作業機械
【課題】 掻出カッターフレームが、車両進行方向から投影した所定の範囲から作業者の意に反して逸脱しないように、掻出カッターフレームの姿勢を把握してその姿勢を所望に制御することで、掻出カッターフレームの不測の動きを防止し安全性を高めることができる作業機械を提供する。
【解決手段】 本発明は、枕木5を支持するバラストを掻出爪24を介して掻き出す掻出カッター23を支持する掻出カッターフレーム20を移動可能に支持している作業機械100であって、掻出カッターフレーム20を相対移動させる駆動アクチュエータ30、50、60、70の実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム20の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム20の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように、各駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする。
【解決手段】 本発明は、枕木5を支持するバラストを掻出爪24を介して掻き出す掻出カッター23を支持する掻出カッターフレーム20を移動可能に支持している作業機械100であって、掻出カッターフレーム20を相対移動させる駆動アクチュエータ30、50、60、70の実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム20の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム20の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように、各駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道道床において利用されるバラスト(砕石や砂利など)の回収や交換作業などに使用する作業機械(バラスト交換機)に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道道床においてはバラストが破砕されるなどして劣化するため、使用中のバラストを回収して新しいバラストに入れ替える作業などを行う必要がある。このようなバラストの回収作業を行うための機械(道床交換機やバラスト交換機などと称される)としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
このものは、作業車両に搭載されている掻出チェーン装置12の水平掻出部15をレールに平行な状態から、図11に示すように、枕木5の下側へ枕木5と平行な状態(レールとは略直交する方向)まで持ち来たし、かかる状態において掻出爪26を複数備えたチェーン体19を回転駆動することで、枕木5を下方から支持しているバラストを枕木5の下側から掻き出しつつ回収し、受けホッパ10を介してベルトコンベア6へ移載して外部へ搬出することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−30602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような作業車両の掻出装置は、アーチ状の掻出(掘削)カッターフレーム構造を有するため、掻出・回収作業やその準備を行っていないとき、例えば車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、当該掘削カッターフレームが、他の鉄道車両やトンネルその他の設備などと衝突などしないように、車両走行方向から投影したときに、所定の規制範囲内に収まるように掘削カッターフレームを格納することができるように設計される(図3参照)。
【0006】
しかし、バラストの掻出・回収作業やその準備を行っているときや、車両基地内での保守点検作業中などにおいては、掘削カッターフレームの一部は、前記規制範囲から逸脱した状態とされ得る。
【0007】
オペレータや工事管理者などは、常に掘削カッターフレームの状態を把握し、前記規制範囲から逸脱しないように常時管理することができれば、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいて、隣接線を走行する列車や作業車両などとの衝突などの危険を回避することは可能である。
【0008】
しかしながら、例えば不測の事態が発生して、オペレータや工事管理者などがその不測の事態に対応せざるを得ないような状況も想定されるため、何らかの方法により、掘削カッターフレームの一部が、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、前記規制範囲から逸脱しないようにすることが求められる。
【0009】
なお、掘削カッターフレームの動きをストッパなどを用いて機械的に規制することが想定されるが、掘削カッターフレームは複数の関節を有するアーム状の構造であるため、機械的に掘削カッターフレームの動きを規制する場合には、各関節の動きを規制する必要があるため、各関節に対してそれぞれストッパを人間が手作業でセットする必要があり、作業が煩雑となって錯誤などが生じるおそれが高く、信頼性を高めるためには人間が関わる作業はできるだけ少なくすべきである。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、アームや関節等を介して移動自在に作業機械に取り付けられている掻出カッターフレーム及びこれと連動される部材の少なくとも一部が、車両進行方向から投影した所定の範囲から作業者の意に反して逸脱しないように、掻出カッターフレーム及び連動部材の姿勢を把握してその姿勢を所望に制御することで、掻出カッターフレーム及び連動部材の不測の動きを防止し安全性を高めることができる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明に係る作業機械は、
鉄道道床においてレールが取り付けられる枕木を支持するバラストを回転駆動される掻出部を介して掻き出す掻出カッターを支持する掻出カッターフレームを、相対移動可能に支持している作業機械であって、
掻出カッターフレームを作業機械に対して相対移動させる駆動アクチュエータの実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が、レール長手方向から投影した所定の規制範囲から逸脱しないように、駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記所定の規制範囲は、隣接線を走行する車両と接触しない範囲であることを特徴とすることができる。
【0013】
本発明において、前記所定の規制範囲は、トンネル壁及び架線と接触しない範囲であることを特徴とすることができる。
【0014】
本発明において、バラスト掻出作業中においては、前記制御装置の高さ方向以外に対する制限を解除することを特徴とすることができる。
【0015】
本発明において、前記制御装置は、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータの駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを選択して、オペレータに報知することを特徴とすることができる。
【0016】
本発明においては、前記掻出カッターフレームの先端側の水平掻出部が、側方から枕木の下側に潜り込まされてバラストを掻き出すことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、アームや関節等を介して移動自在に作業機械に取り付けられている掻出カッターフレーム及びこれと連動される部材の少なくとも一部が、車両進行方向から投影した所定の範囲から作業者の意に反して逸脱しないように、掻出カッターフレーム及び連動部材の姿勢を把握してその姿勢を所望に制御することで、掻出カッターフレーム及び連動部材の不測の動きを防止して安全性を高めることができる作業機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る作業機械(バラスト交換機)の全体的な構成を示す全体構成図(側面図)である。
【図2】同上実施の形態に係る作業機械(バラスト交換機)を前方から見た正面図である。
【図3】同上実施の形態に係る所定の規制範囲を説明するための図(レール長手方向から見た図)である。
【図4】同上実施の形態に係る伸縮シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図5】同上実施の形態に係る起伏シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図6】同上実施の形態に係る水平シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図7】同上実施の形態に係る切込シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための上面図(作業車両上方から見た図)である。
【図8】同上実施の形態に係る作業現場への移動時や点検・整備時における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図9】同上実施の形態に係るバラスト掘削(掻出)作業実施の際における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図10】同上実施の形態に係る作業車両本体陸上移動の際における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図11】枕木の下のバラストを掻出・回収している様子を示した従来の作業機械(バラスト交換機)の正面図(レール長手方向から見た図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0020】
本発明の一実施の形態に係る作業機械100は、図1、図2に示すように、地上走行用クローラ(無限軌道)2と軌条走行用車輪3とを備えた作業車両であって、前部にバラスト掻出・回収装置10を備えている。
【0021】
バラスト掻出・回収装置10は、掻出(掘削)カッターフレーム20を備えて構成され、この掘削カッターフレーム20は、関節(枢軸)Aにより作業機械100に対して基端側が揺動自在に支持される伸縮シリンダ(例えば、油圧式往復動アクチュエータ。以下、同様)30の先端側に、関節(枢軸)Bを介して取り付けられるアーム40に、関節(枢軸)Cを介して揺動自在に支持されている。
【0022】
なお、関節(枢軸)A廻りの揺動は、起伏シリンダ50の伸縮によりなされるように構成され、関節(枢軸)B廻りの揺動は、水平シリンダ60の伸縮によりなされる構成となっている。また、関節(枢軸)C廻りの揺動は、切込シリンダ70の伸縮によりなされる構成となっている。
【0023】
このような構成の作業機械100は、掻出・回収作業においては、従来同様に、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の伸縮量を操作することで、図11に示したように、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを枕木5の下側に挿入して枕木5とほぼ平行に持ち来たして作業を行う。
【0024】
そして、掻出・回収作業は、このように掘削(掻出)カッターフレーム20の水平掻出部20Aを枕木5とほぼ平行に持ち来たした状態で、掻出爪(掻出部)24が取り付けられたエンドレスチェーン体23(掻出カッター)を回転駆動して、枕木5の下のバラストを掻出爪24により掻き出しつつカバーダクト21内に導き、受けホッパ22まで搬送し、受けホッパ22から、バラストを落下させ、長さ調整及び傾斜角度調節可能なベルトコンベア80にて搬送して回収するようになっている。
【0025】
一方、掻出・回収作業やその準備を行っていないとき、例えば車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、掘削カッターフレーム20が、他の車両やトンネルその他の設備などと接触などしないように、図1に示したように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の伸縮量を操作して、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aがレール4と平行となるように持ち来たされる。
【0026】
ここで、伸縮シリンダ30の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図4に示すように移動されるように構成されている。
【0027】
起伏シリンダ50の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図5に示すように、関節(枢軸)A廻りを揺動されるように構成されている。
【0028】
水平シリンダ60の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図6に示すように、関節(枢軸)B廻りを揺動されるように構成されている。
【0029】
そして、切込シリンダ70の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図7に示すように、関節(枢軸)C廻りを揺動されるように構成されている。
【0030】
掘削カッターフレーム20は、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいて、隣接線を走行する列車や作業車両などとの接触を回避するために、図3に示すように、車両進行方向(レール長手方向)から投影したときに、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10(掘削カッターフレーム20及び掘削カッターフレーム20と連動する部材)の少なくとも一部が、所定の規制範囲から逸脱しないようにすることが望まれる。
【0031】
ところで、オペレータが掘削カッターフレーム20の姿勢を変える場合、例えばリモコン操作(有線や無線など)により伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70を伸縮させることで掘削カッターフレーム20を移動させるが、そのようなマニュアル操作においては、オペレータは前記所定の規制範囲から逸脱していないかどうかを確認することができない。
【0032】
このため、本実施の形態では、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70には、それぞれのストロークを検出(取得)するためのストロークセンサがそれぞれ配設され、それぞれの検出信号が制御装置(図示せず)に入力されている。
【0033】
そして、本実施の形態に係る制御装置では、各ストロークセンサにより検出(取得)される伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70のそれぞれのストローク量(駆動量)に基づいて、掘削カッターフレーム20の姿勢(最外部の軌跡)を演算により求め、予め設定記憶されている所定の規制範囲から、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が逸脱していないか否かを判断するように構成されている。
【0034】
通常、所定の規制範囲から、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が逸脱しようとすると、安全確保のために、制御装置は、自動的に、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の動きを停止し、所定の規制範囲内へ戻る方向への動作のみ許容するような制御を行うようになっている。
【0035】
なお、掻出・回収作業やその準備を行っているときや、保守点検作業時などには、その作業に支障を来さないように、制御装置では、一時的に、上述したような安全確保のための自動制御を停止するようになっている。
【0036】
そして、上記作業が終了して掘削カッターフレーム20を所定の規制範囲内に収容させると、自動で制御装置による安全確保のための自動制御が復帰されるようになっている。
【0037】
なお、誤操作、錯誤、誤作動などによって、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲外へ逸脱してしまう危険をより確実に回避するために、以下のような制御を行わせることもできる。
【0038】
例えば、本実施の形態では、作業現場への移動時及び到着後の作業時や点検・整備時には、図8のフローチャートに示すような処理操作を行うようにすることができる。
すなわち、
ステップ(図では、Sと記す。以下、同様)1で、オペレータは、例えば基地内等に停留中の作業機械100を始動させると共に、バラスト交換機(バラスト掻出・回収装置)10の本体及び作業機械100に搭載されている車載発電機の電源スイッチをONにする。
【0039】
ステップ2では、制御装置は、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの作動を開始し、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0040】
ステップ3では、作業現場へ到着して作業を開始する場合や、点検・整備のために検収庫へ移動した後であるので、オペレータは掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を手作業により解除した後、オペレータの操作により、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70を動作させ、掘削カッターフレーム20を、図3の所定の規制範囲内において所望に移動させる。
【0041】
なお、ステップ4に示すように、オペレータは作業機械100の運転席から掘削カッターフレーム20の動作を操作することができると共に、ステップ5に示すようにラジオコントロールなどの遠隔操作により掘削カッターフレーム20の動作を操作することができる。
【0042】
ステップ6では、制御装置は、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内で移動していることを監視する。
【0043】
ステップ7では、オペレータによる操作中、制御装置は、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱するおそれがあると判断した場合、逸脱への影響度合いが高い作動中のシリンダを停止するための停止信号を、シリンダへ供給する油圧を制御するバルブコントローラへ発信する。
【0044】
なお、ステップ11に示すように、制御装置が掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱するおそれがあると判断しない限り、バルブコントローラへの停止信号は発信されず、オペレータの操作による掘削カッターフレーム20の動作が継続される。
【0045】
ステップ8では、バルブコントローラは、受信した停止信号を電気信号に変換して、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各油圧ラインに介装されている作動停止用ストップバルブに送信して、停止すべきシリンダの作動を停止制御する。なお、状況によっては、安全確保のために、すべてのシリンダの動作を停止するようにしてもよい。
【0046】
ステップ9では、制御装置では、掘削カッターフレーム20を安全な方向へ移動させるために必要なシリンダを選定して、それをオペレータに認知させ、オペレータは該当するシリンダを操作して、掘削カッターフレーム20の姿勢を安全な方向へ移動させる。
【0047】
ステップ10では、停止信号により停止された掘削カッターフレーム20を再び動作させるために、現在の掘削カッターフレーム20の姿勢を各シリンダのストロークセンサからの出力信号に基づき把握し、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しない範囲で作動を許容する。
【0048】
このように、本実施の形態では、制御装置が、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の動きを常に監視して、掘削カッターフレーム20の姿勢を常に制御するため、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱して危険な状態となる前に自己判断して防御することにより、作業における安全性が自動的に確保されることになると共に、作業機械100を移動させる場合にも人間による錯誤などを極力排除して自動的に掘削カッターフレーム20の姿勢を制御するため、安全性が自動的に確保されることになる。
【0049】
このため、本実施の形態によれば、熟練者でなくても、或いは錯誤などにより誤操作などがあっても、掘削カッターフレーム20を常に安全な姿勢に維持することができるため、安全性の高い作業機械を提供することができる。
【0050】
なお、本実施の形態に係る制御装置は、掻出カッターフレーム20及び該掘削カッターフレーム20と連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータを伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70から選択してその駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを残りの駆動アクチュエータから選択して、オペレータに報知するようにしたので、オペレータは熟練していなくても、容易かつ確実に、掻出カッターフレーム20及び該掘削カッターフレーム20と連動する部材を所定の範囲内に収める操作を行うことができるため、安全性の高い作業を提供することができる。
【0051】
更に、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)を行っている場合には、図9のフローチャートに示すような処理操作を行うようにすることができる。
【0052】
ステップ21では、バラスト掘削作業実施のため、作業機械100を留置基地から作業現場へ軌条走行して移動させる。
【0053】
この間、ステップ22にて、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムによる姿勢制御を実行し、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0054】
S23にて作業現場へ到着すると、その後は、ステップ24にて掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)をオペレータ等が手作業などによって解除する。なお、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)を行うためには、作業の特性上、掘削カッターフレーム20を所定の規制範囲外へ移動させる必要が生じる。
【0055】
ステップ25では、オペレータはラジオコントロールなどの遠隔操作により、掘削カッターフレーム20を掘削作業可能な姿勢に移動するために、作動制限自動システムの作動解除スイッチをオンする。これにより、作動制限自動システムの作動の一部(高さ方向以外)が解除される。なお、高さ方向への制限は、架線などとの接触を避けるために継続される。
【0056】
ステップ26では、掘削カッターフレーム20が規定高さ以上に上昇しないように、監視しながら、レール4と略平行に支持されている掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを、枕木5の下側に枕木5と略平行になるように持ち来たす。
【0057】
ステップ27にて、作業中においても、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視して安全を確保する。
【0058】
ステップ28では、作業終了後に、作業機械100を作業現場から停留先の基地へ回送するために、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを、枕木5の下側から所定の規制範囲内に移動させ、回送姿勢(図1の姿勢)に持ち来たす。
【0059】
ステップ29では、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内に収容され回送姿勢に、ある所定時間維持されると、ステップ25にて一時的に解除されていた作動制限自動システムが自動的に復帰され、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの姿勢制御が完全復帰して、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0060】
ステップ30では、オペレータ等は、掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を締結して留置基地へ回送移動する。
【0061】
一方、ステップ31では、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内に一旦収容されても、ある所定時間維持されず、掘削カッターフレーム20が再度所定の規制範囲外へ移動された場合には、ステップ25にて一時的に解除した状態が継続される。
但し、車速信号などに基づいて、所定車速以上となった場合には、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの姿勢制御を実行するように構成することもできる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、作業現場までのレール4上を移動中には、作動制限自動システムにより姿勢制御を実行して、掘削カッターフレーム20等が所定の規制範囲から逸脱しないようにして安全を確保する一方、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)時には、高さ方向の制限以外は解除して掘削カッターフレーム20によるバラストの掻出・回収作業を行わせるようにしたので、安全性と作業能率向上の両立を図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、作業機械100を地上走行用クローラ(無限軌道)2などにより陸上を移動させる場合には、レール4上を走行中のような隣接線を走行する鉄道車両等との接触などのおそれは少ないため、図10に示すフローチャートのような処理操作を行うようにすることができる。
【0064】
すなわち、ここでは、作業機械100をレール4から退避させて陸上を移動させる場合における掘削カッターフレーム20の姿勢制御について説明する。
例えば、基地内を地上走行用クローラ(無限軌道)により自走して移動する場合や、トレーラなどに積載して他の作業現場へ作業機械100を運搬するような場合が想定される。
【0065】
ステップ41では、例えば運転席(キャビン)に設置してある作動制限自動システムの全解除スイッチをオンする。
【0066】
ステップ42では、掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を解除する。
【0067】
なお、制御装置では、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークに基づいて、掘削カッターフレーム20の姿勢を常時監視しており、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲外で移動していることを認知しているが、全解除スイッチがオンとなっているので、バルブコントローラへの停止信号は発信されず、オペレータの操作による掘削カッターフレーム20の動作は継続される。
【0068】
ステップ43では、運転席(キャビン)での操作により、掘削カッターフレーム20及び前後の軌条走行用車輪3による走行から、地上走行用クローラ(無限軌道)2による走行姿勢に変更する。
【0069】
ステップ44では、運転席(キャビン)でのレバー操作などにより作業機械(作業車両)1本体を地上走行用クローラ(無限軌道)2により移動させる。
【0070】
以上で説明したように、本実施の形態によれば、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークをストロークセンサにより取得し、取得した各シリンダのストロークに基づいて、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の姿勢を常時監視し、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の作動を制限するようにしたので、掘削カッターフレーム20等が前記所定の規制範囲から逸脱して、他の列車や設備等と接触等することを確実に回避することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、掘削カッターフレーム20(を含むバラスト掻出・回収装置10)の姿勢を常時監視する構成としたので、単に各シリンダのストロークを監視してリミット制御を行わせるような場合に比べると、あるシリンダのストロークは比較的大きくても他のシリンダの動作によっては所定の規制範囲内に収まる状態などにおいては本実施の形態ではその状態は許容されることになるので、掘削カッターフレーム20の作動範囲を最大限広げながら、確実に所定の規制範囲からの逸脱を抑制することができることになる。
【0072】
このため、本実施の形態によれば、熟練者でなくても、或いは錯誤などにより誤操作などがあっても、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10を常に安全な姿勢に維持することができるため、安全性の高い作業機械を提供することができる。
【0073】
なお、機械式安全装置(メカニカルなストッパなど)を手作業により、掘削カッターフレーム20の動きを規制することと、本実施の形態に係る掘削カッターフレーム20の姿勢制御とを併用することで、一層の安全性が確保される。ただし、本実施の形態では、このような機械式安全装置(メカニカルなストッパなど)をセットし忘れたような場合でも、掘削カッターフレーム20の姿勢を自動的に制御できるので安全が確保されている。
【0074】
また、本実施の形態では、ストロークセンサを設ける構成としたが、例えば、関節部分については回転角度(揺動角度;駆動量)を検出するエンコーダなどを用いて関節の回転角度位置(駆動量)を取得して、これを利用して掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の姿勢を常時監視し、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように制御するような構成とすることもできる。
【0075】
ところで、本実施の形態では、油圧を利用したシリンダ(駆動アクチュエータ)を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電動モータを利用したものや、油圧以外の水圧、空気圧などの流体圧を利用したアクチュエータを採用することも可能である。
【0076】
以上で説明した一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0077】
2 地上走行用クローラ(無限軌道)
3 軌条走行用車輪
4 レール(軌条)
5 枕木
10 バラスト掻出・回収装置
20 掻出(掘削)カッターフレーム
20A 水平掻出部
21 カバーダクト
22 受けホッパ
23 エンドレスチェーン体
24 掻出爪
30 伸縮シリンダ(伸縮自在アーム;駆動アクチュエータ)
40 アーム
50 起伏シリンダ(駆動アクチュエータ)
60 水平シリンダ(駆動アクチュエータ)
70 切込シリンダ(駆動アクチュエータ)
80 ベルトコンベア
A,B,C 関節(枢軸)
100 作業機械(作業車両)
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道道床において利用されるバラスト(砕石や砂利など)の回収や交換作業などに使用する作業機械(バラスト交換機)に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道道床においてはバラストが破砕されるなどして劣化するため、使用中のバラストを回収して新しいバラストに入れ替える作業などを行う必要がある。このようなバラストの回収作業を行うための機械(道床交換機やバラスト交換機などと称される)としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
このものは、作業車両に搭載されている掻出チェーン装置12の水平掻出部15をレールに平行な状態から、図11に示すように、枕木5の下側へ枕木5と平行な状態(レールとは略直交する方向)まで持ち来たし、かかる状態において掻出爪26を複数備えたチェーン体19を回転駆動することで、枕木5を下方から支持しているバラストを枕木5の下側から掻き出しつつ回収し、受けホッパ10を介してベルトコンベア6へ移載して外部へ搬出することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−30602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような作業車両の掻出装置は、アーチ状の掻出(掘削)カッターフレーム構造を有するため、掻出・回収作業やその準備を行っていないとき、例えば車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、当該掘削カッターフレームが、他の鉄道車両やトンネルその他の設備などと衝突などしないように、車両走行方向から投影したときに、所定の規制範囲内に収まるように掘削カッターフレームを格納することができるように設計される(図3参照)。
【0006】
しかし、バラストの掻出・回収作業やその準備を行っているときや、車両基地内での保守点検作業中などにおいては、掘削カッターフレームの一部は、前記規制範囲から逸脱した状態とされ得る。
【0007】
オペレータや工事管理者などは、常に掘削カッターフレームの状態を把握し、前記規制範囲から逸脱しないように常時管理することができれば、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいて、隣接線を走行する列車や作業車両などとの衝突などの危険を回避することは可能である。
【0008】
しかしながら、例えば不測の事態が発生して、オペレータや工事管理者などがその不測の事態に対応せざるを得ないような状況も想定されるため、何らかの方法により、掘削カッターフレームの一部が、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、前記規制範囲から逸脱しないようにすることが求められる。
【0009】
なお、掘削カッターフレームの動きをストッパなどを用いて機械的に規制することが想定されるが、掘削カッターフレームは複数の関節を有するアーム状の構造であるため、機械的に掘削カッターフレームの動きを規制する場合には、各関節の動きを規制する必要があるため、各関節に対してそれぞれストッパを人間が手作業でセットする必要があり、作業が煩雑となって錯誤などが生じるおそれが高く、信頼性を高めるためには人間が関わる作業はできるだけ少なくすべきである。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、アームや関節等を介して移動自在に作業機械に取り付けられている掻出カッターフレーム及びこれと連動される部材の少なくとも一部が、車両進行方向から投影した所定の範囲から作業者の意に反して逸脱しないように、掻出カッターフレーム及び連動部材の姿勢を把握してその姿勢を所望に制御することで、掻出カッターフレーム及び連動部材の不測の動きを防止し安全性を高めることができる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明に係る作業機械は、
鉄道道床においてレールが取り付けられる枕木を支持するバラストを回転駆動される掻出部を介して掻き出す掻出カッターを支持する掻出カッターフレームを、相対移動可能に支持している作業機械であって、
掻出カッターフレームを作業機械に対して相対移動させる駆動アクチュエータの実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が、レール長手方向から投影した所定の規制範囲から逸脱しないように、駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記所定の規制範囲は、隣接線を走行する車両と接触しない範囲であることを特徴とすることができる。
【0013】
本発明において、前記所定の規制範囲は、トンネル壁及び架線と接触しない範囲であることを特徴とすることができる。
【0014】
本発明において、バラスト掻出作業中においては、前記制御装置の高さ方向以外に対する制限を解除することを特徴とすることができる。
【0015】
本発明において、前記制御装置は、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータの駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを選択して、オペレータに報知することを特徴とすることができる。
【0016】
本発明においては、前記掻出カッターフレームの先端側の水平掻出部が、側方から枕木の下側に潜り込まされてバラストを掻き出すことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、アームや関節等を介して移動自在に作業機械に取り付けられている掻出カッターフレーム及びこれと連動される部材の少なくとも一部が、車両進行方向から投影した所定の範囲から作業者の意に反して逸脱しないように、掻出カッターフレーム及び連動部材の姿勢を把握してその姿勢を所望に制御することで、掻出カッターフレーム及び連動部材の不測の動きを防止して安全性を高めることができる作業機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る作業機械(バラスト交換機)の全体的な構成を示す全体構成図(側面図)である。
【図2】同上実施の形態に係る作業機械(バラスト交換機)を前方から見た正面図である。
【図3】同上実施の形態に係る所定の規制範囲を説明するための図(レール長手方向から見た図)である。
【図4】同上実施の形態に係る伸縮シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図5】同上実施の形態に係る起伏シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図6】同上実施の形態に係る水平シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための正面図である。
【図7】同上実施の形態に係る切込シリンダのストローク(駆動)方向を説明するための上面図(作業車両上方から見た図)である。
【図8】同上実施の形態に係る作業現場への移動時や点検・整備時における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図9】同上実施の形態に係るバラスト掘削(掻出)作業実施の際における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図10】同上実施の形態に係る作業車両本体陸上移動の際における処理操作を説明するためのフローチャートである。
【図11】枕木の下のバラストを掻出・回収している様子を示した従来の作業機械(バラスト交換機)の正面図(レール長手方向から見た図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0020】
本発明の一実施の形態に係る作業機械100は、図1、図2に示すように、地上走行用クローラ(無限軌道)2と軌条走行用車輪3とを備えた作業車両であって、前部にバラスト掻出・回収装置10を備えている。
【0021】
バラスト掻出・回収装置10は、掻出(掘削)カッターフレーム20を備えて構成され、この掘削カッターフレーム20は、関節(枢軸)Aにより作業機械100に対して基端側が揺動自在に支持される伸縮シリンダ(例えば、油圧式往復動アクチュエータ。以下、同様)30の先端側に、関節(枢軸)Bを介して取り付けられるアーム40に、関節(枢軸)Cを介して揺動自在に支持されている。
【0022】
なお、関節(枢軸)A廻りの揺動は、起伏シリンダ50の伸縮によりなされるように構成され、関節(枢軸)B廻りの揺動は、水平シリンダ60の伸縮によりなされる構成となっている。また、関節(枢軸)C廻りの揺動は、切込シリンダ70の伸縮によりなされる構成となっている。
【0023】
このような構成の作業機械100は、掻出・回収作業においては、従来同様に、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の伸縮量を操作することで、図11に示したように、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを枕木5の下側に挿入して枕木5とほぼ平行に持ち来たして作業を行う。
【0024】
そして、掻出・回収作業は、このように掘削(掻出)カッターフレーム20の水平掻出部20Aを枕木5とほぼ平行に持ち来たした状態で、掻出爪(掻出部)24が取り付けられたエンドレスチェーン体23(掻出カッター)を回転駆動して、枕木5の下のバラストを掻出爪24により掻き出しつつカバーダクト21内に導き、受けホッパ22まで搬送し、受けホッパ22から、バラストを落下させ、長さ調整及び傾斜角度調節可能なベルトコンベア80にて搬送して回収するようになっている。
【0025】
一方、掻出・回収作業やその準備を行っていないとき、例えば車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいては、掘削カッターフレーム20が、他の車両やトンネルその他の設備などと接触などしないように、図1に示したように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の伸縮量を操作して、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aがレール4と平行となるように持ち来たされる。
【0026】
ここで、伸縮シリンダ30の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図4に示すように移動されるように構成されている。
【0027】
起伏シリンダ50の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図5に示すように、関節(枢軸)A廻りを揺動されるように構成されている。
【0028】
水平シリンダ60の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図6に示すように、関節(枢軸)B廻りを揺動されるように構成されている。
【0029】
そして、切込シリンダ70の伸縮動作により、掘削カッターフレーム20は、図7に示すように、関節(枢軸)C廻りを揺動されるように構成されている。
【0030】
掘削カッターフレーム20は、車両基地内での停留中や営業線内での移動中などにおいて、隣接線を走行する列車や作業車両などとの接触を回避するために、図3に示すように、車両進行方向(レール長手方向)から投影したときに、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10(掘削カッターフレーム20及び掘削カッターフレーム20と連動する部材)の少なくとも一部が、所定の規制範囲から逸脱しないようにすることが望まれる。
【0031】
ところで、オペレータが掘削カッターフレーム20の姿勢を変える場合、例えばリモコン操作(有線や無線など)により伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70を伸縮させることで掘削カッターフレーム20を移動させるが、そのようなマニュアル操作においては、オペレータは前記所定の規制範囲から逸脱していないかどうかを確認することができない。
【0032】
このため、本実施の形態では、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70には、それぞれのストロークを検出(取得)するためのストロークセンサがそれぞれ配設され、それぞれの検出信号が制御装置(図示せず)に入力されている。
【0033】
そして、本実施の形態に係る制御装置では、各ストロークセンサにより検出(取得)される伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70のそれぞれのストローク量(駆動量)に基づいて、掘削カッターフレーム20の姿勢(最外部の軌跡)を演算により求め、予め設定記憶されている所定の規制範囲から、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が逸脱していないか否かを判断するように構成されている。
【0034】
通常、所定の規制範囲から、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が逸脱しようとすると、安全確保のために、制御装置は、自動的に、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の動きを停止し、所定の規制範囲内へ戻る方向への動作のみ許容するような制御を行うようになっている。
【0035】
なお、掻出・回収作業やその準備を行っているときや、保守点検作業時などには、その作業に支障を来さないように、制御装置では、一時的に、上述したような安全確保のための自動制御を停止するようになっている。
【0036】
そして、上記作業が終了して掘削カッターフレーム20を所定の規制範囲内に収容させると、自動で制御装置による安全確保のための自動制御が復帰されるようになっている。
【0037】
なお、誤操作、錯誤、誤作動などによって、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲外へ逸脱してしまう危険をより確実に回避するために、以下のような制御を行わせることもできる。
【0038】
例えば、本実施の形態では、作業現場への移動時及び到着後の作業時や点検・整備時には、図8のフローチャートに示すような処理操作を行うようにすることができる。
すなわち、
ステップ(図では、Sと記す。以下、同様)1で、オペレータは、例えば基地内等に停留中の作業機械100を始動させると共に、バラスト交換機(バラスト掻出・回収装置)10の本体及び作業機械100に搭載されている車載発電機の電源スイッチをONにする。
【0039】
ステップ2では、制御装置は、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの作動を開始し、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0040】
ステップ3では、作業現場へ到着して作業を開始する場合や、点検・整備のために検収庫へ移動した後であるので、オペレータは掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を手作業により解除した後、オペレータの操作により、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70を動作させ、掘削カッターフレーム20を、図3の所定の規制範囲内において所望に移動させる。
【0041】
なお、ステップ4に示すように、オペレータは作業機械100の運転席から掘削カッターフレーム20の動作を操作することができると共に、ステップ5に示すようにラジオコントロールなどの遠隔操作により掘削カッターフレーム20の動作を操作することができる。
【0042】
ステップ6では、制御装置は、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内で移動していることを監視する。
【0043】
ステップ7では、オペレータによる操作中、制御装置は、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱するおそれがあると判断した場合、逸脱への影響度合いが高い作動中のシリンダを停止するための停止信号を、シリンダへ供給する油圧を制御するバルブコントローラへ発信する。
【0044】
なお、ステップ11に示すように、制御装置が掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱するおそれがあると判断しない限り、バルブコントローラへの停止信号は発信されず、オペレータの操作による掘削カッターフレーム20の動作が継続される。
【0045】
ステップ8では、バルブコントローラは、受信した停止信号を電気信号に変換して、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各油圧ラインに介装されている作動停止用ストップバルブに送信して、停止すべきシリンダの作動を停止制御する。なお、状況によっては、安全確保のために、すべてのシリンダの動作を停止するようにしてもよい。
【0046】
ステップ9では、制御装置では、掘削カッターフレーム20を安全な方向へ移動させるために必要なシリンダを選定して、それをオペレータに認知させ、オペレータは該当するシリンダを操作して、掘削カッターフレーム20の姿勢を安全な方向へ移動させる。
【0047】
ステップ10では、停止信号により停止された掘削カッターフレーム20を再び動作させるために、現在の掘削カッターフレーム20の姿勢を各シリンダのストロークセンサからの出力信号に基づき把握し、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しない範囲で作動を許容する。
【0048】
このように、本実施の形態では、制御装置が、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の動きを常に監視して、掘削カッターフレーム20の姿勢を常に制御するため、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱して危険な状態となる前に自己判断して防御することにより、作業における安全性が自動的に確保されることになると共に、作業機械100を移動させる場合にも人間による錯誤などを極力排除して自動的に掘削カッターフレーム20の姿勢を制御するため、安全性が自動的に確保されることになる。
【0049】
このため、本実施の形態によれば、熟練者でなくても、或いは錯誤などにより誤操作などがあっても、掘削カッターフレーム20を常に安全な姿勢に維持することができるため、安全性の高い作業機械を提供することができる。
【0050】
なお、本実施の形態に係る制御装置は、掻出カッターフレーム20及び該掘削カッターフレーム20と連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータを伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70から選択してその駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを残りの駆動アクチュエータから選択して、オペレータに報知するようにしたので、オペレータは熟練していなくても、容易かつ確実に、掻出カッターフレーム20及び該掘削カッターフレーム20と連動する部材を所定の範囲内に収める操作を行うことができるため、安全性の高い作業を提供することができる。
【0051】
更に、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)を行っている場合には、図9のフローチャートに示すような処理操作を行うようにすることができる。
【0052】
ステップ21では、バラスト掘削作業実施のため、作業機械100を留置基地から作業現場へ軌条走行して移動させる。
【0053】
この間、ステップ22にて、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムによる姿勢制御を実行し、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0054】
S23にて作業現場へ到着すると、その後は、ステップ24にて掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)をオペレータ等が手作業などによって解除する。なお、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)を行うためには、作業の特性上、掘削カッターフレーム20を所定の規制範囲外へ移動させる必要が生じる。
【0055】
ステップ25では、オペレータはラジオコントロールなどの遠隔操作により、掘削カッターフレーム20を掘削作業可能な姿勢に移動するために、作動制限自動システムの作動解除スイッチをオンする。これにより、作動制限自動システムの作動の一部(高さ方向以外)が解除される。なお、高さ方向への制限は、架線などとの接触を避けるために継続される。
【0056】
ステップ26では、掘削カッターフレーム20が規定高さ以上に上昇しないように、監視しながら、レール4と略平行に支持されている掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを、枕木5の下側に枕木5と略平行になるように持ち来たす。
【0057】
ステップ27にて、作業中においても、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視して安全を確保する。
【0058】
ステップ28では、作業終了後に、作業機械100を作業現場から停留先の基地へ回送するために、掘削カッターフレーム20の水平掻出部20Aを、枕木5の下側から所定の規制範囲内に移動させ、回送姿勢(図1の姿勢)に持ち来たす。
【0059】
ステップ29では、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内に収容され回送姿勢に、ある所定時間維持されると、ステップ25にて一時的に解除されていた作動制限自動システムが自動的に復帰され、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの姿勢制御が完全復帰して、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークを常時監視して掘削カッターフレーム20の姿勢を監視する。
【0060】
ステップ30では、オペレータ等は、掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を締結して留置基地へ回送移動する。
【0061】
一方、ステップ31では、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲内に一旦収容されても、ある所定時間維持されず、掘削カッターフレーム20が再度所定の規制範囲外へ移動された場合には、ステップ25にて一時的に解除した状態が継続される。
但し、車速信号などに基づいて、所定車速以上となった場合には、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲から逸脱しないようにする作動制限自動システムの姿勢制御を実行するように構成することもできる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、作業現場までのレール4上を移動中には、作動制限自動システムにより姿勢制御を実行して、掘削カッターフレーム20等が所定の規制範囲から逸脱しないようにして安全を確保する一方、バラスト掘削作業(掻出・回収作業)時には、高さ方向の制限以外は解除して掘削カッターフレーム20によるバラストの掻出・回収作業を行わせるようにしたので、安全性と作業能率向上の両立を図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、作業機械100を地上走行用クローラ(無限軌道)2などにより陸上を移動させる場合には、レール4上を走行中のような隣接線を走行する鉄道車両等との接触などのおそれは少ないため、図10に示すフローチャートのような処理操作を行うようにすることができる。
【0064】
すなわち、ここでは、作業機械100をレール4から退避させて陸上を移動させる場合における掘削カッターフレーム20の姿勢制御について説明する。
例えば、基地内を地上走行用クローラ(無限軌道)により自走して移動する場合や、トレーラなどに積載して他の作業現場へ作業機械100を運搬するような場合が想定される。
【0065】
ステップ41では、例えば運転席(キャビン)に設置してある作動制限自動システムの全解除スイッチをオンする。
【0066】
ステップ42では、掘削カッターフレーム20の機械式安全装置(ストッパなど)を解除する。
【0067】
なお、制御装置では、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークに基づいて、掘削カッターフレーム20の姿勢を常時監視しており、掘削カッターフレーム20が所定の規制範囲外で移動していることを認知しているが、全解除スイッチがオンとなっているので、バルブコントローラへの停止信号は発信されず、オペレータの操作による掘削カッターフレーム20の動作は継続される。
【0068】
ステップ43では、運転席(キャビン)での操作により、掘削カッターフレーム20及び前後の軌条走行用車輪3による走行から、地上走行用クローラ(無限軌道)2による走行姿勢に変更する。
【0069】
ステップ44では、運転席(キャビン)でのレバー操作などにより作業機械(作業車両)1本体を地上走行用クローラ(無限軌道)2により移動させる。
【0070】
以上で説明したように、本実施の形態によれば、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の各ストロークをストロークセンサにより取得し、取得した各シリンダのストロークに基づいて、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の姿勢を常時監視し、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように、伸縮シリンダ30、起伏シリンダ50、水平シリンダ60、切込シリンダ70の作動を制限するようにしたので、掘削カッターフレーム20等が前記所定の規制範囲から逸脱して、他の列車や設備等と接触等することを確実に回避することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、掘削カッターフレーム20(を含むバラスト掻出・回収装置10)の姿勢を常時監視する構成としたので、単に各シリンダのストロークを監視してリミット制御を行わせるような場合に比べると、あるシリンダのストロークは比較的大きくても他のシリンダの動作によっては所定の規制範囲内に収まる状態などにおいては本実施の形態ではその状態は許容されることになるので、掘削カッターフレーム20の作動範囲を最大限広げながら、確実に所定の規制範囲からの逸脱を抑制することができることになる。
【0072】
このため、本実施の形態によれば、熟練者でなくても、或いは錯誤などにより誤操作などがあっても、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10を常に安全な姿勢に維持することができるため、安全性の高い作業機械を提供することができる。
【0073】
なお、機械式安全装置(メカニカルなストッパなど)を手作業により、掘削カッターフレーム20の動きを規制することと、本実施の形態に係る掘削カッターフレーム20の姿勢制御とを併用することで、一層の安全性が確保される。ただし、本実施の形態では、このような機械式安全装置(メカニカルなストッパなど)をセットし忘れたような場合でも、掘削カッターフレーム20の姿勢を自動的に制御できるので安全が確保されている。
【0074】
また、本実施の形態では、ストロークセンサを設ける構成としたが、例えば、関節部分については回転角度(揺動角度;駆動量)を検出するエンコーダなどを用いて関節の回転角度位置(駆動量)を取得して、これを利用して掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の姿勢を常時監視し、掘削カッターフレーム20を含むバラスト掻出・回収装置10の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しないように制御するような構成とすることもできる。
【0075】
ところで、本実施の形態では、油圧を利用したシリンダ(駆動アクチュエータ)を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電動モータを利用したものや、油圧以外の水圧、空気圧などの流体圧を利用したアクチュエータを採用することも可能である。
【0076】
以上で説明した一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0077】
2 地上走行用クローラ(無限軌道)
3 軌条走行用車輪
4 レール(軌条)
5 枕木
10 バラスト掻出・回収装置
20 掻出(掘削)カッターフレーム
20A 水平掻出部
21 カバーダクト
22 受けホッパ
23 エンドレスチェーン体
24 掻出爪
30 伸縮シリンダ(伸縮自在アーム;駆動アクチュエータ)
40 アーム
50 起伏シリンダ(駆動アクチュエータ)
60 水平シリンダ(駆動アクチュエータ)
70 切込シリンダ(駆動アクチュエータ)
80 ベルトコンベア
A,B,C 関節(枢軸)
100 作業機械(作業車両)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道道床においてレールが取り付けられる枕木を支持するバラストを回転駆動される掻出部を介して掻き出す掻出カッターを支持する掻出カッターフレームを、相対移動可能に支持している作業機械であって、
掻出カッターフレームを作業機械に対して相対移動させる駆動アクチュエータの実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が、レール長手方向から投影した所定の規制範囲から逸脱しないように、駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記所定の規制範囲は、隣接線を走行する車両と接触しない範囲であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記所定の規制範囲は、トンネル壁及び架線と接触しない範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
バラスト掻出作業中においては、前記制御装置の高さ方向以外の制限を解除することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の作業機械。
【請求項5】
前記制御装置は、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータの駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを選択して、オペレータに報知することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の作業機械。
【請求項6】
前記掻出カッターフレームの先端側の水平掻出部が、側方から枕木の下側に潜り込まされてバラストを掻き出すことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の作業機械。
【請求項1】
鉄道道床においてレールが取り付けられる枕木を支持するバラストを回転駆動される掻出部を介して掻き出す掻出カッターを支持する掻出カッターフレームを、相対移動可能に支持している作業機械であって、
掻出カッターフレームを作業機械に対して相対移動させる駆動アクチュエータの実際の駆動量を取得し、取得した実際の駆動量に基づいて、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の姿勢を取得し、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が、レール長手方向から投影した所定の規制範囲から逸脱しないように、駆動アクチュエータの動きを制限する制御装置を含んで構成されたことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記所定の規制範囲は、隣接線を走行する車両と接触しない範囲であることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記所定の規制範囲は、トンネル壁及び架線と接触しない範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
バラスト掻出作業中においては、前記制御装置の高さ方向以外の制限を解除することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の作業機械。
【請求項5】
前記制御装置は、掻出カッターフレーム及び該掻出カッターフレームと連動する部材の少なくとも一部が所定の規制範囲から逸脱しそうな場合には、逸脱に対する影響の大きい駆動アクチュエータの駆動を停止すると共に、所定の規制範囲内へ収める方向への移動が可能な駆動アクチュエータを選択して、オペレータに報知することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の作業機械。
【請求項6】
前記掻出カッターフレームの先端側の水平掻出部が、側方から枕木の下側に潜り込まされてバラストを掻き出すことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の作業機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−82577(P2012−82577A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227113(P2010−227113)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【特許番号】特許第4656673号(P4656673)
【特許公報発行日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(596018931)マルマテクニカ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【特許番号】特許第4656673号(P4656673)
【特許公報発行日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(596018931)マルマテクニカ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]