説明

作業用手袋とその製造方法

【課題】防水性や耐油性を備え、強度や耐切創性等が高く、フィット性に優れるうえ、柔らかさが良好に維持されて使用感の優れた作業用手袋を提供する。
【解決手段】内層手袋(2)とその外側に配置したシームレス手袋(3)とを備える。シームレス手袋(3)には予め撥水加工を施しておく。撥水加工を施したシームレス手袋(3)の編糸の表面を高分子材料(4)で覆い、編目内に高分子材料(4)を浸透させる。シームレス手袋(3)の編目を通して高分子材料(4)を内層手袋(2)の外面側の一部に浸透させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強度や耐切創性等を高めた作業用手袋とその製造方法に関し、更に詳しくは、防水性や耐油性を備え、強度や耐切創性等が高く、フィット性に優れているうえ、柔らかさが良好に維持されて使用感の優れた作業用手袋とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高分子材料をコーティングした作業用手袋としては、例えば綿メリヤス生地からなる縫製手袋を天然ゴムラテックスやポリ塩化ビニル溶液などの高分子材料に数回浸漬し、乾燥して固化させることにより製造されるものがある(以下、従来技術1という。)。この種のいわゆるゴム手袋と称する作業用手袋は、防水性や耐油性に優れるが、例えば牡蠣殻などを扱う作業のように強度や耐切創性等が要求される作業の場合は必ずしも充分ではなく、早期に破損するなど強度上の難点があった。
またこの従来技術1では、上記の高分子材料への浸漬回数を増やしてコーティング層の厚みを増すことで強度を高めたものもある。しかしこの場合には、得られた作業用手袋が厚く、硬くなって使い難いという問題がある。
【0003】
これを解消するため、縫製手袋からなる内層手袋の外側にシームレス手袋を配置し、これに高分子材料を浸透させて乾燥させた作業用手袋が提案されている(例えば、特許文献1参照、以下、従来技術2という。)。この従来技術2の作業用手袋は、シームレス手袋の配置により強度や耐切創性等が向上しているうえ、上記の高分子材料がシームレス手袋の全体に浸透するとともに、内層手袋の外面側にも浸透するため、この高分子材料により内層手袋とシームレス手袋とが確りと接着されている。しかも、この高分子材料が内層手袋の内面にまでは浸透しないため、内層手袋のフィット性はそのまま残る利点がある。
【0004】
【特許文献1】特開平11−172514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術2の作業用手袋は、内層手袋の外側にシームレス手袋を配置した二重構造になっており、しかもシームレス手袋の編糸の内部まで高分子材料が含浸してしまうので、上記従来技術1のゴム手袋に比べると硬くなり、使用感が劣るとともに手が疲れ易くなる虞があった。
本発明の技術的課題はこれらの問題点を解消し、防水性や耐油性を備え、強度や耐切創性等が高く、フィット性に優れるうえ、柔らかさが良好に維持されて使用感の優れた作業用手袋とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1から図5に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1は作業用手袋に関し、内層手袋(2)とその外側の少なくとも一部に配置したシームレス手袋(3)とを備え、このシームレス手袋(3)には予め撥水加工を施してあり、この撥水加工を施したシームレス手袋(3)の編糸(5)の表面を高分子材料(4)で覆うとともに編目(6)内に高分子材料(4)を浸透させてあり、このシームレス手袋(3)の編目(6)を通して上記の高分子材料(4)を上記の内層手袋(2)の外面側の一部に浸透させてあることを特徴とする。
【0007】
本発明2は作業用手袋の製造方法に関し、内層手袋(2)の外側の少なくとも一部に、撥水加工を施したシームレス手袋(3)を配置したのち、このシームレス手袋(3)の編目(6)に液状の高分子材料(4)を浸透させるとともに、この編目(6)を通して上記の高分子材料(4)を上記の内層手袋(2)の外面側の一部に浸透させ、その後にこの高分子材料(4)を固化させることを特徴とする。
【0008】
上記のシームレス手袋は撥水加工を施してあるので、編糸の表面に撥水層が形成されている。このため、高分子材料は編糸内部の繊維間へは浸透せず、編糸の表面を覆うとともに編目内に浸透する。そしてこのシームレス手袋の編目内に浸透した高分子材料は、その編目を通過して内層手袋に浸透する。このとき、シームレス手袋の編糸には高分子材料が浸透していないので、この高分子材料は、内層手袋の外面側のうちの、編糸に対面する部位には浸透し難いが、シームレス手袋の編目に対面する部位には容易に浸透する。この結果、内層手袋の外面側の一部に高分子材料が浸透し、この浸透した高分子材料により内層手袋とシームレス手袋とが互いに確りと接着する。
【0009】
ここで上記の高分子材料は、内層手袋やシームレス手袋に浸透させる際には液状で、その後に乾燥等で固化できるものであればよく、特定の材料に限定されない。具体的には、例えば天然ゴムラテックス、NBR(アクリロニトリル・ブタジエン・ラバー)等の合成ゴムラテックス、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、所望の耐油性や耐薬品性等に応じて適宜選定される。
【0010】
また、上記のシームレス手袋に施す撥水加工は、編糸の段階で施しても良く、手袋に編成したのち施しても良い。この加工に用いる撥水剤としては、特定の種類に限定されず、例えばフッ素系撥水剤、シリコン系撥水剤などを挙げることができる。
【0011】
上記の内層手袋は縫製手袋とシームレス手袋のいずれであっても良く、全体が綿繊維からなるものであってもよいが、綿と合成繊維とで形成すると、内層手袋自体の強度を高めることができるうえ、高分子材料の浸透性が高くなるので、シームレス手袋の編目を通過した少ない高分子材料との接着強度を高めることができ、好ましい。この場合、この内層手袋は、綿糸と合成繊維糸とで編成したものであってもよく、或いは綿と合成繊維とからなる編糸で編成したものであってもよい。またこの綿と合成繊維との比率は、特定の比率に限定されず、例えば合成繊維の比率が20〜80%に設定されるが、得られる作業用手袋の風合と強度の観点からは、好ましくは40〜60%に設定される。
【0012】
一方、上記のシームレス手袋は、細い糸で編んだ綿編手袋であってもよいが、合成繊維を用いると、作業用手袋全体の強度を高くできるうえ、高分子材料の浸透性に優れているので内層手袋との接着強度を高めることができ、好ましい。
【0013】
このシームレス手袋や上記の内層手袋に用いる合成繊維としては、例えばウーリーナイロン糸やポリエステル糸等を用いることができる。特にこのシームレス手袋には、アラミド繊維や超高強力ポリエチレン繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの、高機能繊維を含めることができ、この場合は、作業用手袋の強度や耐切創性等を高く維持しながら、繊維を細くしてシームレス手袋を薄く形成でき、柔らかくてフィット性の良好な作業用手袋を得ることができるので好ましい。
【0014】
また、上記のシームレス手袋は、例えばウーリーナイロン糸やゴム糸などの伸縮性糸を編糸に含めることができる。この場合は、シームレス手袋が伸縮性を備えるので、作業用手袋全体を柔らかくでき、良好な使用感を発揮できて好ましい。特に伸縮性に優れた編糸を用いると、作業用手袋を複数のサイズに対応させることが可能となる利点がある。
【0015】
上記のシームレス手袋は、内層手袋の外面全体を覆う必要はなく、特に強度や耐切創性等が要求される部位にのみ配置してもよい。具体的には、例えば指部のみの形状、指部を除いた手の胴体部のみの形状、指先のみを除いて指先の柔軟性を良好にした形状などを挙げることができる。これらの場合は、必要とされる部位の強度等を向上させることができるうえ、シームレス手袋の使用量が少ないので安価に作業用手袋を得ることができる利点がある。
【0016】
上記のシームレス手袋は上記の内層手袋の外側に配置してあればよく、配置方法や高分子材料の浸透方法は特定の方法に限定されない。例えば高分子材料を塗布して浸透させることも考えられるが、通常、立体手型に内層手袋を被着してその外側にシームレス手袋を被着し、これを液状の高分子材料に浸漬することで行われる。
【0017】
このとき、手の平側へやや湾曲させた立体手型に上記の内層手袋を装着し、この内層手袋の外側に上記のシームレス手袋を配置すると、このシームレス手袋は手の平側の編目密度が手の甲側に比べて高くなる。このため、このシームレス手袋に浸透する高分子材料は、編目の広い手の甲側では広い編目を通過して広い接着面積により確りと接着し、編目の詰まった手の平側では接着面積が狭く、緩やかに接着される。この結果、得られた作業用手袋は手の開閉動作に合わせて円滑に動くことができ、柔らかで良好な使用感を発揮できるので好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0019】
(1)撥水加工を施したシームレス手袋は、編糸の表面が高分子材料で覆われており、編目内に高分子材料が浸透しているので、手袋内面への水や油などの侵入を遮断できて各種の作業に使用できる。また、内層手袋の外面にシームレス手袋が配置されており、浸透した高分子材料を介して内層手袋とシームレス手袋とが互いに良好に接着しているので、引張強度や引裂強度が優れるとともに、耐摩耗性、耐切創性にも優れる。しかも、高分子材料は内層手袋の内面にまでは浸透しないので、作業者が装着したときに従来の縫製手袋と同様の優れたフィット性が得られる。
【0020】
(2)シームレス手袋の編糸内部の繊維間には、上記の撥水加工により高分子材料が浸透していないので、この編糸の繊維の移動が許容されて柔軟性が維持される。しかも、内層手袋には、シームレス手袋の編目を通過した高分子材料のみが浸透し、シームレス手袋の編糸に対応する部位には高分子材料が浸透し難いので、内層手袋の外面側の全体に多量の高分子材料が浸透することが防止される。これ等の結果、作業用手袋の柔らかさが良好に維持され、優れた使用感が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1から図5は本発明の実施形態を示し、図1は作業用手袋の一部破断図、図2は高分子材料が浸透した状態を模式的に示すシームレス手袋の要部の拡大平面図、図3は高分子材料が浸透した状態を模式的に示す作業用手袋の要部の拡大断面図、図4は作業用手袋の製造に用いる立体手型の外観図、図5は高分子材料の浸漬処理を示す側面図である。
【0022】
図1に示すように、この作業用手袋(1)は、内層手袋としての縫製手袋(2)と、その外側配置したシームレス手袋(3)とを備え、外側から天然ゴムラテックスや、NBR等の合成ゴムラテックスなどの、高分子材料(4)を含浸させて固化してある。
【0023】
上記の縫製手袋(2)は、ウーリーナイロン糸やポリエステル糸などの合成繊維糸と綿糸とを50:50の比率で合わせた糸を用いて編成してある。一方、上記のシームレス手袋(3)は、アラミド繊維や超高強力ポリエチレン繊維などの高機能繊維を用いて、例えば15ゲージ編みや18ゲージ編みなどの薄い手袋に編成してある。このため、この作業用手袋全体も薄く形成され、素手に近い使用感が得られる。また、上記のシームレス手袋(3)は、手袋に編成したのち、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤により撥水加工が施してある。
【0024】
図2と図3に示すように、上記の高分子材料(4)は、シームレス手袋(3)の編糸(5)の表面を覆うとともに、このシームレス手袋(3)の編目(6)内に浸透している。しかしシームレス手袋(3)は撥水加工が施されているので、編糸(5)の表面に撥水層(7)が形成されており、上記の高分子材料(4)はこの編糸(5)内の繊維間へは浸透しない。
【0025】
そして図3に示すように、上記のシームレス手袋(3)の編目(6)内へ浸透した高分子材料(4)は、この編目(6)を通して上記の縫製手袋(2)の外面側(シームレス手袋との境界面側)の一部に浸透している。即ち、上記の高分子材料(4)は、縫製手袋(2)の外面側のうちの、シームレス手袋(3)の編目(6)と対面する部位に浸透しており、シームレス手袋(3)の編糸(5)に対面する部位には殆ど浸透しない。
なお、上記の縫製手袋(2)に含まれる綿は、合成繊維に比べて高分子材料(4)の浸透性が低いので、この高分子材料(4)は縫製手袋(2)の外面側にのみ浸透しており、縫製手袋(2)の内面にまでは浸透していない。このため、この作業用手袋(1)は、縫製手袋(2)の優れたフィット性を備えている。
【0026】
上記の縫製手袋(2)は綿糸と合成繊維糸とからなるので、上記のシームレス手袋(3)の編目(6)と対面する部位では、上記の高分子材料(4)が良好に浸透しており、この高分子材料(4)を介して縫製手袋(2)とシームレス手袋(3)とが互いに確りと接着している。
このとき、縫製手袋(2)は、シームレス手袋(3)の編糸(5)と対面する部位では高分子材料(4)の浸透が殆どないので、例えば図2に示すように、シームレス手袋(3)とはいわば多数の点状に接着された状態となっている。このため、上記の縫製手袋(2)は、シームレス手袋(3)と確りと接着しながらも、柔軟性が高く維持されている。さらに、上記のシームレス手袋(3)は高分子材料(4)に覆われてはいるが、編糸(5)内には高分子材料(4)が浸透していないことから、このシームレス手袋(3)自体も柔軟性が維持されている。
これ等の結果、上記の作業用手袋(1)は全体が柔らかく形成され、優れた使用感と良好な作業性が発揮される。
【0027】
図1に示すように、上記の作業用手袋(1)は、未装着状態で手の平(8)側にやや湾曲させてあり、シームレス手袋(3)の手の平(8)側の編目密度が、手の甲(9)側に比べて高くなるように形成してある。このため、手の甲(9)側では上記のシームレス手袋(3)の編目(6)が広く、上記の高分子材料(4)による接着面積を広くして縫製手袋(2)に確りと接着してある。これに対し、手の平(8)側では編目(6)が詰まっており、高分子材料(4)による接着面積が狭く、縫製手袋(2)とは緩やかに接着している。また手の平(8)側ではこの編目(6)内に侵入している高分子材料(4)が少ないので、作業用手袋(1)を手の平(8)側に曲げて手を閉じる際にこの高分子材料(4)による抵抗が少なく済む。これらの結果、手の開閉動作を、円滑に且つ容易に行うことができる。
【0028】
つぎに、上記の作業用手袋の製造手順について説明する。
最初に、図4に示す立体手型(10)に上記の縫製手袋(2)を装着し、その外側に、予め撥水加工を施した上記のシームレス手袋(3)を装着する。なお、この実施形態ではシームレス手袋(3)に編成したのち撥水加工を施してあり、編成工程での汚損の虞を少なくしてあるが、編糸の段階で撥水処理を施しておいてもよい。
【0029】
上記の立体手型(10)は、図4に示すように手の平(8)側へやや湾曲させてある。このため、この立体手型(10)に装着された上記のシームレス手袋(3)は、編目(6)が手の平(8)側で狭くなり、手の甲(9)側で広くなっている。
【0030】
次いで、図5に示すように、上記の立体手型(10)に装着した両手袋(2・3)を、浸漬槽(11)内へ収容されたラテックス等の液状の高分子材料(4)に必要回数浸漬する。そして所定の温度で加硫して高分子材料(4)を固化したのち、両手袋(2・3)を立体手型(10)から取外して乾燥を行う。その後、裾口(12)の不要部分をカットすることで、図1に示す作業用手袋(1)が得られる。
【0031】
上記の実施形態で説明した作業用手袋は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、縫製手袋やシームレス手袋の編糸の材質、太さ、編み方、撥水処理の手順、撥水剤の種類、高分子材料の材質などを、上記の実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0032】
例えば、上記の実施形態では内層手袋として縫製手袋を用いたが、本発明では内層手袋にシームレス手袋を用いても良い。
また、上記の実施形態では内層手袋の外側の全面にシームレス手袋を配置したが、本発明では内層手袋の外側の一部、例えば指部や胴部の外側にのみシームレス手袋を配置してもい。
さらに、上記の実施形態では高機能繊維でシームレス手袋を形成したので、薄くて強度や耐切創性等に優れた作業用手袋が得られたが、本発明では他の合成繊維、例えば伸縮性に優れた合成繊維を用いてシームレス手袋を形成してもよく、さらには伸縮性繊維と高機能繊維とを組み合わせた糸、例えば伸縮性繊維の芯糸の周囲に高機能繊維の鞘糸を形成したカバーリング糸などでシームレス手袋を形成してもよい。また、シームレス手袋の指部と胴部を互いに異なる繊維で形成することも可能である。
【0033】
また上記の実施形態では、立体手型に装着した手袋を浸漬槽内の高分子材料に浸漬して乾燥し加熱した。しかし本発明の作業用手袋は、他の方法で製造してもよく、例えば内装手袋に凝固剤を浸漬して乾燥させ、その外側にシームレス手袋を装着したのち、高分子材料液に浸漬させる方法でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の作業用手袋は、防水性や耐油性を備え、強度や耐切創性等が高く、フィット性に優れているうえ、柔らかさが良好に維持されて使用感の優れるので、例えば牡蠣殻などを扱う作業など、各種の作業用手袋に特に好適に用いられるが、その他の作業用手袋としても好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態を示す、作業用手袋の一部破断図である。
【図2】高分子材料が浸透した状態を模式的に示す、シームレス手袋の要部の拡大平面図である。
【図3】高分子材料が浸透した状態を模式的に示す、作業用手袋の要部の拡大断面図である。
【図4】作業用手袋の製造に用いる立体手型の外観図である。
【図5】高分子材料の浸漬処理を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…作業用手袋
2…内層手袋(縫製手袋)
3…シームレス手袋
4…高分子材料
5…シームレス手袋(3)の編糸
6…シームレス手袋(3)の編目
8…手の平
9…手の甲
10…立体手型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層手袋(2)とその外側の少なくとも一部に配置したシームレス手袋(3)とを備え、このシームレス手袋(3)には予め撥水加工を施してあり、この撥水加工を施したシームレス手袋(3)の編糸(5)の表面を高分子材料(4)で覆うとともに編目(6)内に高分子材料(4)を浸透させてあり、このシームレス手袋(3)の編目(6)を通して上記の高分子材料(4)を上記の内層手袋(2)の外面側の一部に浸透させてあることを特徴とする、作業用手袋。
【請求項2】
上記の内層手袋(2)が綿と合成繊維とからなる、請求項1に記載の作業用手袋。
【請求項3】
上記のシームレス手袋(3)の編糸(5)が高機能繊維を含む、請求項1または請求項2に記載の作業用手袋。
【請求項4】
上記のシームレス手袋(3)の編糸(5)が伸縮性糸を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の作業用手袋。
【請求項5】
上記のシームレス手袋(3)が、上記の内層手袋(2)の外側の一部にのみ配置してある、請求項1から4のいずれか1項に記載の作業用手袋。
【請求項6】
内層手袋(2)の外側の少なくとも一部に、撥水加工を施したシームレス手袋(3)を配置したのち、このシームレス手袋(3)の編目(6)に液状の高分子材料(4)を浸透させるとともに、この編目(6)を通して上記の高分子材料(4)を上記の内層手袋(2)の外面側の一部に浸透させ、その後にこの高分子材料(4)を固化させることを特徴とする、作業用手袋の製造方法。
【請求項7】
上記の内層手袋(2)を綿と合成繊維とで形成する、請求項6に記載の作業用手袋の製造方法。
【請求項8】
上記のシームレス手袋(3)を、高機能繊維を含む編糸(5)で形成する、請求項6または請求項7に記載の作業用手袋の製造方法。
【請求項9】
上記のシームレス手袋(3)を、伸縮性繊維を含む編糸(5)で形成する、請求項6から8のいずれか1項に記載の作業用手袋の製造方法。
【請求項10】
上記のシームレス手袋(3)を、上記の内層手袋(2)の外側の一部にのみ配置する、請求項6から9のいずれか1項に記載の作業用手袋の製造方法。
【請求項11】
手の平(8)側へやや湾曲させた立体手型(10)に上記の内層手袋(2)を装着し、この内層手袋(2)の外側の少なくとも一部に上記のシームレス手袋(3)を配置したのち、上記の液状の高分子材料(4)をこれらの手袋(2・3)に浸透させる、請求項6から10のいずれか1項に記載の作業用手袋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−248439(P2008−248439A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91738(P2007−91738)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000101499)アトム株式会社 (8)
【Fターム(参考)】