説明

作業機械のダクト配設構造

【課題】熱暑時等における作業に際して、運転シートに座ったオペレータに対する快適な空調を実現させることができる作業機械のダクト配設構造の提供。
【解決手段】本発明は、油圧ショベルの運転室4内に配置させた空調装置13と、この空調装置13で生成させた風、例えば冷風を導くダクト28と、このダクト28に接続され、運転シート11に座ったオペレータ10に対して、ダクト28によって導かれた冷風を吹き出す吹き出し口を備えたものにあって、上記吹き出し口が、運転シート11に座ったオペレータ10の上半身10bに向かって、ダクト28によって導かれた冷風を吹き出す上半身用吹き出し口31と、運転シート11に座ったオペレータ10の膝下部分10cに向かって、ダクト28によって導かれた冷風を吹き出す膝下用吹き出し口32とを含む構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に備えられ、運転シートに座ったオペレータに対して、空調装置で生成した風を吹き出す吹き出し口を有する作業機械のダクト配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のダクト配設構造の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、運転室内に配置された空調装置と、この空調装置で生成させた風を導くダクトと、このダクトに接続され、運転シートに座ったオペレータに対して風を吹き出す吹き出し口とを有している。この吹き出し口は、運転シートの後部上方に向かって風を吹き出す吹き出し口と、前面ガラスに向かって風を吹き出す吹き出し口と、運転シートに座ったオペレータの顔面あるいは上半身に向かって風を吹き出す吹き出し口と、運転シートの床に沿って、あるいは運転シートに座ったオペレータの足元付近に風を吹き出す吹き出し口とから成っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−175156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術にあっては、空調装置で生成させた冷風をダクトによって導き、その冷風を運転シートに座ったオペレータに向かって吹き出させる場合に不具合を生じていた。すなわち従来技術では、運転シートに座ったオペレータの膝下の脚部に対しては冷風が与えられず、熱暑における作業時等においてオペレータに不快感を与えやすかった。これに伴って、当該作業機械に備えられる作業装置で実施される作業の能率の低下を招く懸念があった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、熱暑時等における作業に際して、運転シートに座ったオペレータに対する快適な空調を実現させることができる作業機械のダクト配設構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、作業装置と、この作業装置が取り付けられる車体と、この車体上に設けられる運転室と、この運転室内に配置される運転シートとを有する作業機械に備えられ、上記運転室内に配置された空調装置と、この空調装置で生成された風を導くダクトと、このダクトに接続され、上記運転シートに座ったオペレータに対して、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す吹き出し口とを有する作業機械のダクト配設構造において、上記吹き出し口が、上記運転シートに座った上記オペレータの上半身に向かって、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す上半身用吹き出し口と、上記運転シートに座った上記オペレータの膝下部分に向かって、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す膝下用吹き出し口とを含むことを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、空調装置で生成した風、例えば冷風をダクトによって導き、このように導かれた冷風を上半身用吹き出し口と膝下用吹き出し口の双方から運転シートに座ったオペレータに向かって吹き出させることができる。したがって、運転シートに座ったオペレータは、上半身とともに膝下部分にも冷風が与えられる。このようにして本発明は、熱暑時等における作業に際して、運転シートに座ったオペレータに対する快適な空調を実現させることができる。
【0008】
また本発明は、上記発明において、上記上半身用吹き出し口及び上記膝下用吹き出し口を、上記運転シートに座った上記オペレータの作業中に想定される視界限界から外れた位置であって、上記運転シートの右前の上記運転室内の右前隅部付近に配置したことを特徴としている。
【0009】
このように構成した本発明は、当該作業機械の作業装置によって実施される作業中に、上半身用吹き出し口と膝下用吹き出し口が、運転シートに座ったオペレータの視界に入らず、これによって円滑な作業を実施することができる。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記吹き出し口が、上記運転シートに座った上記オペレータの顔面に向かって、上記ダクトに導かれた風を吹き出す顔面用吹き出し口を含み、上記顔面用吹き出し口が設けられた右前カバーと、この右前カバーに連設され、上記上半身用吹き出し口と上記膝下用吹き出し口を形成させる補助カバーとを備え、これらの右前カバーと補助カバーを上記運転室内の右前隅部付近に配置し、上記補助カバーを上記視界限界に近い側に位置させ、上記右前カバーを上記視界限界から遠い側に位置させたことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、運転シートに座ったオペレータの顔面にもダクトによって導かれた風、例えば冷風を与えることができる。すなわち、運転シートに座ったオペレータの全身に対してダクトによって導かれた冷風を与えることができる。また、顔面用吹き出し口が設けられた右前カバーと、上半身用吹き出し口及び膝下用吹き出し口が設けられた補助カバーとを連設させて運転室内の右前隅部付近に配置したことから、運転シートの右前部分に、空調装置で生成した冷風を導くダクトが露出せず、優れた美観を確保することができる。
【0012】
また本発明は、上記発明において、上記補助カバー内に、上記上半身用吹き出し口が設けられる第1グリルと、この第1グリルよりも下方に配置され、上記膝下用吹き出し口が設けられる第2グリルと、これらの第1グリルと第2グリルに、上記ダクトによって導かれた風を導くと共に、上記右前カバーの側面に形成された穴に挿入される円筒部とを収納させ、上記第1グリルと上記第2グリルと上記円筒部とを一体に設けたことを特徴としている。
【0013】
このように構成した本発明は、上半身用吹き出し口が設けられる第1グリルと、膝下用吹き出し口が設けられる第2グリルと、右前カバーの穴に挿入される円筒部とを一体に設けたことから、運転室内の右前隅部付近に上半身用吹き出し口と膝下用吹き出し口を配置する際の組み込み作業を比較的容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、空調装置で生成され、ダクトによって導かれた冷風を、運転シートに座ったオペレータに向かって吹き出す吹き出し口が、運転シートに座ったオペレータの上半身に向かって冷風を吹き出す上半身用吹き出し口と、運転シートに座ったオペレータの膝下に向かって冷風を吹き出す膝下用吹き出し口とを含む構成にしてある。これにより、運転シートに座ったオペレータの上半身とともに、従来与えられていなかった膝下部分へも冷風を与えることができる。すなわち、当該作業機械に備えられた作業装置で実施される熱暑時等における作業に際して、運転シートに座ったオペレータに対する快適な空調を実現させることができ、熱暑時等における作業の能率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のダクト配設構造の一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】図1に示す油圧ショベルに備えられる運転室を模式的に示した側面図である。
【図3】図1に示す油圧ショベルに備えられる運転室を模式的に示した平面図である。
【図4】本実施形態に係るダクト配設構造の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る作業機械のダクト配設構造の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明のダクト配設構造の一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【0018】
この図に示すように、油圧ショベルは、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2とを備えている。これらの走行体1と旋回体2とによって当該油圧ショベルの車体が構成されている。旋回体2には、土砂の掘削作業等を行う作業装置3を取り付けてある。この作業装置3は、旋回体2に上下方向の回動可能に取り付けられるブーム3aと、このブーム3aの先端に上下方向の回動可能に取り付けられるアーム3bと、このアーム3bの先端に上下方向の回動可能に取り付けられるバケット3cとを含んでいる。旋回体2の前側位置には運転室4を配置してあり、後側位置には重量バランスを確保するカウンタウエイト5を配置してある。旋回体2上の運転室4とカウンタウエイト5との間には、エンジン及び油圧ポンプ等が収容されるエンジン室6を配置してある。
【0019】
図2,3は図1に示す油圧ショベルに備えられる運転室を模式的に示した図で、図2は側面図、図3は平面図である。
【0020】
運転室4内には、オペレータ10が座る運転シート11を配置してあり、運転シート11の両脇には、作業装置3を操作する操作レバー17,18を保持するコンソール19,20を配置してある。また、運転シート11の前方の床上には、走行体1を走行させる走行ペダル21,22、及びフットレスト23,24を配置してある。
【0021】
運転シート11の後側に位置する運転室4内には、リアカバー12が配置され、このリアカバー12内の下方位置には空調装置13を収納してある。リアカバー12の上面には、空調装置13で生成した風、例えば冷風を運転室4の天井方向に向かって吹き出す吹き出し口14,15,16を形成してある。
【0022】
本実施形態は、図3に示すように、空調装置13に接続され、運転室4の床の右側隅部に沿って延設されるダクト28を備えている。また図2に示すように、空調装置13で生成され、ダクト28によって導かれた風、例えば冷風を、運転シート11に座ったオペレータ10に対して吹き出す吹き出し口を備えている。
【0023】
この吹き出し口は、図2の矢印26aで示すように、運転シート11に座ったオペレータ10の顔面10aに向かって、ダクト28によって導かれた冷風を吹き出す顔面用吹き出し口26を含んでいる。この顔面用吹き出し口26は、例えば鉛直軸を中心にして回動可能に設けてある。寒冷時等にあって運転室4の前面ガラスに霜が付着した場合などには、この顔面用吹き出し口26を運転室4の前面ガラスに向けるように回動させて、温風を吹き出すことにより前面ガラスに付着した霜を除去することができる。すなわち、この顔面用吹き出し口26は、デフロスターも兼ねている。
【0024】
また本実施形態は、ダクト28に接続される別の吹き出し口として、運転シート11に座ったオペレータ10の上半身10bに向かって、ダクト28によって導かれた冷風を図2の矢印31aで示すように吹き出す上半身用吹き出し口31と、運転シート11に座ったオペレータ10の膝下部分10cに向かって、ダクト28によって導かれた冷風を図2の矢印32a、及び図3の領域32bで示すように吹き出す膝下用吹き出し口32とを備えている。
【0025】
図2,3に示すように、顔面用吹き出し口26と、上半身用吹き出し口31及び膝下用吹き出し口32とは、運転シート11に座ったオペレータ10の作業中に想定される視界限界、すなわちアイポイント33から外れた位置であって、運転シート11の右前の運転室4内の右前隅部34付近に配置してある。
【0026】
また本実施形態は、図2,3に示すように、顔面用吹き出し口26と、各種作業関連情報等が表示されるモニタ27とが上面に設けられた右前カバー25と、この右前カバー25に連設され、上半身用吹き出し口31と膝下用吹き出し口32を形成させる補助カバー30とを備えている。これらの右前カバー25と補助カバー30を、図3に示すように、運転室4内の右前隅部34付近に配置し、補助カバー30を視界限界すなわちアイポイント33に近い側に位置させ、右前カバー25をアイポイント33から遠い側に位置させてある。また、図2に示すように、例えば補助カバー30の高さ寸法を、右前カバー25の高さ寸法よりも低い寸法に設定してある。
【0027】
補助カバー30内には、図4に示すように、上半身用吹き出し口31が設けられる第1グリル38と、この第1グリル38よりも下方に配置され、膝下用吹き出し口32が設けられる第2グリル42と、これらの第1グリル38と第2グリル42に、上述したダクト28によって導かれた冷風を導くとともに、右前カバー25のアイポイント33側の側面に形成された図示しない穴に挿入される円筒部43とを収納させてある。第1グリル38と第2グリル42と円筒部43とは一体に設けてある。
【0028】
同図4に示すように、第1グリル38は、円筒部43に接続され、上半身用吹き出し口31を有する第1グリルケース35と、この第1グリルケース35に保持されて上半身用吹き出し口31に配置され、縦方向に複数配列されて図示しないリンク機構を介し上下方向、及び左右方向に回動可能な第1フィン36と、これらの第1フィン36のうちの所定のフィンに固定され、複数の第1フィン36を上下方向、及び左右方向に回動させる1つの第1摘み37とを有している。
【0029】
同様に、第2グリル42も、円筒部43に接続され、膝下用吹き出し口32を有する第2グリルケース39と、この第2グリルケース39に保持されて膝下用吹き出し口32に配置され、縦方向に複数配列されて図示しないリンク機構を介し上下方向、及び左右方向に回動可能な第2フィン40と、これらの第2フィン40のうちの所定のフィンに固定され、複数の第2フィン40を上下方向、及び左右方向に回動させる1つの第2摘み41とを有している。
【0030】
同図4に示すように、第2グリル42の第2グリルケース39は、例えば第1グリル38の第1グリルケース35の長さ寸法よりも短い寸法に、また、第1グリルケース35の幅寸法よりも大きな幅寸法に設定してある。このように第1グリル38と第2グリル42の形状を設定したことにより、例えば第1グリル38の上半身用吹き出し口31から吹き出される風量と、第2グリル42の膝下用吹き出し口32から吹き出される風量とは略同等の風量となっている。
【0031】
このように構成した本実施形態は、空調装置13で生成した風、例えば冷風がダクト28によって導かれ、右前カバー25の上面の顔面用吹き出し口26から吹き出された冷風が、運転シート11に座ったオペレータ10の顔面10aに与えられる。また、上述のようにダクト28によって導かれ、図4に示す円筒部43から第1グリル38に導かれ、上半身用吹き出し口31から吹き出された冷風が、図2の矢印31aに示すように、運転シート11に座ったオペレータ10の上半身10bに与えられる。また、上述のようにダクト28によって導かれ、図4に示す円筒部43から第2グリル42に導かれ、膝下用吹き出し口32から吹き出された冷風が、図2の矢印32a、及び図3の領域32bに示すように、運転シート11に座ったオペレータ10の膝下部分10cに与えられる。
【0032】
したがって、運転シート11に座ったオペレータ10には、顔面10aを含む上半身10b、及び膝下部分10cの全身に空調装置13で生成した冷風が与えられる。すなわち本実施形態は、当該油圧ショベルの作業装置3で実施される熱暑時等における作業に際して、運転シート11に座ったオペレータ10に対する快適な空調を実現させることができ、熱暑時等における作業の能率を向上させることができる。
【0033】
また本実施形態は、顔面用吹き出し口26が設けられた右前カバー25と、上半身吹き出し口31及び膝下用吹き出し口32が設けられた補助カバー30とを、運転室4内の右前隅部34のオペレータ10の作業時に想定される視界限界すなわちアイポイント30から外れた位置に配置してある。この構成により、油圧ショベルの作業装置3によって実施される作業中に、顔面用吹き出し口26と、上半身用吹き出し口31及び膝下用吹き出し口32とが、運転シート11に座ったオペレータ10の視界に入らず、円滑な作業を実施することができる。これにより、作業能率の向上に貢献する。
【0034】
また本実施形態は、顔面用吹き出し口26が設けられる右前カバー25と、上半身用吹き出し口31及び膝下用吹き出し口32が設けられる補助カバー30とを運転室4内の右前隅部34に連設させて配置したことから、運転シート11の右前方部分に空調装置13で生成した冷風を導くダクトが露出せず、優れた美観を確保することができる。
【0035】
また本実施形態は、補助カバー30内に、上半身用吹き出し口31が設けられる第1グリル38と、膝下用吹き出し口32が設けられる第2グリル42と、これらの第1,第2グリル38,42に接続されるとともに、ダクト28に接続される円筒部43とを一体に設けた構成にしてある。これにより、運転室4の右前隅部34に、上半身用吹き出し口31と膝下用吹き出し口32を配置する際の組み込み作業を比較的容易に行うことができる。
【0036】
また本実施形態は、運転シート11に座ったオペレータ10が、第1グリル38の第1摘み37を把持して複数の第1フィン36を上下方向、あるいは左右方向に動かすことにより、また、第2グリル42の第2摘み41を把持して複数の第2フィン40を上下方向、あるいは左右方向に動かすことにより、運転シート11に座ったオペレータ10の望むように吹き出される冷風の向きを調整することができる。
【0037】
また本実施形態は、右前カバー25に比べて補助カバー30の高さ寸法を低く設定してあることから、運転シート11に座ったオペレータ10の視界に与える悪影響をより確実に防ぐことができる。
【0038】
なお本実施形態は、油圧ショベルであることを考慮して顔面用吹出口26を設けた右前カバー25を備えているが、例えば油圧ショベルとは異なる作業機械などにあっては、顔面用吹き出し口26を有する右前カバー25を備えずに、上半身用吹き出し口31及び膝下用吹き出し口32を有する補助カバー30だけを設けた構成とすることもできる。
【0039】
また上記実施形態では、補助カバー30内に収容される第2グリル42の第2グリルケース39の長さ寸法を第1グリル38の第1グリルケース35の長さ寸法に比べて短く設定してあるが、膝下用吹き出し口32から吹き出させる風量を大きくしたい場合には、第2グリルケース39の長さ寸法を例えば第1グリルケース35の長さ寸法と同程度に長く設定すればよい。また、上記実施形態では、第1グリル38の第1グリルケース35の幅寸法を第2グリル42の第2グリルケース39の幅寸法よりも小さく設定してあるが、上半身用吹き出し口31から吹き出させる風量を大きくした場合には、第1グリルケース35の幅寸法を例えば第2グリルケース39の幅寸法と同程度に大きく設定すればよい。
【0040】
また上記実施形態では、熱暑時等における作業を考慮して、空調装置13で冷風を生成させ、顔面用吹き出し口26、上半身用吹き出し口31、及び膝下用吹き出し口32から冷風を吹き出させるようにしてあるが、寒冷地で作業が行われる場合などにあっては、空調装置13で温風を生成させ、顔面用吹き出し口26、上半身用吹き出し口31、及び膝下用吹き出し口32から温風を吹き出させるようにしてよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0041】
1 走行体
2 旋回体
3 作業装置
4 運転室
10 オペレータ
10a 顔面
10b 上半身
10c 膝下部分
11 運転シート
13 空調装置
25 右前カバー
26 顔面用吹き出し口
28 ダクト
30 補助カバー
31 上半身用吹き出し口
32 膝下用吹き出し口
33 アイポイント(視界限界)
34 右前隅部
35 第1グリルケース
36 第1フィン
37 第1摘み
38 第1グリル
39 第2グリルケース
40 第2フィン
41 第2摘み
42 第2グリル
43 円筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置と、この作業装置が取り付けられる車体と、この車体上に設けられる運転室と、この運転室内に配置される運転シートとを有する作業機械に備えられ、
上記運転室内に配置された空調装置と、この空調装置で生成された風を導くダクトと、このダクトに接続され、上記運転シートに座ったオペレータに対して、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す吹き出し口とを有する作業機械のダクト配設構造において、
上記吹き出し口が、上記運転シートに座った上記オペレータの上半身に向かって、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す上半身用吹き出し口と、上記運転シートに座った上記オペレータの膝下部分に向かって、上記ダクトによって導かれた風を吹き出す膝下用吹き出し口とを含むことを特徴とする作業機械のダクト配設構造。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械のダクト配設構造において、
上記上半身用吹き出し口及び上記膝下用吹き出し口を、上記運転シートに座った上記オペレータの作業中に想定される視界限界から外れた位置であって、上記運転シートの右前の上記運転室内の右前隅部付近に配置したことを特徴とする作業機械のダクト配設構造。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械のダクト配設構造において、
上記吹き出し口が、上記運転シートに座った上記オペレータの顔面に向かって、上記ダクトに導かれた風を吹き出す顔面用吹き出し口を含み、
上記顔面用吹き出し口が設けられた右前カバーと、この右前カバーに連設され、上記上半身用吹き出し口と上記膝下用吹き出し口を形成させる補助カバーとを備え、これらの右前カバーと補助カバーを上記運転室内の右前隅部付近に配置し、
上記補助カバーを上記視界限界に近い側に位置させ、上記右前カバーを上記視界限界から遠い側に位置させたことを特徴とする作業機械のダクト配設構造。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械のダクト配設構造において、
上記補助カバー内に、上記上半身用吹き出し口が設けられる第1グリルと、この第1グリルよりも下方に配置され、上記膝下用吹き出し口が設けられる第2グリルと、これらの第1グリルと第2グリルに、上記ダクトによって導かれた風を導くと共に、上記右前カバーの側面に形成された穴に挿入される円筒部とを収納させ、
上記第1グリルと上記第2グリルと上記円筒部とを一体に設けたことを特徴とする作業機械のダクト配設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154022(P2012−154022A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11069(P2011−11069)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】