリル樹脂を含み、前記二成分ベース樹脂混合物が約41.7質量%のアクリル樹脂を含む、請求項6に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項11】
前記二成分ベース樹脂混合物が約25質量%から約35質量%のイソシアネート樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項12】
前記二成分ベース樹脂混合物が約30.5質量%のウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の低光沢二成分クリアコート。
【請求項13】
低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法であって、
乗物の部品にベースコートを適用し、
前記乗物の部品上のベースコートを硬化させ、
前記ベースコートのベースコート表面に低光沢二成分クリアコートを適用し、
前記ベースコートのベースコート表面上の前記低光沢二成分クリアコートを硬化させること、
を含み、前記低光沢二成分クリアコートが、
ウレタン樹脂を含むベース樹脂、
前記低光沢二成分クリアコートの適用直前に前記ベース樹脂と組み合わされて二成分ベース樹脂混合物を形成するイソシアネート樹脂、及び
シリカベースの艶消剤、
を含み、
前記二成分ベース樹脂混合物は約20質量%〜約40質量%のウレタン樹脂と約20質量%〜約40質量%のイソシアネート樹脂を含み、前記シリカベースの艶消剤は前記二成分ベース樹脂混合物100質量部当たり約5質量部〜約20質量部を構成し、前記低光沢二成分クリアコートは硬化後に22光沢単位〜34光沢単位の60°光沢仕上げを有する、低光沢ツーコートペイントシステムの適用方法。
【請求項14】
前記ウレタン樹脂は飽和線状ポリエステルウレタンを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二成分ベース樹脂混合物は約25質量%〜約35質量%のウレタン樹脂を含む、請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−97260(P2012−97260A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240427(P2011−240427)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(507342261)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (135)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(507342261)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (135)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】
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