説明

体内挿入デバイス

【課題】挿入部と生体組織との間に隙間を自ら確実に封止することができ、外部から隙間内に微生物などの入り込みを防止し、感染症や炎症の発生リスクを大幅に軽減することができる体内挿入デバイスを提供する。
【解決手段】体内挿入デバイス10の生体に挿入する挿入部13は、血液を毛細管現象により生体の皮膚側に導くと共に、流路を流れる血液中の血小板がその途上で凝固するようにした溝部20を外周面に有することを特徴とする。また、この溝部20に血小板惹起物質Bを留置してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入体を生体に挿入したときに挿入体と生体組織との間に生じる隙間を封止することができる体内挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、血管カテーテルあるいは硬膜外カテーテル等の各種カテーテルや、チューブあるいはカニューレなどの体内に挿入する長尺な各種医療用の挿入体(以下、「体内挿入デバイス」と総称)は、体内に挿入した部分と生体組織(例えば、体表面の皮膚、血管など)との間に隙間が生じることがある。この隙間内に細菌(例えば、皮膚に常在する細菌)や汚れなどの異物が入り込むと、感染症や炎症を引き起こすおそれがある。
【0003】
このような感染症や炎症を防止するため、従来から体内に挿入した挿入体あるいはその周辺部を上から覆うように粘着性フィルムドレッシングを貼付する処置(下記特許文献1参照)、抗菌性繊維から形成されたパッド(下記特許文献2参照)、あるいは抗菌剤放出用の重合体を含む弾性パッドにより挿入体あるいはその周辺部を覆うように貼付する処置(下記特許文献3参照)などが取られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−94299号
【特許文献2】特開2008−220633号
【特許文献3】特許第3046623号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなドレッシング剤やパッドを前記接触部あるいはその周辺部に貼付する処置は、感染症や炎症の予防に対して一定の効果を得ることができる。
【0006】
しかしながら、ドレッシング剤やパッドの貼付は、生体組織を上方から覆うだけの処置であるため、隙間を完全に封止することは難しい。また、パッドを貼着する場合、体内挿入デバイスの体内に挿入する部分(以下、挿入部)における外径をパッドに開設された開口の内径よりも小さくしなければならず、挿入部の外径あるいはパッド開口のサイズの選定が困難になることもあり、場合によっては、挿入部の全周あるいは全方位を確実に封止することができないという不具合もある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、挿入部と生体組織との間に生じる隙間を自ら確実に封止することができ、外部から隙間内に細菌や汚れなどの異物の入り込みを防止し、感染症や炎症の発生リスクを大幅に軽減することができる体内挿入デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明は、中空状をなし、生体内に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に設けられたハブ部と、を備える体内挿入デバイスであって、前記挿入部の外周表面に溝部を形成し、当該溝部内に血小板の活性化を誘導する物質(以下、血小板惹起物質と称する)が設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、挿入部の外周面に溝部を形成し、当該溝部内に血小板の活性化を誘導する物質が設けたので、前記挿入部の挿入により流出する血液を前記溝部の毛細管現象により体外方向へ導き、前記溝部を流れる血液中の血小板が前記活性化誘導物質により、その流路途上で凝固し、生じた血栓により、前記挿入部の外周面と前記生体との間の隙間を封止することになる。この結果、使用者は、挿入部を生体に挿入する手技を行うのみで、体内挿入デバイスが自ら挿入部と生体組織との隙間を封止し、別途感染症などの予防措置を行う必要がないので、手技の利便性が向上する。しかも、従来のように挿入部の外径あるいはパッド開口などのサイズ選定作業は全く不要となり、この点でも手技の利便性が向上する。
【0010】
請求項2の発明は、前記挿入部の先端から前記ハブ部近傍まで伸延する前記溝部を前記挿入部の外周面に形成したので、前記溝部は、例えば、血管に穿刺される部分から皮膚に埋没される部分まで存在することになり、前記挿入部の生体に対する挿入長さ如何に拘わらず、生体組織と挿入部との隙間を封止することができ、挿入手技の利便性が向上する。
【0011】
請求項3の発明は、前記溝部をハブ部の先端から5mm以上10mm以下の距離離れた位置より先端に向けて伸延するように形成したので、例えば、留置針のように、前記挿入部である外針をほぼハブ部近傍まで挿入する場合には、前記溝部は、血管に穿刺される部分から皮膚に埋没される部分まで存在し、皮膚から外部乃至外界に出る部分には溝部が存在しないことになり、皮膚部分に存在するコラーゲンにより血小板が活性化され、血栓を皮膚の部分で形成させることができる。
【0012】
請求項4の発明は、前記溝部を螺旋状に形成したので、溝部に沿って皮膚側に向かう血液の移動経路が直線状の溝部より長くなり、血小板が活性化されやすくなると共に、直線状の溝部より軸方向に移動する経路が長いだけに、血液の血栓形成位置をより精密にコントロールでき、しかも、前記溝部は前記挿入部の外周面を周回することになるので、前記隙間を全方位的に閉鎖することが可能となり、より感染症などの予防が確実なものとなる。また、前記溝部を円環状に形成すれば、前記螺旋状の場合と同様に、隙間を全方位的に閉鎖することが可能となる。
【0013】
請求項5の発明は、溝部が生体内から血液を毛細管現象により体外方向へと導く形状を有するものとしたので、挿入部を生体に挿入したときに、溝部自体が、速やかに血液を体外方向へ移動させ、血小板惹起物質により血小板を凝固させる機能を発揮し、これにより生じた血栓により挿入部と生体組織との間に生じる隙間を封止することができる。したがって、前記活性化誘導物質による血液凝固機能と、溝部自体による血栓形成機能が相乗的に作用し、より隙間の封止が速やかに行われる。
【0014】
請求項6の発明は、前記血小板惹起物質を特定の色で着色すれば、挿入手技を行う場合に、血小板惹起物質自体が一種の目安となり、目視により手技を円滑にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】留置針を示す概略正面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す要部概略斜視図である。
【図3】同実施形態の使用状態を示す概略図である。
【図4】同実施形態の要部断面図である。
【図5】同実施形態の溝部における拡大断面図である。
【図6】同実施形態の変形例を示す外針の斜視図である。
【図7】図6の7−7線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る挿入体の対象とされるものは、後に例示するように種々のものがあるが、本実施形態では、留置針について説明する。本実施形態の留置針10は、図1に示すように、外針部11と、内針部15とを有し、例えば、輸液などの動静脈留置用あるいは人工腎臓の動静脈瘻留置用として使用される。
【0018】
外針部11(通常、カテーテルと称される)は、図2に示すように、中空のハブ部(カテーテルハブ)12と、ハブ部12の近位端側に設けられた細径で中空をなす外針13(挿入部)とから構成されている。
【0019】
外針ハブ12の構成材料としては、透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されているものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0020】
外針13も、その全部または一部が内部の視認性を有しているのが好ましい。すなわち、外針13は、透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成されているのが好ましい。これにより、外針12が血管を確保した際、血液が後述する内針17を通って外針ハブ12に流入する現象(フラッシュバック)を目視で確認することができる。
【0021】
また、外針13の構成材料中には、例えば硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸ビスマス、タングステン酸のようなX線造影剤を配合したり、カドリニウム塩のようなMRI視認剤を配合し、造影機能を持たせることもできる。
【0022】
外針13の材質としては、例えば樹脂材料、特に、軟質樹脂材料が好適であり、その具体例としては、例えば、PTFE、ETFE、PFA等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
【0023】
内針部15は、図1に示すように、中央部分に設けられた内針ハブ16と、内針ハブ16の近位端側に設けられた内針17と、内針ハブ16の遠位端側に設けられたフィルタ18と、フィルタキャップ19と、から構成されている。内針ハブ16の材質としては、外針ハブ12と同質の材料を使用することが出来る。内針17の材質としては、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。
【0024】
なお、留置針10は、通常、外針13内に内針17を挿入した状態で、密閉ケース(不図示)内に収納され、保存される。
【0025】
留置針10を使用するに当たっては、次のように行う。まず、外針13に内針17が挿入された状態の留置針10を生体に穿刺する。そして、内針17のみを抜去することで、外針13を生体内に留置させ、その後、例えば、輸液を行う場合には、外針ハブ12に輸液チューブを連結することになる。
【0026】
このようにして生体に留置された外針13は、図3に示すように、生体と外針13との間にわずかな隙間Gが生じる。この隙間Gを塞ぐために、本実施形態では、ハブ部12から突出されている外針13の外周面に螺旋状の溝部20を形成し、この溝部20内に、血小板の活性化を誘導する物質である血小板惹起物質Bを留置している。
【0027】
さらに詳述する。溝部20は、血液を毛細管現象により生体の皮膚側に導くと共に、溝部20の流路を流れる血液中の血小板がその途上で凝固させ得るものであれば、どのような形状、軸線方向長さあるいは伸延状態であってもよいが、本実施形態の溝部20は、図2、3に示すように、螺旋状にしている。
【0028】
このように外針13の外周面に溝部20を形成すれば、外針13を生体に挿入したとき、血管から流出した血液の一部が溝部20内に入り、溝部20内を毛細管現象により体外方向へ移動し、生体の皮膚側に導くことができる。特に、溝部20を螺旋状に形成すれば、血液が溝部20に沿って皮膚側に向かって移動する移動経路が、直状の場合よりも長くなり、血小板の凝集や、後述する凝固因子による血小板の凝固が促進され、血栓Kが作られやすくなる。しかも、外針13の外周面を周回するように血栓Kが作られることになるので、隙間Gを全方位的に閉鎖することが可能となり、より感染症などの予防が確実なものとなる。
【0029】
ここにおいて、血小板は、凝固因子(フィブリノゲン、トロンビン、プロトロンビン、フォンビルブランドファクター、トロンボキサン、トロンボプラスチン、第五因子、第七因子、第八因子、第九因子、第十因子、第十一因子、第十二因子、プレカリクレイン、高分子キニノゲンなど)と呼ばれる一群のタンパク質により血栓Kを作るので、溝部20内の移動中に、生体に含まれている凝固因子と結合し、血栓を形成することになる。
【0030】
そして、溝部20内を移動中、血液中にある血小板は、凝集し凝固するが、血小板惹起物質Bの存在によってさらに血栓Kが生じやすくなる(図4参照)。
【0031】
血小板惹起物質Bとしては、血小板を活性化し、血栓Kを生じやすくする物質であればどのようなものであってもよいが、具体的には、例えば、コラーゲン、フィブリン、ADP,アラキド酸、トロンビン、セロトニン、プロタミン、カルシウム塩、RGDペプチド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル系樹脂やその陽イオン体および陰イオン体などがある。また、これらが練り込まれた樹脂であってもよい。なお、本明細書では、血小板惹起物質Bとは、当該物質のみでなく、樹脂に当該物質が含浸されたものなどを含むものとする。
【0032】
血小板惹起物質Bの「留置」とは、外針13の外周面に血小板惹起物質Bを塗布する場合、あるいは血小板惹起物質Bを直接若しくは間接的に設置したり取付ける場合を含むものである。
【0033】
外針13の溝部20に血小板惹起物質Bなどを留置するに当っては、溝部20の全体にわたってもよく、一部であってもよい。量的にも限定されるものではない。ただ、一部留置の場合には、留置位置を適宜選択することにより所望の位置乃至範囲に血栓を形成することが可能となり、手技の利便性から好ましいものとなる。
【0034】
血小板惹起物質Bの留置は、溝部20に沿って、少なくとも外針13の外周面を1周するように留置すれば、外針13と生体組織との間の隙間Gを、生じた血栓Kにより全方位的に閉鎖することが可能となり、感染症などの予防には好ましいものとなる。
【0035】
この結果、図4に示すように、隙間Gの内部と外部乃至外界との連通状態は、血栓Kにより遮断されることになり、外部から細菌などが生体組織内に入り込むことが防止され、隙間Gの内部や隙間Gの入口部分あるいはその周辺で生じる感染症などを確実に防止することができる。
【0036】
血小板惹起物質Bは、先端部を除き、ハブ部12の基部近傍までの適所に留置することが好ましい。外針13の先端部は、血管内まで挿入されるので、この先端部まで血小板惹起物質Bを留置すると、血管内で血栓Kが過剰形成する可能性がある。このため、本実施形態では、外針13の先端部を除いてハブ基部14までの所定位置に血小板惹起物質Bを留置すれば、血管内での血栓Kの過剰形成を抑制しつつ隙間Gを閉塞することができる。
【0037】
血小板惹起物質Bを溝部20内に留置するに当たっては、図5に示すように、塗布した血小板惹起物質Bの表面が溝部20の深さDより高くならないようにすることが好ましい。血小板惹起物質Bの表面が外針13の外周面以下であれば、外針13を生体に挿入するとき、摩擦抵抗が少なく、血小板惹起物質Bの剥がれもなく、スムーズに外針13を挿入できる。また、ここで形成された血栓Kも、溝部20の側壁などにより保持されることになり、留置された外針13が多少変位乃至移動しても、血栓Kが変位することによるシール性が損なわれることが少ない。
【0038】
一方、溝部20の形態に関しては、その断面形状を適宜選択すれば、血液の移動状態を調整し、血栓の形成に寄与させることができ、隙間Gの閉塞位置を制御することもできる。ただし、溝部20の断面形状は、血小板の大きさが約2〜5μmである点を考慮して設定しなければならない。
【0039】
溝部20は、図2,3に示すように、ハブ部12の先端から距離Lだけ離れた位置より先端に向けて伸延するように形成してもよい。溝部20を形成しない長さであるハブ部12の先端からの距離Lとしては、5mm以上であって10mm以下が好ましい。このようにハブ部12の先端から距離Lを設定して溝部20を形成すれば、留置針のように、外針13をほぼハブ部12近傍まで挿入する手技の場合、溝部20は、血管に穿刺される部分から皮膚に埋没される部分まで存在し、皮膚から外部乃至外界に出る部分には溝部が存在しないことになる。したがって、溝部20の終端部分で、皮膚に存在するコラーゲンにより血小板が活性化され、血栓を皮膚の部分で形成させることができる。
【0040】
ここにおいて、血小板は、一般的には、血管壁には付着しないが、生体組織、特に皮膚部分から露出したコラーゲン線維とはフォン・ウィルブランド因子を介して粘着することになるので、コラーゲン線維が存在する皮膚部分まで血液を導けば、隙間Gの、いわば入口部分を閉鎖することができることになる。
【0041】
この結果、外針13と生体組織との間の隙間Gは、皮膚部分で血栓により外部乃至外界から遮断されることになり、隙間Gの入口部分から内部全体が広範囲にわたって外部から遮断され、感染症などの予防が確実に行なわれることになる。
【0042】
血小板惹起物質Bを特定の色で着色すれば、挿入手技を行う場合に、血小板惹起物質自体が一種の目安となり、目視により手技を円滑にかつ確実に行うことができる。
【0043】
前述した留置針10を密閉ケース(不図示)内に収納するに当たり、密閉ケースの内部に乾燥剤あるいは脱酸素剤若しくはこれらと共にチェッカーを収納してもよい。このようにすれば、血小板惹起物質Bの変質を防止でき、長期にわたり保存できる。また、使用時においてもチェッカーを目視することにより使用の可否を判断でき、利便性が向上する。
【0044】
図6は変形例を示す外針の斜視図、図7は図6の7−7線に沿う断面図である。溝部20は、図6に示すように、外針13の先端からハブ基部14近傍まで直状に伸延するものであってもよい。ただし、直状の溝部20においても、図7に示す溝部20の深さDあるいは幅Wは、血小板の大きさを考慮して設定しなければならない。
【0045】
このように、溝部20を外針13の先端からハブ基部14近傍まで直状に伸延するように形成すれば、血液を直線的溝部20を通って速やかに移動させて血栓Kを作る場合には好ましいものとなる。勿論、直状の溝部20においても、ここに血小板惹起物質Bを留置すれば、より速やかに血液を移動させて血栓Kを作ることができる。
【0046】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、溝の本数は、1本のみであるが、複数本であってもよいことはいうまでもない。また、前述した実施形態は、挿入体として留置針の外針について説明したが、本発明は、これのみでなく、例えば、血管カテーテル、導尿カテーテル及び硬膜外カテーテル等の各種カテーテル、又は、留置針、ヒューバー針の挿入部、留置ドレーン、腹膜透析チューブ、あるいは生体埋め込み型医療機器のケーブル、さらには気管切開カニューレなどがある。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、挿入体を生体に挿入したときに挿入体と生体組織との間に生じる隙間を封止するカテーテルとして利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10…体内挿入デバイス(留置針)、
11…外針部(挿入体)、
12…ハブ部、
13…挿入部、
20…溝部、
B…血小板惹起物質、
G…隙間、
K…血栓。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状をなし、生体内に挿入される挿入部と、前記挿入部の基端側に設けられたハブ部と、を備える体内挿入デバイスであって、前記挿入部の外周表面に溝部を形成し、当該溝部内に血小板の活性化を誘導する物質を設けたことを特徴とする体内挿入デバイス。
【請求項2】
前記体内挿入デバイスは、前記溝部が前記挿入部の先端から前記ハブ部近傍まで伸延するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の体内挿入デバイス。
【請求項3】
前記溝部は、前記ハブ部の先端から5mm以上10mm以下の距離離れた位置より先端に向けて伸延するように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の体内挿入デバイス。
【請求項4】
前記溝部は、螺旋状若しくは円環状に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の体内挿入デバイス。
【請求項5】
前記溝部は、前記生体内から血液を毛細管現象により体外方向へと導くことを特徴とする請求項1に記載の体内挿入デバイス。
【請求項6】
前記血小板の活性化を誘導する物質は、特定の色で着色したことを特徴とする請求項1に記載の体内挿入デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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