作業機械のびびり防止装置
【課題】簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業を効率的に遂行可能にする。
【解決手段】びびり防止装置10は、スピンドル18とボーリングバー20とを取り付ける複数のボルト部材24a〜24dを備える。ボルト部材24a〜24dを構成する本体部内には、ダンパー室34が形成されるとともに、このダンパー室34内には、ワークWの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部36が移動可能に収容される。
【解決手段】びびり防止装置10は、スピンドル18とボーリングバー20とを取り付ける複数のボルト部材24a〜24dを備える。ボルト部材24a〜24dを構成する本体部内には、ダンパー室34が形成されるとともに、このダンパー室34内には、ワークWの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部36が移動可能に収容される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、加工工具を介してワークに加工処理を施すために、各種の工作機械が使用されている。例えば、ボーリング加工は、中ぐり用バイト(刃先)が設けられたボーリングツールを工作機械の回転主軸(スピンドル)に取り付け、前記ボーリングツールを高速で回転させながら下穴に沿って順次繰り出すことにより、その刃先加工径で所定の位置に高精度な孔部を加工するものである。
【0003】
通常、ボーリングバーは、いわゆる片持ち方式であり、例えば、コネクティングロッド等のワークの穴加工に使用されるため、比較的長尺で且つ細径に設定されている。加工されるワークをクランプする治具や加工穴の形状の干渉等が懸念されるからである。このため、切削抵抗によってボーリングバーに撓みが発生し易く、びびり(所謂、再生びびりを含む)となって加工に表れてしまう。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている防振ボーリングバーが知られている。この特許文献1では、ボーリングバーに中心盲穴を設け、この中心盲穴に管状磁石を摺動可能に挿入するとともに、前記管状磁石の中心に所定の隙間で且つ互いに反発する関係の棒状磁石を封入するいわゆる、ダイナミックダンパーを備えることを特徴としている。
【0005】
【特許文献1】 特開平3−86404号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1の防振ボーリングバーを、図11に示すように、中仕上げ工程と仕上げ工程とを連続して行うボーリングバー1に適用すると、このボーリングバー1には、例えば、2つの中仕上げ刃2a、2bと仕上げ刃3とが所定角度ずつ離間して取り付けられる。そして、ボーリングバー1には、中心盲穴4が形成されるとともに、前記中心盲穴4内にフリクションダンパー5が摺動可能に収容される。
【0007】
上記の構成では、例えば、仕上げ刃3の径調整を行うために、ボーリングバー1全体を前記仕上げ刃3の方(矢印S方向)に動かせると、フリクションダンパー5も矢印S方向にわずかに移動する。従って、フリクションダンパー5は、ボーリングバー1の中心位置からずれるため、遠心力が働いて矢印S方向に向かって内径穴に押し付けられる。
【0008】
この状態では、矢印B方向の振動に対してフリクションダンパー5が作用するものの、矢印C方向に対して前記フリクションダンパー5が働かない。これにより、フリクションダンパー5は、特定の方向の振動吸収機能を持つだけであり、汎用性に劣るという問題がある。
【0009】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能な作業機械のびびり防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置に関するものである。このびびり防止装置は、加工工具を主軸側に取り付けるために、前記主軸の軸方向に平行な軸線を有する複数のボルト部材を備えている。
【0011】
ボルト部材は、主軸側にねじ込まれるねじ部を有する本体部と、前記本体部内に形成されるダンパー室と、前記ダンパー室内に移動可能に収容されるとともに、ワークの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部とを備えている。
【0012】
また、ボルト部材の頭部側には、ダンパー室を閉塞するためのキャップ部が取り付けられるとともに、前記ダンパー室内には、フリクションダンパー部を振動可能にする間隙が形成されることが好ましい。
【0013】
さらに、フリクションダンパー部は、キャップ部に吸着されるマグネットを有することが好ましい。
【0014】
さらにまた、マグネットは、重りに固着されるとともに、前記重りは、ダンパー室内に軸方向及び前記軸方向に交差する方向に振動可能に収容されることが好ましい。
【0015】
また、ボルト部材は、主軸の回転軸を中心にする同心円上に3以上設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る作業機械のびびり防止装置では、加工工具を主軸側に取り付けるためのボルト部材内に、フリクションダンパー部が移動可能に収容されている。このため、加工工具の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができる。これにより、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置10が組み込まれる工作機械12の要部説明図である。
【0018】
この工作機械12は、ケーシング14内にベアリング16を介して回転可能に設けられるスピンドル(主軸)18と、前記スピンドル18に着脱自在なボーリングバー(加工工具)20とを備え、前記ボーリングバー20の先端に中ぐり用バイト22が装着されている。
【0019】
びびり防止装置10は、ボーリングバー20をスピンドル18に取り付けるために、前記スピンドル18の軸方向(矢印A方向)に平行な軸線を有する複数、例えば、4つのボルト部材24a〜24dを備える。スピンドル18には、回転軸を中心とする同心円上に所定角度ずつ離間して4つのねじ穴26が形成されるとともに、ボーリングバー20には、前記ねじ穴26と同軸的に4つの段付き孔部28が設けられる。
【0020】
図2及び図3に示すように、ボルト部材24a〜24dは、スピンドル18のねじ穴26にねじ込まれるねじ部30を有する本体部32を備える。本体部32内には、ダンパー室34が形成されるとともに、このダンパー室34内には、ワークWの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部36が移動可能に収容される。ボルト部材24a〜24dの頭部(例えば、六角ボルトに対応)側には、ダンパー室34を閉塞するための磁性体であるキャップ部38が取り付けられる。
【0021】
フリクションダンパー部36は、キャップ部38に吸着されるフリクションダンパー用マグネット40と、このマグネット40を固着する重り42とを備える。マグネット40は、常に振動をすることになるので、このマグネット40の滑り面が摩耗や経年変化に対して強い高性能を有することが望ましい。マグネット40は、一般的なマグネット以外に、振動に対して強い、例えば、希土類マグネットが使用される。キャップ部38を構成しマグネット40が吸着配置されるキャップ内面38aは、前記マグネット40をスムーズに横滑りさせるために平滑面に構成される。
【0022】
ダンパー室34には、重り42を軸方向(矢印A方向)に振動(移動)可能にする隙間44aと、前記重り42を前記軸方向に交差する方向(矢印D方向)に振動(移動)可能にする隙間44bとが設けられる。
【0023】
このように構成される第1の実施形態に係るびびり防止装置10が組み込まれる工作機械12の動作について、以下に説明する。
【0024】
図1に示すように、ワークWがクランプ装置46にクランプ保持されており、工作機械12では、ボーリングバー20を取り付けたスピンドル18が回転駆動されるとともに、前記ワークWの下穴48に沿って繰り出される。そして、ボーリングバー20がワークWの下穴48側に相対的に移動する。このため、ボーリングバー20が回転し、このボーリングバー20に装着された中ぐり用バイト22を介して下穴48を構成する内壁面48aにボーリング加工が施される。
【0025】
その際、びびり防止装置10では、図4に示すように、ボーリングバー20の取り付けボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜24dの遠心力は、それぞれ外周方向に働いている。このため、各ボルト部材24a〜24dにおける振動抑制効果のある方向は、前記ボルト部材24a〜24dの折れ矢印で示すようにそれぞれ直角方向に向かっている。
【0026】
すなわち、ボルト部材24aと24cとは、矢印Eの方向の振動に対して働き、ボルト部材24bと24dとは、矢印Fの方向の振動に対して働き、さらに矢印R方向の振動に対しては、全てのボルト部材24a〜24dが働くように機能する。
【0027】
このように、複数のボルト部材24a〜24dをラジアル状に配することにより、ボーリングバー20が回転をしても、前記ボルト部材24a〜24dの少なくともいずれかの振動によって抑制効果を保持することができる。従って、ボーリングバー20の振動する力(運動エネルギー)は、各ボルト部材24a〜24dを構成するマグネット40の付着力による横滑りの摩擦エネルギーに変換消散されることになる。
【0028】
これにより、第1の実施形態では、新たにボーリングバー20に付与されるエネルギーが、マグネット40の摩擦力によって消費吸収されるため、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができる。
【0029】
しかも、第1の実施形態では、ボーリングバー20の取り付けボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜24dにフリクションダンパー部36が収容されている。このため、ボーリングバー20の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部36を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができる。従って、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能になるという効果が得られる。
【0030】
ここで、びびり防止装置10では、振動振幅が小さい間、フリクションダンパー部36が本体部32及びキャップ部38と一体に振動している。一方、振動振幅がある大きさ以上に達すると、フリクションダンパー部36に生じる慣性力が摩擦力より大きくなる。これにより、フリクションダンパー部36とキャップ部38との間で摩擦すべりが発生して振動エネルギーを吸収し、振動振幅がそれ以上大きくならず、自励振動(再生びびり)の抑制に効果を発揮する。
【0031】
なお、第1の実施形態に係るびびり防止装置10では、4つのボルト部材24a〜24dを備えているが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、同心円上に3つのボルト部材24a〜24cを所定角度ずつ離間して設けることができる。また、図示しないが、5つ以上のボルト部材を設けることにより、抑制効果を一層向上させることも可能である。
【0032】
さらに、六角ボルトに対応するボルト部材24a〜24dに代えて、図6に示すボルト部材90を用いることができる。なお、ボルト部材24a〜24dと同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0033】
ボルト部材90は、六角穴付きボルトに対応しており、ダンパー室34を閉塞するための磁性体であるキャップ部92には、六角穴94が形成される。このキャップ部92は、固定ピン96を介して本体部32に回り止めされる。
【0034】
このボルト部材90では、特に頭部が本体部32から外部に突出することがなく、図示しないワークや治具等に干渉することを阻止することができるという効果が得られる。
【0035】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置50の断面説明図である。なお、第1の実施形態に係るびびり防止装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0036】
びびり防止装置50は、複数のボルト部材52を備えるとともに、前記ボルト部材52を構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部54が移動可能に収容される。フリクションダンパー部54は、例えば、鋼材等の磁性体で構成される重り56と、前記重り56の表面から内方に配置されるマグネット58とを備える。
【0037】
このように構成される第2の実施形態では、マグネット58がキャップ部材38のキャップ内面38aに摺動することがなく、前記マグネット58の磨耗による消耗が惹起することを阻止することができる。しかも、重り56の材質は、比重が大きいほど、抑制消散エネルギ効果が大きく、鋼材の他、鉛、銅又は超硬等が好適に使用可能である。
【0038】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る工作機械60の要部説明図である。なお、第1の実施形態に係る工作機械12と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第4及び第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0039】
工作機構12は、スピンドル18に着脱自在なボーリングバー(加工工具)62を備える。このボーリングバー62の先端に中仕上げ用バイト64aが装着されるとともに、前記中仕上げ用バイト64aの後方には、仕上げ用バイト64bが装着されている。
【0040】
このように、ボーリングバー62では、中仕上げ用バイト64a及び仕上げ用バイト64bが装着されており、前記ボーリングバー62にびびり防止構造を設けることができない。
【0041】
そこで、第3の実施形態では、ボーリングバー62をスピンドル18に取り付けるためのボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜25dに、フリクションダンパー部36が収容されている。これにより、ボーリングバー62の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部36を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができ、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、工作機械12は、図8のように、水平姿勢で使用される他、下向きや上向け等、種々の加工姿勢で使用可能である。
【0043】
図9は、本発明の第4の実施形態に係るびびり防止装置70を組み込む工作機械72の要部説明図である。
【0044】
工作機械72は、下向きの加工姿勢で使用されるものであり、びびり防止装置70は、例えば、4つのボルト部材74a〜74dを備える。ボルト部材74a〜74dを構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部76が移動可能に収容されるとともに、前記フリクションダンパー部76は、重りだけで構成される。
【0045】
このように構成される第4の実施形態では、フリクションダンパー部(重り)76がキャップ内面38aに、直接、摺動自在に載置されており、前記フリクションダンパー部76自体の質量及び重力によってすべり摩擦力が発生する。従って、第4の実施形態では、マグネットを用いることがなく、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0046】
図10は、本発明の第5の実施形態に係るびびり防止装置80を組み込む工作機械82の要部説明図である。
【0047】
工作機械82は、上向きの加工姿勢で使用されるものであり、びびり防止装置80は、例えば、4つのボルト部材84a〜84dを備える。ボルト部材84a〜84dを構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部86が移動可能に収容されるとともに、前記フリクションダンパー部86は、重りだけで構成される。ダンパー室34内には、フリクションダンパー部86を、直接、摺動自在に載置するためのスペーサ88を設けることが好ましい。平滑な滑り面を形成するためである。
【0048】
このように構成される第5の実施形態では、フリクションダンパー部(重り)86がスペーサ88に直接載置されており、前記フリクションダンパー部86自体の質量及び重力によってすべり摩擦力が発生する。これにより、第5の実施形態では、マグネットを用いることがなく、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0049】
なお、上記の第4及び第5の実施形態では、フリクションダンパー部76、86が、重りだけで構成されているが、これに限定されるものではなく、逆に前記フリクションダンパー部76、86をマグネットのみで構成することができる。その際、フリクションダンパー部76、86は、できる限り比重の大きなマグネットで構成することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置が組み込まれる工作機械の要部説明図である。
【図2】 前記びびり防止装置を構成するボルト部材の斜視説明図である。
【図3】 前記ボルト部材の一部断面説明図である。
【図4】 前記びびり防止装置の作用説明図である。
【図5】 前記ボルト部材が3つの場合の作用説明図である。
【図6】 六角穴付きボルトに対応するボルト部材の一部断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置の断面説明図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態に係る工作機械の要部説明図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態に係る工作機械の要部説明図である。
【図10】 本発明の第5の実施形態に係る工作機械60の要部説明図である。
【図11】 特許文献1のボーリングバーの説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10、50、70,80…びびり防止装置
12、60、72、82…工作機械 18…スピンドル
20、62…ボーリングバー 22、64a、64b…バイト
24a〜24d、74a〜74d、84a〜84d、90…ボルト部材
30…ねじ部 32…本体部
34…ダンパー室 36、54、76,86…フリクションダンパー部
38、92…キャップ部 40…マグネット
42…重り 88…スペーサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、加工工具を介してワークに加工処理を施すために、各種の工作機械が使用されている。例えば、ボーリング加工は、中ぐり用バイト(刃先)が設けられたボーリングツールを工作機械の回転主軸(スピンドル)に取り付け、前記ボーリングツールを高速で回転させながら下穴に沿って順次繰り出すことにより、その刃先加工径で所定の位置に高精度な孔部を加工するものである。
【0003】
通常、ボーリングバーは、いわゆる片持ち方式であり、例えば、コネクティングロッド等のワークの穴加工に使用されるため、比較的長尺で且つ細径に設定されている。加工されるワークをクランプする治具や加工穴の形状の干渉等が懸念されるからである。このため、切削抵抗によってボーリングバーに撓みが発生し易く、びびり(所謂、再生びびりを含む)となって加工に表れてしまう。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている防振ボーリングバーが知られている。この特許文献1では、ボーリングバーに中心盲穴を設け、この中心盲穴に管状磁石を摺動可能に挿入するとともに、前記管状磁石の中心に所定の隙間で且つ互いに反発する関係の棒状磁石を封入するいわゆる、ダイナミックダンパーを備えることを特徴としている。
【0005】
【特許文献1】 特開平3−86404号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1の防振ボーリングバーを、図11に示すように、中仕上げ工程と仕上げ工程とを連続して行うボーリングバー1に適用すると、このボーリングバー1には、例えば、2つの中仕上げ刃2a、2bと仕上げ刃3とが所定角度ずつ離間して取り付けられる。そして、ボーリングバー1には、中心盲穴4が形成されるとともに、前記中心盲穴4内にフリクションダンパー5が摺動可能に収容される。
【0007】
上記の構成では、例えば、仕上げ刃3の径調整を行うために、ボーリングバー1全体を前記仕上げ刃3の方(矢印S方向)に動かせると、フリクションダンパー5も矢印S方向にわずかに移動する。従って、フリクションダンパー5は、ボーリングバー1の中心位置からずれるため、遠心力が働いて矢印S方向に向かって内径穴に押し付けられる。
【0008】
この状態では、矢印B方向の振動に対してフリクションダンパー5が作用するものの、矢印C方向に対して前記フリクションダンパー5が働かない。これにより、フリクションダンパー5は、特定の方向の振動吸収機能を持つだけであり、汎用性に劣るという問題がある。
【0009】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能な作業機械のびびり防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置に関するものである。このびびり防止装置は、加工工具を主軸側に取り付けるために、前記主軸の軸方向に平行な軸線を有する複数のボルト部材を備えている。
【0011】
ボルト部材は、主軸側にねじ込まれるねじ部を有する本体部と、前記本体部内に形成されるダンパー室と、前記ダンパー室内に移動可能に収容されるとともに、ワークの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部とを備えている。
【0012】
また、ボルト部材の頭部側には、ダンパー室を閉塞するためのキャップ部が取り付けられるとともに、前記ダンパー室内には、フリクションダンパー部を振動可能にする間隙が形成されることが好ましい。
【0013】
さらに、フリクションダンパー部は、キャップ部に吸着されるマグネットを有することが好ましい。
【0014】
さらにまた、マグネットは、重りに固着されるとともに、前記重りは、ダンパー室内に軸方向及び前記軸方向に交差する方向に振動可能に収容されることが好ましい。
【0015】
また、ボルト部材は、主軸の回転軸を中心にする同心円上に3以上設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る作業機械のびびり防止装置では、加工工具を主軸側に取り付けるためのボルト部材内に、フリクションダンパー部が移動可能に収容されている。このため、加工工具の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができる。これにより、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置10が組み込まれる工作機械12の要部説明図である。
【0018】
この工作機械12は、ケーシング14内にベアリング16を介して回転可能に設けられるスピンドル(主軸)18と、前記スピンドル18に着脱自在なボーリングバー(加工工具)20とを備え、前記ボーリングバー20の先端に中ぐり用バイト22が装着されている。
【0019】
びびり防止装置10は、ボーリングバー20をスピンドル18に取り付けるために、前記スピンドル18の軸方向(矢印A方向)に平行な軸線を有する複数、例えば、4つのボルト部材24a〜24dを備える。スピンドル18には、回転軸を中心とする同心円上に所定角度ずつ離間して4つのねじ穴26が形成されるとともに、ボーリングバー20には、前記ねじ穴26と同軸的に4つの段付き孔部28が設けられる。
【0020】
図2及び図3に示すように、ボルト部材24a〜24dは、スピンドル18のねじ穴26にねじ込まれるねじ部30を有する本体部32を備える。本体部32内には、ダンパー室34が形成されるとともに、このダンパー室34内には、ワークWの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部36が移動可能に収容される。ボルト部材24a〜24dの頭部(例えば、六角ボルトに対応)側には、ダンパー室34を閉塞するための磁性体であるキャップ部38が取り付けられる。
【0021】
フリクションダンパー部36は、キャップ部38に吸着されるフリクションダンパー用マグネット40と、このマグネット40を固着する重り42とを備える。マグネット40は、常に振動をすることになるので、このマグネット40の滑り面が摩耗や経年変化に対して強い高性能を有することが望ましい。マグネット40は、一般的なマグネット以外に、振動に対して強い、例えば、希土類マグネットが使用される。キャップ部38を構成しマグネット40が吸着配置されるキャップ内面38aは、前記マグネット40をスムーズに横滑りさせるために平滑面に構成される。
【0022】
ダンパー室34には、重り42を軸方向(矢印A方向)に振動(移動)可能にする隙間44aと、前記重り42を前記軸方向に交差する方向(矢印D方向)に振動(移動)可能にする隙間44bとが設けられる。
【0023】
このように構成される第1の実施形態に係るびびり防止装置10が組み込まれる工作機械12の動作について、以下に説明する。
【0024】
図1に示すように、ワークWがクランプ装置46にクランプ保持されており、工作機械12では、ボーリングバー20を取り付けたスピンドル18が回転駆動されるとともに、前記ワークWの下穴48に沿って繰り出される。そして、ボーリングバー20がワークWの下穴48側に相対的に移動する。このため、ボーリングバー20が回転し、このボーリングバー20に装着された中ぐり用バイト22を介して下穴48を構成する内壁面48aにボーリング加工が施される。
【0025】
その際、びびり防止装置10では、図4に示すように、ボーリングバー20の取り付けボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜24dの遠心力は、それぞれ外周方向に働いている。このため、各ボルト部材24a〜24dにおける振動抑制効果のある方向は、前記ボルト部材24a〜24dの折れ矢印で示すようにそれぞれ直角方向に向かっている。
【0026】
すなわち、ボルト部材24aと24cとは、矢印Eの方向の振動に対して働き、ボルト部材24bと24dとは、矢印Fの方向の振動に対して働き、さらに矢印R方向の振動に対しては、全てのボルト部材24a〜24dが働くように機能する。
【0027】
このように、複数のボルト部材24a〜24dをラジアル状に配することにより、ボーリングバー20が回転をしても、前記ボルト部材24a〜24dの少なくともいずれかの振動によって抑制効果を保持することができる。従って、ボーリングバー20の振動する力(運動エネルギー)は、各ボルト部材24a〜24dを構成するマグネット40の付着力による横滑りの摩擦エネルギーに変換消散されることになる。
【0028】
これにより、第1の実施形態では、新たにボーリングバー20に付与されるエネルギーが、マグネット40の摩擦力によって消費吸収されるため、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができる。
【0029】
しかも、第1の実施形態では、ボーリングバー20の取り付けボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜24dにフリクションダンパー部36が収容されている。このため、ボーリングバー20の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部36を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができる。従って、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能になるという効果が得られる。
【0030】
ここで、びびり防止装置10では、振動振幅が小さい間、フリクションダンパー部36が本体部32及びキャップ部38と一体に振動している。一方、振動振幅がある大きさ以上に達すると、フリクションダンパー部36に生じる慣性力が摩擦力より大きくなる。これにより、フリクションダンパー部36とキャップ部38との間で摩擦すべりが発生して振動エネルギーを吸収し、振動振幅がそれ以上大きくならず、自励振動(再生びびり)の抑制に効果を発揮する。
【0031】
なお、第1の実施形態に係るびびり防止装置10では、4つのボルト部材24a〜24dを備えているが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、同心円上に3つのボルト部材24a〜24cを所定角度ずつ離間して設けることができる。また、図示しないが、5つ以上のボルト部材を設けることにより、抑制効果を一層向上させることも可能である。
【0032】
さらに、六角ボルトに対応するボルト部材24a〜24dに代えて、図6に示すボルト部材90を用いることができる。なお、ボルト部材24a〜24dと同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0033】
ボルト部材90は、六角穴付きボルトに対応しており、ダンパー室34を閉塞するための磁性体であるキャップ部92には、六角穴94が形成される。このキャップ部92は、固定ピン96を介して本体部32に回り止めされる。
【0034】
このボルト部材90では、特に頭部が本体部32から外部に突出することがなく、図示しないワークや治具等に干渉することを阻止することができるという効果が得られる。
【0035】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置50の断面説明図である。なお、第1の実施形態に係るびびり防止装置10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0036】
びびり防止装置50は、複数のボルト部材52を備えるとともに、前記ボルト部材52を構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部54が移動可能に収容される。フリクションダンパー部54は、例えば、鋼材等の磁性体で構成される重り56と、前記重り56の表面から内方に配置されるマグネット58とを備える。
【0037】
このように構成される第2の実施形態では、マグネット58がキャップ部材38のキャップ内面38aに摺動することがなく、前記マグネット58の磨耗による消耗が惹起することを阻止することができる。しかも、重り56の材質は、比重が大きいほど、抑制消散エネルギ効果が大きく、鋼材の他、鉛、銅又は超硬等が好適に使用可能である。
【0038】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る工作機械60の要部説明図である。なお、第1の実施形態に係る工作機械12と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第4及び第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0039】
工作機構12は、スピンドル18に着脱自在なボーリングバー(加工工具)62を備える。このボーリングバー62の先端に中仕上げ用バイト64aが装着されるとともに、前記中仕上げ用バイト64aの後方には、仕上げ用バイト64bが装着されている。
【0040】
このように、ボーリングバー62では、中仕上げ用バイト64a及び仕上げ用バイト64bが装着されており、前記ボーリングバー62にびびり防止構造を設けることができない。
【0041】
そこで、第3の実施形態では、ボーリングバー62をスピンドル18に取り付けるためのボルトとしての機能を有するボルト部材24a〜25dに、フリクションダンパー部36が収容されている。これにより、ボーリングバー62の形状等に影響されることがなく、フリクションダンパー部36を所望の配置状態及び数で容易に組み込むことができ、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、工作機械12は、図8のように、水平姿勢で使用される他、下向きや上向け等、種々の加工姿勢で使用可能である。
【0043】
図9は、本発明の第4の実施形態に係るびびり防止装置70を組み込む工作機械72の要部説明図である。
【0044】
工作機械72は、下向きの加工姿勢で使用されるものであり、びびり防止装置70は、例えば、4つのボルト部材74a〜74dを備える。ボルト部材74a〜74dを構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部76が移動可能に収容されるとともに、前記フリクションダンパー部76は、重りだけで構成される。
【0045】
このように構成される第4の実施形態では、フリクションダンパー部(重り)76がキャップ内面38aに、直接、摺動自在に載置されており、前記フリクションダンパー部76自体の質量及び重力によってすべり摩擦力が発生する。従って、第4の実施形態では、マグネットを用いることがなく、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0046】
図10は、本発明の第5の実施形態に係るびびり防止装置80を組み込む工作機械82の要部説明図である。
【0047】
工作機械82は、上向きの加工姿勢で使用されるものであり、びびり防止装置80は、例えば、4つのボルト部材84a〜84dを備える。ボルト部材84a〜84dを構成するダンパー室34内には、フリクションダンパー部86が移動可能に収容されるとともに、前記フリクションダンパー部86は、重りだけで構成される。ダンパー室34内には、フリクションダンパー部86を、直接、摺動自在に載置するためのスペーサ88を設けることが好ましい。平滑な滑り面を形成するためである。
【0048】
このように構成される第5の実施形態では、フリクションダンパー部(重り)86がスペーサ88に直接載置されており、前記フリクションダンパー部86自体の質量及び重力によってすべり摩擦力が発生する。これにより、第5の実施形態では、マグネットを用いることがなく、上記の第1〜第4の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
【0049】
なお、上記の第4及び第5の実施形態では、フリクションダンパー部76、86が、重りだけで構成されているが、これに限定されるものではなく、逆に前記フリクションダンパー部76、86をマグネットのみで構成することができる。その際、フリクションダンパー部76、86は、できる限り比重の大きなマグネットで構成することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置が組み込まれる工作機械の要部説明図である。
【図2】 前記びびり防止装置を構成するボルト部材の斜視説明図である。
【図3】 前記ボルト部材の一部断面説明図である。
【図4】 前記びびり防止装置の作用説明図である。
【図5】 前記ボルト部材が3つの場合の作用説明図である。
【図6】 六角穴付きボルトに対応するボルト部材の一部断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態に係る作業機械のびびり防止装置の断面説明図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態に係る工作機械の要部説明図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態に係る工作機械の要部説明図である。
【図10】 本発明の第5の実施形態に係る工作機械60の要部説明図である。
【図11】 特許文献1のボーリングバーの説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10、50、70,80…びびり防止装置
12、60、72、82…工作機械 18…スピンドル
20、62…ボーリングバー 22、64a、64b…バイト
24a〜24d、74a〜74d、84a〜84d、90…ボルト部材
30…ねじ部 32…本体部
34…ダンパー室 36、54、76,86…フリクションダンパー部
38、92…キャップ部 40…マグネット
42…重り 88…スペーサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置であって、
前記加工工具を主軸側に取り付けるために、前記主軸の軸方向に平行な軸線を有する複数のボルト部材を備え、
前記ボルト部材は、前記主軸側にねじ込まれるねじ部を有する本体部と、
前記本体部内に形成されるダンパー室と、
前記ダンパー室内に移動可能に収容されるとともに、前記ワークの加工時に前記びびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部と、
を備えることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項2】
請求項1記載のびびり防止装置において、前記ボルト部材の頭部側には、前記ダンパー室を閉塞するためのキャップ部が取り付けられるとともに、
前記ダンパー室内には、前記フリクションダンパー部を振動可能にする間隙が形成されることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項3】
請求項2記載のびびり防止装置において、前記フリクションダンパー部は、前記キャップ部に吸着されるマグネットを有することを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項4】
請求項3記載のびびり防止装置において、前記マグネットは、重りに固着されるとともに、
前記重りは、前記ダンパー室内に前記軸方向及び前記軸方向に交差する方向に振動可能に収容されることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のびびり防止装置において、前記ボルト部材は、前記主軸の回転軸を中心にする同心円上に3以上設けられることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項1】
加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止装置であって、
前記加工工具を主軸側に取り付けるために、前記主軸の軸方向に平行な軸線を有する複数のボルト部材を備え、
前記ボルト部材は、前記主軸側にねじ込まれるねじ部を有する本体部と、
前記本体部内に形成されるダンパー室と、
前記ダンパー室内に移動可能に収容されるとともに、前記ワークの加工時に前記びびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー部と、
を備えることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項2】
請求項1記載のびびり防止装置において、前記ボルト部材の頭部側には、前記ダンパー室を閉塞するためのキャップ部が取り付けられるとともに、
前記ダンパー室内には、前記フリクションダンパー部を振動可能にする間隙が形成されることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項3】
請求項2記載のびびり防止装置において、前記フリクションダンパー部は、前記キャップ部に吸着されるマグネットを有することを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項4】
請求項3記載のびびり防止装置において、前記マグネットは、重りに固着されるとともに、
前記重りは、前記ダンパー室内に前記軸方向及び前記軸方向に交差する方向に振動可能に収容されることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のびびり防止装置において、前記ボルト部材は、前記主軸の回転軸を中心にする同心円上に3以上設けられることを特徴とする作業機械のびびり防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−210088(P2007−210088A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64858(P2006−64858)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000102865)エヌティーエンジニアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000102865)エヌティーエンジニアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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