説明

低背型コンタクト

【課題】端子自体に滑り止めを設けることにより端子を固定のためのハウジング部材を1枚とし、初期費用の安価なソケットを提供。
【解決手段】コンタクト本体1には端子基底部7より上下方向に突き出た二本の腕の先端部に設けた接点部6、さらに基底部にはゴムなどの材料で設けられた抜け止め部材3を固定する貫通穴8及び方向を定める回り止め部5が左右に設けられている。ハウジングには所定のピッチの碁盤目状の長穴、設置穴が設けられており、この設置穴には腕を通すための長穴部、抜け止めのためのスリット及びコンタクト本体が抜け落ちることを防止する上方移動制限壁を設ける。上記の二つの部材はコンタクト本体をハウジングの設置穴に下方向より押し込み、上方移動制限壁に抜け止め部材が位置あわせされ、スリットに回りとめ部が勘合するように組み込まれ、相互に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールグリッドタイプ、ランドグリッドタイプ、リードレスグリッドアレイタイプの外部端子を持った半導体の検査や実装用のソケットの端子、特に上下両方向から加圧する動作を行うソケットのコンタクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、碁盤の目状に出力端子が並んだ半導体の検査には一般的な内部にコイルスプリングを組み込んだコンタクトプローブ端子や一枚の金属導体から加工成型され側面からみて概略Cタイプのものが使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのためには次のような問題が有った。
(イ)従来のコンタクトプローブ端子は端子自体の構造が複雑なために製造が難しく低背型の要求には特に端子自体に価格的な課題を抱えていた。
(ロ)C型のタイプは形態的な理由で製造が容易で安価な端子ではあるが端子の姿勢の安定及び固定のためには絶縁物、通常はプラスチックス製で碁盤の目状の穴の開いた板形状のもので上下から挟み込む必要があった。しかしこの板状のプラスチックスは薄く、かつ多くの穴が開いているため微細なものとなり初期費用が高価となり、やはり価格的な課題を抱えていた。
(ハ)C形状タイプで端子の姿勢の安定及び固定のために一枚のプラスチックス部品に穴を開け、その穴に対し、一部寸法が大き目の部位をもつ端子を圧入することにより一つのプラスチックス部品にて構成することができるが、この場合端子が穴を削り、押し広げ、プラスチックスを変形させ固定させるため、端子の破損や変形が生じた場合の交換の際はプラスチックスの破損のため端子の保持能力が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
側面形状が概略C型の端子形状で2箇所の接点から一番遠くに位置する部位には前面及び背面に突き出るように設けたゴム等の抜け止めを組み込んだ低背型コンタクト。
【発明の効果】
【0005】
抜け止めとしてゴム等を用いているためすべりおちにくく二枚の板で上下方向から押さえる必要がなく、一枚の板に穴の開いた空間に安定的に設置することができる。
【0006】
一枚の板状固定部材に安定的に設置できるため初期費用を低く押さえることが可能である。
【0007】
抜け止めとしてゴムなどの弾性体を用いているため、設置穴への端子の設置の際は固定用のプラスチックス部品の磨耗や変形が少ないため端子の交換が多数回可能であり保持性能も維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
コンタクト本体(1)には端子基底部(7)より上下方向に突き出た二本の腕の先端部に設けた接点部(6)、さらに基底部(7)にはゴムなどの材料で設けられた抜け止め部材(3)を固定する貫通穴(8)及び方向を定める回り止め部(5)が左右に設けられている。コンタクト本体(1)を固定する部材であるハウジング(2)には所定のピッチの碁盤目状の長穴、設置穴(4)が設けられており、この設置穴(4)には腕を通すための長穴部(10)、抜け止めのためのスリット(11)及びコンタクト本体(1)が抜け落ちることを防止する上方移動制限壁(9)を設ける。
本発明は以上のような部材構成で使用の際は、
コンタクト本体(1)をハウジング(2)の設置穴(4)に下方向より押し込み、上方移動制限壁(9)に抜け止め部材(3)が位置あわせされ、スリット(11)に回りとめ部(5)が勘合するように組み込まれ、相互に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のコンタクトの斜視図である。
【図2】本発明のハウジングの断面斜視図である。
【図3】本発明の組み込まれ断面斜視図である。
【符号の説明】
【0010】
1.コンタクト本体
2.ハウジング
3.抜け止め部材
4.設置穴
5.回り止め部
6.接点部
7.端子基底部
8.貫通穴
9.上方移動制限壁
10.長穴部
11.スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(い)コンタクト本体(1)には端子基底部(7)より上下方向に突き出た二本の腕の先端部に設けた接点部(6)、さらに基底部(7)にはゴムなどの材料で設けられた抜け止め部材(3)を固定する貫通穴(8)及び方向を定める回り止め部(5)が左右に設けられている。
(ろ)ハウジング(2)には所定のピッチの碁盤目状の長穴、設置穴(4)が設けられており、この設置穴(4)には腕を通すための長穴部(10)、抜け止めのためのスリット(11)及びコンタクト本体(1)が抜け落ちることを防止する上方移動制限壁(9)を設ける。
(は)上記の二つの部材はコンタクト本体(1)をハウジング(2)の設置穴(4)に下方向より押し込み、上方移動制限壁(9)に抜け止め部材(3)が位置あわせされ、スリット(11)に回りとめ部(5)が勘合するように組み込まれ、相互に固定される。
以上の構成の低背型コンタクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−105736(P2013−105736A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260963(P2011−260963)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000103493)オータックス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】